WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink


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PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDの最速モデルに一躍躍り出たWD_BLACK SN850 NVMe SSDシリーズから、オリジナルデザインヒートシンクを搭載した「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink(型番:WDS200T1XHE-00AFY0)」をレビューします。

WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink review_02344_DxO



製品公式ページ:https://shop.westerndigital.com/ja-jp/products/internal-drives/wd-black-sn850-nvme-ssd
WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsink_top




WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsink レビュー目次


1.WD_BLACK SN850 NVMe SSDについて
2.WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsinkの外観


3.WD_BLACK SN850 NVMe SSD with HeatsinkのSSD性能について
4.WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsinkの温度とサーマルスロットリングについて


5.WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsinkのレビューまとめ






SN850無印よりも高性能ながら低消費電力になった後継モデル「WD_BLACK SN850X NVMe SSD」のレビュー記事も公開中です。




【機材協力:WD 国内正規代理店 株式会社ケミック】



WD_BLACK SN850 NVMe SSDについて

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」シリーズは、メモリチップにWD/SanDisk製TLC型3D NAND、メモリコントローラーにPCIE4.0x4帯域のNVMe接続に対応するWD独自コントローラーが採用された、NVMe(PCIE4.0x4)接続でM.2 2280フォームファクタのM.2 SSDです。

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」シリーズにはSSD容量として500GB(型番:WDS500G1X0E-00AFY0)、1TB(型番:WDS100T1X0E-00AFY0)、2TB(型番:WDS200T1X0E-00AFY0)の3モデルがラインナップされています。
さらに、WD_BLACK製品でお馴染みのミリタリー風な独自M.2 SSDヒートシンクを搭載したモデル(型番: WDS500G1X0E-00AFY0, WDS100T1X0E-00AFY0, WDS200T1XHE-00AFY0)も同時に展開され、後日発売が予定されています。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD_heatsink

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」シリーズのアクセススピードは容量によって若干異なりますが、最大でシーケンシャル読出7000MB/s、シーケンシャル書込5300MB/s、ランダム(4KB, QD32, 1thread)読出1000,000 IOPS、ランダム(4KB, QD32, 8thread)書込720,000 IOPSの超高速アクセスを実現しています。

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」シリーズのMTBF(平均故障時間)は175万時間、書込耐性は500GBが300TBW、1TBが600TBW、2TBが1200TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。



WD_BLACK SN850 NVMe SSD スペック一覧
容量 500GB
WDS500G1X0E-00AFY0
1TB
WDS100T1X0E-00AFY0
2TB
WDS200T1X0E-00AFY0
ヒートシンク WDS500G1XHE-00AFY0
WDS100T1XHE-00AFY0
WDS200T1XHE-00AFY0
インターフェース
M.2, NVMe (PCIE4.0x4)
コントローラー
WD in-house NVMe
メモリー WD/SanDisk製 TLC型3D NAND
連続読み出し 7000MB/s
連続書き込み 4100MB/s 5300MB/s 5100MB/s
ランダム読み出し
(4KB, Q32T8)
810,000 IOPS 1000,000 IOPS 1000,000 IOPS
ランダム書き込み
(4KB, Q32T8)
680,000 IOPS 720,000 IOPS 710,000 IOPS
消費電力
(アイドル/ピーク)
250mW / 2.9W
動作温度範囲 0°C~70°C
MTBF 175万時間
耐久性評価 300TBW 600TBW 1200TBW
保証期間 メーカー5年



WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsinkの外観

まず最初に「WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsink」の外観や付属品について簡単にチェックしておきます。
WD Black SN850 NVMe SSDシリーズはマットブラックを基調にオレンジのアクセントカラーでデザイン性を意識したお洒落なパッケージです。ヒートシンク搭載版ではパッケージのサンプルイメージもヒートシンク付きSSDに変わっていますが、デザインはほぼ共通です。紙製のパッケージを開くとSSD本体はプラスチックのスペーサーに収められていました。
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「WD_BLACK SN850 NVMe SSD ヒートシンク搭載版」の外観は次のようになっています。
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「WD_BLACK SN850 NVMe SSD ヒートシンク搭載版」は、ポータブルストレージやTB3ドックなど近年のWD_BLACK製品でお馴染み、ミリタリー風デザインの独自M.2 SSDヒートシンクを搭載しています。
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前SN750では水冷パーツメーカー大手EKWBとコラボした斜めの三角スリットやアライン仕上げのアルミニウムプレートがオシャレなヒートシンクでした。デザイン性はこちらの方が好みだったという人が多いかもしれません。
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SN750のヒートシンクでは表面と裏面プレートでSSD本体を挟んで側面からトルクスネジで固定する構造だったので、熱伝導両面テープの問題はあるもののヒートシンクの着脱は容易でしたが、「WD_BLACK SN850 NVMe SSD ヒートシンク搭載版」では背面プレートのツメで固定しているので綺麗に外すのは少し難しい構造です。なお背面プレートの厚みは1mm弱なので、マザーボード基板などとの干渉の心配はないと思います。
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ヒートシンク天面はなだらかな隆起があるだけでほぼフラットな形状(放熱スリットがない)ですが、側面に目を向けると三角状の切り抜きが設けられており、放熱表面積が確保されています。
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また「WD_BLACK SN850 NVMe SSD ヒートシンク搭載版」ではWD_BLACKロゴの”LAC”の真上辺りに透明プラスチックのパーツが埋め込まれており、通電時にオレンジ色に点灯するLEDイルミネーションが内蔵されています。
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標準の発光パターンでは上の写真のようにオレンジ色で明滅しますが、純正クライアントアプリケーション「WD Dashboard」から発光カラーや発光パターンの設定も可能です。
WD Black SN850 with HS_WD Dashboard_LED


ヒートシンクなしモデルを参考に、WD_BLACK SN850 NVMe SSDのSSD本体についてチェックしておきます。SSD本体は普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色になっています。
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WD_BLACK SN850 NVMe SSDの表面シールの下にはM.2端子の側から順にメモリコントローラー、その隣にDRAMキャッシュ、残り半分には2枚のメモリチップが実装されています。
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メモリコントローラーは内製なのでSanDiskの刻印があります。金属製プレートなどの放熱を補助するパーツは装着されていません。
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WD_BLACK SN850 NVMe SSDは500GBから最大容量の2TBまで全容量を通して、メモリコントローラーやメモリチップが表面のみに実装される片面実装です
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WD_BLACK SN850 NVMe SSD with HeatsinkのSSD性能について

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」のSSD性能について簡単に紹介した後、標準ヒートシンクの冷却性能をチェックしていきます。

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」のボリュームをWindows10上で作成したところ、空きスペースは1.81TBでした。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink_CDI
WD_BLACK SN850 NVMe SSDなどWD製SSD向けには純正クライアントアプリケーション「WD Dashboard」が配布されています。
WD_BLACK SN850 NVMe SSDでもランダム性能を引き上げるゲームモードの切り替えやファームウェアの更新といったSSDの管理をWD Dashboardから行うことができます。
WD Black SN850 with HS_WD Dashboard (1)
WD Black SN850 with HS_WD Dashboard (2)
WD Black SN850 with HS_WD Dashboard (3)


「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。

まずはCrystalDiskMark7.0.0f (8GiB, +Mix)について、「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」のベンチマークススコアは公称製品スペック通り、連続読み出し7000MB/s、連続書き込み5100MB/sとなりました。PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用SSDを大幅に上回るスコアです。
連続アクセスも高速ですが地味に目を見張った注目ポイントが4Kランダム読み出しです。既存のSSDでは高速な製品でも60MB/s程度に留まるのですが、「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 1TB」は75MB/sをマークしています。
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中身が同じなので当然ですが、先行して発売済みのヒートシンクなしモデルの2TB版と性能は同じです。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB_CDM7
またWD_BLACK SN850 NVMe SSDシリーズは純正クライアントアプリケーションWD Dashboardから設定を行うことでゲーム性能を引き上げるゲームモードに切り替えが可能です。
WD Black SN850 with HS_GameMode (1)
WD Black SN850 with HS_GameMode (2)
「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」のゲームモード有効時にCrystalDiskMark7.0.0f (8GiB, +Mix)を実行すると、特に注目すべきポイントとして、4Kランダム読み出しと4Kランダム書き込みがさらに高速化し、4Kランダム読み出しは78MB/s、4Kランダム書き込みは280MB/sをマークしています。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink-Game Mode_CDM7

続いて「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」の実用性能をPCMark10 Storage Testを使用してチェックしていきます。
PCMark10 Storage TestはWindows10 OSの起動速度、PhotoshopやPremiere ProといったAdobeアプリの起動速度、PCゲームの起動速度、AdobeアプリやMicrosoft Officeの素材領域としての読み出し・書き込み速度など、SSDの実用性能について測定できるベンチマークソフトです。

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」を、PCMark10 Storage Testの個別Traceについてヒートシンクなし版と比較すると、全てにおいて概ね同等の性能を発揮しています。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink_PCM10_vs-noHS
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink_PCM10
なお若干の性能差が見られる理由については2020年11月以降のWindows10アップデートでランダム性能が下がったせいか、もしくはヒートシンクなし版の性能検証では大型ヒートシンク付きPCIE変換ボードAquacomputer kryoM.2を使用しているので冷却性能の差が反映されたのだと思います。


今回レビューする「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」を含め、WD_BLACK SN850 NVMe SSDシリーズのヒートシンク搭載版のSSD性能はヒートシンクなしモデルと同じなので(冷却が十分であれば)、以上のように駆け足で性能チェックを済ませました。
「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」のSSD性能についてさらなる詳細が気になる人は過去に公開したヒートシンクなしモデルのレビューをご覧ください。
「WD_BLACK SN850 NVMe M.2 SSD 1TB / 2TB」をレビュー
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 1TB



WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsinkの温度とサーマルスロットリングについて

NVMe M.2 SSDでは重要になる項目として「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」の温度とサーマルスロットリングについてチェックしていきます。

アクセススピードが数GB/sに及ぶ非常に高速なNVMe接続に対応したM.2 SSDでは、そのコンパクトさゆえに放熱性能には表面積的な限界があり、連続したアクセスが発生するとメモリチップやメモリコントローラーが高温になって速度制限がかかるサーマルスロットリングが発生する可能性があることが知られています。
「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」について、連続した高速アクセス発生時の温度やサーマルスロットリング発生の有無をソフトウェアモニタリングとサーモグラフィーカメラを使用して検証します。

WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TBのSSD温度の測定やサーマルスロットリング発生の有無の確認については、ASRock TRX40 Taichiのマザーボード上、下段M.2スロットに設置して測定を行いました。
今回の検証では写真のようにASRock TRX40 Taichiに標準搭載されているSBファン(2400RPM程度、標準設定の最低速度でファンノイズはほぼない)によってSSD周辺にエアフローがある状態で、「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」とヒートシンクなし版のSSD温度やサーマルスロットリング発生の有無を検証していきます。
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測定時の検証負荷としてはCrystalDiskMark7.0.0f (8GiB)を使用し、間を置かず複数回ベンチマークをループさせ、その間のSSD温度や読み出し・書き込み速度のモニタリング値はHWiNFOを使用してログを取得します。
NVMe SSD_temp test


まずはWD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TBのヒートシンクなし版について、SBファンによってSSD周辺に軽くエアフローがある状態で、温度やサーマルスロットリングの有無をチェックしていきます。
まずソフトウェアモニタリングによるWD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TBのSSD温度とアクセススピードの推移は下のようになっています。WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TBに関してはソフトウェアモニタリングが可能な温度はメモリチップ付近です。
ベンチマークを複数回繰り返すとソフトウェアモニタリング温度はピークで80~90度を示しますが、2周目辺りから読み出しテストの3つ目でサーマルスロットリングのような症状が確認でき、20分後の5週目では速度低下と共に温度制限もかかっているのが分かります。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB_temp_noHS
サーモグラフィーで確認できるWD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TBの温度は、メモリコントローラーのホットスポットが98度に達し、左側2枚のメモリチップも80度前後です。なお、サーモグラフィーは5週目の連続読み出しテスト中に測定しているため、メモリチップも温度制限前のピークでは90度を超過しているものと思われます。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TBは高性能な反面、温度もしくは発熱が大きく、ランダム性能が向上するゲームモードではさらに高温になることが予想されるので、『ヒートシンクの併用を強く推奨』と言っていい結果だと思います。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB_no-Heatsink_FLIR

続いて「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」について、SBファンによってSSD周辺に軽くエアフローがある状態で、温度やサーマルスロットリングの有無をチェックしていきます。なおヒートシンク搭載版についてはランダム性能が向上するゲームモードを有効にして温度測定を行いました。

まずソフトウェアモニタリングによる「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」のSSD温度とアクセススピードの推移は下のようになっています。上述の通り、WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TBに関してはヒートシンクなし/あり共にソフトウェアモニタリングが可能な温度はメモリチップ付近です。
ベンチマークを複数回繰り返すとソフトウェアモニタリング温度はピークで80度前後を示しますが、20分以上に渡って負荷をかけ続けても、ヒートシンクなし版と違ってサーマルスロットリングによる速度低下は生じません。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB_temp_HS
ヒートシンクで覆われているので内部温度は確認できませんが、負荷テスト中のヒートシンク表面温度は70度前後で均一に分布しており、放熱板として適切に機能していることが分かります。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink_FLIR

繰り返しになりますが、従来のPCIE3.0x4よりもさらなる高速化を果たしたPCIE4.0x4対応NVMe M.2 SSDは発熱も増しており、マザーボード備え付けヒートシンクや市販のM.2 SSDヒートシンクとの併用が推奨されます。
「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB ヒートシンク搭載版」のヒートシンクは流石にハイエンドマザーボードに備え付けられているM.2 SSDヒートシンクと比較すると見劣りするのは否めませんが、PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDで最速クラスのWD_BLACK SN850でサーマルスロットリングによる速度低下を生じさせず運用できるだけの冷却性能はあるので、ヒートシンクがない、もしくは付属ヒートシンクが貧弱なエントリーからミドルクラスのマザーボードでWD_BLACK SN850を導入したいユーザーにとってはありがたいモデルだと思います。
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WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsinkのレビューまとめ

最後にPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDの「WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink(型番:WDS100T1XHE-00AFY0)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • NVMe(PCIE4.0x4)規格として理想的な読み出し7.0GB/s、書き込み5.3GB/s(最大)
  • 4Kランダム読み出しがMLC/TLC型の一般SSDではトップクラスの最大86MB/s(CDM7)
  • PCMark10ストレージテストによる実用性能で970 PROを40%以上も上回る
    同じくPCIE4.0対応の980 PROを10%以上、ゲームモード有効なら20%も上回る
  • ファイルコピー性能でも(特に読み出し速度で)、970 PROよりも高速に
  • ファイルコピー性能でも、980 PROよりと同等か僅かに上回る
  • TLC型SSDなのでNVMe M.2 SSDとして標準的な価格帯
  • オリジナルヒートシンクはサーマルスロットリングを抑制するには十分な冷却性能
  • 最大容量2TBモデルがラインナップ
  • メーカー正規保証期間が5年間
悪いところor注意点
  • TLC型なのでSLCキャッシュ超過後に速度低下が発生する
    キャッシュ容量は空き容量依存で、超過後の書き込み速度は1000MB/s程度
  • ヒートシンクなし版は、マザーボード備え付けM.2 SSDヒートシンクの併用を強く推奨
  • AMD TRX40チップセットを経由すると連続書き込み性能が大きく下がる(FW:611100WD)

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」を検証してみたところ、基礎的な各種ベンチマークや実際の性能検証の多くにおいて、PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDや、Samsung PROシリーズの前モデルSamsung SSD 970 PROを明確に上回る性能を発揮しました。
SSD実用性能を測定するPCMark10ストレージテストでもPCIE3.0対応のSamsung SSD 970 PROはもとより、PCIE4.0対応で先日、堂々の最速更新を果たしたばかりのSamsung SSD 980 PROまでも上回る性能を発揮し(ゲームモードでは20%も!)、「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」はPCIE4.0x4接続NVMe M.2 SSDの大本命と言っても過言ではありません。
すでにAMD Ryzen環境はPCIE4.0対応NVMe SSDをサポートしており、Intel環境でも第11世代CPU環境でサポートが開始されるので、「WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsink」はPCIE4.0対応NVMe SSDとして買って間違いのないオススメの製品です。



「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」のヒートシンクなし版のレビュー時に注意点として、温度検証においてメモリチップの発熱がPCIE4.0対応も含めて一般的なNVMe M.2 SSDよりも高かったことを指摘し、同時に市販品やマザーボード備え付けのM.2 SSDヒートシンクの併用を強く推奨していました。

「WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsink」に搭載されているヒートシンクは、ハイエンドマザーボードに備え付けられているM.2 SSDオーバーサイズな大型ヒートシンクに比べるとやはり冷却性能で見劣りするのは否めません。
とはいえPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDで最速クラスのWD_BLACK SN850でサーマルスロットリングによる速度低下を生じさせず運用できるだけの冷却性能はあるので、ヒートシンクがない、もしくは付属ヒートシンクが貧弱なエントリーからミドルクラスのマザーボードでWD_BLACK SN850を導入したいユーザーにとってはありがたいモデルだと思います。



以上、「WD_BLACK SN850 NVMe SSD with Heatsink」のレビューでした。
WD_BLACK SN850 NVMe SSD 2TB with Heatsink


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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