ROCKITCOOL 12th Gen Delid & Relid Kit


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Intel第12世代Alder Lake-Sの最上位、16コア24スレッド倍率アンロックモデルIntel Core i9 12900KをROCKIT COOL製殻割りツール「ROCKITCOOL 12th Gen Delid & Relid Kit」で殻割り、さらにオリジナル銅製IHS「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」に換装し、冷却性能を比較検証します。
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公式通販ページ:
殻割りツール:https://rockitcool.thebase.in/items/58423943
銅製IHS:https://rockitcool.thebase.in/items/58512845



レビュー目次


1.ROCKIT COOL 殻割りツールについて
2.ROCKIT COOL 銅製IHSについて


3.殻割りツールでIntel第12世代CPUを殻割り
4.Intel第12世代CPUのSTIMを除去して綺麗に研磨
5.Intel第12世代CPUをクマメタル化、IHSを再装着


6.殻割りクマメタル化&銅製IHSの冷却性能を検証



【機材協力:ROCKIT COOL Japan】



ROCKIT COOL製殻割りツールについて

まずは今回の殻割り検証に使用する、ROCKIT COOL製殻割りツール「ROCKITCOOL 12th Gen Delid & Relid Kit」について紹介します。
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殻割りに使用するDelidツールは、ベースプレート、万力付きカバー、固定ネジ×3、六角レンチ2種類です。
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Intel第12世代CPUの殻割りツールではPCB基板上の素子と干渉しないように、ヒートスプレッダを右方向にずらす構造になっています。
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殻割り後に純正品やROCKITCOOLの銅製ヒートスプレッダを再装着する時に、正確に位置合わせをするRelidツールも付属しています。
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その他の付属品として、STIM除去剤、綿棒2本、木串(シーリングを剥がすのに使う)、FLITZ Polish(研磨剤)、ROCKITCOOLロゴシールがあります。
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「ROCKITCOOL 12th Gen Delid & Relid Kit」でIntel第12世代CPUを殻割りする時に、その他に必要なものを紹介します。
まず確実に必要になるのは、IHSを再固定するのに使用するシーリング材と、基板上のチップ素子を絶縁保護するための絶縁・耐熱接着剤です。シーリング材については「Permatex ウルトラブラック」、絶縁・耐熱接着剤については「COM-G52」や「Thermal Grizzly TG SHIELD」がオススメです。
STIMを除去する「ROCKITCOOL Quicksilver」は第12世代CPUでは殻割りツールに付属するので各自で用意する必要はありません。ちなみにCPUダイに塗る量と合わせて十分にあるのであれば、クマメタル等の液体金属でも代用できます。
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オプションとして、あれば殻割り作業で便利なツールを紹介すると、シーリングの除去では「オルファ 鉄の爪スクレーパー T-25」と「KURE エレクトロニッククリーナー」、STIM除去の下処理には「SK11 カーボンスクレーパー」がオススメです。これらの使い方については殻割り手順の詳細で紹介します。
あとは消耗品ですが、アルコール系のウェットティッシュ、綿棒、爪楊枝が十分量あると安心です。
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ROCKIT COOL 銅製IHSについて

ROCKIT COOLからはIntel第12世代CPUの殻割りで一緒に使用する、オリジナル銅製IHS「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」も発売されています。
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「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」はCNCフライスによる高精度加工によって製作された全銅製のヒートスプレッダです。
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「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」の改良ポイントとして、CPUダイ外周に合わせて(よりも少し大きめに)、枠が削ってあるので、液体金属を塗り広げる範囲が一目で分かります。
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表面は鏡面ほど研磨されておらず、鏡像はボヤ蹴る感じですが、冷却性能的には問題ないレベルで平滑化されています。
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見ての通り、「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」はIntel第12世代Core CPUの純正IHSよりもCPUクーラーと接する面積が広くなっており、冷却性能(熱交換性能)に優れています。
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「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」は純正IHSよりも厚みが若干大きいところも注目ポイントです。
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Intel第12世代CPUはLGA1700ソケットのリテンション圧でヒートスプレッダが曲がってしまい、冷却性能が下がる可能性もあるので、厚みが増して曲がり難くなっているのは嬉しいポイントです。ワッシャーMODも組み合わせれば隙がありません。


また「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」の重量は33gなので、同素材として単純計算すると、第12世代CPU純正IHSよりも10%以上も大きいバッファ性能があります。
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また「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」を使用するのであれば、第12世代CPUの殻割りではCPUダイとヒートスプレッダのSTIM除去作業のうちヒートスプレッダ側の除去作業が省略できるので、作業の簡単化という意味でもオススメです。
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ROCKIT COOL製殻割りツールでIntel第12世代CPUを殻割り

Intel第12世代CPUに対応する殻割りツール「ROCKITCOOL 12th Gen Delid & Relid Kit」についての簡単な紹介も済んだので早速、Intel第12世代CPUの殻割りを実践していきます。

殻割り手順についてはカッターによる刃入れの下処理も含めて3分程度の動画にまとめてあります。「ROCKITCOOL 12th Gen Delid & Relid Kit」を使えば非常に簡単に殻割りができます。


Intel第12世代CPUは純正ヒートスプレッダを固定しているシーリングが硬めなので、各自お好みで下処理としてカッターの刃入れをしておくとツールで割るのが簡単になります。
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Intel第12世代CPUのヒートスプレッダ(IHS)はPCB基板から0.2~0.3mm程度浮いており、「オルファ 0.2mm 超極薄刃」を使うと割と簡単に刃が入ります。
万力法でズラしやすくするのが目的なので、シーリングを全て除去する必要はなく、カッター刃を入れやすく、基板上の素子から距離があるシーリングだけカットすればOKです。
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ROCKITCOOL製殻割りツールでIntel第12世代CPUの殻割りを行う際は、CPUの向きが決まっているので、PCB基板と殻割りツールの△マークの位置が揃うように注意してください。
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台座に設置したCPUの向きが正しいことを確認したら、万力パーツ(蓋)を被せ、付属の六角レンチを使用して、六角ねじで固定してください。
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Intel第12世代CPUのTIMはソルダリングっぽいSTIMなのでヒートガンで温めなくていいの?と疑問に思うもしれませんが、ソルダリングほど固くないので、そのまま殻割りツールの万力を締めてズラせばOKです。
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以上で殻割りが完了です。ROCKITCOOLのツールではお馴染みですが、Intel第12世代CPUでもいつも通りほぼノーリスクで簡単に殻割りできました。
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Intel第12世代CPUのSTIMを除去して綺麗に研磨

Intel第12世代CPUの殻割り液体金属化の作業において、最大の難関となるSTIMの除去作業について紹介します。

まず最初に下処理その1として、CPUダイ周辺に実装されたチップ素子を絶縁保護します。前後しても大きな問題はないのですが、後述の作業における素子の破損防止にもなるので最初にやってしまうのがいいと思います。
絶縁・耐熱接着剤については「COM-G52」や「Thermal Grizzly TG SHIELD」がオススメです。
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IHS内部に位置するチップ素子を覆うように絶縁保護剤を塗り重ねます。面積も小さいので30分か、余裕を持って1時間ほど硬化を待ちます。
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最初に下処理その2として、純正ヒートスプレッダを固定していたシーリングを除去します。
シーリング除去はそのまま爪でゴシゴシ削っても何とかなりますが、「オルファ 鉄の爪スクレーパー T-25」と「KURE エレクトロニッククリーナー」を使う手順がオススメです。
まずはスクレーパーを使ってシーリングの厚みのある部分を桂剥き的に削ります。PCB基板上には小さいチップ素子が実装されているので、破損しないよう注意してください。
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スクレーパーで厚みのある部分を削っても薄っすらとシーリングが残ってしまうので、エレクトリッククリーナーを使います。エレクトリッククリーナーを吹き掛けてから爪で擦ると、薄っすら残ったシーリングも簡単に剥がすことができます。
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ここからが本題、Intel第12世代CPUのSTIM除去です。
最初に基板の保護するため、また作業が楽になるので、殻割りツールのベースにPCB基板を設置し、CPUダイだけが露出するようにマスキングテープで覆ってしまいます。
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まずは「SK11 カーボンスクレーパー」を使用します。必須ではありませんが、これで下処理をしておくとQuicksilverなど液体金属を使用したSTIMの除去が楽になります。
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カーボン製なのでCPUダイの上を擦ってもダイ本体を損傷させる心配はありません。不安であれば先にIHS側を削って具合を確かめてみてください。


左側の殻割り直後の状態から右側のような状態になるまで、CPUダイ表面、ゴツゴツと厚みのあるSTIMを削ってならします。
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Intel第12世代CPUのSTIMは「ROCKITCOOL Quicksilver」を塗布することで溶かすことができます。(もしくはCPUダイに塗布する分も含めて十分量があるのであれば液体金属でも代用可能)
ただし、Quicksilver単独だと全てを溶かすのはかなり手間になるので、上で紹介したように下処理としてカーボンスクレーパーで表面は削ってしまうのがオススメです。
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Quicksilverは質感としては液体金属そのものです。CPUダイやヒートスプレッダのSTIM上に2,3mmで一滴垂らして、綿棒で擦り広げます。
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Quicksilverを全体に広げ、擦りながら数分放置したらティッシュ等で拭います。STIMの金属質な凸凹(下写真の手前のような)が無くなるように溶かしていきます。
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1滴垂らして広げて擦る、の作業を2,3回も繰り返せば十分かと。状態を上手く伝えるのが難しいのですが、下の写真くらいの状態になればOK。
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最後にCPUダイやヒートスプレッダの表面を研磨します。
研磨剤にはQuicksilverに付属する「Flitz Polish」を使用します。Flitz Polishは日本国内で取り扱っている代理店があるので、国内Amazonからチューブタイプのものも購入できます。
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Flitz PolishをCPUダイの上に出して綿棒やティッシュで擦ります。Quicksilverで上の写真くらいにSTIMが溶かせていれば、ティッシュでゴシゴシと1分弱擦るだけでCPUダイの鏡面が出てくるはずです。
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最後にウェットティッシュや無水エタノールを使って研磨剤等を綺麗に拭き取ればSTIMの除去とCPUダイの研磨は完了です。純正ヒートスプレッダを使いまわす場合は、同様の手順でSTIMの除去と表面の研磨を行います。
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以上の手順で頑張って磨くとCPUダイがしっかりと鏡面になってくれます。
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Intel第12世代CPUをクマメタル化、IHSを再装着

Intel第12世代CPUの殻割り液体金属化の作業も最大の難所であるSTIMの除去作業さえクリアできれば、クマメタルの塗布とヒートスプレッダの再装着だけなので簡単です。

殻割り後に塗布する液体金属グリスについて、管理人はクマメタルこと「Thermal Grizzly Conductonaut」を使用しています。
液体金属は導電性があるのでCPUクーラーとヒートスプレッダの間には怖くてなかなか使えませんが、ヒートスプレッダでほぼ密封してしまうので、殻割り後に再塗布する熱伝導素材としては抜群に冷えるのでおすすめです。
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「Thermal Grizzly Conductonaut」にはアルコールパッドが付属しているので最初にしっかりと脱脂します。液体金属を1滴乗せ、CPUダイ本体とヒートスプレッダのダイに接触する部分にクマメタルを塗り広げます。写真の量でも少し多いくらいです。
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脱脂がしっかりとできていれば液体金属は綿棒で擦るだけで比較的簡単に広がります。
「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」はCPUダイ外周に合わせて(よりも少し大きめに)、枠が削ってあるので、液体金属を塗り広げる範囲が一目で分かります。
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次にPermatex ウルトラブラックなどのシール材をPCB基板に塗ります。ティッシュの上などにチューブから適度にシール材を出しておき、爪楊枝で少量ずつ拾いながら塗り広げます。
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シール材を十分に塗ったら、ヒートスプレッダの位置合わせフレームを装着します。Intel第12世代CPUの位置合わせフレームは純正ヒートスプレッダとオリジナル銅製ヒートスプレッダで共通です。
従来製品と違って位置合わせフレームはベースにはめ込む構造ではなくなっているので、ネジ止めしないとフレームの位置がズレてしまいます。下写真のように2カ所だけネジ止めしてフレームが動かないようにします。
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位置合わせフレームにも▲マークがあります。過去製品と違ってベースにはめ込む枠がなく裏表が分かり難いので、表裏含めてベースと向きが一致していることを確認してください。
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位置合わせフレームのガイドに合わせてヒートスプレッダを乗せます。
「ROCKITCOOL Copper IHS for 12th Gen」は表面右下にある丸い窪みが、PCB基板や位置合わせフレームの▲マークと一致するようにしてください。
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固定ネジでヒートスプレッダをしっかりと圧着したら、シール材が十分に硬化するまで12~24時間ほど放置して、殻割りクマメタル化完了です。
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殻割りクマメタル化&銅製IHSの冷却性能を検証

さてここからは本題となるROCKITCOOL Copper IHS for 12th Genも使用して殻割りクマメタル化したCore i9 12900Kの冷え具合についてチェックしていきます。
Z690マザーボード「ASUS ROG MAXIMUS Z690 HERO」などを含む検証機材を使用しました。テストベンチ機の詳細構成については下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 12900K (レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36(レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 RGB
F5-6000U3636E16GX2-TZ5RS
DDR5 16GB*2=32GB (レビュー
マザーボード
ASUS ROG MAXIMUS Z690 HERO
レビュー
ビデオカード MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 980 PRO 500GB(レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー

システムメモリの検証機材には、高級感のあるヒートシンクや8分割ARGB LEDを搭載してデザイン面でも優れ、16GB×2枚組み32GBの大容量で6000MHz/CL36のメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 RGB F5-6000U3636E16GX2-TZ5RS」を使用しています。
「G.Skill Trident Z5 RGB」をレビュー。XMPで6000MHz OCに対応!
G.Skill Trident Z5 RGB

360サイズや240サイズなど120mmファンを複数搭載できるマルチファンラジエーターの簡易水冷CPUクーラーを使用するのであれば、「Noctua NF-A12x25 PWM」への換装もおすすめです。
「Noctua NF-A12x25 PWM」は、超硬質かつ軽量な新素材「Sterrox LCP」の採用によってフレーム-ブレード間0.5mmの限界を実現させた次世代汎用120mm口径ファンとなっており、1基あたり3500円ほどと高価ですが、標準ファンよりも静音性と冷却性能を向上させることができます。
「Noctua NF-A12x25 PWM」を360サイズ簡易水冷に組み込む
Noctua NF-A12x25 PWM x3

ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 980 PRO 500GB」を使用しています。Samsung SSD 980 PROは、PCIE4.0対応によって連続アクセススピードを最大で2倍に飛躍させただけでなく、ランダム性能の向上によってSSD実用性能においても前世代970 PROから大幅な向上を果たし、PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDよりも高速なので、これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 980 PRO 1TB」をレビュー。堂々の最速更新
Samsung SSD 980 PRO 1TB


CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。


グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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今回、Core i9 12900Kの殻割りクマメタル化の冷却性能を検証するために、同じCPU個体について「標準IHS&標準TIM」と「標準IHS&クマメタル」の2種類で負荷テストを行いCPU温度を比較しました。
CPU温度は環境温度にも影響されるため測定時は室温(ベンチ機付近の温度)が同じになるよう温度計を見て注意しました。CPUクーラーには「Fractal Design Celsius S36」&「Noctua NF-A12x25 PWM x3」を使用していますがファン回転数は1500RPMに固定しています。
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またCPUソケットには0.8mmでワッシャー挿入MODも行っています。


検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間7分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)をソースとしてAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。Core i9 12900Kは16コア24スレッドのCPUなので、同じ動画のエンコードを3つ並列して実行し、30分程度負荷をかけ続けます。ストレステスト中のファン回転数は一定値に固定しています。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
Core i9 12900K-OC_Stress-Test


まず、Core i9 12900KのOC設定は、「P-Core All:5.1GHz」「E-Core All:4.0GHz」「CPUコア電圧:1.320V(固定モード)」「L2キャッシュ電圧:1.100V(固定モード)」としています。
メモリのOC設定は検証機材に使用しているKingston FURY Beast DDR5(型番:KF552C40BBK2-32)のXMPプロファイルを適用し、「メモリ周波数:5200MHz」「メモリ電圧:1.250V」「メモリタイミング:40-40-40-80-CR2」としています。
12900K_OC-BIOS

Core i9 12900Kの「純正IHS&純正STIM」と「銅製IHS&クマメタル」について負荷テスト中のCPU温度の推移を比較したグラフは次のようになっています。
Core i9 12900KのCPUダイとヒートスプレッダの間はSTIMなのでシリコングリスが採用されていた旧世代CPUほどではないものの、標準のSTIMから殻割りによってクマメタルに塗り替え、さらにオリジナル銅製IHSのCopper IHS for 12th Genを使用することによって、標準IHS&STIMと比較して、全コア5.1GHzにOCしたCore i9 12900Kにおいて最大温度で9度、平均温度で8.4度の温度低下が確認できました。
Intel Core i9 12900K_ delid_temp_51_40_1350

クマメタルよりも冷えないため酷評される傾向があるものの、Intel第12世代CPUに採用されているSTIMはシリコングリスと比べれば良質なソルダリングに近い熱交換性能を実現しているので、TIMとしてシリコングリスが使用されていた第8世代以前のように20度前後の大幅な温度低下は見込めないものの、5.1GHzにOCしたCore i9 12900Kにおいてはオリジナル銅製ヒートスプレッダも使用した殻割りクマメタル化で8~9度程度の温度低下が確認できました。

STIM除去の手間を考えると若干、二の足を踏む感はあるものの、温度低下の効果自体は確実に期待できますし、ROCKITCOOL製殻割りツールを使用し、紹介している作業手順を踏襲すれば殻割りクマメタル化で破損する心配はほぼないので、手間を惜しまずOCによる常用限界を追及するのなら検討してみる価値はあると思います。

以上、『Core i9 12900Kの殻割りクマメタル化&銅製IHSの冷却性能を検証』でした。
ROCKITCOOL 12th Gen Delid & Relid Kit



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