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GeForce RTX 4060 TiグラフィックボードとしてGAINWARDからリリースされた、全長172mmのMini-ITX対応ショートモデル「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB(型番:NE6406T019P1-1060E-G)」をレビューしていきます。
RTX40シリーズのミドルクラス上位モデルRTX 4060 Tiが、前世代同クラスRTX 3060 Tiをどの程度上回り、前世代アッパーミドルのRTX 3070にどれくらい迫るのか、実ゲームのベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。
代理店公式ページ:https://newx-corp.jp/product/gainward-rtx-4060-ti-pegasus-8gb-gddr6-128bit-3dp-hdmi/
製品公式ページ:https://www.gainward.com/main/vgapro.php?id=1189&lang=jp
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB レビュー目次
1.GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの外観
2.GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの分解
3.GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの検証機材・GPU概要
4.GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBのゲーム性能
5.GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの温度・消費電力・ファンノイズ
6.GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBのレビューまとめ
【機材協力:GAINWARD 国内正規代理店 NewX】
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの外観
早速、「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を開封していきます。パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止ビニール袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」の外装は全て黒色プラスチック製です。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」は全長172mm、現在発売中のRTX 4060 Tiグラフィックボードの中で最小サイズです。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」はMini-ITXサイズのマザーボードに装着しても右端がマザーボードの外に出ることがなく、文句なしにMini-ITX完全対応です。キューブ型PCケースなどグラフィックボード設置スペースの奥行が短いコンパクトPCケースにも楽々設置できます。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」はショート基板かつPCIEブラケットと同じ高さなので補助電源含めてPCケースとの干渉の心配はありません。GPUクーラー外装は20mmほどPCIEブラケットからはみ出る背の高いデザインではあるものの、PCIE補助電源のクリアランスで十分にカバーできる程度です。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のGPUクーラーには100mm径の冷却ファンが1基だけ搭載されています。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」は2スロット占有のグラフィックボードです。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」の補助電源数はRTX 4060 Tiの安価モデルとしては一般的なPCIE 8PIN×1となっています。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のPCIE補助電源は従来規格のPCIE 8PINですが、RTX 4060 Tiオリファンモデルのうち、各社上位ブランド製品は12+4PINでPCIE5.0補助電源と呼ばれることの多い、最新電源コネクタ 12VHPWRを採用しているものもあります。
12VHPWR採用モデルはPCIE 8PIN×2に変換するアダプタが通常は付属するので、PCIE補助電源が用意できず使用できない、ということになることはないと思いますが、一応注意してください。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のビデオ出力はリファレンス仕様と同じくHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」は基板の背面保護や放熱の補助の役割を果たすバックプレートは非搭載です。ショート基板なので基板の反りを防止する必要はありませんが。
フロースルー構造というわけではありませんが、ヒートシンクのフィンアレイはPCIEスロットと平行な向きに並んでおり、放熱フィンを通ったエアーはPCIEブラケットとGPUクーラー右端から排気される構造です。
なおグラフィックボードの重量はPNY GeForce RTX 4070 12GB VERTO Dual Fanが685g、PowerColor Fighter Radeon RX 7600が566gに対して、GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBは465gでした。
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの分解
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)分解を行っています。GPUクーラーの取り外し(分解行為)は、一部を除く多くのメーカーではグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。
今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所のネジ4つで固定されていました。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」にはGainward独自設計のオリジナル基板が採用されています。
RTX 4060 TiのGPUコアにはAD106-350-A1が使用されていました。
RTX 40シリーズのうちRTX 4070以上の上位モデルには高速なGDDR6Xメモリが採用されていますが、RTX 4060 TiのVRAMチップはGDDR6メモリとなっており、今回入手した「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」には、Samsung製の16GbのGDDR6メモリチップが4枚搭載されていました。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のVRM電源回路はGPUコアの左側に6フェーズが実装されています。この6フェーズは全てGPUコア向けで、VRAM向けのVRM電源は基板右端に1フェーズが実装されています。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは3本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内いっぱいに展開されています。
GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用されています。完全鏡面というほどではありませんが、接触するくらい近くにあるものなら反射する程度には綺麗に平滑化されています。
GPUコア周辺のVRAMチップとVRM電源回路はヒートシンクにろう付けされた金属製プレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却するという理想的な構造です。
GPUコアと接するベースプレートからは3本の銅製ヒートパイプが下へ抜ける構造で、U字を描いてGPUクーラーヒートシンクの放熱フィン全体へ効率的に熱を拡散します。
3本のヒートパイプを介して、2スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミニウム製放熱フィンが収められています。
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの検証機材・GPU概要
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 (ゲーム性能検証) |
|
OS | Windows11 Home 64bit |
CPU | Intel Core i9 13900K (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z5 RGB F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK DDR5 16GB*2=32GB (レビュー) 7200MHz, 34-45-45-115 |
マザーボード |
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー) |
ゲームストレージ |
Samsung SSD 870 QVO 8TB (レビュー) |
電源ユニット | Corsair HX1500i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
検証機ではシステムメモリとして、Intel第13世代CPU向けメモリとしては4xメモリスロットのマザーボードでも動作可能な最速クラスの製品、メモリ周波数7200MHz/CL34の高メモリクロックかつ低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK)」を使用しています。
G.Skill Trident Z5シリーズはIntel XMP3.0のOCプロファイルに対応した製品となっており、6000MHzの定番設定なモデルもあり、Intel第13世代CPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。
ARGB LEDイルミネーションを搭載したバリエーションモデル G.Skill Trident Z5 Neo RGBもラインナップされています。
・「G.Skill Trident Z5 RGB」をレビュー。XMPで7200MHz OCに対応!
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBのGPU概要
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBに搭載されているGPU「GeForce RTX 4060 Ti」のスペックについて簡単に確認しておきます。「GeForce RTX 4060 Ti 8GB / 16GB」はAD106-350/351コアが使用されておりCUDAコア数は4352、GPUコアクロックはベース2310MHz、ブースト2535MHzです。
VRAMには18.0GbpsのGDDR6メモリを使用し、8GB/16GB容量を搭載しています。メモリーバス幅は128bitなのでメモリ帯域は288GB/sですが、従来比で8倍となる32MBの大容量なL2キャッシュを搭載しており、実効帯域は554GB/s相当であるともアピールされています。
典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは160Wに設定されており、PCIE補助電源は8PIN×1からとなります。各社の上位オリファンモデルは12VHPWRを採用する場合もありますが、その場合は基本的に変換ドングルが付属するので、既存のPCIE補助電源8PIN×2にも対応します。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」については、ブーストクロックはリファレンス仕様値と同じく2535MHz、パワーリミット(TGP)は定格と同じ160Wで、手動設定による電力制限の解除には非対応です。
GPUコアの増強、コアクロックの高速化といった3Dグラフィックス関連の強化に加えて、「GeForce RTX 4060 Ti」などGeForce RTX 40シリーズの新たな特長としてハードウェアエンコーダに最新の第8世代NVEncが実装されています。
第8世代NVEncはAV1コーデックのエンコードに対応したところが、RTX 30シリーズの第7世代NVEncとの大きな違いです。(AV1コンテンツのデコード/再生はRTX 30シリーズですでに対応済み)
映像編集ソフトではDavinci Resolve、ビデオキャプチャソフトではOBS Studioなどが最新バージョンにおいてGeForce RTX 40シリーズによるAV1エンコードに対応しています。
AV1は従来のH.264(x264)よりも40%程度も圧縮効率に優れており、OBS Studioの場合、従来のH.264(x264)形式によってフルHD解像度で作成したコンテンツも、同等のビットレート、同等の映像品質で、AV1形式ならWQHD解像度にできます。
注意点として、RTX 4070 Ti以上の上位モデルが新たに2基のNVEncを搭載しているのと異なり、GeForce RTX 4060 Tiに実装されているハードウェアエンコーダNVEncは”1基”です。
最新の第8世代なのでAV1に対応しているだけでなく、H.264やHEVC(H.265)のエンコードも高速化していますが、Davinci ResolveなどデュアルNVEncによる書き出しに対応した映像編集ソフトでRTX 30シリーズと比較して2倍以上高速になる機能は使用できません。
レイトレーシング&DLSS SR/FGについて
レイトレーシング表現やDLSSについて簡単に紹介しておきます。レイトレーシング(Raytracing)とは3Dグラフィックスのレンダリング手法の1つであり、現在主流なラスタライズ方式とある種の対になる言葉です。
レイトレーシングだけで3Dグラフィックスを全て描画しきるのはGPU性能的に現実的ではないので、ベースは従来のラスタライズ方式で行い、鏡面反射などエフェクトにレイトレーシング方式を使う、というハイブリッドなレンダリング方式が現在のレイトレーシング対応PCゲームの主流です。
レイトレーシング表現では、照明や光源(エリアライト)や太陽光(グローバルイルミネーション)の影響を厳密に再現し、光の反射や透過も現実に即して忠実に描写されます。
レイトレーシングを採用したわかりやすい例としては鏡に映る反射など、視覚(視点から見た)の外にある物体もリアルに描画することができます。小さい光源や太陽光などが生み出す影、反射によって生まれる光が現実に対して忠実に再現されるので、画面の中に引き込まれるような奥行き、陰影を感じる映像が生まれます。
なお高画質機能 Raytracing(レイトレーシング)はMicrosoftが提供するAPI”DirectX 12”内包されるDirectX Raytracing(DXR)を使用したレンダリング機能となっており、後述のDLSSと違ってNVIDIA独自技術というわけではなく、AMD/Intel製グラフィックボード、PlayStation 5やXbox Series S/Xといったコンソールゲーム機にも互換性のある機能です。
下はPlayStation 5のMarvel's Spider-Man Remasteredでレイトレーシング表現のオン/オフを比較したものですが、オフでは鏡面になっている窓ガラスにスパイダーマンの身体の鏡像がないだけでなく、風景の反射も反対側と比較してデタラメなのが一目瞭然です。
「NVIDIA DLSS」は”Deep Learning Super Sampling”の頭文字を取った略称となっており、その名の通り、近年流行りのディープラーニングによって高画質化(超解像化)する機能で、AIレンダリングの名前でもアピールされています。
DLSSが具体的にどのように動作するか簡単に説明すると、フルHD~WQHDのリアルタイムレンダリングソースから4K映像を生み出すDLSSの原型があります。このDLSSの原型が作り出した4K映像を、16Kなど現実的にはリアルタイムでのレンダリングが難しい超々高解像度のレンダリング結果を比較し、DLSSの原型の改良版1をNVIDIAの専用サーバーが作ります。
DLSSの原型の改良版1で再び4K映像を生み出し、16Kレンダリング結果と比較して、DLSSの原型の改良版2を生み出す……、というプロセスを何万回も繰り返すことで、ユーザーに提供される汎用の、もしくは個別ゲームタイトルに特化した専用のDLSSプロファイルが出来上がります。
GeForce RTX 30シリーズの登場と共にアップデートされたDLSS2.0では最終出力解像度に対して3種類のオリジナルレンダー解像度が選択でき、4K解像度の場合は、Quality(2560×1440)、Balanced(2240×1260)、Performance(1920×1080)の3種類から選択できます。
オリジナルのレンダー解像度がフルHD~WQHDなので、DLSSによる超解像(SuperSampling)プロセスを挟むとはいえ、ネイティブに4K解像度をレンダリングするよりもフレームレートは大幅に向上します。
現在のDLSSでは16Kレンダリング結果を目標に学習が繰り返されているので、高画質アンチエイリアス技術として一般的なTAAと比較してフレームレートが大幅に向上するだけでなく、画質も改善するという一挙両得な高画質化機能になっています。
フルHDやWQHDのレンダリングソースを高品質な4K解像度に超解像化することから始まったDLSSですが、この超解像機能(DLSS SR:Super Resolution)に加えて、GeForce RTX 40シリーズが対応する最新バージョンの”DLSS 3”ではAI中間フレーム生成機能 Frame Generationが追加されたのが大きなトピックです。
中間フレーム生成というと、倍速補間などと呼ばれることの多いテレビの高画質化機能が有名ですが、テレビの倍速補間は完成した映像フレームを2つ以上(一部のハイエンドテレビだと7つなど)をソースに中間フレームを作成しています。
ソースとなる映像フレーム数が多いほど生成される中間フレームの映像的な破綻はなくなりますが、遅延が大きくなるのでゲーム用途では到底実用できません。逆にソースとなる映像フレーム数を減らすと遅延は減りますが、単純なスクロールのような画面変化しか綺麗に補間できず、映像的な破綻が増えてしまいます。
一方、DLSS 3のAI中間フレーム生成機能 Frame Generationは、3Dオブジェクトの動きを正しく追跡できるMotion Vector(3Dオブジェクトのピクセル単位での位置や向きの履歴)に、影のような光エフェクトを正しく追跡できるOptical Flowを組み合わせることで中間フレームを生成しています。
中間フレームの生成方法が全く異なるので、DLSS 3は2フレーム(現在と1つ前)による補間と同等かそれ以下という低遅延で倍速補間を実行でき、急にポップするオブジェクトや影などの光エフェクトが破綻しにくい、という特徴があります。
現在のビルドではUIやテキストにノイズが生じやすいといった欠点はあるものの、超解像のDLSS SRも徐々に改良されていったのでDLSS FGも対応ゲームが増えるにしたがって補間品質もアップデートされていくはずです。
あとDLSS FGの副次的な効果として、中間フレームはGPUが単独で生成するので、CPUボトルネックで伸び悩むシーンでもフレームレートが向上するという効果もアピールされています。有名どころではMicrosoft Flight Simulatorが該当します。
DLSS Frame GenerationはOptical Flow Acceleratorという専用ハードウェアを使用しているので、現在、この機能を使用できるのはGeForce RTX 40シリーズに限定されています。(Optical Flow Accelerator自体は全く同じものかは不明ですがRTX 30シリーズにも存在するので、今後、対応GPUに加わる可能性があるかも)
また上記の通り、DLSS 3による倍速補間はそれそのものが遅延を生じにくい設計ですが、”DLSS 3対応”ならNVIDIA製GPU環境の低遅延技術 Reflexも含むことになっており、よりゲーム操作にラグを感じない低遅延な表示が可能です。
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBのゲーム性能
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 3070」、「GeForce RTX 3060 Ti」、「Radeon RX 6600 XT」、「GeForce RTX 3060 12GB」を使用しています。(特定のモデルや型番を指名していない場合、各GPUメーカーのリファレンスモデルもしくはリファレンス仕様のオリファンモデルです)
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク FireStrikeによる比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 4060 Ti GAINWARD Pegasus |
33480 | 15855 | 7161 |
RTX 3070 |
33213 | 16156 | 8176 |
RTX 3060 Ti |
29656 | 14322 | 7151 |
RX 6600 XT |
27701 | 12911 | 6375 |
RTX 3060 12GB | 21845 | 10269 | 4929 |
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで最新タイトルでは採用が増えつつあるDirectX12ベンチマーク TimeSpy、およびレイトレーシング表現に対応したベンチマーク Port Royalによる性能比較となります。
TimeSpy | Extreme | Port Royal |
|
RTX 4060 Ti GAINWARD Pegasus |
13254 | 6101 | 7956 |
RTX 3070 |
12946 | 6331 | 7929 |
RTX 3060 Ti | 11518 | 5561 | 6920 |
RX 6600 XT |
9495 | 4331 | 4456 |
RTX 3060 12GB |
8539 | 4024 | 5044 |
続いて近年の最新PCゲームを実際に用いたベンチマーク比較になります。同一のグラフィック設定で同一のシーンについてフルHD(1920×1080)とWQHD(2560×1440)の2種類の解像度で平均FPSを比較しました。
最新タイトルでは専用ハードウェアによるレイトレーシング表現や、NVIDIA DLSS/AMD FSR/Intel XeSSといったAIを活用した超解像・倍速補間に対応したものも増えていますが、それらの機能は無効化し、ここでは従来のラスタライズ方式の3Dグラフィックス性能を比較しています。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、『Assassin's Creed Valhara』、『Battlefield V』、『CONTROL』、『Cyberpunk 2077』、『DEATH STRANDING』、『Far Cry 6』、『FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE』、『Forza Horizon 5』、『God of War』、『Marvel's Guardians of the Galaxy』、『MONSTER HUNTER: WORLD』、『Shadow of the Tomb Raider』、『Tales of Arise』、『UNCHARTED: Legacy of Thieves Collection』、『Watch Dogs Legion』、以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Valhara(最高設定プリセット)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield V(最高設定プリセット, DirectX12, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
CONTROL(高設定プリセット, DirectX12, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
比較対象の1つ、RX 6600 XTについては2023年現在最新ドライバ 23.5.2を使用していますが、グラフィック設定を中プリセットに下げてもVRAM超過によるFPS低下が発生しています。得手不得手というよりハズレ値のようなデータになるので後述の平均性能の算出ではRX 6600 XTからはCONTROLの結果を外しています。
Cyberpunk 2077(ウルトラ設定プリセット, FSR:オフ, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
DEATH STRANDING(最高設定プリセット, TAA)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 6(最高設定プリセット, 高解像度テクスチャ:オフ, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADE(テクスチャ解像度:高設定、シャドウ解像度:高設定、キャラクター表示数:10)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
なお、FINAL FANTASY VII REMAKE INTERGRADEは、標準では最大フレームレートが120FPSですが、アンリアルエンジン4のiniファイルによるカスタム設定を有効にするMODのFFVIIHookを使用して『フレームレート制限なし』、『可変レンダリング解像度:オフ』、『モーションブラー:オフ』の設定を適用しています。加えてNVIDIAコントロールパネルから垂直同期を無効化しています。
Forza Horizon 5(ウルトラ設定プリセット, モーションブラー:オフ, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
God of War(ウルトラ設定プリセット, モーションブラー:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Marvel's Guardians of the Galaxy(ウルトラ設定プリセット, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
なお、Marvel's Guardians of the Galaxyはゲームプレイ時の最大フレームレートは144FPSですが、ゲーム内ベンチマーク機能は144FPS以上で計測できるので、その結果を使用しています。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット, DirectX12)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Shadow of the Tomb Raider(最高画質設定プリセット, DirectX12, TAA, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Tales of Arise(最高設定, モーションブラー:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
なお、Tales of Ariseは、標準ではPlayStation 5やXbox Series Xのコンソールゲーム機版よりもオブジェクトや影の遠景描画が省略されているので、アンリアルエンジン4のiniファイルによるカスタム設定を有効にするMODのArise-SDKを使用して高画質化する設定を適用しています。
UNCHARTED: Legacy of Thieves Collection(ウルトラ設定プリセット, モーションブラー:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Watch Dogs Legion(最大設定プリセット, DirectX12, レイトレーシング表現:オフ)に関する「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBなど5種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBは、前世代同クラスのRTX 3060 Tiを平均的に10%程度、ベストケースでは最大15%程度、上回る性能を発揮しました。
またGeForce RTX 4060 Tiは、前世代アッパーミドルクラスのRTX 3070とフルHD解像度なら同等の性能を実現しています。
(当サイトの性能比較に使用しているタイトルが管理人の好みに寄っていて高画質PCゲーム系かつグラフィック設定も高くしているので、フルHD解像度でもRTX 3070を若干下回る傾向ですが)
RTX 4060 Tiは最新アーキテクチャによる高い動作クロックや大容量キャッシュメモリによってフルHD解像度ではRTX 3070と同等の性能を発揮するものの、WQHD以上の高解像度になるにつれてメモリ帯域の低さがボトルネックとなり始めます。
WQHD解像度あたりから、キャッシュがボトルネックになるハイフレームレートな競技系ゲームか、VRAM帯域が重要になる高画質系PCゲームかで、得手不得手がバラける感じになり、4K解像度になると完全にメモリ帯域がボトルネックでネイティブレンダリングだとRTX 3070に対して後塵を拝するようになります。
RTX 3070に近い性能は発揮するので高解像度においてもゲーム性能が低いというわけではありませんが、やはり高解像度についてはDLSS 3のAI中間フレーム生成機能に頼らざるを得ない、という具合です。
もちろんDLSS 3(DLSS SR&FG)を使用できるRTX 4060 TiとDLSS 2(DLSS SR)までのRTX 3070を、DLSS 3も込みで性能を比較したらRTX 4060 Tiに軍配が上がるのはNVIDIAのマーケティング資料の通り自明ですが、DLSS 3の対応タイトルがまだ少ない点はネックです。
今後発売される新作では採用も増えていますが、旧作(2020年から2022年中に発売されたものですら)になるとこれからアップデートで対応することも期待できませんし。
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBの温度・消費電力・ファンノイズ
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」の負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy(Extreme) Stress Testを使用しています。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のテスト終盤におけるGPU温度は最大73度と標準的ですが、ファン速度は最大2100~2200RPM程度と、やや高めです。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度60度前後が始動閾値、GPU温度40度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を上下した瞬間にピタッと切り替わります。
GPUコアクロックについて、今回入手した「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」の負荷テスト中の実動平均は2701MHzでした。
【補足】
コアクロック比較グラフはAIBモデル別の優劣を決めるための比較ではなく、特定のGPUがだいたいどの程度のコアクロックで動作するのか確認するために掲載しています。
AMD、NVIDIAともに最新GPUでは実動コアクロックはGPUコア個体毎に異なる内部設定のV-Fカーブが最も支配的なファクターです。加えて負荷中のGPU温度も5~10度刻みでブーストクロックの制御に影響します。
そのため、ファクトリーOCが施されたオリファンモデルの公式仕様値として公表されているブーストクロックは各メーカー内におけるOC耐性選別という意味で1つの指標にはなると思いますが、実動コアクロックの優劣にはあまり当てになりません。
今回検証している個体Aが他社AIBと比較して実動コアクロックが低くても、市場製品の個体Bは高い、個体Cは同程度…のように、本当に御神籤状態です。
GeForce RTX 4060 TiのようにTGPが200Wを下回ると、下記のような参考環境のミドルタワーPCではベンチ板測定とあまり差が出ないので、PCケース組み込み時の検証については割愛しています。
PCケースのエアフローファンには空冷ヒートシンク、水冷ラジエーター、PCケースエアフローの全ての用途で一般的な140mmサイズファンを上回る性能を発揮する「Thermaltake TOUGHFAN 14」を使用しています。140mmサイズファン選びに迷ったらこれを買っておけば問題ない、高性能かつ高静音性なファンです。
・「Thermaltake TOUGHFAN 14」をレビュー。最強140mmファンの登場か!?
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」はベンチ板上でも2100~2200RPM程度とファン速度が高速なので、ファンノイズは37~38dB程度でやや高めの数値を示します。高速(高周波)とはいえ煩く感じるほどではないと思いますが、PCケースに組み込んでもファン動作がはっきりと認識できる程度のファンノイズは生じます。
手動設定で1800RPM程度まで下げるとノイズレベルも34dB程度になりPCケースに組み込んだ状態ではファンノイズも気にならなくなるはずです。これくらいのファン速度でも十分な冷却性能は得られるので(環境にも影響されますが)、静音性重視で運用したい人はGPUチューニングでは定番のMSI Afterburner等からファン制御設定を各自で調整してみるのがオススメです。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」の消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
グラフィックボードの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。GPU Power TesterはPCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しているので、シンプルにグラフィックボードそのものの消費電力をしることができます。
消費電力の測定にあたって検証するGPUランクによって負荷を変えており、通常はTime Spy(Extreme) グラフィックテスト1、一部のウルトラハイエンドGPUにはPort Royal 4K(GPU名に*マークを併記)をループ再生させ、各GPUがMaxTGPに張り付く状態を検証しています。
テスト全体から1ms間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」の消費電力は155W、最大瞬間負荷は184Wでした。概ねTGP仕様値通りの消費電力です。
近いグラフィック設定を発揮する前世代アッパーミドル RTX 3070よりも大幅に消費電力が低減しており、前世代ミドルクラスのRTX 3060をも下回る消費電力でRTX 4060 Tiは動作します。
ユーザーが恩恵を感じ難い上位GPUのワッパアピールと違って、RTX 4060 Tiの場合は低消費電力によりMini-ITX対応や全長200mmを下回るようなコンパクトモデルも展開されているので、SFFなPCケースで自作PCを組みたい人にも最適なGPUです。
GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB レビューまとめ
最後に「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- フルHD/ハイフレームレートに最適、DLSS 3でWQHD/4Kにも対応可能なGPU
- RTX 3060 Tiと比較して10~15%程度も高速
- フルHDならRTX 3070と比較しても同等(高解像度になるほど性能は鈍るが)
- GeForce RTX 40の最新機能であるAI中間フレーム生成機能 DLSS 3に対応
- 高圧縮かつ高画質な次世代コーデックAV1のハードウェアエンコードに対応
- 全長172mm、2スロット占有のMini-ITX対応サイズ
- PCIE補助電源は従来規格のPCIE 8PIN×1
- TGP160WのRTX 4060 Tiをノイズレベル38dB以下で十分冷やせるGPUクーラー
- RTX 4060 Ti オリファンモデルの中で最安値クラス
- Mini-ITX対応シングルファン小型クーラーなのでファンノイズは大きめ
- RTX 4070 Ti以上の上位モデルと異なり、デュアルNVEncによる高速エンコードには非対応
- RTX 4060 Ti一般に価格が税込み6万円台前半からと高価 (2023年6月現在)
GeForce RTX 4060 Tiは、前世代同クラスのRTX 3060 Tiを10~15%程度上回る性能を発揮し、前世代アッパーミドル RTX 3070と比較してもフルHD解像度やE-Sports系タイトルのWQHD解像度なら同等の性能を実現しています。
最新アーキテクチャによる高い動作クロックと大容量キャッシュメモリのおかげでハイフレームレートに対するボトルネックが解消されているので、フルHD解像度のハイフレームレートなPCゲーミングに最適なGPUです。
VRAM帯域の影響でネイティブ4Kのような高解像度における性能は鈍化する傾向はあるものの、GeForce RTX 4060 Tiは最新のDLSS 3に対応しているので、フルHDをソースにアップスケールするDLSS SRやAIフレーム補間機能DLSS FGを併用すれば、4Kゲーミングでも大幅な性能向上が期待できます。
GeForce RTX 4060 Tiについては、フルHD/WQHDの性能は同等、ネイティブレンダリングでやや劣る4K性能をAIフレーム生成機能DLSS 3でカバー、AV1ハードウェアエンコード対応 、国内価格は税込み7万円前後から、という特長なので、60番台の数字さえ無視すれば、 RTX 3070がDLSS 3とAV1に対応してそのままスライドしたようなGPUです。(発売から少し経って、2023年6月現在は、6万円台前半から購入できるようになっていますが)
TGP220WからTGP160Wへと大幅に消費電力が削減されているので、全長200以下でMini-ITX対応のようなコンパクトモデルが登場し、PCIE 8PIN×1の補助電源で運用できるようになった、というメリットもありますが、最も重要な性能と価格の2つについて、落胆こそないものの、驚きも喜びもない、というのが正直なところです。まあRTX 40シリーズ上位GPUで前振りも効いていたので予定調和と言えばそうですが。
「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」については、RTX 4060 TiがTGP160Wで省電力性能の高いGPUであるとはいえ、全長172mmでMini-ITXに完全対応となるショートサイズを実現しているところが最大の魅力です。
前世代アッパーミドルのRTX 3070に近いグラフィック性能を実現しており、奥行きの小さいキューブ型PCケースなど、コンパクトPCに組み込む高性能グラフィックボードとしてはおすすめな製品です。
PCIE補助電源も12VHPWRではなく従来規格のPCIE 8PINが採用されているので、既存環境のアップグレードに選びやすいところも魅力です。
ただし、全長172mmのコンパクトサイズに収めるためGPUクーラーはシングルファン搭載で冷却性能に限界があり、全長220mm以上でファンを2~3基搭載するような一般的なRTX 4060 Tiオリファンモデルと比較すると静音性では劣りますし、標準設定だとPCケース内に組み込んでもファンノイズが気になりそうです。
冷却性能には多少の余力があり、ファン速度を手動で落とすことでファンノイズが気にならない程度の実用に足る静音性は確保できると思いますが、使用するPCケースに十分なスペースがあるのなら、同社のGAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Ghost 8GBなどデュアルファンGPUクーラー搭載モデルを選ぶのが静音性的には確実です。
あと、「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」はRTX 4060 Tiオリファンモデルとしては下限のMSRPちょうどで販売されるモデルです。小型なのでデュアルファンの一般的なサイズの製品に比べて静音性がやや劣るとはいえ、PCゲーミングの邪魔をしない程度に十分な静音性は確保されているので、コストパフォーマンスを重視する場合も検討する価値のあるモデルだと思います。
以上、「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」のレビューでした。
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全長172mmのMini-ITX対応ショートモデル「GAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GB」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) June 28, 2023
RTX 4060 Tiが、前世代同クラスRTX 3060 Tiをどの程度上回り、RTX 3070にどれくらい迫るのか、実ゲームのベンチマークでグラフィック性能を徹底比較https://t.co/Vs3HuJd63A pic.twitter.com/mTjrJPrEtT
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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