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KingstonのIntel Xeon W-2400X/3400X環境に対応するFURY Renegade Pro DDR5 RDIMMシリーズから、メモリモジュール当たり32GBの大容量で、Intel XMP3.0による5600MT/sのメモリOCに対応する32GB×4枚組み=128GBのメモリキット「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM(型番:KF556R36RBK4-128)」をレビューします。
製品公式ページ:https://www.kingston.com/en/memory/gaming/fury-renegade-ddr5-pro-rdimm
Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM Memory
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Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM レビュー目次
1.Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMMの外観
2.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
3.Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM KF556R36RBK4-128のメモリOCを試す
4.Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMMのレビューまとめ
---【注意】--------------------------
メモリOCで有名なXMPプロファイルは「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル」の略称でありIntelの策定した規格なので、AMD Ryzen/Ryzen Threadripper環境において”XMPでOCする”等の表現をするのは厳密には正しくありません。
ただしXMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD Ryzen環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能が各社マザーボードのBIOS上に用意されているので、AMD製CPU環境においてもXMPプロファイルを流用したメモリOCを当記事中では便宜上細かいことを気にせずに”XMPを使用したOC”などXMPとして表記します。
ちなみに2022年後半にはXMPのRyzen版である『AMD EXPO Technology』がRyzen 7000シリーズCPUと同時に登場し、各社からEXPO対応メモリが発売されています。
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*メーカーの事情でメモリ速度の単位を”MHz”ではなく”MT/s”としています。基本的に同じと考えて大丈夫です。
【機材協力:Kingston】
Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMMの外観
まず最初に「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」の外観をチェックしていきます。「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」は製品シールをプラスチック製パッケージに貼った、比較的に簡素な梱包でした。
今回入手したのは4枚組みのメモリキットですが、パッケージは8枚組みメモリキットと共通でした。
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」のメモリモジュールは黒色のPCB基板で、その基板両面にメモリチップや各種素子が実装されています。
DDR5 R-DIMMの16GBメモリモジュールは表裏に1枚ずつ間隔を空けて互い違いに計10枚のメモリチップが実装されていましたが、「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (型番:KF556R36RBK4-128)」の32GBメモリモジュールは、表面と裏面にそれぞれ1列フルに計20枚のメモリチップが実装されています。
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」はIntel XMP3.0によるメモリOCに対応していますが、同社製DDR5 U-DIMM製品のFURY Renegade等とは異なり、大型のアルミニウムメモリヒートシンクは搭載していません。
代わりに、メモリモジュールの表に貼り付けられた製品シールは金属箔のような素材になっており、簡易ながら放熱補助の役割を果たすようです。
今回入手した「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (型番:KF556R36RBK4-128)」にはSK Hynix製で定格4800MHzのメモリチップ H5CG44MEBDが使用されています。
一般的なDDR5メモリと同じくPMIC(パワーマネジメントIC)も実装されており、コントローラーはRenesas IDT P8900です。R-DIMMの特長でもあるレジスターバッファもPMICと逆側のメモリモジュール中央にありました。
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」をCPUソケット左右にメモリスロットが8基あるマザーボードに取り付けるとこんな感じになります。
サーバー・WS向けメモリは緑色基板が多いですが、 「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」は黒色基板のメモリなので、W790マザーボードの代表格であるASRock W790 WSとASUS Pro WS W790-ACEにも馴染みます。
メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」の定格動作やXMP/手動設定を使用したオーバークロックの検証を行う前に、検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明をしておきます。「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」の検証を行う環境としては、Intel Xeon w7-2495X&W790マザーボードで構成される検証機を用意しました。
テストベンチ機の構成 | ||
CPU |
Intel Xeon w9-3495X (レビュー) Intel Xeon w7-2495X (レビュー) |
|
M/B | ASRock W790 WS (レビュー) |
ASUS Pro WS W790-ACE (レビュー) |
CPUクーラー | SilverStone XE360-4677 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) Noctua NH-U14S DX-4677 (レビュー) |
|
グラフィックボード |
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
|
システム ストレージ |
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー) | |
OS | Windows 11 Home 64bit | |
電源ユニット |
Corsair HX1500i 2022 (レビュー) | |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。
これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
・「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!
システムメモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがAMD Ryzen CPU登場以前は通説でした。
そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはオススメな買い方だと思っていました。
Intel XMPに対応したOCメモリがあるとはいえ、当時はいまいち安定性が良くないというか、マザーボードとの相性問題が厳しかったのも一因です。今のようにOCプロファイルを当てて一発安定ではなく、各自でOC設定の微調整が必要で、メモリOCの知識を求められました。
その評価が変わり始めたのはAMD Ryzen/Threadripper CPUの登場以降です。
初期のRyzen環境では『Infinity FabricというCPU内外のコンポーネントを相互接続するインターコネクトの動作周波数がメモリ周波数に同期する』という構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することからOCメモリが重要視されました。
性能に影響が大きいと分かるとCPU/マザーボード/メモリの各メーカーが最適化を進めたので、1,2年もするとOCプロファイルを当てればDDR4の3200MHz/C16、3600MHz/C18のような定番設定が一発で動くようになり、メモリOCのハードルがグンと下がりました。
Ryzen 3000/5000シリーズ以降、IF周波数はメモリ周波数/メモコン周波数と非同期設定が可能になったものの、それでも高周波数で1:1同期させた方が低遅延、高性能になるので3600MHz/C16のようなDDR4メモリがスイートスポットとしてAMD公式からもアピールされました。
またIntel環境においても144FPS~360FPSのハイフレームレートなPCゲーミングではCPUボトルネックの緩和にメモリ周波数のOCが効いてきます。
OCメモリの選び方や具体的なオーバークロックの設定方法については、こちらの記事を参考にしてください。
・【できる!メモリOC】 OCメモリの選び方から設定まで完全解説
Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMMのメモリOCを試す
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM(型番:KF556R36RBK4-128)」をIntel Xeon W-2400X/3400X&W790マザーボードの検証機材にセットアップしてメモリオーバークロックの動作検証を行っていきます。32GB×4枚組み128GB容量のメモリキット「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (KF556R36RBK4-128)」にはSPDプロファイルとして、Intel Xeon W-2400X/3400X環境の定格メモリ周波数と同じく、JEDEC準拠で4800MT/sの設定が収録されています。
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (KF556R36RBK4-128)」はIntelプラットフォームのOCメモリ規格、Intel XMP3.0に対応したDDR5メモリとなっており、メモリには5600MT/s(CL36)のOCプロファイルが収録されています。
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (KF556R36RBK4-128)」には5600MT/sに加えて、5200MT/sや4800MT/sのプロファイルも収録されています。
3つのXMPプロファイルはどれを適用するか任意に選択できるので、5600MT/sのOCが動作しない環境や、メモリ枚数/Rankの制限で定格メモリ周波数が4800MT/sより低くなる環境に使用する時に役立つ仕様です。
Intel Xeon W-2400X/3400X環境の定格メモリ周波数は4800MHzですが、この種の代表値は1Rankのメモリモジュールをメモリチャンネル数と同枚数使用した時の速度なので、2Rankメモリ使用時や2DPC構成にするとメモリ速度が下がることがあります。
今回検証する「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (KF556R36RBK4-128)」は32GB×4枚組みのメモリキットですが、特にBIOSから設定を行わない場合、ASRock W790 WSとASUS Pro WS W790-ACEのどちらでも、メモリ周波数4800MHz/CL40の定格動作でした。
前置きはこの辺りにして「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (KF556R36RBK4-128)」のメモリOCを実践していきます。
Intel Xeon W-2400X/3400Xの24コア48スレッドモデル Xeon w7-2495XとW790マザーボードの環境で「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (KF556R36RBK4-128)」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。Intel W790マザーボードにはASRock W790 WSを使用しています。
ASRock W790 WS(BIOS:3.05)の環境では、XMPプロファイルを適用するだけで32GB×4枚組み128GBで5600MT/s(CL36)のメモリOCが安定動作しました。
その他に、ASUS Pro WS W790-ACE(BIOS:0403, 0506)の環境でも、メモリに収録されたXMPプロファイルをするだけで6000MT/s(CL30)のメモリOCが安定動作しました。
なお、ASUS Pro WS W790-ACEではメモリコントローラー電圧に当たるCPU VCCD_HVが自動的に1.240Vに昇圧されるので、手動設定で1.140Vに下げています。
Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMMのレビューまとめ
最後に「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM(型番:KF556R36RBK4-128)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- ヒートシンク非搭載なので空冷CPUクーラーとの互換性に問題なし
- SPDプロファイルはJEDEC準拠の4800MHz, CL40
- 簡単にメモリのOCが可能なXMP3.0プロファイルを収録
- ユーザーが自由に書き換え可能なプロファイルが2つ
- Intel Xeon W-2400X/3400X環境において32GB×4枚組み128GBが
XMPによって5600MT/s, CL36で正常動作
ASRock W790 WSとASUS Pro WS W790-ACEで動作確認済み - 5200MT/s(CL36)や4800MT/s(CL36)のXMPプロファイルも収録
- R-DIMMなのでXeon W-2400/3400など一部の対応環境でのみ使用可能
- OC選別モデルなので32GB×4枚組みで12万円と非常に高価(2023年6月)
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM (KF556R36RBK4-128)」の検証ではメーカー動作確認済みのOCプロファイルを使用することによって、Intel Xeon W-2400X/3400X&W790マザーボード環境において、32GBメモリモジュールの128GBという大容量でメモリ周波5600MT/s(CL36)のオーバークロックが手軽に行え、安定動作が確認できました。
「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」には2023年7月現在、16GBメモリモジュールの4/8枚組みなら最速で6000MT/sのモデルが販売されており、性能を追求する人に最適な製品ですが、一方で容量を求める人には、今回レビューしているKF556R36RBK4-128のようにXMPが対応するOC設定は最速で5600MT/sに下がりますが、32GBの大容量メモリモジュールの製品もラインナップされています。
32GBの大容量メモリモジュール、合計容量128GB/256GBのメモリキットでXMPによるOCに対応しているDDR5 R-DIMMは現状で希少なので、容量と性能の両立を求める人にはありがたい製品です。
サーバー・WS向けのXeon WでメモリOC?と敬遠する人がいるのも事実ですが、倍率アンロックなX付モデルが展開されているように、Core-X後継という側面もあるので、個人用のハイエンドデスクトップやパーソナルWSとして運用したい人にはオススメです。
Intel Xeon W-2400X環境のマザーボードとしては代表的なASRock W790 WSとASUS Pro WS W790-ACEにおいて安定動作しているので、Xeon W-2400XでメモリOCをしたいなら、Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMMを選んでおけば間違いありません。
以上、「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM」のレビューでした。
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メモリモジュール当たり32GBの大容量で、Intel XMP3.0による5600MT/sのOCに対応する4枚組み128GBのメモリキット「Kingston FURY Renegade Pro DDR5 RDIMM(KF556R36RBK4-128)」をレビューhttps://t.co/3s21zXDWXZ pic.twitter.com/uH7omv3jMD
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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