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GeForce RTX 4070 TiグラフィックボードとしてGAINWARDからリリースされた、4スロット占有3連ファンGPUクーラー搭載のスタンダードモデル「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix(型番:NED407T019K9-1043X)」をレビューしていきます。
RTX40シリーズのアッパーミドルRTX 4070 Tiが、前世代ハイエンドのRTX 3080やRTX 3080 Tiをどの程度上回るのか、実ゲームのベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。
代理店公式ページ:https://newx-corp.jp/product/gainward-geforce-rtx4070-Ti-phoenix-12gb-gddr6x/
製品公式ページ:https://www.gainward.com/main/vgapro.php?id=1169&lang=jp
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix レビュー目次
1.GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの外観
2.GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの分解
3.GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの検証機材・GPU概要
4.GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixのゲーム性能
・レイトレーシング&DLSS SR/FGの性能を検証
5.GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの温度・消費電力・ファンノイズ
6.GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixのレビューまとめ
【機材協力:Gainward 国内正規代理店 NewX】
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの外観
早速、「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を開封していきます。外パッケージの中には黒色段ボールの内パッケージが入っており、スポンジ蓋を外すと、スポンジスペーサー&静電防止ビニール袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
グラフィックボード本体の下にある小分けパッケージには付属品が封入されています。付属品は、PCIE5.0電源変換ケーブル(12VHPWR to PCIE 8PIN×2)、ARGB LEDケーブルです。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のGPUクーラー外装の大部分はプラスチック製ですが、複雑な形状と複数種類の表面加工、ファン外周に装着されたアルミニウム製プレートのおかげで安っぽさは感じない外観です。
GPUクーラー正面のスリット状になった部分と側面のアクリルプレートにはアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。専用アプリケーションEXPERTOOL 2を使用すればライティング制御が可能です。
グラフィックボード基板上のLEDヘッダーを付属ケーブルを使用してマザーボードなどARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDコントローラーに接続することでマザーボードなど外部コントローラーからの制御にも対応します。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」は全長329mmとなっています。近年主流なオープンスペースタイプのPCケースなら干渉の心配はありませんが、PCケースフロントにストレージベイがある少し古めのPCケースではグラフィックボード設置スペースのクリアランスに注意が必要です。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」はGPUクーラーがPCIブラケットから20mmほどはみ出しているのでPCケースとの干渉は十分に注意してください。PCケースとの干渉ではグラフィックボードの背の高さは長さに比べて見落としやすいポイントです。
なおグラフィックボード基板自体はPCIEブラケットとほぼ同じ高さなので、PCIE補助電源コネクタや電源ケーブルの干渉については心配ありません。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」3連ファンGPUクーラーには95mm径の冷却ファンが3基設置されています。ファンには高寿命を実現するダブルボールベアリングが採用されています。
3基のファンは「左&中央」と「右」の2つに分けて、専用アプリケーションのEXPERTOOL 2で個別に速度制御が可能です。
Cyclone Fanと呼ばれる冷却ファンは、一般的なGPUクーラーのファンよりも厚みが大きく高静圧で、ファンブレードテールにウィングレットを備えており、エアフローが凝縮されるために渦巻効果が解消されます。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」は、大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、PCIEスロットを4スロット占有します。
PCEブラケットも2スロット分なので3スロット占有のようにも見えますが、厚み63.6mmとなっており、ギリギリで4スロット目にGPUクーラーが侵入してしまいます。設置したPCIEスロットから3つ下にあるPCIEスロットも使用できないので注意してください。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」は補助電源コネクタとして、12+4PINでPCIE5.0補助電源と呼ばれることの多い、最新電源コネクタ 12VHPWRを1基搭載しています。RTX 4070 Tiとしては一般的なPCIE補助電源の構成です。
12VHPWRに対応した電源ユニットと組み合わせた場合、電源ケーブル1本だけでスマートに配線が可能です。
12VHPWRに対応する電源ケーブルが付属する自作PC向け電源ユニットは2023年1月現在、まだ市場に多くは出回っていませんが、「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」は現在主流なPCIE 8PIN補助電源に変換するケーブルが標準で付属しています。
この変換ケーブルを使用することで、従来のPCIE 8PINを2基以上使用できる電源ユニットやPCシステムであれば「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を組み込むことが可能です。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のビデオ出力はリファレンス仕様と同じくHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」にはオリジナルイラストのプリントされた金属製バックプレートが装着されています。基板の反りや破損を防止する保護プレートとしての役割を果たしますが、金属製ではあるものの基板との間にサーマルパッドがないので冷却補助にはなっていません。
1kg超へと大型化(大重量化)していくGPUクーラーでも、GPUコアとクーラーベースコアが適切な圧力で密接するように、板バネ構造のリテンションバックプレートも「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」には採用されています。
バックプレート右端にはファン1基分のエアスリットが設けられており、ファンからヒートシンクを通って背面に直接風が抜けるフロースルー構造も採用されています。
GPUクーラー側面も外装で覆わず、ヒートシンク放熱フィンが剥き出しになっています。バックプレート方向だけでなく左右にも風が突き抜け、グラフィックボード周辺に熱溜まりが生じるのを抑制する構造です。
なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 4070 Ti GameRock Premiumが1591g、GAINWARD GeForce RTX 4080 Phantomが1985gに対して、GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixは1537gでした。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量は1kgを軽く超過しているのでPCIEスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの分解
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)分解を行っています。GPUクーラーの取り外し(分解行為)は、一部を除く多くのメーカーではグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。
今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のバックプレート上、12個のネジを外すと、バックプレートを取り外すことができます。
バックプレートは金属製ですが、基板との間にはサーマルパッドはなく放熱板としての役割はありません。単純にGPUクーラーの保持や基板の反り防止の役割です。
GPUクーラー本体を固定しているのはGPUコア周辺、リテンションプレートが併用されている4ヶ所のネジとPCIEブラケット側の4つのネジです。PCIEブラケットはビデオ入力付近の3つのネジでも固定されています。
以上のようにネジを外していくと、GPUクーラーは簡単に取り外せました。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」にはGAINWARD独自設計のオリジナル基板が採用されています。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のグラフィックボード基板はショート基板かつ背が低く、PCIEブラケットも単独で基板に固定できるので、水冷ブロックさえ登場すればDIY水冷化にも最適なモデルです。
RTX 4070 TiのGPUコアにはAD104-400-A1が使用されていました。GDDR6Xメモリは今のところ1社しか量産していないのでMicron製。今回入手した「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」にはMicron製の16GbのGDDR6Xメモリチップが表面に6枚搭載されています。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のVRM電源回路はGPUコアの左側にGPUコア向け8フェーズ、VRAM周辺にVRAM向け3フェーズで計11が実装されています。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接するコアは銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは8本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが3スロットスペース内いっぱいに展開されています。
GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用され、ニッケルメッキ処理も施されています。完全鏡面というほどではありませんが、接触するくらい近くにあるものなら反射する程度には綺麗に平滑化されています。
GPUコア周辺のVRAMチップは共通の銅製ベースプレートと、VRM電源回路はヒートシンクにろう付けされた金属製プレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却するという理想的な構造です。
GPUコアと接するベースコアから伸びた8本の極太ヒートパイプによって3スロットを占有する大型放熱フィン全体へ熱を拡散します。
ベースプレートから伸びる8本の銅製ヒートパイプによって3スロットを占有する大型GPUクーラー内部いっぱいに展開された極厚なアルミ製放熱フィンの迫力も圧巻です。
放熱フィンの冷却ファンと対面する方向には”Diffuser Fins”とよばれるY字成型されたフィンアレイ構造が採用されています。ファンブレードの回転方向に垂直なフィン角度により、フィンアレイのチャネルへ滑らかにエアーが流れ込みます。
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの検証機材・GPU概要
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 (ゲーム性能検証) |
|
OS | Windows11 Home 64bit |
CPU | Intel Core i9 13900K (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z5 RGB F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK DDR5 16GB*2=32GB (レビュー) 7200MHz, 34-45-45-115 |
マザーボード |
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー) |
ゲームストレージ |
Samsung SSD 870 QVO 8TB (レビュー) |
電源ユニット | Corsair HX1500i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
検証機ではシステムメモリとして、Intel第13世代CPU向けメモリとしては4xメモリスロットのマザーボードでも動作可能な最速クラスの製品、メモリ周波数7200MHz/CL34の高メモリクロックかつ低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK)」を使用しています。
G.Skill Trident Z5シリーズはIntel XMP3.0のOCプロファイルに対応した製品となっており、6000MHzの定番設定なモデルもあり、Intel第13世代CPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。
ARGB LEDイルミネーションを搭載したバリエーションモデル G.Skill Trident Z5 Neo RGBもラインナップされています。
・「G.Skill Trident Z5 RGB」をレビュー。XMPで7200MHz OCに対応!
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti PhoenixのGPU概要
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixに搭載されているGPU「GeForce RTX 4070 Ti」のスペックについて簡単に確認しておきます。「GeForce RTX 4070 Ti」はAD104-400コアが使用されておりCUDAコア数は7680、GPUコアクロックはベース2310MHz、ブースト2610MHzです。VRAMには従来よりも高速な21.0GbpsのGDDR6Xメモリを12GB容量搭載しています。メモリーバス幅は192bitなのでメモリ帯域は504GB/sです。
典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは285Wに設定されており、PCIE補助電源として最新規格のPCIE5.0補助電源(12VHPWR)を要求します。なお基本的に変換ドングルが付属するので、既存のPCIE補助電源8PIN×2~にも対応します。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」については、ブーストクロックはリファレンス仕様値と同じく2610MHz、パワーリミット(TGP)も285Wで、手動設定による電力制限の解除には非対応です。
GPUコアの増強、コアクロックの高速化といった3Dグラフィックス関連の強化に加えて、「GeForce RTX 4070 Ti」などGeForce RTX 40シリーズの新たな特長としてハードウェアエンコーダに最新の第8世代NVEncが2基実装されています。
第8世代NVEncはAV1コーデックのエンコードに対応したところが、RTX 30シリーズの第7世代NVEncとの大きな違いです。(AV1コンテンツのデコード/再生はRTX 30シリーズですでに対応済み)
映像編集ソフトではDavinci Resolve、ビデオキャプチャソフトではOBS Studioなどが最新バージョンにおいてGeForce RTX 40シリーズによるAV1エンコードに対応しています。
AV1は従来のH.264(x264)よりも40%程度も圧縮効率に優れており、OBS Studioの場合、従来のH.264(x264)形式によってフルHD解像度で作成したコンテンツも、同等のビットレート、同等の映像品質で、AV1形式ならWQHD解像度にできます。
また従来との大きな違いとしてハードウェアエンコーダNVEncが”2基”実装されているところも大きな注目ポイントです。
2基の最新NVEncが実装されているので、Davinci ResolveなどデュアルNVEncによる書き出しに対応した映像編集ソフトではRTX 30シリーズと比較して2倍以上高速になるとのこと。
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixのゲーム性能
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 3080 Ti」、「Radeon RX 6900 XT」、「GeForce RTX 3080」、「GeForce RTX 2080 Ti Founders Edition」を使用しています。(特定のモデルや型番を指名していない場合、各GPUメーカーのリファレンスモデルもしくはリファレンス仕様のオリファンモデルです)
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク FireStrikeによる比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 4070 Ti Gainward Phoenix |
52621 | 26829 | 13332 |
RTX 3080 Ti |
47119 | 23589 | 12056 |
RX 6900 XT |
53597 | 27340 | 13542 |
RTX 3080 |
43191 | 21264 | 10792 |
RTX 2080 Ti FE |
35575 | 16872 | 8550 |
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで最新タイトルでは採用が増えつつあるDirectX12ベンチマーク TimeSpy、およびレイトレーシング表現に対応したベンチマーク Port Royalによる性能比較となります。
TimeSpy | Extreme | Port Royal |
|
RTX 4070 Ti Gainward Phoenix |
22644 | 10857 | 14098 |
RTX 3080 Ti |
19053 | 9586 | 12765 |
RX 6900 XT |
19897 | 9641 | 9768 |
RTX 3080 |
17407 | 8671 | 11513 |
RTX 2080 Ti FE |
14490 | 6641 | 8936 |
続いて近年の最新PCゲームを実際に用いたベンチマーク比較になります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD(1920×1080)とWQHD(2560×1440)と4K(3840×2160)の3種類の解像度で平均FPSを比較しました。
最新タイトルでは専用ハードウェアによるレイトレーシング表現や、NVIDIA DLSS/AMD FSR/Intel XeSSといったAIを活用した超解像・倍速補間に対応したものも増えていますが、それらの機能は無効化し、ここでは従来のラスタライズ方式の3Dグラフィックス性能を比較しています。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、『Assassin's Creed Valhara』、『Battlefield V』、『CONTROL』、『Cyberpunk 2077』、『DEATH STRANDING』、『Far Cry 6』、『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』、『Forza Horizon 5』、『God of War』、『Marvel's Guardians of the Galaxy』、『MONSTER HUNTER: WORLD』、『Shadow of the Tomb Raider』、『Tales of Arise』、『UNCHARTED: Legacy of Thieves Collection』、『Watch Dogs Legion』、以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Valhara(最高設定プリセット)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Cyberpunk 2077(ウルトラ設定プリセット, FSR:オフ, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 6(最高設定プリセット, 高解像度テクスチャ:オフ, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE(テクスチャ解像度:高設定、シャドウ解像度:高設定、キャラクター表示数:10)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
なお、FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADEは、標準では最大フレームレートが120FPSですが、アンリアルエンジン4のiniファイルによるカスタム設定を有効にするMODのFFVIIHookを使用して『フレームレート制限なし』、『可変レンダリング解像度:オフ』、『モーションブラー:オフ』の設定を適用しています。加えてNVIDIAコントロールパネルから垂直同期を無効化しています。
Forza Horizon 5(エクストリーム設定プリセット, モーションブラー:オフ, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
God of War(ウルトラ設定プリセット, モーションブラー:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Marvel's Guardians of the Galaxy(ウルトラ設定プリセット, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
なお、Marvel's Guardians of the Galaxyはゲームプレイ時の最大フレームレートは144FPSですが、ゲーム内ベンチマーク機能は144FPS以上で計測できるので、その結果を使用しています。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高画質設定プリセット, DirectX12, TAA, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Tales of Arise(最高設定, モーションブラー:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
なお、Tales of Ariseは、標準ではPlayStation 5やXbox Series Xのコンソールゲーム機版よりもオブジェクトや影の遠景描画が省略されているので、アンリアルエンジン4のiniファイルによるカスタム設定を有効にするMODのArise-SDKを使用して高画質化する設定を適用しています。
UNCHARTED: Legacy of Thieves Collection(ウルトラ設定プリセット, モーションブラー:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Watch Dogs Legion(最大設定プリセット, DirectX12, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixなど5種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixは、前世代ハイエンドモデル RTX 3080を平均で20%程度も上回る性能を発揮しました。
競合GPUメーカーのAMDからは、GeForce RTX 4070 Tiにラスタライズ性能で競合する最新GPUとしてRadeon RX 7900 XTが2022年12月に発売されています。
GeForce RTX 4070 TiとRadeon RX 7900 XTの性能比較については、RX 7900 XTのレビュー記事の中で詳細に解説しているのでこちらをご覧ください。
レイトレーシング&DLSS SR/FGの性能を検証
上では一般的なPCゲーミングシーン(ラスタライズ式の3Dグラフィックス)における「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」の性能を比較検証してきましたが、ここからはGeForce RTX 40シリーズの大きな特徴である、前世代GeForce RTX 30シリーズよりも改良されたレイトレーシング表現や、AI倍速補間にも対応したDLSS 3の性能をチェックしていきます。なおレイトレーシング表現の性能や、NVIDIA DLSS/AMD FSR/Intel XeSSなどの超解像・倍速補間の性能についてはGeForce RTX 4070 Ti リファレンス仕様の性能検証の結果を引用する形で紹介していきます。
最初に、レイトレーシング表現やDLSSについて簡単に紹介しておきます。
レイトレーシング(Raytracing)とは3Dグラフィックスのレンダリング手法の1つであり、現在主流なラスタライズ方式とある種の対になる言葉です。
レイトレーシングだけで3Dグラフィックスを全て描画しきるのはGPU性能的に現実的ではないので、ベースは従来のラスタライズ方式で行い、鏡面反射などエフェクトにレイトレーシング方式を使う、というハイブリッドなレンダリング方式が現在のレイトレーシング対応PCゲームの主流です。
レイトレーシング表現では、照明や光源(エリアライト)や太陽光(グローバルイルミネーション)の影響を厳密に再現し、光の反射や透過も現実に即して忠実に描写されます。
レイトレーシングを採用したわかりやすい例としては鏡に映る反射など、視覚(視点から見た)の外にある物体もリアルに描画することができます。小さい光源や太陽光などが生み出す影、反射によって生まれる光が現実に対して忠実に再現されるので、画面の中に引き込まれるような奥行き、陰影を感じる映像が生まれます。
なお高画質機能 Raytracing(レイトレーシング)はMicrosoftが提供するAPI”DirectX 12”内包されるDirectX Raytracing(DXR)を使用したレンダリング機能となっており、後述のDLSSと違ってNVIDIA独自技術というわけではなく、AMD/Intel製グラフィックボード、PlayStation 5やXbox Series S/Xといったコンソールゲーム機にも互換性のある機能です。
下はPlayStation 5のMarvel's Spider-Man Remasteredでレイトレーシング表現のオン/オフを比較したものですが、オフでは鏡面になっている窓ガラスにスパイダーマンの身体の鏡像がないだけでなく、風景の反射も反対側と比較してデタラメなのが一目瞭然です。
「NVIDIA DLSS」は”Deep Learning Super Sampling”の頭文字を取った略称となっており、その名の通り、近年流行りのディープラーニングによって高画質化(超解像化)する機能で、AIレンダリングの名前でもアピールされています。
DLSSが具体的にどのように動作するか簡単に説明すると、フルHD~WQHDのリアルタイムレンダリングソースから4K映像を生み出すDLSSの原型があります。このDLSSの原型が作り出した4K映像を、16Kなど現実的にはリアルタイムでのレンダリングが難しい超々高解像度のレンダリング結果を比較し、DLSSの原型の改良版1をNVIDIAの専用サーバーが作ります。
DLSSの原型の改良版1で再び4K映像を生み出し、16Kレンダリング結果と比較して、DLSSの原型の改良版2を生み出す……、というプロセスを何万回も繰り返すことで、ユーザーに提供される汎用の、もしくは個別ゲームタイトルに特化した専用のDLSSプロファイルが出来上がります。
GeForce RTX 30シリーズの登場と共にアップデートされたDLSS2.0では最終出力解像度に対して3種類のオリジナルレンダー解像度が選択でき、4K解像度の場合は、Quality(2560×1440)、Balanced(2240×1260)、Performance(1920×1080)の3種類から選択できます。
オリジナルのレンダー解像度がフルHD~WQHDなので、DLSSによる超解像(SuperSampling)プロセスを挟むとはいえ、ネイティブに4K解像度をレンダリングするよりもフレームレートは大幅に向上します。
現在のDLSSでは16Kレンダリング結果を目標に学習が繰り返されているので、高画質アンチエイリアス技術として一般的なTAAと比較してフレームレートが大幅に向上するだけでなく、画質も改善するという一挙両得な高画質化機能になっています。
フルHDやWQHDのレンダリングソースを高品質な4K解像度に超解像化することから始まったDLSSですが、この超解像機能(DLSS SR:Super Resolution)に加えて、GeForce RTX 40シリーズが対応する最新バージョンの”DLSS 3”では倍速補間フレーム生成機能 Frame Generationが追加されたのが大きなトピックです。
倍速補間というとテレビの高画質化機能が有名ですが、テレビの倍速補間は完成した映像フレームを2つ以上(一部のハイエンドテレビだと7つなど)をソースに中間フレームを作成しています。
ソースとなる映像フレーム数が多いほど生成される中間フレームの映像的な破綻はなくなりますが、遅延が大きくなるのでゲーム用途では到底実用できません。逆にソースとなる映像フレーム数を減らすと遅延は減りますが、単純なスクロールのような画面変化しか綺麗に補間できず、映像的な破綻が増えてしまいます。
一方、DLSS 3の倍速補間フレーム生成機能 Frame Generationは、3Dオブジェクトの動きを正しく追跡できるMotion Vector(3Dオブジェクトのピクセル単位での位置や向きの履歴)に、影のような光エフェクトを正しく追跡できるOptical Flowを組み合わせることで中間フレームを生成しています。
中間フレームの生成方法が全く異なるので、DLSS 3は2フレーム(現在と1つ前)による補間と同等かそれ以下という低遅延で倍速補間を実行でき、急にポップするオブジェクトや影などの光エフェクトが破綻しにくい、という特徴があります。
現在のビルドではUIやテキストにノイズが生じやすいといった欠点はあるものの、超解像のDLSS SRも徐々に改良されていったのでDLSS FGも対応ゲームが増えるにしたがって補間品質もアップデートされていくはずです。
あとDLSS FGの副次的な効果として、中間フレームはGPUが単独で生成するので、CPUボトルネックで伸び悩むシーンでもフレームレートが向上するという効果もアピールされています。有名どころではMicrosoft Flight Simulatorが該当します。
DLSS Frame GenerationはOptical Flow Acceleratorという専用ハードウェアを使用しているので、現在、この機能を使用できるのはGeForce RTX 40シリーズに限定されています。(Optical Flow Accelerator自体は全く同じものかは不明ですがRTX 30シリーズにも存在するので、今後、対応GPUに加わる可能性があるかも)
また上記の通り、DLSS 3による倍速補間はそれそのものが遅延を生じにくい設計ですが、”DLSS 3対応”ならNVIDIA製GPU環境の低遅延技術 Reflexも含むことになっており、よりゲーム操作にラグを感じない低遅延な表示が可能です。
前置きが長くなりましたが、本題のレイトレーシング表現やDLSSの性能をチェックしていきます。
GeForce RTX 4070 Tiは非常に高性能なGPUなので、各ゲームにおいて解像度は4K解像度(3840x2160)、グラフィック設定やレイトレーシング設定は固定とし、DLSS SRのオンオフや品質設定(高性能:P、高品質:Q)のみ切り替えています。DLSS FG有効時はDLSS SRを高品質設定としています。
まずはレイトレーシング表現と超解像機能のDLSS Super Resolution(DLSS SR)に対応したタイトルとして『Cyberpunk 2077』、『Control』、『Ghostwire: Tokyo』、『Watch Dogs Legion』を使用し、GeForce RTX 4070 Tiの性能をGeForce RTX 4080、GeForce RTX 3080 Ti、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 2080 Tiと比較しました。
上で検証したラスタライズ方式の一般的なゲーミングシーンにおけるRTX 3080に対するRTX 4070 Tiのパフォーマンスゲインは20%程度でしたが、レイトレーシング表現有効時も同等かさらに+10%程度の性能向上を果たしており、シェーダーコアだけでなくレイトレーシング実行ユニットも比例して増強されているのが分かる結果です。
今回、検証にはリッチなレイトレーシング表現の分、負荷の重いタイトルを選択したので、GeForce RTX 4070 Tiでネイティブ4Kは厳しい感じですが、DLSS SRを併用すれば、軽めのタイトルなら高品質設定、重いタイトルでも高性能設定で60FPS以上をキープできます。
Cyberpunk 2077(レイトレーシング ウルトラ品質プリセット)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Cyberpunk 2077は倍速補間のDLSS FG対応予定タイトルですが、現在はテストビルドのみのサポートとなっているので、DLSS FGの検証からは外しました。
Control(高設定プリセット, レイトレーシング表現:高設定)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghostwire: Tokyo(個別画質設定最大, モーションブラー:オフ, レイトレーシング表現:高設定)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Watch Dogs Legion(最大設定プリセット, DirectX12, レイトレーシング表現:最大)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
続いてGeForce RTX 40シリーズの目玉機能でもあるDLSS 3の倍速補間 DLSS Frame Generation(DLSS FG)に対応したタイトルとして、レイトレーシング表現には非対応の『A Plague Tale: Requiem』、『Microsoft Flight Simulator』、レイトレーシング表現にも対応する『F1 2022』、『Marvel’s Spider-Man Remastered』、『The Witcher 3: Wild Hunt, Next Gen Update』を使用し、GeForce RTX 4070 Tiの性能をGeForce RTX 4080、GeForce RTX 3080 Ti、GeForce RTX 3080、GeForce RTX 2080 Tiと比較しました。
DLSS 3の目玉機能 Frame Generationについては、DLSS SR(Quality)単独と比較した時のフレームレートの伸び率は5タイトル中では大きいものでも、The Witcher 3とMicrosoft Flight Simulatorの33%程度でした。
”倍速補間”という名前(正式にはフレーム生成もしくはフレーム補間ではあるものの)からすると、名前負けな性能伸び率という感想も否めません。この部分は今後のアップデートに期待したいところ。
ただDLSS FGの副次的な恩恵として公式にもアピールされていた通り、Microsoft Flight SimulatorやMarvel’s Spider-Man RemasteredのようにCPUボトルネックが強く、超解像によるGPU負荷の低減だけではフレームレートが伸び悩むタイトルにおいて20~40%程度も性能が向上するというのは魅力です。
*検証機材にCore i9 13900Kと7200MHzのDDR5メモリを使用しているため、DLSS FGなしの状態でもCPUボトルネックがかなり緩和されています。CPUやメモリの性能が低いほど、DLSS FGによる性能の伸び率が高くなるので(逆に当サイトでの検証は低くなっている)、他サイトの検証よりもDLSS FGについての評価は辛めです。
A Plague Tale: Requiem(最高画質プリセット)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Microsoft Flight Simulator(ウルトラ画質プリセット, DLSSオフ時はTAA有効)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
F1 2022(超高画質プリセット, 異方性フィルタリング:x16, DLSSオフ時はTAA有効, レイトレーシング表現:超高画質プリセットのまま)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Marvel’s Spider-Man Remastered(非常に高い画質プリセット, DLSSオフ時はTAA有効, レイトレーシング表現:非常に高い/非常に高い/6)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher 3: Wild Hunt, Next Gen Update(RTウルトラ画質プリセット, DLSSオフ時はTAA有効, DLSS FGオフ時もNVIDIA Reflex有効)に関する「GeForce RTX 4070 Ti」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenixの温度・消費電力・ファンノイズ
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」の負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy(Extreme) Stress Testを使用しています。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のテスト終盤におけるGPU温度は最大65度と十分に低く、ファン速度も最大1300RPMと低速です。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度52度前後が始動閾値、GPU温度36度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を上下した瞬間にピタッと切り替わります。
GPUコアクロックについて、今回入手した「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」の負荷テスト中の実動平均は2802MHzでした。
【補足】
コアクロック比較グラフはAIBモデル別の優劣を決めるための比較ではなく、特定のGPUがだいたいどの程度のコアクロックで動作するのか確認するために掲載しています。
AMD、NVIDIAともに最新GPUでは実動コアクロックはGPUコア個体毎に異なる内部設定のV-Fカーブが最も支配的なファクターです。加えて負荷中のGPU温度も5~10度刻みでブーストクロックの制御に影響します。
そのため、ファクトリーOCが施されたオリファンモデルの公式仕様値として公表されているブーストクロックは各メーカー内におけるOC耐性選別という意味で1つの指標にはなると思いますが、実動コアクロックの優劣にはあまり当てになりません。
今回検証している個体Aが他社AIBと比較して実動コアクロックが低くても、市場製品の個体Bは高い、個体Cは同程度…のように、本当に御神籤状態です。
また実用条件に近い冷却性能の検証として、実際にPCケースへ「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を組み込み、1時間に渡って負荷をかけた時にGPU温度やファン回転数がどうなるかを確認してみました。
検証するGPUランクによって負荷を変えており、通常はTime Spy(Extreme) グラフィックテスト1をループ再生させて各GPUがMaxTGPに張り付く状態を検証しています。
なお一部の高性能GPUはTime Spy ExtremeでもGPUが遊ぶので、さらに重いPort Royal 4KやCyberpunk 2077の4K・レイトレーシングなどを使用して負荷を適宜調整しています。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しています。
CPUクーラーは120サイズ簡易水冷でラジエーターを天面前方に設置、またPCケースのフロントに吸気ファンとして3基とリアに排気ファンとして1基の140mm角ケースファンをそれぞれ設置し、ファン回転数は1000RPMに固定しています。
PCケースのエアフローファンには空冷ヒートシンク、水冷ラジエーター、PCケースエアフローの全ての用途で一般的な140mmサイズファンを上回る性能を発揮する「Thermaltake TOUGHFAN 14」を使用しています。140mmサイズファン選びに迷ったらこれを買っておけば問題ない、高性能かつ高静音性なファンです。
・「Thermaltake TOUGHFAN 14」をレビュー。最強140mmファンの登場か!?
PCケースに入れた状態で長時間負荷をかけると、「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のGPU温度は65度、ファン回転数は1400RPM程度でした。ベンチ板上で測定した時と大差なく、非常に優秀と評価していい冷却性能です。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のGPUクーラーは内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるので、フロントx3/リアx1で140mmファンを設置して1000RPMで回しています。実際にPCケースへ組み込むユーザーはPCケースの吸排気にも注意してみてください。
加えて1時間のストレステスト終盤にサーモグラフィカメラ搭載スマートフォン「CAT S62 PRO」を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
TGP300W超のグラフィックボードではVRM電源回路やPCIE補助電源付近がかなり高温になるモデルも散見されるのですが、「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」はホットスポットでも60度台に収まっているので、運用上、特に心配する必要はありません。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」は、TGP285WのGPUを冷やしていながらPCケース組み込み時でも1400RPM程度とファン速度が低速であり、ファンノイズは32dB以下という非常に優秀な数値を叩き出しています。
ファン速度を1600RPM程度に引き上げたとしてもノイズレベルは34dB以下なので、「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のファンノイズを煩く感じることはまずないと思います。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」の消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
グラフィックボードの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。GPU Power TesterはPCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しているので、シンプルにグラフィックボードそのものの消費電力をしることができます。
消費電力の測定にあたって検証するGPUランクによって負荷を変えており、通常はTime Spy(Extreme) グラフィックテスト1、一部のウルトラハイエンドGPUにはPort Royal 4K(GPU名に*マークを併記)をループ再生させ、各GPUがMaxTGPに張り付く状態を検証しています。
テスト全体から1ms間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」の消費電力は264W、最大瞬間負荷は298Wでした。
Cyberpunk 2077の4K・レイトレなど一部タイトルではTotal Board Powerが増える可能性はありますが、それでも+10W程度なので「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のGPUクーラーなら十分に冷却は可能であり、静音性にも大きな影響はありません。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」はグラフィックボード単体で300W近い消費電力を要求するので、安定した電力供給のためにも、電源容量750W以上、可能なら電源容量850Wくらいの電源ユニットを組み合わせる必要があると思います。
GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix レビューまとめ
最後に「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 4K/DLSSで60~120FPSのPCゲーミングに対応可能なGPU
- RTX 3080と比較しても平均20%程度、ベストケースでは30%も高速
- GeForce RTX 40の最新機能であるAI倍速補間 DLSS 3に対応
- 高圧縮かつ高画質な次世代コーデックAV1のハードウェアエンコードに対応
- ARGB LEDで七色に輝くGPUクーラー外装が美しい
- TGP285WのRTX 4070 Tiをノイズレベル32dB以下で十分冷やせるGPUクーラー
- GPUホルダーが標準で付属
- RTX 4070 Tiオリファンモデルの中で最安値クラス
- 全長329mm、全高がPCIEスロット+20mmと巨大なのでPCケースとの干渉に注意
- PCIEスロットを4スロット占有
- 12VHPWR電源コネクタは取り扱いに注意が必要 【解説記事へ】
- RTX 4070 Ti一般に価格が税込み15万円からと非常に高価 (2023年1月現在)
GeForce RTX 4070 Tiは、前世代ハイエンドモデルGeForce RTX 3080と比較して平均で20%程度、ベストケースでは30%も上回るグラフィック性能を実現しています。
最新アーキテクチャによってハイフレームレートのボトルネックが解消されているのでフルHD解像度やWQHD解像度でも前世代比で性能を綺麗に伸ばす一方、VRAM帯域の影響でネイティブ4Kの性能は鈍化する傾向はあるものの、GeForce RTX 4070 Tiは最新のDLSS 3に対応しているので、フルHD/WQHDをソースにアップスケールするDLSS SRやAIフレーム補間機能DLSS FGを併用すれば、4Kゲーミングでも大幅な性能向上が期待できます。
GeForce RTX 4070 Tiのネガティブなポイントはやはり価格です。
前世代最上位RTX 3090 Tiに迫る性能を発揮するとはいえ、北米希望小売価格799ドル、日本国内では税込み14.9万円からとなっており、従来の70番台ユーザーが買い替えようと思って手を伸ばせる価格帯では到底ありません。
これまでGeForceの70番台は前世代最上位の性能を半分の価格で実現するというコスパの高さが評価され、アッパーミドルクラスのGPUとして好評を博していましたが、それもGTX 1070/RTX 2070は5万円前後、RTX 3070は値上がりはしたものの7万円前後という手の届く値段だった、この前提がありきの話です。
30万円の性能が半額の15万円になる、確かに割合は同じですが、だからといってこれまで5~7万円のグラボを買っていた人が『RTX 4070 Tiをよし買おう』となるか、火を見るよりも明らかです。
ともあれ、混乱しやすいところですが、RTX 4070 TiはGeForce RTX 40シリーズ発売後も10万円程度で併売となっているRTX 3080の上位モデルという扱いです。
ターゲットとなる層も従来の70番台ユーザーではなく、RTX 3080を狙うようなハイエンドGPUユーザーなので、20%程度の性能向上とDLSS3対応(やAV1エンコードといったAdaアーキの特長)に+5万円以上を払う価値があると判断するかどうか、それ次第だと思います。
以下、愚痴のような駄文と管理人の勝手な予想を垂れ流すだけなので、読みたい人だけクリック展開してください。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のGPUクーラーについては、TGP285WのRTX 4070 Tiにフル負荷をかけ続けても、GPU温度は60度前半に収まり、なおかつ同測定環境においてノイズレベル32dB以下という非常に優れた静音性を発揮しました。
「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」はRTX 4070 Tiオリファンモデルの中で最安値クラスの製品であり、取り扱い店舗や在庫数も多く入手性が優れているところも魅力です。
以上、「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」のレビューでした。
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4スロット占有3連ファンGPUクーラー搭載のスタンダードモデル「GAINWARD GeForce RTX 4070 Ti Phoenix」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) February 20, 2023
RTX 3080やRTX 3080 Tiをどの程度上回るのか、実ゲームベンチマークで徹底比較https://t.co/jPrPpaar8v pic.twitter.com/LkanE3fxGZ
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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