Datacolor Spyder X2 Ultra



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カラーキャリブレーションとディスプレイ性能評価の機能を備えた純正ソフトウェアが使用できて初心者にも優しいディスプレイ用のカラーキャリブレーションツール Spyder X2シリーズから、最大2000cd/m^2までの高輝度HDRモニタにも対応する上位モデル「Datacolor Spyder X2 Ultra」をレビューします。
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製品公式ページ:http://datacolor.jp/spyder/spyderx2/SpyderX2ultra.html





Datacolor Spyder X2 Ultraの外観・付属品

まずは「Datacolor Spyder X2 Ultra」の本体や付属品をチェックしていきます。
「Datacolor Spyder X2 Ultra」は従来モデルと同じく、白色を基調に赤色をアクセントカラーにしたパッケージで梱包されていました。
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「Datacolor Spyder X2 Ultra」のカラーキャリブレータ本体は、三角から角を落として各辺に凹凸の丸みを持たせた従来モデルと全く同じ形状です。
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本体天面の製品ロゴが”Spyder X2”に変わったことを除けば、外観からは新モデル X2と従来モデルのどちらなのか、全く分かりません。
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「Datacolor Spyder X2 Ultra」はカラーキャリブレータ本体とベース部分を2つに分割でき、パカッと割ると測色センサーのレンズが現れます。測色センサー部分にはディスプレイや測定対象を傷つけないように円形にクッションも貼ってあります。
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分割したベース部分はUSBケーブル上を前後に動かすことができ、PCディスプレイやテレビをキャリブレーションする時は、裏側に置くことで本体のカウンターウェイトになります。
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カラーキャリブレータ本体側面、USBケーブルの根本から時計回りに120度回転した位置にはカメラ機器の固定においてデファクトスタンダードなG1/4ネジ穴があります。
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以上のように「Datacolor Spyder X2 Ultra」やX2シリーズ下位モデルのSpyder X2 Eliteは基本的に従来モデルとほぼ同じ外観ですが、唯一大きく異なるポイントして、USBケーブルの接続端子がType-Cに変更されています。
Type-A端子への変換アダプタが標準で付属しているので特に問題はないと思いますが、一応注意してください。
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「Datacolor Spyder X2 Ultra」や下位モデル Spyder X2 EliteなどX2シリーズの登場と共に、従来の上位モデルであるSpyder X Eliteは終売となりましたが(正確には在庫限り)、下位モデルのSpyder X Proは価格変更で販売継続となっています。
各製品の機能の違いについては下の一覧表を参照してもらいたいのですが、PCモニタで用途別に簡単にまとめると、次のような感じです。
  • Spyder X Pro → 複数のモニタを同じ色調(一般的なプロファイルで)に統一できればいい
  • Spyder X2 Elite(X Elite) → 校正する色調を細かく調整でき、ディスプレイ性能の分析に対応
  • Spyder X2 Ultra → ディスプレイ輝度が1000nitsを超えるHDRモニタの校正・評価が可能
Datacolor Spyder X2 Ultra_spec



Datacolor Spyder X2 Ultraのソフトウェア

続いて、「Datacolor Spyder X2 Ultra」のカラーキャリブレーションに使用できる純正ソフトウェアについてチェックしていきます。
今回レビューする「Datacolor Spyder X2 Ultra」や下位モデル Spyder X2 EliteなどX2シリーズの登場と同時に、対応ソフトウェアも”Spyder X2”という名前にバージョンアップしました。専用ソフトウェアは公式サポートページからダウンロードできます。
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ディスプレイのキャリブレーション

Spyder X2ソフトウェアには当然ですが、「Datacolor Spyder X2 Ultra」を使用したディスプレイのカラーキャリブレーション機能があります。
なお、ディスプレイの発色(特に色温度)はディスプレイの温度等の影響を受けるので、カラーキャリブレーションは実行する前に30分程度のウォーミングアップ(画面を点灯させておく)してください。
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Spyder X2ソフトウェアのカラーキャリブレーション機能は日本語にローカライズされているので(若干、翻訳が怪しい部分もありますが)、書いてある通りに設定すれば特に問題ないと思います。
今回は検証に「Datacolor Spyder X2 Ultra」を使用していますが、下位モデルSpyder X2 Eliteとの違いは1000cd/m^2以上の高輝度対応だけなので、どちらもスクリーンショットのようにホワイトレベル、ガンマ、色温度の目標値を任意に指定できます。
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上記2ページのキャリブレーション設定が完了して先に進むと、まずは色温度に関するOSD設定のガイダンスが表示されます。指示に従ってOSD設定の色温度を調整してください。
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モニタに「Datacolor Spyder X2 Ultra」の外形と同じ形状の枠が表示されるので中央に設置します。
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キャリブレーションを進めるとホワイトポイントの微調整が表示されます。120cd/m^2などキャリブレーション設定で指定した数値になるようにモニタOSD設定で輝度を調整していください。
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あとは80以上のカラーパッチで自動的にキャリブレーションが進むので完了するまで待ってください。
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キャリブレーションが済むとICCプロファイルの保存が表示されるので任意の名前で保存します。合わせて次回のキャリブレーション予定についても選択してください。
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プロファイルを保存すると16種類のサンプルイメージによるキャリブレーション(校正)前後の発色を比較できる画面が表示されます。
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今回、動作確認に使用したモニタの場合、標準だと少し赤みがかっていますが、「Datacolor Spyder X2 Ultra」でキャリブレーションすることで6500Kかつ正確な色表現になりました。
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キャリブレーションによって正確に色表現できる「SpyderProof」に加えて、それをベースにして色温度、ガンマ、コントラストを好みに変更できる「SpyderTune」という設定も可能です。
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最後にキャリブレーションしたモニタの色域やホワイトポイントの精度、ガンマといった簡易のディスプレイ性能情報が表示されます。
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ディスプレイの性能評価

Spyder X2ソフトウェアにはディスプレイの発色や色精度を評価する機能もあります。
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ディスプレイ評価の機能自体は従来のSpyder Xソフトウェアとほぼ同じです。これだけでもSDR表示の性能はだいたい分かります。
2023年12月現在、Spyder X2ソフトウェアはver6.0.1が配信されていますが、「異なるOSD設定ので白色点」でブラックレベルを測定する際、ランダムに画面が暗転しないことがあるという不具合を確認しています。
従来のSpyder Xでは発生しなかった不具合が発売から半年以上経っても修正されないまま残り続けているので、同機能を使用していて、従来機種から買い替えを予定している人は注意してください。
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Spyder X2ソフトウェアのディスプレイ評価機能そのものは従来とほぼ同じですが、レポートにおいて色域でRec2020など新しいリファレンスが追加されています。
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なお、Spyder X2ソフトウェアび色精度の測定については少々注意が必要です。
Spyder X(1)のディスプレイ性能分析機能でもそうでしたが、広色域なモニタでも彩度の過飽和による色ズレが反映されず、カラーキャリブレーション後のような色精度が測定結果として出てきます。
ディスプレイ性能の測定機能の1つ、ガンマ測定でガンマ2.2から大きくズレていると、色精度の結果もズレるので彩度最大の赤青緑に対する相対値で色精度を算出している?のか、なにか適当なカラープロファイルを適用しているのか、具体的な動作は分からないのですが、ともあれ、sRGB等の色精度としては当てにならないので注意してください。
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Datacolor Spyder X2 Ultraのサードパーティ製ソフトウェア互換性について

「Datacolor Spyder X2 Ultra」がDisplayCALなどサードパーティ製のカラーマネジメントソフトウェアで使用できるのか確認してみました。

結論を言ってしまうと、「Datacolor Spyder X2 Ultra」は2024年4月現在、ArgyllCMS(ver3.2.0)に対応していないので、DisplayCalなどサードパーティ製ソフトウェアは基本的に使用できません。

従来モデルのSpyder X(Pro/Elite)シリーズもWindowsデバイスマネージャー上ではDatacolor SpyderXと表示されますが、ArgyllCMSを使用できます。
DisplayCAL等のサードパーティ製カラーマネジメントソフトウェアを使用したい場合、Spyder X ProはX2と併売されているのでそちらを選んでください。(2023年12月現在、X Eliteも在庫限りで販売されている)
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ArgyllCMSとDisplayCALの使い方

上で説明したように、「Datacolor Spyder X2 Ultra/Elite」は2024年4月現在、ArgyllCMS(ver3.2.0)に対応していませんが、従来モデルで現在も併売されているSpyder X ProはArgyllCMSによってサードパーティ製キャリブレーションソフト DisplayCALを使用できるので使い方を簡単に紹介しておきます。

Calibrite DisplayシリーズなどX-Rite i1 Dislplayシリーズ互換製品は社外製ドライバなしでもDisplayCAL等が動くのですが、Spyder X(1)にはArgyllCMSというドライバ・ソフトウェアが必要になります。

最初にArgyllCMSの公式ページからWindows対応バージョンのソフトウェアをダウンロードします。
32bit版と64bit版があるので、64bit版の方をダウンロードしたら解凍し、システムドライブのProgram Filesフォルダ等にコピーしてください。
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_1
ArgyllCMSのver2.3.1以前は著名なしドライバのインストールで作業が少々煩雑でしたが、現在の最新バージョン ver3.2.0では.exe形式のインストール実行ファイル(ArgyllCMS_install_USB.exe)があるのでこれをダブルクリック起動するだけでOKです。コマンドプロンプトは手動で閉じてください。
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_2

ArgyllCMS_install_USB.exeを実行すると自動的に、Spyder X(1)のドライバがArgyllCMSのものに切り替わるはずです。『SpyderX (Argyll)』と表示されていたら下記はスキップしてDisplayCALのインストールに進んでください。
自動で切り替わらない場合は、汎用ドライバでSpyder X(1)がユニバーサル シリアル バス デバイスの項目にあるので、右クリックメニューからドライバの更新を選択します。
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_3
ドライバーの更新で別のウィンドウが表示されるので、ドライバーの検索方法で『コンピューターを参照してドライバーを検索』、『コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します』を順番に選んでください。
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_4 (1)
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_4 (2)
汎用ドライバ(WinUsbデバイス)とArgyllCMSが表示されるので、専用ソフトウェアを使用する場合は前者を、DisplayCALなどArgyllCMSが必要なサードパーティ製ソフトウェアを使用する場合は後者を選択します。以後、同じ手順でドライバは切り替えが可能です。
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_4 (3)

ArgyllCMSの導入が済んだらDisplayCALの公式ページから、DisplayCALのインストーラーをダウンロードします。
DisplayCALについては2019年リリースのver3.8.9.3で開発が止まっていますが、Windows 11環境でも問題なく動作するので、インストーラーをダウンロードしてインストールしてください。

DisplayCALをインストールしたら、起動して、メニューバーのFilesを開き、下の方にある『Locate ArgyllCMS executables』を選択します。
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エクスプローラーが開くので、最初にコピーしたArgyllCMSのフォルダを選択します。
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_6

以上の手順で、Spyder X ProでDisplayCALを使用できるようになります。
冒頭でも書いた通り、2024年4月現在は非対応ですが、ArgyllCMSが対応すれば「Datacolor Spyder X2 Ultra/Elite」でもDisplayCALを使えるようになると思います。
How-to-use_ArgyllCMS and DisplayCAL_7



Datacolor Spyder X2 Ultraのレビューまとめ

一般的なPCユーザーがPCモニタのカラーキャリブレーションをするとなると、今回レビューしたDatacolor Spyderシリーズ、もしくはX-RiteからPCディスプレイ向け測色計の販売が移管されたCalibrite Displayシリーズのどちらかを選ぶことになります。


どちらもカラーフィルター式の測色計なので測定精度自体は大差ありませんが、Calibrite Displayシリーズの専用ソフトウェア Calibrite PROFILERはキャリブレーション自体と、キャリブレーション後の色精度の測定くらいしかできないのに対して、Datacolor Spyderシリーズの専用ソフトウェアはキャリブレーション機能に加えてディスプレイ性能の評価機能もあります。
Datacolor Spyderシリーズのほうが、カラーメーター入門でディスプレイ評価もしたい人にはソフトウェアも含めて取っつきやすい製品だと思います。

あと個人的な意見としてPCモニタのレビューをする人なら、純正ソフトウェアも分かり易いので「Datacolor Spyder X2 Elite」は最低限用意したほうが良いかなと。
今のところサードパーティ製ソフトも使用できませんし、プロジェクタの校正・評価をしないなら、1000cd/m^2以上の高輝度に対応したSpyder X2 Ultraは必要ないと思います。

現在販売されているのはSpyder X Pro、Spyder X2 Elite、Spyder X2 Ultraの3モデルですが(X Eliteも在庫限りで併売)、Spyder X Proはキャリブレーションだけでなくディスプレイ評価機能にも若干の制限があるので注意してください。具体的には評価項目を任意に選択できません。
Datacolor Spyder X2 Ultra_spec

Spyder X Proは公式ソフトウェアでは機能に制限がありますが、現時点でもArgyllCMSに対応しています。DisplayCalなどサードパーティ製ソフトを使用するのであれば2万円台で安価なので検討する価値はあると思います。
CalibriteはX-Rite i1 Display時代の製品に完全互換で、サードパーティ製ソフトと組み合わせるカラーメーターとして使い易いのですが、下位モデルDisplay SL(ColorChecker Display)でも3万円以上なのでコスパを重視するならSpyder X Proもありかなと。


以上、「Datacolor Spyder X2 Ultra」のレビューでした。
Datacolor Spyder X2 Ultra


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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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