Fractal Design Define 7 XL


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北欧PCパーツメーカーFractal DesignからDefine XL R2発売より7年越しに待望の後継モデルとしてリリースされた、E-ATXやSSI-EEBにも対応するフルタワーPCケース「Fractal Design Define 7 XL Black Solid(型番:FD-C-DEF7X-01)」をレビューします。
モジュラー式ストレージプレートによって切り替える2種類のレイアウトによって変幻自在なビルドスタイルを実現する万能PCケースという標準モデルDefine 7のコンセプトを踏襲しつつ、フルタワーサイズにスケールアップされたDefine 7 XLの組みやすさや拡張性について徹底検証していきます。



国内代理店ページ:
https://www.ask-corp.jp/products/fractal-design/fulltower-pccase/define-7-xl-solid.html
https://www.ask-corp.jp/products/fractal-design/fulltower-pccase/define-7-xl-tg.html
製品公式ページ:https://www.fractal-design.com/ja/products/cases/define/define-7-xl/black/






レビュー目次


1.Fractal Design Define 7 XLの外観・梱包・付属品
2.Fractal Design Define 7 XLのトップパネル
3.Fractal Design Define 7 XLの内部構造の概要
4.Fractal Design Define 7 XLの裏配線スペース
5.Fractal Design Define 7 XLのストレージ設置スペース
6.Fractal Design Define 7 XLのグラフィックボード設置スペース
7.Fractal Design Define 7 XLの電源ユニット設置スペース
8.Fractal Design Define 7 XLのファン・ラジエーター設置スペース
9.Fractal Design Define 7 XLのビルドギャラリー
10.Fractal Design Define 7 XLのレビューまとめ



【機材協力:Fractal Design(国内正規代理店アスク)】


Fractal Design Define 7 XLの外観・梱包・付属品

早速パッケージを開封して、Fractal Design Define 7 XLの外観からチェックしていきます。
「Fractal Design Define 7 XL」では製品のオリジナルプリントがされた茶色の段ボール箱にPCケース本体が収められています。幅368mm×奥行640mm×高さ695mmとパッケージサイズも巨大です。
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標準モデルのDefine 7と比較するとパッケージサイズ自体は意外と差がありません。
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段ボール箱の天面を開くと、各種付属品が収められたパッケージとPCケース本体が現れます。段ボール箱の内側には、2019年にリニューアルされたFractal Designロゴが大量に格子状に描かれています。知らずに見るとハチの巣みたいで、ギョッとする光景なのでちょっとやり過ぎな気が…。
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PCケースを保護する緩衝材については発泡スチロールが採用されていました。発泡スチロールは処分のため解体する際に小さい破片が飛び散るので、個人的には固めのスポンジを採用して欲しいです。各種付属品は非常に大きいサイズの付属品収納パッケージに収納されています。
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アルミニウム製フロントパネルや強化ガラスサイドパネルには傷防止の保護フィルムが貼られています。
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付属品収納パッケージを開くと、通気スリットが施された交換用天面パネル、マニュアル冊子、3.5インチストレージトレイ×2、5インチベイ×2用マウントブラケット、ブランク5インチベイ用カバー、そしてネジ等の小物類が収められた小分けパッケージが現れます。
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小分けパッケージに収納されている付属品は各種ネジ類、ケーブルタイとなっています。組み立てに使用するネジは個別のビニール袋に分けられているので見分けも簡単です。強化ガラスパネル搭載のTG版の場合はガラスパネル用クロスも付属します。
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欲を言えば、他社製品の例ですがネジの種類別に完全に小分けできる仕切り付きパックに最初からネジが収納されていると使い勝手が良いので、ネジ収納はこのタイプになってくれると嬉しいです。


続いて「Fractal Design Define 7 XL」の外観について詳しくチェックしていきます。
「Fractal Design Define 7 XL」のカラーバリエーションはブラックの1色です。従来の同社製PCケースのブラックカラーは内装の一部にホワイトがありましたが、Define 7 XLのブラックは内装も全てブラックなので従来機種で言うところのブラックアウトカラーです。強化ガラスサイドパネルについては無色透明なTGと、スモーク処理が施されたDark TGの2種類があります。
正面向かって左側サイドパネルに、高密度吸音素材シートが貼られたスチール製ソリッドパネルを搭載するSolid版に加えて、耐擦傷性強化ガラスのウィンドウパネルを搭載したTG (Tempered Glass)版もラインナップされています。強化ガラスサイドパネルについては無色透明なTGとスモーク処理が施されたDark TGの2種類があります。
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「Fractal Design Define 7 XL」の寸法は、標準ミドルタワーDefine 7が奥行547mmm×幅240mm×高さ475mmに対して、奥行604mmm×幅240mm×高さ566mmと大幅に巨大です。7年前とかなり昔の製品になりますが同社からリリースされた前フルタワーPCケースのDefine XL R2は奥行571mmm×幅232mm×高さ559mmだったので僅かながら大きくなっています。

サイドパネルの種類別で計3種類存在する「Fractal Design Define 7 XL」シリーズの中から、今回レビューするのは、静音性重視で高密度吸音素材シートが貼られたスチール製ソリッドパネルを搭載する「Fractal Design Define 7 XL Solid」です。
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Fractal Design Define 7 XLは近年主流の4面フルフラットパネルデザインです。トップと左右サイドの3面(強化ガラスサイドパネルモデルの場合はトップと右サイドの2面)には傷や指紋が目立ちにくい微細な凹凸加工の黒色塗装が施されたスチール製フラットパネルを搭載しています。
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フラットパネルPCケースはエアフローが微妙な窒息ケースのイメージがありますが、「Fractal Design Define 7 XL」では吸気スペースに当たるフロントパネルの左右外周部に吸気用スリットが用意されています。
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フロントにはヘアライン表面処理とアルマイト加工を施されたフルフラットなアルミニウムプレートが装着されたドアパネルが搭載されています。従来モデルではプラスチック製の枠の中央にアルミニウムプレートが嵌め込まれた構造でしたが、「Fractal Design Define 7 XL」では左右に折り返す構造になっており、一体感のある外観でさらに高級感を増しています。
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「Fractal Design Define 7 XL」のフロントI/Oはトップパネル前方に実装されています。パワースイッチ、リセットスイッチ、HD Audio(3.5mmステレオ出力&3.5mmマイク入力)、2×USB2.0 Type-A端子、2×USB3.0 Type-A端子、さらに最新規格のUSB3.1 Gen2 Type-C端子と非常に豊富です。電源ボタンはPCの電源が入ると白色LEDが点灯します。
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フロントI/Oからマザーボードに接続するケーブルは次のようになっています。
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個人的な注目ポイントはスタートスイッチやパワーLEDなどマザーボードのフロントI/Oヘッダーに接続するケーブルがスリーブでまとめられているところです。バラバラのままだと地味に面倒な所なので細かい配慮が好印象でした。
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「Fractal Design Define 7 XL」のフロントパネルはヒンジ付きドアパネルになっています。ドアパネルは標準では向かって右へ開閉することができます。ドアパネルの裏側には静音性を上げるため高密度吸音素材の防音シートが貼りつけられています。
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従来モデルのヒンジはドアパネルを固定するだけの単純な構造でしたが、「Fractal Design Define 7 XL」では複雑な機構のヒンジが採用されています。機構が複雑化したヒンジの改良によってドアパネルを開く時に手前に飛び出す(逆に閉じる時はPCケースへ密着する)感じに動き、非常にスムーズな開閉が可能になっています。またドアパネルとシャーシの中間にあり、ヒンジを介してドアパネルを固定しているプラスチック製フレームの裏側にはマグネットがあり、ドアパネルをピタッと閉じるのに一役買っています。
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ヒンジ部分はプラスチック製フロントフレームとドアパネルにプラスネジでネジ止めされており、標準の右開きだけでなく、左側にヒンジを固定し直すことで右開きに変更することができます。
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フロントパネル裏の吸気スリット部分はナイロンメッシュの防塵ダストフィルターになっており、プラスチックの爪で固定されているだけなのでツールレスで簡単に着脱できます。またフロントパネルを開くとPCケースボトムに設置された防塵ダストフィルターをスライド式で着脱できます。
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フロントパネル全体(ドアパネルとフレーム)はプラスチックの爪でPCケースシャーシに固定されています。PCケース内部からツメを解除してパネルを取り外すのではなく、割と強引にパネルをシャーシから引き剥がす感じでフロントパネルの着脱を行います。フロントパネルの着脱には比較的力がいるので(従来モデルよりはツメが弱くなっていますが)、ツールレス構造にしてもボールキャッチなどもう少し着脱の容易な構造を採用して欲しかったところ。
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「Fractal Design Define 7 XL」のフロントには「Fractal Design Dynamic X2 GP-14 140mm」という高性能な140mm冷却ファンが吸気ファンとして標準で2基搭載されています。
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標準構成においてフロントパネル裏の最上部には120mm/140mm幅に対応したファン&ラジエーター固定用の縦長ネジスリットが設けられたマウントブラケットが装着されています。
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フロントパネル裏のファン&ラジエーターマウントスペースのうち、最上部についてはブラケットが着脱可能になっており、付属の5インチベイ×2用ブラケットに交換できます。
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「Fractal Design Define 7 XL」のフロントパネル上部にはマウントブラケットを交換することで、光学ドライブなどを設置可能な5インチベイを2つ使用できます。2スロットありますが、片方しか使用しない場合はブランクパネル用カバーで塞ぐことが可能です。
同社製の前フルタワーPCケースDefine XL R2では4基だったのが2基に減っているので賛否分かれたところです。5インチベイを3基もしくは4基使用しているDefine XL R2ユーザーでDefine 7 XLへ買い替えを検討しているのであれば注意が必要です。
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「Fractal Design Define 7 XL」の左右サイドパネルは下端の溝(ヒンジ)と上端3か所のボールキャッチによって固定され、上端後方のノブによってツールレス開閉が可能というアクセサビリティーの高い構造です。なお片手で開こうとするとボールキャッチの外れた勢いでそのままサイドパネルが倒れる可能性が高いので片手で支えながらの両手で開閉を推奨します。サイドパネルの固定方法はスチールパネルと強化ガラスパネルで同様です。
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Define XL R2を含め旧モデルの一例としてDefine R6では前方に溝(ヒンジ)、後方にボールキャッチという構造だったので、サイドパネルの取り付けでサイドパネルを支えながら位置合わせをするという若干面倒な作業になりましたが、「Fractal Design Define 7 XL」ではシャーシの溝に上から乗せるだけと、サイドパネルの装着はさらに簡単になっています。
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「Fractal Design Define 7 XL」のサイドパネルの開閉に使用するノブはパネル本体から着脱が可能で、パネル本体は前後対称な形状なので、ノブを前後に付け替えることによって、マザーボード側と裏配線側のどちらでも使用できます。
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Fractal Design Define 7 XL向けアクセサリパーツとしてダークスモーク処理の強化ガラスサイドパネル「Tempered Glass Side Panel – Dark Tinted TG Type-B」があります。(Type-AはDefine 7用なので注意) 同パネルを追加で購入すれば両面ガラスパネル化も可能です。
Tempered Glass Side Panel – Dark Tinted TGTempered Glass Side Panel(D7-XL) – Dark Tinted TG

下写真はDefine 7のものですが、ソリッドパネルとガラスパネルと比較すると、ソリッドスチールのサイドパネル裏面を見ると静音性を上げるため高密度吸音素材の防音シートが貼られています。Solid版はマザーボード側と裏配線側の両方が高密度吸音素材の防音シートが貼られたスチールパネルになるので、静音性重視なユーザーであれば強化ガラスパネル採用のTG版よりもSolid版がおすすめです。
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ちなみにフロントドアパネルやエアスリットがない方のトップパネルの裏面にも同様に高密度吸音素材の防音シートが貼られています。なおフロントパネル、トップパネル、裏配線側サイドパネルの3つのパネル裏に高密度吸音素材の防音シートが貼られているのはSolid版もTG版も共通の仕様です。
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「Fractal Design Define 7 XL」のPCケースボトムには電源ユニットやファンマウント全体を覆う大型ダストフィルターが設置されています。底面ダストフィルターについては前モデルDefine R5でも指摘されていましたが長さ400mm以上のフィルターを前方に引き出すため着脱には前方のスペースが要求されます。好みで分かれるところですが個人的には電源用とボトムファンマウント用でフィルターを前後に分離させた方が使いやすいかなと感じます。
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ダストフィルターを取り外すと電源ユニット用の吸気スリットやファンマウントスペースが現れます。
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PCケース足のインシュレーターについて、前モデルDefine R6ではシルバー塗装で円形のものが採用されていましたが、「Fractal Design Define 7 XL」では黒色プラスチック製で矢じりのような非対称形に変わっています。インシュレーターの底面には滑り止めのゴムが付いています。シャーシから測って高さは23mmほどで電源ユニットやケースボトムファンの吸気スペースが確保されています。
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Fractal Design Define 7 XLのトップパネルについて

「Fractal Design Define 7 XL」のトップパネルについてチェックしていきます。
従来機種でModuVentと呼ばれたトップパネル構造は、「Fractal Design Define 7 XL」では特別な呼称はなくなりましたがさらに改良が加えられ、外装パネル、ダストフィルター、ファン・ラジエーターマウントブラケットの3層構造で全てPCケースシャーシから着脱が可能になっています。
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「Fractal Design Define 7 XL」のPCケース天面にはスチール製フラットパネルが標準で設置されています。スチール製カバーの裏面には高密度吸音素材の防音シートが貼られているので静音性重視の環境であれば標準仕様のまま使用するのがおすすめです。
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「Fractal Design Define 7 XL」のトップパネルはボールキャッチで固定されており、上に引っ張るだけでツールレスで簡単に着脱できます。
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「Fractal Design Define 7 XL」のPCケース天面外装パネルは質感高いスチール製フラットパネル(裏面の高密度吸音素材の防音シート)に加えて、通気エアスリットパネルの2種類が標準で付属してユーザーが自由に選択できます。
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通気エアスリットパネルのエアスリットはDefine R6のプラスチック製スリットやDefine R5の単純なヘックススリットとも違って、大小の台形が組み合わさった複雑かつ規則的な幾何学模様になっていて遊び心を感じさせる外観です。「Fractal Design Define 7 XL」を高エアフローなマルチファン換気システムへスムーズに移行させることができます。
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トップパネルの下にはナイロンメッシュの防塵ダストフィルターがあり、こちらもPCケース後方に引っ張るとロックが解除される構造で、ツールレスに着脱が可能です。
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また「Fractal Design Define 7 XL」PCケース天面のファン・ラジエーターマウントブラケットも着脱が可能です。前モデルDefine R6でも採用されていた構造ですが、「Fractal Design Define 7 XL」では前方-左-後方のU字の枠にブラケットを乗せて、右側2か所のネジで固定する構造に変わっています。
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Fractal Design Define 7 XLの内部構造の概要

続いて「Fractal Design Define 7 XL」の内部構造について各種要素ごとに細かく見ていく前に内部構造の概要をチェックしていきます。
スチール/強化ガラス製サイドパネルを外してマザーボード側を俯瞰すると次のようになっています。PCケースフロントに5インチベイや3.5インチストレージマウンタが配置されているクラシカルなレイアウトがDefine R5やDefine R6(の標準レイアウト)では採用されていましたが、「Fractal Design Define 7 XL」では標準レイアウトとして、PCケースボトムスペースがPSUシュラウドでチャンバー分けされ、マザーボードスペースは前方になにもなく開放されている近年主流なオープンレイアウトが採用されています。
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詳細は各章で順番に解説していきますが、オープンレイアウトは複数の大型AIO水冷クーラー環境や本格水冷環境への親和性を重視して高い空冷効果が発揮可能なエアフローパスをもつレイアウトになっています。
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PCケースフロントはストレージプレート(正式名称はVertical Wall and Cover)によって裏配線スペースとチャンバー分けされていますが、ストレージプレートはモジュラー式になっており、「Fractal Design Define 7 XL」ではストレージプレートの場所を移動させることによって用途に合わせたシャーシレイアウトの変更が可能です。
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標準レイアウトになっているオープンレイアウトに加えて、下のように、PCケースフロントに多数のストレージ設置スペースを備えたクラシカルな内部構造によってストレージ容量を最大化するストレージレイアウトも選択できます。ストレージレイアウトにおけるストレージ積載能力については後ほど詳しくチェックしていきます。
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「Fractal Design Define 7 XL」には近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUシュラウドも採用されています。
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マザーボードトレイの上下と右側はグロメット付きの裏配線用ケーブルホールが大きく取られています。ケーブルホールは特別小さいというわけではありませんが、Define R6やDefine XL R2よりも狭くなっているようなので一応注意してください。
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マザーボードトレイ右側のケーブルホールについてはATXマザーボードに最適な左側ホール(下写真の下側)とATXよりも30mm程度横幅の大きいE-ATXマザーボードに最適な右側ホール(下写真の上側)の2つが設けられており、グロメットとホールカバーを付け替えることができます。
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PCケース内部にはフロントに2基の140mm角、リアに1基の140mm角で計3基のケースファンが標準で搭載されています。標準搭載のケースファンは同社製高性能ケースファン「Dynamic X2 GP-14」です。
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Fractal Design Define 7 XLのマザーボードトレイやその周辺レイアウト、およびE-ATXやSSI-EEBなど大型マザーボードとの互換性についてチェックしていきます。
Fractal Design Define 7 XLのマザーボードトレイには標準でATXに合わせたスペーサーが装着されています。また拡張スロットのスペースとして9段のPCIEスロットが設置されています。
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「Fractal Design Define 7 XL」には予備を含めSSI-EEBなど12個のネジで固定するマザーボードに対応するための追加スペーサー4つとスペーサーを外すためのプラスネジ変換六角ソケットが付属します。プラスネジ変換六角ソケットをスペーサーに被せれば一般のプラスドライバーを使用して簡単にスペーサーの着脱が可能です。
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マザーボード固定用スペーサーを装着するためのネジ穴にはA、M、Iの添え字が刻印されており使用するマザーボードに合わせて使うべきレイアウトが一目で分かります。またマザーボード固定用スペーサーのうち中央の1つはネジ穴ではなく、凸状の出っ張りになっています。
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マザーボードのネジ止めの際には中央スペーサーの出っ張りにマザーボードを引っかけて位置を固定することができるので、マザーボードのネジ止めが容易になる賢い構造です。
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「Fractal Design Define 7 XL」にATXマザーボードを設置すると下のようになります。マザーボードトレイの上下と右には大きくケーブルホールが開けられているので各種配線もスムーズに行えます。
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Fractal Design Define 7 XLは製品スペックでも公表されているようにASUS ROG Zenith II Extremeのような一般的なATXマザーボードよりも横幅が30mm程度大きいE-ATXマザーボードも設置することが可能です。
標準モデルのDefine 7も横幅285mm以下のE-ATXマザーボードに対応していますが、設置するとマザーボードトレイ右側のケーブルホールが完全に塞がってしまうのに対し、Fractal Design Define 7 XLでは右側のケーブルホールにグロメットを付け替えることでスムーズに裏配線が可能です。
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さらにFractal Design Define 7 XLはデュアルCPUソケットのサーバー・ワークステーション向けに採用の多いSSI-EEBフォームファクタのマザーボードにも対応しています。ただしSSI-EEBではマザーボード横のケーブルホールは塞がってしまうので使用できません。
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「Fractal Design Define 7 XL」はASUS ROG Dominus Extremeを設置可能な正統派フルタワーPCケースとして期待していたのですが、マザーボードトレイと干渉してしまいました。内部スペース的には余裕なので非常に残念です。
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かなりのレアケースですが、ASUS ROG Dominus ExtremeのようなSSI-EEBよりも横幅が数十mm大きいマザーボードについては、マザーボードトレイ右端の折り返し部分がマザーボードと干渉してしまいます。ストレージプレートと干渉しているように見えますが、その手前の折り返し部分がマザーボードに接してしまいます。
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空冷CPUクーラーの高さクリアランスについては全高185mmまでが確保されています。大型のハイエンド空冷CPUクーラーでもPCケースサイドパネルとの干渉の心配は事実上ありません。
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Fractal Design Define 7 XLの裏配線スペース

「Fractal Design Define 7 XL」の裏配線スペースについてチェックしていきます。
左サイドパネルを取り外すとFractal Design Define 7 XLのマザーボード裏スペースにアクセスできます。Fractal Design Define 7 XLの裏配線スペースの全体は次のようになっています。
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「Fractal Design Define 7 XL」の新たな特徴の一つとして、裏配線スペース側にもフロントからリアまで伸びるプラスチック製PSUカバーが設置されています。裏配線側PSUカバーについてはプラスチックのツメを引っかけて固定しているだけなので、ツールレスで簡単に着脱が可能です。
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「Fractal Design Define 7 XL」のマザーボードトレイにはCPUクーラーメンテナンスホールも大きく設けられています。ホール右上が丸まっているところは地味に配線を楽にするポイントです。
CPUクーラーマウントが縦長でメンテナンスホールからはみ出しやすいAM4マザーボードでもしっかりと収まっています。
一方で開口部が少し後方寄りなので、Intel LGA1700/1200/115Xでメモリスロット側のCPUクーラー用ネジ穴がATXマザーボード基板の右端から70mm程度の位置の場合、ネジ穴がマザーボードトレイに被さってしまいます。あと10mm程度前方寄りだと良かったのですが。
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「Fractal Design Define 7 XL」の裏配線スペースについては、マザーボードトレイ上の5か所にマジックテープ式のケーブルファスナーがあり、中央の3か所にはさらにプラスチック製ケーブルガイドも設置されています。シンプルで配線しやすそうなデザインです。
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裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、35mm程度は確保されているので、余裕をもってケーブルマネジメントが可能です。
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Fractal Design Define 7 XLのストレージ設置スペース

続いて「Fractal Design Define 7 XL」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。
「Fractal Design Define 7 XL」では設置位置については幅広いオプションがありますが、ひとまず製品スペック上では標準で2基の2.5インチストレージと8基の2.5インチ/3.5インチストレージが設置可能です。
「Fractal Design Define 7 XL」のストレージ設置スペースは大別して、2.5インチストレージトレイを使用したスペース、PCケース天面などマルチブラケットを使用したスペース、モジュラー式ストレージプレートを使用したスペース、PSUシュラウド裏のシャドウベイ、以上の4つに大別できるので順番に見ていきます。
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「Fractal Design Define 7 XL」でストレージを設置するのに使用する「SSD Tray kit Type-B (2-pack)」、「HDD Tray kit Type-B (2-pack)」、「Hard Drive Cage Kit Type B」、「Universal Multibracket Type A」の4種類はいずれも単品でアクセサリパーツとして市販が予定されており、これらを必要数追加購入することによって、最大で5基の2.5インチストレージと18基の2.5インチ/3.5インチストレージが設置可能となります。
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2.5インチストレージトレイについて

まずは2.5インチストレージトレイを使用したスペースについてチェックしていきます。
標準ではマザーボードトレイ背面に2基の2.5インチストレージトレイ(正式名称はSSD tray)が装着されているので、ここに2基の2.5インチストレージを設置できます。2.5インチストレージトレイは単品でも追加購入でき、後述するスペースと合わせて最大で4基の2.5インチストレージを設置できます
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2.5インチストレージトレイはスチール製プレートになっており、トレイ背面の中央やや下にある2カ所の爪と、上部の脱落防止機能付きハンドスクリューでPCケースに固定する構造になっています。防振ゴム等はないので機械駆動部分のない2.5インチSSD向けのストレージトレイです。
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この2.5インチストレージトレイは裏配線スペースだけでなくPSUシュラウド上にも設置スペースが3基分あります。PSUシュラウドの奥にはグロメット付きケーブルホールもあるのでケーブルを目立たせることなく、お気に入りの2.5インチSSDを飾ることができます。「Team T-FORCE DELTA RGB SSD」や「HyperX FURY RGB SSD」などLEDイルミネーションを搭載したSSDのディスプレイにオススメな設置スペースです。
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マルチブラケットを使用したストレージ設置について

続いてPCケース天面のストレージ設置について詳しくチェックしていきます。
「Fractal Design Define 7 XL」では2.5/3.5インチストレージの設置や、水冷ポンプ・リザーバーの設置に使用できるマルチブラケットという便利な構造が採用されています。
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「Fractal Design Define 7 XL」にはマルチブラケットが標準で2枚付属しており、モジュラー式ストレージプレートの背面に装着されています。マルチブラケットは単品パーツでアクセサリパーツとして市販されます。
オープンレイアウトの場合、マルチブラケットを使用してストレージプレート裏面へ平行縦向きにストレージを固定できます。マルチブラケットを追加購入すると、この方法で最大2基の2.5/3.5インチストレージが設置できます。
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オープンレイアウト時にマルチブラケットを使用してストレージプレート裏にストレージを設置する場合、着脱の手間を問題に感じました。マルチブラケットはストレージプレートのパネルを外してマザーボード側からネジ止めする構造になっているのですが、このパネルの着脱が一癖あります。
パネルは左側の横方向への差し込みツメと、右側の垂直に差し込むツメでストレージプレート上に固定する構造(左開きのドアをイメージすると分かりやすいと思うのですが)になっています。左開きで右側を先に手前に開く構造上、フロントに設置したファンや5インチベイ用ブラケットが干渉してしまうため、オープンレイアウトでパネルを外すには、かなりの分解作業を要します。ストレージプレート上のパネルの着脱構造についてはもうオープンレイアウトでも簡単に着脱できるようにもう一工夫欲しかったです。
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またシュラウドインレーと呼ばれるPSUシュラウド上のフロント寄り部分(オープンレイアウト時のみ、最大1基)や、PCケース天面のファンマウントブラケット上(レイアウト制限なし、最大2基)、PCケースボトムのファンマウント上(シャドウベイの隣)、といったスペースにもマルチブラケットを使用して2.5/3.5インチストレージを設置できます。
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モジュラー式ストレージプレートのストレージ設置について

続いてモジュラー式ストレージプレート(正式名称はVertical Wall and Cover)を使用したスペースについて詳しくチェックしていきます。
「Fractal Design Define 7 XL」のPCケースフロントスペースはモジュラー式ストレージプレートによって用途別にレイアウトを変更可能となっており、複数の大型AIO水冷クーラー環境や本格水冷環境への親和性を重視して高い空冷効果が発揮可能なエアフローパスをもつオープンレイアウトから、ストレージ容量を最大化するクラシカルなストレージレイアウトへ切り替えることができます。
ストレージレイアウトはストレージ容量を最大化するクラシカルな内部構造で、マザーボード側から見るとPCケース内前方がプレートで覆われてスペースが狭くなりますが、裏配線側に移るとストレージ設置スペースが生まれ、付属のストレージトレイ(正式名称はHDD tray)によって、2.5インチ/3.5インチストレージを設置できます。
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ストレージトレイは、下写真で右上にある左端上下にある黒色の出っ張りをストレージプレートに引っ掛け、右上の脱落防止機能付きハンドスクリューでケーブルホール横のネジ穴に固定するという3点止めな固定方式が採用されています。オプションとして緑矢印部分もストレージプレート側からネジ止めで固定可能です。
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またストレージトレイに3.5インチHDDを装着する時は、付属のネジとラバーパッドを使用します。防振ラバーを介してストレージトレイに固定されるので、HDDの振動によってPCケースの共振が発生するのを抑制できます。
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モジュラー式ストレージプレートの裏には上から下に12段の設置スペースがあり、ストレージトレイを好きな場所に配置することができます。ストレージトレイは単品で市販されるので、全12段を埋めることも可能です。
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「Fractal Design Define 7 XL」にはストレージトレイが標準で6個付属しますが、うち4個はシャドウベイに装着されており、シャドウベイを使用する場合は、2基しかストレージトレイを増設できません。付属するストレージトレイの数が標準モデルDefine 7と同じというのは違和感を覚える仕様です。せめて+4個は多く付属して欲しかったところ。
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マザーボード側から見てストレージプレート上のパネルはプラスチックのツメで固定されており取り外しが可能です。5インチベイに設置する機器のネジ止めやストレージトレイのオプション扱いのセキュアネジ固定を行う時にアクセスします。
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3.5インチストレージ用シャドウベイについて

最後にPCケースボトムに固定されている3.5インチストレージ用シャドウベイ(正式名称はHDD Cage)について詳しくチェックしていきます。
「Fractal Design Define 7 XL」のPSUシュラウドの裏には3.5インチストレージ用シャドウベイが標準で2基設置されています。
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3.5インチストレージ用シャドウベイからはツールレスで着脱可能な2基の金属製ストレージトレイがあり、ストレージトレイには3.5インチストレージもしくは2.5インチストレージを設置できます。
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シャドウベイで使用するストレージトレイは、上で紹介したモジュラープレートで使用するストレージトレイと同じものが採用されています。ストレージトレイはハンドスクリュー1つでシャドウベイに固定します。
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シャドウベイの標準ポジションではフロント設置のファン&ラジエーターが干渉しないように、フロントパネルとの間には70~80mm程度の間隔が確保されています。一方で電源ユニットのスペースは230mm程度です。
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シャドウベイはPCケース底面にある120mmファンマウント用ネジスリット上に4か所のネジで固定されており、シャドウベイを前後に動かしたり、シャドウベイを完全に取り外したりすることが可能です。
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Fractal Design Define 7 XLのグラフィックボード設置スペース

「Fractal Design Define 7 XL」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。
まず製品スペックを見ると、「Fractal Design Define 7 XL」のグラフィックボード設置における長さ方向のクリアランスについて、制限の大きいストレージレイアウトでも全長315mmまでが確保されています。NVIDIA GeForce GTX 2080 TiのようなハイエンドGPUを搭載するグラフィックボードのオリファンモデルでも全長315mmを超えるモデルは稀なので、ストレージレイアウトでも基本的に干渉の心配はなさそうです。一方でオープンレイアウトでは467~491mmに対応可能となり、事実上、グラフィックボードの設置に制限はなくなります。
Fractal Design Define 7 XL_GPU-clearance

実機でグラフィックボードのクリアランスをチェックしてみると、オープンレイアウトについてはスペック通り524~549mmまでのグラフィックボードに対応となります。写真のように長さ方向のクリアランスも十分なのでオープンレイアウトではグラフィックボードの互換性を心配する必要はありません。
Fractal Design Define 7 XL review_07392_DxO
一方でストレージレイアウトについても、製品スペックの通り350mm超のスペースがあるのでストレージレイアウトでも基本的に長さ方向でグラフィックボードとPCケースが干渉する心配はありません。
Fractal Design Define 7 XL review_07483_DxO
極めてレアケースですが350mmを大きく超えるグラフィックボードでは右端がストレージプレート裏に侵入してしまいますが、グラフィックボードと同じ高さにあるストレージトレイを外せば、グラフィックボードの設置は可能です。近年で主流な2段目と3段目のPCIEスロットを占有するレイアウトであれば、ストレージプレート裏の8段目と9段目にストレージトレイを設置できなくなります。
Fractal Design Define 7 XL review_07510_DxO
またグラフィックボードの高さ方向についてストレージプレートとのクリアランスはPCIEスロットから150mm程度と比較的に余裕があり、グラフィックボード基板やGPUクーラーが接触する可能性は低いと思います。干渉するとしたらPCIE補助電源のコネクタ・ケーブルですが、L字延長ケーブルという便利なものも売られているので高さ方向の干渉についてはあまり気にする必要はないと思います。
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管理人がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、Fractal Design Define 7 XLでは固定ネジ上にシャーシが被っておらずしっかりとクリアランスが確保されています。これならドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。
Fractal Design Define 7 XL review_07393_DxO

また強化ガラスサイドパネル搭載モデル向けの機能になると思いますが、「Fractal Design Define 7 XL」にはサイドパネルと平行にグラフィックボードを設置するための垂直PCIEブラケットが用意されています。
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「Fractal Design Define 7 XL」には3スロット分の垂直PCIEブラケットがあるので、Define R6向けに発売済みの別売りアクセサリ「Fractal Design Flex VRC-25 PCIE x16」を使用することでサイドパネルに平行なグラフィックカードの垂直配置にも対応しています。
Fractal Design Flex VRC-25 PCIE x16
「Fractal Design Flex VRC-25 PCIE x16」は付属のスペーサーを使用することでPSUシュラウド上にライザーケーブルのPCIEスロットをシッカリと固定できます。
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垂直設置用のPCIEスロットは3スロット分あり、サイドパネルとの間隔は十分なので、2.5~3スロット占有の大型グラフィックボードも設置が可能です。
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「Fractal Design Define 7 XL」について、あえて欲を言うなら重量級のハイエンドグラフィックボードの垂れ下がりを防止する補強ホルダーが欲しいと思いました。一例として他社製品ですがCooler Master MASTERCASE MAKER 5tやIn Win 303のようにシャーシに備え付けで上下可動なホルダーがあれば完璧だと思います。
GPU-Holder



Fractal Design Define 7 XLの電源ユニット設置スペース

Fractal Design Define 7 XLの電源ユニットの設置個所付近をクローズアップしていきます。
まずは電源ユニットの設置についてですが、Fractal Design Define 7 XLでは最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUシュラウドも採用されています。PSUシュラウド上面にはエアスリットもあるのでセミファンレスやファンレスな電源を上に向けて配置することも可能になっています。
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また「Fractal Design Define 7 XL」の新たな特徴として、裏配線スペース側にもフロントからリアまで伸びるプラスチック製PSUカバーが設置されています。
20年2月現在発表済みのFractal Design Define 7 XLシリーズについては裏配線側サイドパネルがソリッドパネルの製品しかないのであまり意味のない機能に思えますが、今後、裏配線側も強化ガラスサイドパネルのバリエーションモデルや、裏配線側の強化ガラスサイドパネルの単品パーツが発売される可能性は高そうです。
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裏配線側PSUカバーについてはプラスチックのツメを引っかけて固定しているだけなので、ツールレスで簡単に着脱が可能です。
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「Fractal Design Define 7 XL」では電源ユニットの固定方法として、単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めするといった構造ではなく、専用のPSUアダプタを使用して外から電源ユニットをスロットインする構造が採用されています。PSUアダプタのハンドスクリューは脱落防止機構が備わっています。
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ケース内部の電源ユニット設置スペースに注目してみると、吸気スリットの両サイドには電源ユニットの安定した固定と電源ユニット冷却ファンの振動によるPCケースとの共振を防止するためゴム足がスタンドとして設置されています。細かいところですが欲を言えば、電源ユニット挿入時に奥のスタンドに引っかかることがあるので、ゴム足ではなくレール型のスタンドを採用して欲しかったです。
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アダプタを装着するだけで外から電源ユニットをスロットインできる構造なので電源ユニットの着脱が容易です。電源ユニットのプラグインケーブルを少し着脱したいという場面で電源ユニットを若干引き出してスペースを作るといった使い方もできる便利な構造になっています。
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「Fractal Design Define 7 XL」ではPCケースフロントまで電源ユニット設置スペースが貫通しているので構造上の奥行制限はほぼ存在しません。
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電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「Fractal Design Define 7 XL」のPCケースボトムには標準で2基のシャドウベイが搭載されていますが、標準ポジションの場合、奥行方向に約220mmのスペースがあります。電源ケーブルの配線スペースを考えると標準ポジションの場合は奥行180mm以下の電源ユニットでないと難しそうです。
なおシャドウベイとフロントシャーシの間にはファン&ラジエーター用に80mm程度のスペースがあるのでフロントにシャドウベイを詰めればスペースをさらに確保できます。ネジ穴の都合で確保できる追加スペースは50mm程度ですが、270mmのスペースがあれば200~220mmの大型電源ユニットにも対応できます。
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検証機材として「Seasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TR(レビュー)」を設置してみると、同製品はATX電源ユニットとして標準的な奥行170mmですが、シャドウベイとの間隔はケーブルを配線できるギリギリのスペースとなっています。ただFractal Design Define 7 XLは電源ユニットのスロットイン構造を採用しているので、一時的に電源ユニットを引き抜くことで電源ケーブルの挿抜に対応できます。
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またPCケースボトムには最大280サイズのラジエーターが設置可能ですが、実際のネジ穴スリットは奥行180mmの電源ユニット手前まで伸びています。設置するラジエーターサイズに応じて電源ユニットおよびケーブルスペースが制限されるので注意が必要です。
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電源ユニットがケースボトムから吸気を行うというのが「Fractal Design Define 7 XL」における一般的な構成なので、PCケースボトムには電源ユニットとファンマウントが共有する形で、簡単に着脱可能なナイロンメッシュのスライド式大型防塵ダストフィルターが付属しています。
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フィルターの下には電源ユニットの吸気口として幅が120~150mmのエアスリットが切れ目なくフロントに向かって伸びています。細かいポイントですが、Define R6では後端から160mm辺りでエアスリットが途切れていて奥行200~220mmの大型ハイエンド電源ではエアスリットが若干足りませんでしたが、Define 7 XLでは改善されています。
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下写真左側は140mm冷却ファンを搭載する奥行170mmのSeasonic PRIME Ultra 850 Titanium SSR-850TRを設置した様子ですが、PCケースボトムの吸気エアスリットと電源ユニット冷却ファンの位置がピッタリ一致しています。同じく140mm冷却ファンを搭載する奥行200mmの「ENERMAX MaxTytan 1250W」の場も、エアスリットのベストポジションに収まっています。
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Fractal Design Define 7 XLのファン・水冷ラジエーター設置スペース

続いて「Fractal Design Define 7 XL」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。

ファン・ラジエーター設置スペースの概要

Fractal Design Define 7 XLのファン・ラジエーター積載可能数について簡単にまとめると、
PCケースリアには120サイズ or 140サイズ、PCケースフロントには最大で480サイズ(120mm*4) or 420サイズ(140mm*3)、PCケースボトムには240サイズ(120mm*2) or 280サイズ(140mm*2)、PCケーストップには最大で480サイズ(120mm*4) or 420サイズ(140mm*3)のファンもしくはラジエーターを設置することが可能です。


Fractal Design Define 7 XLの製品スペック上の冷却ファンおよび水冷ラジエーターの積載可能サイズ・数量については基本的に公式マニュアルの概略図を参照するのが一番わかりやすいので、マニュアル図解を念頭に実機写真で補足をしていこうと思います。

・ファン設置可能数(5インチベイ未使用時)
Fractal Design Define 7 XL_Fan_without-5inch
・ファン設置可能数(5インチベイ使用時)
Fractal Design Define 7 XL_Fan_with-5inch
・水冷ラジエーター搭載可能数(5インチベイ未使用時/使用時)
Fractal Design Define 7 XL_radiator

・本格水冷ファン&ラジエーター搭載例(5インチベイ未使用時/使用時)
Fractal Design Define 7 XL_possible-DIY-Water
またファン・ラジエーターではありませんが、「Fractal Design Define 7 XL」はストレージの章で紹介したマルチブラケットを使用することによって、シュラウドインレーと呼ばれるPSUシュラウド上フロント寄り部分に、水冷リザーバーや水冷ポンプを設置することができます。
Fractal Design Define 7_multi-bracat_DIY-Water


付属ファンやファンコントローラーについて

「Fractal Design Define 7 XL」には定格1000RPMの140mm冷却ファン「Dynamic X2 GP-14」がフロント2基&リア1基で計3基付属します。
Dynamic X2 GP-14はPWM非対応の3PINファンですが、「Fractal Design Define 7 XL」の裏配線スペースに設置されたPWMファンコントローラー「Nexus+ PWM Fan Hub」に接続することでPWM波形電圧による5~12Vの電圧制御でファン速度をコントロールできます。
Fractal Design Define 7 XL review_06420_DxO
軸受にはMTBF(平均故障間隔)がトップクラスの100,000時間である高級LLS軸受けを使用し、さらにハブ部分にベアリングの軸圧力を軽減するカウンターバランスマグネットを採用することでベアリングの耐用性を更に強化しています。
固定用の支柱はファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードが支柱を通るときに通常発生するノイズを抑制しています。ファンブレードの付け根部分にある3つの切り込みはファンブレードが固定用の支柱を通るときに発生するノイズを拡散する事で抑制します。
Fractal Design Define 7 XL review_06421_DxO
ファンフレームはすり鉢状に面取り拡張されており吸気・排気に優れる構造です。空気力学的に基づき設計された薄板状の支柱(ワイヤ用支柱も含む)により、航空機の翼に一般的にみられるデザインを模倣し、正しい角度で簡単に空気が流れる様にする事でノイズや望ましくない乱流の発生を低減します。ファンブレードの後縁付近には航空機の翼のデザインによくみられる「トリップワイヤー技術」という構造をしており、マイクロ乱流層を発生させ全体的に効率の良い静かなエアフローを実現するそうです。
Fractal Design Define 7 XL review_06419_DxO

裏配線スペース天面付近、フレームの折り返しの隙間部分にはPCケース備え付けのPWMファンコントローラー「Nexus+ PWM Fan Hub」が設置されています。
Nexus+ PWM Fan Hubは制御用の4PINファン端子ケーブルと電力供給用のSATA電源ケーブルが伸びています。
Fractal Design Define 7 XL review_07518_DxO
PWMファンコントローラー「Nexus+ PWM Fan Hub」にはケースファン用の3PINファン端子が6基、冷却ファンや水冷ポンプ用のPWM対応4PINファン端子が3基実装されています。9個のファン端子へはSATA電源コネクタから一括して給電します。
Fractal Design Define 7 XL_Nexus+ PWM Fan Hub_connection
「Nexus+ PWM Fan Hub」に接続された9個のファン・ポンプはマザーボードのファン端子から出力されるPWM信号によって一括して制御されます。PWM速度調整に対応していない3PINケースファンについてはPWM波形電圧によって速度調整され、マザーボードからの入力PWMデューティ比に対して5V~12V(40%~100%)でファン速度をコントロールできます。
Fractal Design Define 7 XL_Nexus+ PWM Fan Hub_output


ファン・ラジエーター設置スペースを実機でチェック

上で解説した概要を念頭に、「Fractal Design Define 7 XL」のファン・ラジエーター設置スペースについて実機写真からチェックしていきます。


PCケースリアのファン・ラジエーター設置スペースについてですが、標準で140mmファンが排気構成で設置されています。ファン・ラジエーターの固定ネジ穴は縦長のスリット状になっているので、上下方向に若干のオフセット配置が可能です。120サイズや140サイズのラジエーターを採用する簡易水冷CPUクーラーや簡易水冷グラフィックボード用にも使用できます。
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PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについてですが、フロントパネル裏には標準で2基の140mmサイズ冷却ファンが吸気構成で設置されています。PCケース内への埃の混入を抑えるためツールレスで着脱可能な防塵ダストフィルターも用意されているので吸気スペースに使用するのがおすすめです。
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PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースのサイズ・数量については上で紹介したとおり、360サイズ(120mm*3) or 420サイズ(140mm*3)です。ファン・ラジエーター固定用のネジ穴は縦長スリットなのでラジエーターのネジ穴間隔に合わせて設置が可能です。
下写真ではオープンレイアウトで360サイズラジエーターを設置していますが、フルタワーPCケースだけあって360サイズでも余裕があります。5インチベイを使用しない場合はストレージレイアウト/オープンレイアウトの両方で360サイズや420サイズの大型ラジエーターに対応します。
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PSUシュラウドの天面はPCケースフロントまで伸びていますが、フロント側の天面は2枚のシュラウドインレーを着脱可能な構造になっています。シュラウドインレーは前方80mmと後方110mmの2枚組になっており、一般的なファン&ラジエーターの60mm厚程度であれば前方のシュラウドインレーを外すだけでも対応できます。後方のシュラウドインレー上にはマルチブラケットを固定するためのネジ穴があるので、水冷ポンプ/リザーバーやストレージのマウントスペースとしても利用できます。
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シュラウドインレーを全て取り外すとPSUシュラウドとフロントブラケットの間には最大190mm程度のスペースが確保されています。25mmファンのプッシュプルに60mmの極厚ラジエーターを組み合わせでも余裕がありますし、30mm厚の標準的なラジエーターであればチューブタワー型リザーバー&ポンプも一緒にフロントへ配置するのに十分なスペースです。
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またストレージレイアウトについてはストレージプレート裏にストレージトレイを使用していても、シャーシとストレージプレートの間には80mm程度のスペースがあるので、フロントに30mm厚程度のラジエーターと25mm厚ファンを設置でき、一般的な水冷ファン&ラジエーターのフロント設置に対応します。
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PCケースボトムのファン・ラジエーター設置スペースの設置可能なサイズ・数量については上で紹介したとおり、最大で240サイズ(120mm*2) or 280サイズ(140mm*2)です。電源ユニットと共有でPCケースボトムには大型の防塵ダストフィルターも設置されているのでボトム吸気構成でもPCケースへの埃の混入を抑制できます。
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ボトムスペースには240サイズや280サイズのラジエーターが設置でき、フロントに設置する水冷ラジエーターとの干渉も気にする必要がありますが、特に電源ユニットとの干渉を注意する必要があります。
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下は奥行170mmの電源ユニットを使用した例ですが、280mmサイズラジエーターの場合はラジエーターを限界までフロントに寄せても電源ユニットのスペースは奥行210mm程度に制限されます。
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PCケーストップのファン・ラジエーター搭載スペースについてはPCケースのシャーシから着脱が可能な専用ブラケットを使用する構造になっています。ファン・ラジエーター設置可能なサイズ・数量については上で紹介したとおり、最大で360サイズ(120mm*3) or 420サイズ(140mm*3)です。PCケース天面のファン・ラジエーターマウントブラケットは着脱が可能です。
Fractal Design Define 7 XL review_07348_DxO

オープンレイアウトについては製品スペック通りなので特筆すべき点はないのですが、ストレージレイアウトにおけるPCケーストップのファン・ラジエーター設置スペースには重要な注意点があります。
「Fractal Design Define 7 XL」ではPCケース天面へのファン・ラジエーターの設置に着脱可能なマウントブラケットを使用します。マウントブラケットには左右にそれぞれ2列のネジ穴スリットがあり、120mm幅のファン・ラジエーターは右寄り(マザーボード寄り)と左寄り(サイドパネル寄り)の2つのオプションがあります。なおストレージレイアウト時は360サイズのみ右寄りのみに制限されます。140mm幅は左右端のネジ穴スリットを使用します。
Fractal Design Define 7 XL review_07525_DxO
このマウントブラケットについて注意点として、ブラケット自体の折り返しや、ボールキャッチのジョイントパーツが干渉するため、120mm幅や140mm幅を大きく超えるグリルが搭載されたラジエーターは設置できません。当サイトで推奨しているAlphacool NexXxoS Full Copperシリーズは120mm/140mm幅ピッタリサイズなので大丈夫でした。DIY水冷向けラジエーターではグリルを搭載していて、120mm/140mmより幅が広い製品も少なくないので注意してください。
Fractal Design Define 7 XL review_07520_DxO-horz
標準モデルのDefine 7ではストレージレイアウトにおいて280mmサイズのラジエーターはストレージプレートに干渉してしまい使用できませんが、「Fractal Design Define 7 XL」は280サイズラジエーターをPCケース天面に設置できます。
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ただし420サイズのラジエーターについては、公式スペックやマニュアルには記載されていませんが、実際はストレージプレートと干渉するため設置できません。オレンジで囲った部分でラジエーターとストレージプレートが干渉します。ストレージレイアウトでは420サイズのラジエーター採用簡易水冷CPUクーラーを使用できないので特に注意してください。
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続いてPCケーストップで対応が明記されている360サイズラジエーターについて、今回は検証機材として360サイズ簡易水冷CPUクーラー「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」を使用して具体的にチェックしていきます。
「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」をレビュー
ENERMAX LIQTECH TR4 II 360

まず最初にPCケーストップからファン・ラジエーターマウントブラケットを取り外し、簡易水冷CPUクーラーのラジエーターをブラケットにネジで固定します。
Fractal Design Define 7 XL review_07529_DxO-horz
360サイズラジエーターについてはブラケット上に2列配置されたネジ穴スリットのうちマザーボード寄りの2列を使用すれば、ストレージレイアウトにおいてストレージプレートとの干渉を回避できます。今回は360サイズラジエーターを少し前よりに配置したのでスペースが小さくなっていますが、360サイズラジエーターと5インチベイは併用可能です。5インチベイを使用しない場合は480サイズラジエーターにも対応します。
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標準モデルのDefine 7ではPCケーストップにマザーボード寄りのネジ穴スリットを使うレイアウトでファン&ラジエーターを設置すると、一般的に最も薄くなる55mm厚前後でもマザーボード最上部のVRM電源クーラー等にファン&ラジエーターが被さってしまいましたが、「Fractal Design Define 7 XL」の場合は十分な余裕があるので、基本的に干渉を気にする必要はありません。
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「Fractal Design Define 7 XL」ではファンマウントブラケットとマザーボード上端の間隔は80mm程度あります。ファンとラジエーターで合計して80mm以内に収まるのであれば、マザーボード上部やメモリとの干渉を心配する必要はありません。なおメモリに被さる場合、使用可能なメモリは全高36mm以下に制限されます。
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最後に付け加えると、ストレージプレート裏のストレージ設置についてはトップやフロントに設置したファン&ラジエーターの厚みが一般的な55~60mm厚での場合、1段目はファン&ラジエーターが直接干渉します。また水冷チューブが通るので、上から2/3/4段目のスペースにストレージトレイを設置できない可能性があります。
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以上のようにいくつか注意点はあるものの、ストレージ積載数を重視する「Fractal Design Define 7 XL」のストレージレイアウトであっても、360サイズラジエーターを採用するハイエンド簡易水冷CPUクーラーをPCケース天面に設置できました。
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Fractal Design Define 7 XLの自作PCギャラリー

記事冒頭で紹介した自作PCパーツを組み込んで「Fractal Design Define 7 XL」を使用した自作PCを組んでみたのでその作成例のギャラリーとなります。
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Fractal Design Define 7 XLのレビューまとめ

最後に「Fractal Design Define 7 XL Black Solid」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • シンプルでスタイリッシュ、フルフラットの”エレガントなスカンジナビアデザイン”
  • 防音性の高いソリッドパネルと内部を一望できる強化ガラスパネルの2モデルがラインナップ
  • ボールキャッチによってサイドパネルは容易に着脱可能
  • ATX+30mm幅のE-ATXでケーブルホールが塞がらない、SSI-EEBにも対応
  • PWM制御に対応したファンコントローラーハブ「Nexus+ PWM Fan Hub」を標準搭載
  • マザーボード側からのケーブルを隠すストレージプレートやPSUシュラウド採用
  • ストレージ重視と水冷用オープンの2種類のレイアウトの切り替えに対応
  • 天面は静音性重視のソリッドパネルと通気性重視のエアスリットパネルを選択できる
  • 専用アダプタを使用したスロットイン型の電源ユニット設置構造を採用
  • 標準でも2.5インチ2基、3.5インチ8基で計10基のストレージを設置可能
  • 最大で2.5インチ5基、3.5インチ18基で計23基のストレージを設置可能
  • トップ/フロント/ボトムはマルチファン大型水冷ラジエーターに対応
  • トップ/フロント/ボトムには着脱の容易な防塵ダストフィルター搭載
悪いところor注意点
  • オープンレイアウト時にストレージプレート上のパネルの着脱(マルチブラケットも)が面倒
  • HDDトレイは6個しか付属しない(シャドウベイの4個と共有)
  • 120/140mmにちょうどの幅でないとラジエーターを天面ブラケットに固定できない可能性あり
  • ストレージプレート裏のストレージトレイは4点止めにして欲しかった

「Fractal Design Define 7 XL」は標準モデルDefine 7と同様にビルドスタイルの自由度が魅力で、基本設計はそのままにスケールアップされたフルタワーPCケースです。「Fractal Design Define 7 XL」の最も特徴的な構造は、静音性重視のソリッドパネルと通気性重視のエアスリットパネルの2種類の天面パネル交換と、モジュラー式ストレージプレートによるストレージレイアウトとオープンレイアウトの切り替えの2つで、これらを軸にして変幻自在なビルドスタイルを可能にします。
「Fractal Design Define 7 XL」は組み出したらあれもこれもと試したくなる中毒性の高い変幻自在な万能型PCケースであり、さらにはミドルタワーの内部スペースに制限されず、自分の考える最強の自作PCを実現できます。

近年発売されるフルタワーPCケースというとDIY水冷による”魅せるMOD PC”を前提にしたものが多く、内部スペースの広さに対してストレージ積載能力はミドルタワーPCと大差ないケースも少なくありませんが、「Fractal Design Define 7 XL」はオープンレイアウトでそういったトレンドに対応しつつ、クラシカルなストレージレイアウトにおいて20台を超える大量のストレージを搭載可能であり、さらにSSI-EEBのようなサーバー・ワークステーション向けマザーボードにも対応します。
PCケースは自作PCパーツの中では息の長い製品とはいえ、単純な流行り廃りではなく、電源ユニットのスロットイン構造、USB3.1 Gen2対応フロントUSB端子など最新の快適なメンテナンス性やインターフェースといった生産性を高める進化も確かにあります。
最新の設計も取り込んだ正統派なフルタワーPCケース「Fractal Design Define 7 XL」は旧世代のフルタワーPCケースから乗り換えを検討しているプロフェッショナルクリエイターに特にオススメしたい1台です。

以上、「Fractal Design Define 7 XL」のレビューでした。
Fractal Design Define 7 XL


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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