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フラットデザインのオシャレなPCケースメーカーとして代表格なNZXTから発売された、H510シリーズの後継となる新ミドルタワーPCケースで、ARGB LEDファンとLEDコントローラーを標準搭載し、フロント強化ガラス製パネル採用のスマートな上位モデル「NZXT H5 Elite Matte White(型番:CM-H71FW-01)」をレビューします。
「NZXT H5 Elite」に同じくNZXT製の水冷CPUクーラーKRAKEN X53やARGB LED搭載ファンF120 RGBを組み合わせてゲーミングPCを組んでみました。
製品公式ページ
H5 Elite:https://nzxt.com/product/h5-elite
H5 Flow:https://nzxt.com/product/h5-flow
レビュー目次
1.NZXT H5 Eliteの梱包・付属品
2.NZXT H5 Eliteの外観
3.NZXT H5 Eliteの内部構造の概要
4.NZXT H5 Eliteの裏配線スペース
5.NZXT H5 Eliteのストレージ設置スペース
6.NZXT H5 Eliteのグラフィックボード設置スペース
7.NZXT H5 Eliteの電源ユニット設置スペース
8.NZXT H5 Eliteのファン・ラジエーター設置スペース
9.NZXT H5 Eliteのビルドギャラリー
10.NZXT H5 Eliteのレビューまとめ
【機材協力:NZXT 国内正規代理店 タイムリー】
NZXT H5 Eliteの梱包・付属品
早速パッケージを開封して、NZXT H5 Eliteの外観からチェックしていきます。「NZXT H5 Elite」では製品のオリジナルプリントがされた白地に紫がアクセントというNZXTカラーの段ボール箱にPCケース本体が収められています。
幅54cm×高さ51cm×奥行29cmなのでATX対応ミドルタワーPCケースのパッケージサイズとしては標準的です。側面には持ち手の穴があるので家の中であれば持ち運びは難しくないと思います。
段ボール箱の天面を開くと、スペーサーで保護されたPCケース本体が現れます。
PCケースを保護する緩衝材については発泡スチロールが採用されていました。発泡スチロールは処分のため解体する際に小さい破片が飛び散るので、個人的には固めのスポンジを採用して欲しいです。
強化ガラスサイドパネルには傷防止の保護フィルムが貼られています。
裏配線側サイドパネルを開くと、ボトムの2.5インチストレージトレイに小分けパッケージが固定されており、中にはネジ類など付属品が入っています。
小分けパッケージに収納されている付属品は各種ネジ類、ケーブルタイとなっています。組み立てに使用するネジは個別のビニール袋に分けられているので見分けも簡単です。
欲を言えば、他社製品の例ですがネジの種類別に完全に小分けできる仕切り付きパックに最初からネジが収納されていると使い勝手が良いので、ネジ収納はこのタイプになってくれると嬉しいです。
NZXT H5 Eliteの外観
続いて「NZXT H5 Elite」の外観について詳しくチェックしていきます。「NZXT H5 Elite」の寸法は奥行446mmm×幅227mm×高さ464mmで、ATXサイズマザーボードに対応するミドルタワーPCケースとしては若干小さめなサイズ感です。
前モデルにあたるH510は奥行428mmm×幅210mm×高さ460mmなので少し大きくなっていますが、上位モデルのH7は奥行480mmm×幅230mm×高さ505mmなので、やはり同社のATX対応ミドルタワーPCケースとしては小さめのモデルです。
今回レビューする「NZXT H5 Elite」はH5シリーズの上位モデルであり、なおかつ見栄えを重視したモデルとなっており、フロントパネルにはARGB LEDイルミネーション搭載ファンがハッキリと透けて見えるように強化ガラス製パネルを採用しています。
「NZXT H5 Elite」のフロントパネルはPCケースシャーシから取り外しが可能です。ボールキャッチによる固定なので上側を前方へ引っ張るだけで簡単に取り外せます。
「NZXT H5 Elite」はフロント全体が強化ガラスパネルで塞がっており、フロント方向の吸気スペースは裏配線側サイドパネルの前方のみとかなり狭くなっています。
サイドパネルを取り外すと裏側にはツールレスで着脱が可能な防塵ナイロンフィルターがあります。
「NZXT H5 Elite」も含め、近年のNZXT製PCケースというと質感の高い塗装が施されたスチール製フロントパネルが採用され、フラットデザインの流行を牽引する製品ですが、反面、エアフローが弱いことも指摘されていました。
一方で、同時発売のバリエーションモデルかつ下位モデルな「NZXT H5 Flow」は丸穴エアスリットをフロントパネルに広く設け、エアフローに優れた設計になっています。
「NZXT H5 Elite」の前面と左側面は強化ガラスパネルが採用されていますが、トップ・右側面の2面はスチールパネルとなっており、傷や指紋の目立ちにくい粒度小さめのシボ塗装、ホワイトは清潔感のある色合いです。
「NZXT H5 Elite」のフロントI/Oはトップパネル前方、正面から見て右寄りに実装されています。右から順にパワースイッチ、USB3.0 Type-A×1、USB Type-C×1、ヘッドホン出力&マイク入力用4極3.5mmジャックが実装されています。
フロントI/Oと繋がっている内部ケーブルとしては内部USB3.0ケーブル、内部USB Type-Cケーブル(正式名称はFront USB Type-E)、ヘッドホン・マイク用HDオーディオケーブル、フロントI/Oケーブルがあります。
パワーボタンやパワー/ストレージアクセスLEDについてはケーブルだけでなくコネクタも含めて1つにまとまっているのは着脱が容易になって好印象です。
「NZXT H5 Elite」はマザーボード側に内部を一望できる強化ガラス製サイドパネルが搭載されています。ホワイトモデルのガラスパネルは無色透明です。フレームもホワイトに統一されています。なおブラックカラーの強化ガラス製パネルにはスモーク処理が施されています。
強化ガラスサイドパネルというと、電源ユニットがあるPCケース下側やPSUカバーも含めて左側側面全体をカバーする製品が多いですが、「NZXT H5 Elite」はPSUカバーの側面とガラスパネルが繋がるというショーケース風デザインです。
裏配線側サイドパネルはフラットなスチールパネルです。透明なガラスパネルではないので裏配線にこだわるのが面倒という人には嬉しい設計です。
「NZXT H5 Elite」の左右サイドパネルは後方のハンドスクリューによって固定されています。マザーボード側の強化ガラス製パネルはさらにボールキャッチによって固定されており、逆に裏配線のスチール製パネルは単純に後方へスライドさせるだけの構造です。
強化ガラス製サイドパネルは下側の窪みにハマる構造なので、手で支えないと外に倒れはしますが、下端から脱落して床に落ちる心配はありません。
一方で裏配線側のスチール製パネルは下に支えはあるものの、外へ落ちるのを防止するものはなく、前方のスライドノブにはめ込むまではPCケース側へ押さえつけておかないと、下側から脱落してしまう構造です。
「NZXT H5 Elite」のPCケースボトムを見ると、フロント寄りや電源ユニット部分にはエアスリットがあるものの、それ以外はスチール板で塞がっており、シンプルな形状です。
PCケースボトムの四隅には前後に長いプラスチック製のケース足があり、底面には滑り止めのゴムシートが貼り付けられています。ケース足の高さは25mm弱ほどです。
NZXT H5 Eliteの内部構造の概要
続いて「NZXT H5 Elite」の内部構造について各種要素ごとに細かく見ていく前に内部構造の概要をチェックしていきます。サイドパネルを外してマザーボード側を俯瞰すると次のようになっています。
「NZXT H5 Elite」のマザーボードスペース前方はストレージベイや5インチベイなど何もなく開放されている近年主流なオープンレイアウトが採用されています。
同時にNZXT Hシリーズでお馴染み、PCケース中央を縦断するスチール製プレートが同PCケースの特徴として目を引きます。ケーブルカバープレートは裏配線によるケーブルマネジメントでケーブルホールからのケーブルの出入りを隠すカバーとしての役割を果たしています。
ケーブルカバープレートには縦長のネジ穴スリットがあり、DIY水冷でラジエーター&ポンプの固定位置として利用できます。
ケーブルカバープレートは着脱に対応しています。裏配線側の2カ所のネジ、マザーボード側の上端2カ所のボールキャッチ、下側4ヶ所のスライド穴によって固定する構造です。
「NZXT H5 Elite」には近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUカバーが採用されています。
「NZXT H5 Elite」のPCケース内部にはフロントに2基の140mm角、GPUファンダクト用に1基の120mm角で計3基のケースファンが標準で搭載されています。
NZXT H5 Eliteのマザーボードトレイやその周辺レイアウト、および各種マザーボードとの互換性についてチェックしていきます。
NZXT H5 Eliteのマザーボードトレイには標準でATXに合わせたスペーサーが装着されています。PCIEスロット数はATXフォームファクタに合わせて7段が設置されています。
スペーサーを外すためのプラスネジ変換六角ソケットが付属します。プラスネジ変換六角ソケットをスペーサーに被せれば一般のプラスドライバーを使用して簡単にスペーサーの着脱が可能です。
マザーボード固定用スペーサーを装着するためのネジ穴にはA、U、Iの添え字が刻印されており使用するマザーボードに合わせて使うべきレイアウトが一目で分かります。またマザーボード固定用スペーサーのうち中央の1つはネジ穴ではなく、凸状の出っ張りになっています。
マザーボードのネジ止めの際には中央スペーサーの出っ張りにマザーボードを引っかけて位置を固定することができるので、マザーボードのネジ止めが容易になる賢い構造です。
「NZXT H5 Elite」にATXマザーボードを設置すると下のようになります。
マザーボードトレイの上側および、カバープレートで隠れていますが右側には大きくケーブルホールが開けられているので各種配線もスムーズに行えます。
標準サイズのATXマザーボードを設置した時に、ケーブルカバープレートとの間隔は25mm弱となっています。基本的にATXよりも横幅の大きいE-ATXマザーボードは使用できません。
空冷CPUクーラーの高さクリアランスについて、公式仕様では全高165mmまでが確保されているとのことでしたが、実測の高さクリアランスは176mm程度でした。
大型のハイエンド空冷CPUクーラーでもPCケースサイドパネルとの干渉の心配はありません。
NZXT H5 Eliteの裏配線スペース
「NZXT H5 Elite」の裏配線スペースについてチェックしていきます。左サイドパネルを取り外すとNZXT H5 Eliteのマザーボード裏スペースにアクセスできます。NZXT H5 Eliteの裏配線スペースの全体は次のようになっています。
マザーボードトレイのCPUクーラーメンテナンスホールは大きくとられていて、Intel LGA1700やAMD AM4/AM5といった近年主流なCPUソケットがしっかりと収まり、バックプレート型のCPUクーラーでもマザーボードをPCケースに装着したままで着脱が可能です。
「NZXT H5 Elite」の裏配線スペースには上位モデルH7とは異なり、プラスチック製ケーブルガイドはありませんが、マジックテープ式ケーブルファスナーや金属製シャーシの折り返しで各種ケーブルの動線が綺麗に確保されています。
裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、おおむね30mm弱程度が確保されています。
NZXT H5 Eliteのストレージ設置スペース
続いて「NZXT H5 Elite」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。「NZXT H5 Elite」のストレージ積載についてはマザーボードトレイ裏のストレージトレイのみとなっており、マザーボードのM.2スロットを除けば2基しかストレージを設置できません。
「NZXT H5 Elite」のマザーボードトレイ裏、メンテナンスホールの下にはストレージトレイが装着されています。
ストレージトレイはハンドスクリューで簡単に着脱でき、2.5インチSSDや3.5インチHDDを直接ネジ止めする形で固定します。
NZXT H5 Eliteのグラフィックボード設置スペース
「NZXT H5 Elite」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。まず製品スペックを見ると、「NZXT H5 Elite」のグラフィックボード設置における長さ方向のクリアランスについて、最大365mmのスペースが確保されています。
実測でもPCIEブラケットからファンを固定するためのフロントのファンブラケットまでちょうど365mm程度でした。
写真のように全長300mmかつ3スロット占有GPUクーラー搭載の超巨大オリファンモデル「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING」でも余裕をもって収納できるスペースがあり、クリアランスも十分なのでオープンレイアウトではグラフィックボードの互換性を心配する必要はありません。
「NZXT H5 Elite」のグラフィックボードのクリアランスは、一般的な25mm厚ファンだけであればシャーシ外側に固定するので影響はありませんが、簡易水冷のラジエーターなどを内側に設置すると影響があります。
とはいえファン&ラジエーターで52~55mmの一般的な簡易水冷クーラーであれば340mm程度のスペースを確保できるので、TGP300W超のグラフィックボードでも問題なく設置できるはずです。
グラフィックボードの高さ方向について、PCIEブラケットからサイドパネルまで70mm程度と十分な余裕があるので、補助電源ケーブルはもちろん、背の高い基板のオリファンモデルにDIY水冷のフルカバー水冷ブロックを装着してもターミナル部分がサイドパネルと干渉する心配はありません。
「NZXT H5 Elite」はPCIEスロットの固定ネジ穴が外にあるので、拡張ボードをPCIEブラケットを装着する構造上、PCIEブラケットの手前に穴が開いてしまうのですが、ここを隠すためのスライド式カバー(着脱可能)も設置されています。
管理人がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、「NZXT H5 Elite」では固定ネジ上にシャーシが被っておらずしっかりとクリアランスが確保されています。これならドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。
ただし綺麗にクリアランスが取れているのはPCIEブラケット手前のカバーを完全に取り外した場合となっており、手前にスライドさせるだけだとドライバーが斜めになってしまいます。カバーをケース内にするなどもう少し設計に工夫して欲しかったところ。
「NZXT H5 Elite」と「NZXT H5 Flow」は大きな特徴としてPSUカバー前方にグラフィックボードのGPUクーラーへ斜め下から直接風を送り、効率的に冷やすことが可能なGPUファンダクトを搭載しています。
GPUファンダクトはPCケースボトム前方から吸気する構造なので、フロント下部からツールレスで着脱可能な防塵ナイロンフィルターが設置されています。
GPUファンダクトは裏配線側、PSUカバー内にある2カ所のネジで固定されています。
GPUファンダクトは上記2カ所のネジを外すとPCケースから取り外し可能ですが、先にフロントファンブラケットとケーブルカバーの両方を取り外す必要があります。ここは干渉せずにGPUファンダクトだけで着脱できるようにしておいて欲しかったところ。
GPUファンダクトのフレームには自作PCで一般的な120mm角、25mm厚のケースファンが設置されています。長ネジでフレームに固定されているだけなので、市販の120mm角ケースファンに交換可能です。
GPUファンダクト用の付属ファンは「NZXT F120Q Case Version(型番:RF-Q12CR-W1)」です。
NZXT F120Q (Case Version)はPWM速度調整に非対応の3PIN DCファンですが、定格(最大)ファン回転数が1200RPMと低速なので、最大速度でもファンノイズが煩く感じることはあまりないと思います。
NZXT H5 Eliteの電源ユニット設置スペース
NZXT H5 Eliteの電源ユニットの設置個所付近をクローズアップしていきます。まずは電源ユニットの設置についてですが、「NZXT H5 Elite」では最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUカバーも採用されています。
高級なPCケースでは専用のPSUアダプタを使用して外から電源ユニットをスロットインする構造が採用されていることもありますが、「NZXT H5 Elite」については単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めする構造です。
電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「NZXT H5 Elite」のPCケースボトムにはフロント寄りにGPUファンダクトが搭載されており、奥行方向に約220mmのスペースがあります。ファンダクトは斜め向きなのでケーブルの収納スペースは下側なら260mm程度です。
下の写真では奥行150mmの電源ユニットを使用しているので、60~100mm程度のスペースがあり、電源ケーブルを収納しておく余剰スペースとしても十分です。
「NZXT H5 Elite」は電源ユニットがPCケース底面から吸気を行う構造なので、PCケース底面にはスライド式で簡単に着脱可能なナイロンメッシュの防塵ダストフィルターが付属しています。
PCケース底面には電源ユニット冷却ファンが吸気するためのエアスリットがありますが、幅110mm、奥行(後端から)20~170mmのレイアウトになっています。
NZXT H5 Eliteのファン・水冷ラジエーター設置スペース
続いて「NZXT H5 Elite」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。ファン・ラジエーター設置スペースの概要
NZXT H5 Eliteのファン・ラジエーター積載可能数について簡単にまとめると、PCケースリアには120サイズ 、PCケースフロントには最大で280サイズ(140mm×2)、PCケーストップには最大で240サイズ(120mm×2)のファンもしくはラジエーターを設置することが可能です。付属ファンについて
NZXT H5 Eliteにはケースファンとして、140mm角ファンの「NZXT F140 RGB(型番:RF-R14SF-W1)」がフロントに2基付属します。NZXT F140 RGBの定格(最大)回転数は1800RPM、PWM速度調整に対応し、500~1800RPMの範囲内で制御可能です。
ファンフレームのリング部分にはNZXT CAMによってライティング制御が可能なARGB LEDイルミネーションが内蔵されています。
NZXT F140 RGBの軸固定用の支柱は、緩く弧を描きながら根本付近でファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードの根元が支柱付近を通過するときに発生するノイズを抑制しています。
ファンフレームのネジ穴部分はラバー製の防塵パッドになっています。
NZXT F140 RGBからはPWM対応4PINファンケーブルに加えて、ファンに内蔵されたLEDイルミネーションに給電およびライティング制御するためのNZXT独自規格のLEDケーブルが伸びています。
NZXTからは付属ファンのNZXT F140 RGBはファン単品でも販売されており、また120mmサイズ版のNZXT F120 RGBもラインナップされています。
ファン・ラジエーター設置スペースを実機でチェック
上で解説した概要を念頭に、「NZXT H5 Elite」のファン・ラジエーター設置スペースについて実機写真からチェックしていきます。
ネジ穴位置が固定で上下にオフセットできない仕様ですが、上側のクリアランスが広めに設けられているので、天面のファン・ラジエーターと干渉に注意が必要ですが、水冷ラジエーターも問題なく設置できます。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについてですが、フロントパネル裏には標準で2基の140mmサイズ冷却ファンが吸気構成で設置されています。(ファン標準搭載はEliteのみ)
PCケース内への埃の混入を抑えるためツールレスで着脱可能な防塵ダストフィルターも用意されているので吸気スペースに使用するのがおすすめです。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースのサイズ・数量については上で紹介したとおり、280サイズ(140mm×2)です。珍しいことに120mm幅のファン・ラジエーターには非対応なので注意してください。
PCケースフロントのファンマウントはシャーシ自体ではなく、シャーシから着脱可能なブラケット構造です。
ファン・ラジエーター設置用ブラケットはマザーボードのある内側から2か所のハンドスクリューネジで固定されています。
「NZXT H5 Elite」のPCケースフロントではケースファンをファンブラケットの外側、ファンブラケットとフロントパネルの間に設置する構造になっていますが、間隔は60mm強程度あるので25mm厚よりも厚みの大きい冷却ファンも設置可能です。
ちなみにフロントのファンマウントからケーブルカバープレートまでの間隔も50mm程度となっており、DIY水冷でケーブルカバープレートにリザーバー・ポンプを設置する場合も十分なクリアランスです。
PCケーストップのファン・ラジエーター搭載スペースについてですが、最大で240サイズ(120mm×2)のファン・ラジエーターに対応します。
天面には丸穴エアスリットが広く設けられていますが、ネジ穴スリットは左側サイドパネルに大きく寄って120mm幅が1列だけです。
天面について、ファン・ラジエーターを固定するシャーシ内壁からマザーボード上端までは30mm程度のクリアランスしかありません。
ファン&ラジエーターで52~55mm厚になる一般的な簡易水冷クーラーの場合、マザーボードのVRM電源クーラーやメモリに被さってしまうものの、「NZXT H5 Elite」は120mm幅のファン・ラジエーターにしか対応しておらず、ギリギリまで左側サイドパネルに寄ったレイアウトなので、基本的には干渉を心配する必要はありません。
「NZXT H5 Elite」の天面にはマグネットで簡単に着脱可能なナイロンメッシュフィルターが装着されています。
「NZXT H5 Elite」の天面はフラットなのでキーボードなど物を置くこともできますが、天面にファン・ラジエーターを設置する場合はエアフローの妨げになってしまいます。
「NZXT H5 Elite」の天面を物を置くスペースとして活用したいのであれば、「PC MAGLAS ガラストップ」というPCトップガラスカバーがオススメです。
続いてNZXT H5 EliteのPCケーストップで対応が明記されている240サイズラジエーターについて、今回は検証機材として240サイズ簡易水冷CPUクーラー「NZXT KRAKEN X53 RGB White」を使用して具体的にチェックしていきます。
NZXT KRAKEN Z-3/X-3シリーズの最新ロットにはIntel第12/13世代CPUのLGA1700ソケットやAMD Ryzen 7000シリーズCPUのAM5ソケットに対応したマウントパーツも標準で付属します。
「NZXT H5 Elite」はトップにファン&ラジエーターを設置するとケーブルホールやケーブルの収納スペースが隠れてしまうので、まずはマザーボードを設置した状態のPCケースを横倒しにして水冷ヘッドを固定します。
水冷ヘッドを固定したら、各種ケーブルをおおまかに配線してしまい、最後にラジエーターをトップに固定します。
「NZXT H5 Elite」のPCケーストップは最大で240サイズのラジエーターにも対応するので、スペックの通り240サイズ簡易水冷CPUクーラー NZXT KRAKEN X53 RGB Whiteを設置できました。
「NZXT H5 Elite」のトップにファン&ラジエーターを設置するとファンがCPUソケット上側のVRM電源クーラーやメモリに被さってしまいますが、ファンマウントネジ穴は左側サイドパネルにめいっぱい寄った位置にあるので、十分なクリアランスがあり(全高45mm程度のヒートシンク付きメモリなら干渉しない)、干渉の心配はありません。
NZXT H5 Eliteの自作PCギャラリー
「NZXT H5 Elite」を使用した自作PCを組んでみたのでその作成例のギャラリーとなります。今回、「NZXT H5 Elite」のサンプルビルド用に色々とPCパーツをお借りしたので、これも使ってサンプルビルドを組んでいきます。
前置きはこの辺りにしてビルドギャラリーです。
LED関連を色々と詰め込んだので裏配線側は少々雑然としていますが(どうせスチールパネルで隠せるので)、強化ガラスパネルで一望できるマザーボード側はスッキリとしています。
「NZXT H5 Elite」は標準で裏配線スペースにLEDコントローラーを搭載しています。同じく付属の2基のLED搭載ファンを含めて3チャンネルまでLED機器を制御できます。
LEDコントローラーや接続されたLED機器への電力供給はSATA電源から行い、PC(マザーボード)とは内部USB2.0ヘッダーで接続します。
同社から発売されているケースファンF120/F140 RGBやLEDストリップを専用ソフトウェアNZXT CAMからライティング制御できます。KRAKENシリーズなど同社製AIO水冷CPUクーラーとのライティング同期も可能です。
NZXT H5 Eliteのレビューまとめ
最後に「NZXT H5 Elite」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- シンプルでスタイリッシュなデザイン、白色もラインナップ
- 【H5 Elite】 ARGB LED搭載ファンとLEDコントローラーが標準で付属
- 【H5 Elite】強化ガラス製フロントパネルでスタイリッシュな見た目
- 【H5 Flow】 丸穴エアスリットのフロントパネルでエアフローも良好
- 奥行446mmm×幅227mm×高さ464mmで、ATX対応として若干小さめなサイズ
- マザーボード側は内部を一望できる強化ガラス製ウィンドウパネル
- マザーボード側からのケーブルを隠すケーブルカバーやPSUカバーを採用
- 簡単に綺麗な裏配線を実現できる裏配線スペースのデザインとケーブルファスナー
- 裏配線側はスチール製ソリッドパネルなのでケーブルマネジメントが気楽
- グラフィックボードを効率的に冷やすファンダクトを搭載(120mm角ケースファン互換)
- トップ/フロントはマルチファン大型水冷ラジエーターに対応
- トップ/フロント/PSUには着脱の容易な防塵ダストフィルター搭載
- PCケース内のストレージ設置スペースは2.5インチSSD 2基だけ
- 裏配線側サイドパネルは着脱時に支えがない
- GPUファンダクトの着脱にはケーブルカバーやフロントファンブラケットの取り外しが必要
「NZXT H5 Elite」は一目でわかる質感の高いスチールパネルとシンプルながら洗練され気品を感じさせる外観、精度が高く各種パーツを組み込みやすいシャーシ、誰でも簡単かつ綺麗に裏配線をマネジメントできる構造など、PCケースという部品として非常に完成度の高い製品です。
スペック的にもマルチファン大型水冷クーラーや300mm超大型グラフィックボード対応など、近年の自作向けPCケースのトレンドに忠実な設計です。
NZXT製PCケースはフルフラットでオシャレな外観の反面、エアフローは弱いと評価されることも多く、今回レビューした「NZXT H5 Elite」もやはり見栄え重視でフロントに強化ガラス製パネルを採用しているのでエアフローは弱めですが、バリエーションモデルとしてラインナップされている「NZXT H5 Flow」はフロントパネル全面に丸穴エアスリットが設けられており、同社製PCケースHシリーズの特長でもあるスマートな外観を損なうことなく、高いエアフローを確保しています。
「NZXT H5 Elite/Flow」はPSUカバー前方にグラフィックボード用冷却ファンを内蔵したGPUファンダクトを搭載しているところも大きな特徴の1つです。
NZXT H5はATX対応PCケースとしてはやや小型サイズですが、GPUファンダクトがケースボトムから吸気したフレッシュなエアーをグラフィックボードへ直接送り込むので、TGP300W超のハイエンドGPUを組み合わせても十分に冷やすことが可能です。
また、NZXT製PCケースというか、NZXT製PCパーツのもう1つ大きな魅力は、今回のサンプルビルドでも示したように、”ホワイト”カラーの部品が取り揃えられているところだと思います。
自作PCの見た目に大きく影響するPCケース、マザーボード、CPUクーラーを自社製品として展開しており、ほぼ全てがNZXT製で白いPC部品を揃えることができます。参入が難しいのでまだNZXT製のグラフィックボードはありませんが、最近では白色のグラフィックボードも珍しくなくなってきているので、NZXT製PCパーツをベースにすればホワイトを基調にした自作PCを組むのも難しくありません。
以上、「NZXT H5 Elite」のレビューでした。
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ARGB LEDファンとLEDコントローラーを標準搭載し、フロント強化ガラス製パネル採用のスマートな上位モデル「NZXT H5 Elite Matte White」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) November 5, 2022
KRAKEN X53やF120 RGBを組み合わせてゲーミングPCを組んでみましたhttps://t.co/MDJsjDdKVg pic.twitter.com/MN0qrbbZM8
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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