VALVE INDEX VR KIT


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片目1440×1600ドットの高解像度かつ144Hzの高速リフレッシュレートなフルRGB液晶ディスプレイを採用し高画質・高速を兼ね備えたハイエンドVR HMD「VALVE INDEX VR KIT(フルセット版)」をレビューしていきます。レビュー後半ではVALVE INDEXと、HTC VIVE ProやHTC VIVE CosmosやOculus Rift Sとのディスプレイ画質を比較して、VALVE INDEXがどれくらい高画質で綺麗になったのか徹底検証します。
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製品公式ページ:https://steamvr.jp/index.html
セットアップガイド:https://support.steampowered.com/kb_article.php?ref=9140-EYIL-0086





VALVE INDEX レビュー目次


1.VALVE INDEXの概要
2.VALVE INDEXの梱包・付属品
3.VALVE INDEXのVR HMD本体
4.VALVE INDEXのフェイスクッションとヘッドストラップ

  ・VALVE INDEXのヘッドストラップの装着感について

5.VALVE INDEXのオーディオ機能
6.VALVE INDEXのケーブルとアダプタ
7.VALVE INDEXの専用コントローラー
8.VALVE INDEXのトラッキング
9.VALVE INDEXのソフトウェアセットアップ
10.VALVE INDEXの画質比較

  ・VALVE INDEXの画質比較のまとめ

11.VALVE INDEXのレビューまとめ




VALVE INDEXの概要

「VALVE INDEX」の実機をチェックする前に、「VALVE INDEX」の基本情報について簡単に紹介しておきます。

「VALVE INDEX」のディスプレイには解像度が片目1440×1600ドット、最大リフレッシュレートが144HzのLCD(液晶)パネルが採用されています。サブピクセル構造はペンタイルではなくフルRGBストライプであることも明記されています。解像度自体の向上も合わせて、レンズの構造にもよりますが、精細感の向上とスクリーンドアの抑制が期待できます。特にフルRGBのピクセル構造は文字の視認性を大幅に向上させます。

VR HMD用ディスプレイパネルとして液晶パネルは有機ELパネルに比べで黒レベルが高く(黒が白っぽく)バックライト漏れが気になる傾向にありますが、「VALVE INDEX」では『ultra-low persistence global backlight illumination』と謳われています。所謂、黒挿入によるモーションブラーリダクションのことで、バックライト漏れの抑制とともに、残像低減の効果があります。

「VALVE INDEX」に搭載されたディスプレイの最大リフレッシュレートは144Hzですが、80Hz/90Hz/120Hz/144Hzなど複数のリフレッシュレートがサポートされており、120Hzリフレッシュレートにおいて90Hz(90FPS)の既存コンテンツと完全に互換性があると発表されています。

また「VALVE INDEX」はHTC Vive Proなど既存のVR HMDと比較して20度程度広い130度の視野角を実現しているようです。レンズについてもこだわりがあるようで中央だけでなく円周付近の端まで明瞭に映るとアピールされており、また視野角を改善する方法の1つとしてレンズを5度外に向けています。

「VALVE INDEX」のヘッドストラップの構造は、HTC VIVEのデラックスオーディオストラップやHTC VIVE Pro標準搭載ヘッドストラップにも採用されるダイヤル式です。HTC VIVE Proと同じくハードウェアIPD調整やレンズ前後位置調整にも対応しています。

「VALVE INDEX」のポジショントラッキングには、HTC VIVE Proのフルセット版に付属しているベースステーション2.0と同じくLight Houseトラッキングに対応した「VALVE INDEX Base Station」という外部センサーを使用するアウトサイドイン式トラッキングが採用されています。

また「Knuckles」というコードネームで開発されていた新型コントローラーが「VALVE INDEX コントローラー」の名前でVALVE INDEXの純正コントローラーとして同時リリースされており、「VALVE INDEX VR KIT」には標準で付属、コントローラーだけの単品購入も可能です。。VALVE INDEX コントローラーは5本指トラッキングに対応したVRコントローラーとなっており、VR空間内で物を掴む、投げるといった動作、ピースサインなどのハンドサインによるコミュニケーションを可能にします。


「VALVE INDEX」の基本スペックの簡易比較は次のようになっています。
VALVE INDEXの基本スペック比較

VALVE INDEX VIVE Pro VIVE Cosmos Oculus Rift S
解像度(片目) 1440×1600 1440×1600 1440×1700 1280×1440
PPI -(非公表) 615 -(非公表) -(非公表)
リフレッシュレート 144Hz
(120Hz/90Hz対応)
90Hz 80Hz
パネルタイプ
(ピクセル構造)
液晶
(フルRGB)
OLED
(ペンタイル)
液晶
(フルRGB)
液晶
(フルRGB)
視野角 130度 110度 110度 110度
トラッキング 外部センサーが必要 外部センサーが不要
コントローラー 専用コントローラー2個1セットが標準で付属
オーディオ オフイヤー
スピーカー
付属ヘッドホン 付属ヘッドホン スピーカー
イヤホン 3.5mmジャック 非対応 3.5mmジャック 3.5mmジャック
ビデオ接続
DisplayPort
当サイトの
推奨GPU
RTX 2060 SUPER, RTX 2070 SUPER
RX 5700, RX 5700 XT


「VALVE INDEX」についてVALVE公式からはHTC VIVEの時と変わりなく最小動作環境としてGTX 1060やRX 480といったミドルクラスGPUが挙げられ、推奨動作環境としてはGTX 1070以上のグラフィックボードが推奨されています。ディスプレイ解像度は2倍近くまで増え、さらにリフレッシュレートも最大144Hzに増えているので、単純計算でVALVE INDEXはHTC VIVE無印版の時よりも2倍以上高いグラフィック性能が要求されます。
そのため「VALVE INDEX」を快適に動作させるためには2019年最新のグラフィックボードのNVIDIA GeForce RTX 2060 SUPERやAMD Radeon RX 5700といったミドルハイクラスのグラフィックボードを使用するのが管理人的には推奨です。グラフィックボードの性能や、グラフィックボード単体もしくは対応グラフィックボードを搭載したBTO PCの選び方については下記のまとめ記事を参考にしてください。

おすすめグラボまとめ。予算・性能別で比較。各社AIBモデルの選び方
おすすめグラボまとめ

おすすめBTO PCまとめ。予算・性能別で比較。カスタマイズ指南も
おすすめBTO PCまとめ。予算・性能別で比較。カスタマイズ指南も



VALVE INDEXの梱包・付属品

「VALVE INDEX」のフルセット版パッケージは560mm×360mm×210mmと大きく、重量もそこそこ重いので、天面や側面に持ち手が付いていないのはやや不親切に感じました。パッケージサイズは概ねHTC VIVE Proと同じです。
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パッケージを開くと「VALVE INDEX」のフルセット版では、専用に成型された黒色の紙製スペーサーに収められたVR HMD本体と専用コントローラー×2とベースステーション×2が現れます。
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上の写真でスペーサーの左右にある緑色のリボンを持ってスペーサーを持ち上げると、各種付属品が収められた下段が現れます。下段も専用に成型されたスペーサーに各種付属品が収められています。
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「VALVE INDEX」のフルセット版はLight Houseトラッキングに対応したVR HMDということもあって、HTC VIVE Proと同等の付属品の量です。HTC VIVE CosmosやOculus Rift Sなど、センサー不要なインサイドアウト型のVR HMDと比べるとやはり付属品が多く、梱包も複雑です。
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「VALVE INDEX」のフルセット版はACアダプタや各種ケーブルなど付属品が多いですが、ケーブルホルダや梱包にHMDやコントローラーのアイコンが描かれているので、どれに関する部品なのか一目瞭然でわかるので、VR HMD初心者にも優しい配慮です。
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マニュアル類はVR HMD本体の上でストッパー代わりに配置されている正方形の黒色ケースの中に入っています。また納品書はビニールパウチに入れて「VALVE INDEX」のパッケージを保護する茶色段ボール箱に貼り付けられているので、失くさないように一緒に保管しておきましょう。
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VALVE INDEXのVR HMD本体

VALVE INDEXのVR HMDの本体についてチェックしていきます。
HTC VIVE 無印版やHTC VIVE ProのVR HMD本体は外装にはベースステーションから発信される赤外線の受光部分である円形の窪みが点在し、どことなく昆虫の複眼を思わせる外見でしたが、同じくLight Houseによるトラッキングを採用する「VALVE INDEX」にはそういった窪みはなく、黒色外装のスマートな外観です。
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「VALVE INDEX」の正面下端には左右に2基のカメラが設置されています。VRディスプレイ上にカメラで撮っている光景をそのままリアルタイムに表示する機能もあります。
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「VALVE INDEX」の底面の左側にはVR HMDの電源スイッチが、右側にはIPD調整スライダーが設置されています。またヘッドストラップヒンジの左側にはレンズの奥行調整ダイヤルがあります。
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VR HMDの重量について本体のみ(ヘッドストラップは含む、ケーブル除く)で測定してみたところ、「VALVE INDEX」は約748gでした。HTC VIVE Proが約770gなので、Light Houseトラッキング対応のハイエンドVR HMD同士で比較するとほぼ同じ重さです。
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またセンサー不要なインサイドアウト式トラッキングを採用するVR HMDをみると、HTC VIVE Cosmosは標準状態で約665g、付属ヘッドホンを外した状態で約553g、Oculus Rift Sが約560gでした。
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「VALVE INDEX」のHMD接続ケーブルは、ビデオ入力、USB接続、電力供給の3役を兼ねていますが、HTC VIVE Proと同様に1本のラウンドケーブルにまとめられてコネクタも独自端子が1つです。ケーブル長は約5mほどです。
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ちなみに「VALVE INDEX」のVR HMDケーブルはVR HMD本体から着脱が可能です。コネクタ形状はHTC VIVE Proとは異なるものでした。VR HMDケーブルコネクタの右隣には、「VALVE INDEX」では音声出力用の3.5mmオーディオジャックが実装されています。
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「VALVE INDEX」のVR HMD正面に装着されている黒色半透明のアクリルプレートはマグネット固定で簡単に着脱ができる構造になっています。アクリルプレートの下には長方形の窪みスペースが設けられ、正面から見て右側面にはUSB Type-A端子があるので、ハンドトラッキングモジュールなどサードパーティー機器の増設が可能になっています。
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VALVE INDEXのフェイスクッションとヘッドストラップ

「VALVE INDEX」のフェイスクッションとヘッドストラップについてチェックしていきます。
「VALVE INDEX」のフェイスクッションとレンズ部分を正面から見ると下の写真のようになっています。HMD内部スペースは広く確保されているので、メガネのテンプル(つる)は干渉し難い形状に思えます。ただしHTC VIVE ProやHTC VIVE Cosmosとは違ってメガネのテンプル(つる)を通すための窪みはないので、比較すると干渉する可能性はあります。
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また「VALVE INDEX」はHTC VIVE Proと比較して20度程度広い130度の視野角を実現していると公表されています。レンズについてもこだわりがあるようで中央だけでなく円周付近の端まで明瞭に映るとアピールされており、また視野角を改善する方法の1つとしてレンズを5度外に向けています。
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「VALVE INDEX」のフェイスクッションのウレタンスポンジや合皮ではなく、霜降り模様なファブリック(布製)です。
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「VALVE INDEX」のフェイスクッションはフェーシャルプレートと一緒にマグネットで固定されており簡単に着脱が可能です。ただしクッション自体はフェーシャルプレートに接着されていて着脱できないので、マジックテープ等でクッションが固定されているVR HMDとは異なり、フェイスクッションの交換は入手性の面で難しい構造になっています。
またVR HMD内への入光を防止するノーズカバーについてもフェーシャルプレートに接着されており取り外しができません。
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「VALVE INDEX」のHMD本体底面の左側には、左右の瞳の距離にあたるIPD(Interpupillary distance)を調整するスライダーが設置されています。
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「VALVE INDEX」では下のようにスライダーによってハードウェアレベルでIPDの調整が可能です。
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加えて「VALVE INDEX」ではフェイスクッションからレンズまでの前後距離を調整できる機能も搭載されています。レンズ距離はヘッドストラップの左側ヒンジにあるダイヤルで調整できます。
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メガネレンズの接触防止や焦点距離の調整に使っていたユーザーも少なくない機能ですが、HTC VIVE CosmosやOculus Rift Sには非採用です。
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「VALVE INDEX」のHMDを固定するためのヘッドストラップは頭頂部のマジックテープと後頭部のダイヤルの2つで調整する構造になっています。頭頂部のマジックテープはHDMの高さ、後頭部のダイヤルはヘッドストラップの締め具合を主に設定する役割があります。
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ヘッドストラップの後頭部を包む部分のクッションも、フェイスクッションと同じく霜降り模様なファブリック素材です。ヘッドストラップ側のクッションは着脱に対応していません。
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また「VALVE INDEX」には小さい子供や特に頭の小さい人向けに、ヘッドストラップの後頭部部分に装着する低反発なスペーサークッションも付属しています。
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VALVE INDEXのヘッドストラップの装着感について

「VALVE INDEX」のヘッドストラップの装着感について最初にざっくりとまとめると、個人差がありそうと注記したうえで、管理人的にはHTC VIVE ProやHTC VIVE Cosmosよりも快適でした。
「VALVE INDEX」のヘッドストラップおよびクッションの構造はデラックスオーディオストラップを装着したHTC VIVE無印版に近く、単純に考えるとHTC VIVE Proのほうが装着感は良さそうなのですが、「VALVE INDEX」のヘッドストラップの後頭部を覆うフレーム&クッションが耳の上あたりまで伸びていて、管理人の頭の形状には上手くフィットしてくれたためHTC VIVE Proよりも快適に感じました。
HTC VIVE Proでは加重は頬骨-おでこ-頭頂部-うなじ付近のラインで頭全体へ重さが分散するものの、固定については厚みにあるクッションで頭の形状に合わせて前後で挟み込む形になっています。一方で「VALVE INDEX」は柔軟性のあるフレームと薄めのクッションで頭、特に後頭部の半球を、その形状に合わせてすっぽり包み込む感じがあり、前後方向の圧迫感が少なく感じたことが、より快適だと感じた理由ではないかと思います。後頭部をすっぽりと包むような構造なので「VALVE INDEX」はダイヤルの締め具合が弱めでも頭を振った時にVR HMDがズレにくいのです。(前後の締め付け圧をHTC VIVE Proよりも弱めても頭を振った時にVR HMDが安定する)
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以上のような事情で、管理人的にはHTC VIVE ProやHTC VIVE Cosmosを上回って「VALVE INDEX」のほうが装着感が快適だったのですが、「VALVE INDEX」のヘッドストラップの後頭部を覆う部分が頭にどれくらいフィットするかによって快適さは変わると思います。



VALVE INDEXのオーディオ機能

「VALVE INDEX」にはオフイヤースピーカーと呼ばれる高音質ヘッドホンがヘッドストラップの左右に標準で装着されています。
「VALVE INDEX」の付属ヘッドホンはヘッドストラップからアームを介して接続されていますが、位置調整の機能はアームの回転と、アーム上のヘッドホンの高さ移動の2つのみです。
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「VALVE INDEX」のヘッドホンは、HTC VIVE ProやHTC VIVE Cosmosのようにクッションを介して耳に接するのではなく、指一本程度離れた位置から音を鳴らすスピーカー的構造になっています。
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HTC VIVE Proではヘッドホンのハウジング上には、左側に音量UP/DOWN調整ボタン、右側にはミュートボタンの物理スイッチが設置されていて地味に便利でしたが、「VALVE INDEX」にはそういった機能はありません。
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「VALVE INDEX」のフェイスクッションを取り外してレンズの左上、VR HMDケーブルが接続された端子の隣には3.5mm音声ジャックがあるので、各自で用意したイヤホン・ヘッドホンを使用することも可能です。
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ただし付属ヘッドホンは着脱自体は可能ですが、星形ネジで固定されているので公式にはヘッドホンの取り外しは推奨されていないようです。
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VALVE INDEXのケーブルとアダプタ

VALVE INDEXのHMD接続ケーブルとアダプタをチェックしていきます。
「VALVE INDEX」のHMD接続ケーブルは、ビデオ入力、USB接続、電力供給の3役を兼ねていますが、HTC VIVE Proと同様に1本のラウンドケーブルにまとめられ、コネクタも独自端子が1つです。ケーブル長は約5mほどです。
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この独自端子のVR HMD接続ケーブルはHTC VIVE Proでいうところのリンクボックス的なアダプタ(コネクションケーブル)を介して、DisplayPort端子、USB3.0端子、DC端子の3つに分岐します。アダプタのケーブル長は3in1部分が0.6m、各種分岐部分が0.3mm程です。
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アダプタから分岐するDC端子には付属のコンセントACアダプタから伸びるDC端子を接続し、VR HMDへ給電します。ACアダプタは汎用構造になっており、国内品では国内コンセントに対応したプラグが付属します。
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「VALVE INDEX」のアダプタはHTC VIVE Proで使用するリンクボックスと比べると非常にコンパクトです。
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HTC VIVE無印版やOculus Rift CV1など初期のPC用VR HMDではHDMIによるビデオ接続が主流でしたが、VALVE INDEX、HTC VIVE Pro、HTC VIVE Cosmos、Oculus Rift Sなど2019年最新の高解像度VR HMDではDisplayPortによる接続が主流です。
NVIDIA RTX 20XX/GTX 16XXシリーズやAMD Radeon RX 5700シリーズなどVR HMDに対応可能な2019年最新GPU搭載グラフィックボードに実装されたビデオ出力はHDMI×1&DisplayPort×3の4系統が主流になっており、DisplayPort接続のPCモニタやHDMI接続のTVを併用していても、「VALVE INDEX」を問題なく接続できます。
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VALVE INDEXのACアダプタのDC端子の形状はHTC VIVE Proと共通ですが、電源出力が12V/1.5A(18W)から12V/2.5A(30W)へと引き上げられており電力的に互換性はないので注意してください。
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VALVE INDEXの専用コントローラー

「VALVE INDEX」の専用コントローラーをチェックしていきます。
「VALVE INDEX」のフルセット版には専用コントローラーの「VALVE INDEXコントローラー」が左右1対で1セット付属します。
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「VALVE INDEXコントローラー」には87個のセンサーが内蔵されており、5本全ての指に対して位置、動き、圧力を検知することができます。また従来のようにコントローラーを握って保持するのではなく、上で紹介したようにハンドストラップによって固定する構造なので、コントローラーを握り続ける必要がありません。
VALVE INDEX公式で公開されている下の動画のように、「VALVE INDEXコントローラー」を使えば手の指の動きを非常に細かく再現できるので、現実世界と同じようにピースなどのハンドサインでコミュニケーションを取ったり、手を広げて物体から手を放し地面に落とす、振りかぶって投げるなど様々な動作が可能になります。
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「VALVE INDEXコントローラー」の詳細についてはこちらの記事で解説しているので参照してください。
「VALVE INDEXコントローラー」をレビュー。VIVE Proで使ってみた
VALVE INDEX Controller_VIVE Pro



VALVE INDEXのトラッキング

「VALVE INDEX」のトラッキングについて簡単に紹介していきます。
VALVE INDEXでは外部センサー(正確にはHMDがセンサーでベースステーションは赤外線の発信機)としてベースステーションを使用する「Lighthouse」というトラッキング手法が採用されています。HTC VIVE無印版やHTC VIVE Proでお馴染みのトラッキング方法です。
VALVE INDEXのトラッキングでは、部屋に設置したベースステーションが一定周期で赤外線を照射しており、その照射角度をVR HMDに備え付けられたセンサーが検知、それを逆算することで位置や方向をトラッキングしています。つまりVALVE INDEXのベースステーション自体はPCと全く通信をしていないのでコンセントから電源を取るだけでOKというのがVALVE INDEXのトラッキング方式です。
ベースステーションを部屋に設置するのは面倒ですが、定点から赤外線を照射するだけのシンプルな構造なので、相性問題や通信の安定性に悩まされることがほぼありません。
Steam VR Light House
またVALVE INDEXやHTC VIVE Proに付属するベースステーションは新型のベースステーション2.0となっておりSteamVR2.0に対応しています。SteamVR2.0ではルームトラッキングが強化されています。付属のベースステーション2基に加えて別売りのベースステーション2.0を追加して最大4基で動作させることによって、10m×10mへトラッキング範囲を拡張できます。
ただしVR HMD接続ケーブルの長さという制約があるので、VALVE INDEXではワイヤレスアダプターが未発売(開発中という噂も)であり、HTC VIVE Proではワイヤレスアダプタ自体は製品化されているものの無線通信許認可の関係で国内では発売されていないので、10m×10mのルームスケールトラッキングは理想スペック的な扱いになると思います。

以上のように、(HTC VIVE無印版に付属したベースステーションの初期型)と、HTC VIVE ProやVALVE INDEXに付属する新型のベースステーション2.0では機能に若干の違いがあるのですが、共通する部分も多いので、共通するor大きく違わない部分についてはナンバリングもつけず、”ベースステーション”のように呼ぶことにします。

初期VR HMDでこそアウトサイドイン形式が使用されていましたが、2大PC向けVR HMDのOculus RiftとHTC VIVEの両陣営が2019年最新VR HMDにおいて、Windows Mixed Realityでいち早く取り入れられた外部センサー不要のインサイドアウト形式を採用したので今後はこちらが主流になるようです。
ただし「VALVE INDEX」をリリースするSteam VRのValve陣営は「Light House」と呼ばれるアウトサイドイン形式のポジショントラッキングを引き続き採用しており、HTC VIVE Cosmosもオプションパーツで対応が予定されています。おそらくコストや導入ハードルが高い一方でトラッキング精度的にはアウトサイドイン形式の方が優れるのだと思います。
VR HMD_2019

VALVE INDEXやHTC VIVE Proで採用されるアウトサイドイン式トラッキングと、Oculus Rift SやHTC VIVE Cosmosで採用されるインサイドアウト式トラッキングの違いを簡単にまとめて比較すると次のようになっています
トラッキング手法の違いと長所と短所の簡易まとめ

アウトサイドイン式
(Light Houseの場合)
インサイドアウト式
VR HMD
VALVE INDEX
HTC VIVE Pro

Oculus Rift S
HTC VIVE Cosmos
Windows MR
特徴  ・BSが照射する赤外線を
 HMD・専用コンのセンサーが検知
 ・検知した情報(照射角)から
 PCで位置計算
 Steam VR Light House
 ・VR HMDに搭載されたカメラで
 撮影した画像を元に
 PCで画像解析から位置計算
 ・コントローラーのトラッキングも
 VR HMDのカメラをメインに使う
HTC VIVE Cosmos_tracking
メリット  ・高精度で死角がほぼない
 ・トラッキングの範囲が広く、
 BS2つでルームスケールが可能
 ・センサーが不要なので安価
デメリット  ・マウンタや三脚が必要で
 BSの設置が面倒
 ・BSはモーター内蔵なので
 駆動音がする
 ・センサーが高価なので、
 VR HMD全体も高価になる
 ・アウトサイドイン式と比べて、
 トラッキング精度は劣る傾向あり
 ・カメラのあるHMD付近は
 コントローラーのトラッキングが狂う


VALVE INDEXとHTC VIVE Proに付属するのはいずれもベースステーション2.0です。若干形状は異なりますが、同じLight Houseトラッキング対応ベースステーションだけあって間違い探しレベルの違いです。
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ベースステーションの背面に注目すると、DC端子とmicro-USB端子が設置されているところは同じですが、
HTC VIVE Proのベースステーションにはあった有線接続端子(ベースステーションを設置できる位置が低く、障害物などでベースステーション間の通信が遮られる場合に使う)が、VALVE INDEXのベースステーションではなくなっていました。
micro-USB端子はベースステーションのファームウェアアップデートのためにPCと接続する場合のみ使用しますが、現在はBluetoothでアップデートできるので必須ではなく、VALVE INDEXにはmicro-USBケーブルも付属しません。
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重量を比較してみたところ、HTC VIVE Proのベースステーションが265gに対して、「VALVE INDEX」のベースステーションは234gと、30g程度ですが軽量化されていました。高所に設置することを考えると軽いに越したことはないと思います。
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「VALVE INDEX フルセット版」にはベースステーションに関連して、ACアダプタ(ACアダプタ、着脱式コンセントプラグ、DCケーブル)が2セット、ベースステーションマウント用パーツ2セットが付属します。
付属のACアダプタはケーブル長が3mと長いので配線に困ることはないと思います。長さが足りない場合は5.5mm径のDC延長ケーブルか普通のコンセント延長ケーブルを購入して伸ばしてください。
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VALVE INDEX付属するベースステーション2.0の背面と底面には、HTC VIVE Proと同様に、デジカメの三脚などに使用される汎用ネジと同じ規格のネジ穴があります。
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付属のマウンタを使用すると壁にネジで穴を開ける必要がありますが、特にオススメなスタイルとしてカメラ用アクセサリのクランプ型アダプタと突っ張り棒を組み合わせて使用することで簡単にベースステーションを高所へマウントできます。下の記事では突っ張り棒スタイルやその他おすすめのアイテムを紹介しているので、これを参考にして環境に合わせてマウントパーツを揃えてみてください。
VIVE ProやVALVE INDEXのセンサー固定におすすめなグッズを紹介
VIVE ProやVALVE INDEXのセンサー固定におすすめなグッズを紹介

下の図のように2つのベースステーションをプレイエリアに対して対角に、かつベースステーションの間隔が最大5mとなるように配置し、両方のベースステーションにACアダプタを接続します。
Play Area
HTC VIVE無印版のベースステーション1.0ではアルファベットやらモードセレクトやらでごちゃごちゃしていましたが、ベースステーション2.0については電源を入れるとLEDインジケーターが青色で点滅し、しばらくすれば両方とも緑色で点灯して準備完了です。もしも緑で点灯してベースステーションが正常に検出されない時は、鏡など赤外線を変に反射させてしまうものがある場合は布で覆うなどして隠してください。
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ベースステーションにはモーターが内蔵されており「ジー」という駆動音がするため寝室などに設置する場合は音が気になるかもしれません。
HTC VIVE無印版のベースステーション1.0、VALVE INDEXやHTC VIVE Proに付属するベースステーション2.0でも大差なく同様のモーター駆動音が聞こえました。ベースステーション2.0では若干小さく(高周波に?)なっているかもしれませんが、ほぼ同じようなノイズです。

HTC VIVE ProのクライアントアプリであるSteamVRの起動・終了に合わせてベースステーションをスタンバイさせる機能もあるのですが、環境によっては「スタンバイから復帰できない」「スタンバイモードに移行しない」など正常に動作しないこともあるようです。
下の記事で紹介するリモコン操作の電源タップやスマートコンセントを使用すれば簡単にベースステーションの電源をON/OFFできるので駆動音やスタンバイ時のLED点灯が気になる人にはおすすめです。
ベースステーションの電源管理にリモコン操作可能なタップが便利
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VALVE INDEXのソフトウェアセットアップ

VALVE INDEXのソフトウェアセットアップについては基本的にマニュアルやセットアップガイドに従ってポチポチしていくだけなので簡単に豆知識だけ紹介します。

VALVE INDEXのセットアップはSteamVRから行うので、まずはSteamクライアントをインストールします。HTC VIVE無印版やHTC VIVE Proを使ったことがある人は、VIVE関連のインストーラーを使わずに直でSteamVRを使う手順と言えば伝わると思います。
SteamクライアントDLページ:https://store.steampowered.com/about/
VALVE INDEX_setup_steam_1
クライアント右上の「VR」ボタンを押せばトラッキング設定に関するポップアップが表示されます。もしも表示されない場合はライブラリ-ツールからSteamVRを見つけて手動でインストールしてください。
VALVE INDEX_setup_steam_2

「VALVE INDEX」をPCに接続してSteamVRの初回起動時はヘッドセットのファームウェアアップデートの案内がありました。指示に従ってアップデートしておきましょう。
VALVE INDEX_setup_update

SteamVRのオプションを開いて「動画」の項目にリフレッシュレートに関する設定があります。80Hz、90Hz、120Hz、144Hzから選択できます。SteamVR的には120Hzが互換性も含めて推奨設定のようです。
VALVE INDEX_setup_refreshrate
「アプリケーション」の項目からはSteamVRユーザーにはおなじみですが内部解像度の設定が表示されます。VALVE INDEXの標準レンダリング解像度は片目2468×2740のようです。TITAN RTXの環境では100%の設定でした。
VALVE INDEX_setup_resolution



VALVE INDEXの画質比較

「VALVE INDEX」に関する基本的なチェックは済んだので、HTC VIVE Pro、HTC VIVE Cosmos、Oculus Rift S、Oculus Rift CV1(HTC VIVE無印版)と画質を比較していきます。サムネイルよりもオリジナル写真のほうがわかりやすいですが、オリジナル写真は画像サイズが大きい(1~3MBのものもある)ので、画像をクリックして確認する時は注意してください。


まずは画面中央に表示される遠方のオブジェクトを見た時の比較です。サンプルとしては下画像が片目のディスプレイいっぱいに表示されています。
CP_VR HMD_1

遠方のオブジェクトはVALVE INDEXのような最新VR HMDと初期のVR HMDとの比較において大きく差が出るポイントの1つです。
Oculus Rift CV1やHTC VIVE無印版では解像度(PPI)が足りずボヤけた絵になっていますが、VALVE INDEXでは境界もクッキリと描画され立体感が増して見えます。スクリーンドアについては境界線や左上窓枠のラインがわかりやすいですが、VALVE INDEXがスムーズに描かれているのに対して、Oculus Rift CV1(HTC VIVE無印版)では網目模様で線が細かく切れています。
同じフルRGBの液晶パネルを採用する「VALVE INDEX」とOculus Rift Sを比較すると垂直解像度の分だけやはりVALVE INDEXのほうが精細感が高く、スクリーンドアの影響が小さく見えます。
VALVE INDEXとHTC VIVE Proを比較すると、垂直解像度は同等ながらサブピクセル構造がVALVE INDEXはフルRGBに対してHTC VIVE Proはペンタイルなので、スクリーンドアはHTC VIVE Proのほうが目立ちます。ただVALVE INDEXは青色強めな調整で青みがかり、かつ白っぽいのに対し、有機ELパネルのHTC VIVE Proのほうがコントラストが綺麗で発色に優れています。
VALVE INDEXとHTC VIVE Cosmosを比較すると、一見してHTC VIVE Cosmosのほうがクッキリした画質にみえますが、よく確認するとVALVE INDEXのほうがスクリーンドアが少なく、細部の階調が細かく表現されているのが分かると思います。
スクリーンドアについてOculus Rift CV1やHTC VIVEではピクセル間に網目が見える感じでしたが、解像度の増したVALVE INDEXなど最新機種では目の非常に細かいストッキングの上に映像を投射しているような感じです。
CP_VR HMD_1_VALVE INDEX_DxO
CP_VR HMD_1_HTC VIVE Pro_DxO
CP_VR HMD_1_VALVE INDEX_def_DxO
CP_VR HMD_1_Oculus Rift S_DxO
CP_VR HMD_1_Oculus Rift CV1_DxO


次に近い位置にテキストを表示したときの比較です。サンプルとしては下画像が片目のディスプレイいっぱいに表示されています。
CP_VR HMD_2
テキスト表示は特に垂直解像度やサブピクセルの構造によって違いが出るので、パっと見でVR HMD毎の差が最もわかりやすいと思います。
HTC VIVE無印版とOculus Rift CV1の初期VR HMDではピクセルが荒く、かつスクリーンドアで潰れてしまい、文字が完全にボヤけてしまいましたが、VALVE INDEXではクッキリと綺麗に読むことができます。
HTC VIVE ProとOculus Rift Sを比較すると、垂直解像度自体はHTC VIVE Proの方が上ですが、境界線で認識されるテキスト表示ではペンタイル構造独特の斜め線のスクリーンドアが影響して、文字が滲む、ボヤける傾向にあり、フルRGBなOculus Rift Sのほうがクッキリとして見えます。その流れで垂直解像度が最も高く、かつフルRGBなHTC VIVE Cosmosが一番優秀かと思いきや、特殊なピクセル配列が影響して、描画が細かいのに輪郭がボヤという一長一短な結果になっています。結果的に垂直解像度が2番手でサブピクセルが綺麗な格子状フルRGBなVALVE INDEXが最も綺麗にテキストが表示できています。
CP_VR HMD_2a_VALVE INDEX_DxO
CP_VR HMD_2a_HTC VIVE Pro_DxO
CP_VR HMD_2_VALVE INDEX_DxO
CP_VR HMD_2a_Oculus Rift S_DxO
CP_VR HMD_2a_Oculus Rift CV1_DxO
「機能」の漢字はVALVE INDEXやHTC VIVE CosmosやOculus Rift Sといった第2世代と、Oculus Rift CV1やHTC VIVEの初期製品との差が特に顕著です。
HTC VIVE無印版やOculus Rift CV1では両方とも文字がほぼ潰れて雰囲気でしか読めません。HTC VIVE CosmosとOculus Rift Sでは「能」の文字は余裕ですし、「機」もそこそこ認識できます。一方でHTC VIVE Proは垂直解像度の高さで何とかカバーしていますが、やはりペンタイル構造の影響で文字がボヤけます。フルRGBで綺麗に格子状のピクセル配列なOculus Rift Sはクッキリと見えます。
垂直解像度が最も高いHTC VIVE Cosmosは、縦長で半分ズレて並ぶという特殊なピクセル形状(Oculus Rift Sのような一般的なストライプ配列に対してデルタ配列というらしい、ペンタイルと違ってサブピクセルはフルRGB)のせいで文字の線の境界がボヤける傾向がありますが、VALVE INDEXは同等の垂直解像度かつ綺麗な格子状のストライプ配列なので、文字の再現性とクッキリ感が最も良いと思います。
漢字については小学生が習う常用レベルでも「機能」のように非常に密度の高い字があるので、文字認識はVR HMDが日本人向けに普及する上で課題でしたが、「VALVE INDEX」では近づいて目を凝らさないとメニューすら読めないような状況はなくなりました。
CP_VR HMD_2b

最後に遠方に細かいテキストが大量に表示されるときの比較です。サンプルとしては下画像が片目のディスプレイいっぱいに表示されています。原寸の画像ファイルは非常に大きい(3~4MB)ので注意してください。
CP_VR HMD_3
レンズの差なのかHTC VIVE ProやOculus Rift Sでは中央だけでなく左右もピントが合って文字がボヤけにくくなっています。たしかにVR HMDを装着した時の体感でもHTC VIVE無印版やOculus Rift CV1では中央近辺以外はボヤける感じがあったのですが、HTC VIVE ProやOculus Rift Sでは中央から視線が逸れてもピントが大きくはズレなくなっています。一方で下写真の傾向とは異なるのですが実際の体感ではHTC VIVE CosmosはHTC VIVE無印版よりは幾分マシですが、HTC VIVE ProやOculus Rift Sと比べてレンズ外周の歪み(滲み)をやや強く、視野角が狭く感じました。
VALVE INDEXはというと公式ページで高品質なレンズ採用を謳っているだけあって、レンズ外周の歪み(滲み)が他の機種よりも弱く、全体的にクッキリとした表示が得られました。視野角210度を謳うPimax 5K/8Kシリーズほどではありませんが、公式ページで紹介されているように、少しであれば瞳を動かして左右を確認するのも難しくない感じです。
HTC VIVE無印版やOculus Rift CV1よりは大分改善されているものの、VALVE INDEXやHTC VIVE Proでもまだハッキリと視認できない感じもあり、このくらい細かいものがクッキリ見えるようになると、VRの世界がいよいよ現実感を伴ってくると思います。さらに次世代のVR HMDに期待したいところです。
CP_VR HMD_3_VALVE INDEX_DxO
CP_VR HMD_3_HTC VIVE Pro_DxO
CP_VR HMD_3_VALVE INDEX
CP_VR HMD_3_Oculus Rift S_DxO_DxO
CP_VR HMD_3_Oculus Rift CV1_DxO


参考までに下はOculus Rift S(液晶パネル)とOculus Quest(有機ELパネル)の画質比較の写真となります。液晶パネルと有機ELパネルそれぞれの傾向として、VALVE INDEXとHTC VIVE Proの比較にも概ね当てはまります。
自発光画素の有機ELパネルを搭載しているOculus Questのほうが、液晶パネルのOculus Rift Sよりも鮮やかであり、かつ細かい色調まで再現されているのが一目でわかると思います。Oculus Questは机の細かい模様や反射の様子も細かく再現されており、有機ELパネルの鮮やかさと1440×1660の高解像度を遺憾なく発揮しています。色の鮮やかさや黒の暗さについてはこれまでのVR HMDの画質比較ではあまり気にしていなかったのですが(喫緊の問題は文字認識だったため)、Oculus QuestとOculus Rift Sの比較で有機ELの偉大さを再認識しました。
CVR_2_Oculus Rift S_DxO
CVR_2_Oculus Quest_DxO


VALVE INDEXの画質比較のまとめ

最初に「VALVE INDEX」などのディスプレイ画質を比較した結果について、管理人視点で簡単にまとめると概ね下のような感じです。
  1. オブジェクトの精細感: VALVE INDEX、HTC VIVE Pro > HTC VIVE Cosmos > Oculus Rift S
  2. 色の鮮やかさ: HTC VIVE Pro > VALVE INDEX、HTC VIVE Cosmos、Oculus Rift S
  3. スクリーンドア:  VALVE INDEX> HTC VIVE Cosmos、HTC VIVE Pro、Oculus Rift S
  4. 文字認識: VALVE INDEX > HTC VIVE Cosmos、Oculus Rift S > HTC VIVE Pro
  5. 総合評価: VALVE INDEXHTC VIVE Pro > HTC VIVE Cosmos > Oculus Rift S

もう少し詳しく管理人のインプレッションをまとめると、

視界内にめいっぱいに広がる近方のオブジェクトはHTC VIVE無印版やOculus Rift CV1と比べてもあまり差を感じないというのはHTC VIVE Proをレビューした時の感想のままですが、遠方のオブジェクトの精細感について最新VR HMDを比較すると、VALVE INDEXもしくはHTC VIVE Proが最も綺麗で、次いでHTC VIVE Cosmos、最後にOculus Rift Sと感じました。
サブピクセル構造も足を引っ張るのでHTC VIVE Cosmosと比べると、細かい明暗が視認しやすい有機ELパネルのHTC VIVE Proのほうが遠方のオブジェクトの精細感では上だと感じたのですが、フルRGBかつ綺麗な格子状サブピクセルのVALVE INDEXもかなり再現性が高く、どちらが綺麗かと聞かれると好みが分かれるところだと思いました。

色の鮮やかさについては自発光な有機ELパネルのHTC VIVE Proがやはり一番綺麗です。VALVE INDEXやHTC VIVE CosmosやOculus Rift Sは液晶パネルなので若干ですが白っぽく、かつ青みがかったり黄色っぽかったりと色味に偏りを感じます。
なおモーションブラーリダクション機能が効いているので液晶パネルでも強い残像感はありません。従来機種の90Hzリフレッシュレートでも特に違和感はなかったのですが、「VALVE INDEX」は120Hzのハイリフレッシュレートに対応していることもあって、いっそう近づいたと思います。

スクリーンドアについては、HTC VIVE ProやHTC VIVE Cosmosと比較しても、VALVE INDEXが最も感じにくいという評価で間違いないと思います。
VALVE INDEXでは『OLED に比べ3倍も優れたフィルファクターがスクリーンドアを低減させる』と謳われていますが、高いフィルファクター(1ピクセルの格子内の実際のRGB領域の割合のこと?)によってスクリーンドアの黒い線が非常に細くなっており視認し難いというのは、上の比較写真でも確認できると思います。ただ各ピクセルが近く隣接し過ぎるからか(レンズとカメラの相性かもしれませんが)、若干ボヤけて感じるデメリットもあるような気がします。
HTC VIVE無印版やOculus Rift CV1ではピクセルが分断される網目と感じたスクリーンドアは、VALVE INDEXなど最新VR HMDでは目の細かいストッキングに映像を投射しているような感じ(写真に2次イラストのストッキングのような網目効果をオーバーレイしている感じというのが正確かも)に変わっており、違和感や視認性への悪影響は軽減されています。

最後に文字認識について、これはフルRGBのサブピクセル構造が有利で、特に文字密度の大きい漢字を使用する日本語ユーザーにとってはVALVE INDEXやOculus Rift SのほうがHTC VIVE Proよりも読みやすいという感想で間違いないと思います。垂直解像度の高く、ピクセル配列が綺麗な格子状であるVALVE INDEXはシンプルにOculus Rift Sよりも文字の視認性の高い上位互換だと思います。垂直解像度こそ同等ですが、ピクセル配列が特殊なHTC VIVE Cosmosや、ペンタイル構造のHTC VIVE Proと比較してもVALVE INDEXのほうが文字の視認性は上です。

高解像度かつフルRBG、スクリーンドアの影響か最も少ない、レンズの設計が良く外周部でも歪みにくい、120Hzの高速リフレッシュレートなど評価するポイントが多いので、管理人の感想としてはHTC VIVE ProよりもVALVE INDEXのほうが高画質だと思いました。
とはいえ有機ELの発色・コントラストも捨てがたいものがあるので、どちらの方が綺麗かについては何を重視するかで好みが分かれる難しい問題だと思います。ストライプ配列フルRGBで120Hzリフレッシュレートな有機ELディスプレイ採用の高級モデル(VALVE INDEX ULTRAみたいな名前で)が+数万円くらいで発売されると嬉しいです。



VALVE INDEXのレビューまとめ

最後に次世代の高画質VR HMD「VALVE INDEX VR KIT(フルセット版)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 片目1440×1600のストライプ配列フルRGB液晶ディスプレイ採用で高精細
  • ディスプレイのリフレッシュレートは最大144Hz、90Hzコンテンツ互換な120Hzにも対応
  • 高音質オフイヤースピーカーを標準搭載
  • HMD装着時に頬骨の圧が少なくて楽で装着感が良い
  • ヘッドストラップの締め方がダイヤル式
  • ハードウェアIPD調整やレンズ前後位置調整に対応
  • 5本指トラッキングに対応したVALVE INDEXコントローラー
  • Light Houseトラッキング対応、トラッキング精度が高精度かつ死角がほぼない
悪いところor注意点
  • ハイエンドVR HMDという位置づけで税込み14万円程と非常に高価
  • ベースステーションを高所に設置するのが面倒
  • フェイスクッションがマジックテープ式ではないのでサードパーティ製との交換は難しい

「VALVE INDEX」の画質については、片目1440×1600ドットの高解像度かつ、サブピクセル構造が綺麗な格子状のストライプ配列フルRGBのディスプレイが採用され、またスクリーンドアの影響が低減されるよう
フィルファクターに設計されているので、高精細かつ文字認識に優れています。
HTC VIVE無印版やOculus Rift CV1など初期VR HMDでは基本メニューで表示される「機能」のような常用漢字ですら認識に難がありましたが、「VALVE INDEX」は画数が多く密度の高い漢字もはっきりと認識できるようになったので文字認識におけるストレスからはほぼ解放されるはずです。
パネルタイプがOLEDから液晶パネルに変わったので若干白っぽいもしくは青みがかった印象を受けますが使っているうちに慣れる程度ですし、120~144Hzの高リフレッシュレートかつモーションブラーリダクション機能が効いているので残像感もありません。

「VALVE INDEX」はヘッドストラップの完成度も高く、従来のVR HMDにあった頬骨への圧迫感がなく長時間使用しやすくなっています。個人差も否定できませんが管理人的にはHTC VIVE ProやHTC VIVE Cosmosよりも装着感は快適でした。またハードウェアIPD調整やレンズの前後位置調整にも対応しているので個人差に応じてピントも柔軟に合わせることができます。

トラッキングについて、「VALVE INDEX」が採用するアウトサイドイン式Light Houseトラッキングは精度の高さと死角のなさがやはり非常に優秀です。直近で検証したVR HMDがインサイドアウト式のHTC VIVE CosmosやOculus Rift Sだったこともあって、VR HMD本体や専用コントローラーのトラッキングの滑らかさ、専用コントローラーをHMDに近づけるなどインサイドアウト式では死角になる操作をスムーズに行えるストレスフリーなところに改めて感動しました。
インサイドアウト式としてOculus Rift Sは高い完成度でしたが(HTC VIVE Cosmosはあかん……)、やはり快適な使用感を求めるとアウトサイドイン式Light Houseトラッキングに圧倒的に軍配が上がります。

ベースステーション&専用コントローラーを含めたフルセット版のVR KITは税込み14万円程と非常に高価であり、ベースステーションを高所に設置する手間がかかるという2つのデメリットこそありますが、高画質・高速リフレッシュレートなVRディスプレイ、ヘッドストラップの快適性やピントの合わせやすさ、5本指トラッキングによってVR空間で手を再現する専用コントローラー、トラッキング精度の高さ・死角のなさ等、デメリットを補って余りある魅力を備えており、「VALVE INDEX」は2019年最新のハイエンドVR HMD決定版と言っても過言ではないと思います。

以上、「VALVE INDEX VR KIT」のレビューでした。
VALVE INDEX VR KIT




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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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