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ヒートシンク搭載ながら全高35mmのロープロファイルなDDR5メモリキット FURY Beast DDR5シリーズから、Intel XMP3.0による5200MHzのメモリOCに対応する16GB×2枚組み=32GBのメモリキット「Kingston FURY Beast DDR5(型番:KF552C40BBK2-32)」をレビューします。
製品公式ページ:https://www.kingston.com/unitedstates/jp/memory/gaming/kingston-fury-beast-ddr5-memory
Kingston FURY Beast DDR5 レビュー目次
1.Kingston FURY Beast DDR5の外観
2.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
3.Kingston FURY Beast DDR5のメモリOCを試す
4.Kingston FURY Beast DDR5のレビューまとめ
---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen/Ryzen Threadripper環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。
ただしXMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されているので、AMD製CPU環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記します。
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Kingston FURY Beast DDR5の外観
まず最初に「Kingston FURY Beast DDR5」の外観をチェックしていきます。「Kingston FURY Beast DDR5」はブリスターパックの簡易梱包となっています。
今回レビューする型番:KF552C40BBK2-32」は16GB×2枚組み32GB容量のメモリキットなので、ブリスターパックに2枚のメモリが収められています。
「Kingston FURY Beast DDR5 KF552C40BBK2-32」は16GB×2枚組み=32GBの2枚組メモリキットなので2枚のメモリが収められています。
Kingston FURYブランドの経緯について簡単に補足しておくと、KingstonのゲーミングブランドというとHyperXの名前で知られており、今回レビューするゲーミングPC向けハイパフォーマンスメモリ以外にも、マウス・キーボードやヘッドセットなど多くの製品が販売されていました。
2021年2月にゲーマー向け製品部門HyperXがHPに買収され、大半のゲーマー向け周辺機器の取り扱いは移譲されましたが、Kingstonの本業であるSSDやメモリの取り扱いは残ったので、HyperXブランドのメモリやSSDが2021年8月より順次リブランドされたという次第です。
HyperX時代にはミドルネームにFuryを冠する製品が多かったこともあり、Kingstonのゲーミング向けブランドは”FURY”として新生し、DDR4メモリではスタンダードゲーマー向けモデルがFURY Beast (RGB)、ゲーマー&OCer向けモデルはFURY Renegade (RGB)、モバイルPCやNUCなどで使用するSODIMMはFURY IMPACTとなりました。
「Kingston FURY Beast DDR5」は、艶のあるブラックカラーで機械装甲のようなデザインの薄型アルミニウム製ヒートシンクを標準で搭載したOCメモリです。
「Kingston FURY Beast DDR5」の天面、中央左寄りにはFURYのブランドロゴが描かれています。
「Kingston FURY Beast DDR5」はヒートシンク搭載ながら、全高35mmのロープロファイル設計となっており、大型空冷CPUクーラーとも高い互換性があります。
ヒートシンクなしのDDR5メモリと比べると「Kingston FURY Beast DDR5」の全高は約+3.4mmでした。
参考までにDDR4メモリですがFURYブランドのハイエンドOCメモリ FURY Renegadeと比較すると、デザイン面では「Kingston FURY Beast DDR5」のほうがシンプルです。
またメモリヒートシンクの厚みが小さいので、冷却性能はFURY Renegadeのほうが高く、メインストリーム向け製品と、高クロックOCに対応するハイエンド向け製品とで差別化も確認できます。Renegadeから6000MHz超のXMPに対応したモデルが登場するのにも期待したいところ。
「Kingston FURY Beast DDR5」を実際にマザーボードメモリスロットに装着するとこんな感じになります。
メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
「Kingston FURY Beast DDR5」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。「Kingston FURY Beast DDR5」の検証を行う環境としては、Core i9 12900K&Z690マザーボードで構成される検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Core i9 12900K (レビュー) |
- |
M/B | MSI MEG Z690 UNIFY (レビュー) |
- |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
- |
グラフィックボード |
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー) | |
OS | Windows 11 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 980 PRO 500GB」を使用しています。Samsung SSD 980 PROは、PCIE4.0対応によって連続アクセススピードを最大で2倍に飛躍させただけでなく、ランダム性能の向上によってSSD実用性能においても前世代970 PROから大幅な向上を果たし、PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDよりも高速なので、これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
・「Samsung SSD 980 PRO 1TB」をレビュー。堂々の最速更新
メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがIntel環境における通説でした。そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
しかしながらAMD RyzenおよびAMD Ryzen Threadripper環境では、『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。
またIntel環境においても144FPS~240FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます。
OCメモリの選び方や具体的なオーバークロックの設定方法については、こちらの記事を参考にしてください。
・【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説
Kingston FURY Beast DDR5のメモリOCを試す
「Kingston FURY Beast DDR5(型番:KF552C40BBK2-32)」をIntel第12世代Core&Z690マザーボードの検証機材にセットアップしてメモリオーバークロックの動作検証を行っていきます。OCプロファイルによるメモリ周波数5200MHz/メモリタイミングCL40のオーバークロックに対応する16GB×2=32GBメモリキット「Kingston FURY Beast DDR5(型番:KF552C40BBK2-32)」については、Micron製メモリモジュールが採用されていました。
(製品型番およびスペックはそのままでも、メモリモジュールについてはロットやバージョンで変更される可能性があります。)
前置きはこの辺りにして「Kingston FURY Beast DDR5」を使用し、メモリOCを実践していきます。
Intelのメインストリーム向けCPUである第12世代Core-Sの16コア24スレッドモデルCore i9 12900KとZ690マザーボードの環境で「Kingston FURY Beast DDR5」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。Intel Z690マザーボードにはMSI MEG Z690 UNIFYを使用しています。
MSI MEG Z690 UNIFYの環境では、XMPプロファイルを適用するだけで16GB×2枚組み32GBで5200MHz/CL40のメモリOCが安定動作しました。
Intel第12世代CPUでDDR5メモリを使用した場合、IMC周波数はGear2もしくはGear4で動作しますが、今回のOC検証ではAuto設定のままでもIMC周波数は2:1で同期するGear2でした。
ちなみに「ASUS ROG MAXIMUS Z690 HERO」の環境でも、「Kingston FURY Beast DDR5(型番:KF552C40BBK2-32)」のXMPによる5200MHz/CL40のメモリOCは安定動作しています。
またMSI MEG Z690 UNIFYの環境において、手動設定でメモリのオーバークロックを行ったところ、メモリ周波数/主要メモリタイミングおよびメモリ電圧だけのカジュアル設定で、メモリ周波数を5400MHz、メモリタイミング:38-40-40-80-CR2へとOC設定を引き上げることもできました。
MSI製マザーボードにはMemory Try It!というMSIラボで最適化されたメモリ周波数&タイミングのプロファイルを適用できる機能があるのですが、これで「5600MHz/CL42」のプロファイルを適用し、「CPU VDDQ:1.350V」、「tCWL:42」「tCCD:10」「tCCD_L:16」等の設定を追加すると、メモリ周波数を5600MHz、メモリタイミング:42-42-42-84-CR2で安定動作が確認できました。
ただし、Memory Try It!を使用せずに、メモリ周波数5600MHzやCL42といった設定を適用してもメモリストレステストでエラーが出てしまいました。Memory Try It!でプロファイルを適用した場合と、完全手動設定の時とで、何かしらAuto設定が異なるようです。
汎用性のあるOC検証にはなりませんでしたが、Micron製DDR5メモリモジュールの「Kingston FURY Beast DDR5」でも上手くメモリ設定を行えばメモリ周波数5600MHzを狙えるという一例にはなったと思います。
Kingston FURY Beast DDR5のレビューまとめ
最後に「Kingston FURY Beast DDR5(型番:KF552C40BBK2-32)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- ヒートシンク搭載ながら全高35mmで大型空冷クーラーとも高い互換性
- 簡単にメモリのOCが可能なXMP3.0プロファイルを収録
- 5つのうち2つのプロファイルはユーザーが自由に書き換え可能
- Intel第12世代CPU環境でXMPによって5200MHz/CL40が正常動作
- Intel第12世代CPU環境で手動OCによって5600MHz/CL42が正常動作
- 2021年11月現在、DDR5メモリ一般に極端に品薄で、容量単価もDDR4より高い
「Kingston FURY Beast DDR5」の検証ではメーカー動作確認済みのOCプロファイルを使用することによって、Intel第12世代Core-S&Z690マザーボード環境においてメモリ周波数5200MHz/CL40のオーバークロックが手軽に行え、安定動作が確認できました。
「Kingston FURY Beast DDR5」にはMicron製DDR5メモリモジュールが採用されていますが、MSI MEG Z690 UNIFYの環境ではMemory Try It!というMSI製マザーボードの機能をベースにいくつか追加の設定を行うことでメモリ周波数5600MHzも安定動作が確認できました。
5400MHzならメモリ周波数&主要タイミング、メモリ電圧だけのカジュアル設定でも安定するので、各自でOCする余地も多少ありそうです。
「Kingston FURY Beast DDR5」はXMPによるOC対応かつメモリヒートシンク搭載ですが、全高35mmのロープロファイル設計なので、大型空冷CPUクーラー環境と互換性が高いところも魅力です。
以上、「Kingston FURY Beast DDR5」のレビューでした。
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全高35mmロープロファイルなDDR5メモリキット「Kingston FURY Beast DDR5(型番:KF552C40BBK2-32)」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) November 19, 2021
Intel XMP3.0による5200MHz、手動設定による5600MHzのメモリOCで徹底検証https://t.co/bIkVsSv0x4 pic.twitter.com/7qtXL9AlSL
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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