モンハンワイルズ 公式ベンチは役立たず


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ソロでもマルチでも楽しめる大人気、狩猟アクションゲームの最新作「Monster Hunter Wilds (モンスターハンター ワイルズ)」はPC版も同時発売されるので、ゲーミングPCやグラフィックボードを評価できる公式ベンチマークが公開されました。

同ベンチを使用して、個人によるSNSで動作報告、テック系メディアでベンチマーク比較も続々と出てきていますが、率直に、モンハンワイルズ用ゲーミングPCのスペック確認として当てになりません。公式ベンチのスコア(平均FPS)や快適動作指標をそのまま信じるのは非推奨です。
単純なグラボの性能比較用と割り切るなら再現性も高そうでいいのですが、”モンハンワイルズ PC版が快適に動くかどうか”となると話が変わります。

そのままでは延々とループ再生するだけの店舗ゲーミングPCコーナーのデモツールとしてしか使えないというのが正直な感想です。その使い方もベンチのフレームレートを見て参考にした客からクレームがきそうですが。


モンハンワイルズ 公式ベンチが使い物にならない理由は大きく2つです。
  • ボス戦闘シーンがなく、負荷の軽いシーンが大半を占めている
  • フレーム生成を使って60FPSの快適水準を判断 【解説】、しかも任意操作ができないベンチで

この記事では特に重要な1つ目の問題について説明します。

2つ目について、任意操作できないムービー式ベンチマークソフトであるという点が遅延関連に詳しくない人にはかなり罠ですが、どちらにせよ、核心である『フレーム生成ありで60FPSの快適水準を判断する』のがマズい理由は、先日のベンチマーク記事でも触れた内容なので割愛します。






ボス戦闘シーンがなく、実際はFPSが4割下がる

Monster Hunter Wilds (モンスターハンター ワイルズ)の公式ベンチマークソフトは無料で誰でも使用できるので詳細は割愛しますが、内容(テストシーン)はバーラハーラ追走ムービーシーン、セクレトに乗ってフィールド移動の主に2つ、おまけで料理を囲んで食事シーンです。

フォトリアルなムービーシーン、オープンワールド並みの広く美しいマップ探索、飯テロとも呼ばれる食事は本作を彩る要素ですが、モンハンワイルズにおいて最も重要なコンテンツはレダウなど大型ボスモンスターとの戦闘です。
そもそも、それを欠いたベンチマークがゲームを快適にプレイできる環境(GPUやCPUなどPCスペック)を評価するものとして成り立つのか、という話です。
Monster Hunter Wilds Beta test 2024_11_04 2_15_03

ムービーシーンやフィールド移動のほうがGPU負荷が高い(フレームレートが下がる)ということであれば、ワーストケース参照ということで納得できるのですが、モンハンワイルズについてはオープンベータテストのベンチ結果ではあるものの、同等のグラフィック設定においてレダウとの戦闘シーンでは公式ベンチマークの平均FPSよりもフレームレートが4割も下がります。
なお公式ベンチマークソフトについて同じシーンで確認するとOBTに対する性能改善は5%程度でした。
Monster Hunter Wilds Beta test 2025_02_08 19_37_24-horz
(*ボス戦闘シーンのフレームレートに対して公式ベンチマークソフトでは35%~40%水増しされた平均FPSがスコアになりました)

4割下がることが分かる人ならそのつもりで逆算すればOKですが、公式ベンチマークを使う、参照する人はゲーミングPCのスペックやGPU・CPUに疎い人なので、当然、公式ベンチの結果や快適評価を鵜呑みにすると思います。
公式ベンチで平均60FPSのゲーミングPC、グラフィックボードを購入して、『よし、ボス戦闘だ』となった途端に、44FPSくらいしか出ない…、そういうことが普通にあり得るベンチです。
モンハンワイルズ 公式ベンチは役立たず


モンハンワイルズ PC版が快適に動作するかどうかにおいて、公式ベンチマークソフトを使用して、〇〇がオススメと評価されていても参考になりません。(ベンチ結果の数字だけみて各自で逆算して判断する分にはかまいませんが)
OBTベースのベンチマークでもフィールド移動をテストシーンにしている比較はやや怪しく、ボス戦闘シーンになると2割か、フィールド選びが悪いと3割くらいはフレームレートが低くなるように思います。

製品版ではボス戦闘の負荷が下がる可能性も否定はできませんが、公式ベンチマークソフト内でも遠景やオブジェクト多数の重いシーンになるとフレームレートはベンチ全体の平均値(ベンチマークスコア)から大きく下がるので、正直なところ製品版におけるこれ以上のパフォーマンス改善は期待薄だと思います…。
Monster Hunter Wilds Benchmark 2025_02_08 20_21_24 (1)


一応、公式ベンチマークソフトとオープンベータテストを比較したところ、製品版ではオープンベータテストよりも5%程度の性能改善が期待できると分かりました。
製品版におけるボス戦闘シーンの参考として、昨年11月に作成したOBTによるボス戦のGPU別ベンチマーク比較を全て5%増しにするとこうなります。
やはり、『モンハンワイルズ PC版はRTX 4070未満お断り』激重ゲームです。
Monster Hunter Wilds_pc_bench_gpu_1920

GeForce RTX 4060 Tiはグラフィック設定を下げればなんとかネイティブレンダリング(フレーム生成なし)で平均60FPS行けそうですが、いまさらGeForce RTX 4060 Ti以下を用意するなら、モンハンワイルズは”PS5 Pro Enhanced”対応なのでPlayStation 5 Proを買った方が確実に高コスパです。
PS5 Pro Enhanced対応_soec




モンハンワイルズ PC版を快適にプレイ可能な、オススメのグラフィックボードやCPU、ゲーミングPCスペックについて迷っている人はこちらの記事を参照してみてください。




補足

モンハンワイルズ 公式ベンチマークソフトに関する上記説明の前提になっている検証結果についていくつか補足です。

第2次OBTのパフォーマンスは第1次OBTと同じ

オープンベータテストのフィードバックを受けて製品版ではフレームレート等のグラフィックパフォーマンスを含め各種ブラッシュアップが行われている一方、カプコン公式から第2次OBTにはこれら改善は含まれていないとも発表されています。

一応確認してみましたが、第1次OBTと第2次OBTのベンチマーク結果はほぼ同じでした。
レダウとの戦闘シーンを使っているので、ランダム行動の影響を受けて、ややバラつくのですが、公式発表の通り第2次OBTはコンテンツ追加だけで、パフォーマンス面は第1次OBTままと考えていいと思います。
Monster Hunter Wilds_pc_bench_beta_v1-vs-v2


公式ベンチとOBT(第2次)の性能差は5%程度

第2次OBTにはパフォーマンス関連の修正は含まれていないようですが、モンハンワイルズ公式ベンチマークソフトについてはおそらく製品版と同等仕様にアップデートされているものと思います。

公式ベンチマークソフトで採用されている
  • バーラハーラの追走ムービーシーン
  • フィールド移動シーン(荒廃期のみ、高台で豊穣期に変わるまで)
についてはオープンベータテスト内でも比較的に再現が容易だったので、当サイトで行っているグラボ・CPU別ベンチマーク比較と同じ高設定プリセットベースのグラフィック設定に統一して比較してみたところ、公式ベンチにおける性能改善は5%程度でした。
RTX 4070で確認したので、下位GPUはもう少し伸びるかもですが、せいぜい10%くらいではないかと。OBTベンチ内でも同世代GPU間での性能比率は一般的なものと大差ないので、RTX 4070で大きく向上しないなら、他もそう大きくは変わりません。
Monster Hunter Wilds_pc_bench-vs-beta (1)

ムービーシーンで公式ベンチマークソフトのほうが最小FPS(1% Low)が低い理由については、なぜかちょくちょくスタッター的にフレームタイムが大きくなっていたのが原因です。なぜそうなったのか理由は分かりません。
Monster Hunter Wilds_pc_bench-vs-beta (3)




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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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