Intel第8/9世代Core-SやAMD第2世代Ryzenなどメインストリーム向けのマルチプラットフォームにおいてメモリ電圧1.200Vの低電圧でメモリ周波数2933MHzにネイティブ対応となる8GB×2=16GBの2枚組DDR4メモリキット「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」をレビューしていきます。
製品公式ページ:http://www.ocmemory.jp/product/ocmemory/ocm2933cl16d-16gbnh.htmlOCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH レビュー目次
1.OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNHの外観
2.検証機材、メモリOCの基本と手順
3.OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNHの動作検証
4.OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNHのレビューまとめ
OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNHの外観
まず最初に「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」の外観をチェックしていきます。![DSC05938_DxO](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/3/8/3875eb17-s.jpg)
「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」は8GB×2=16GBのメモリキットなので、DDR4メモリが2枚入っています。
![DSC05940_DxO](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/4/4/4466cef8-s.jpg)
PCB基板の色が黒色であることを除けば、ヒートシンクがない標準的なDDR4メモリです。片面実装で8枚のメモリチップが実装されている、シングルランクのメモリモジュールです。
「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」には1.200Vの低電圧で2933MHzの動作が可能な厳選されたSK Hynix C dieチップが採用されています。低電圧動作なのでヒートシンクなしでも安心です。
![DSC05942_DxO](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/f/0/f0082b45-s.jpg)
![DSC05943_DxO](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/4/4/446c5258-s.jpg)
PCB基板の色が黒色なので、現在主流な黒色を基調にしたゲーミングマザーボードにもマッチします。
![DSC05945_DxO](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/c/0/c071d6b3-s.jpg)
![DSC05944_DxO](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/4/d/4d4c6da8-s.jpg)
下写真は見やすいように緑色基板のメモリになっていますが、「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」はヒートシンクがない標準DDR4メモリなので、メモリクリアランスの低いコンパクトCPUクーラーでも干渉フリーで使用できます。
![DSC05956_DxO](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/6/8/685f8120-s.jpg)
メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
ここからはメモリのオーバークロックを行いますが、その前に検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明を行います。「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」のメモリOCを行う環境としては、Core i9 9900Kで構成されるIntel環境を用意しました。
テストベンチ機の構成 |
CPU |
Intel Core i9 9900K 8コア16スレッド (レビュー) |
CPUクーラー |
Thermalright AXP-100 Full Copper (レビュー) |
メインメモリ |
OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH DDR4 8GB*2=16GB |
ビデオカード |
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
システムストレージ
|
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
OS |
Windows10 Home 64bit |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
![Thermalright AXP-100 Full Copper review_06116](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/2/6/26b38ee5-s.jpg)
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
・「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
実際にメモリのオーバークロックを行う前にメモリのOCについても紹介しておきます。
マザーボードメーカーによってレイアウトこそ多少異なるものの、メモリOC設定の方法については基本は共通なのでここの説明を一通り読めば予備知識としては十分だと思います。プラットフォーム別でも、2019年最新のIntel第9世代CoffeeLake(Refresh)-S CPUに対応するIntel 300シリーズマザーボードであればほぼ全ての機種で似たような設定が可能です。またIntel第9世代Core-X&X299マザーボード環境、AMD Ryzen&AM4マザーボード環境、AMD Ryzen Threadripper&X399マザーボード環境でもメモリOCの手順はほぼ同じです。
まず大前提としてオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。最近のPCパーツは常識的な範囲内であればOCしても壊れることは滅多にないはずですが、データの破損は依然としてよくあることなので大切なデータは予め隔離するかバックアップをとってください。CPUやGPUのオーバークロックと違ってメモリには負荷テストで落ちる(BSODやフリーズ)わけでもないのに、長期的に見てランダムにソフトウェアでエラーが発生するなどといったケースもあり、実用を兼ねるOCとしては比較的難易度が高いです。最低限の安定性検証は必要なのでメモリOC時のストレステストについて、管理人は経験的に
HCI memtestで200%カバーを確認後、動画のエンコードテストを30~60分で安定動作と判断しています。記事内で行ったメモリOCについては特に記載がなければ上記の検証クリアで安定動作としています。
また18年に入ってから新たにリリースされた「Ram Test(レビュー)」という海外のメモリ安定性検証ソフトが軽量かつ使いやすく、1000円程の有料ソフトですがおすすめです。![RAM Test](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/0/6/0661647f.png)
その他にも負荷テストにはPrime95やOCCTなどかなり重いストレステストを使うユーザーも多いようですが、CPUにしろメモリにしろ専用負荷ソフトを使ってOCの安定性検証をしていても落ちるときは落ちるので、ある程度のところで見切りをつけて、日頃のバックアップを心掛け、落ちた時は設定を緩めるか電圧を盛るほうが手っ取り早いというのが管理人の持論です。
メモリOCに伴うBSODやフリーズ以外の細かいトラブルについては次の記事でまとめたりコメント欄を情報交換に開放しているので活用してください。
・DDR4メモリのオーバークロックで発症した不具合と解決策について
CPUの倍率変更OCと違って、メモリOCの設定段階では正常にPOSTできずBIOSにすらたどり着けないケースもあり、そういった場合はCMOSクリア(BIOS設定の初期化)が必要になる場合があります。CMOSクリアの方法はオンボードやリアI/Oに実装されたスイッチを使用したり、オンボードジャンパーピンを使用したりとマザーボードによって方法が異なります。メモリOCを実践する前に予めCMOSクリアの方法をチェックしておいてください。
![CMOS Clear_1](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/f/4/f49a78e6-s.jpg)
前置きはこのあたりにして、メモリのオーバークロックに関するBIOSの設定について、Core i9 9900KなどIntel第9世代CoffeeLake Refresh-S CPUに対応するZ390チップセット搭載マザーボードの「ASUS WS Z390 PRO」を例に詳しく紹介していきます。
メモリの性能は簡単に言うと『動作クロックが高く』『タイミングが小さい』ほど性能が高くなります。そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると、「
1.電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「
2.そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。最初のメモリタイミング設定については「16-18-18-36」とか「18-18-18-38」とか「20-20-20-40」とか、何でもいいのでてきとうに決め打ちするか、マザーボードの自動設定にお任せしてしまいます。動いたらラッキーでタイミングを小さく刻み、動かなかったらタイミングを緩めてまたチャレンジする、という具合で特定のメモリ周波数についてチェックしていきます。
メモリのOCでは、G.SkillやCorsairなどからOCプロファイルを収録した選別済みOCメモリという便利なものが販売されています。XMPなどOCプロファイルによるOC対応がうたわれているOCメモリでは、上の手順によるメモリのオーバークロック、つまりOC耐性の選別をメモリメーカー側がすでに行って、その個体(メモリモジュール)について動作確認をしています。
IntelプラットフォームではこういったOCプロファイルのことを「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル(XMP)」と呼んでいます。XMPはIntelが策定したものなので、厳密にいうとAMD環境には非対応ですが、XMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されており、XMPがほぼデファクトスタンダード的扱いになっているので、OCプロファイルによるメモリOCを”XMPでOCする”とまとめて表現してしまう場合もあります。
ともあれOCプロファイルによるメモリOCではメーカーが動作確認を行ったメモリモジュールでOCプロファイルを適用するだけなので、メーカーが確認済みもしくは類似の環境(主にQVLに記載のあるマザーボード)が用意できれば簡単にメモリをオーバークロックができます。以上を念頭にBIOS(UEFI)メニューから行う具体的なメモリOCのBIOS設定を見ていきます。なおOC設定を詰めていく時はWindowsとBIOSを頻繁に行き来することになるので、BIOS(UEFI)への再起動ショートカットを作っておくと非常に便利です。
BIOS(UEFI)への再起動ショートカットの作り方も別の記事で紹介しています。
ASUS WS Z390 PROでは「AI Overclock Tweaker」からXMPモードを選択することでOCメモリに収録されたXMPプロファイルによるメモリのオーバークロックが可能です。
![メモリOC設定_1](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/f/0/f0cdfaa4.png)
「AI Overclock Tweaker」のAutoモードやManualモードにおいて「DRAM Frequency」の設定値がAutoになっている場合は、使用するメモリにSPD情報として収録されている動作クロック2133~2666MHzなど周波数およびタイミングによる定格動作となります。
手動でメモリ周波数を設定する場合は「DRAM Frequency」の項目でプルダウンメニューから最大8533MHzまでの動作クロック(倍率)設定が可能です。G.SkillやCorsairのOCメモリでも18年後半現在XMP4600MHzが最高なのでまだまだ道のりは長いですが。
メモリ周波数もBCLKに対する倍率で動作周波数が決まっているので、BCLKを標準値の100MHzから120MHzに上げると、44倍設定時の動作周波数は4000MHzから5280MHzに上がります。
XMP対応OCメモリの仕様値について、メモリ周波数に加えて「16-18-18-36」のようなメモリタイミングについての表記に見え覚えのある読者も多いと思います。このワンセットになった数字はファーストタイミングもしくはプライマリタイミングとも呼ばれ、Intel/AMD環境毎やマザーボードベンダー毎に表記がやや異なるものの、前から順に「CAS Latency (tCL」)」、「RAS to CAS (tRCD)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」となっています。ユーザーが各自でメモリタイミングを手動設定する場合は上の4つに加えて「Refresh Cycle Time (tRFC)」と「Command Rate:1 or 2」の計6つについて設定し、残りはマザーボードの自動設定にお任せしてしまうのが、比較的簡単でおすすめな設定方法です。
![](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/3/d/3d041014.png)
メモリのタイミングには他にも多くの項目がありますが、基本的には上の6つを適切に設定すればOKです。XMPの場合は自動的に動作確認済みのタイミングが適用されますし、マニュアル設定の場合でも設定値Auto(自動)であればマザーボード側がメモリ周波数に合わせて適当に設定を行ってくれます。
最初に書いたように
タイミングは小さい方が性能が高くなります。ただタイミングの設定は少し難しいのでXMPかAuto設定にお任せしてしまうのが手っ取り早くておすすめです。
なおメモリクロックもCPUコアクロック同様にBCLK(ベースクロック、FSBなどとも)に対する倍率なので、BCLKを変更することでBCLK:100MHz時の4133MHz上限から、例えばBCLK:120MHzにすると上限5000MHzに引き上げられます。
ただしBCLKを使ったOCはかなり難易度が高いので基本的に100MHz固定が推奨です。![メモリOC設定_4](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/4/b/4b654410.png)
DDR4メモリでメモリ周波数をOCする場合2133MHz~2933MHzあたりまでであれば、DRAM電圧は定格の1.200Vで問題なく動作することが多いですが、
メモリ周波数3000MHz以上を狙う場合はDRAM電圧を1.350V以上まで昇圧する必要があります。マザーボードによってはメモリ周波数に応じて自動で設定してくれるものもありますが、手動設定のほうが確実なので予め設定しておくのがおすすめです。
![メモリOC設定_5](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/d/8/d8fc7ded.png)
なおDRAM電圧を盛ると当然発熱は大きくなりますが、1.350~1.380V程度であればCPUソケット周辺に直接風の当たらない簡易水冷環境であってもOCメモリに設置されたヒートシンクによるパッシブ冷却で基本的に問題ありません。ただしメモリ周波数4000MHz以上になると1.400V以上が要求され、OC自体も難しくなり、発熱も大きくなってきます。
IntelプラットフォームのCoffeeLake Refresh(Z390)、Core-X(X299)の環境では3200MHzから3600MHz、AMDプラットフォームのRyzen(X470/X370)やRyzen Threadripper(X399)の環境では2933MHzから3200MHzを狙うのが難易度的には比較的簡単なのでおすすめです。説明の順番が前後してしまいましたが、初めてメモリのOCをする場合は、メモリ周波数やタイミングを変更する前に、
HWinfoなどのモニタリングソフトを使用してBIOSで指定した電圧設定が正常に反映されているか確認しておくとメモリOCに失敗した時に原因切り分けに役立ちます。
DDR4メモリの動作クロックを3000MHz以上にOCする場合はDRAM電圧だけでなく「VCCSA」等の周辺電圧も適度に盛ってやるとメモリOCの動作が安定する可能性があります。またAMD Ryzen CPU環境の場合は「SOC電圧」を昇圧します。設定の目安としてはIntel環境の「VCCSA」なら1.200~1.250V程度、AMD環境の「SOC電圧」なら1.100~1.200V程度を狙うといいようです。一部のマザーボードではメモリ周波数で高い数値を選んだ時やXMP適用時にこれらの電圧を自動的に昇圧してくれるものもありますが、メモリのOCを行うときはメモリ電圧同様に手動で設定しておくのがおすすめです。
![メモリOC設定_6](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/c/b/cb98630a.png)
また一部のマザーボードではメモリOCに伴いPCI-E拡張デバイスの検出不可やUSB機器同士の干渉といった不具合が生じる場合があります。グラフィックボードを検出できないと画面が暗転したまま表示できなくなるので非常に困ります。この不具合が発生した場合、CoffeeLake-SやSkylake-XなどIntel環境では「VCCIO」や「PCH Core Voltage」(マザーボードメーカーごとに表記が若干異なる)を1.150~1.200V程度に盛ると安定します。
Intel Z270マザーボードではメモリ周波数を3000MHz以上にOCすると、PCI拡張デバイスの認識に不具合が発生しましたが、「VCCIO」を適当に盛ってやることでメモリをOCしても正常に動作しました。
メモリのオーバークロックの方法や基礎知識については以上となります。BIOS上のOC設定のレイアウトについてはマザーボードベンダーが決まればほぼ共通です。下記のレビュー記事一覧から自分が使っているのと同じメーカーのマザーボードのレビュー記事を探して、OC設定の章を参考にしてみてください。
・
Intel第9世代CPU対応300シリーズマザーボードのレビュー記事一覧へ・
Intel Core-X対応X299マザーボードのレビュー記事一覧・第2世代Ryzen対応X470チップセット搭載AM4マザーボードのレビュー記事一覧・X399チップセット搭載Socket TR4マザーボードのレビュー記事一覧へ![Intel Z390](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/b/b/bb469b1d-s.jpg)
OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNHの動作検証
「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」をIntel第9世代Core-S&Z390マザーボードの検証機材にセットアップして早速動作検証を行っていきます。最初に「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」のメモリモジュールの仕様等についてソフトウェアから確認してみましたが、製品公式ページの紹介通り、SK Hynix製メモリチップが採用されています。。
![OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH_spec](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/4/a/4ab5d762.png)
「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」は製品スペックの通り、メモリ電圧1.200Vの低電圧でメモリ周波数2933MHzで問題なく起動し、RAM Testによるストレステストでも安定動作が確認できました。
![OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH_2933_Boot](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/e/1/e18a1758.png)
![OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH_2933_stress](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/9/2/924be38e.png)
実は管理人が「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」を購入した数日後に、同じくメモリ電圧1.200Vでメモリ周波数3200MHzに対応するOCM3200CL18D-16GBNHBが発売されるという悲劇に見舞われました。
「おなじSK Hynixメモリチップだから手動設定したら同じスペックで動くよね」と思いつつ試してみましたが、残念ながら「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」はメモリ電圧1.200Vでメモリ周波数3200MHzは起動はするものの、ストレステストをクリアできませんでした。やはり3200MHz対応モデルはしっかりと低電圧に優れたものが選別されているようです。
![OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH_3200_Boot](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/5/a/5ae90832.png)
![OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH_3200_stress](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/c/0/c0781fb7.png)
OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNHのレビューまとめ
最後に「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。
良いところ- DDR4-2933MHzで定格動作の8GB×2=16GBのDDR4メモリキット
- SK Hynix製メモリチップから低電圧に優れたものが選別され、1.200Vで安定動作
- Intel第9世代Core-SやAMD第2世代Ryzenなどメインストリーム向けマルチプラットフォーム対応
- 黒色PCB基板なのでゲーミングマザーボードにも溶け込む外観
- 2年間の国内正規サポート保証
- 18年5月現在、8GB*2=16GBで1.2万円を切るという優秀なコストパフォーマンス
悪いところor注意点- 同モデルは終売、同スペックで後継の「OCM2933CL16D-16GBNHB」が発売中
- メモリヒートシンクは非搭載
「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」は製品スペック通り、手動設定を行わない自動設定においてメモリ電圧1.200Vの低電圧でメモリ周波数2933MHzの安定動作が確認できました。SK Hynixの最新メモリチップが採用されているのでメモリ電圧をOCメモリで標準的な1.350Vまで昇圧すれば、3200MHzから3600MHzへの手動OCも難しくないと思います。なお同社からは同じくメモリ電圧1.200Vでメモリ周波数3200MHzのモデルもリリースされていますが、同製品では1.200Vで3200MHzの安定動作は無理でした。3200MHz対応モデルは同製品よりもさらに低電圧に優れるメモリチップが選別されているようなので、予算に余裕があれば3200MHzに対応する「OCM3200CL18D-16GBNHB」も検討しても良いと思います。
メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがIntel環境における通説でした。そのため管理人もDDR4メモリ、とりわけOCメモリと呼ばれる製品については、性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはおすすめな買い方だと思っていました。
しかしながらAMD RyzenおよびAMD Ryzen Threadripper環境ではInfinity Fabricというチップ内外のインターコネクトの構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。Ryzen環境についてはAMD公式からも『今後のBIOS(マイクロコードAGESA)アップデートでXMP3200MHzのメモリであれば3200MHzで動作することを目標にしている』とのインタビューもあり、AMD RyzenやAMD Ryzen Threadripperでハイパフォーマンスな環境構築を目指すのであれば是非ともメモリ周波数3200MHz動作を狙いたいところです。
以上、「OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH」のレビューでした。
![OCMEMORY OCM2933CL16D-16GBNH](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/a/c/ac924d93-s.jpg)
関連記事
・「G.Skill Trident Z Royal」をレビュー
・「Corsair Dominator Platinum RGB」をレビュー
・「Corsair VENGEANCE RGB PRO」をレビュー
・「Kingston HyperX Predator RGB」をレビュー
・「G.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRX」をレビュー
・「G.Skill Flare X F4-3200C14Q-32GFX」をレビュー![G.Skill Flare X F4-3200C14Q-32GFX](https://livedoor.blogimg.jp/wisteriear/imgs/6/d/6dfe748d-s.jpg)
・「G.Skill Trident Z F4-4200C19Q2-64GTZKK」をレビュー
・「GIGABYTE AORUS RGB Memory」をレビュー
・「Corsair Dominator Platinum Airflow RGB」をレビュー