スポンサードリンク
GeForce RTX 2070グラフィックボードとしてASUSからリリースされた、外排気ブロアーファン型GPUクーラー搭載モデル「ASUS GeForce RTX 2070 8G Turbo Edition 8GB(型番:TURBO-RTX2070-8G)」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。
NVIDIA Turing世代のミドルハイクラスにして、ハイコストパフォーマンスとされてきた70番台の最新GPU「GeForce RTX 2070」が、前世代最上位のGTX 1080 Tiや前世代上位クラスのGTX 1080に対して、どの程度の性能が発揮できるのか実ゲームベンチマークで比較し、さらに外排気ブロアーファン型GPUクーラーでRTX 2070を安定して運用できるのかも徹底検証します。
製品公式ページ:https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/TURBO-RTX2070-8G/
ASUS TURBO-RTX2070-8G レビュー目次
1.ASUS TURBO-RTX2070-8Gの外観
2.ASUS TURBO-RTX2070-8Gの検証機材セットアップ
3.ASUS TURBO-RTX2070-8Gのゲーム性能
4.ASUS TURBO-RTX2070-8Gの温度・消費電力
5.ASUS TURBO-RTX2070-8Gのレビューまとめ
ASUS TURBO-RTX2070-8Gの外観
早速、ASUS TURBO-RTX2070-8Gを開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止ビニール袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のGPUクーラーの外装はプラスチック製ですが、ヘアライン処理アルミニウムのような表面加工から一見して安っぽさは全く感じません。
グラフィックボード側面にはGeForce RTXのロゴが描かれています。ロゴの左隣にある斜めの切り込み部分にはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gはは、RTX 2070のリファレンスモデルともいえるFounders Editionの全長228mmよりも長い全長267mmとなっています。Founders Editionが短尺なので長く感じますが、RTX 2070グラフィックボードとしてはショート基板モデルを除けば比較的コンパクトな部類です。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」はグラフィックボード基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のGPUクーラーは、最近では採用の少ない外排気型ブロアーファンが搭載されています。性能の高い内排気型クーラーが現在は主流ですが、サーバー・ワークステーションユーザーには外排気クーラーは依然人気があります。
ブロアーファンの大きさは80mm径で高耐久性なダブルボールベアリングが採用され、防塵規格IP5Xにも対応しています。
RTX 2070のオリファンモデルは3スロット占有クーラーを採用しているモデルも少なくありませんが、「ASUS TURBO-RTX2070-8G」は2スロット占有です。
GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の発熱が話題になることも多かったですが、「ASUS TURBO-RTX2070-8G」に実装された10フェーズのVRM電源については、ヒートシンク本体にサーマルパッド経由でPCB基板のVRM電源部分が直接接触しており、理想的なVRM電源冷却構造です。GPUクーラーヒートシンク本体が冷やすのはGPUコアとメインVRM電源となっており、VRAMチップは放熱板も兼ねた強化フレーム「Reinforced Frame」によって冷やす構造です。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gはリファレンス仕様と同じコアクロックで動作するモデルですが、補助電源数はリファレンスよりも増強されて8PIN+6PINとなっています。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のPCI-E端子と各種ビデオ出力には黒色の保護カバーが装着されています。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×2、USB Type-Cの4基が実装されています。RTX 2070ではブラケットの2スロット目にDisplayPortかDVI-Dが搭載されているモデルが多いですが、「ASUS TURBO-RTX2070-8G」はPCIブラケットから排気する外排気GPUクーラーということもあって、排気面を最大にするためビデオ出力が1つ減らされているようです。
ASUS TURBO-RTX2070-8GのPCB基板背面はバックプレート非搭載で基板が剥き出しの状態になっています。
なおグラフィックボードの重量はASUS ROG-STRIX-RTX2070-O8G-GAMINGが1204g、GeForce RTX 2070 Founders Editionが966gに対して、ASUS TURBO-RTX2070-8Gは796gでした。RTX 2070グラフィックボードとしては比較的軽量です。
重量は1kg未満で比較的軽量ですが、バックプレート等で基板の反りは防止されていないので、VGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、ASUS TURBO-RTX2070-8Gを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Core i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Intel TS15A (レビュー) |
Noctua NH-U12S Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
ストレージ |
【システム】 Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) 【ゲームデータ】 SanDisk SSD Ultra 3D SATA SSD SDSSDH3-2T00-J25 (レビュー) |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のGPUクーラー側面の斜めラインにはLEDイルミネーションが内蔵されています。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」はRTX2070のリファレンス仕様となっており、ブーストクロックは1620MHzでパワーリミット(TDP)も175Wです。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gのゲーム性能
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2080 Founders Edition」、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GeForce GTX 1080 SC2 Gaming iCX」、「Radeon RX Vega 64 Limited Edition」、「EVGA GeForce GTX 1070 SC ACX3.0」を使用しています。「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 2070 ASUS ROG STRIX |
22160 | 10552 | 5170 |
RTX 2080 FE |
27024 | 12442 | 6214 |
GTX 1080 Ti FE |
28250 | 13692 | 6740 |
GTX 1080 11Gbps | 22936 | 10967 | 5395 |
RX Vega 64(B1, BL) | 23280 | 10831 | 5458 |
GTX 1070 | 17904 | 8481 | 4236 |
なおRTX 2070のFireStrikeベンチマークについてですが、ベンチマーク実行時のデスクトップ解像度やNVIDIAコントロールパネルのスケーリング設定などによってグラフィックスコアが10%前後増減しました。先行レビュー各種を見てもFireStrikeベンチマークのグラフィックスコアには比較的大きいバラつきが確認できました。FireStrikeは現在主流なDirextX11のベンチマークなので、下で行う実ゲームベンチマークにおいても10%前後性能が低く出ているケースが含まれる可能性があります。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RTX 2070 ASUS ROG STRIX |
8556 | 8001 | 4028 |
RTX 2080 FE |
10815 | 10089 | 4988 |
GTX 1080 Ti FE | 9527 |
8875 | 4432 |
GTX 1080 11Gbps | 7724 | 7362 | 3519 |
RX Vega 64(B1, BL) | 7284 |
6838 | 3470 |
GTX 1070 | 5932 |
5693 | 2754 |
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 2070 ASUS ROG STRIX |
11464 | 8639 | 2730 |
RTX 2080 FE |
11588 | 11108 | 3551 |
GTX 1080 Ti FE | 11555 | 8386 | 2969 |
GTX 1080 11Gbps | 11235 | 6868 | 2344 |
RX Vega 64(B1, BL) | 10642 | 8198 | 2210 |
GTX 1070 |
9781 | 5374 | 1799 |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、4K(3840*2160)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、Destiny2(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(最高設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny2(最高設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(最高設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher3(最高設定)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット)に関する「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
ASUS TURBO-RTX2070-8G、GeForce RTX 2080 Founders Edition、GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition、GeForce GTX 1080 11Gbps OC、Radeon RX Vega 64、GeForce GTX 1070の4種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、ASUS TURBO-RTX2070-8Gは前世代同クラスのGTX 1070よりも30%以上高速という結果になりました。
今回比較に用いたGTX 1080はVRAM 11GbpsのOCモデルなので性能差が若干小さくなっていますが、RTX 2070はGTX 1080よりも平均で10%程度高いパフォーマンスを発揮し、ゲームタイトルによってベストケースでは20%近く上回ります。前世代最上位のGTX 1080 Tiには及びませんでしたが、RTX 2070は18年以降にリリースされる最新高画質PCゲームのフルHD解像度やWQHD解像度のゲーミングに対応可能なグラフィック性能を実現しています。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gの温度・消費電力
ASUS TURBO-RTX2070-8Gの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。ASUS TURBO-RTX2070-8Gのコアクロックや電力制限については複数のモードが用意されていますが、標準設定のゲーミングモードで測定しました。「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステストを使用しています。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gのテスト終盤におけるGPU温度は最大71度、ファン回転数は最大1700RPM程度で、数値だけを見るとRTX 2070 Founders Editionと近い結果になりました。RTX 2070はGTX 1080と同程度の消費電力なので、マルチファン内排気クーラーに比べて冷却性能が低い外排気ブロアーファン型GPUクーラーでも安定して運用できるようです。
GPUコアクロックについてはASUS TURBO-RTX2070-8Gの仕様値はリファレンスのブースト1620MHzですが、負荷テスト中の実動平均は1726MHzとなりました。リファレンス仕様でもともとのブーストクロックが低いことに加えて、外排気ブロアーファン型GPUクーラーでGPU温度も高めになるので、実動コアクロックも他機種と比べて低めに位置しています。
またベンチ機2のPCケースに「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しており、ケースファンにはNZXT製のエアフロー重視でPCケースの吸気・排気ファンに最適なケースファン「NZXT Aer F 140」をPCケースのフロントに吸気ファンとして2基、リアに排気ファンとして1基設置してファン回転数1000RPM固定で運用しています。
PCケースに入れて長時間負荷をかけてみたところ最大温度は74度で、コアロックの平均値は1706MHzでした。外排気クーラーなので内排気クーラーに比べてGPUの発熱がクーラーで循環して冷却効率が大幅に下がる可能性は低いものの、PCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mmファンを設置して1000RPMで回していますが、「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のファン回転数は1700RPM程度に収まりました。
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。長時間の負荷においてASUS TURBO-RTX2070-8Gはスタートから96%前後の性能になっています。やはり高性能な内排気マルチファン型GPUクーラーを搭載したRTX 2070グラフィックボードと比較すると見劣りする結果です。
1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
前世代GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちでしたが、RTX 2070搭載グラフィックボードの「ASUS TURBO-RTX2070-8G」では最も熱い部分で70度半ばに収まっており、運用上は全く問題ない温度だと思います。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gのファンノイズは1700RPMという比較的高いファン回転数の通り、ノイズレベルも48.2dBで比較的高い数値になりました。外排気ブロアーファン型GPUクーラーらしいと言えばらしい結果だと思います。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた入力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。右下スクリーンショットのように、この状態でCPUに負荷をかけても測定値が変動しないのでCPUによる消費電力の変動は基本的に含まれないと考えて大丈夫です。
測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としたところ、測定結果は次のようになりました。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
ASUS TURBO-RTX2070-8Gの消費電力は212W、最大瞬間負荷は266Wでした。ASUS TURBO-RTX2070-8GのTDP(パワーターゲット)はリファレンス仕様の通り175Wに設定されており、TDP180W設定のGTX 1080 11Gbps OCとの差が10W以内なので概ね仕様値通りの消費電力になっていると思います。NVIDIAの70番のGPUはGTX 970とGTX 1070ともにTDP150Wだったので、これまでの傾向から考えると消費電力の大幅増と言えますが、RTX 2070がグラフィック性能で若干上回るGTX 1080と同程度であることを考えるとさほど悪くない結果にも見えるので評価が難しいところです。
ASUS TURBO-RTX2070-8G レビューまとめ
最後に「ASUS TURBO-RTX2070-8G」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHDやWQHDの高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- 前世代上位クラスのGTX 1080を10~20%程度上回るグラフィック性能
- 市販品では数少ない外排気ブロアーファン型GPUクーラー搭載のRTX 2070
- 2スロット占有、長さ267mm、PCIブラケットと同じ高さで標準的なサイズ
- ビデオ出力はHDMI、DP*2、USBType-Cの4系統で、一般的なRTX 2070より1つ少ない
- 背面保護のバックプレートがない(0スロットスペースで並べるときは吸気的にメリット)
RTX 2070は前世代同クラスのGTX 1070を平均で30%以上、ベストケースでは最大50%近く上回り、前世代上位クラスのGTX 1080に対しても10~20%程度上回るグラフィック性能となりました。GTX 1070の前世代からの飛躍が記憶に新しいためRTX 2070のそれはやや霞む感じがあることは否めませんが、最新PCゲームをフルHD・最高画質やWQHD・高画質でプレイするための次世代ミドルハイクラスGPUとしては良好なパフォーマンスを実現していると評価できると思います。
RTX 2070に関して最も不安視されていたのは価格面ですが、9万円を超える高級モデルは存在するものの、ロンチ直後において7万円前半からのモデルもリリースされ、その後の値下がりで18年12月現在すでに6万円台の製品も出ているので、コストパフォーマンス面では及第点だと思います。
RTX20XXシリーズの目玉機能であるレイトレーシングやDLSSに対応したゲームタイトルが18年12月現在において未だほぼ存在しないというのはネックではあるものの、GTX 1080を平均で10%程度、ベストケースでは最大20%上回るグラフィック性能は備わっているので、販売価格が税込み7万円台かそれ以下であれば9XX世代より前のグラフィックボードからの買い替えやPCゲーム入門に奮発して購入する新規参入層に向けて、RTX 2070は今後の主力製品として通用するのではないかと思います。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」については、外排気ブロアーファン型GPUクーラーは、近年主流な内排気マルチファン型GPUクーラーに比べて冷却性能が低いので、RTX 2070のような上位GPU搭載グラフィックボードとしては同クーラーを搭載した製品はゲーマー向けにはあまり人気がありませんが、それでも個人でサーバー・ワークステーションを構築するようなユーザーには依然として需要のある製品です。
「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のGPUクーラーにはRTX 2070を問題なく運用できる冷却性能があることが確認できたので、外排気ブロアーファン型GPUクーラーを搭載したRTX 2070を探しているなら、検討してみる価値はあると思います。
以上、「ASUS TURBO-RTX2070-8G」のレビューでした。
・RTX 2070 販売ページ:
<Amazon><PCショップアーク><パソコン工房>
<TSUKUMO><ドスパラ><PCワンズ><ソフマップ>
関連記事
・GeForce RTX 2080 Tiのレビュー記事一覧へ・GeForce RTX 2080のレビュー記事一覧へ
・GeForce RTX 2070のレビュー記事一覧へ
・RTX 2060搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 2070搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・RTX 2080搭載のおすすめゲーミングBTO PCを徹底比較!
・史上最速! RTX 2080 Ti搭載のおすすめBTO PCを徹底比較!
・G-Sync HDR対応4K/120Hzゲーミング液晶モニタ「ASUS ROG SWIFT PG27UQ」をレビュー
・17年最強ゲーミングモニタ「Dell AW3418DW」をレビュー
・おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
・グラフィックボードのレビュー記事一覧へ
・【できる!個人輸入】米尼でおすすめなEVGA製グラボのまとめ
・おすすめBTO PCまとめ。予算・性能別で比較。カスタマイズ指南も
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク