ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B


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4台のNVMe U.2 SSDをリムーバブル化できる5インチベイ対応フルメタル製ストレージケース「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」をレビューします。
Mini SAS HD(SFF8643)という見慣れないインターフェースで接続する同ストレージケースを運用する方法や、PCIE3.0x4接続で高速なNVMe U.2 SSDが安定したアクセススピードを発揮でき、またサーマルスロットリングを回避できる冷却性能があるのか、徹底検証していきます。
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製品公式ページ:https://www.icydock.com/japan/goods.php?id=242
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ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B レビュー目次


1.ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの外観・付属品
2.ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの冷却ファンとファンノイズ
3.ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bのストレージトレイ


4.ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの基本的な使い方
5.ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの検証機材や動作環境について
6.ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bのストレージ性能と冷却性能


7.ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bのレビューまとめ



【機材協力:ICY DOCK日本総代理店 聖仁商事】



ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの外観・付属品

まずは「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の外観や付属品について紹介していきます。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の付属品は、U.2 SSD固定ネジ、ストレージケース固定ネジ、ドライブIDラベル、マニュアル・保証書です。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のストレージケース本体についてチェックしていきます。
「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の外観はサンプルイメージの通り黒一色、スチール製で頑丈なフルメタル筐体に細かい凹凸でザラツキのある塗装が施されています。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」は5インチベイ(5.25インチベイ)を1段占有するストレージケースとなっており、正面から見ての通り4基のストレージスロットがあります。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」は奥行方向に140mm程度の長さです。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の背面には、4基のストレージスロットに対してそれぞれ4基のMini SAS HD(SFF8643)端子が実装されています。給電用にはSATA電源端子が2基実装されています。
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Mini SAS HD(SFF8643)端子には保護カバーが装着されているので、使用しないポートはそのまま塞いでおけば埃の付着を防ぐことができます。
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ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの冷却ファンとファンノイズ

「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の背面に搭載された冷却ファンと、そのファンノイズについてチェックしていきます。
「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」は発熱の大きいNVMe U.2 SSDを搭載可能なストレージケースなので、背面には2基の40mm角冷却ファンが搭載されています。
搭載されている冷却ファンはRS4010B12Mという型番で、定格5000RPM、軸受けにはダブルボールベアリングが採用されています。
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2基の冷却ファンの中央にはスライドスイッチがあり、ファン速度をHigh、Low、OFFの3段階で調節できます。
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この種の機器搭載済み小型ファンはミニ端子で接続されていることが多いですが、「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」は一般的な自作PC用DCケースファンで使用される3PINファン端子が実装されているので、40mm角10mm厚のファンなら交換も可能です。
ちなみにファン固定ネジの規格はミリネジ(M3)なので、長さが合うネジを用意すれば20mm厚など厚みの大きいファンも設置できます。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」に搭載された冷却ファンは40mm角10mm厚のサイズかつ自作PCで一般的な3PINファン端子なので、静音性向上に繋がることを期待して比較のため市販の冷却ファンも用意してみました。
付属ファンとの比較に使用するのは、高性能ファンでお馴染みNoctuaから「Noctua NF-A4x10 FLX」に加えて、AINEX OMEGA TYPHOONの超静音モデル(CFZ-4010SA)と究極静音モデル(CFZ-2010LA)です。
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「Noctua NF-A4x10 FLX」は40mm角10mm厚のサイズ、3PINファン端子のDCファンです。定格回転数は4500RPM、付属の低ノイズケーブルを使用すると3700RPMに下がります。
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「Noctua NF-A4x10 FLX」は、様々な機器への組み込みを想定しているようで、ミニファン端子の変換ケーブルや、汎用的に変換ケーブルを作成できる「OmniJoin Adaptor Sel NA-JC1」なども付属します。
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AINEX OMEGA TYPHOONの40mmファンには超静音モデル(CFZ-4010SA)と究極静音モデル(CFZ-2010LA)の2種類がラインナップされています。
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いずれも40mm角10mm厚のサイズ、3PINファン端子のDCファンです。定格回転数が異なり、超静音モデル(CFZ-4010SA)は4000RPM、究極静音モデル(CFZ-2010LA)は3300RPMです。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の付属ファンと市販ファンの外形を比較してみると、付属ファンはファンハブが大きく、ファンブレードのエアフロー面が狭めです。
今回用意した中ではNoctua NF-A4x10が最も広く、AINEX OMEGA TYPHOONはその中間くらいでした。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のファン端子は自作PCで一般的な普通の3PINファン端子なので、こんな感じでNoctua NF-A4x10 FLXも問題なく設置が可能です。市販ファンの多くはおそらくケーブルが余るのでその収納スペースには注意が必要ですが。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の標準ファンやNoctua NF-A4x10 FLXやAINEX OMEGA TYPHOONへの換装時について、サウンドレベルメーター(騒音計)を使用してファンノイズをCPUクーラー別で比較しました。
「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」を卓上に乗せて、ストレージケースの正面からサウンドレベルメーターを50cm程度離して騒音値を測定しています。
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この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35Bを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になると煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。

「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」に各種ファンを組み込んで、スライドスイッチによって切り替えたファン速度別にノイズレベルを比較すると次のようになります。
スライドスイッチをHighにすると付属ファンをはじめとして、どのファンを使用してもノイズレベルは38dB以上になるので、正面からはっきりとファンノイズが聞こえます。小径ファンが高速回転するのでファンノイズの周波数も高く、体感としても煩く感じると思います。
あと、MB699VP-Bの付属ファンはダブルボールベアリングなので”シュッシュッ”や”チリッチリッ”といった軸ノイズが不規則に出ており、低速動作でもこれが耳障りになるかもしれません。
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一方でスライドスイッチをLowにした場合、Noctua NF-A4x10 FLX以外は正面から10~20cmくらいまで近づかないとファン動作が分からないくらいに静かです。強いて言えばAINEX OMEGA TYPHOONが一番静かでした。
Low設定ならMB699VP-Bの付属ファンでも十分に静かですが、AINEX OMEGA TYPHOONはダブルボールベアリングのような軸音もないので、Low設定で運用するなら換装にイチオシのファンです。


ファンノイズについてもう少し補足しておくと、
High設定の時に「Noctua NF-A4x10 FLX」が体感的には最もファンノイズが静かでした。
「Noctua NF-A4x10 FLX」はLow設定にしてもファンノイズがあまり小さくならない(降圧であまり回転数が落ちない)という欠点はあるものの、冷却性能を重視しつつファンノイズを抑えたい、ということであれば換装する価値はあると思います。
またケーブルが邪魔にならないのであれば、High設定で低ノイズケーブルを組み合わせると、ファンノイズと冷却性能のバランスが良いと思います。

AINEX OMEGA TYPHOONについては前述の通りLow設定ならMB699VP-Bにベストなファンですが、High設定にした時にファンを2台使用すると、うなりのようなノイズが発生し、ノイズレベルの数値以上にファンノイズが気になりました。
AINEX OMEGA TYPHOONに換装する場合は、Low設定での運用を前提にするのを推奨します。


ちなみに今回は「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のファン端子に接続するため、3PINファンを使用しましたが、マザーボード等の外部ファンコントローラーで制御してしまうのであれば、「Noctua NF-A4x10 PWM」などPWM速度調整に対応した4PINファンでもいい、というかそちらの方がファン速度を自由に制御できます。
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ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bのストレージトレイ

続いて「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のストレージトレイについてチェックしていきます。
「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」は5インチベイ(5.25インチベイ)を1段占有し、4台のNVMe U.2 SSDをリムーバブル化できるストレージケースとなっており、正面から着脱可能なストレージベイが4基あります。
キーロック等はないので、単純に正面プレートの短い方を左にスライドさせると留め金が外れて長い方のプレートが開き、手前に引き出せるようになります。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のストレージトレイも、ストレージケースと同様に基本的な骨組みは金属製になっていて頑丈な構造です。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のストレージトレイは見ての通り上側にも金属プレートがあります。横からU.2 SSDを挿入し、最後に底面のネジ穴で固定します。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」が対応する2.5インチU.2 SSDは自作PC向け製品としてはごくごく少数出回っているだけなので、一般的にはあまり目にすることがない製品です。
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ヒートシンクの大型化(SSD筐体自体が放熱ヒートシンクになる)、リムーバブルドライブ化が可能など、サーバー・ワークステーションのユーザーの一部で好まれるフォームファクタですが、かなりニッチな製品です。一番メジャー?だった「Intel Optane SSD 905P/900P」も終売になってしまいましたし。
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U.2 SSDの接続方法など使い方等が気になる人はエンタープライズ向け製品ですが「Micron 9300 Pro」のレビュー記事を参照してみてください。


ICY DOCKからはMB699VP-Bと同じようにMini SAS HD(SFF8643)接続のリムーバブルドライブ化が可能なストレージケースとして、NVMe SSDとして一般的なM.2 SSDに対応した「ICY DOCK ToughArmor MB720M2K-B」も発売されています。
NVMe M.2 SSDにネイティブ対応なので対応SSD的に使い勝手が良いですが、MB720M2K-BはU.2 SSDを使用することはできません。


一方でICY DOCKからはM.2 SSDをU.2 SSD化できる変換ケースとして「ICY DOCK EZConvert MB705M2P-B」が発売されています。
MB705M2P-Bを組み合わせれば、「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」に1~3台のU.2 SSDを設置し、残りはM.2 SSDというような組み合わせで運用できます。
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MB705M2P-Bは大型アルミニウム製ヒートシンクを搭載しているので発熱の大きいNVMe M.2 SSDでも安心して運用できます。
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ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの基本的な使い方

「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の基本的な使い方について紹介していきます。
「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」は4台のNVMe U.2 SSDをリムーバブル化できるストレージケースですが、外観で見た通り、各ストレージトレイに装着されたNVMe M.2 SSDはMini SAS HD(SFF8643)を介して接続します。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」を使用する上で組み合わせるSSDコントローラーとして最も代表的なパーツは4基のNVMe接続U.2 SSDを接続可能なPCIE拡張ボード「HighPoint SSD7120」です。
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「HighPoint SSD7120」は基板上にSSDを設置せず、PLXスイッチチップを冷やすだけなので、完全ファンレス構造なところが魅力です。代わりに配線が少々厄介なのですが。
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「HighPoint SSD7120」はPCIE3.0x16帯域に対応したPCIE拡張ボードとなっており、NVMe(PCIE3.0x4)に対応したU.2接続SSDを4基接続でき、拡張ボード右端には4基の接続端子が実装されています。拡張ボード側の接続端子にはMini SAS HD(SFF8643)を使用します。
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「HighPoint SSD7120」は拡張ボード上にPLXスイッチチップが実装されているので、トータルアクセススピードはPCIEスロットの実際の接続帯域を上限として制限がかかりますが、PCIE3.0x4帯域やPCIE3.0x8帯域のスロットに設置しても4基のNVMe SSDが正常に動作します。
「HighPoint SSD7120」などPLXスイッチチップを搭載するNVMe SSD用拡張ボードは、マザーボード側PCIEレーン帯域分割を利用する拡張ボードと比較して、かなり高価というデメリットがありますが、BIOSによる設定が必要ないのでPCIEスロットがあれば基本的に使用が可能であり、またスイッチチップの特性としてPCIE3.0x8やPCIE3.0x4のスロットにNVMe M.2 SSDを複数設置して、動的にアクセススピードを分配できるというメリットがあります。
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同時アクセスに対するトータルスピードはPCIE3.0x8やPCIE3.0x4の実帯域に制限されますが、順次個別にアクセスが発生するだけであればPCIE3.0x4スロットに4枚のM.2 SSDが接続されていても1つ1つは仕様値通りのパフォーマンスが発揮できます。
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NVMe SSDの接続方式が、Mini SAS HD(SFF8643)ケーブルを介した外部か、拡張ボード上M.2スロットによる内部か、という違いを除けば、基本的な使い方や機能は概ね共通しているので、「HighPoint SSD7120」の参考としてHighPoint SSD7103の詳細レビューも読んでみてください。





「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」や「HighPoint SSD7120」を使用するハードルを大きく引き上げる注意点として、同製品にはMini SAS HD(SFF8643)ケーブルが付属しません。
「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の場合、ストレージケース側はMini SAS HD(SFF8643)で固定として、マザーボードもしくはPCIE拡張ボードなどSSDコントローラー側の接続端子に合わせたケーブルを各自で用意する必要があります。
またSSDコントローラーに上で紹介した「HighPoint SSD7120」を使用する場合は、両側がMini SAS HD(SFF8643)のケーブルを用意する必要があるのですが、ケーブル自体の選択肢も少なく、4本まとめて用意するとそれだけで1万円くらいかかってしまう可能性もあります。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」にHighPoint SSD7120を組み合わせるとして、両側Mini SAS HD(SFF8643)ケーブルを使用するなら、北米Amazonで購入できる10Gtekというブランドのケーブルがオススメです。
50cm~100cmと国内でも入手が容易な長めのケーブルだけでなく、25cm/30cm/45cmという自作PC用ケースへの組み込みに最適な短めのケーブルも用意されています。1本当たり1000~1500円程度と安価で、送料も2000円程度、Amazon.comの出荷で国内にも発送してくれます。
当サイトでも長さ30cmと長さ50cmについてはPCIE3.0x4帯域での安定動作を確認済みです。
10Gtek Mini SAS HD(SFF8643)ケーブル

長さ30cmだとPCIEスロットから5インチベイまでケーブルの取り回しが過不足なくちょうどいい感じです。
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ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bの検証機材や動作環境について

「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の性能を検証する前に、同製品の検証機材や動作環境について紹介します。

今回、検証機材というか、管理人がメイン機として使用しているCore i9 7920XやRTX 3090で構成されている自作PCに「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」を組み込みました。管理人のメイン機には今はなき国産PCケースメーカーAbeeのAS Enclosure X5をPCケースとして使用しています。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」に搭載したIntel Optane SSD 905PとMicron 9300 Proは、ASUS WS X299 SAGEのマザーボード上に実装されているU.2ポートに接続しました。
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ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bのストレージ性能と冷却性能

続いて本題となる「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」の性能を検証していきます。
「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」に搭載したIntel Optane SSD 905PとMicron 9300 Proがフルスペックをちゃんと発揮できるのかチェックしていきます。

CrystalDiskMark8でアクセススピードを検証してみたところ、Micron 9300 ProはPCIE3.0x4接続として理想的な3500MB/sの連続読み出し性能を発揮しました。一般的な自作PCのM.2スロットやPCIEスロットでNVMe SSDを運用した時と遜色ないアクセススピードを発揮します。
Mini SAS HD(SFF8643)という聞きなれないケーブルを使用して接続していますが、性能面で不安はありません。
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Intel Optane SSD 905P(システムストレージ)も製品仕様の通り、連続読み出し2700MB/sをマークしています。
一般的なNAND型SSDよりもレイテンシ(遅延)が10分の1以下と高速な3D Xpoint型SSDの特長である、高速な4Kランダム性能もU.2接続やストレージケースを介することで損なうことなくしっかりと発揮できています。
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Intel Optane SSD 905PとMicron 9300 Proに同時に連続読み出しを行っても、両方のSSDで理想的なアクセススピードを発揮します。
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「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のファンをNoctua NF-A4x10 FLXに換装し、ファン速度設定LowでMicron 9300 Proに連続読み出しを10分程続けてみましたが、サーマルスロットリングを起こすこともなく、安定して動作しました。
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ICY DOCK ToughArmor MB699VP-Bのレビューまとめ

最後に「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • フルメタル製で頑丈な筐体
  • 2.5インチU.2 SSDをツールレス着脱なリムーバブル化が可能
    同社製M.2 to U.2変換ケースMB705M2P-BでM.2 SSDにも対応可能
  • 5インチベイ一段だけで4基のストレージを増設可能
  • 連続アクセス3.5GB/sで内蔵SSDと同等の性能を発揮できる
  • 冷却ファンによってサーマルスロットリングの心配はない
  • 冷却ファンはHigh/Low/OFFの3段階で速度調整が可能(Low設定がオススメ)
悪いところor注意点
  • Mini SAS HD(SFF8643)に対応したコントローラー&ケーブルを用意するハードルが高い
  • ストレージケースだけで4万円前後と高価

「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」は、NVMe U.2 SSDをリムーバブル化でき、一般的なU.2 SSD用ケーブルを使用するよりも配線を簡単化できるところが最大の魅力です。
ストレージトレイからSSDを着脱する時はドライバーが必要ですが、システムの5インチベイに導入しさえすれば、以後のストレージ換装をとても楽にしてくれます。

単純にM.2 SSDをリムーバブルドライブ化したいだけであれば、先日レビューしたMB720M2K-Bが最適ですが、U.2 SSDとM.2 SSDの混合で運用したい場合、同社製変換ケース MB705M2P-Bを組み合わせることで「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」はM.2 SSDにも対応できるところは長所です。

Mini SAS HD(SFF8643)という一般的な自作PCでは見慣れないインターフェースを使用するので、SSDコントローラーおよび接続ケーブルを用意するのは少々ハードルが高いという難点はありますが、国内でも正規代理店ディラックで取り扱いのあるHighPoint SSD7120と、北米AmazonやNewegg等から個人輸入できるケーブルを組み合わせれば、環境は構築できるので当レビューのような先例さえあれば何とかなる程度の難易度だと思います。

「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」はケーブルを介してNVMe SSDを外付け化するので性能面も気になるところですが、Micron 9300 ProやIntel Optane SSD 905Pを使用した実機検証ではNVMe(PCIE3.0x4)接続として理想的な3.5GB/sの連続アクセススピード、300MB/s前後の4Kランダム性能をしっかりと発揮してくれました。
冷却面でもストレージケース後方に設置された2基の40mm角冷却ファンによって実用上、サーマルスロットリングに遭遇することはまずない十分な冷却性能が提供されています。

以上、「ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B」のレビューでした。
ICY DOCK ToughArmor MB699VP-B



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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