SilverStone IceGem 360


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ジュエリーなダイヤモンドカットデザインの天面がアドレッサブルLEDイルミネーションによって煌めく水冷ヘッドを搭載した360サイズ簡易水冷CPUクーラー「SilverStone IceGem 360(型番:SST-IG360-ARGB)」をレビューします。
Core i9 10900KとRyzen Threadripper 3970Xの二大発熱の大きいCPUを使用して、「SilverStone IceGem 360」に搭載されたSilverStone独自設計水冷ヘッドの冷却性能を徹底検証していきます。

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代理店公式ページ:http://www.dirac.co.jp/sst-ig240p-argb-ig280-argb-ig360-argb/
製品公式ページ:https://www.silverstonetek.com/product.php?pid=951&bno=40&tb=21&area=jp
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レビュー目次


1.SilverStone IceGem 360の梱包・付属品
2.SilverStone IceGem 360の水冷ヘッドと水冷チューブ
3.SilverStone IceGem 360のラジエーターと冷却ファン
4.SilverStone IceGem 360の検証機材とセットアップ
5.SilverStone IceGem 360のLEDイルミネーション
6.SilverStone IceGem 360のファンノイズと冷却性能
7.SilverStone IceGem 360のレビューまとめ




【機材協力:SilverStone】



SilverStone IceGem 360の梱包・付属品

まずは「SilverStone IceGem 360」の外観や付属品をチェックしていきます。
「SilverStone IceGem 360」の製品パッケージはスリーブ箱から中箱を取り出すタイプではなく、N式箱で蓋を開くタイプになっていました。簡易水冷クーラーのパッケージは大きいのでスリーブ箱の場合中身の取り出しが面倒だったりするためこの構造は好印象です。ただ開封時にスペースを取るので長辺ではなく短辺方向(写真で言うと横ではなく奥向き)に開く構造にして欲しかったです。
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製品パッケージを開くと内容品に合わせた形のパルプモールドをスペーサーとして、CPUクーラー本体や各種付属品が収められていました。
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まずは各種付属品をチェックしていきます。
マウントパーツ関連を詳しく見ると、バックプレート、AM4用保護シール、スクリューピラー×4、スクリューピラー固定用スペーサー×4、黒色プラスチック製スタンドオフ×4、スプリング付きローレットナット×4、熱伝導グリスとなっています。
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Intel LGA2066用スタンドオフスクリュー(黒色)×4、AMD TRX4用スタンドオフスクリュー(銀色)×4も付属しています。
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水冷ヘッドに標準で装着されているIntel LGA1200/LGA2066用リテンションブラケットに加えて、AMD AM4用リテンションブラケットとAMD TRX4用リテンションブラケットも付属します。
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ラジエーター/ファン固定ネジ類については、ラジエーターにファンを固定するための長ネジが4本×3セットで径12本、ラジエーターをPCケースに固定するための短ネジが4本×3セットで径12本ずつ付属します。
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360サイズラジエーター搭載モデルの「SilverStone IceGem 360」は120mmファン冷却ファンを3基使用するのでPWM対応4PINファン端子用の3分岐ケーブルが付属します。240/280サイズの「SilverStone IceGem 240/280」の場合は2分岐ケーブルが付属します。
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「SilverStone IceGem 360」は水冷ポンプの電源をマザーボード上の3PINファン端子もしくは4PINファン端子から取得する構造になっていますが、SATA電源端子から電源を取得できる変換ケーブルも付属します。ただ2019年現在に発売されている最新マザーボードであれば、2A以上の出力で水冷対応ファン端子があるので変換ケーブルの出番はないと思います。マザボのファンコンに依存せずフルスピードで使用したい場合に使う感じでしょうか。
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LEDイルミネーション関連では、SATA電源による給電でARGB LEDのライティング制御が可能なイルミネーションコントローラーが標準で付属しています。
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LEDイルミネーション関連のオプション的なケーブルとして、ARGB対応VD-G型汎用3PINヘッダーを2分岐するケーブル、そして「SilverStone IceGem 360」で採用されている独自ミニコネクタを変換してマザーボードから制御、SATA電源から給電を可能にする変換ケーブルが付属しています。
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簡易水冷CPUクーラー本体は水冷ヘッドとラジエーター共にビニール袋に包まれています。
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ラジエーターの放熱フィンは出荷前のメーカーによる梱包やユーザーが取り出し時に誤って握ってしまったりして潰してしまうことが多いので厚紙スリーブで保護されている配慮はありがたいです。
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SilverStone IceGem 360の水冷ヘッドと水冷チューブ

続いて「SilverStone IceGem 360」の水冷ヘッド本体をチェックしていきます。
「SilverStone IceGem 360」の水冷ヘッドは、1辺70~75mm程度の立方体のような形状(正確には角が丸まって八角柱)となっており、側面の黒色外装はプラスチック製です。水冷ヘッドのサイズは簡易水冷CPUクーラーの中でもかなり大きい部類だと思います。
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「SilverStone IceGem 360」の最大の特長とも言える水冷ヘッド天面は、ジュエリーなダイヤモンドカットデザイン、アドレッサブルLEDイルミネーションによって煌めくのもポイントですが、そのままでもキラキラ感が凄いです。
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SilverStone IceGem 360の水冷ヘッドからは、水冷ポンプへの給電および回転数取得用の3PINファン端子と、水冷ヘッドに内蔵されたLEDイルミネーションへの給電およびライティング制御用のARGB対応独自ミニコネクタLEDケーブルが伸びています。LEDケーブルの先端はオス端子とメス端子の2本に分岐しています。
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SilverStone IceGem 360の水冷ポンプは上述の通り3PINファン端子から電源供給を行うので、マザーボードのPWM信号による速度調整には非対応です。定格(最大)ポンプ回転数は3000RPMと仕様で表記されていますが、マザーボードファン端子接続時のポンプ速度は2900RPM前後でした。
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一般に多くの簡易水冷CPUクーラーで水冷ヘッド内のポンプには単相4極モーターが採用されるのに対して、「SilverStone IceGem 360」は三相六極モーターを採用することにより、スムーズで静音性に優れた動作を可能にしています。
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「SilverStone IceGem 360」のCPUと接触するベース部分は銅製になっており、銅製ベースプレートは鏡面というほどには磨き上げではありませんが、滑らかな表面に研磨されています。
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「SilverStone IceGem 360」は水冷ヘッドの外径だけでなく、銅製ベースプレートがCPUと接触する部分も非常に巨大です。ベースプレート接触部の寸法は縦52mm×横70mmとなっており、上下端にネジ穴が被るものの、既存のCPUと比較して超大型なRyzen Threadripperの68mm×51mmのCPUヒートスプレッダを完全にカバーできます。
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「SilverStone IceGem 360」にはIntelプラットフォーム用1種類とAMDプラットフォーム用2種類のブラケットの計3種類が付属します。標準ではIntelプラットフォーム用ブラケットが装着されていますが、スライド構造で簡単にブラケットは交換が可能です。
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「SilverStone IceGem 360」の水冷チューブは、水冷ヘッド側面から直角のロータリーエルボーを介して伸びています。
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水冷ヘッドのデザイン的には方向の区別はありませんが、リテンションブラケットのスライド方向が決まっているので、AMD AM4プラットフォームではCPUソケットの右側、AMD TRX4プラットフォームではCPUソケットの下側から水冷チューブを伸ばす形になります。水冷ヘッドのサイズが大きいので、AMD AM4プラットフォームではチューブとメモリスロットの干渉に注意が必要です。
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L字エルボーの水冷ヘッド側はロータリー式になっているので両側ともにチューブ同士が干渉しない範囲で180度自由に動かすことができます。根本の距離は十分にあるのでロータリーの可動域も広くなっています。
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水冷チューブには高耐久な耐熱性ゴムチューブを採用、上から柔軟性に優れ摩耗防止に適したファイバースリーブが巻かれており取り回しにも優れています。
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「SilverStone IceGem 360」の水冷チューブの長さは400mmほどです。十分な長さがあるのでミドルタワー程度のPCケースであればトップやリアだけでなく、フロントのファンマウントスペースにもラジエーターを設置できます。
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水冷チューブの外径は13mm程と比較的太めなのでチューブ折れや潰れの心配はあまりありませんが、10mm以下のものと比較すると曲げ難さを感じます。とはいえ大型ラジエーター搭載モデルなのでミドルタワー以上のPCケースに搭載することが前提になっており水冷チューブの取り回しにさほど困ることはないと思います。
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SilverStone IceGem 360のラジエーターと冷却ファン

続いてSilverStone IceGem 360のラジエーター部分をチェックしていきます。
ラジエーターのデザインは一般的なもので、他社製の簡易水冷クーラーの一部モデルに採用されているように独自デザインではなく汎用的なものが使用されていました。
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「SilverStone IceGem 360」のラジエーター側のチューブの根本の傍には見慣れないポートが1つありました。単純に製造時のクーラントのフィルポートか、ゴム製プラグが装着されているので、内圧の調整弁の役割もあるような気がします。
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「SilverStone IceGem 360」の放熱フィンのピッチについては水冷ユーザー視点で言うと少し密度が高いと感じました。密度が高い分、放熱フィンの放熱性能は高まりますが、静圧の低いケースファンや低回転数動作の場合、十分なパフォーマンスを発揮できない可能性もあるので注意が必要です。
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管理人が本格水冷向けのラジエーターとして推奨している「Alphacool NexXxoS Full Copper ラジエーター」シリーズのフィンピッチと比較すると、「SilverStone IceGem 360」のフィンピッチのほうが細かいのがわかると思います。
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ラジエーターの厚さは一般的な27mm厚です。25mm厚の冷却ファンと組みわせることになるので、ファン&ラジエーターマウントスペースのクリアランスは52mmほど必要になります。
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「SilverStone IceGem 360」にはAPA1225H12という型番(PFシリーズ付属ファンと同じ型番ですが形状がかなり違います)の120mm角サイズ冷却ファンが3つ付属します。市販はされていないので、ファンが故障した場合は別の製品を用意する必要があります。
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「SilverStone IceGem 360」の付属ファンは600~2200RPMで速度調整可能なPWM対応4PIN型120mmファンです。半透明ブレードは軸受け部分に内蔵されたアドレッサブルLEDイルミネーションの光を拡散し、ブレード全体に鮮やかな色が行き渡ります。
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「SilverStone IceGem 360」の付属ファンは羽の形状が独特で、手前は厚く、奥は鋭いという飛行機の羽のような形状になっています。
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軸固定用の支柱はファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードの根元が支柱付近を通過するときに発生するノイズを抑制しています。
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「SilverStone IceGem 360」の付属ファンはネジ穴部分に防振ゴムが貼られて防振性も確保されています。
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「SilverStone IceGem 360」の付属ファンからはPWM対応4PINファンケーブルに加えて、ファンに内蔵されたLEDイルミネーションに給電およびライティング制御するためのARGB対応3PIN独自ミニコネクタLEDケーブルが伸びています。LEDケーブルの先端にはオス端子からメス端子ケーブルがY字に分岐しています。
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ファン/ラジエーター固定用のネジ類の数量についてはラジエーターサイズごとに異なっており、ファン固定用32mm長ネジとラジエーター固定用6mm短ネジは360サイズでは12個ずつ、240/280サイズでは8個ずつが付属しています。
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冷却ファンのラジエーターへの固定やラジエーターのPCケースへの固定に使用するネジの規格は、採用の多いUNC No.6-32や日本国内ホームセンターで簡単に入手可能なM3かM4ネジのどちらでもなく、M3.5のようです。



SilverStone IceGem 360の検証機材とセットアップ

「SilverStone IceGem 360」を検証機材のベンチ機にセットアップします。「SilverStone IceGem 360」の検証機材として、Intel Core i9 10900KやAMD Ryzen Threadripper 3970Xなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 10900K(レビュー AMD Ryzen Threadripper 3970X
レビュー
マザーボード
ASUS ROG MAXIMUS
XII EXTREME  (レビュー
ASRock TRX40 Taichi
レビュー
メインメモリ G.Skill Ripjaws V F4-4000C15Q-32GVK
レビュー
3600MHz, CL16-16-16-36-CR2
G.Skill Trident Z RGB
F4-3200C14Q-32GTZRX
+F4-3600C14D-16GTZN×2
レビュー
3600MHz, CL16-16-16-36-CR1
ビデオカード MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システム
ストレージ
Samsung SSD 980 PRO 500GB
レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー


ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 980 PRO 500GB」を使用しています。Samsung SSD 980 PROは、PCIE4.0対応によって連続アクセススピードを最大で2倍に飛躍させただけでなく、ランダム性能の向上によってSSD実用性能においても前世代970 PROから大幅な向上を果たし、PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDよりも高速なので、これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 980 PRO 1TB」をレビュー。堂々の最速更新
Samsung SSD 980 PRO 1TB




CPUクーラーの設置方法について、当サイトの評価基準となるチェックポイントは次の3つです。
  • LGA115Xの場合、CPU固定バックプレートが単独でマザーボードに固定できるか
  • マウントパーツ設置状態でCPUを交換できるか
  • 空冷の場合、ネジ止めの場合はマザーボード側から固定できるか
    簡易水冷or水冷ブロックの場合、ハンドスクリューなどツールレス固定ができるか

上の3項目を全て満たす例として本格水冷用のCPU水冷ブロックですが「EK-Supremacy EVO」のマウンタ構造は「バックプレートをM/Bに固定可能」「完全ツールレス」「マウンタ設置状態でCPUの交換が可能」なので本格水冷・簡易水冷クーラーの水冷ブロック固定方式としてはベストだと思っています。水冷クーラーメーカーにはどんどん真似してもらいたい理想的な構造です。

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「SilverStone IceGem 360」のCPUクーラーマウントにおいてAMD AM4環境やIntel LGA1200環境では、バックプレート、スクリューピラー*4本、スクリューピラー固定用スペーサー*4個、スクリューピラー固定用スタンドオフ*4本、スプリング付きローレットナット*4個を使用します。AMD AM4環境の場合はさらにバックプレート用保護シールも使用します。
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まず最初にバックプレートをIntel LGA1200やAMD AM4など使用する環境に合わせて組み立てますが、バックプレートの対応する穴にスクリューピラーを挿入し、プラスチック製の薄型スペーサーで固定します。スクリューピラーの太さに対してスペーサーの内径はギリギリの寸法で脱落防止になっています。
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以下、AMD AM4を例に紹介していきますが、AMD AM4プラットフォームではマザーボードに標準で装着されているCPUクーラー固定器具の取り外しと、バックプレート装着時に保護シールを挟むという手順が加わりますが、基本的な流れはIntel LGA1200も同じです。
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マザーボードを裏返してCPUソケット周辺のネジ穴に合わせてバックプレートを装着し、バックプレートを落とさないように注意して表に戻したら、プラスチック製スタンドオフでバックプレートを固定します。
マウントパーツはプラスチック製スタンドオフによって単独でもマザーボードに固定されているので、CPUクーラーの設置が完了していない状態でもバックプレートなどが脱落することはなく、PCケースに設置した状態でもCPUクーラーの設置が容易になっています。
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Intel第10世代Core-X CPUに対応するIntel LGA2066プラットフォームや、AMD Ryzen Threadripperに対応するAMD TRX4プラットフォームでは、それぞれに対応するスタンドオフをCPUソケット四隅に配置されたマザーボード備え付けのネジ穴に装着すればマウントパーツの設置完了です。
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水冷ヘッドをマザーボードに固定する準備はこれで完了したので熱伝導グリスをCPUのヒートスプレッダに塗布します。熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。


グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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「SilverStone IceGem 360」のCPUと接触するベース部分には、購入時点では保護フィルムで保護されています。CPUクーラー装着前に保護フィルムを剥がし忘れないように注意してください。
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熱伝導グリスを塗ったらバックプレートから延びるネジに水冷ヘッドの足のネジ穴が合うようにしてCPUクーラーを装着します。CPUの上に乗せたらグリスが広がるように力の入れすぎに注意して水冷ヘッドをグリグリと捻りながら押し込んでください。
「SilverStone IceGem 360」の水冷ヘッドの固定ネジはローレットナットなので固定は容易です。ただし水冷ヘッドとの間隔が小さいのでプラスドライバーを使った方が締めやすいと思います。固定ネジにはスプリングがついており、ネジの緩み防止に役立つだけでなく、副次的にネジ止めする時の穴の位置合わせガイドにもなります。
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水冷ヘッド側面から水冷チューブの出ている簡易水冷CPUクーラーでは最左端にあるメモリスロットの距離次第で水冷ヘッド右のチューブエルボーとメモリが干渉してCPUクーラーを設置できない場合があります。
「SilverStone IceGem 360」は水冷ヘッドがかなり大きいのでこの部分の干渉については心配していたのですが、検証機材のMSI MEG X570 ACEでも十分なクリアランスが確保されているのでその他のマザーボードでも概ね干渉は起こらないと思います。
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参考までに「MSI MEG X570 ACE」において左下CPUクーラーネジ穴(標準搭載バックプレートのネジ穴)外周の下端からPCIEスロットの上端までは約44.0mmです。この距離が42mmよりも小さいマザーボードではCPUソケットに最も近いメモリスロットと水冷チューブが干渉する可能性があります。
PCIE-Space_AMD AM4_MSI MEG X570 ACE
Intel LGA1200環境と異なり、AMD AM4環境では水冷チューブを上下に向けることはできませんが、水冷チューブの取り回しが問題になる可能性はあるものの、CPUソケットの左方向へ水冷チューブを向けることは可能です。
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以上で「SilverStone IceGem 360」のセットアップは完了です。
簡易水冷CPUクーラーはラジエーター設置の手間やスペース確保の問題はありますが、マザーボード上のメモリなどのコンポーネントとの干渉は大型のハイエンド空冷CPUクーラーより発生し難く、水冷ヘッドの設置自体も基本的にツールレスで容易なのが長所だと思います。
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SilverStone IceGem 360のLEDイルミネーション

「SilverStone IceGem 360」のLEDイルミネーションについてチェックしていきます。
「SilverStone IceGem 360」では水冷ヘッド天面と、3基の冷却ファンの軸受け部分にアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
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「SilverStone IceGem 360」に搭載されたアドレッサブルLEDイルミネーションは、標準で付属するコントローラーによって制御することが可能です。コントローラーからはSATA電源ケーブルが伸びており、SATA電源を電源供給元として、「SilverStone IceGem 360」のアドレッサブルLEDイルミネーションへの電源供給とライティング制御が可能になっています。
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付属コントローラーには[+ , - , M]の3つのボタンがあります。「+」と「-」ボタンは設定値の変更、「M」ボタンで設定項目が変更できます。「M」ボタンを3秒長押しすると消灯できます。
「+」ボタンの隙間から光が漏れているLEDの発光カラーは現在の設定モードを示しており、緑色は「発光パターン」、赤色は「変化スピード」、青色は「輝度」、黄色は「自動発光パターンモード」となります。
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また「SilverStone IceGem 360」のアドレッサブルLEDイルミネーションを外部コントローラーによって制御するための変換ケーブルとして、現在主流なARGB対応VD-G型3PINコネクタや、GIGABYTEのARGB対応マザーボードの初期製品に実装されていたARGB対応VDG型3PINコネクタへ、「SilverStone IceGem 360」に採用されている独自ミニコネクタを変換するケーブルが付属しています。
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この付属のケーブルを使用すると、ARGB対応汎用3PIN LEDヘッダーがあるLEDコントローラーによってライティング制御が可能です。マザーボードについてはASUS AURA Sync、ASRock Polychlome RGB Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Lightなど国内主要4社マザーボードのライティング制御機能による操作に対応しています。
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今回は付属の専用ライティングコントローラーを使用して「SilverStone IceGem 360」のアドレッサブルLEDイルミネーションの制御について紹介します。
「SilverStone IceGem 360」のアドレッサブルLEDイルミネーションは、水冷ヘッドと2基の冷却ファンの計3つですが、『コントローラー - ファン1 - ファン2 - ファン3 - 水冷ヘッド』の順番で数珠繋ぎにLEDケーブルを接続することによって、1つのコントローラーでまとめて制御できます。マザーボードのLEDヘッダーで制御する時の接続方法についてもマニュアルで図解されています。
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今回は付属の専用コントローラーを使用して「SilverStone IceGem 360」のアドレッサブルLEDイルミネーションやライティング制御について紹介します。
「SilverStone IceGem 360」に付属する専用コントローラーから選択可能な発光パターンは以下の10種類です。
・「Rainbow(標準設定)」:七色のカラーサークルが時計回りに回転する(-を3秒長押しで戻る)
・「Breathing」:七色のカラーサークルが明滅する
・「Flashing」:七色のカラーサークルが明滅する
・「laying」:各アドレスが順に点灯していくのを1周として8色繰り返す
・「Flowing」:全8色で各アドレスが順に発光カラーを切り替えていく
・「256 colors auto switching」:全体が七色に変化(+/-を3秒長押しで現在の色に停止/解除)
・「Rader」:各アドレスが順に点滅に点灯していくのを1周として8色繰り返す
・「Color laying Red」:赤色でLEDロゴ&リングの各アドレスが順に点灯していく
・「Color laying Green」:緑色でLEDロゴ&リングの各アドレスが順に点灯していく
・「Color laying Blue」:青色でLEDロゴ&リングの各アドレスが順に点灯していく

「SilverStone IceGem 360」の付属コントローラーで使用できる発光パターンについていくつか動画を撮影しました。










SilverStone IceGem 360のファンノイズと冷却性能

本題となるSilverStone IceGem 360の冷却性能と静音性についてチェックしていきます。
検証システムをベンチ板に置いた状態で測定を行っているためCPUクーラーが水冷・空冷によらず基本的にCPUクーラーの理想的な性能をチェックすることになります。
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まずはサウンドレベルメーター(騒音計)を使用してファンノイズをCPUクーラー別で比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
CPU-Cooler_Noise-Test
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。

SilverStone IceGem 360のラジエーター冷却ファンのファンノイズを測定したところ次のようになりました。SilverStone IceGem 360はラジエーター冷却ファンを1200RPM以下に収まるようにするとノイズレベルが38dB以下に収まるのでPCケースに組み込んだ時に静音動作で運用できると思います。
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上のグラフの通り、冷却ファンを付属品から「Noctua NF-A12x25 PWM」に交換すれば標準ファンと同じノイズレベルにおいて500PRM~600RPM程度高いファン回転数で運用でき、より高い冷却性能と静音性を実現できます。1台あたり3500円ほどと高価ですが、CPUクーラーのパフォーマンスを追及するのであれば、一押しの冷却ファンです。
またベージュ&ブラウンの独特なカラーリングが苦手という人には、NF-A12x25とほぼ同等品で黒一色なカラーリングの「Thermaltake TOUGHFAN 12」がオススメです。
Noctua NF-A12x25 PWM_Radiator


続いて「SilverStone IceGem 360」の冷却性能をチェックしていきます。
CPUクーラーの冷却性能を検証するためのストレステストについては、FF14ベンチマークの動画(再生時間6分40秒、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)を変換ソースとして、Aviutl&x264を使って動画のエンコードを行います。動画エンコードの同時実行数については4~6コアは並列なし、8~14コアは2並列実行、16コア以上は3並列実行としています。テスト中のファン回転数については一定値に固定します。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
CPU Cooler_Stress Test


まずは2020年に発売されたIntel第10世代Comet Lake-S最上位モデル、10コア20スレッドCPUの「Intel Core i9 10900K」を使用して、Intel第10世代Core-S環境における、「SilverStone IceGem 360」の冷却性能を検証していきます。

今回検証に使用するCore i9 10900Kは、ROCKIT COOL製殻割りキット「ROCKIT COOL 10th Gen Copper Upgrade kit」で殻割りしてTIMをクマメタル化、さらにオリジナル銅製IHSに換装しています。
Core i9 10900Kの殻割りクマメタル化&銅製IHSの冷却性能を検証
ROCKIT COOL 10th Gen Copper Upgrade kit

Core i9 10900KのOC設定は「CPUクロック倍率:51」「キャッシュ倍率:47」「CPUコア電圧:1.300V(固定モード)」「CPU SVIDサポート: Disabled」「ロードラインキャリブレーション: Level7」、メモリのOC設定は「メモリ周波数:3600MHz」「メモリ電圧:1.350V」「メモリタイミング:16-16-16-36-CR2」としています。
Core i9 10900K_OC_BIOS_1Core i9 10900K_OC_BIOS_2
Core i9 10900K_OC_BIOS_3Core i9 10900K_OC_BIOS_4
Core i9 10900Kを全コア5.1GHzにOCすると、Cinebench R20のスコアは6600ほどとなります。またこの動作設定において上で紹介したストレステストを実行すると、システムの消費電力(マイナス30~40WでCore i9 10900Kの消費電力)は330W前後に達します。
Core i9 10900K OC_cinebenchR20
Core i9 10900K OC_power

「SilverStone IceGem 360」のファン回転数を1200RPMに固定してストレステストを実行したところ、「SilverStone IceGem 360」はCore i9 10900Kを全コア5.1GHzにOCしてもCPU温度を最大77度、平均73.7度に収めることができました。ファン回転数は定格2200RPMなのでまだまだ余力を残しています。
SilverStone IceGem 360_temp_Core i9 10900K


続いて、「SilverStone IceGem 360」はRyzen Threadripperの非常に巨大なCPUヒートスプレッダをフルカバーするところが大きな特徴なので、第3世代Ryzen Threadripperの32コア64スレッドモデル「Ryzen Threadripper 3970X」を使用して、初代Threadripper以来、Threadripper専用CPUクーラーとして(色々と問題がありつつも)最強クーラーの座を独占しているENERMAX LIQTECH TR4 II 360と比較していきます。
CPU温度は環境温度にも影響されるため測定時は室温(ベンチ機付近の温度)が22度程度となるように注意しました。比較対象のCPUクーラーにはAsetek OEM製品を代表して同製品と同じく360サイズの「Fractal Design Celsius S36」を使用し、またラジエーターに搭載する冷却ファンは「Noctua NF-A12x25 PWM x3」に統一、ファン回転数は1500RPMに固定しています。
SilverStone IceGem 360 review_06726_DxO
Ryzen Threadripper 3970Xなど第3世代Ryzen Threadripperを実際に運用する上では、コアクロックは基本的に弄らないほうがいいのですが、XFRが効くと厳密に比較するのが難しくなるので、Ryzen Threadripper 3970Xを全コア4.1GHz、コア電圧1.200Vに固定して検証を行いました。
Ryzen Threadripper 3970X_BIOS_OC (1)Ryzen Threadripper 3970X_BIOS_OC (2)Ryzen Threadripper 3970X_BIOS_OC (3)

Ryzen Threadripper 3970Xを全コア4.1GHzにOCすると、Cinebench R20のスコアは18000ほどとなります。またこの動作設定において上で紹介したストレステストを実行すると、システムの消費電力(概ねマイナス80W程度でCPUの消費電力)は440W前後に達します。
AMD Ryzen Threadripper 3970X_OC_cinebench
AMD Ryzen Threadripper 3970X_OC_power

Ryzen Threadripper 3970Xの全コア4.1GHzについて、「SilverStone IceGem 360」とENERMAX LIQTECH TR4 II 360で負荷テスト中のCPU温度の推移を比較すると次のようになりました。
「SilverStone IceGem 360」は最大温度72度、平均温度68.4度となっており、Threadripper専用CPUクーラーとして長らく最強の座に君臨し続けていた
ENERMAX LIQTECH TR4 II 360と同等の冷却性能を発揮しました。まさかマルチプラットフォーム対応の汎用CPUクーラーでThreadripper向け最強クラスの冷えを見せるとは予想外でした。
ENERMAX LIQTECH TR4 II 360は冷え具合は良いものの製品品質でやや問題を抱えていて、すでに終売になってしまったようにも見えるので、今後、Ryzen Threadripper用CPUクーラーの鉄板モデルとして「SilverStone IceGem 360」をオススメできそうです。
SilverStone IceGem 360_temp_Ryzen Threadripper 3970X
一般的なAsetek OEMの簡易水冷CPUクーラーの代表にはFractal Design Celsius S36を使用しており、最大温度79.8度、平均温度76.6度でした。Fractal Design Celsius S36はAsetek OEM製品の中でも当サイト調べで最強クラスに冷える製品なので、他のAsetek OEM製品の場合はさらに数度差が広がると思います。


なおIntel Core-XやAMD Ryzen Threadripperのようなエンスー向けCPUはもとより、Intel Core i9 10900KやAMD Ryzen 9 5950XなどTDP100Wクラスのメインストリーム向け最上位CPUの冷却に「SilverStone IceGem 360」を使用する場合、CPU自体の冷却は上述の通り十分なのですが、これらのCPUはVRM電源への負荷も大きく、マザーボードによってはVRM電源周りが高温になることが予想されます。
マザーボードスペーサーのネジ穴を利用して固定できるフレキシブルファンアーム「サイズ 弥七」や、可変アルミニウム製ファンフレームでVRM電源を狙って設置が容易な「IN WIN MARS」をスポットクーラーに使用することによって、VRM電源が弱めな比較的安価なマザーボードでもメインストリーム向け最上位CPUを運用できるようになるので、「SilverStone IceGem 360」と一緒に使用するのがおすすめです。
VRM_Cooler_FLIR

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SilverStone IceGem 360のレビューまとめ

最後に360サイズ簡易水冷CPUクーラー「SilverStone IceGem 360(型番:SST-IG360-ARGB)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • ジュエリーなダイヤモンドカットデザインの天面が煌めく水冷ヘッド
  • 水冷ヘッドと冷却ファンにアドレッサブルLEDイルミネーションを搭載(付属コントローラーあり)
  • ARGB対応VD-G型3PIN LEDヘッダーに接続することでM/Bのライティング制御に対応
  • Core i9 10900K 全コア5.1GHz OCを運用可能な冷却性能
  • Threadripper用CPUクーラーとして最強クラスの冷却性能
  • バックプレートを単独でマザーボードに固定可能
  • 水冷ヘッドはスプリング付きローレットナットでツールレスに固定可能
悪いところor注意点
  • ファン・ラジエーターの固定ネジが国内で入手の容易なM3やM4ではなくUNC No.6-32
  • 水冷チューブが太く、やや硬めで取り回し難いかも
  • 付属ファンはファンノイズがやや煩い

冷却性能の検証結果からもわかるように「SilverStone IceGem 360」は、Intel Core i9 10900Kの全コア5.1GHz OC、AMD Ryzen Threadripper 3970Xの全コア4.1GHz OCといった300W~400W級の発熱を十分に冷却することが可能な高性能水冷ヘッドを搭載しています。
Core i9 10900KやRyzen 9 5950Xといったメインストリーム向け最上位CPUから、Intel Core-XやAMD Ryzen Threadripperといったエンスージアスト向けCPUまで既存のCPUプラットフォーム全てに対応するだけでなく、トップクラスの冷却性能を発揮することが期待できる製品です。


「SilverStone IceGem 360」はジュエリーなダイヤモンドカットデザインの水冷ヘッドがアドレッサブルLEDイルミネーションによって煌めく外観の美しさもポイントです。水冷ヘッドと冷却ファンに搭載されたアドレッサブルLEDイルミネーションは付属のコントローラーやマザーボードのライティング制御機能で発光パターンや発光カラーを簡単に制御できます。

ただし付属ファンは回転数に対してファンノイズがやや煩い傾向に見えました。LEDイルミネーションにこだわらないのであれば、静音性に優れた別売りの冷却ファンに換装した方がいいと思います。

Intel LGA1200やAMD AM4環境用としてももちろん優秀ですがこれらの環境ではAsetek OEM製品をはじめとして定番の製品が並んでいるので、「SilverStone IceGem 360」はオススメな選択肢の1つという評価です。
しかしながらThreadripper用CPUクーラーとして考えると「SilverStone IceGem 360」の評価はさらにポジティブな方向へ加点されます。まさか汎用品にも関わらずRyzen Threadripper用CPUクーラーとして最強クラスの冷却性能を追求するとは思いませんでした。管理人的には「SilverStone IceGem 360」はRyzen Threadripperユーザーへ特にオススメしたい製品です。

以上、「SilverStone IceGem 360」のレビューでした。
SilverStone IceGem 360


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補足:空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて

「空冷クーラー」と「水冷クーラー」の2種類ついて同じところと違うところ、また原理的に考えた冷却性能の比較を簡単に補足しておきます。





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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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