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NVIDIAから17年5月に7XX世代ぶりとなるローエンドGPU最新モデル「GeForce GT 1030」が発売となったので現在各種検証の機材として使用しているファンレスGT 730の置き換えとして、GT 1030のファンレスモデルでビデオ出力にDisplayPortとHDMIを備える「MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC」を購入したのでレビューします。

製品公式ページ:https://www.msi.com/Graphics-card/GeForce-GT-1030-2GH-LP-OC.html

ちなみに国内では「MSI GT 1030 2GH LP OC」が未発売なので個人輸入したところ誤ってファンありのが最初に送られてきました。1万円以下の商品を海外発送で交換するのが面倒だったので、ファンレス版を再度注文して、ファン付きはレビュー用のデータだけ取って即売り払いました。

MSI GT 1030 2GH LP OC レビュー目次
1.MSI GT 1030 2GH LP OCの外観
2.MSI GT 1030 2GH LP OCの検証機材セットアップ
3.MSI GT 1030 2GH LP OCのゲーム性能
4.MSI GT 1030 2GH LP OCの温度・消費電力
5.MSI GT 1030 2GH LP OCのレビューまとめ
MSI GT 1030 2GH LP OCの外観
早速、MSI GT 1030 2GH LP OCを開封していきます。グラボ本体は静電防止ビニール袋に入れられてパルプモールドのスペーサーに収められていました。

グラフィックボード本体のほかにロープロファイル用のPCIブラケットも付属します。

MSI GT 1030 2GH LP OCの俯瞰写真は次のようになっています。
MSI GT 1030 2GH LP OCには黒色塗装された大型のファンレスヒートシンクが装着されています。ヒートシンクは大きいですがボード長は153mmなのでMini-ITXなどコンパクトPCにも問題なく設置できる長さです。

MSI GT 1030 2GH LP OCはPCB基板も黒色で統一されていました。

ヒートシンクの放熱フィンはY字型の独特な形状をしており、放熱表面積を稼いでいます。

PCIブラケットは1スロット占有ですが、ファンレスヒートシンクが大型なので2スロットを占有します。

PCI-E端子やビデオ出力には赤色の保護カバーが装着されていました。

ビデオ出力は冒頭でも紹介したようにDisplayPortとHDMIが1基づつの2系統です。

GT 730は電気信号的にはPCI-E2.0x8接続なのでASUSのファンレスGT 730では物理的なPCI-E端子もそれに合わせて設計されていましたが、MSI GT 1030 2GH LP OCはPCI-E3.0x4接続に対してPCI-E端子はx16サイズまで伸びており金属端子も実装されています。

また検証機材で着脱を頻繁に行うので、PCIスロットのロックの爪が付いているのが個人的に邪魔に感じました。このクラスのグラボにロックは必要だろうか? (後日ポキッといく予定)

ついでに個人輸入で間違って送られてきたファン付き版GT 1030のMSI GT 1030 2G LP OCもチェックしていきます。ファンレス版と比較するとヒートシンクのサイズは明らかに小さくなっており、ヒートシンクの中央には50mm径の冷却ファンが設置されています。ボード長はファンレス版同様に153mmとなっています。

「MSI GT 1030 2G LP OC」はPCI-Eブラケット同様にクーラーを含めても1スロットに収まるサイズです。

ファンレス版「MSI GT 1030 2GH LP OC」、ファン付き版「MSI GT 1030 2G LP OC」、ファンレスGT 730を比較するとGT1030は基板の長さがGT 730よりも長くなっていました。

ファンレスとファン付きではヒートシンクの大きさもやはりかなり違いがあります。

グラフィックボードの重量についてはファン付きの「MSI GT 1030 2G LP OC」が131gに対して、ファンレスの「MSI GT 1030 2GH LP OC」は295gとなっており大型ヒートシンクを搭載する分重量は重めになっています。



MSI GT 1030 2GH LP OCのセットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、MSI GT 1030 2GH LP OCを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1![]() |
ベンチ機2![]() |
|
OS | Windows10 64bit Home | |
CPU |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) |
G.Skill TridentZ DDR4 8GB*4=32GB |
システムストレージ |
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 | Intel SSD 540シリーズ SATA M.2 SSD 240GB |
電源ユニット |
Corsair RM650i (レビュー) |
Corsair HX1200i (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) |



MSI GT 1030 2GH LP OCのGPU-Z情報はこちらになっています。
前モデルのGT 730と比較するとCUDAコア数こそ同数の384コアですが、コアクロックは900MHzから1500MHzへ、グラフィックメモリはDDR3からGDDR5に変わってメモリ帯域も14.4GB/sから48.1GB/sへと高速化しています。コアクロックとメモリ帯域の合わせ技でGT 730比でGT 1030は3~4倍のグラフィック性能へ高速化を果たしているようです。


MSI GT 1030 2GH LP OCのゲーム性能
MSI GT 1030 2GH LP OCの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。軽量なMMO RPGであるドラゴンクエストXのベンチマークではフルHD・最高品質でスコアが10000を超えて「すごく快適」との評価になりました。

まずFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークでは画質設定を標準画質(デスクトップPC)としてHD解像度でMSI GT 1030 2GH LP OCのスコアは10000を軽く超えて非常に快適の水準を上回っています。またフルHD解像度でも8000を超えて非常に快適の評価を得ています。


フレームレートの推移を見ても30~60FPSを中心に推移しているので、フルHDの標準質設定であればMSI GT 1030 2GH LP OCでもFFXIV 紅蓮のリベレーターがそこそこ快適にプレイできそうです。HD解像度であれば60FPS張り付きで快適にプレイできると思います。

なおFF14ベンチではスコアが1万を超えたあたりからFPSが上がりすぎてCPUベンチの傾向が強くなりグラフィックボードの性能比較ベンチとしてはあまり使えなくなってくるので注意してください。FFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークについては個別記事で詳しく紹介しています。
3DMark Sky Diverでもベンチマークスコアは10000を超えているので、GeForce GT 1030はe-Sports系の軽量なPCゲーム等であればHD~フルHD解像度の標準画質でプレイ可能なグラフィック性能があると思います。

MSI GT 1030 2GH LP OC、ASUS GT 730 DDR3、Intel HD Graphics 630、Intel IrisPro 580の4種類についてグラフィック性能を比較すると次のようになりました。
前世代のGT 730 DDR3と比較するとGeForce GT 1030グラフィック性能は3~4倍という圧倒的な進化を遂げています。IntelのNUC Skull Canyon NUC6i7KYKなどに搭載されているIntel IrisPro 580はGT4eというIntelのiGPUで最速クラスのGPUですが、それと比較してもSkyDiverのスコア比較から純粋なグラフィック性能でGeForce GT 1030は30~40%高速という結果になっています。

MSI GT 1030 2GH LP OC の温度・消費電力
MSI GT 1030 2GH LP OCの負荷時のGPU温度とファンノイズを検証しました。温度とファンノイズの検証負荷としては3D Mark Sky Diver ストレステストを使用しており、その結果は次のようになっています。
ファンレスとファンありの温度差は10度未満のようで、ファンレスでも70度前後となっており十分常用可能な範囲内に収まっています。

コアクロックをGT 1030とGT 730を比較するとGT 730は仕様値通り900MHzで、GT 1030は仕様値のブーストクロックよりも高い実働ブーストクロックで平均1582MHzとなりました。

ファン付きの「MSI GT 1030 2G LP OC」についてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルは38.1dBでした。消費電力の小さいローエンドGPUなので50mm径の小型ファンでも十分冷却できておりファンノイズを気にする必要はなさそうです。

MSI GT 1030 2GH LP OCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair RM650i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定負荷にSky Diver ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としました。測定結果は次のようになっています。

MSI GT 1030 2GH LP OCの消費電力は87W、瞬間的な最大電源負荷も98Wでした。前モデルのGT 730とほぼ同等の消費電力になっているようです。Intel CPUに搭載されたiGPU使用時と比較すると24W程度消費電力が増えています。
MSI GT 1030 2GH LP OC レビューまとめ
最後に「MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 軽量なe-スポーツ系PCゲームを快適にプレイ可能なグラフィック性能
- FFXIV 紅蓮のリベレーターを標準品質で快適にプレイ可能
- ファンレスヒートシンク採用
- HDMIとDisplayPort出力を搭載
- ヒートシンクが大きいので2スロットを占有する
価格的に大差ないのでGTX 1050やGTX 1050 Tiのエントリー帯GPUのほうが性能的にはおすすめな気がしますが、とにかく安価でIntel CPUに搭載されたiGPUよりも高性能なディスクリートGPUが必要な場合や前世代のGT 730を使用しているならグラフィック性能は2倍以上となっているので購入する価値は十分あると思います。

以上、MSI GeForce GT 1030 2GH LP OCのレビューでした。

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MSI COMPUTER(2017-05-17)<
なおレビュー後すぐにPCI-E端子の横にある邪魔なロック爪を折りました。カッターで折り目の筋を入れてペンチでポキッと。


(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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