定格2GHz越え超弩級グラボ「ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme」をレビュー


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NVIDIA GeForce GTX 10XXシリーズのナンバリング最上位となるGTX 1080 TiのオリファンモデルとしてZOTACから発売された「ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extreme (型番:ZTGTX1080Ti-11GGDDR5AMPEX001)」のレビュー用サンプルをメーカーよりお借りできたのでレビューします。GTX 980Tiから始まって3代目となるAMP Extremeですが、お馴染みのコアクロックだけでなくメモリクロックもデフォルトでオーバークロックされている高OC選別モデルです。
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公式ページ:https://www.zotac.com/jp/product/graphics_card/zotac-geforce-gtx-1080-ti-amp-extreme
ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extrem_p_1






ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme レビュー目次


1.ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの外観
2.ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの分解
3.ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの検証機材セットアップ
4.ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeのゲーム性能
5.ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの温度・消費電力
6.ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeのレビューまとめ



ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの外観

早速、ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeを開封していきます。
キャラメルボックス型のスリーブ外箱の中にはZOTAC印の内パッケージが入っています。
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内パッケージの蓋を開くとマニュアル類が収められた紙製の包がスポンジ蓋の中央に収められており、緩衝材の役目を果たすスポンジ蓋をのけると、下にはスポンジスペーサー&エアクッション付き静電防止ビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
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その他の付属品として補助電源6PIN*2→8PIN変換ケーブルが2つ同梱されていました。GTX 1080 Tiを購入するユーザーなら電源ユニットの端子が不足するということはないような気がしますし、足りない場合は電源の買い替えを検討するのがおすすめですが、万一、補助電源が不足する場合も安心です。
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梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、グラフィックボード本体を見ていきます。
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右下の写真は昨年発売されたGTX 1080のAMP Extremeですが、これと比較するとGTX 1080 Ti AMP Extremeは余分な装飾が排除されてスッキリしており、全体的に洗練されたデザインへとブラッシュアップされていると感じました。
DSC06866ZOTAC GeForce GTX 1080 AMP Extreme (1)
GPUクーラーには90mm径の3連冷却ファンが搭載で、ファンブレードの形状はGTX 1080では中心に小型フィンのついた直角的なものでしたが、GTX 1080 Tiでは大風量を生みやすい流線形で末広がりな形状へと刷新されています。
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GPUクーラーの外装はLEDイルミネーションの半透明ディフューザー以外は全て金属製となっており、見た目の重厚感だけでなく、剛性も強く要塞然とした雰囲気を醸し出しています。
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GPUクーラー外装の正面やサイドには「PUSH THE LIMIT」のキャッチフレーズやZOTACのロゴが表記されていますが、GPUクーラーのデザインに溶け込んで自己主張し過ぎない良い塩梅です。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeは”超弩級”という言葉がぴったりと当てはまる大型グラフィックボードで、その全長は300mmを超えており、製品スペックでボードサイズは 長さ325 mm×高さ148 mm×幅56.6 mmとなっています。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeは基板とGPUクーラーがPCIブラケットから30mmほどはみ出しているのでPCケースとの干渉は十分に注意してください。PCケースとの干渉ではグラフィックボードの背の高さは長さに比べて見落としやすいポイントです。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeは冷却性能を上げるために大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、従来のAMP Extremeシリーズ同様に3スロット占有のGPUクーラーが採用されています。
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GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の発熱が話題になることも多いですが、ZOTAC GTX 1080 Ti AMP ExtremeではGPUクーラー本体のヒートシンクとは別に小型ヒートシンクが設置されています。AMP Extremeは16+2フェーズの特盛VRM電源フェーズ採用なのでこの部分の冷却についても動作検証ではしっかりチェックしていきたいところです。
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補助電源の端子数はリファレンスとなるGTX 1080 Ti Founders Editionの8PIN+6PINから増量されて8PIN*2になっており、リファレンスよりも大幅にOCされたZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeに安定した電力供給が可能です。
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補助電源端子の設置については、PCIブラケットよりも背の高い基板の他社製品の中には補助電源の端子およびケーブルとPCケースとの干渉を回避するため、補助電源端子部分だけ基板を引っ込ませる構造を採用しているものもあり、ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeでも採用して欲しいです。
ASUS ROG STRIX GTX 1080 Ti review_06093DSC06145

PCI-E端子、各種ビデオ出力、SLI端子には保護カバーが装着されています。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3、DVI-Dの5基が実装されています。リファレンスのHDMI×1&DP×3にDVI-Dが追加されたGTX 1080 Tiオリファンモデルとしては一般的なビデオ出力構成です。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeにはオリジナルイラストのプリントされたスチール製バックプレートが装着されています。
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GTX 1080のAMP Extremeと比較するとバックプレートに描かれたオリジナルイラストのデザインこそほぼ一致しているものの、ZOTACのイメージカラーでもあるイエローが完全に廃されているところが個人的には少し残念でした。全体としてブラッシュアップされ洗練されたデザインにはなったものの、デザイン面では少々没個性になった感も否めません。
ZOTAC GeForce GTX 1080 AMP Extreme (2)
グラフィックボード背面にはGPU電源供給を最適化する制御チップ「Power Boost」が2基実装されていました。同チップはリップルノイズを低減し電力変動を最小限に抑えることで、選別OCされたZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの安定動作を実現しています。
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他社製品のバックプレートとの大きな違いとしてGPU基板外周に折り返しがついており、ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeでは装飾目的は基板背面の保護だけでなく、基板の折れ曲がり防止補強にもバックプレートは大きく貢献しています。
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なおグラフィックボードの重量はGTX 1080 Ti Founders Editionが1000g、ASUS ROG STRIX GTX 1080 Tiが1200gですが、ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeは1500gを超える大重量になっていますVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extreme_gZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme review_06106ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme review_06107



GTX 1080 TiのリファレンスモデルであるFounders Editionとサイズを比較すると、全長267mmで比較的大きいFounders EditionもZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの前ではミドル帯グラフィックボードに見えてしまうサイズ感になっています。
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同じくGTX 1080 Tiオリファンモデルで先日レビューしたROG STRIX GTX 1080 Tiと比較しても、全長や厚みで圧倒するZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの超弩級な大きさが伝わります。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの分解

ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeの外観の基本的なチェックも完了したので、GPUクーラーを分解してみます。

なお今回はレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。

GPUクーラーは基板裏面のコア周辺と「Power Boost」下のネジ5つで固定されていました。
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5か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。
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GTX 1080 TiグラフィックボードなのでGPUコアには「GP102-350-A1」が使用されています。またVRAMチップとして11GbpsのGDDR5XはMicro製のものが使用されていました。
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VRM電源を確認するとGPUクーラーのヒートシンクとは別に黒色のアルミヒートシンクが設置されていました。
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VRM電源部分のヒートシンクを外すと16+2フェーズの特盛VRM電源の全貌が確認できます。
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GPUクーラーは銅製ベースから6本のヒートパイプが伸び、アルミ製放熱フィンへ効率的な熱拡散が可能な構造になっています。放熱フィンの厚みも3スロットめいっぱいのサイズになっています。
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なおバックプレートについては冷却のためにサーマルパッド等でグラフィックボード基板とは接触しておらず、基板の折れ曲がり防止補強とLEDイルミネーションが主な役割のようです。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの検証機材

外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。
テストベンチ機の構成

ベンチ機1
ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme レビュー_05001
ベンチ機2
ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme レビュー_04619
OS Windows10 64bit Home

CPU

i7 7700K
Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
i7 7700K
Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
M/B ASRock Z270 SuperCarrier
レビュー)(BIOS:1, 2
ASUS ROG
MAXIMUS IX FORMULA
レビュー
メインメモリ Corsair Dominator Platinum
Special Edition
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
G.Skill TridentZ
DDR4 8GB*4=32GB
システムストレージ
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 Intel SSD 540シリーズ
SATA M.2 SSD 240GB
電源ユニット
Corsair RM650i
レビュー
Corsair HX1200i
レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー
Cooler Master
MASTERCASE MAKER 5t
レビュー

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PCB基板裏側の補助電源部分にはLED素子が実装されており、補助電源が適切に接続されていない場合、赤色に発光し、正常であれば緑色に発光します。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP ExtremeのGPUクーラーは3スロット占有なのでASRock Z270 SuperCarrierの3スロット目に位置するx16スロットは使用不可能になっています。グラフィックボードを設置した位置の下位2段のPCI-Eスロットは使用できなくなるので注意してください。
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電源を入れるとGPUクーラーに備え付けられたLEDイルミネーションが点灯します。ZOTAC GTX 1080 Ti AMP ExtremeではGPU負荷がアイドル時とアクティブ時にそれぞれ発光カラー&パターンが設定できて、デフォルトではアイドルでは青色の明滅、アクティブでは赤色に点灯で設定されていました。
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GPUクーラー正面の外周フレームや側面の「ZOTAC」ロゴだけでなく、バックプレートのZOTACロゴにもLEDイルミネーションが埋め込まれています。
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全長300mm超、3スロット占有の巨体だけあってPCケースへ組み込んでみても圧倒的な存在感です。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeはブーストクロック1759にデフォルトでオーバークロックされており、リファレンスモデルのFounders Editionと比較すると177MHzも高いコアクロックが設定されています。加えてメモリクロックも定格の5500MHzから5700MHzへオーバークロックされています。
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ZOTACでもGTX 1080.1070からOCチューニング、ファンコントロール、LEDイルミネーション操作が可能な同社オリジナル専用ツールである「FireStorm」が公開しています。なおLEDイルミ操作機能とセミファンレスのON/OFFを除けばMSI AfterBurnerと機能的には同じです。
DLページ(5月最新):https://www.zotac.com/download/mediadrivers/cards/FireStorm_V2.0.0.019E.zip

FireStormを起動すると下のようなチューニング&モニタリング画面が表示されます。トップメニュー中央のスライダーを使用して、コアクロックやメモリクロックのオーバークロック設定やパワーリミットの設定が可能です。
ZOTAC Fire Storm (1)
GPUクーラーの冷却ファンの動作設定についてもFireStorm上から行うことができます。デフォルトのファンカーブに従って動作する「AUTO」、特定のデューティ比で動作する「MANUAL」、手動でファンカーブを設定する「ADVANCED」の3つの動作モードを選択可能です。
ZOTAC Fire Storm (4)
注意点としてZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeでは「MANUAL」モードを選択してもセミファンレス機能は有効です。マニュアルモードでスライダー設定に応じてファンが動かないのは故障ではありません。セミファンレス機能を無効化するにはスクリーンショットの緑文字の手順で操作を行う必要があります。

トップメニュー中央上にある「SPECTRA」というアイコンを選択するとLEDイルミネーション操作メニューが表示されます。「IDLE」と「ACTIVE」のタブでGPU使用率に応じたLED設定が可能になっており、ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeでは「サイドのロゴ」「正面外周部」「バックプレートロゴ」の3か所について個別に発光カラー&パターンの設定を行えます。
ZOTAC Fire Storm (2)
STATIC(定常発光)、Breathing(ゆっくり明滅)、STOROBE(点滅)などの発光パターンではカラーボタンやカラーパレットから発光カラーを自由に操作可能です。
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GPUクーラー正面外周部とサイドロゴで左から右へ七色に変化するWaveという発光パターンプリセットも用意されています。








ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeのゲーム性能

ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「EVGA GTX 1080 Ti SC2 Gaming iCX」、「GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GTX 1080 SC2 Gaming iCX」を使用しました。
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比較サンプル_GTX 1080 Ti FE比較サンプル_EVGA GTX 1080 SC


まずFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークのフルHD・最高品質のスコアは同検証環境で19000程度となりました。4K解像度・最高品質でも非常に快適の水準となる7000を超えるのでGTX 1080 TiであればFFXIV 紅蓮 リベレーターに余裕で対応可能なグラフィック性能があります。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_ff14r
なおFF14ベンチではスコアが1万を超えたあたりからFPSが上がりすぎてCPUベンチの傾向が強くなりグラフィックボードの性能比較ベンチとしてはあまり使えなくなってくるので注意してください。


3DMark FireStrikeのベンチマーク比較になります。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_bench_fs

FireStrike Extreme Ultra
GTX 1080 Ti
ZOTAC AMP EX
29167 14615 7311
GTX 1080 Ti
EVAG SC2
28728 14085 6998
GTX 1080 Ti FE 27758 13686 6739
GTX 1080 OC 22463 10715 5323

3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」の性能比較となります。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_bench_ts

TimeSpy Asyncなし 性能伸び率
GTX 1080 Ti
ZOTAC AMP EX
10147 9499 107%
GTX 1080 Ti
EVAG SC2
9777 9139 107%
GTX 1080 Ti FE 9345 8797 106%
GTX 1080 OC 7382 7047 105%



続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、ウルトラワイドQHD(UWQHD, 3440*1440)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。 

ベンチマーク測定を行ったタイトルは、Assassin's Creed Syndicateグラフィック設定)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、The Divisionグラフィック設定)、For Honor(超高設定プリセット)、Ghost Recon Wildlandsグラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、Rise of the Tomb Raiderグラフィック設定)、Titanfall 2グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3グラフィック設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット、UWQHDではなく4K解像度)以上の11タイトルです。

Assassin's Creed Syndicateグラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_acs

Battlefield 1(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_bf1

The Divisionグラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_div

For Honor(超高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_fh

Ghost Recon Wildlandsグラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_gr

Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_mec

Rise of the Tomb Raiderグラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_rottr

Titanfall 2グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_tf2

WatchDogs_2(最高設定プリセット)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_wd2

The Witcher3グラフィック設定)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_wit3

Gears of War 4(最高設定プリセット、UWQHDではなく4K解像度)のベンチマーク結果です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_game_xgow43


ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme、GTX 1080 Ti Founders Edition、GTX 1080 OC、GTX 1070 OCの4種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、GTX 1080 TiはGTX 1080よりも25%以上高速という結果になりました。FPSが上がりすぎてCPUボトルネックの影響が出始めるフルHDに対して、60FPS前後に近づいていく超高解像度でより高いパフォーマンスを発揮できます。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_pef_sum



ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの温度・消費電力

ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました
温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステスト、比較対象にはGTX 1080 Ti Founders Editionを使用しています。
ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeではストレステスト中のGPUコア温度は最大67度、ファン回転数も1400RPM程度となっており、GTX 1080 Tiの高OCオリファンモデルとしてはファン回転数も小さく、GPU温度も低いので優秀な数値になっています。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_temp
2スロットGPUクーラーのオリファンモデルであるEVGA GTX 1080 Ti SC2と比較しても、より小さいファン回転数(ファンノイズ)で低いGPU温度を達成していることがわかります。3スロットを占有するZOTAC GTX 1080 Ti AMP ExtremeのGPUクーラーは伊達ではありませんね。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_temp_2
ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeはアイドル時に冷却ファンが停止するセミファンレス機能に対応していますが、50度付近でファンが始動、42度前後で停止します。GTX 1080/1070のAMP Extremeでは始動・停止でファンが微動する不具合(仕様?)がありましたが、GTX 1080 Ti AMP Extremeでは始動・停止ともにヒステリシスがしっかりと機能しており、ファンの立ち上がりと停止で乱れることもなくピシッと状態が遷移しています。
ファン始動後の42度から65度では800RPM前後の一定回転数となっているところもファンコントロールとしては特徴的です。GPUクーラーが大きいのでアイドル状態になって1分弱でGPUコアの冷却が完了しファンが停止しています。ファン始動の温度は50度で閾値としては低めですがGTX 1080 Ti AMP Extremeの3スロット占有大型クーラーであれば多少、気温が高い環境でもアイドルでファンが始動と停止を繰り返すことはないと思います。

ストレステスト中のGPUコアクロックをリファレンスのFounders Editionやその他のオリファンモデルと比較してみると、グラフからもわかるようにZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeは抜群の安定感を見せています。平均コアクロックも定格で2.0GHzを超えており群を抜いたOCチューニングが施されています。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_clock

またベンチ機2のPCケースに組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。PCケースに入れて長時間負荷をかけても最大温度は70度で、コアロックの平均値は1988MHzでした。内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mm/800RPMファンを設置していますが、GPUクーラーのファン回転数は1900RPM程度まで上がりました。PCケース内とはいえファンノイズはやや聞こえました。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_1hour_2
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。リファレンスと違って性能低下も小さく安定して高いパフォーマンスを発揮できています。2スロットオリファンモデルと比較してもZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeは抜群の安定感です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_1hour_1

1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちですが、ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeでは最も熱い部分で100度以上に達しました。GPUクーラー本体ヒートシンクではなくVRM電源専用の小型ヒートシンクで冷却しているのでやはりVRM電源温度が高くなっています。100度を超えたから壊れるわけではありませんが、次期モデルではGPUクーラーのヒートシンク本体とサーマルパッドで接触する形式か、もう少し大型の専用クーラーにアップグレードして欲しいです。
GTX 1080 Ti Zotac AMP EX_FLIR (1)
GTX 1080 Ti Zotac AMP EX_FLIR (2)

ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
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電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。

ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeのファンノイズは43.6dBとなっており、ベンチ板の傍で聞くとはっきりファンノイズが聞こえますが、PCケースに入れてしまえば煩いと感じることはない程度のファンノイズに収まっています。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_fan

ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair RM650i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としました。測定結果は次のようになっています。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_power
同検証環境に置いてZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeの消費電力は388Wとなり、リファレンスモデルのGTX 1080 Ti Founders Editionと比較して61W増となり、瞬間的な最大電源負荷は445Wでした。同じくGTX 1080 TiのオリファンOCモデルであるASUS ROG STRIXよりも30W程度大きい消費電力になっています。オリファンモデルとしてもかなり消費電力が大きい部類です。

ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extremeはデフォルトのパワーリミットが310W(120%で最大375W)、ROG STRIX GTX 1080 Tiは275W(120%で最大330W)、GTX 1080 Ti Founders Editionは250W(120%で最大300W)となっており、上の結果はそれを反映する消費電力になっています。
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ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme レビューまとめ

最後にGTX 10XXシリーズ最上位GTX 1080 Tiのオリファンモデル「ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extreme (型番:ZTGTX1080Ti-11GGDDR5AMPEX001)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • コア1759MHz、メモリ11200MHzでGTX 1080 Tiの中でも屈指のOCチューニング
  • 最新高画質PCゲームをUWQHDなどの超高解像度で快適にプレイ可能なグラフィック性能
  • GTX 1080のOCモデルよりも30%程度高速
  • 3スロット占有の大型GPUクーラーはGTX 1080 Tiを70度前半で運用可能
  • GPUクーラーとバックプレートに操作可能なLEDイルミネーション搭載
悪いところor注意点
  • デフォルトのパワーリミットが高いのでFounders Editionより60Wほど消費電力が大きい
  • PCI-Eスロットを3スロット占有する
  • VRM電源周りの冷却が弱い
  • 5月現在、12万円越えと非常に高価

GTX 10XXシリーズ最上位モデルとなる「GeForce GTX 1080 Ti」のオリジナルファン搭載OCモデル「ZOTAC GTX 1080 Ti AMP Extreme」は昨年5月末にNew Kingとして鳴り物入りで登場したGTX 1080よりも30%程度高速です。昨年8月には前世代TITAN X Maxwellよりも50%以上高速というバケモノGPUとして登場したTITAN X Pascalを僅差で上回るという圧倒的な性能を誇っており、1200ドルのTITAN X Pascalに対して699ドルという圧倒的な安価さも兼ね備えたGTX 1080 Tiは究極のハイエンドグラフィックボードと言っても過言ではない製品です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_pef_sum

ZOTAC GTX 1080 Ti AMP ExtremeはGTX 1080 Tiグラフィックボードの中でも屈指のOCチューニングと選別が施されています。デフォルトでコアクロックが1759MHz、メモリクロックも11232MHzにOCされており、3スロット占有の大型GPUクーラーを搭載しているので大幅OCで増加している消費電力も余裕で御し切って、サーマルスロットリングによるコアクロックの熱ダレとも無縁な安定感です。
Zotac GTX 1080 Ti AMP Extreme_clock
この高OCチューニングを支える特盛16+2フェーズVRM電源の実装それ自体は高品質で良好なのですが、VRM電源の冷却がGPUクーラー本体とは別の小型ヒートシンクのためVRM電源部分が100度前後になってしまうところは少々残念でした。100度を超えたら壊れるというわけではないものの、グラフィックボードの冷却関連ではここ最近話題に上る項目なので次期モデルでGPUクーラー本体のヒートシンク本体で直接冷却する形式か大型ヒートシンクへの改良を期待したいところです。

今回で3代目になるAMP Extremeシリーズですが、他製品と比較しても最高クラスのOCチューニングと3スロット占有の大型GPUクーラーを搭載する”超弩級”グラフィックボードという従来の特徴はそのままに、より洗練されたデザインやFireStormアプリを使用したLEDイルミネーション操作などブラッシュアップを続けています。3代目になってもはや鉄板モデルの域に達しつつあるZOTAC GTX 1080 Ti AMP ExtremeはGTX 1080 Tiのなかでもおすすめできるグラフィックボードです。
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以上、ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extremeのレビューでした。
ZOTAC GeForce GTX 1080 Ti AMP Extreme




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