スポンサードリンク
次世代規格WiFi6の5GHz帯4804Mbps×2バンド&2.4GHz帯1148Mbpsのトライバンドによって合計約11Gbpsに達する高速な無線接続や2.5Gbpsの有線接続に対応する、ゲーマーのためのWiFi無線ルーター「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」のサンプル機をメーカーからお借りできたのでレビューしていきます。
製品公式ページ:https://www.asus.com/jp/Networking/ROG-Rapture-GT-AX11000/
マニュアル:https://dlcdnets.asus.com/pub/ASUS/wireless/GT-AX11000/J15154_GT-AX11000_UM_WEB.pdf
ASUS ROG Rapture GT-AX11000の外観
最初に「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の外観や付属品についてチェックしていきます。「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」のパッケージを開いていきます。「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」は高級感のある化粧箱で梱包されており、上蓋を外すと紙製のスペーサーの中央にビニール包装されたルーター本体が置かれていました。
ルーターの置かれた紙製スペーサーを取り出すと、下にはスティック型のWiFiアンテナ8本、その隣の紙箱にはACアダプタとLANケーブルが収められており、アンテナの下にはマニュアルが入っていました。
RT-AX88UやRT-AC88Uなど従来のASUS製ゲーミングルーターは巨大ではあるものの長方形型で一般的なルーターを大きくしたような形状に分類できましたが、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」は正方形型で厚みも大きく、ルーターとしてはかなり異様です。
アクセントカラーも、RT-AC88Uではレッド、RT-AX88Uではゴールドでしたが、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」はゲーミングブランドROGを冠する製品ということで、ROGブランドの周辺機器で採用されることの多いカッパーカラーのラインがあしらわれています。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の天面中央のROGのアイコン部分にはLEDイルミネーションが内蔵されており、ソフトウェア上からライティング制御にも対応しています。
上から見ると完全密閉な構造ですが、底面にはほぼ全体を覆うエアスリットが備わっていました。厚みが5mm以上あるゴム足が四方に設置されていて通気も良さそうなので放熱は問題なさそうです。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の寸法は、正方形に近いフットプリントで1辺が25cm以上あり、厚みもゴム足を含めて60mmと巨大です。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」は横置きでの使用が想定されており、4側面にはそれぞれアンテナ端子が2つずつ、正面にインジケーターLED、向かって左側面にスイッチ、背面に各種I/Oが実装されています。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の向かって左側面の手前側には「WiFi(無線のON/OF)」「WPS」「Boost」という3つのスイッチが実装されています。
Boostスイッチは無線LAN管理画面DashBoardから、「インジケータLED」、「DFSチャンネル」、「AURA RGB LEDイルミネーション」、「ゲームブースト」など各種機能のON/OFFショートカットスイッチを割り当てることができます。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の本体背面には左から順に、電源スイッチ、DC端子、USB3.0端子*2、2.5Gb有線LAN端子、有線WAN端子、有線LAN端子*4、リセットスイッチが実装されています。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」にはスティック型のアンテナが8本付属します。
アンテナの根本は装着時の0度、使用時の45度および90度の3段階で可動します。
RT-AX88UやRT-AC88Uではスティック型アンテナは背面と側面に2本ずつで計4本でしたが、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」は4側面にそれぞれ2本ずつで計8本のアンテナを装着します。
アンテナを90度で設置していても元々のルーター自体が大きいので占有面積は広いですが、アンテナを45度に広げると占有面積はさらに大きくなります。
ASUS ROG Rapture GT-AX11000の使い方と性能
続いて「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」のハードウェアスペック、基本的な使い方、性能についてチェックしてきます。ASUS ROG Rapture GT-AX11000のハードウェアスペック
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」は、1.8GHzの高速なクアッドコアCPU「Broadcom BCM4908」、1GBの大容量メモリを搭載という市販の無線LANルーターではなかなかお目にかかれないハイスペックなハードウェア仕様になっているところも魅力の1つです。ASUS ROG Rapture GT-AX11000 CPU・メモリ スペック比較 | ||||
GT-AX11000 | RT-AX88U | RT-AC88U | RT-AC87U | |
CPU | Broadcom BCM4908 |
Broadcom BCM4709C0 |
Broadcom BCM4709 |
|
コア数 | 4コア | 2コア | 2コア | |
コアクロック | 1.8GHz | 1.4Ghz | 1.0GHz | |
メモリ | 1024MB | 512MB | 256MB |
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の有線および無線のネットワーク関連ハードウェアスペックについて、同社製品と比較した早見表は次のようになっています。
GT-AX11000は前モデルGT-AC5300と同様にトライバンドですが、WiFi6に対応したことで合計最大速度は2倍以上の約11Gbpsに達しています。
ASUS ROG Rapture GT-AX11000 ネットワーク比較 | ||||
GT-AX11000 | GT-AC5300 | RT-AX88U | RT-AC88U | |
Wi-Fi6 802.11ax |
対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
バンド数 | 3 | 2 | ||
2.4GHz帯 | 1148Mbps | 1000Mbps | 1148Mbps | 1000Mbps |
5.0GHz帯-1 | 4808Mbps (W52/W53) |
2167Mbps (W52/W53) |
4808Mbps |
2167Mbps |
5.0GHz帯-2 | 4808Mbps (W56) |
2167Mbps (W56) |
- | |
1.0Gb LAN |
4 | 8 | ||
2.5Gb LAN |
1 |
- | ||
USB |
USB3.1 Gen1 × 2 |
USB3.1 Gen1 USB2.0 |
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の有線ネットワークについては1Gb LANが従来の8基から4基に減っていますが、代わりに2.5Gb LANが搭載されており、NAS等と接続するLANポートだけでなくWANポートとしても使用できます。
また、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」はゲーマー向け無線ルーターということで、「1.PC上でオンラインゲームの通信を優先させるソフトウェアGameFirst Vに対応」、「2.コンソールゲーム機においてはパケットレベルでの通信優先制御を行うAdaptive QoSのゲームブースト」、「3.ゲーマープライベートネットワークによって最適なインターネット通信経路を確保するwtfastサービス対応」、というゲーマーのための3つのソリューションが用意されています。
ASUS ROG Rapture GT-AX11000の基本的な使い方
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の基本的な使い方について紹介します。「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」を使用する上で最初にインターネットやワイヤレスSSID等の初期設定が必要になります。
まずは「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」のWAN端子と光回線の終端装置(ONU)をLANケーブルで接続し、LAN端子にPCを接続します。注意点としてPCを2.5Gbイーサに接続して使用する場合であっても初期設定の際は1Gbの通常LAN端子に接続しないと、初期設定ページを開くことができません。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」のWAN端子とLAN端子に光回線やPCを接続したら、ウェブブラウザを開きます。初期設定を済ませていないので当然ネットには繋がりませんが、URLボックスに直接、「http://router.asus.com」もしくは「http://192.168.50.1」と入力するとクイックセットアップ画面が表示されます。
「新しいネットワークを作成」のボタンとその下にスクロールすると「詳細設定」というリンクもありますが、基本的に「新しいネットワークを作成」でOKです。「新しいネットワークを作成」を選択すると、プロバイダへの接続設定が表示されるので、契約したプロバイダのユーザー名とパスワードを入力します。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」は下の画面のように日本語UIにも対応しており、インターネット接続設定もプロバイダのユーザー名&パスワード以外は自動で行ってくれるので非常に簡単です。
このあとワイヤレスSSIDの設定やBoost Keyの機能割り当てなどの初期設定を挟みますが、最後に「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の管理アカウントのユーザー名&パスワードを設定したら初期設定は完了です。
上記の初期設定完了後に、再度URLボックスに直接、「http://router.asus.com」もしくは「http://192.168.50.1」と入力するとログイン画面が表示され、上で設定したユーザー名&パスワードを入力すると「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の管理画面が表示されます。
管理画面のトップページとなるダッシュボードを下にスクロールしていくと、オンラインゲームのサーバーにアクセスしてPINGの実測値を表示する「ゲームレーダー」、天面ROGロゴLEDイルミネーションのライティング制御をする「AURA RGB」、ブーストボタンの機能割り当てなどの設定画面が配置されています。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の管理画面については、PCゲーム最適化関連は英語のままで翻訳されていないものの、ルーターとしての基本的な設定画面は日本語にしっかりとローカライズされているので、国内大手メーカーの無線LANルーターと同様に使えると思います。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」には4コア1.8GHzの高性能なCPUが搭載されているので、管理画面のページ切り替えでもたつくこともなく、サクサクと動作します。
ASUS ROG Rapture GT-AX11000の性能
最後に「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の性能についても簡単にチェックしてみました。「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の性能検証には5GbイーサとWiFi6対応無線LANを標準搭載するハイエンドX570マザーボード「ASUS ROG CROSSHAIR VIII FORMULA」を使用しました。
・「ASUS ROG CROSSHAIR VIII FORMULA」をレビュー
まず有線接続についてですが、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の2.5Gb有線LAN端子を、ASUS ROG CROSSHAIR VIII FORMULAのリアI/Oに標準搭載されたAQUANTIA製5Gbイーサに接続したところ、2.5Gbpsで正常に接続されました。
管理人のネット環境は「関西在住、フレッツ光、プロバイダOCN」で有線のみの理想的な環境でも、比較的良好な状態でPING値が30ms前後、ネット回線が込む20~24時に測定を行うとPING値は60ms前後になります。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」とPCの間を1Gbの通常有線LANで接続した場合、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の2.5Gb有線LANと「ASUS ROG CROSSHAIR VIII FORMULA」の5Gb有線LANを接続した場合の両方についてPINGをオーバーウォッチでチェックしてみましたが、両者の間に大きな差は確認できませんでした。
ワイヤレス接続については、同じくASUS ROG CROSSHAIR VIII FORMULAがWiFi6(802.11ax)に対応する無線LANを標準搭載しているので、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の5.0GHz帯で接続したところ、WiFi6で正常に接続されました。しかしながらASUS ROG CROSSHAIR VIII FORMULAの無線LANが2.4Gbpsの最大通信速度であるのに対して、通信状態のプロパティに表示される通信速度が1.2Gbpsと低い値になりました。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」の無線設定における注意点として、802.11ax接続で高速な通信を行うには、管理画面から802.11axを有効化するだけでなく、チャネル帯域の「160MHz」も手動で有効化する必要がありました。
WiFi6(802.11ax)の通信速度2400Mbpsでオンラインゲームのプレイが可能なのか試してみました。なお今回は下の写真のように「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」とマザーボードの無線アンテナの距離を0.5m程度の非常に近い位置に置くというかなり理想的な設定です。(壁の隔たりがない同室内なら数m程度では距離に依らず似たような結果になると思いますが)
管理人のネット環境は「関西在住、フレッツ光、プロバイダOCN」で、ネット回線が込む20~24時に測定を行ったので有線接続の理想的な環境でも、PING値は60ms前後になります。
ワイヤレス接続にするとWiFi6であっても、PING値が80~100ms程度に増え、加えて、有線接続では発生しなかった症状として接続に問題があることを示す大きな橙色のバーが頻発しました。橙色のバーが表示されると、他キャラクターがカクついて飛び飛びになったりして、視覚的に問題がはっきり認識できました。プレイできなくはありませんが、やはりオンラインゲームのプレイするなら有線接続が鉄板だと再認識させられました。
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」のWiFi6対応ワイヤレス接続については、2.5Gbポートに同帯域に対応したNASを有線接続し、ワイヤレスによって2Gbps以上の高速通信で共有できるネットワークストレージを構築するのが最適な使い方ではないかと思います。
ASUS ROG Rapture GT-AX11000のレビューまとめ
最後にゲーマーのためのWiFi無線ルーター「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 合計11Gbpsのトライバンド無線LAN
- WiFi6(802.11ax)の5GHz-1/2帯は最大通信速度4800Mbpsに対応
- 2.5Gbイーサを搭載しており、LANおよびWANとして使用可能
- 8本の大型アンテナによって電波強度が大きい
- 1.8GHz高速なクアッドコアCPU「Broadcom BCM4908」を搭載でサクサク動く
- クイックセットアップでネット接続の設定は非常に簡単
- 管理画面の基本的な項目は日本語ローカライズに対応
- 1辺25cmの正方形で厚み6cmと非常に巨大でアンテナを含めるとさらにスペースを取る
- 19年7月現在、販売価格は税込み6万円以上と非常に高価
「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」はゲーマー向け無線ルーターということで、PC上でオンラインゲームの通信を優先させるソフトウェアGameFirst Vに対応、コンソールゲーム機においてはパケットレベルでの通信優先制御を行うAdaptive QoSのゲームブースト、ゲーマープライベートネットワークによって最適なインターネット通信経路を確保するwtfastサービス対応という3つのソリューションが用意されています。
オンラインゲームで有線接続が最適解であることは間違いありませんが、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」はゲーミングPCが接続された特定のワイヤレス回線の通信を優先させたり、8本の大型アンテナによって非常に高い電波強度で通信できるので、宅内において光回線ポートの位置の都合でゲーミングPCのネット接続を無線にせざるを得ないようなケースでは、強い味方になると思います。
またゲーマー向けを謳う製品なのでメーカーの意向からは逸れるのかもしれませんが、モバイルPCや最新マザーボードに搭載された現在普及しつつあるWiFi6対応の無線LANは最大通信速度2400Mbps(2.4Gbps)のものが多く、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」には2.5Gbpsイーサが搭載されているので、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」を介して2Gbpsオーバーの高速な共有ストレージネットワークが構築できるところが個人的には魅力に思えました。
以上、「ASUS ROG Rapture GT-AX11000」のレビューでした。
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
スポンサードリンク