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PCIE4.0x4接続により連続読み出し4.5GB/sに達する、M.2 2230サイズでSurface Pro 9/8やSteam DeckのSSD換装にも使用可能なNVMe M.2 SSD「Micron 2400 NVMe SSD 1TB / 2TB」をレビューします。

代理店公式ページ:https://www.ask-corp.jp/products/micron/m2-ssd/micron-2400-ssd.html
製品公式ページ:https://www.micron.com/products/ssd/product-lines/2400
目次
1.Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)について
2.Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB/2TBの外観
3.Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB/2TBの動作検証
【機材協力:Micron】
Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)について
「Micron 2400 NVMe SSD」は、メモリコントローラーにPCIE4.0x4帯域のNVMe接続に対応するSilicon Motion SM2269XT(非公式情報)、メモリチップにMicron製のQLC型176層 3D NANDが採用された、NVMe(PCIE4.0x4)接続でM.2 2230フォームファクタのM.2 SSDです。「Micron 2400 NVMe SSD」にはSSD容量として512GB(型番:MTFDKBK512QFM-1BD1AABYYR)、1TB(型番:MTFDKBK1T0QFM-1BD1AABYYR)、2TB(型番:MTFDKBK2T0QFM-1BD1AABYYR)の3モデルがラインナップされています。
「Micron 2400 NVMe SSD」にはM.2 SSDとして一般的な2280サイズに加えて、長さ42mmの2242サイズ、長さ30mmの2230サイズの計3種類がラインナップされており、今回、国内で発売が決定した2230サイズはSurface Pro 9/8やSteam DeckのSSD換装に対応します。
「Micron 2400 NVMe SSD」のアクセススピードは容量によって若干異なりますが、最大でシーケンシャル読出4,
4,500MB/s、シーケンシャル書込4,000MB/s、ランダム読出650,000IOPS、ランダム書込700,000IOPSの超高速アクセスを実現しています。
「Micron 2400 NVMe SSD」のMTTF(平均故障時間)は200万時間、書込耐性は512GBが150TBW、1TBが300TBW、2TBが600TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は3年間です。
Micron 2400 NVMe SSD スペック一覧 |
|||
容量 | 512GB MTFDKBK512QFM-1BD1AABYYR |
1TB MTFDKBK1T0QFM-1BD1AABYYR |
2TB MTFDKBK2T0QFM-1BD1AABYYR |
インターフェース |
M.2, NVMe (PCIE5.0x4) |
||
コントローラー |
Silicon Motion SM2269XT | ||
メモリー | Micron製 QLC型 176層3D NAND |
||
DRAMキャッシュ | - | ||
連続読出 | 4,200MB/s | 4,500MB/s | |
連続書込 | 1,800MB/s | 3,600MB/s | 4,200MB/s |
4Kランダム読出 | 400,000 IOPS | 600,000 IOPS | 650,000 IOPS |
4Kランダム書込 | 400,000 IOPS | 650,000 IOPS | 700,000 IOPS |
消費電力 | - | ||
動作温度範囲 | - | ||
MTTF | 200万時間 | ||
耐久性評価 | 150TBW | 300TBW | 600TBW |
保証期間 | メーカー3年 |
Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)の外観
まず最初に「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」の外観や付属品について簡単にチェックしておきます。Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)シリーズは、国内では正規代理店を介して市販されているものの、通常は組み込み機器向け、OEM向け製品ということもあって、白色の段ボール箱にシールが貼ってあるだけという簡素な梱包です。


「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」のSSD本体の外観は次のようになっています。基板はM.2 2230サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色です。


「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」の裏面については最大容量の2TBモデルも含めて素子の実装はなく、いずれも片面実装のSSDです。

「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」の表面にはM.2端子を右にして右端にメモリコントローラー、その左隣にメモリチップが実装されています。

「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」のメモリコントローラーは、PCIE4.0x4帯域のNVMe接続に対応するSilicon Motion SM2269XTが採用されています。放熱補助として金属製プレートも装着されています。
メモリチップは1枚だけ実装されており、Micron製の最新メモリであるQLC型 176層3D NANDです。

「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」はSSD上に実装されたDRAMキャッシュの代わりに、PCIE3.0/4.0の高速帯域を介してシステムメモリの一部をキャッシュとして使用するHMB(Host Memory Buffer)に対応しています。

自作PC向けなどで市販されているM.2 SSDは基本的に長さ80mmのM.2 2280サイズですが、「Micron 2400 NVMe SSD」には長さ30mmの2230サイズもラインナップされており、今回検証しているのもこのサイズです。
M.2 2230サイズの「Micron 2400 NVMe SSD」はSurface Pro 9/8やSteam DeckのSSD換装に対応します。


Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)の動作検証
「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB / 2TB」の動作検証をしていきます。まず最初に、「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB」のボリュームをWindows上で作成したところ、空きスペースは953GBでした。

また「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 2TB」のボリュームをWindows上で作成したところ、空きスペースは1.86TBでした。

「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」はSSD上に実装されたDRAMキャッシュの代わりに、PCIE3.0/4.0の高速帯域を介してシステムメモリの一部をキャッシュとして使用するHMB(Host Memory Buffer)に対応しています。
「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」の1TBモデルと2TBモデルは共に、SSDが指定する最適バッファサイズ64MBでした。

CrystalDiskMark8.0.4a (1GiB)のベンチマーク結果は次のようになっています。公式仕様の通り、連続読み出しが4.5GB/s程度、連続書き込みは3.5GB/s以上をマークしています。
ランダム性能も4K Q1T1の読み出しが80MB/s以上なので既存のハイエンドクラスPCIE4.0x4接続NVMe M.2 SSDに迫る性能となっており非常に高速です。


「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB」でSLCキャッシュの挙動について確認してみました。
「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」のSLCキャッシュは可変容量となっており、最大で空き容量の1/3をほぼ丸ごと高速なSLCキャッシュとして使用できます。
QLC型NANDのSSDなのでSLCキャッシュ超過後の書き込み速度は1TBモデルで150MB/s程度とかなり遅いですが、空き容量の1/3を上記CrystalDiskMarkスコアを発揮するSLCキャッシュとして使用でき、使用済みキャッシュの完全開放にはやや時間がかかるものの、10GB程度なら数分ですぐに開放されるので実用的にSLCキャッシュ超過による不便を感じることはないと思います。


続いて「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」の消費電力を確認していきます。
NVMe M.2 SSDの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。

CrystalDiskMarkで負荷をかけた時の「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB / 2TB」の消費電力の推移は次のようになっています。
「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB / 2TB」の消費電力はいずれも、大きくなりやすい連続読み出しや連続書き込みのアクセスで平均3.0~3.5W程度です。大きな違いではありませんが、やはり大容量な2TBモデルのほうが1TBモデルよりも消費電力は大きめです。


比較対象が自作PC向けの一般的な2280サイズのM.2 SSDになりますが、「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB / 2TB」はどのアクセスタイプでも最小クラスの消費電力となっており、冷却の制限されるSurface ProやSteam Deckへの増設にも安心です。

最後に「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」でM.2 2230のSSDを搭載するPCのストレージが換装できるのか実際に試してみました。
「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 2TB」を使用することで、Surface Pro 7+のストレージ容量を公式に販売されているスペックとしてはラインナップされていない、超大容量な2TBへアップグレードできました。

Surface Pro 7+についてはこの記事の手順で「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230)」を使用して問題なくシステムをクリーンインストールできました。
最新モデルのSurface Pro 9やSurface Pro 8も同様にシステムをクリーンインストールできるはずです。
なお「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB / 2TB」は消費電力の小さいSSDですが、それでもSurface Proに設置して素の状態でCrystalDiskMarkを実行すると、メモリチップなどの温度は70度以上に達しました。(サーモグラフィーでメモコンの温度が低いのはニッケルメッキ金属プレートのせい)
システム動作が不安定になることこそなかったものの、SSD温度が上昇し、サーマルスロットリングでアクセススピードに制限がかかりました。
増設環境によってとれる手段は異なると思いますが、Surface Proの場合はカバー部分が金属製なのでそこにサーマルパッドで接するようにするなど対策をオススメします。

以上、「Micron 2400 NVMe SSD (M.2 2230) 1TB / 2TB」のレビューでした。

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M.2 2230サイズでSurface Pro 9/8やSteam DeckのSSD換装にも使用可能なNVMe M.2 SSD「Micron 2400 NVMe SSD 1TB / 2TB」をレビューhttps://t.co/uISpfhZ2qZ pic.twitter.com/vYCOlYZmns
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) March 6, 2023
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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