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PS5互換サイズSSDヒートシンクを標準で搭載する、連続読み出し7300MB/sのゲーマー向けハイエンドNVMe M.2 SSD「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」でPlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設し、標準搭載ヒートシンクでも十分に冷えるのか検証、さらにPS5ネイティブ対応タイトルを使用してゲームロード時間を比較してみました。
製品公式ページ:https://www.kingston.com/jp/ssd/gaming/kingston-fury-renegade-nvme-m2-ssd
目次
1.Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルをPS5増設用M.2 SSD要件からチェック
補足.各自でヒートシンクを装着する場合のオススメ製品
2.Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルの冷え具合をチェック
3.PS5にKingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルを増設する手順
4.PS5に増設したKingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルのゲームロード時間を比較
5.レビューまとめ
【機材協力:Kingston】
Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルをPS5増設用M.2 SSD要件からチェック
PlayStation公式から公表されているPS5増設用M.2 SSD要件と照らし合わせて、「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」の概要をチェックしてみます。まず、PS5増設用M.2 SSD要件をおさらいしておきましょう。
PlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設するのに使用するM.2 SSDは、CSゲーマーには不慣れな自作PC向け部品のSSDを使用することになります。
PS5公式サポートページで公開されている『PlayStation 5にM.2 SSDを取り付ける方法』の要件を重要ポイントに絞ってまとめなおしました。
PS5公式サポートページを見ての通り、PS5のストレージ増設に使用するM.2 SSDには放熱ヒートシンクが必須となっています。
いくつか図解がありますが公式サポートページで掲載されている一番最後の両面ヒートシンク取り付け時の図が一番分かりやすいと思います。難しく考えず、単純に『M.2 SSD基板から上8.0mmまで』、『M.2 SSD基板から下2.45mmまで』の2つの要件を抑えておけばOKです。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」には今回レビューする2TB(型番:SFYRDK/2000G)に加えて、500GB(型番:SFYRSK/500G)、1TB(型番:SFYRSK/1000G)、4TB(型番:SFYRDK/4000G)の4モデルがラインナップされています。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」のSSD本体の外観は次のようになっています。普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色です。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」にはオリジナルM.2 SSDヒートシンクが標準で装着されています。
マットで質感の高い塗装が施されたアルミニウム製ヒートシンクには、Kingston FURYやRenegadeのロゴが描かれています。ヒートシンクはバックプレートを挟んで左右2カ所でしっかりネジ止めされており、見ての通り頑丈で高級感も感じる仕上がりです。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」の表面には中央にメモリコントローラー、その左隣にDRAMキャッシュ、左右にある残り2/3のスペースには4枚のメモリチップが実装されています。
Kingston FURY Renegade SSDのメモリコントローラーは、サンプル機を確認したところ、12nmプロセスで製造されるPHISON PS5018-E18でした。金属製プレートなどの放熱を補助するパーツは装着されていません。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」に使用されているメモリコントローラーPHISON PS5018-E18はメモリチップやDRAMキャッシュと比較して素子の高さがコンマ数mm程低いのですが、隙間を埋める処置は特に施されておらず、メモリチップはサーマルパッドから若干浮いていました。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」の裏面について、500GBと1TBの2モデルは表面のみの片面実装ですが、2TBと4TBの大容量モデルはDRAMキャッシュ1枚とNANDメモリチップ4枚などが実装されていて両面実装となります。
ヒートシンク付きモデルは最初からサーマルパッドの厚みが片面・両面実装に合わせて調整されているので問題ありませんが、ヒートシンクなしモデルで市販のM.2 SSDヒートシンクを組み合わせる場合は、両面実装のM.2 SSDに対応しているかどうか注意してください。
ヒートシンクを含むSSDの寸法は高さ10.6mm(バックプレート含む)となっており、PS5の増設SSD要件をギリギリで満たすように大型ヒートシンクが設計されているのがわかります。
もちろん「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」はPS5拡張スロットと干渉せず、問題なく設置できました。
連続読み出し5500MB/s以上という性能要件について、「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」は最小容量の500GBモデルでも連続読み出しの仕様値は7300MB/sをマークしています。
今回検証する「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」の2TBモデルはPC上のCrystalDiskMark8による実測値で、連続読み出し速度7300MB/s超と公式の推奨性能を余裕で上回ります。
ちなみに「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」の製品スペック一覧は次のようになっています。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」のMTBF(平均故障間隔)は180万時間、書込耐性は1TBで1000TBW、2TBで2000TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。
耐久性と保証期間ともにSamsungやWDといった有名メーカーと遜色ない数値なので安心して使用できます。
各自でヒートシンクを装着する場合のオススメ製品
自作PC関連に不慣れな人には今回レビューする「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」のように、標準でヒートシンクを搭載、もしくは組み立て式で付属するM.2 SSD製品がオススメです。ただし、自作PC向けパーツではヒートシンク非搭載が主流なので、ヒートシンク非搭載のM.2 SSDを使用する場合にオススメなヒートシンクやSSDについても紹介します。
Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルの冷え具合をチェック
続いて、「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」の冷え具合、長期的に負荷がかかっても安定動作するのかをチェックしていきます。なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)、SSDヒートシンクの分解を行っています。
ヒートシンクを標準で搭載するSSDからユーザーがヒートシンクを取り外すのは、一部を除く多くのメーカーでは正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」のヒートシンク側面のネジ 4つで固定されています。4つのうち1つには封印シールが貼ってあります。これを剥がすと製品保証がなくなるので注意してください。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」では熱伝導両面テープではなく、サーマルパッドを介してヒートシンクとSSDが接しているので、ネジさえ外せばヒートシンクは簡単に取り外すことができました。
「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」のメモリコントローラーと、メモリコントローラーに一番近いメモリチップの2カ所に温度センサーを貼り付けています。
下写真では温度センサーの位置が見て分かりやすいように透明テープで固定していますが、実際の測定ではテープ類は使用せずに直接、測定素子とサーマルパッドで挟み込む形で温度センサーを固定しています。
温度センサーのケーブルは拡張スロットの一部にあるスリットから出して、拡張スロットの標準カバーも装着しています。
最後にPlayStation 5の外装カバーも装着し、この状態で各種温度測定を行います。
PlayStation 5におけるSSDの温度測定については、
『1. アイドル: PS5のホーム画面を表示したままSSD温度が変化しなくなるまで放置』
『2. コピーインストール: PS5のゲーム(約160GB)をUSB3.1 Gen2外付けストレージから、拡張スロットのM.2 SSDへコピーインストール』
『3. ゲームプレイ&ロード: PS5内部温度が十分に高くなった状態で、PS5ネイティブ対応ゲームのロードやファストトラベルを繰り返す』
以上の3パターンで行いました。
コピーインストールでは、アイドルでSSD温度が安定した状態において、Horizon Forbidden West、ラチェット&クランク パラレル・トラブル、Marvel's Spider-Man: Miles Moralesの3タイトル、約160GBをUSB外付けストレージからコピーしています。コピー中の最大温度をチェックしています。
ゲームプレイ&ロードは、温度測定を始める前にPS5のシステム消費電力が220W前後になるHorizon Forbidden Westを高画質モードで放置し、SSD温度が変化しなくなった状態にしています。その後、Horizon Forbidden Westでゲームロードやファストトラベル、他ゲームの起動によってSSDに負荷をかけ、最大温度をチェックしています。
PlayStation 5の増設ストレージとして「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」を使用した、実用シーンにおけるSSD温度の検証結果は次のようになっています。
「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」は標準搭載ヒートシンクによる冷却によって、メモリコントローラーとメモリチップともに60度以下の温度に収まっており、PS5増設用SSDとしては十分な冷え具合です。熱暴走の心配もなく、安心して運用できます。
PS5にKingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルを増設する手順
PlayStation 5の拡張スロットに市販のM.2 SSD、「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」を増設する手順について紹介します。PS5でカバーが取り外し方向へスライドしないようにロックしているのは、縦置きした時に上側奥に当たる角にある2つの丸形の出っ張りだけなので、ここを外に引っ張って浮かせ、縦置き時の下方向へカバーを押すor引くと簡単に外れます。
M.2 SSD増設用の拡張スロットは正面から見て右側面の手前に配置されています。
拡張スロットにネジ止めされた金属製カバーを取り外すと、最大でM.2 22110サイズに対応したM.2スロットが現れます。なおPS5のSSD増設には1番のプラスドライバーが必要です。
M.2 SSD固定用ネジ&スペーサーが、標準ではM.2 22110サイズに合わせて装着されているので、まずはこれを取り外します。
80(M.2 2280)、110(M.2 22110)のようにサイズに合わせて基板上には数字が記載されています。Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルはM.2 2280サイズなので、80の数字が書いてある穴にスペーサーを装着します。
スペーサーを装着したらM.2スロットにM.2 SSDを挿入します。M.2 SSDは水平から10度くらい、少しだけ斜めにしてゆっくりと挿入してください。小さく薄い基板なので、破損しないように注意を。M.2スロットに奥まで挿入出来たらネジを固定します。
あとは金属製カバーを装着しなおして、物理的な作業としての増設は完了です。
PS5に増設したKingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデルのゲームロード時間を比較
さて、ここからは最も重要な項目、PlayStation 5に市販のM.2 SSD「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」を増設した時に、標準搭載SSDと同等、もしくはそれ以上に高速にPS5ネイティブ対応タイトルをプレイできるのか、ゲームロード時間を比較してみました。「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」はPC上でアクセススピードを測定すると連続読み出し速度は7000MB/s程度を示しますが、PS5でフォーマットした際に表示される読み出し速度は6500MB/s程度でした。どちらもPS5増設SSDの性能要件を十分に上回っています。
増設可能なストレージ容量について紹介しておくと、まず大前提としてPlayStation 5の標準内蔵SSDではシステム等で容量が使用されるので、ゲームなどのインストール先としてユーザーが自由に使用できるのは650GB程度です。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」の2TB容量モデルをPS5の増設ストレージに使用すると2.01TBを新たにストレージとして使用できました。
続いてM.2 SSD増設でインストール先として指定して起動も可能になったPS5ネイティブ対応タイトルのゲームロード時間を比較します。
ゲームロード時間の比較には、PS5ネイティブ対応タイトルから、「Final Fantasy VII REMAKE INTERGRADE」、「FORSPOKEN (Demo)」、「Ghost of Tsushima Director's Cut」、「Horizon Forbidden West」、「Marvel's Spider-Man Remastered」、「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」、「Tales of ARISE」、以上の7タイトルを使用しています。
「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」をPS5の増設ストレージとして使用した時のゲームロードやコピーインストールの性能を標準内蔵SSDと比較すると次のようになっています。
PS5内蔵SSDと増設SSDで若干前後するものの、ほとんど測定誤差のような違いです。今回の検証においてPS5内蔵SSDより遅くなっているシーンでも差は大きくても1秒以下となっており体感的に遅くなったと感じることもないはずです。
レビューまとめ
「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」でPlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設し、PS5ネイティブ対応タイトルを使用してゲームロード時間を比較してみた結果について箇条書きで簡単にまとめると次の通りです。- PS5のロード時間は内蔵SSDと増設M.2 SSDでほぼ同じ
- SSD容量をそのままPS5ネイティブ対応タイトルのインストール先に使用できる
- Kingston FURY Renegade SSDは500GBから最大4TBまで幅広くラインナップされている
- ヒートシンク搭載版はPS5増設用として十分な冷却性能
ゲームロードやUSBストレージからのコピーインストールの検証結果の通り、「Kingston FURY Renegade SSD 2TB ヒートシンクモデル」をはじめとして、拡張スロットで増設したM.2 SSDの性能はPS5の内蔵SSDとほぼ同等です。
将来的に差が出る可能性は否定できないのでSSD性能が高いに越したことはありませんが、今回検証したタイトルについて言えば、PC上で連続読み出し7000MB/s超の最新製品でも、5000MB/s程度のPCIE4.0対応初期製品でもパフォーマンスには大きな差はありませんでした。
PCIE4.0対応で連続読み出し性能が3500MB/s~5000MB/sの変わり種な製品、PS5が非サポートのHMBをPC利用では前提としてDRAMキャッシュレスの製品などでも同様です。
2022年12月現在市販されているPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDについてはどれを使用しても基本的にゲームロード性能には製品個別の比較でも内蔵SSDとの比較でも大差はないようなので、『1.容量に対して価格が安価である(別売りの場合はヒートシンクも込みで)』、『2.PS5互換サイズのSSDヒートシンクを搭載している』、以上2点を優先して選べばOKだと思います。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」に関しては、PS5の拡張スロットに互換サイズのM.2 SSDヒートシンクが標準で装着されており、PS5への組み込み用途であれば安定したSSD性能を発揮できる冷却性能を備えています。
「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」はヒートシンクが標準で装着されているので、ストレージを増設する時にPS5の拡張スロットに装着するだけでよく、自作PC部品に不慣れなCSゲーマーにも推奨できる製品です。
なお「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」は標準搭載のヒートシンクを取り外すと正規保証対象外になってしまいます。 将来的にさらに大容量なSSDに換装して、既存のSSDはUSBケースで外付けUSBストレージとして活用しようと思っている人は、Kingston FURY Renegade SSDの標準モデルと社外製ヒートシンクの組み合わせも検討してみてください。
以上、『FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル版でロード時間を検証』でした。
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PCIE4対応M.2 SSD「Kingston FURY Renegade SSD ヒートシンクモデル」でPlayStation 5の拡張スロットにストレージを増設し、PS5ネイティブ対応タイトルでゲームロード時間を比較してみました。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) January 15, 2023
標準搭載ヒートシンクで十分に冷えるのかもチェック。https://t.co/t15JsZy6Ht pic.twitter.com/zVnTVCyVGz
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