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RocketLake-Sのコードネームで呼ばれる、Intelの最新第11世代Core-S CPUについて最高のパフォーマンスを発揮する環境で検証ができるようにIntel×MSIによって用意された先行レビュアー向けメディアキットに触れる機会に恵まれたので、まずは開封の儀を通して、最新CPUの外観やMSI製Z590マザーボードや新型ハイエンド水冷クーラーをチェックしてみます。
なにはともあれ、まずはIntel第11世代Core CPUメディアキットを開封していきます。

メディアキットの化粧箱は全長300mm超のRTX30ハイエンドグラフィックボードが小さく見えるくらい巨大です。箱を開く前からワクワクが止まりません。

縦長なので横向きで撮影していますが、メディアキットの化粧箱の蓋を開くと、マザーボードが上段に、MSIの最新水冷クーラーが下段に収納されていました。マザーボードはMSI製Z590の中でもハイエンドモデルに位置する「MSI MEG Z590 ACE」です。

そしてマザーボードの右隣には、金色でドラゴンのマークが大きく描かれ、下に”第11世代Core i9”と記載された怪しいスペースが!!

案の定といいますか、怪しいスペースの蓋を開くと、Intel第11世代RocketLake-Sの最上位モデル「Intel Core i9-11900K」が現れました。

ここからはCore i9 11900K本体、Z590マザーボード「MSI MEG Z590 ACE」、新型水冷クーラー「MSI MPG CORELIQUID K360」の順番でチェックしていきます。
Intel Core i9-11900Kについて
メディアキットの中でも一番の注目アイテムはやはりIntelの最新CPU、「Core i9 11900K」です。「Core i9 11900K」は8コア16スレッドのCPUで、単コア最大ブーストクロックが5.3GHz、全コア最大ブーストクロックが4.8GHzとなっています。第11世代Core-SシリーズCPUは最新アーキテクチャによってIPC(概ねコアクロック当たりの性能のこと)を最大19%も向上しているとのこと。

Core i9 10900Kなど前世代と同じくLGA1200ソケットに対応したCPUなので、CPUの外形は前世代と共通ですが、ヒートスプレッダの形状は写真を見ての通り微妙に変わっていました。
角の丸みを無視して単純計算の縦横積で面積を比較すると、Core i9 11900Kは869.4mm^2(27.6×31.5)、前世代Core i9は829.4mm^2(28.6×29.0)となっており、5%程度ではありますがCPUクーラーベースプレートとの接触面積は増えていました。重量はいずれも28gなのでIHSの質量は変化していない?ようです。

裏面を見ると中央の素子実装は違いますが、ピン接触部も同じです。SSD用のCPU直結PCIEレーンが4レーン増えていますがピン接触部は同じなので第10世代で無効なピンがあるのでしょうか。

Intel第11世代CPUの詳細仕様についてプレスリリースレベルの内容はこちらの記事でまとめているのでご参考に。
MSI MEG Z590 ACEについて
続いてCore i9 11900KなどIntel第11世代CPUにネイティブ対応となるMSI製Z590マザーボード「MSI MEG Z590 ACE」についてです。製品公式ページ:https://jp.msi.com/Motherboard/MEG-Z590-ACE

「MSI MEG Z590 ACE」は、90A対応Dr. MOSで構成される19フェーズの超堅牢VRM電源を搭載し、リアI/Oには2基のThunderbolt4対応USB Type-Cポートを標準搭載するなど、コアクロック的にも新機能的にも最新CPUのフルポテンシャルを引き出すことが可能な製品です。

MSI MEG Z590 ACEにはメインストリーム向けマザーボードながら、19(16+2+1)フェーズの超堅牢なVRM電源回路が実装されています。

VRM電源回路を構成する素子も、定格90Aを処理可能なSmart Power Stage(所謂、低発熱で定評のあるDr. MOSの90A対応版)、従来製品より電力効率を改善した「TITANIUM CHOKE III」、93%のエネルギー変換効率かつCPUクーラーと干渉し難い小型サイズキャパシタ「Hi-C CAP」、低ESRかつ10年以上の長寿命な日本製個体コンデンサなどなど厳選された高品質素子です。

マザーボード裏面左側には頑丈な金属製バックプレートが装着されています。各種素子の半田の出っ張りで指を切ることがありますが、バックプレートがあればその心配もありません。バックプレートはVRM電源回路背面とサーマルパッドを介して接しており、放熱プレートとしての役割も果たしています。

「MSI MEG Z590 ACE」のリアI/Oに実装された2基のUSB Type-Cポートは次世代規格Thunderbolt4に対応しています。DisplayPort Alternate Modeによるビデオ出力に対応し(映像ソースはMiniDP入力)、USB Power Delivery規格によって15W(5V/3A)の電力供給も可能です。

有線LANには一般的なギガビットイーサの2.5倍の帯域幅を実現するIntel製LANコントローラー I225-V(Foxville)による2.5Gb LANが搭載されています。
さらに従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて、グローバルに免許不要で使用可能な6GHz帯もサポートするWiFi 6E&Bluetooth5.2に対応した無線LAN(Intel AX210)も搭載しています。接続規格としてはWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax、2.4/5GHz/6GHzトライバンド、最大通信速度2400Mbps、Bluetooth 5.2に対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されているので付属のアンテナを接続できます。

「MSI MEG Z590 ACE」にはは高速NVMe接続規格に対応したM.2スロットが、CPUソケット下やPCIEスロットと並んで計4基設置されています。

PCIE4.0x4帯域対応こそCPUソケットに一番近い1基のみですが、メインストリーム向けのATXサイズマザーボードでNVMe SSD対応M.2スロットを4基も搭載している製品はかなり希少です。

いずれのM.2スロットもM.2 SSD用アルミニウム製ヒートシンク M.2 Shield Frozrを搭載しているので、高速な反面、発熱の大きいNVMe M.2 SSDも安心して使用できます。

・PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ

あとドライバがCDではなく専用のUSBメモリに収録されているところも地味な注目ポイント。光学ドライブを搭載しない環境も増えているので嬉しい配慮です。その他のマザーボード製品でもドライバはUSBメモリに移行して欲しいところです。

MSI MPG CORELIQUID K360について
最後にIntel第11世代CPUに合わせてMSIからリリースされた多機能ハイエンド仕様な簡易水冷CPUクーラー「MSI MPG CORELIQUID K360」をチェックしていきます。製品公式ページ:https://www.msi.com/Liquid-Cooling/MPG-CORELIQUID-K360

「MSI MPG CORELIQUID K360」のOEM元は自作PC用水冷CPUクーラーでは定評のあるAsetekとなっており、水冷ポンプには最新のAsetek第7世代ポンプが採用されています。
カバーはプラスチック製ですがディスプレイを囲うように鉱石のような質感のガンメタルカラーの装飾が施されており安っぽさは感じません。GeForce RTX 30シリーズのGAMING X TRIOグラフィックボードと共通の意匠です。

「MSI MPG CORELIQUID K360」の天面には2.4インチ、240x360解像度のフルカラーLCDディスプレイが搭載されています。

LCDディスプレイの表示内容は、MSI CenterもしくはMSI CoreLiquid APPから制御が可能です。表示内容は大別してHardware Monitor、Image、Customize Banner、System Clockの4種類が用意されています。

「MSI MPG CORELIQUID K360」のLCDディスプレイが搭載された天面プレートの下には、CPUソケット周辺のM.2スロットやVRM電源に風を当てて冷却するるため、エアフローファンとして60mm径のTORX FAN 3.0が内蔵されています。制御アプリによって1000~4000RPMの範囲で速度制御にも対応しています。

MSIによれば、エアフローファン動作時はパッシブ空冷時と比較して20~30度もVRM電源周りの温度が低減するとのこと。

簡易水冷クーラーの冷却ファンというと、やはり付属品なので安価で品質はそこそこというイメージがありますが、「MSI MPG CORELIQUID K360」には同社製グラフィックボードのGPUクーラーでも定評のある「TORX FAN 4.0」が付属します。

TORX FAN 4.0では2枚のファンブレードを円弧を描く外周リングで一体化することで、振動しやすいファンブレードを安定させ、静圧を向上、ブレによるノイズの低減を実現しています。また軸受けには10万時間の高耐久性なダブルボールベアリングが採用されています。

付属ファンも高品質ですが、ファン制御もかなり凝っています。上で紹介したLCDディスプレイと同じくMSI CenterもしくはMSI CoreLiquid APPから制御しますが、GI Mode(Game Intelligent Mode)では3基のラジエーター冷却ファンはそれぞれ個別のファンカーブによって制御されており、なおかつファン2とファン3はCPU温度が閾値以下の場合にファンが完全に停止するセミファンレス動作に対応していました。


実際にGI Modeを使用してみると、CPU温度によりますが、ファン2とファン3は確かに停止しました。アイドル時をはじめ低負荷ではファン1台で動作し、CPU温度が高くなる高負荷時のみ3基のファンが動作するので、静音性をパフォーマンスを両立するには良いモードだと思います。

以上、駆け足でお送りしましたが『Intel第11世代Core CPUのレビュアーキットで開封の儀!』でした。
近日には気になるIntel第11世代CPU最上位モデルCore i9 11900Kの性能に関する詳細レビューや、マザーボードとCPUクーラーの個別レビューも公開予定なので、お楽しみに。
・Intel第11世代Rocket Lake-Sのレビュー記事一覧へ

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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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