SilverStone SUGO 14


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容積19Lのコンパクトサイズながら240mmサイズ大型簡易水冷CPUクーラーや最長330mm&3スロット占有フルサイズグラフィックボードに対応するMini-ITX対応PCケース「SilverStone SUGO 14(型番:SST-SG14B)」をレビューします。
コンパクトサイズに反して多種多様なビルドに対応する拡張性の高さも魅力な「SilverStone SUGO 14」ですが、今回は、240サイズ簡易水冷CPUクーラーと3スロット占有大型GPUクーラーのGeForce RTX 3090グラフィックボードを組み合わせた性能重視ビルドを構築してみようと思います。

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代理店公式ページ:http://www.dirac.co.jp/sst-sg14b/
製品公式ページ:https://www.silverstonetek.com/product.php?pid=932&area=jp
マニュアル:https://www.silverstonetek.com/downloads/Manual/case/Multi-SUGO14-Manual.pdf

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SilverStone SUGO 14の自作PC レビュー目次


1.SilverStone SUGO 14について
2.SilverStone SUGO 14の外観・梱包・付属品
3.SilverStone SUGO 14の内部構造の概要


4.SilverStone SUGO 14のグラフィックボード設置スペース
5.SilverStone SUGO 14のストレージ設置スペース
6.SilverStone SUGO 14の電源ユニット設置スペース
7.SilverStone SUGO 14のファン・ラジエーター設置スペース


8.SilverStone SUGO 14の組み立て手順・ギャラリー
  ・Core i9 10900&RTX 3090を搭載したSilverStone SUGO 14の冷え具合を試す

9.SilverStone SUGO 14のレビューまとめ



【機材協力:SilverStone】



SilverStone SUGO 14について

「SilverStone SUGO 14」は、低背なコンパクトサイズながらモジュラー設計を採用し様々なコンポーネント構成に対応したMini-ITXケースです。
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外形寸法が奥行368mm×横幅247mm×高さ215mm、容積19.5リットルのコンパクトサイズです。数年前に流行ったものの最近では採用製品が減っている、Mini-ITXマザーボードを横置きにするキューブ型PCケースです。
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「SilverStone SUGO 14」には底面からの吸排気に対応できる背の高いゴム製インシュレーターも付属しており、グラフィックボードのある左側面を底面にした縦置きレイアウトにも対応しています。縦置きは横幅をスリムにしたい時、5インチベイに光学ドライブを搭載したい時などに最適なレイアウトです。
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SilverStone SUGO 14シリーズの新カラーバリエーションとして2020年11月からホワイトが追加されました。
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横置き・縦置きのどちらでも重量級の超大型グラフィックボードを適切に支えることが可能な、可変グラフフィックスカードホルダーを標準搭載しているところもユーザーフレンドリーです。
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上下・左右の4面パネル、さらに前面のパネル着脱に対応し、ほぼ全面のパネルを取り外すことができるので、シャーシ内部へのアクセサビリティーも抜群です。
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「SilverStone SUGO 14」はそのコンパクトサイズながら充実した拡張性で、3xPCIEスロットのMini-DTXマザーボード、最大で全長330mm/全高148mm/幅3スロット占有の大型グラフィックボード、全高182mm以下のCPUクーラー、240サイズの水冷ラジエーター、奥行150mmまでのATX電源ユニット、最大3基の2.5インチストレージ、5インチ拡張ベイに対応します。
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PCケース右側面に搭載された多目的ブラケットによって、5インチ拡張ベイや240サイズ水冷ラジエーターなど各種冷却およびストレージコンポーネントに対応し、CPUクーラーや背面ファンなども含め、多種多様な構成が可能です。
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SilverStone SUGO 14の梱包・付属品

まずは「SilverStone SUGO 14」の梱包と付属品を簡単にチェックしておきます。
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「SilverStone SUGO 14」では製品のオリジナルプリントがされた茶色の段ボール箱にPCケース本体が収められています。Mini-ITX対応PCケースなので、幅332mm×奥行310mm×高さ484mmとパッケージサイズも比較的コンパクト、重量も5kg程度なので女性でも両手に抱えて持ち運べそうです。
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段ボール箱の天面を開くと、ビニール袋に入れられたPCケース本体がスポンジ製スペーサーに保護された状態で現れます。各種付属品はスポンジスペーサーに凹みがあり、段ボール箱との間に収められています。
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「SilverStone SUGO 14」の付属品は、5インチ拡張デバイス用フロントベゼル、ケーブルタイ、インチネジセット、ミリネジセット、横置き用丸型ゴム足×8、縦置き用ゴム足×4となっておりシンプルです。
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続いて「SilverStone SUGO 14」のPCケース本体の外観についてチェックしていきます。
「SilverStone SUGO 14」は上下左右が黒色塗装が施されたスチール製パネル、外形寸法が奥行368mm×横幅247mm×高さ215mmの奥行長めなキューブ型PCケースです。
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フロントパネルのみプラスチック製になっていますが、滑らかな黒色塗装が施され、左下の電源スイッチを横断するように配置されたカッパーカラーのラインがアクセントになってスマートな印象です。
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マザーボードを地面と平行で底面に設置する横置きレイアウトにおいて、上左右の3面パネルにはエアスリットが施されており、底面はソリッドパネルになっています。
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外装パネルはシンプルな黒塗装で、前方から後方に向かって徐々に大きくなるヘックス型エアスリットを除けば特長もありませんが、横置き時の左側後方には小さくSilverStoneのロゴが描かれています。
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横置きレイアウト時の背面を見ると各種部品の位置が分かりやすいと思います。底面に平置きでMini-ITX(もしくはMini-DTX)マザーボード、背面から見て右側に垂直設置でグラフィックボード、マザーボードの上側背面には120mm角もしくは140mm角のケースファンを搭載できます。
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横置き時の天面前方にはフロントI/Oとして左から順に、リセットスイッチ、USB3.0対応Type-A端子×2、USB2.0対応Type-A端子×1、ヘッドホン&マイク用3.5mm4極ジャックが設置されています。
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フロントI/Oからマザーボードに接続するケーブルは次のようになっています。リセットスイッチを除いて、電源スイッチとパワー・ストレージLEDのフロントI/Oケーブルは、写真の先端数cm部分は分離していますが、根本は1本のケーブルにまとまっています。
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個人的な注目ポイントとして、一般にケーブルが太くて取り回しが悪い、内部USB3.0ケーブルが細身なリボンケーブルなところが高評価でした。
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下写真は一部他社製品の場合ですが、Mini-ITXマザーボードとの組み合わせでコンパクトかつ高性能なPCを組む時に大型トップフロー型CPUクーラーはよく使用されるのですが、ヘッダーの背が高く、ケーブルが太い内部USB3.0ケーブルや内部USB3.1 Gen2ケーブルはしばしばCPUクーラーと干渉することがあります。「SilverStone SUGO 14」のケーブルは非常に細く、曲げやすいのでこういった干渉が発生する心配はありません。
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「SilverStone SUGO 14」はPCケース前面の右上に5インチ拡張ベイが1基あります。標準ではフラットパネルが装着されて閉じてしますが、付属の5インチ拡張デバイス用ベゼルに交換が可能です。
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「SilverStone SUGO 14」の上下左右、4面のパネルはそれぞれ背面のハンドスクリュー2本で固定されており、ハンドスクリューを解除すると、後方へパネルをスライドさせるだけで取り外せます。ハンドスクリューはパネル側に脱落防止となっているので、紛失する心配もありません。
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上左右のパネルには内側にマグネット着脱で簡単に清掃ができる防塵ダストフィルターが装着されています。
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ダストフィルターに着脱や位置合わせで便利なタグが装着されているところも地味に良いポイントです。
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天面パネルを取り外すと前方にあるフロントパネルを固定しているネジにアクセスできます。この2か所のネジを解除すると、下側短辺にあるプラスチックのツメをヒンジにして、手前に開くような形でフロントパネルを取り外せます。
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SilverStone SUGO 14の内部構造の概要

「SilverStone SUGO 14」の内部構造をチェックしていきます。
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「SilverStone SUGO 14」は主要な4面のパネルを全て取り外すことができるので、PCケース内部へのアクセサビリティーは非常に良好です。
下写真において、右側がPCケースフロントですが、下側がグラフィックボード用スペース、上側に拡張ブラケットがあり右上は5インチベイが設置できます。右側の5インチベイ用スペースとグラフィックボード用スペースに挟まれる形で、右側中央には電源ユニットスペースがあり、上側からネジ止めする構造です。
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PCケース内部の右側面にはファン・ラジエーター、3.5インチストレージ、5インチ拡張デバイスなどを設置可能な拡張ブラケットが設置されています。
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拡張ブラケットはPCケースリアに設置するファン・ラジエーターとの組み合わせも含めて、各ユーザーに合わせた様々なビルドを可能にしてくれます。
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上写真で左上(PCケース内で正面から見て右奥)にはマザーボードの設置スペースがあり、マザーボードトレイにはMini-ITXマザーボードに合わせて4つのスペーサーが予め装着されています。
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マザーボード固定用スペーサーは一般的な六角スタンドオフスクリューではなく、予めシャーシのマザーボードトレイ部分に溶接されているので、マザーボード固定ネジと一緒に回ってしまう心配はありません。
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内部についてさらに少し詳しくチェックしていくため「SilverStone SUGO 14」にMini-ITXマザーボードを設置してみました。「SilverStone SUGO 14」はMini-ITX対応PCケースなので、当然ですがMini-ITXマザーボードを問題なく設置できます。
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マザーボード右端と、その右隣にある隔壁との間隔は10mm程度となっており、Mini-ITXマザーボードでは採用が少ないですが、マザーボードと平行なSATA端子や、内部USB端子の変換でL字になる基板等は干渉に注意が必要です。
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マザーボードを装着した状態で「SilverStone SUGO 14」のマザーボードトレイ裏側を見ると次のようになっています。マザーボードの裏側にはシャーシ上にはCPUクーラーメンテナンスホールとしてほぼ全面に近い開口が設けられています。
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「SilverStone SUGO 14」のCPUクーラーメンテナンスホールはマザーボード固定スペーサー間近ギリギリに迫るくらい広く取られており、マザーボードを装着したままでも、CPUクーラー固定用バックプレートの着脱は容易です。
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またマザーボード背面のM.2スロットに対しても、マザーボードトレイが妨げになることはなく、マザーボードを装着したままでM.2 SSDの着脱も容易に行えます。
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ちなみにマザーボード背面のM.2 SSDに装着するヒートシンクのクリアランスについては8mm程度のスペースがあります。5mm厚程度の薄めなヒートシンクなら干渉することはないはずです。
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「SilverStone SUGO 14」ではCPUクーラーの設置スペースとして、公式仕様の通り最大で全高182mm程度が確保されています。またオプションの天面ファンブラケットを装着した時点で全高クリアランスは174mmとなるので、25mm厚ファンを天面に設置した場合のCPUクーラーのスペースは全高149mmまでとなります。
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マザーボードの上(右サイドパネル側)に、CPUクーラーがはみ出していいサイズが6mmまでというのも仕様通りです。
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最大全高は上の写真の通りですが、拡張ブラケットにその他パーツを搭載した時の組み合わせ別でCPUクーラーのクリアランスをマニュアルから参照すると、3.5インチHDDを搭載すると全高67mmまで、120mmサイズ水冷ラジエーターを設置すると全高55mmまで、140mmサイズ水冷ラジエーターを設置すると全高35mmまでとなります。
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SilverStone SUGO 14_CPU-Cooler_with-120-radiator
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SilverStone SUGO 14のグラフィックボード設置スペース

「SilverStone SUGO 14」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。
まず概要を簡単に紹介すると、「SilverStone SUGO 14」ではグラフィックボードの設置スペースとして、内寸的には最大で長さ方向に333mmまでのスペースが確保されています。
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製品仕様ではグラフィックボードの寸法は、長さ330mm以下、厚み60mm以下(3スロット占有に対応、バックプレートは逆方向に5mmまで)、高さ148mm以下が推奨されています。
3スロットに対応しており、高さも148mm対応でPCIE補助電源的にも余裕のあるスペースなので、GeForce RTX 3090/3080のようなハイエンドグラフィックボードにも対応可能なスペースが確保されています。
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「SilverStone SUGO 14」ではPCケース内中央にマザーボードスペースと電源スペースを隔てるシャーシがありますが、グラフィックボードの背面に相対する部分には、グラフィックボード背面の破損を防止するためのゴムパッドが貼り付けられていました。地味に見逃しやすいポイントですが、SilverStoneには抜かりがありません。
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「SilverStone SUGO 14」は3スロット厚のグラフィックボードに対応するだけでなく、物理的にも3基のPCIEスロットが設けられています。
グラフィックボード設置スペースをより大きく確保するためPCIEブラケットの固定ネジ部分がPCケース外側に配置されているので、PCIEブラケットカバーが装着されています。隙間から埃が混入するのを防止し、外見もスマートになります。
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大型グラフィックボードを搭載できる「SilverStone SUGO 14」ならではの独自構造として、2スロットから3スロットまで可変で対応できるグラフィックボードホルダー「Adjustable Graphics Card Holder」が搭載されています。
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L字を横倒しにした縦棒部分は左右に5段階程度でスライドでき、グラフィックボードの厚みに合わせて調節できます。横置きでグラフィックボードを支えるのはもちろん、縦置き時にもグラフィックボードを支えることが可能な構造です。
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ちなみにグラフィックボードホルダーは背面1つのネジと、シャーシのスライド溝に固定されているだけなので、簡単に着脱が可能です。
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グラフィックボードに接するL字部分の内側にはグラフィックボードに傷をつけず、接触部分からノイズが発生しないようにゴムパッドが装着されています。
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「SilverStone SUGO 14」へ実際に長さ300mmのGeForce RTX 3090搭載グラフィックボード「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING」を設置してみたところ、かなりの余裕をもってスペースに収めることができました。これぐらい余剰スペースがあれば着脱で困ることもありません。
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グラフィックボードの高さ方向のクリアランスについても十分で、「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING」はPCIEブラケットよりも25mm程度も背が高いのですが、PCIE補助電源コネクタとPCケースシャーシとの間隔にも余裕があり、PCIE補助電源ケーブルの取り回しに困ることはなさそうです。
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バックプレートとゴムクッションの間にも十分な隙間があります。バックプレート搭載グラフィックボードでも干渉することはなさそうです。
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可変グラフィックボードホルダーについても2スロットと3スロットの中間幅な「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING」の厚みに対応してピッタリとフィットしました。
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SilverStone SUGO 14のストレージ設置スペース

「SilverStone SUGO 14」のストレージ設置についてチェックしていきます。
「SilverStone SUGO 14」にはストレージ設置スペースとして、2.5インチストレージ設置スペースが2か所計3基に加えて、拡張ブラケット上に3.5インチストレージ2基、もしくは3.5インチストレージ1基と5インチ拡張デバイス1基が利用できます。
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まず分かりやすいところとして、「SilverStone SUGO 14」のフロントパネル裏には2基の2.5インチストレージ用トレイが装着されています。さらにマザーボードスペースと電源スペースを隔てるシャーシ上にも1基の2.5インチストレージ用トレイが装着されており、標準で3基の2.5インチストレージを設置できます。
見ての通りハンドスクリュー1つで着脱可能なストレージトレイに2.5インチストレージを乗せて背面からネジ止めする構造です。
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「SilverStone SUGO 14」におけるもう1つのストレージ設置スペースは拡張ブラケット上です。
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拡張ブラケットにはファン・ラジエーターといったクーリングデバイスだけでなく、2基の3.5インチストレージもしくは、1基の3.5インチストレージと1基の5インチ拡張デバイスを設置できます。下写真だと左側に5インチ拡張デバイス、加えて、右側にあるスリット状ではないネジ穴で3.5インチストレージを設置できます。
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5インチ拡張デバイスを設置するためのデバイスベイはネジ止めで着脱が可能となっており、5インチ拡張デバイスベイを取り外すと、3.5インチストレージを装着できるネジ穴が現れます。
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SilverStone SUGO 14の電源ユニット設置スペース

「SilverStone SUGO 14」の電源ユニット設置についてチェックしていきます。
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「SilverStone SUGO 14」ではPCケース前方に電源ユニットの設置スペースがあり、延長ケーブルを介してPCケース後方でACケーブルを接続する構造です。
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天面からぶら下げるような形でATX電源ユニットを固定するためのネジ穴が配置されています。吸気ファンが相対することになるので基本的には拡張ブラケット側に向けるのが正解だと思いますが、ネジ穴は中心対称に設けられており、電源ユニット冷却ファンはグラフィックボード側と拡張ブラケット側のどちらにも向けることができます。
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ATXサイズ電源ユニットを搭載するとこんな感じになります。
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底面パネルを取り外した状態では、電源ユニットのプラグインコネクタ面は完全に開放されているので、ケーブルの着脱は容易です。
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プラグインコネクタ面の左右、グラフィックボード側と拡張ブラケット側へはいずれも遮るものはないので、ケーブルの取り回しに困ることなく、最短ルートで配線できます。
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SFXサイズやSFX-Lサイズの電源ユニットにはコンパクトPCケースに最適化された300mm程度のショートケーブルが付属するのですが、Mini-ITX対応のコンパクトPCケースでもEPS電源ケーブルだけは長さが足りなくなることあります。
「SilverStone SUGO 14」についてはSilverStone製SFX(-L)サイズ電源の付属品や、ショートケーブルキットSST-PP05-Eの内容品である300mm程度のショートケーブルでも長さは十分に足りました。
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電源ユニットのAC端子に接続するAC延長ケーブルについては、コネクタの向きが左右のどちらでも対応可能でした。スペース的に前後(上下)方向でも問題なさそうです。滅多にないことですが、端子長辺の平らな方が外枠ギリギリにあるとAC延長ケーブルがシャーシと干渉する可能性があります。
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注意点として端子長辺の平らな方に隣接して電源ユニットのロッカースイッチがあると、ケーブルやコネクタが干渉する可能性があります。
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また、この種のL字型ACコネクタは省スペース化で背が低くなるとその分だけ引き抜くのが難しくなってしまうのですが、「SilverStone SUGO 14」ではコネクタの逆端が広がって指を引っ掛けられる構造になっています。地味なところですが、ユーザーフレンドリーな設計として誉めたいポイントです。
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電源ユニットの奥行方向のクリアランスについて、公式ページでは150mmまで、マニュアル中では最長160mmまでとなっていますが、実際のスペース(底面パネルまで)は約185mmでした。
相対する外装パネルは着脱可能なので、プラグインケーブルの挿抜について気にする必要はありませんが、ケーブルやプラグインコネクタを取り回すスペースは最低限必要になるので、公式仕様の通り150~160mmまでのATX電源ユニットや、余裕を持ってスペースを使うのであればATX変換ブラケットと組み合わせてSFX電源ユニットやSFX-L電源ユニットを使用した方がよさそうです。
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「SilverStone SUGO 14」にATXサイズ電源ユニットを組み込んだ場合のクリアランスをチェックしていきます。
検証機材には奥行140mmの同社製ATXサイズ電源ユニット「SilverStone Strider Platinum ST85F-PT」を使用します。奥行き140mmのコンパクトさで変換効率Platinum認証で電源容量850Wのハイパフォーマンスに加えて、別売りオプションのショートケーブルキットSST-PP05-Eも使用できるSilverStone Strider Platinumシリーズは「SilverStone SUGO 14」との組み合わせで特にオススメでATX電源ユニットです。
「SilverStone Strider Platinum ST85F-PT」をレビュー
SilverStone Strider Platinum ST85F-PT

なおSilverStone Strider Platinum ST85F-PTに付属する電源ケーブルは一般的なミドルタワーPCケース向けで600mm程度の長さなので、SilverStone SUGO 14に使用する場合は、付属品よりも柔らかくて取り回しの良いショートケーブルキット「SST-PP05-E」を組み合わせてください。SilverStone SUGO 14には必要ありませんが、EPS電源のショートケーブルが届かない時に便利なロングケーブルが入っているロングケーブルキット「SST-PP05-L」が発売されています。
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奥行140mmの「SilverStone Strider Platinum ST85F-PT」を搭載した場合、プラグインコネクタ面と向かい合うPCケース底面パネルとの距離は45mm程度でした。底面パネルを取り外してしまえば、ケーブルの着脱は容易なので、ケーブルとコネクタを収納するスペースとして考えれば十分です。
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続いて「SilverStone SUGO 14」にSFX-Lサイズ電源ユニットを組み込んだ場合のクリアランスをチェックしていきます。検証機材には奥行130mmの同社製SFX-Lサイズ電源ユニット「SilverStone SX800-LTI」を使用します。
電源容量800WでTitanium認証取得の「SilverStone SX800-LTI」なら、Core i9 10900KやRyzen 9 3950Xといったメインストリーム向け最上位クラスのCPUと、GeForce RTX 3080/3090のようなハイエンドグラフィックボードを組み合わせても安定した電力供給が可能です。
TITANIUM認証取得SFX-L電源「SST-SX800-LTI」をレビュー
SilverStone SST-SX800-LTI

「SilverStone SUGO 14」の電源ユニット固定用ブラケットはATXサイズ対応なので、SFXサイズやSFX-Lサイズ電源ユニットを使用する場合は、変換ブラケットが必要になります。
電源ユニットに標準で変換ブラケットが付属しない場合は、オフセット配置で電源ユニット冷却ファンの手前のスペースを大きく確保できる「SilverStone PP08B」がオススメです。
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奥行130mmの「SilverStone SX800-LTI」を搭載した場合、プラグインコネクタ面と向かい合うPCケース底面パネルとの距離は55mm程度でした。底面パネルを取り外してしまえば、ケーブルの着脱は容易なので、ケーブルとコネクタを収納するスペースとして考えれば十分です。
奥行が100mmのSFXサイズ電源ユニットならさらに30mm程度のスペースを稼ぐことも可能です。
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「SilverStone SX800-LTI」は基本的に問題ないのですが、1つだけ注意点として、AC延長ケーブルのコネクタがロッカースイッチに被さってしまいます。ON/OFFを勝手に切り替えてしまうほどではないのですが、微妙に接触があるので、少し注意が必要かもしれません。
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SilverStone SUGO 14のファン・ラジエーター設置スペース

「SilverStone SUGO 14」のケースファンや水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。
「SilverStone SUGO 14」はコンパクトなMini-ITX対応PCケースながら最大5基の120mm角以上のケースファン(天面ブラケットを含む)や、最大240mmサイズの水冷ラジエーターの設置に対応しています。
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まず「SilverStone SUGO 14」のPCケースリアには120mm/140mm角ケースファンを設置するスペースがあり、標準で1基の120mm角ケースファンが搭載しています。120mmサイズラジエーターなら背面スペースにも設置が可能です。
120mm角ケースファンの固定に使用されるネジ穴には縦長スリットと横長スリットがあり、ファンの固定位置は使用するスリットに応じて上下左右にオフセット調整が可能です。140mm角ケースファンは丸穴なので位置固定となります。
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付属ファンは「HA1225L」という型番で、定格1200RPMのケースファンです。PWM速度調整には非対応の3PINファン端子で接続するDCファンになっています。
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次にマザーボード直上のPCケース天面にも120mm角ケースファンを設置可能なブラケットが装着されています。設置するファンの厚みに応じて、CPUクーラーの高さ方向クリアランスが制限されるので注意が必要です。
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最後に紹介するのは「SilverStone SUGO 14」における最大のファン・ラジエーター設置スペース、拡張ブラケットです。拡張ブラケットには上の章で解説した3.5インチストレージや5インチ拡張デバイスだけでなく、各種サイズのファン・ラジエーターを設置できます。
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拡張ブラケット上には上側に1本、下側に2本のネジ穴スリットがあり、上寄りのレイアウトで120mm角もしくは140mm角のファン・ラジエーターを設置できます。水冷ラジエーターについては最大で240mmサイズに対応しています。
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拡張ブラケット上に設置可能なファン・ラジエーターの組み合わせは、PCケース後方に設置するファン・ラジエーターの種類と影響し合うので詳しくは公式マニュアルに掲載されている表を参照してください。
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今回は検証機材CPUクーラーとして同社製240サイズ簡易水冷CPUクーラー「SilverStone PERMAFROST PF240-ARGB」を設置してみます。
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別サイズになってしまいますが、SilverStone PERMAFROSTシリーズの360サイズモデル「SilverStone PF360-ARGB」については詳細レビューを公開しているので是非参考にしてください。
「SilverStone PF360-ARGB」をレビュー
SilverStone PERMAFROST PF360-ARGB

詳しくSilverStone PERMAFROST PF240-ARGBの設置手順や注意事項を見ていくと、
まずは拡張ブラケットに水冷ラジエーターにネジで固定します。ネジ穴は横長スリットになっているので、前後方向については自由にオフセットできます。240サイズの場合はラジエーターの水冷チューブがPCケースのフロント側にくるように固定してください。
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拡張ブラケットにラジエーターを装着したら、拡張ブラケット装着後はファンが上側の水冷ヘッド固定ネジに被さってしまうので、拡張ブラケットをPCケースへ組み込む前に水冷ヘッドをマザーボードに固定しておいてください。
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水冷ヘッドを固定したら、斜め下から上側シャーシフレームの裏に挿し込む感じで拡張ブラケットを装着します。チューブの太さにもよりますが、ラジエーターから垂直に伸びるチューブは割と強引に電源ユニットに接しながら折れ曲がる感じになります。最後に左右2か所ずつをネジ止めして設置完了です。
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ラジエーター側の根本が若干強引でしたが、それを除けばチューブやファンケーブルをスムーズに配線でき、見える部分では内部スペースもスッキリしています。
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「SilverStone SUGO 14」は拡張ブラケットに240サイズの大型ラジエーターを搭載した状態でも、背面スペースに120mmラジエーターを設置できるようなので、クリアランスをチェックしてみました。
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ラジエーターから背面までのスペースは下の写真で55mm程度、前方に少しだけ余裕を持たせたので、限界まで詰めれば57,8mmのスペースは確保できそうでした。240mmサイズの簡易水冷GPUクーラーに加えて、120mmサイズラジエーターの簡易水冷グラフィックボードなども組み合わせることができそうです。
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マニュアルでは言及されていないポイントとして、拡張ブラケットに設置したファン・ラジエーターとメモリのクリアランスについてですが、120mm幅のファン・ラジエーターであれば62mm程度のスペースがあるので、干渉の心配はありません。しかしながら、140mm角ケースファンを設置した場合は、ヒートシンク付きメモリの場合全高42mm程度に制限されるので注意してください。(マザーボード上端側20mm程度が子の高さに制限されますが、中央部分は高くてもOK)
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SilverStone SUGO 14の組み立て手順・ギャラリー

コンパクトPCケースは手順を誤るとケーブルが装着できなくなって最初の方からやり直しになったり、一般的なATX対応ミドルタワーPCケースに比べて組み立てが急に難しく(面倒に)なるので、手際よく上手に組めるよう「SilverStone SUGO 14」の組み立て手順について解説していきます。

まずは事前にマザーボードへCPU、CPUクーラーマウントパーツを装着しておきます。IOケーブルやSATAケーブルが接続し難くなるのでメモリはまだ装着しないでください。
使用する場合はM.2 SSDも最初に装着しておいてください。背面については後からでも問題ありませんが、表面は組み立てが進むと装着が難しくなっていきます。
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マザーボードに各種パーツを装着して下準備が完了したら、PCケースから上下左右の4面パネルを全て取り外します。天面ファンブラケットや拡張プラケットも外してください、
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PCケースシャーシが剥き身の状態になったら、先ほど各種パーツを組み込んだマザーボードを、マザーボードトレイに設置します。
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フロントI/Oの各種ケーブルや、必要な数のSATA通信ケーブルをマザーボードに接続します。
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次は電源ユニットと電源ケーブルの接続に移ります。今回のサンプルビルドでは電源ユニットとして上でも紹介した、奥行き140mmのコンパクトさで変換効率Platinum認証/電源容量850Wのハイパフォーマンス電源ユニット「SilverStone Strider Platinum ST85F-PT」を使用しています。
またSilverStone Strider Platinum ST85F-PTの付属ケーブルは一般自作PC向けで600mm程度の長いケーブルなので、ショートケーブルキット「SilverStone SST-PP05-E」を組み合わせました。
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電源ユニットをPCケースに固定したら、ATX24PIN電源、EPS電源、PCIE補助電源、SATA電源など使用する電源ケーブルをプラグインコネクタに接続します。
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ATX24PIN電源ケーブルとEPS 8PIN電源ケーブルをマザーボードに接続します。拡張ブラケットに240サイズラジエーターを使用する場合、これらのケーブルは下を這うようにして配線するとスペースが干渉しません。
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合わせてこのタイミングで、使用する場合は、ストレージトレイに2.5インチストレージを設置し、SATA通信ケーブル、SATA電源ケーブルを接続します。
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ここまで組みあがったら保留していたシステムメモリをマザーボードに装着します。まだ内部スペースは広いので問題なく装着できるはずです。
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続いてCPUクーラー、今回のサンプルビルドでは240サイズ簡易水冷CPUクーラーを設置していきます。
240サイズ簡易水冷CPUクーラーには同社製品の「SilverStone PERMAFROST PF240-ARGB」を使用しています。
「SilverStone SUGO 14」の場合はファンや水冷ヘッドを中で光らせても意味がないので、水冷ヘッドのLEDケーブルを接続せずに束ねており、ファンは先日当サイトでレビューした、水冷ラジエーターにも最適な高性能ファン「Thermaltake TOUGHFAN 12」を使用しています。
やや変則的な構成になっていますが、電源ユニット冷却ファンと対面する前方(下写真で左)のファンは吸気、グラフィックボードの冷却のためグラフィックボードがある面のエアスリットが吸気になるようもう一方は排気にしました。
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CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。
「Thermal Grizzly Carbonaut」はRyzen 9 3900Xを冷やせるか!?
Thermal Grizzly Carbonaut_Ryzen 9 3900X

サーマルグリスを塗ったら水冷ヘッドを固定します。CPUソケット周辺のスペースは十分あるので特に水冷ヘッドの固定で困ることはないはずです。
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水冷ヘッドを固定したら、斜め下から上側シャーシフレームの裏に挿し込む感じで拡張ブラケットを装着します。チューブの太さにもよりますが、ラジエーターから垂直に伸びるチューブは割と強引に電源ユニットに接しながら折れ曲がる感じになります。最後に左右2か所ずつをネジ止めして設置完了です。
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簡易水冷CPUクーラーが設置できたら、グラフィックボードをPCIEスロットに設置します。
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以上で「SilverStone SUGO 14」の組み立ての難しいところは一通り完了です。あとは必要に応じて天面ファンマウントプレートで120mmファンを設置し、最後に上下左右の4面パネルを装着したら出来上がりです。
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「SilverStone SUGO 14」に3スロット占有フルサイズグラフィックボードと240サイズ簡易水冷CPUクーラーを使用して自作PCを組むとPCケース内部はこんな感じになります。
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Core i9 10900&RTX 3090を搭載したSilverStone SUGO 14の冷え具合を試す

今回、Core i9 10900KとGeForce RTX 3090を組み合わせて構築したSilverStone SUGO 14のサンプルビルドについて、CPUとGPUの冷却性能を簡単にチェックしてみました。

まずはCPUの冷却性能について、Core i9 10900Kを電力制限無効化による全コア4.9GHzで動作させて、動画のエンコードで30分程度に渡ってフル負荷をかけ続けました。
CPU温度は平均で81.9度、最大で85度まで上昇していますが、CPUコアクロックは全コア4.9GHzで安定動作しました。120mmファン×2が1600RPM程度で動作していますが、今回使用している「Thermaltake TOUGHFAN 12」や「Noctua NF-A12x25 PWM」なら静音性も十分です。
ATX対応ミドルタワー環境と比べると同じ240サイズ簡易水冷であっても10度弱はCPU温度が上がる傾向は感じますが、コンパクトサイズな「SilverStone SUGO 14」でも200Wクラスの発熱になるメインストリーム向け最上位CPUを運用できると考えていい結果だと思います。
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続いてGPUの冷却性能について、これは搭載するグラフィックボードのGPUクーラーにも依るところが大きいのですが、今回は上に掲載している写真の通り、「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING(Quiet Mode)」で検証を行いました。
約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress TestでGPU温度やファン速度をチェックしたところ、GPU温度は70度前後、GPUクーラー冷却ファンも1400~1500RPMに収まる良い結果が得られました。
冒頭に書いたように実際の静音性や冷却性能は各グラフィックボードのGPUクーラーに依るところも大きいものの、「SilverStone SUGO 14」はTGP300W超クラスのグラフィックボードを搭載しても高い静音性を維持してしっかりと冷却できる一例にはなったと思います。
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SilverStone SUGO 14のレビューまとめ

最後に「SilverStone SUGO 14」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 黒色ベースのシンプルなキューブスタイル、カッパーラインのアクセントが映える
  • 全高の低い横置きと、幅狭で省スペースな縦置きの両方に対応
  • 容積19.5LのコンパクトサイズなMini-ITX対応PCケース
  • 最長330mm/3スロット占有のフルサイズグラフィックボードを搭載可能なスペース
  • 大型グラフィックボードを支える可変グラフィックボードホルダーを標準搭載
  • 拡張ブラケットは最大240mmサイズの水冷ラジエーターや5インチ拡張デバイスに対応
  • 3基の2.5インチストレージトレイを搭載、拡張ブラケットには2基の3.5インチHDDを設置可能
  • ATX、SFX-L、SFXの自作PCで主流な電源ユニットに対応
  • 内部USB3.0ケーブルが非常に細くて取り回しが良い
悪いところor注意点
  • 電源ユニットの奥行はケーブルスペースも考えると基本的に150mm程度まで
  • AC端子の向きとロッカースイッチの位置によっては、スイッチとケーブルコネクタが干渉する
  • 拡張ブラケットに140mmファン搭載時は、メモリの全高クリアランスが42mm程度

「SilverStone SUGO 14」は19.5Lというコンパクトで限られたスペースの中で、『240サイズの簡易水冷CPUクーラーとフルサイズグラフィックボードを搭載できる』というハイパフォーマンスPCの構築において一つの水準となる条件を満たし、Mini-ITXマザーボードの標準的なSATA端子数である4端子をフル活用できるストレージスペースを備え、大容量・高静音性なATX電源ユニットにも対応する非常に優秀なPCケースです。

「SilverStone SUGO 14」は240サイズ簡易水冷CPUクーラーに対応しているので、Intel Core i9 10900KやAMD Ryzen 9 5950XのようなTDP100W超のメインストリーム向け最上位CPUも問題なく運用でき、グラフィックボードも全長330mmかつ3スロットのスペースがあるのでGeForce RTX 3090やRadeon RX 6900 XTといったウルトラハイエンドGPUを組み合わせることができます。

「SilverStone SUGO 14」は上下左右のパネルを全て取り外してPCケース内部にフルアクセスが可能なので、Mini-ITX対応コンパクトPCケースながら非常に組み易いところも評価ポイントでした。ネジ類も基本的に使用するものはインチネジとミリネジの2種類しかなく(ハンドスクリューなど少数の例外もありますが)、この記事で紹介している電源ユニットなどを組み合わせれば電源ケーブル配線の難易度も下がるので、自作PC初心者でも組み易いコンパクトPCケースだと思います。

以上、「SilverStone SUGO 14」のレビューでした。
SilverStone SUGO 14


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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