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Turing世代GeForceのナンバリング最上位モデルRTX 2080 Tiに採用されているTU102コアのフルスペック版を搭載するウルトラハイエンドグラフィックボード「NVIDIA TITAN RTX」をレビューしていきます。RTX 2080 Tiを超える4608基のCUDAコアと24GBのGDDR6メモリを搭載し、1770MHzという200MHz以上高いブーストクロックで動作する「NVIDIA TITAN RTX」が、GeForce RTX 2080 TiをPCゲーミング性能において、どの程度上回るのか実ゲームベンチマークで徹底比較します。
国内公式通販:https://ryoyo-direct.ryoyo-ss.jp/shopping/titan-vxp/titan-rtx
製品公式ページ:https://www.nvidia.com/en-us/titan/titan-rtx/
NVIDIA TITAN RTX対応ドライバのver417.35はGeForce RTX用とTITAN RTX用で別になっていて、TITAN用は地味に"-rp"が添えられています。GeForce用ドライバをインストール済みの場合、DDU等でドライバを削除してからでないと(コントロールパネルからのアンインストールでもOKかも)、TITAN用ドライバが正常にインストールされないので注意してください。分離したままなのか、今後統一されるのか気になるところです。
NVIDIA TITAN RTX レビュー目次
1.NVIDIA TITAN RTXの外観
2.NVIDIA TITAN RTXの分解
3.NVIDIA TITAN RTXの検証機材セットアップ
4.NVIDIA TITAN RTXのゲーム性能
5.NVIDIA TITAN RTXの温度・消費電力
6.NVIDIA TITAN RTXのレビューまとめ
NVIDIA TITAN RTXの外観
早速、NVIDIA TITAN RTXを開封していきます。梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、「NVIDIA TITAN RTX」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「NVIDIA TITAN RTX」のGPUクーラーの外装は金属製で、中央のブラックと両端のゴールドのツートンカラーになっており、中央にはTITAN RTXの製品ロゴが金色の文字で刻印されています。
グラフィックボード側面のMaxwell世代以降、TITANブランドはGeForceブランドから分離されたもののGPUクーラーの側面にはGeForceのロゴが描かれていたのがTITANユーザー的には悩ましいところでしたが、「NVIDIA TITAN RTX」では念願のTITANロゴになっています。
NVIDIA TITAN RTXは全長267mmでRTX 2080 Ti Founders Editionと同じサイズです。
NVIDIA TITAN RTXは全長こそ長いものの基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「NVIDIA TITAN RTX」のGPUクーラーには90mm径の冷却ファンが2基搭載されています。
従来のNVIDIAリファレンスモデルは外排気クーラーが採用されていましたが、「NVIDIA TITAN RTX」はRTX 2080 Ti Founders Editionと同様に内排気の2連ファンになってデザインも刷新されています。
RTX 2080 Tiのオリファンモデルは3スロット占有クーラーを採用しているモデルも多いですが、「NVIDIA TITAN RTX」は2スロット占有です。
NVIDIA TITAN RTXはリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルですが、補助電源数はリファレンスと同じく8PIN*2となっています。
NVIDIA TITAN RTXのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3、USB Type-Cの5基が実装されています。
NVIDIA TITAN RTXには基板の反りを防止し、GPUコアやVRM電源の冷却を補助するバックプレートが搭載されています。
なおグラフィックボードの重量はGeForce RTX 2080 Ti Founders Editionが1318g、MSI GeForce RTX 2080 Ti GAMING X TRIOが1571gに対して、NVIDIA TITAN RTXは1320gとなっており、比較的コンパクトなサイズのわりに重量は大きめです。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量は1kgを上回るのでPCI-Eスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
NVIDIA TITAN RTXの分解
NVIDIA TITAN RTXを分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なおGPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために自己責任で分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
EKWB互換リスト:https://www.ekwb.com/configurator/step1_complist?gpu_gpus=4181
【暇があれば更新予定】
NVIDIA TITAN RTXの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、NVIDIA TITAN RTXを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Core i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Intel TS15A (レビュー) |
Noctua NH-U12S Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
ストレージ |
【システム】 Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) 【ゲームデータ】 SanDisk SSD Ultra 3D SATA SSD SDSSDH3-2T00-J25 (レビュー) |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
「NVIDIA TITAN RTX」のGPUクーラー側面のTITANロゴにはLEDイルミネーションが内蔵されており、標準では白色に発光します。
NVIDIA TITAN RTXはフルスペックTU102コアが採用されているのでCUDAコア数が4608となります。RTX 2080 TiはCUDAコア数が4352にカットされているので、約6%多いCUDAコア数です。GPUコアクロックは、ベースクロックは1350MHzで共通ですが、ブーストクロックはRTX 2080 Tiのリファレンスが1545MHz、Founders Editionが1635MHzに対して、NVIDIA TITAN RTXは1770MHzへと大幅に引き上げられており、明らかに選別された良コアが使用されています。
VRAM容量もRTX2080Tiを2倍以上も上回る24GBで、GDDR6のメーカーはRTX 20XXシリーズの初期ロットに多いMicron製ではなくSamsung製でした。
パワーリミット(TDP)もRTX 2080 Ti Founders Editionの260Wに対して、「NVIDIA TITAN RTX」はさらに高い280Wへと引き上げられています。
NVIDIA TITAN RTXのゲーム性能
NVIDIA TITAN RTXの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」、「GeForce RTX 2080 Founders Edition」、「GeForce RTX 2070 Founders Edition」、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」、「Radeon RX Vega 64 Limited Edition」を使用しています。「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
NVIDIA TITAN RTX |
36298 | 17762 | 8888 |
RTX 2080 Ti FE |
34275 | 16594 | 8101 |
RTX 2080 FE |
27024 | 12442 | 6214 |
GTX 1080 Ti FE |
28250 | 13692 | 6740 |
GTX 1080 11Gbps | 22936 | 10967 | 5395 |
RX Vega 64(B1, BL) | 23280 | 10831 | 5458 |
「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
NVIDIA TITAN RTX | 14700 | 13588 | 6990 |
RTX 2080 Ti FE | 13646 | 12735 | 6488 |
RTX 2080 FE | 10815 | 10089 | 4988 |
GTX 1080 Ti FE | 9527 |
8875 | 4432 |
GTX 1080 11Gbps | 7724 | 7362 | 3519 |
RX Vega 64(B1, BL) | 7284 |
6838 | 3470 |
「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
NVIDIA TITAN RTX | 11513 | 14373 | 5020 |
RTX 2080 Ti FE |
11680 | 13711 | 4639 |
RTX 2080 FE | 11588 | 11108 | 3551 |
GTX 1080 Ti FE | 11555 | 8386 | 2969 |
GTX 1080 11Gbps | 11235 | 6868 | 2344 |
RX Vega 64(B1, BL) | 10642 | 8198 | 2210 |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、4K(3840*2160)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
なお今回、NVIDIA TITAN RTXの測定については時短(手抜き)のため4K解像度のみ行いました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、Destiny2(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(最高設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny2(最高設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(最高設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher3(最高設定)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット)に関する「NVIDIA TITAN RTX」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
NVIDIA TITAN RTX、GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition、GeForce RTX 2080 Founders Edition、GeForce RTX 2070 Founders Edition、GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition、Radeon RX Vega 64 Limited Editionの6種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、NVIDIA TITAN RTXはGTX 1080 Ti FEよりも最大40%以上高速という結果でした。
肝心のNVIDIA TITAN RTXとRTX 2080 Tiとの性能比較については、4K解像度において約7%の性能差でした。CUDAコア数比が4608/4352で約6%、ブーストクロック非が1770/1635で8%なので、単純計算では14%程度の性能向上(メモリ帯域も含めると20%程度?)が理想的には期待できるはずですが、空冷クーラーの性能が十分ではなく実動コアクロックは同程度になるせいか、コア数比がグラフィック性能比にそのままスケーリングした感じになりました。
NVIDIA TITAN RTXの温度・消費電力
NVIDIA TITAN RTXの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「NVIDIA TITAN RTX」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステストを使用しています。
NVIDIA TITAN RTXのテスト終盤におけるGPU温度は最大74度、ファン回転数は最大2000RPM程度でした。カラーリングのみの違いでRTX 2080 Ti Founders Editionと同じGPUクーラーが搭載されていますが、電力制限がRTX 2080 Ti FEよりも高い280Wに設定されているので、GPU温度とファン回転数も若干高くなっています。
2スロット占有GPUクーラーの冷却性能および静音性として決して悪くない結果ですが、ほぼ同スペックのRTX 2080 Tiグラフィックボードのオリファンモデルで主流な3スロット占有GPUクーラー搭載モデルと比べるとやはり冷却性能が見劣りします。
GPUコアクロックについては「NVIDIA TITAN RTX」の仕様値ではブースト1770MHzで、RTX 2080 Ti Founders Editionの仕様値であるブースト1635MHzよりも100MHz高く設定されていますが、GPU温度によって制限がかかるからか、負荷テスト中の実動平均は1752MHzでRTX 2080 Tiとほぼ同じ数値になりました。
またベンチ機2のPCケースに「NVIDIA TITAN RTX」を組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しており、ケースファンにはNZXT製のエアフロー重視でPCケースの吸気・排気ファンに最適なケースファン「NZXT Aer F 140」をPCケースのフロントに吸気ファンとして2基、リアに排気ファンとして1基設置してファン回転数1000RPM固定で運用しています。
「NVIDIA TITAN RTX」をPCケースに入れて長時間負荷をかけても最大温度は77度で、コアロックの平均値は1741MHzでした。内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mmファンを設置して1000RPMで回していますが、NVIDIA TITAN RTXのファン回転数は2142RPMに達しています。実際にPCケースに組み込むとNVIDIA TITAN RTXを2スロット占有GPUクーラーで静音性を維持したまま冷やすのは難しいようです。
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。長時間の負荷においても「NVIDIA TITAN RTX」はスタートから96%前後の性能になっています。ブロアーファンGPUクーラーだったころよりはましですが、さすがに3スロット占有GPUクーラーを搭載したRTX 2080 Tiの安定感と比べると見劣りする結果です。
スマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用して、1時間のストレステスト終盤においてグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
前世代GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちでしたが、「NVIDIA TITAN RTX」はGPUクーラーやバックプレートでしっかりと覆われていてVRM電源温度を正確に把握するのは難しいものの、最も熱い部分で80度未満に収まっているので安心して運用できる温度だと思います。
NVIDIA TITAN RTXを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
NVIDIA TITAN RTXファンノイズは、2000RPMという比較的に高めなファン回転数の通りノイズレベルも47.3dB程度と大きいですが、RTX 2080 Tiとほぼ同性能のグラフィックボードで、2スロット占有GPUクーラーであることを考えれば静音性は高めだと思います。
NVIDIA TITAN RTXの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた入力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。右下スクリーンショットのように、この状態でCPUに負荷をかけても測定値が変動しないのでCPUによる消費電力の変動は基本的に含まれないと考えて大丈夫です。
測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としたところ、測定結果は次のようになりました。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
NVIDIA TITAN RTXの消費電力は312W、最大瞬間負荷は434Wでした。NVIDIA TITAN RTXのTDP(パワーターゲット)は280Wに設定されており、TDP260W設定のRTX 2080 Ti FEと比較して、消費電力は20W程度上回っています。
NVIDIA TITAN RTX レビューまとめ
最後に「NVIDIA TITAN RTX」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームを4K/60FPSの超高解像度かつ高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- 前世代最上位のGTX 1080 Tiを40%以上も上回るグラフィック性能
- フルスペックGT102コア採用によってカット版RTX 2080 Tiを7%程度上回る
- 24GB GDDR6の大容量VRAMを搭載
- 金色のGPUクーラーがメチャクチャカッコいい
- 2スロット占有GPUクーラーとしては高い静音性
- PCIEブラケットと同じ高さの基板&クーラー
- QUADROのようにプロフェッショナル向けソフトウェアへの最適化が期待できる
- GPUクーラーの冷却性能が不十分なので、ブーストクロック分の差が期待できない
- 理想的に15~20%程度の性能向上で、RTX 2080 Tiの2倍という劣悪なコスパ
Turring世代ナンバリング最上位のRTX 2080 Tiは、前世代最上位のGTX 1080 Tiをベストケースでは50%近く超える圧倒的なパフォーマンスを発揮し、それでいて消費電力は据え置きとワットパフォーマンスも向上して、4K/60FPS+の超高解像度/高フレームレートなPCゲーミングに対応する性能は次世代GPU最上位を名乗るにふさわしいものになっていましたが、「NVIDIA TITAN RTX」はCUDAコア数4602を備えるフルスペック版GT102コアを採用し、200MHz高いファクトリーOCも適用されているので、さらに10%程度高いグラフィック性能を実現できる至高のグラフィックボードです。
しかしながらRTX 2080 Tiでさえ非常に悪いと評価されたグラフィック性能に対するコストパフォーマンスは、NVIDIA TITAN RTXにいたっては2500ドルという価格から”劣悪”と評価せざるを得ない点について基本的に異論はないと思います。
RTX 2080 TiのNVIDIA公式による準リファレンスモデルといえるFounders EditionのGPUクーラーを、光輝く金色にしたカラーバリエーション的な「NVIDIA TITAN RTX」のGPUクーラーはとにかくカッコよく、水冷化する気満々で購入した管理人も蓋を開けてみたら、思わず『これを水冷化するなんてもったいない』と呟いて(ツイッターで)しまいました。
とはいえ、やはりRTX 2080 TiクラスのGPUを冷やすには2スロット占有で比較的コンパクトなので、冷却が不十分であり、RTX 2080 Tiのリファレンス仕様よりも200MHz以上高く設定されたブーストクロックを活かしきれず、RTX 2080 Ti FEと同程度が実動クロックに留まっているので、グラフィック性能を追求するなら静音性を犠牲に空冷クーラーのファンをブン回すか、フルカバー水冷ブロックや簡易水冷キットを使って冷却を強化するしかなさそうです。
幸いにもNVIDIA TITAN RTXのグラフィックボード基板はRTX 2080 Tiのリファレンス基板と互換レイアウトなので、RTX 2080 Tiリファレンス基板用のフルカバー水冷ブロックや簡易水冷キットが使用できるため、追加冷却手段の確保自体は難しくありません。EVGAの簡易水冷化キットは特に導入のハードルも低いですし。
ツイッターで実施したアンケートによると「NVIDIA TITAN RTX」を購入した人の半数以上がPCゲーム用途で購入しているようです。残りはほぼ均等にクリエイター、学術研究、その他の3種類。アンケート結果を信じるなら100人以上の人がすでに国内(北米公式の個人輸入含む)で購入しているそうな……、売り上げ3000万円以上。
TITAN RTXをポチッた人は何に使う予定?
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) 2018年12月25日
しかしながらTITAN Vもそうでしたが、NVIDIA TITAN RTXもまたNVIDIAの考えとしては『ゲームにも使えるけど、メーカーサポートの省略して安価にした個人や学術機関向けQUADRO』という側面の強い製品なのだと思います。TITANシリーズはゲーマー向けGeForceシリーズではサポートされないプロフェッショナル向けソフトウェアに最適化されたドライバが配信されることもたぶん期待できるので、QUADROを必要とするユーザーとしてはコスパが良いのだろうとも思います。24GBの大容量VRAMもレンダリングか学術計算でもないとフル活用するシーンはなさそうです。
RTX 2080 Tiを超える真の史上最速のGPUという唯一無二な価値があるので、例えコスパが劣悪であったとしても”買う人は買う”製品だと思いますが、とはいえ+300ドルの999ドルでフルスペックかつVRAM2倍なTITAN X Maxwellが購入できた時代が懐かしくなる今日この頃です。
言うまでもないことですが(それでもいちおう)、ゲーマーは「NVIDIA TITAN RTX」を買うより、3スロット占有大型GPUクーラーのRTX 2080 Tiを2枚買ってSLIした方がきっと幸せになれます。
以上、「NVIDIA TITAN RTX」のレビューでした。
・RTX 2080 Ti 販売ページ:
<Amazon><PCショップアーク><パソコン工房>
<TSUKUMO><ドスパラ><PCワンズ><ソフマップ>
おまけ:NVIDIA TITAN RTXの個人輸入の仕方
「NVIDIA TITAN RTX」は、国内でも菱洋エレクトロ株式会社が正規代理店となっており、税込み32.2万円で購入可能ですが、北米のNVIDIA公式通販から転送サービス経由でも個人輸入可能です。いきなり「NVIDIA TITAN RTX」を購入するのが不安な人はまず最初に40ドルで購入できるHB SLIブリッジだけを購入して実際に注文~転送までを試すのがおすすめです。
転送サービスの使い方はこちらをご覧ください。
・できる!個人輸入 ④ 国内直送してくれないショップでの購入方法。転送サービスの使い方。
NVIDIA公式通販の支払いについては管理人が試した限りでは三井住友VISAと楽天銀行VISAデビットの2つのカードで購入できました。10万円を超える海外通販の場合、そういう買い物が初めてだとカード会社のセキュリティに引っかかるかもしれないので事前にカード会社に連絡を入れておくといいかも。
次回からの注文が楽になるので注文時にアカウントを作るのがおすすめです。
発送先、支払住所ともに転送サービスの倉庫の住所を入力します。
注文を進めると「住所間違ってね?」と言われますが下のように自分が入力したものを使うと選択すればOKです。2回ほど聞かれますが同じように繰り返します。
あとはポチポチクリックしていけば注文完了です。
メールは注文直後の確認メールと出荷完了時のメールの2通が届きます。NVIDIA公式通販は発送が速いので、日本時間で前日に注文すれば翌日の午前7時から8時くらいに出荷メールが届きます。このメールに追跡番号が記載してあるので、メールが届いてからスピアネットで転送依頼を行います。
転送依頼の方法はスピアネットのマイページにログインして下画像のようにすればOKです。
スピアネットの倉庫に商品が到着すると転送料案内メールが届くので支払いを行えば翌日には出荷されます。あとは着弾を待つのみです。受取時に10000円ほど消費税を支払う必要があるのでそこだけ注意。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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私はVで懲りたので、今回は一枚だけ購入しこの連休中に組みました(他は1950X、905Pとか)
数回ブルースクリーンを出しましたが、XやVに比べると扱いやすいですね、シングルなので