Noctua NA-FD1


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ロープロファイルなトップフロー型空冷CPUクーラーに対応するスリムかつコンパクトなPCケースにおいて、CPUクーラーの冷却性能を高めることが可能なファンダクト「Noctua NA-FD1」をレビューします。
16コア24スレッドCPUのCore i9 12900KとNoctua NH-L9i-17xxの環境に、ファンダクト「Noctua NA-FD1」を組み合わせることでどれくらい冷却性能が向上するのか検証していきます。

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製品公式ページ:https://noctua.at/en/na-fd1
Noctua NA-FD1_top



レビュー目次


1.Noctua NA-FD1の外観・付属品

2.Noctua NA-FD1の検証機材・セットアップ

3.Noctua NA-FD1の冷却性能

4.Noctua NA-FD1のレビューまとめ



【機材協力: Noctua国内正規代理店 サイズ】



Noctua NA-FD1の梱包・付属品

まずは「Noctua NA-FD1」の外観や付属品をチェックしていきます。
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最初に概要をおさらいしておくと、「Noctua NA-FD1」はトップフロー型空冷CPUクーラーの冷却ファンとPCケースサイドパネルの隙間を埋めることで、冷却性能を改善するファンダクトです。
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「Noctua NA-FD1」の内容品は、ファンダクトスポンジ、固定ネジ、プラスチック製チューブ 12本、マニュアル冊子です。
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スポンジ製のファンダクトは、3mm/4mm/5mm/6mm/7mm/10mm/10mmの6種類7個が付属しています。
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1mm単位で厚みの異なるスポンジ製ファンダクトは見分けるのが難しい、と思うかもしれませんが、側面の溝の数が厚み毎に異なるので、溝の数を比較すればどのスポンジがどの厚みか分かります。
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厚みの異なるスポンジ製ファンダクトを組み合わせることでPCケースサイドパネルとの隙間をピッタリと埋めます。スペーサーは専用のファン固定ネジとプラスチック製チューブでCPUクーラー上に固定します。
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Noctua NA-FD1の検証機材とセットアップ

「Noctua NA-FD1」を検証機材のベンチ機にセットアップします。
今回は検証環境としてIntel Core i9 12900KのIntel LGA1700環境を使用します。ベンチ機の詳細な構成は下のテーブルのようになっています。
テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit
CPU
Intel Core i9 12900K
レビュー
-
M/B GIGABYTE Z690I AORUS ULTRA DDR4
レビュー
-
メインメモリ G.Skill Trident Z RGB
F4-4000C14D-32GTZR
DDR4 16GB×2=32GB
レビュー
-
グラフィックボード
-
システムストレージ
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー
PCケース /
電源ユニット
In Win Chopin Pro (レビュー


ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 980 PRO 500GB」を使用しています。Samsung SSD 980 PROは、PCIE4.0対応によって連続アクセススピードを最大で2倍に飛躍させただけでなく、ランダム性能の向上によってSSD実用性能においても前世代970 PROから大幅な向上を果たし、PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDよりも高速なので、これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 980 PRO 1TB」をレビュー。堂々の最速更新
Samsung SSD 980 PRO 1TB


早速、ベンチ機へ「Noctua NA-FD1」をセットアップしていきます。
Noctua NH-L9i-17xx and chromax.black review_02965_DxO



熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。
Noctua NH-L9i-17xx and chromax.black review_02950_DxO


グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
Thermal Grizzly Kryonaut_app


「Noctua NA-FD1」の使い方についてはNoctua公式からガイド動画が公開されています。流れのある動画で使い方を確認したい人はこちらをチェックしてみてください。



基本的に上の動画の通りですが、写真でも「Noctua NA-FD1」の導入手順を簡単に説明していきます。
まずは、冷却ファンを固定している標準ネジを取り外し、「Noctua NA-FD1」に付属している軸付きネジでファンを固定し直します。
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「Noctua NA-FD1」の注意点として、ファンダクトの高さは調整できますが、ネジのダクト固定軸がファンから5mm程度出っ張るので、全高37mmのNoctua NH-L9シリーズと組み合わせる場合、PCケース側に42mm以上のCPUクーラースペースが必要です。
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スポンジ製ファンダクトをいくつか重ねていき、サイドパネルとの隙間がピッタリ埋まる組み合わせを探します。
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密閉する方が良いので、+1mm大きめに重ねるのがいいと思います。今回検証に使用しているIn Win Chopin Proの場合は5mmと6mmを組み合わせて11mm厚でOK。
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重ねるスポンジ製ファンダクトの組み合わせが決まったら、プラスチック製チューブをファン固定ネジの軸部分に装着します。
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一番厚みが大きいスポンジ製ファンダクトだけ残して、プラスチック製チューブに通します。
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最後のスポンジ製ファンダクトからはみ出さないようにチューブをハサミでカットします。
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最後のスポンジ製ファンダクトを重ねます。
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最後にPCケースのサイドパネルを閉じて、「Noctua NA-FD1」のセットアップは完了です。
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Noctua NA-FD1の冷却性能

本題となる「Noctua NA-FD1」を組み合わせたNoctua NH-L9i-17xxの冷却性能についてチェックしていきます。
Mini-ITX対応PCケース In Win Chopin Proにおいて、「Noctua NA-FD1」を使うことでどれくらい冷却性能が改善するのか試してみました。
Noctua NH-L9i-17xx and chromax.black review_03010_DxOs

CPUクーラーの冷却性能を検証するためのストレステストについては、FF14ベンチマークの動画(再生時間6分40秒、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)を変換ソースとして、Aviutl&x264を使って動画のエンコードを行います。動画エンコードの同時実行数については4~6コアは並列なし、8~14コアは2並列実行、16コア以上は3並列実行としています。テスト中のファン回転数については一定値に固定します。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
CPU Cooler_Stress Test

Intel第12世代Alder Lake-S最上位モデル、16コア24スレッドCPUの「Intel Core i9 12900K」を使用して、Intel第12世代Core-S環境における、「Noctua NA-FD1」を組み合わせたNoctua NH-L9i-17xxの冷却性能を検証していきます。
Core i9 12900Kの動作設定は、動作倍率は定格のまま、「PL1:80W、PL2:125W、Tau:56s」としました。メモリのOC設定は「メモリ周波数:3600MHz(IMCはGear1)」「メモリ電圧:1.350V」「メモリタイミング:16-16-16-36-CR2」です。
Intel Core i9 12900K_BIOS_Test (1)-horz
16コア24スレッド「Intel i9 12900K」を定格動作倍率かつ長期間電力制限PL1:80Wとすると、実動平均はP-Core All 3.3GHz程度になるので、Cinebench R23のマルチスレッドスコアは19100程度になります。シングルスレッドスコアは2020程度です。
この設定でx264動画エンコードを行うと、システム全体の消費電力が150Wになります。
Intel Core i9 12900K_PL-80W_Cinebench R23

「Noctua NA-FD1」を組み合わせたNoctua NH-L9i-17xxのファン速度を2500RPMに固定した状態でストレステストを実行したところ、PL1:80Wの電力制限を課したCore i9 12900KのCPU温度を最大89度、平均84.9度に収めることができました。
Noctua NH-L9i-17xx chromax.black_temp_12900K_PL-80W_1
CPU温度は強制的にコアクロックに制限がかかる臨界温度100度よりまだ低く、ストレステスト中のCPU消費電力(CPU Package Power)は長期間電力制限PL1の設定値に合わせて80Wに張り付いており、コアクロックは実動平均でP-Core All:3.3GHz、E-Core All:2.6GHzになります。
Noctua NH-L9i-17xx chromax.black_temp_12900K_PL-80W_2

上記設定においてファンダクト「Noctua NA-FD1」の有無で冷却性能を比較すると下のようになりました。
ファンダクトの有無以外は完全に同じ条件ですが、「Noctua NA-FD1」を使用することで、CPU温度を2~3度下げることができました。
Noctua NA-FD1_temp_12900K_PL-80W
負荷テスト終盤についてサーモグラフィを確認してみても、「Noctua NA-FD1」を使用することで側面からの吸気と天面からの排気が整流され、PCケース内での熱拡散が抑制されているのが分かります。
Noctua NA-FD1_FLIR_1_w-horz
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Noctua NA-FD1のレビューまとめ

最後にファンダクト「Noctua NA-FD1」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ

  • Noctua L9i/L9aシリーズと互換性のあるファンダクト
  • 全高+5~45mmの高さで調整が可能
  • 正常に導入できるPCケースなら温度低下は確実に期待できる
  • 導入費用は1400円程度
悪いところor注意点
  • 冷却性能の向上としては、せいぜい5~6度の温度低下

検証結果からもわかるように「Noctua NA-FD1」を
NH-L9i-17xxに組み合わせることで、Core i9 12900Kを搭載したMini-ITX対応PCケース In Win Chopin Proでは、CPU温度が2~3度低下することが確認できました。
冷却性能が”大きく”向上するとは言えませんが、確実に温度低下は期待でき、ファンダクト自体の価格も1400円程度なので、費用対効果としては悪くはないと思います。

なお今回検証に使用したPCケース In Win Chopin Proはサイドパネルのメッシュによる開口が広いため、整流が不十分で、CPUクーラーからの排気の一部が循環してしまい、温度低下がいまいちだったような気もします。
PCケースとの相性が良ければ(吸気に排気が循環しない)、Noctuaがプレスリリースで発表していたように、「Noctua NA-FD1」によって4~6度くらいの温度低下も期待できんじゃないかなと。
Noctua NA-FD1_performance


以上、「Noctua NA-FD1」のレビューでした。
Noctua NA-FD1



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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