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GeForce RTX 3070グラフィックボードとしてASUSからリリースされた、3スロット占有3連ファンGPUクーラーを搭載しファクトリーOCも施されたスタンダードゲーミングモデル「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」をレビューしていきます。
NVIDIA Ampere世代のミドルハイクラスGeForce RTX 3070が、前世代同クラスのRTX 2070 SUPERや最上位モデルRTX 2080 Tiをどの程度上回るのか、実ゲームベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。
製品公式ページ:https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/TUF-RTX3070-O8G-GAMING/
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING レビュー目次
1.ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの外観
2.ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの検証機材・GPU概要
3.ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGのゲーム性能
・レイトレーシング&DLSSの性能を検証
4.ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの温度・消費電力・ファンノイズ
5.ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGのレビューまとめ
【機材協力:ASUS Japan】
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの外観
早速、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止ビニール袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のグラフィックボード本体を見ていきます。
TUF GAMINGというとASUS製マザーボードブランドではエントリーゲーマー向けという位置づけですが、RTX 30シリーズではミドルクラス以上のブランドと見ても全く違和感のない、赤みがかったグレー色塗装が施されたアルミニウム製の金属外装が採用されています。
金属外装にはスチールパネルのようなマット面、ヘアライン面、パターン面の3種類の表面処理が組み合わさっており、遠目にはシンプルに見えて、よくよく見ると遊びを感じるデザインです。
GPUクーラー側面右端のTUF GAMINGロゴプレート部分にはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」の全長は299mmとなっておりRTX 3070グラフィックボードでは標準的な大きさです。近年主流なオープンスペースタイプのPCケースなら干渉の心配はありませんが、PCケースフロントにストレージベイがある少し古めのPCケースではグラフィックボード設置スペースのクリアランスに注意が必要です。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」は全長の長さに加えて、基板とGPUクーラーがPCIEブラケットから25mm程度はみ出す背の高いサイズになっており、PCIE補助電源ケーブル・コネクタとPCケースサイドパネルの干渉には注意が必要です。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」の3連ファンGPUクーラーには90mm径の冷却ファンが3基設置されています。3基のファンは「左&中央」と「右」の2つに分けて、専用アプリケーションで個別に速度制御が可能です。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」はGPUクーラー冷却ファンに、ファンブレードとそれを覆うバリヤーリングで構成された「Axial-tech Fan」が3機搭載されているところも特徴です。Axial-tech Fanはバリヤーリングによって補強され強度が増したことによって、従来のWing-Blade Fanと比較して同じノイズレベルで高速回転が可能になり、高静圧・大風量を生み出します。
前世代ではROG STRIXなど一部上位モデルにのみ搭載されていたファンですが、乱流を低減するセンターファン逆回転構造、高耐久性なダブルボールベアリングによる長寿命設計を採用するなど、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」には、前世代最上位ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMINGと同等以上のファン構造が採用されています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」は、大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、PCIEスロットを3スロット占有します。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のGPUクーラーヒートシンクでは、銅製ベースプレート(ヒートスプレッダ)の表面の平滑性をミクロレベルで向上させ、従来比で約10倍も滑らかにする製造プロセス「MaxContact」技術が採用することで銅製ベースプレートとGPUダイとの接触面積を従来比で2倍以上としています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」は、VRM電源回路をGPUコアと同様にGPUクーラーヒートシンク本体で冷やすという、理想的な構造が採用されています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」の補助電源数はRTX 3070としては一般的なPCIE 8PIN×2となっています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のPCIE端子と各種ビデオ出力には黒色の保護カバーが装着されています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のビデオ出力はHDMI2.1×2、DisplayPort1.4×3の5基が実装されており、この中から最大で4系統まで同時に出力が可能です。PCIEブラケットに頑丈かつ汚れに強いステンレススチールが採用されているところも地味に注目ポイントです。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」にはヘアライン仕上げにオリジナルイラストのプリントされたアルミニウム製バックプレートが装着されています。基板の反りや破損を防止する保護プレートとしての役割を果たしますが、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」ではサーマルパッド等を介してグラフィックボード基板とは接していないのでVRAMチップやVRM電源回路の放熱板としては機能しません。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のバックプレート右端には大きくエアベントが設けられており、ファンからヒートシンクを通って背面に直接風が抜けるフロースルー構造が採用されています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」には、パフォーマンス重視の「Performance MODE」と静音性重視の「Quiet MODE」の2種類の動作に対応したデュアルBIOSを搭載しており、VBIOSを物理的に切り替えるためのBIOSスイッチが実装されています。
ただし上位モデルと異なり、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」ではBIOSスイッチでBIOSが切り替わるものの動作設定はファン制御も含めて共通でした。
なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 3070 GamingProが1024g、ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMINGが1379gに対して、ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGは1109gでした。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量は1kgを軽く超過しているのでPCIEスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの検証機材・GPU概要
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1(温度・消費電力) |
ベンチ機2(ゲーム性能) |
|
OS | Windows10 Home 64bit (1909) |
|
CPU |
Intel Core i9 9900K (レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz |
Intel Core i9 10900K (レビュー) Core/Cache:5.2/4.7GHz |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS XII EXTREME (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, 17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Ripjaws V F4-4000C15Q-32GVK DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 4000MHz, 15-16-16-36-CR2 |
システム ストレージ |
Samsung 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データ ストレージ |
Samsung 860 QVO 4TB (レビュー) | |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
|
電源 ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
|
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のGPUクーラー側面のTUF GAMINGロゴにはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGのGPU概要
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGに搭載されているGPU「GeForce RTX 3070」のスペックについて簡単に確認しておきます。「GeForce RTX 3070」はGA104-300コアが使用されておりCUDAコア数は5888、GPUコアクロックはベース1500MHz、ブースト1725MHzです。VRAMには14.0GbpsのGDDR6メモリを8GB容量搭載しています。
典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは220Wに設定されており、PCIE補助電源として各社AIBモデルの多くは8PIN+6PINや8PIN×2を要求しています。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」については、リファレンス仕様のブーストクロック1725MHzに対して、ブーストクロック1815MHzにファクトリーOCが施されており、パワーリミット(TGP)もリファレンス仕様の220Wから240Wへと引き上げられています。電力制限は+13%で最大270Wまで解除が可能です。
NVIDIA GeForce RTX 3090/3080/3070 詳細スペック比較 | ||||
GPU名 | RTX 3090 |
RTX 3080 | RTX 3070 |
RTX 2080 Ti |
GPUダイ | GA102-300 | GA102-200 | GA104-300 | TU102-300 |
製造プロセス | Samsung 8nm |
Samsung 8nm | Samsung 8nm | 12nm FinFET |
CUDAコア数 | 10496 | 8704 | 5888 | 4352 |
TMU/ROP | -/- | -/- | -/- | 272/88 |
ベースクロック | 1395MHz | 1440MHz | 1500MHz | 1350MHz |
ブーストクロック (FE) |
1695MHz | 1710MHz | 1725MHz | 1545MHz (1635MHz) |
メモリ | 24GB GDDR6X | 10GB GDDR6X | 8GB GDDR6 | 11GB GDDR6 |
バス幅 | 384-bit | 320-bit | 256-bit | 352-bit |
メモリクロック | 4875 MHz | 4750 MHz | 4000 MHz | 3500 MHz |
有効メモリクロック | 19500 MHz | 19000 MHz | 14000 MHz | 14000 MHz |
メモリ帯域 | 936 GB/s | 760 GB/s | 448 GB/s | 616 GB/s |
PCIEレーン | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE4.0x16 | PCIE3.0x16 |
マルチGPU |
NVLink SLI | - | - | NVLink SLI |
TGP(TDP) | 350W |
320W | 220W | 250W (FE:260W) |
補助電源 |
8PIN×2~ | 8PIN×2~ | 8PIN+6PIN~ | 8PIN×2~ |
対応ビデオ出力 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.1 |
DP1.4 HDMI2.0 USB Type-C |
登場時期 |
20年9月24日 |
20年9月17日 | 20年10月29日 | 18年9月 |
価格 | 1499ドル~ | 699ドル~ | 499ドル~ | 999ドル~ FE:1199ドル |
今回レビューするGeForce RTX 3070をはじめとして、GeForce RTX 30シリーズに採用されるAmpereアーキテクチャにおいて、前世代Turingと比較してスペック上のCUDAコア数が2倍に激増していることについて簡単に説明しておきます。
まず純粋に事実として、複数のCUDAコアからなるCUDAコア群のストリーミングマルチプロセッサ(Streaming Multiprocessors:SMs)の『FP32スループットがTuring世代と比較してAmpereでは2倍に向上』しています。これは間違いありません。
一度、前世代Turingを振り返ると、TuringアーキテクチャではFP32とINT32を同時に実行できる(データパスが独立に用意されている)ことがアーキテクチャとしての新しい特徴でした。Turingでは1基のSMにFP32とINTが1:1割合で実装されていました。
Turingがこのようなアーキテクチャを採用したのは、PCゲームではFP32だけでなくINT32も実行されるから、というのが理由でしたが、同時に公表されていた統計を思い出すと、ゲームによって多少変動はあるもののFP32に対してINT32はせいぜい2:1の割合でした。
であればAmpereでは2つのデータパスのうち、INT32用のデータパス上にINT32の実行ユニットだけでなくFP32の実行ユニットも乗せれば、FP32とINT32の割合が現実に即した理想的な比率になり、省スペースに実装もできるというのは理にかなった話だと思いました。(下はSMの1/4を抜粋)
従来では『CUDAコア数 = FP32実行ユニットの数』とカウントしていたので、同じく単純にFP32実行ユニットの数をカウントするとAmpereアーキテクチャのGeForce RTX 30シリーズでは、CUDAコア数が2倍に爆増します。確かに1クロックで同時に実行できるFP32の最大数は2倍になったのですが、即ちCUDAコア数が2倍になったとカウントするのかというとやや疑問も残ります。
GTX700からRTX2000まで4世代ほどは、『CUDAコア数の増加による比例』×『コアクロックの上昇やアーキテクチャ改良による性能向上』が次世代GPUの性能指標だったので、GTX10からRTX20でCUDAコア数が2倍であれば実際の性能は2倍以上ですが、RTX20からRTX30ではCUDAコア数が2倍になっても実際の性能は2倍以下なのでどうしても違和感が残ります。
ともあれPCゲームを含め実際のアプリケーションではINT32も使用されるので、実性能を見るとGeForce RTX 30シリーズはCUDAコア数に比例して単純に2倍の性能にはならず、INT32/FP32混合データパスの使用状態に応じて、性能の伸び幅(Performance gains)が変動します。
ただFP32など一般的なシェーダーだけでなく、レイトレーシング用コアやテンサーコアも新世代へアップグレードされているので、レイトレーシング表現やDLSSに対応したPCゲームであればRTX20に対して2倍に迫る性能も発揮できるようです。
またGeForce RTX 30シリーズの諸機能について、前世代RTX 20シリーズとの大きな違いとして、8K/60FPS映像を取り扱えるHDMI2.1に対応し、それに伴ってハードウェアデコーダのNVDecが第5世代にアップデートしています。第5世代NVDecでは、8Kなど超高解像度映像に使用されるAV1コーデックのデコードに対応しています。
ゲーム実況などリアルタイム配信・録画において好評を博したNVEncについてはRTX 20シリーズと同じく第7世代が採用されています。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGのゲーム性能
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」、「GeForce RTX 2080 SUPER Founders Edition」、「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」、「Radeon RX 5700 XT」を使用しています。「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 3070 ASUS TUF OC |
34311 | 16950 | 8655 |
RTX 2080 Ti FE |
34955 | 16797 | 8179 |
RTX 2080 SUPER FE |
29145 | 13866 | 6800 |
RTX 2070 SUPER FE |
26161 | 12475 | 6097 |
RX 5700 XT | 27300 | 12947 | 6553 |
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」、およびレイトレーシング対応ベンチマーク「Port Royal」による性能比較となります。
TimeSpy | Extreme | Port Royal |
|
RTX 3070 ASUS TUF OC |
13935 | 6901 | 8304 |
RTX 2080 Ti FE |
14309 | 6813 | 8839 |
RTX 2080 SUPER FE |
11696 | 5412 | 7032 |
RTX 2070 SUPER FE | 10232 | 4788 | 6095 |
RX 5700 XT | 9362 | 4189 | - |
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードについて、近年普及しつつあるHTC VIVE Cosmos、Oculus Quest 2/Rift S、Valve IndexなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 3070 ASUS TUF OC |
16280 | 12918 | 4117 |
RTX 2080 Ti FE |
15938 | 12955 | 4553 |
RTX 2080 SUPER FE |
15532 | 11080 | 3755 |
RTX 2070 SUPER FE | 15010 | 9861 | 3316 |
RX 5700 XT |
13796 | 9289 | 2546 |
続いて2020年最新のPCゲームを実際に用いたベンチマークになります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD(1920×1080)とWQHD(2560×1440)と4K(3840×2160)の3種類の解像度で平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Anthem(ウルトラ設定プリセット)、Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)、Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)、CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)、DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)、The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット, NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)、Gears 5(最高設定プリセット)、Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)、Horizon Zero Dawn(最高画質設定プリセット)、Marvel's Avengers(最高設定プリセット, TAA)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)以上の15タイトルです。
Anthem(ウルトラ設定プリセット)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Assassin's Creed Odyssey(最高設定プリセット)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, AMD製GPUはDirectX11)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division 2(ウルトラ設定プリセット, DirectX11)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorksはVXAOを除き有効)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears 5(最高設定プリセット)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Breakpoint(ウルトラ設定プリセット)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Horizon Zero Dawn(最高設定プリセット)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Marvel's Avengers(最高画質設定プリセット, TAA)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット, DirectX12)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット, TAA, DirectX12)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGなど5種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGは、前世代同クラスのアップデートモデルであるGeForce RTX 2070 SUPERよりも30%以上高い性能を発揮し、前世代最上位モデルであるGeForce RTX 2080 Tiと比較しても同等の性能を実現しています。
ちょうど2年前に発売された無印版GeForce RTX 2070と比較すると平均で40%、ベストケースでは50%以上の性能向上を果たしており、同ナンバリングの性能の伸び幅としては類を見ない、まさに”飛躍”という表現がピッタリな性能向上です。
RTX 2080 Tiとの比較に関していくつか補足しておくと、リファレンス仕様のRTX 3070の場合、GeForce RTX 2080 Tiにはパワーリミット+10WなファクトリーOCが施されたFounders Editionなので僅かに劣る傾向がありますが、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のようにファクトリーOCモデル同士で比較すれば、フルHDやWQHDであればRTX 3070が僅かながら上回る可能性が高いです。
一方で4K解像度についてはVRAMの使用量次第です。今回の検証タイトルでもFinal Fantasy XVやMiddle-Earth: Shadow of Warは最高画質設定において影関連でVRAMを非常に大きく使うので差が開いてしまいます。画質設定を多少下げてVRAM使用量が8GBを十分下回る条件であれば、4K解像度でもRTX 3070はRTX 2080 Tiと同等の性能を発揮できます。
レイトレーシング&DLSSの性能を検証
上では一般的なPCゲーミングシーンにおける「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」の性能を比較検証してきましたが、ここからはGeForce RTX 30シリーズの大きな特徴である、前世代GeForce RTX 20シリーズよりも改良された、レイトレーシング表現やDLSSの性能をチェックしていきます。なおレイトレーシング表現の性能やDLSSの性能についてはGeForce RTX 3070リファレンス仕様の性能検証の結果を引用する形で紹介していきます。
最初に、レイトレーシング表現やDLSSについて簡単に紹介しておきます。
まず、レイトレーシング(Raytracing)表現では、照明や光源(エリアライト)や太陽光(グローバルイルミネーション)の影響を厳密に再現し、光の反射や透過も現実に即して忠実に描写されます。
レイトレーシングを採用したわかりやすい例としては鏡に映る反射など、視覚(視点から見た)の外にある物体もリアルに描画することができます。小さい光源や太陽光などが生み出す影が現実に対して忠実に再現されるので、画面の中に引き込まれるような奥行き、陰影を感じる映像が生まれます。
なお高画質機能「Raytracing(レイトレーシング)」はMicrosoftが提供するAPI「DirectX 12」に内包される「DirectX Raytracing」(DXR)を使用したレンダリング機能となっており、後述のDLSSと違ってNVIDIA独自技術というわけではなく、AMD製グラフィックボード、PS5やXbox Series S/Xといったコンソールゲーム機にも互換性のある機能です。
次に、「NVIDIA DLSS」は”Deep Learning Super Sampling”の頭文字を取った略称となっており、その名の通り、近年流行りのディープラーニングによって高画質化(超解像化)する機能で、AIレンダリングの名前でもアピールされています。
DLSSが具体的にどのように動作するか簡単に説明すると、フルHD~WQHDのリアルタイムレンダリングソースから4K映像を生み出すDLSSの原型があります。このDLSSの原型が作り出した4K映像を、16Kなど現実的にはリアルタイムでのレンダリングが難しい超々高解像度のレンダリング結果と比較し、DLSSの原型の改良版1をNVIDIAの専用サーバーが作ります。
DLSSの原型の改良版1で再び4K映像を生み出し、16Kレンダリング結果と比較して、DLSSの原型の改良版2を生み出す……、というプロセスを何万回も繰り返すことで、ユーザーに提供される汎用の、もしくは個別ゲームタイトルに特化した専用のDLSSプロファイルが出来上がります。
GeForce RTX 30シリーズの登場と共にアップデートされたDLSS2.0では最終出力解像度に対して3種類のオリジナルレンダー解像度が選択でき、4K解像度の場合は、Quality(2560×1440)、Balanced(2240×1260)、Performance(1920×1080)の3種類から選択できます。
オリジナルのレンダー解像度がフルHD~WQHDなので、DLSSによる超解像(SuperSampling)プロセスを挟むとはいえ、ネイティブに4K解像度をレンダリングするよりもフレームレートは大幅に向上します。
現在のDLSSでは16Kレンダリング結果を目標に学習が繰り返されているので、高画質アンチエイリアス技術として一般的なTAAと比較してフレームレートが大幅に向上するだけでなく、画質も改善するという一挙両得な高画質化機能になっています。
以上のレイトレーシング表現やDLSSに対して、GeForce RTX 30シリーズでは通常のレンダリングに使用するCUDAコアとは別に専用コアを搭載しており、アップグレードされた第2世代レイトレーシングコアと第3世代テンサーコアによって、専用コアを搭載しない旧式GPUはもちろん、従来のGeForce RTX 20シリーズと比較してもさらに高い性能を発揮することが可能になっています。
前置きが長くなりましたが、本題のレイトレーシング表現やDLSSの性能をチェックしていきます。
まずはGeForce RTX 2080 Ti、GeForce RTX 2080 SUPER、GeForce RTX 2070 SUPERを比較対象にして、GeForce RTX 3070のレイトレーシング性能をチェックします。
解像度は4K(3840×2160)とし、検証するゲームはBattlefield V (最高設定プリセット、RTX:ON)、Control(高設定プリセット、RTX:High)、Metro Exodus(エクストリーム設定プリセット、RTX:Ultra)、Shadow of the Tomb Raider(最高設定プリセット、RTX:Max)の4種類です。
上で検証した一般的なゲーミングシーンにおけるRTX 2070 SUPERに対するRTX 3070のパフォーマンスゲインは30%程度でしたが、レイトレーシング表現を有効にすると改良されたレイトレーシングコアのおかげもあって平均で50%程度、ベストケースでは60%に引き上がります。
一方で、レイトレーシング表現に使用される専用コアRT CoreはRTX 3070では第2世代にアップグレードされているので、通常のPCゲーミングで同等の性能を発揮するRTX 2080 Tiと比較した場合、レイトレーシング表現有効下では10%程度上回るのでは?と期待していたのですが良い結果は得られませんでした。
なおControlについてはRTX 3070とRTX 2070 SUPERではテクスチャが正常に貼られない現象が発生しており(RTX 2080 Tiは正常)、4K解像度においてはDLSS併用が必須というのが実状です。
続いて上で検証したレイトレーシング対応の4タイトルについて、レイトレーシング表現とDLSS(2.0)を併用した時の性能をチェックします。
解像度は4K(3840×2160)とし、当然ですがDLSS以外のグラフィック設定(DLSS有効で排他になるものを除く)は上の検証と共通です。
DLSSの設定はDLSS2.0に対応していてQuality、Balanced、Performanceの3つのプリセットを選択できる場合、4K出力時のオリジナルのレンダー解像度が2560×1440になるQuality設定を選択しています。
レイトレーシングコアとテンサーコアが改良されたGeForce RTX 3070でもDLSSを併用したレイトレーシング表現で最高画質設定のまま4K解像度/60FPSをキープするのは流石に難しいですが、最高画質設定で50FPS程度は出ているので画質設定を多少下げれば60FPSも狙えそうです。
ちなみにRTX 3070は解像度をWQHDに下げるとネイティブでもレイトレーシング表現で60FPSに近いパフォーマンスを発揮できます。
DLSSを併用すればレイトレーシング表現を有効にしてもGeForce RTX 3070は80FPS程度をキープすることが可能です。(BFVはWQHD解像度でのDLSSに非対応)
さらにレイトレーシング表現には非対応なゲームについても、DLSSを使用することでどれくらい性能を向上させることができるのかチェックしてみます。
解像度は4K(3840×2160)とし、検証するゲームは、Anthem、DEATH STRANDING、Final Fantasy XV、Marvel's Avengers、MONSTER HUNTER: WORLDの5種類です。DLSS以外のグラフィック設定は上の検証と共通です。
DLSSの設定はDLSS2.0に対応していてQuality、Balanced、Performanceの3つのプリセットを選択できる場合、4K出力時のオリジナルのレンダー解像度が2560×1440になるQuality設定を選択しています。
RTX 3070ではテンサーコアも第3世代にアップグレードされているので、ネイティブレンダー解像度がWQHD以下に下がり、テンサーコアによる超解像処理が加わる4K DLSSならRTX 2080 Ti越えになるのでは?と思ったのですが、こちらの結果もやはり芳しくはありません。むしろDLSSを使用することで相対的な差が広がる傾向が読み取れます。
レイトレーシング表現の対応・非対応を含めた9タイトルについて、DLSSによるGeForce RTX 3070の性能向上比率をまとめると次のグラフのようになります。
Battlefield VやControlのように最適化が優れたタイトルでは60~80%というマルチGPUクラスの性能向上が期待できます。その他のタイトルについても平均的に30~40%前後の性能向上が期待できるので、同世代で1~2ランク上のGPUと同等の性能を発揮します。性能向上に加えてTAAなど一般的なアンチエイリアスよりも高画質になるので、DLSSの普及と最適化には期待したいところです。
テンサーコアによる超解像技術DLSSについては上のようにGPUクラスやコストを超越した性能向上が得られるので今後に期待する機能なのですが、ネガティブな面を挙げておくと、DLSS有効時とDLSS無効時について、RTX 3070とRTX 2070 SUPERで比較した性能向上比率を見ての通り、オリジナルのレンダー解像度がフルHDやWQHDに下がるのでGPU別のゲインは下がる傾向があります。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの温度・消費電力・ファンノイズ
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGのテスト終盤におけるGPU温度は最大60度と非常に低く、ファン回転数も最大1400RPM程度と良好な数値です。上位モデルRTX 3080/3090のTUF GAMING同様に「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」も劇的に冷える、と評価して何ら問題のない抜群の冷え具合です。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」にはBIOS切り替えスイッチが搭載されているので一応動作確認をしてみましたが、外観の章で解説した通りバージョンこそ異なるもののGPU動作はファン制御含めて共通です。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度50度前後が始動閾値、GPU温度40度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を上下した瞬間にピタッと切り替わります。
GPUコアクロックについては「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」の仕様値ではブーストクロック1815MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1931MHzでした。
また実用条件に近い冷却性能の検証として、実際にPCケースへ「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を組み込み、Time Spy Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせてGPU温度やファン回転数がどうなるかを確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しています。CPUクーラーは120サイズ簡易水冷でラジエーターを天面前方に設置、またPCケースのフロントに吸気ファンとして2基とリアに排気ファンとして1基の140mm角ケースファンをそれぞれ設置し、ファン回転数は1000RPMに固定しています。
PCケースに入れた状態で長時間負荷をかけても「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のGPUの最大温度は62度以下に収まりました。一方でファン回転数は1700RPM程度に達し、ベンチ板上での測定よりも300RPM程度ですが上昇しています。
ファン回転数は比較的高くなっているのですが、Axial-tech Fanやヒートシンクの放熱フィン形状が上手く調整されているためファンノイズを煩く感じません。またこれくらいGPU温度が低ければ、ファン速度ももっと下げても問題ないので、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」の冷却性能や静音性が実用上問題になることはないと断言していいと思います。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のGPUクーラーは内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるので、フロントx2/リアx1で140mmファンを設置して1000RPMで回していますが、さすがに200Wを超えるTGPなので、ベンチ板での比較的に理想な環境のままとはいきませんでした。実際にPCケースへ組み込むユーザーはPCケースの吸排気にも注意してみてください。
加えて1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」はホットスポットでも70度以下に収まっているので特に心配する必要はありません。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGのファンノイズはベンチ板上で1400RPMという低めなファン回転数の通りノイズレベルは32dB以下で、抜群の静音性を発揮しています。
またPCケース内に入れた時のファン速度1700RPMをベンチ台上で測定するとノイズレベルは33dB程度でした。「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」に採用されているAxial-tech Fanはノイズレベルだけでなく体感的にもファンノイズを煩く感じにくい特長があり、ノイズレベルの通りPCケースに入れてしまえばまず煩く感じることのない程度のファンノイズです。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGの消費電力は244W、最大瞬間負荷は338Wでした。ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMINGのTGP(パワーターゲット)は240Wに設定されており、概ね仕様値通りの消費電力になっていると思います。
ファクトリーOCによって電力制限が引き上げられていますが、それでもRTX 2080 Tiは下回る消費電力です。一方で前世代上位モデルRTX 2080 SUPERを上回る消費電力が発生しているのは事実で、それを60度前半のGPU温度に冷やしきる「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のGPUクーラーの性能の高さをここでも再認識させられます。
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」はファクトリーOCが施されTGP(パワーリミット)が引き上げられたモデルですが、RTX 3070のリファレンス仕様について言及すると、グラフィック性能で30%以上も上回るRTX 2070 SUPERとはほぼ同等の消費電力、一方、同等のグラフィック性能を発揮するRTX 2080 Tiと比較して30~40W、約15%程度も低消費電力になっており、Ampereアーキテクチャの省電力性能の高さを再確認できる結果です。
TGPが300W超過するRTX 3080など上位モデルと違って、TGP220Wというのは従来のミドルハイクラスからハイエンドの中間くらい数値なので、既存環境において電源や冷却を気にせずにアップグレードできるところもRTX 3070の魅力だと思います。
ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING レビューまとめ
最後に「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- フルHD/240HzからWQHD/144Hz+、さらに4K/60FPSまで幅広いPCゲーミングにマッチ
- RTX 2070を実ゲームで40%以上も上回るグラフィック性能
- 前世代最上位モデルRTX 2080 Tiより低消費電力で同等のグラフィック性能
- RTX 2080 Tiとほぼ同性能ながら希望小売価格は半分の499ドルから
- TGP240W OCなRTX 3070を高静音性でしっかり冷せる高品質なGPUクーラー
- HDMI2.1ビデオ出力を2基搭載(+DP1.4×3から4系統まで同時出力可能)
- 全長300mm程度のフルサイズなのでPCケースとの干渉に注意
- PCIEブラケットよりも25mm背が高いのでPCケースとの干渉に注意
GeForce RTX 3070は、前世代同クラスとGeForce RTX 2070と比較して平均して40%以上、ベストケースでは50%以上の性能を発揮、さらに前世代最上位GeForce RTX 2080 Tiと比較しても15%近く低い消費電力で同等のグラフィック性能を実現しており、前世代から圧倒的な飛躍を遂げています。
次世代スタンダードなWQHD/144Hz+、4K/60FPSのラグジュアリーな超高画質、フルHD/240FPSのスーパーハイフレームレートなど幅広いPCゲーマー層にマッチし、499ドルからという手ごろな価格も相まって新定番なミドルハイクラスGPUです。
RTX 3070は2020年現在、手ごろな価格で普及しつつあるWQHD/144Hz+のIPS液晶ゲーミングモニタと組み合わせて高画質・ハイフレームレートなPCゲーミング入門に最適なグラフィックボードです。
WQHD/144HzのIPS液晶ゲーミングモニタは色々と販売されていますが、リモコン操作&USB Type-C対応でマルチメディアに最適な「BenQ EX2780Q」、ELMB Syncやスナイパーなど独自のゲーミング機能が豊富な「ASUS TUF Gaming VG27AQ」、同スペック製品の中でも特に高発色・高応答速度な「LG 27GL850-B」は当サイトでもレビューを公開していてオススメなモデルです。
・WQHD解像度/144Hz+ゲーミングモニタのレビュー記事一覧へ
その他にもバトルロイヤル系ゲームに最適な240Hzオーバーの超高速ゲーミングモニタと組み合わせてガチで勝利を狙うゲーマーにもフルHDで高FPSを稼げるRTX 3070はオススメです。
・240Hz+の超ハイリフレッシュレートなゲーミングモニタのレビュー記事一覧へ
「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」については、ファクトリーOCによって引き上げられたTGP240Wという発熱に対して、GPU温度は60度前半に収まり、なおかつ同測定環境においてノイズレベル33dB以下という抜群の冷却性能と静音性を発揮しました。RTX 3070搭載グラフィックボードの中でも特にオススメしたい1台です。
銅製ベースプレート(ヒートスプレッダ)の表面の平滑性をミクロレベルで向上させ従来比で約10倍も滑らかにする製造プロセス「MaxContact」や、ファンブレードとそれを覆うバリヤーリングで構成された「Axial-tech Fan」など、RTX2080Tiをはじめ従来ではASUS製グラフィックボードの高級ブランドROG STRIXに採用されていたASUS独自冷却構造が「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」には採用されています。
TUF GAMINGブランドは同社マザーボードでは安価・高コスパなエントリーゲーマー向けという位置付けですが、RTX30グラフィックボードにおいては、マザーボードにおけるROG STRIX、高性能なミドルレンジというポジションだと感じました。
以上、「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」のレビューでした。
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3スロット占有3連ファンGPUクーラーを搭載でやはり激冷え、ファクトリーOCも施されたスタンダードゲーミングモデル「ASUS TUF-RTX3070-O8G-GAMING」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) December 11, 2020
RTX 2070 SUPERやRTX 2080 Tiと実ゲーム性能をベンチマークで徹底比較。https://t.co/ISGk1sOHdR
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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