G.Skill Trident Z RGB



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RGB LEDイルミネーションに対応する「G.Skill Trident Z RGB DDR4メモリ(型番:F4-3000C16Q-32GTZR) 8GB×4=32GB, XMP3200MHz」をG.Skillからお借りできたので、XMPを使用した簡単なメモリのオーバークロックと「G.Skill Trident Z RGB」専用アプリを使用したLEDイルミネーション操作についてレビューします。
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製品公式ページ:http://www.gskill.com/en/finder?cat=31&series=2860
代理店プレスリリース:http://www.mustardseed.co.jp/news/release/release170118.html




G.Skill Trident Z RGB レビュー目次


1.G.Skill Trident Z RGBの外観
2.G.Skill Trident Z RGBのLEDイルミネーション
3.
G.Skill Trident Z RGBをASUS AURA Syncで同期
4.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
5.G.Skill Trident Z RGBのXMP OCを試す
6.【New!!】 i9 7900X環境で3800MHzにオーバークロック
7.【New!!】 TR 1950X環境で3466MHzにオーバークロック
8.G.Skill Trident Z RGBのレビューまとめ



G.Skill Trident Z RGBの外観

まず最初にG.Skill Trident Z RGB DDR4メモリの外観をチェックしていきます。
紙製の外パッケージを開けると中にはプラスチック製のスペーサーに2枚ずつメモリが収められていました。
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今回、お借りしたサンプルは8GB×4のモデルなの4枚のメモリが入っています。
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ヘアライン入りのアルミ製ヒートシンクがクールです。
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初期のブラック/グレー&レッドのツートンカラーなTrident Zシリーズを比較してみました。側面のデザインは初期Trident ZもTrident Z RGBもほぼ一致していますが、メモリブランドの刻印に”RGB”が追加されています。
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背面を見ると初期とRGB共にブランドロゴの下にシリアルナンバーなどが記載されたシールが貼られていました。あと裏表を見比べてみると初期型とRGBではブラックとグレーの側面ヒートシンクのカラーが入れ替わっていました。
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上面についてもチェックしてみると、初期型ではアルミヒートシンクの放熱フィンが3重になっていますが、RGBではイルミネーション発光のスペースを確保するため放熱フィンは2重に減っています。
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放熱フィンの数が減った分、白色半透明なプラスチック製ディフューザーの面積が広くなっているのがわかります。中央にG.Skillロゴが入っているのは同じです。
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外観のチェックも完了したので早速検証機材にセットしてみました。
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G.Skill Trident Z RGBのLEDイルミネーション

続いてG.Skill Trident Z RGB DDR4メモリのLEDイルミネーションをチェックしていきます。
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Trident Z RBGは操作なしでも独特な発光パターンでLEDイルミネーションが点灯します。
操作なし状態での発行はCPUソケットを左、メモリスロットを右として、各メモリで上から下に7色に変化していきます。ただし起動直度は色の変化が一致しているのですが徐々にズレてきてランダム然とした発光パターンになってしまいます。
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G.Skill公式から「G.Skill Trident Z RGB」専用のLEDイルミネーション操作アプリのBeta版が2月末に配布開始されたので専用アプリによる操作を試してみます。
専用アプリ「Trident Z RGB Control」はG.Skillの公式ダウンロードページから入手できます。
公式DLページ:http://www.gskill.com/en/download
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注意事項としてまだベータ版なので動作が安定しない場合があるのと、3月6日時点で公式に「多分対応」と記載があるのはIntel 200シリーズマザーボードとなっています。Intel 100シリーズとAMD 300シリーズマザーボードについては一部で動作するかもしれない、Intel X99マザーボードはベータ版は対応していないとのことでした。

「Trident Z RGB Control」のインストール自体は普通のインストーラー同様にポチポチクリックするだけなので割愛するとして早速、操作方法をチェックしていきます。
まず専用アプリを開いて驚いたこととして、「Trident Z RGB Control」はまんま「ASUS AURA Sync」と同じソフト(のG.Skill版)というデザインでした。動作エラー時の自動デバッグ情報送信でも「AURA for G.skill」と表記があったのでASUS AURAベースでTrident Z RBGのLEDイルミネーションは設計されているようですね。
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選択可能な発光パターンとしては「Static(固定発光)」「Breathing(ゆっくり明滅)」「Strobing(点滅)」「Color Cycle」「Rainbow」「Comet」「Flash and Dash」「Wave」「Glowing yoyo」「Starry-Night」「Music」以上の11種類が存在します。

まずは「Static(固定発光)」「Breathing(ゆっくり明滅)」「Strobing(点滅)」については、名前の通り選択した発光カラーに固定して発光、もしくはゆっくり明滅、点滅させることができます。
具体的な設定方法として、カラーサイクル&トライアングルからは発光カラーおよび輝度を選択でき、その左にあるアイコンから発光カラーを設定する部位を選択できます。アイコン一覧も下にあるボタンを押すと現在編集している部位に設定されているカラーに全ての部位を同期させることができます。
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注目ポイントとしては「G.Skill Trident Z RGB」では1つのメモリモジュール上の発光部分は5分割されており、それぞれに発光カラーを設定することが可能です。今回は4枚のメモリモジュールを使用しているので20か所のLED発光カラーを個別に設定できました。以後、個別に発光カラーを設定できるものについては「任意のカラーセット」と呼ぶことにします。
わかりやすく各メモリのパーティション毎の発光カラーを揃えていますが、個別設定することで次のような発光カラー設定が可能です。
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また発光カラー編集部位のアイコン一覧のすぐ下にある同期ボタンを使えば簡単に特定のカラーに統一して全てのメモリを発光させることもできます。
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「Color Cycle」ではメモリのLEDイルミネーションが同期して特定の発光カラーで点灯しながら緩やかに別の発光カラーへと遷移していきます。
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「Rainbow」ではCPUよりのメモリから順に、上から発光カラーが次の色に変化していき右下まで次の発光カラーに変化すると右上が次の発光からに変化して……を繰り返します。変化する範囲はカラーサイクルを一周する「Color Cycle」とサイクルの一部を切り取る「Gradient」から選択可能で、変化スピードも5段階で設定できます。
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「Comet」「Flash and Dash」は似ていて、任意のカラーセットでCPUソケット寄りのメモリから順に、上から下へ順番に発光していきます。「Comet」と「Flash and Dash」の違いは「Comet」では点滅箇所以外は消灯しており、「Flash and Dash」では点滅箇所以外も常に任意のカラーセットで点灯していきます。
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「Wave」は任意のカラーセットについて、メモリの左側を岸に見立てて、左から右へ点灯していき右から左に消灯するのを繰り返します。
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「Glowing yoyo」は任意のカラーセットについて、輝度最小で全体が点灯した状態で左上から順に輝度最大で発行していき、発光した場所は数秒光が残ります。
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「Starry-Night」は任意のカラーセットについて、輝度最小で全体が点灯した状態で左上から順に輝度最大で発行していき、発光した場所は数秒光が残ります。
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G.Skill Trident Z RGBをASUS AURA Syncで同期

G.Skill Trident Z RGB DDR4メモリのLEDイルミネーションはASUS AURA Syncにも対応しており、ASUS製マザーボードの一部ではマザーボード備え付けのLEDイルミネーションと同期操作可能なので、ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULAで試してみました。
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ASUS AURA Syncに対応した一部のASUSマザーボードではすでに「G.Skill Trident Z RGB」のLEDイルミネーション動作に対応した「AURA Sync」が配布されています。(ver1.04.29以降)
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この最新版のAURA Syncを使用してマザーボードとG.Skill Trident Z RGBのLEDイルミネーションを操作します。最新のAURA Syncを起動するとマザーボードに加えて、DRAMという項目が表示されました。
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発光パターンのStaticを選択すると、マザーボードのLEDイルミネーションに加えてG.Skill Trident Z RGBの設定部位が表示されるのでこれまで同様に個別設定が可能です。また全体の設定同期ボタンに加えて、「マザーボードのみを同期」のボタンも追加されていました。
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マザーボードや汎用4PINヘッダーを赤色、Trident Z RGBを青色に設定してみました。
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G.Skill Trident Z RGB単体を操作した時と同様に任意のカラーセットを設定して好みの色に発光させることができます。
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カラーサイクルを使用すれば全体を同期して発光カラーを変化させることもできます。



Trident Z RGBは単独でも様々なLEDイルミネーション操作が可能ですが、ASUS AURA Sync対応マザーボードやその他対応機器を組み合わせることでさらに多彩なLEDイルミネーションを展開できます。
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メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順

ここからはメモリのオーバークロックを行いますが、その前に検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明を行います。

G.Skill Trident Z RGB DDR4メモリのメモリOCを行う環境としては、ASRock Z270 SuperCarrierなどで構成されているベンチ機を使用しました。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i7 7700K
殻割り&クマメタル化(レビュー
CPUクーラー Intel TS15A
メインメモリ G.Skill Trident Z RGB
8GB×4=32GB
型番:F4-3000C16Q-32GTZR)
マザーボード
ASRock Z270 SuperCarrier
レビュー
ビデオカード ASUS GeForce GT730
ファンレス GT730-SL-2GD3-BRK
システムストレージ
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4
OS Windows10 64bit Home
電源ユニット Corsair RM650i (レビュー

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実際にメモリのオーバークロックを行う前にメモリのOCについても紹介しておきます。
今回はASRock Z270 SuperCarrierの設定項目に合わせて紹介しますが、マザーボードメーカーによってレイアウトこそ多少異なるものの、メモリOC設定の方法については基本は共通なのでここの説明を一通り読めば予備知識としては十分だと思います。プラットフォーム別でも、18年最新のIntel第8世代CoffeeLake-S CPUに対応するIntel 300シリーズマザーボードであればほぼ全ての機種で似たような設定が可能です。またIntel Skylake-X&X299マザーボード環境、AMD Ryzen&AM4マザーボード環境、AMD Ryzen Threadripper&X399マザーボード環境でもメモリOCの手順はほぼ同じです。
まず大前提としてオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。最近のPCパーツは常識的な範囲内であればOCしても壊れることは滅多にないはずですが、データの破損は依然としてよくあることなので大切なデータは予め隔離するかバックアップをとってください。

CPUやGPUのオーバークロックと違ってメモリには負荷テストで落ちる(BSODやフリーズ)わけでもないのに、長期的に見てランダムにソフトウェアでエラーが発生するなどといったケースもあり、実用を兼ねるOCとしては比較的難易度が高いです。

最低限の安定性検証は必要なのでメモリOC時のストレステストについて、管理人は経験的にHCI memtestで200%カバーを確認後、動画のエンコードテストを30~60分で安定動作と判断しています。記事内で行ったメモリOCについては特に記載がなければ上記の検証クリアで安定動作としています。HCI Memtest
また18年に入ってから新たにリリースされた「Ram Test(レビュー)」という海外のメモリ安定性検証ソフトが軽量かつ使いやすく、1000円程の有料ソフトですがおすすめです。RAM Test
その他にも負荷テストにはPrime95やOCCTなどかなり重いストレステストを使うユーザーも多いようですが、CPUにしろメモリにしろ専用負荷ソフトを使ってOCの安定性検証をしていても落ちるときは落ちるので、ある程度のところで見切りをつけて、日頃のバックアップを心掛け、落ちた時は設定を緩めるか電圧を盛るほうが手っ取り早いというのが管理人の持論です。

メモリOCに伴うBSODやフリーズ以外の細かいトラブルについては次の記事でまとめたりコメント欄を情報交換に開放しているので活用してください。
DDR4メモリのオーバークロックで発症した不具合と解決策について
メモリのオーバークロックで発症した不具合と解決策について

CPUの倍率変更OCと違って、メモリOCの設定段階では正常にPOSTできずBIOSにすらたどり着けないケースもあり、そういった場合はCMOSクリア(BIOS設定の初期化)が必要になる場合があります。CMOSクリアの方法はオンボードやリアI/Oに実装されたスイッチを使用したり、オンボードジャンパーピンを使用したりとマザーボードによって方法が異なります。メモリOCを実践する前に予めCMOSクリアの方法をチェックしておいてください。
CMOS Clear_1CMOS Clear_2


前置きはこのあたりにして、メモリのオーバークロックに関するBIOSの設定について、Core i7 7700KなどKabyLake-S CPUに対応するZ270チップセット搭載マザーボードのASRock Z270 SuperCarrierを例に詳しく紹介していきます。
Memory OC Setting_2

メモリの性能は簡単に言うと『動作クロックが高く』『タイミングが小さい』ほど性能が高くなります。
そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると、「1.電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「2.そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。最初のメモリタイミング設定については「16-18-18-36」とか「18-18-18-38」とか「20-20-20-40」とか、何でもいいのでてきとうに決め打ちするか、マザーボードの自動設定にお任せしてしまいます。動いたらラッキーでタイミングを小さく刻み、動かなかったらタイミングを緩めてまたチャレンジする、という具合で特定のメモリ周波数についてチェックしていきます。

メモリのOCでは、G.SkillやCorsairなどからOCプロファイルを収録した選別済みOCメモリという便利なものが販売されています。XMPなどOCプロファイルによるOC対応がうたわれているOCメモリでは、上の手順によるメモリのオーバークロック、つまりOC耐性の選別をメモリメーカー側がすでに行って、その個体(メモリモジュール)について動作確認をしています。IntelプラットフォームではこういったOCプロファイルのことを「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル(XMP)」と呼んでいます。XMPはIntelが策定したものなので、厳密にいうとAMD環境には非対応ですが、XMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されており、XMPがほぼデファクトスタンダード的扱いになっているので、OCプロファイルによるメモリOCを”XMPでOCする”とまとめて表現してしまう場合もあります。
ともあれOCプロファイルによるメモリOCではメーカーが動作確認を行ったメモリモジュールでOCプロファイルを適用するだけなので、メーカーが確認済みもしくは類似の環境(主にQVLに記載のあるマザーボード)が用意できれば簡単にメモリをオーバークロックができます。


以上を念頭にBIOS(UEFI)メニューから行う具体的なメモリOCのBIOS設定を見ていきます。なおOC設定を詰めていく時はWindowsとBIOSを頻繁に行き来することになるので、BIOS(UEFI)への再起動ショートカットを作っておくと非常に便利です。BIOS(UEFI)への再起動ショートカットの作り方も別の記事で紹介しています。

ASRock Z270 SuperCarrierでは「OCツール - DRAM設定」の設定ページ内にある「設定の読み込み」で「自動(カスタム設定)」と「XMP」の2種類からメモリの動作クロックとタイミングを設定できます。メモリOC設定_2
「XMP」は上で紹介したように各メモリメーカーが一定環境で動作確認を行ったメモリのオーバークロックプロファイルがメモリに収録されており、その値が適用されて自動的にメモリ周波数とメモリタイミングがOCされます。XMPを使用しない場合は、「DRAM Frequency(メモリ周波数)」の項目とAutoにすると、DDR4メモリごとにSPDプロファイルに設定された2133MHz~2666MHzの動作周波数とタイミングによる定格動作となります。ASRock Z270 SuperCarrierなどASRock製のマザーボードでは「自動」モードが事実上のカスタム設定モードになっており、「DRAM Frequency(メモリ周波数)」でプルダウンメニューから動作周波数を選択できます。メモリOC設定_2
XMP対応OCメモリの仕様値ではメモリ周波数に加えて「16-18-18-36」のようなメモリタイミングについての表記に見え覚えのある読者も多いと思います。このワンセットになった数字はファーストタイミングもしくはプライマリタイミングとも呼ばれ、Intel/AMD環境毎やマザーボードベンダー毎に表記がやや異なるものの、前から順に「CAS Latency (tCL」)」、「RAS to CAS (tRCD)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」となっています。ユーザーが各自でメモリタイミングを手動設定する場合は上の4つに加えて「Reflash Cycle Time (tRFC)」と「Command Rate:1 or 2」の計6つについて設定し、残りはマザーボードの自動設定にお任せしてしまうのが、比較的簡単でおすすめな設定方法です。メモリOC設定_3
メモリのタイミングには他にも多くの項目がありますが、基本的には上の6つを適切に設定すればOKです。XMPの場合は自動的に動作確認済みのタイミングが適用されますし、マニュアル設定の場合でも設定値Auto(自動)であればマザーボード側がメモリ周波数に合わせて適当に設定を行ってくれます。
最初に書いたようにタイミングは小さい方が性能が高くなります。ただタイミングの設定は少し難しいのでXMPかAuto設定にお任せしてしまうのが手っ取り早くておすすめです。

なおメモリクロックもCPUコアクロック同様にBCLK(ベースクロック、FSBなどとも)に対する倍率なので、BCLKを変更することでBCLK:100MHz時の4133MHz上限から、例えばBCLK:120MHzにすると上限5000MHzに引き上げられます。ただしBCLKを使ったOCはかなり難易度が高いので基本的に100MHz固定が推奨です。
メモリOC設定_4メモリOC設定_5

DDR4メモリでメモリ周波数をOCする場合2133MHz~2933MHzあたりまでであれば、DRAM電圧は定格の1.200Vで問題なく動作することが多いですが、メモリ周波数3000MHz以上を狙う場合はDRAM電圧を1.350V以上まで昇圧する必要があります。マザーボードによってはメモリ周波数に応じて自動で設定してくれるものもありますが、手動設定のほうが確実なので予め設定しておくのがおすすめです。
メモリOC電圧_1
なおDRAM電圧を盛ると当然発熱は大きくなりますが、1.350~1.380V程度であればCPUソケット周辺に直接風の当たらない簡易水冷環境であってもOCメモリに設置されたヒートシンクによるパッシブ冷却で基本的に問題ありません。メモリ周波数4000MHz以上になると1.400V以上が要求され、OC自体も難しくなり発熱も大きくなってくるので、IntelプラットフォームのCoffeeLake-S(Z370)、KabyLake-S(Z270)、Skylake-X(X299)の環境では3200~3600MHz、AMDプラットフォームのRyzen(X470/X370)やRyzen Threadripper(X399)の環境では2933~3200MHzを狙うのが難易度的には比較的簡単なのでおすすめです。

説明の順番が前後してしまいましたが、初めてメモリのOCをする場合は、メモリ周波数やタイミングを変更する前に、HWinfoなどのモニタリングソフトを使用してBIOSで指定した電圧設定が正常に反映されているか確認しておくとメモリOCに失敗した時に原因切り分けに役立ちます。メモリOC電圧_4

Intel CPUのKabyLake-S(Core i7 7700Kなど)やBroadwell-E(Core i7 6950Xなど)でDDR4メモリの動作クロックを3000MHz以上にOCする場合はDRAM電圧だけでなく「電圧設定」の項目内にある「VCCSA」も適度に盛ってやるとメモリOCの動作が安定します。またAMD Ryzen CPU環境の場合は「SOC電圧」を昇圧します。
設定の目安としてはIntel環境の「VCCSA」なら1.200~1.250V程度、AMD環境の「SOC電圧」なら1.100~1.200V程度を狙うといいようです。一部のマザーボードではメモリ周波数で高い数値を選んだ時やXMP適用時にこれらの電圧を自動的に昇圧してくれるものもありますが、メモリのOCを行うときはメモリ電圧同様に手動で設定しておくのがおすすめです。メモリOC電圧_2

また一部のマザーボードではメモリOCに伴いPCI-E拡張デバイスの検出不可やUSB機器同士の干渉といった不具合が生じる場合があります。グラフィックボードを検出できないと画面が暗転したまま表示できなくなるので非常に困ります。この不具合が発生した場合、CoffeeLake-SやSkylake-XなどIntel環境では「VCCIO」や「PCH Core Voltage」(マザーボードメーカーごとに表記が若干異なる)を1.150~1.200V程度に盛ると安定します。
検証機材のASRock Z270 SuperCarrierでもメモリ周波数を3000MHz以上にOCすると、PCI拡張デバイスの認識に不具合が発生しましたが、「VCCIO」を適当に盛ってやることでメモリをOCしても正常に動作しました。
メモリOC電圧_3


メモリのオーバークロックの方法や基礎知識については以上となります。BIOS上のOC設定のレイアウトについてはマザーボードベンダーが決まればほぼ共通です。下記のレビュー記事一覧から自分が使っているのと同じメーカーのマザーボードのレビュー記事を探して、OC設定の章を参考にしてみてください。
CoffeeLake-S対応Z370マザーボードのレビュー記事一覧へ
CoffeeLake-S対応Z370マザーボードのレビュー記事一覧

Intel Core-X対応X299マザーボードのレビュー記事一覧
Intel Core-X対応X299マザーボードのレビュー記事一覧

第2世代Ryzen対応X470チップセット搭載AM4マザーボードのレビュー記事一覧
X470チップセット搭載AM4マザーボードのレビュー記事一覧

X399チップセット搭載Socket TR4マザーボードのレビュー記事一覧へ
X399チップセット搭載Socket TR4マザーボードのレビュー記事一覧へ



G.Skill Trident Z RGBのXMP OCを試す

G.Skill Trident Z RGB DDR4メモリはIntel XMP 2.0というメモリに収録されたプロファイルを使用したメモリOCに対応しているので、それを使用して簡単にメモリのオーバークロックを実践してみます。

今回お借りしたサンプルは3000MHzのXMPプロファイルが収録されたモデルですが、G.Skill Trident Z RGBには2400~4266MHzまでのXMPプロファイルが収録されたモデルが国内で流通しています。なおXMPについてはあくまでメーカーによる”動作確認済み”の選別品であって”動作保証ではない”ので注意してください。マザーボードやCPUとの相性によってはXMPプロファイル通りに動作しない場合もあります。メーカーの製品公式ページでは型番ごとにQVL(Qualified Vendor's List)として組み合わせ使用が推奨されるマザーボードもリストアップされているのでOCメモリの購入前にはそちらも合わせて参考にしてください。
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G.SkillのOCメモリにはBIOSからマニュアルもしくはXMPでOCして故障したとしても焼損・破損がなければ無期限に新品と交換可能という非常に手厚い保証があるのでメモリのオーバークロックを安心して行えます。

G.SKILLオーバークロックメモリモジュール保証規定------------------
弊社の保証シールが貼られたG.SKILLオーバークロック メモリーモジュール製品の保証は、永久新品交換保証です。製品仕様に合致する適切な使用にもかかわらず、製品に故障等が発生した際には、原則として製品お預かりによる新品交換で対応をさせていただきます。なお、弊社の保証を受けられる際は購入店様と購入日の確定が可能な書類(レシート・納品書等)等のコピーが必要となりますので、大切に保管をしていただくようお願いします。

この保証は、マザーボードBIOS(UEFI)でメモリー動作設定を変更したこと(Intel XMPプロファイルの適用、動作クロック・タイミングや駆動電圧の変更など)に起因する故障で、かつ、製品に焼損・破損等がみられない場合も保証対象となります。
--(http://www.mustardseed.co.jp/support/warranty_gskill.html)--------


前置きはこの辺りにして、XMPを使用したOCを実践してみます。
まずは比較対象としてメモリのオーバークロックをしていない状態でCinebenchのベンチマーク測定を行いました。特に設定を行わない定格の状態では2133MHzで動作していました。
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ここから上で紹介したようにXMPプロファイルを使用してメモリのオーバークロックを行います。ASRock Z270 SuperCarrierの場合はメモリOC設定のページでプルダウンから適用するXMPプロファイルを選択して設定を保存するだけで適用が完了しました。簡単ですね。
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今回はメモリOCに伴う電圧設定をマザーボードにお任せしましたが問題なく起動して、メモリクロックも3000MHzにオーバークロックされていました。
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ASRock Z270 SuperCarrierではメモリ電圧は定格でも1.35Vだったのでそのままですが、メモリOCに関連する項目として上でも説明した「VCCSA」は1.050Vから1.200Vへ自動で盛られていました。
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メモリを3000MHzにOCした状態で同じくCinebenchのベンチマーク測定を行ったところ、ベンチマークスコアは1084に伸びました。
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Core i9 7900X環境で3800MHzにオーバークロック

「G.Skill Trident Z RGB」の8GB*4, XMP3866MHz(型番:F4-3866C18Q-32GTZR)をX299マザーボードのレビューなどで使用する検証機材としてメーカーよりお借りできました。
国内でも7月14日に発売となるIntelの最新エンスー向けCPUである10コア20スレッド「Core i9 7900X」を使用した環境にて、クアッドチャンネルで3800MHzへのメモリ周波数OCを達成できました。

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検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 7900X
10コア20スレッド 定格全コア同時4.0GHz
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36
(レビュー予定)
メインメモリ G.Skill Trident Z RGB
F4-3866C18Q-32GTZR
DDR4 8GB*4=32GB
マザーボード
GIGABYTE X299 AORUS Gaming 7
(レビュー予定)
CPUベンチ用
ビデオカード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung 850 PRO 256GB
OS Windows10 64bit Home
電源ユニット Corsair RM650i (レビュー

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BIOSの設定は次のようになっています。
GIGABYTE X299 AORUS Gaming 7_BIOS_OCtest (1)GIGABYTE X299 AORUS Gaming 7_BIOS_OCtest (3)GIGABYTE X299 AORUS Gaming 7_BIOS_OCtest (4)
GIGABYTE X299 AORUS Gaming 7_BIOS_OCtest (2)GIGABYTE X299 AORUS Gaming 7_BIOS_OCtest (5)GIGABYTE X299 AORUS Gaming 7_BIOS_OCtest (6)

上のBIOS設定でクアッドチャンネルで3800MHz、19-20-20-44-CR1で安定動作を実現できました。リード・ライト速度100GB/sの大台まであと一歩及びませんでしたが、98GB/sでレイテンシも50ns台をマークしました。
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ちなみにタイミングを16-16-16-36-CR1くらいまで詰められると3600MHzでも100GB/sいくベンチ結果もあるようです。ともあれ最低限のノルマは達成できて一安心。

あと同OC設定で負荷をかけてもメモリ温度は50度前後に留まっているので温度についてはさほど気にする必要はないと思います。
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Ryzen ThreadRipper 1950X環境で3466MHzにオーバークロック

「G.Skill Trident Z RGB」の8GB*4, XMP3866MHz(型番:F4-3866C18Q-32GTZR)をX299マザーボードのレビューなどで使用する検証機材としてメーカーよりお借りしていましたが、まだ貸出期間中なので8月10日に発売となるAMDの最新エンスー向けCPUである16コア32スレッド「Ryzen ThreadRipper 1950X」の検証機材として引き続き使用しています。
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Ryzen ThreadRipper 1950XやASRock X399 Taichiと組み合わせたクアッドチャンネルの環境でメモリ周波数を3466MHzまでOCすることができたので簡単の紹介します。

検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU AMD Ryzen ThreadRipper 1950X
16コア32スレッド 定格全コア同時3.6GHz
レビュー
CPUクーラー NZXT KRAKEN X62
280サイズ簡易水冷 (レビュー
メインメモリ
G.Skill Trident Z RGB
F4-3866C18Q-32GTZR
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
マザーボード ASRock X399 Taichi
(レビュー予定)
ビデオカード MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung 850 PRO 256GB (レビュー
OS Windows10 64bit Home
電源ユニット Corsair RM650i (レビュー

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メモリ周波数3466MHz、メモリタイミング18-19-19-40-CR1で正常に動作しました。先行レビュー向け評価キットが3200MHzだったため少なくともそれより上を狙いたかったので一安心です。
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3600MHzは残念ながら今回の環境では無理っぽいです。Skylake-X用の4枚セットならいけるかも。TR用3600MHzのセットも発売予定みたいなので発売されたら是非とも欲しい。



G.Skill Trident Z RGBのレビューまとめ

最後にRGB LEDイルミネーション対応「G.Skill Trident Z RGB(型番:F4-3000C16Q-32GTZR) 8GB×4=32GB, XMP3200MHz」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 5分割操作可能なRGB LEDイルミネーション搭載
  • ASUS AURA Syncに対応しており一部ASUSマザーボードと同期操作可能
  • AURAベースの専用アプリもあるので非ASUSマザーボードでもLEDイルミ操作可能
  • 簡単にメモリのオーバークロックが可能なIntel XMP 2.0に対応
  • 焼損・破損がなければメモリOCで故障しても無期限に新品と交換可能な保証(http://www.mustardseed.co.jp/support/warranty_gskill.html)
悪いところor注意点
  • 3月6日現在、専用のLEDイルミ操作ツールはBeta版
  • 3月6日現在、対応マザーボードはIntel 200シリーズマザーボードのみ
    Intel 100シリーズ、AMD 300シリーズは今後対応、Intel X99シリーズは非対応

「G.Skill Trident Z RGB DDR4メモリ(型番:F4-3000C16Q-32GTZR)」のレビュー用サンプルによる検証ではXMPプロファイルを使用して3000MHzのオーバークロックが手軽に行えて正常に動作しました。
メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類なので、一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはおすすめな買い方だと思っています。その点、専用のLEDイルミネーション操作ツールやASUS AURA SyncでLEDイルミネーションを自由自在に操作できる「G.Skill Trident Z RGB」はXMP選別を目当てにしたメモリOCerのみならず、PCをオシャレに装飾したいユーザーにとっても非常に魅力的な製品だと思います。

以上、「G.Skill Trident Z RGB(型番:F4-3000C16Q-32GTZR)」のレビューでした。
Skill Trident Z RGB




LEDイルミネーション非搭載ですが、Skylake-X対応のクアッドチャンネルOCメモリキット「Trident Z Black」シリーズもおすすめです。



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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