Seagate FireCuda 530 2TB


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最新のPHISON PS5018-E18コントローラーとMicron製TLC型176層3D NAND(B47R)を採用し、PCIE4.0x4接続で連続読み出し7300MB/sに達するゲーマー向けハイエンドPCIE4.0対応NVMe M.2 SSD「Seagate FireCuda 530 1TB(型番:ZP1000GM30023)」、大容量2TBの「Seagate FireCuda 530 2TB(型番:ZP2000GM30013)」をレビューします。
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製品公式ページ:https://www.seagate.com/jp/ja/products/gaming-drives/pc-gaming/firecuda-530-ssd/
Seagate FireCuda 530_top





Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB レビュー目次


1.Seagate FireCuda 530について
2.Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの外観
3.Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの検証機材と基本仕様


4.Seagate FireCuda 530 1TB のベンチマーク比較
5.Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの連続書き込みについて
6.Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの消費電力


7.Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの実用性能比較
8.Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBのデータコピー・ゲーム性能比較


9.Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBのレビューまとめ



【機材協力:Seagate】



Seagate FireCuda 530について

「Seagate FireCuda 530」は、メモリコントローラーにPCIE4.0対応のPHISON PS5018-E18、メモリチップにMicron製TLC型176層3D NAND(B47R)が採用された、NVMe(PCIE4.0)接続でM.2 2280フォームファクタのM.2 SSDです。
「Seagate FireCuda 530」にはSSD容量として500GB(型番:ZP500GM30013)、1TB(型番:ZP1000GM30013)、2TB(型番:ZP2000GM30013)、さらに最大容量の4TB(型番:ZP4000GM30013)の4モデルがラインナップされています。4TBモデルのみ両面実装です。

さらに、DIY水冷PCパーツメーカー大手EKWBとコラボしたオリジナルM.2 SSDヒートシンクを搭載するモデル FireCuda 530 Heatsink(型番:ZP500GM30023, ZP1000GM30023, ZP2000GM30023, ZP4000GM30023,)も同時に展開されています。
Seagate FireCuda 530 Heatsink

「Seagate FireCuda 530」のアクセススピードは容量によって若干異なりますが、最大でシーケンシャル読出7300MB/s、シーケンシャル書込6900MB/s、ランダム読出1,000,000 IOPS、ランダム書込1,000,000 IOPSの超高速アクセスを実現しています。

「Seagate FireCuda 530」のMTBFは180万時間、書込耐性は500GBが640TBW、1TBが1275TBW、2TBが2550TBW、4TBが5100TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。


Seagate FireCuda 530 スペック一覧
容量 500GB
型番:ZP500GM30013
1TB
型番:ZP1000GM30013
2TB
型番:ZP2000GM30013
4TB
型番:ZP500GM30013
ヒートシンク
搭載モデル
ZP500GM30023 ZP1000GM30023 ZP2000GM30023 ZP4000GM30023
インターフェース
NVMe(PCIE4.0x4)
メモリコントローラー PHISON PS5018-E18
メモリー Micron製 TLC型 176層3D NAND (B47R)
キャッシュ 512MB LPDDR4 1GB LPDDR4
2GB LPDDR4
4GB LPDDR4
連続読出 7000MB/s 7300MB/s
連続書込 3000MB/s 6000MB/s 6900MB/s
ランダム読出 400,000 IOPS 800,000 IOPS 1,000,000 IOPS
ランダム書込 700,000 IOPS 1000,000 IOPS
消費電力(avg) 5.8 W
6.5 W
8.0 W
8.4 W
動作温度範囲 0°C~70°C
MTBF 180万時間
書込耐性 640TBW 1275TBW 2550TBW 5100TBW
保証期間 メーカー5年



Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの外観

まず最初にSeagate FireCuda 530 1TB / 2TBの外観や付属品について簡単にチェックしておきます。
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紙製のパッケージを開くとSSD本体はプラスチックのスペーサーに収められていました。
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Seagate FireCuda 530のSSD本体デザインについては普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色になっています。
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Seagate FireCuda 530の表面には中央にメモリコントローラー、その左隣にDRAMキャッシュ、左右にある残り2/3のスペースには4枚のメモリチップが実装されています。
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メモリコントローラーは公式仕様の通り、12nmプロセスで製造される最新PHISON PS5018-E18です。前PHISON PS5016-E16ではチップ表面にはニッケルメッキの金属製プレートが装着されていましたが、今回は金属製プレートなどの放熱を補助するパーツは装着されていません。
データ保存領域となるNANDメモリについては公式情報ではMicron製TLC型176層3D NAND (B47R)ですが、流石にCrucial製品でもないのでNANDメモリ上にはMicronのメーカーロゴの刻印はありません。LPDDR4キャッシュメモリはSK Hynix製でした。
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なおSeagate FireCuda 530に使用されているメモリコントローラーPHISON PS5018-E18はメモリチップやDRAMキャッシュと比較して素子の高さがコンマ数mm程低いので、ヒートシンク(サーマルパッド)としっかり接しているかどうかには注意してください。
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製品型番・シリアル番号記載のシールが貼られている裏面について、500GBと1TBの2モデルは表面のみの片面実装ですが、2TBと4TBの大容量モデルはDRAMキャッシュ1枚とNANDメモリチップ4枚などが実装されていて両面実装となります
市販のM.2 SSDヒートシンクを使用する場合は、両面実装のM.2 SSDに対応しているかどうか注意してください。
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Seagate FireCuda 530にはDIY水冷パーツメーカーEKWBとコラボしたオリジナルM.2 SSDヒートシンク搭載モデルもラインナップされています。
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マットで質感の高い塗装が施されたアルミニウム製ヒートシンクには、FireCudaやEKWBのロゴが描かれ、FireCudaを象徴するアクセントカラーのオレンジラインが目を引きます。
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ヒートシンクはバックプレートを挟んで左右2カ所でしっかりネジ止めされており、見ての通り頑丈で高級感も感じる仕上がりです。
Seagate FireCuda 530 1TB with Heatsink review_09469_DxO
ヒートシンクを含むSSDの寸法は幅24.1mm×高さ10.5mm(バックプレート含む)となっており、PS5の増設SSD要件に対して余裕を持った設計です。
もちろん「Seagate FireCuda 530 ヒートシンク搭載版」はPS5拡張スロットと干渉せず、問題なく設置できました。
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Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの検証機材と基本仕様

「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」の各種検証を行う環境としては、PCIE4.0/5.0に対応するIntel Core i9 12900K&ASUS ROG MAXIMUS Z690 HEROなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 12900K (レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 RGB
F5-6000U3636E16GX2-TZ5RS
DDR5 16GB*2=32GB (レビュー
6000MHz, 36-36-36-76
マザーボード
ASUS ROG MAXIMUS Z690 HERO
レビュー
ビデオカード MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー
OS Windows11 Pro 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

SSD Test System_Intel Z690

システムメモリの検証機材には、高級感のあるヒートシンクや8分割ARGB LEDを搭載してデザイン面でも優れ、16GB×2枚組み32GBの大容量で6000MHz/CL36のメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 RGB F5-6000U3636E16GX2-TZ5RS」を使用しています。
「G.Skill Trident Z5 RGB」をレビュー。XMPで6000MHz OCに対応!
G.Skill Trident Z5 RGB


検証環境については上述の通り、Intel Core i9 12900KやASUS ROG MAXIMUS Z690 HEROで構成されるテストベンチ機を使用していますが、検証するNVMe M.2 SSDはM.2-PCIE変換拡張ボード「Aquacomputer kryoM.2」を介して、CPU直結PCIE5.0レーンに接続された5段目のPCIEスロットに設置しています。
「Aquacomputer kryoM.2」はPCIE3.0x4対応製品として2016年に発売されたヒートシンク付き変換ボードですが、品質が高く、PCIE4.0x4で安定動作することを確認しています。
なおPCIE AIC型のNVMe SSDも同じPCIEスロットに設置し、SATA接続ストレージは普通にマザーボードのSATA端子に接続しています。
SSD Test System_Intel Z690_2
ASUS ROG MAXIMUS Z690 HEROにM.2 SSDを設置する場合、M.2-PCIE変換ボードも使用するなら、計5つの候補があり、どこに接続するかでベンチマーク結果が大きく変わります。
Intel第12/11世代CPUのCPU直結PCIEレーンは、主にグラフィックボードで使用するPCIE5.0/4.0x16レーン(x8×2に分割可能)に加えて、CPU内にNVMe M.2 SSD用のPCIE4.0x4レーンがあり、実のところNVMe M.2 SSDを使用するなら、このCPU直結PCIE4.0x4レーンが最速となります。
PCIE4.0やPCIE3.0までのM.2 SSDだけを検証するのであれば、このM.2スロットを使用するのが最適なのですが、PCIE AIC型や2022年中にも登場が噂されているPCIE5.0対応SSDの検証も想定して、CPU直結PCIE5.0x8レーンに接続された5段目のPCIEスロットを使用しています。
SSD Test System_Intel Z690_3


「Seagate FireCuda 530 1TB」のボリュームをWindows10上で作成したところ、空きスペースは931GBでした。
Seagate FireCuda 530 1TB_CDI
また「Seagate FireCuda 530 2TB」のボリュームをWindows10上で作成したところ、空きスペースは1.81TBでした。
Seagate FireCuda 530 2TB_CDI


あまり情報がないので、Seagate製SSDのファームウェアアップデート方法を簡単に紹介しておきます。(Samsung MagicianとかWD DashboardみたいなWindowsアプリでアップデートできるようにして欲しいところ)

公式サポートページでシリアルナンバーを入力すると最新ファームウェアとアップデートツールを入手できるのでダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍すると、最新ファームウェア”FireCuda530_SU6SM00X”、アップデートツール”SeaChest_Firmware_x64_windows.exe”が現れます。
以下、簡単に作業するための一例ですが、Cドライブ直下に”SG”という名前でフォルダを1つ作成し、最新ファームウェアを”Update.bin”、アップデートツールを”sc.exe”にリネームしてコピーします。

以上の下準備が完了したら、コマンドプロンプトを起動(スタートメニューから検索して管理者として実行)します。
コマンドプロンプトで『cd /SG』と入力してカレントディレクトリをSGに移動し、『sc --s』で現在システムに接続されているドライブ一覧とナンバー割り当てを確認します。
Seagate FireCuda 530_FW-Update (1)
今回の例ではFWアップデートを行いたいSeagate FireCuda 530のナンバー割り当ては上のスクリーンショットのように”PD1”です。
ナンバー割り当てが分かったら、『sc -d PD1 --FWdownload Update.bin』と入力してアップデートを実行します。アップデートは自動で進行するので、コマンド入力が可能になったら『sc -d PD1 --activateFW』と入力してアップデートが正常に完了したか確認します。
新しいFWバージョンが表示されたら、PCを一度シャットダウンしてから再起動します。CrystalDiskInfoなどの情報ソフトでもファームウェアバージョンの更新を確認できるはずです。
Seagate FireCuda 530_FW-Update (2)



Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBのベンチマーク比較

「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。

まずはCrystalDiskMark8.0.4a (1GiB, +Mix)について、「Seagate FireCuda 530 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
「Seagate FireCuda 530 1TB」のベンチマークススコアは連続読み出し7000MB/s、連続書き込み5800MB/sとなりました。4Kランダム読み出しも90MB/s以上と非常に高速です。
今回検証環境として使用しているCore i9 12900K&Z690では、連続読み出しが公式仕様値と比べて200~300MB/s程度低いですが、AMD TRX40環境だと仕様値通りのスコアが出ていたので、CPUやチップセットのPCIEコントローラーの影響で多少誤差は出るようです。
Seagate FireCuda 530 1TB_CDM

また2TBモデルも連続読み出し7000MB/s、連続書き込み6900MB/sの高速な連続アクセススピードです。
連続書き込みもPCIE4.0x4帯域としては理想的な7GB/sに達しているところはPHISON PS5018-E18コントローラーとMicron製TLC型176層3D NAND (B47R)を採用で、容量が2TB以上のSSDの大きな特長です。
Seagate FireCuda 530 2TB_CDM

以下、各種比較対象SSDのベンチマークスコアになっています。
Samsung SSD 980 PRO 1TB_CDM8WD BLACK SN850 1TB_CDM8
WD BLACK SN770 1TB_CDM8_1GiBSamsung SSD 970 PRO 1TB_CDM8


ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2 (512B-64MB, 1GB, QD1/QD4)について、「Seagate FireCuda 530 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
ATTO Disk Benchmarkはブロックサイズ別の性能を主にチェックするベンチマークなので4KB~1MBを抜粋してリード/ライト性能をグラフにして比較しました。
Seagate FireCuda 530 1TB_ATTO_QD1_read
Seagate FireCuda 530 1TB_ATTO_QD1_write
Seagate FireCuda 530 1TB_ATTO_QD4_read
Seagate FireCuda 530 1TB_ATTO_QD4_write
Seagate FireCuda 530 1TB_ATTO
Seagate FireCuda 530 2TB_ATTO


AS SSD Benchmark v2.0.6821.41776 (1GB)について、「Seagate FireCuda 530 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
Seagate FireCuda 530 1TB_AS
Seagate FireCuda 530 2TB_AS
Samsung SSD 980 PRO 1TB_ASWD BLACK SN850 1TB_AS
WD BLACK SN770 1TB_ASSamsung SSD 970 PRO 1TB_AS



Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの連続書き込みについて

「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」に連続書き込みを行った場合の動作についてチェックします。

TLC型やQLC型と呼ばれる3bit以上のマルチレベルセルで動作するNANDが採用されているSSDでは、マルチレベルセル化によって遅くなる書き込み速度の底上げのため、NANDメモリの一部を高速キャッシュ領域とする機能が実装されています。
2022年現在、TLCやQLCの記憶領域を動的にSLC化する製品が多いので、この高速キャッシュ領域のことをSLCキャッシュと呼ぶことにします。(可能性としてTLC型SSDやQLC型SSDがMLCで高速キャッシュを構築することもありうる)

このようなSLCキャッシュを有するSSDにおいては、連続した大容量の書き込みによって書き込み総量がSLCキャッシュを超過した場合、書き込み速度がステップ状にガクッと下がります。
例えば600MB/sが理論的な上限速度となるSATA SSDの場合は、動画ファイルなど数十GB以上の単一ファイルの連続書き込みが発生すると、SLCキャッシュ超過後はCrystalDiskMarkなどベンチマークソフトで表示される500MB/s程度の連続書き込み速度を維持できず、100~200MB/sまで書き込み速度が低下する可能性があります。


最新のMicron製 TLC型 176層3D NANDをメモリチップに採用する「Seagate FireCuda 530 1TB」がどのような挙動を見せるのか確認してみたところ、製品仕様でも紹介されているように書き込み開始直後は5000MB/sを上回る書き込みスピードを発揮しており、使用済み容量が0GBで始まると、その後100GB以上もSLCキャッシュを使用できることが分かります。
Seagate FireCuda 530 1TB_HDT

使用済み容量0GBの状態からデータを連続で書き込んでいった時のSLCキャッシュの挙動を確認するため、連番のテストフォルダを作成して、そこへ順番に100GB(10GB×10)の動画ファイルを別のストレージからコピーしてみました。
この方法でSLCキャッシュの容量を確認してみたところ、220GB程度までSLCキャッシュとして使用することができました。(SLCキャッシュは順次開放されていく)

空き容量を減らしながら都度、100GBの書き込みでSLCキャッシュ容量を確認してみたところ、「Seagate FireCuda 530 1TB」は空き容量300GBで90GB程度、空き容量200GBで60GB程度をSLCキャッシュとして使用でききました。SLCキャッシュ超過後の書き込み速度は1000MB/s程度です。
Seagate FireCuda 530は空き容量の大部分をSLCキャッシュとして使用でき、書き込みタスクの裏で順次SLCキャッシュを開放していく構造になっているようです。単純に考えると空き容量の1/3弱をSLCキャッシュとして使用できます。
SLCキャッシュの構造としては理想的ですが、使用済みSLCキャッシュの開放は遅いというわけではないものの、あまり早くないという感想です。30GB程度は数分も待てば回復するのですが、それ以上は10分以上待っても回復しない(システムの再起動/電源オフを挟む必要がある?)という感じでした。
Seagate FireCuda 530 1TB_SLC_200GB Free
Seagate FireCuda 530 1TB_SLC_300GB Free



Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの消費電力と温度

「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」の消費電力についてチェックしていきます。
NVMe M.2 SSDの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。
GPU Power Tester_SSD_1



「GPU Power Tester」はその名の通り、PCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しグラフィックボードの消費電力を検証する機器ですが、M.2-PCIE変換ボードを改造した増設ユニットを使用することでNVMe M.2 SSDの消費電力を測定できます。
グラフィックボードの消費電力測定に使用するライザーケーブルからさらにM.2-PCIE変換ボードを中継すると、CPU/MB/SSDなど使用する機材によってはSSDの動作が不安定になることがあるのですが、この方法なら改造前のM.2-PCIE変換ボードと同等の性能で安定して消費電力を測定できます。
GPU Power Tester_SSD_2
消費電力の測定負荷についてはCrystalDiskMark8.0.4a (1GiB, +Mix)を使用していますが、各アクセスタイプで測定時間20秒/測定回数1回、測定インターバル10秒に変更しています。12種類のアクセスタイプの負荷に加えて、テスト終了後のアイドル状態の消費電力も測定しています。
GPU-Power-Test_app_1
なおCrystalDiskMark、特に連続読み出し/連続書き込みのアクセスタイプはワーストケースに近いSSD負荷です。実用シーンの一例として3DMark Storage Benchmark中の負荷はそれよりも大幅に低い消費電力を示します。
GPU-Power-Test_WD_BLACK SN850_CDM8-horz


CrystalDiskMarkで負荷をかけた時の「Seagate FireCuda 530 1TB」の消費電力の推移は次のようになっています。

「Seagate FireCuda 530 1TB」の消費電力は、連続読み出しの時に最も大きくなり、平均5.5W程度です。ピーク値でも6Wを超えることはありませんでした。
連続アクセス時の消費電力はPCIE4.0対応SSDとしては極端に大きいというわけではなく、上の下くらいの位置付けですが、4Kランダムを含めたCDM全体での平均値は高く、特に4Kランダム(Q1T1)で2.5Wを超えるというのはトップクラスの消費電力です。
Seagate FireCuda 530 1TB_Power
続いて大容量2TBの「Seagate FireCuda 530 2TB」ですが、連続読み出し性能は7GB/s程度で1TBモデルと大差ないのに対し、消費電力は1W前後増えて平均6.5W程度となりました。ピーク値でも7Wを超えることはありませんでした。やはり4Kランダム(Q1T1)が2.5W以上と高めです。
Seagate FireCuda 530 2TB_Power

消費電力が特に大きくなりやすい連続読み出し/連続書き込み(SEQ 1M Q8T1)について、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
Seagate FireCuda 530 1TB_Power_1_Read_1
Seagate FireCuda 530 1TB_Power_5_Write_1
実用性能に影響の大きいランダム読み出し/ランダム書き込み(RND 4K Q1T1)について、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
Seagate FireCuda 530 1TB_Power_4_Read_4
Seagate FireCuda 530 1TB_Power_8_Write_4
PC電源ONでSSDに対して読み書きアクセスがないアイドル状態の消費電力について、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
Seagate FireCuda 530 1TB_Power_13_Idle



「Seagate FireCuda 530 1TB ヒートシンク搭載版」の温度についてはPS5ストレージ増設の記事の方で紹介しているのでこちらを参照してみてください。


Seagate FireCuda 530のヒートシンク非搭載版についての検証は省略します。
近年ではマザーボードM.2スロットに十分な性能のM.2 SSDヒートシンク搭載が標準化しており、市販M.2 SSDヒートシンクも安価で高性能なものが簡単に見つかるようになっています。
PCIE4.0対応でドンドン高速化していく中、NVMe M.2 SSDをヒートシンクなしで温度測定や耐久テストを行うのは時勢に合わない、上記の通りヒートシンクも多様化しているので一例を示してもあまり参考にならない、と思ったという理由です。
どうしてもヒートシンクなし、もしくは冷却が限定される環境での運用を検討する必要があるのであれば、上記の消費電力測定で消費電力が小さいSSDを選ぶ、というのが正解ですし。

マザーボード備え付けのM.2 SSDヒートシンクの冷却性能が不十分で市販製品を探しているということであれば、PlayStation5の増設スロットにも互換なコンパクトサイズながら高い冷却性能を発揮する「CFD HSN-TITAN」、シリコンバンド固定で着脱が簡単な「SilverStone TP02」などがオススメです。






Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBの実用性能比較

「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」の実用性能をPCMark10 Storage Benchmarkを使用してチェックしていきます。
PCMark10 Storage BenchmarkはWindows10 OSの起動速度、PhotoshopやPremiere ProといったAdobeアプリの起動速度、PCゲームの起動速度、AdobeアプリやMicrosoft Officeの素材領域としての読み出し・書き込み速度など、SSDの実用性能について測定できるベンチマークソフトです。
PCMark10-Storage-Benchmarks
PCMark10 Storage Benchmarkは、NVMe SSDなど最新の高速ストレージについて、Windows OSの起動、OfficeやAdobe系ソフトなどアプリケーションの起動、PCゲームの起動、OfficeやAdobe系ソフトで使用する素材データ領域としての読み出し・書き込み性能といった、実用的なストレージ性能を測定するベンチマークソフトとなっており、”Trace”と呼ばれる23種類のテストで構成されています。
当サイトでは同ベンチマークを使用した評価に当たって、ストレージの用途を、Windowsや各種アプリケーションをインストールする『システムストレージ』、PCゲームをインストールする『ゲームストレージ』、各種アプリケーションで使用する素材を保存しておく『データストレージ』の3種類に大別し、23種類のうち17種類のテストを下記のように振り分けました。
PCMark10 Storage Benchmark_trace

なおPCMark10 Storage Benchmarkでは一部製品において使用済み容量が大きくなるとフォーマット直後の0%使用時に比べて性能が低下することがあるので、空き容量が半分前後になるようにデータを書き込んだ状態で測定を行っています。


ベンチマーク測定に使用するPCMark10 Storage Benchmarkには上の概要で紹介したように23種類のテストがあるので、その中からシステム/ゲーム/データの3種類に大別された17種類のテストの結果を抜粋し、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」など各種SSDに関して総合的なSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Seagate FireCuda 530 1TB_PCM10_1_Summary
「Seagate FireCuda 530 1TB」をPCIE4.0対応SSDの競合製品Samsung SSD 980 PROと、PCMark10 Storage Benchmarkの個別Traceについて比較(対象を100%として性能差をパーセント表示)すると下のグラフのようになっています。
一部のテストで大きく勝ち越しているので、上のグラフのように平均の差が20%程度となっていますが、システムやゲームではそれほど差はない印象です。ただクリエイティブアプリのデータ用としてはかなり強い性能を発揮しています。
Seagate FireCuda 530 1TB_PCM10_vs-S980PRO


システムストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」など各種SSDに関してシステムストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Seagate FireCuda 530 1TB_PCM10_2_Summary_System

ゲームストレージとしての性能に大別された3種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」など各種SSDに関してゲームストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Seagate FireCuda 530 1TB_PCM10_3_Summary_Game

データストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」など各種SSDに関してデータストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Seagate FireCuda 530 1TB_PCM10_4_Summary_Data



Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBのデータコピー・ゲームロード性能比較

続いて「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」で大容量・多数データのコピーやPCゲームのロード時間など実際の使用について性能比較をしてみました。

まずはデータコピーに関する実性能比較となります。検証には、総容量が約50GBの動画フォルダ(10GBの動画ファイルが5つ)、総容量が約80GBで多数のファイルが入ったPCゲームフォルダの2種類を使用しています。
Copy-Data
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。
書き込み先/読み出し元の相手になるストレージが必要なので、コピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタAquacomputer kryoM.2に設置したSamsung SSD 980 PRO 1TBを使用しています。マザーボード上の設置位置としてはIntel Z690チップセット経由のPCIE4.0x4レーンです。
SSD Copy Test


「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」など各種検証ストレージとSamsung SSD 970 PRO 1TBとの間で50GBの動画フォルダおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次の通りです。

まずは50GBの動画フォルダのコピーについてですが、動画フォルダの中身は10GBの大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークの連続読み出し・書き込み性能が重要になります。
Windows11エクスプローラーのファイルシステム的にコピー速度は3GB/sで頭打ちになるので(複数に分けて並列実行するとスケーリングしますが)、PCIE3.0/4.0対応NVMe SSD間では大きな差は付きにくいのですが、それでも「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」はトップクラスの性能を発揮しています。
Seagate FireCuda 530 1TB_copy_1_movie_read
Seagate FireCuda 530 1TB_copy_2_movie_write

続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
Seagate FireCuda 530 1TB_copy_3_game_read
Seagate FireCuda 530 1TB_copy_4_game_write


続いて3DMark Storage Benchmarkを使用して、PCゲームのロード時間やプレイ動画の保存といったゲーミングシーンでの「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」のストレージ性能を比較します。
3DMark Storage Benchmarkは各検証ストレージについて3回ずつ実行しており、総合スコア、ゲームロード速度(Battlefield V、Call of Duty Black Ops 4、Overwatch)、プレイ動画の録画(Overwatchのゲームプレイ中のデータアクセスとOSBによるフルHD/60FPSの録画)について平均値を比較しています。
またPCMark10 Storage Benchmarkと同様に、各ストレージは空き容量が半分前後になるようにデータを書き込んだ状態で測定を行っています。
3DMark -Storage-Benchmarks

3DMark Storage Benchmarkのトータルスコアについて、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Seagate FireCuda 530 1TB_3DM-SB_1

3DMark Storage Benchmarkの総合スコアには、プレイデータのセーブ、PCゲームのインストール/移動は実用面で優先度が低いテストの結果も含まれるので、ここからはPCゲーム用ストレージとして優先度の高い個別テストを抜粋して見ていきます。

3DMark Storage BenchmarkのBattlefield V ゲームロード速度について、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Seagate FireCuda 530 1TB_3DM-SB_2

3DMark Storage BenchmarkのCall of Duty Black Ops 4 ゲームロード速度について、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Seagate FireCuda 530 1TB_3DM-SB_3

3DMark Storage BenchmarkのOverwatch ゲームロード速度
について、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Seagate FireCuda 530 1TB_3DM-SB_4

3DMark Storage Benchmarkのプレイ動画録画性能について、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Seagate FireCuda 530 1TB_3DM-SB_5


下記クリック展開で、2020年から2021年頃の検証結果ですが、現在でも概ね当てはまると思うのでSSD/HDDのゲーム性能の違いを参考までに。
FORSPOKENのテクノロジーデモでアピールされていますが、DirectXの新API「DirectStorage」が採用されれば、高速NVMe M.2 SSDのメリットも高まると思うのですが。





「WD_BLACK SN770 NVMe SSD 1TB」はPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDなので、PlayStation 5の拡張スロットによってストレージ増設にも使用できます。詳しくはこちらの記事で。








Seagate FireCuda 530 1TB / 2TBのレビューまとめ

最後にPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDの「Seagate FireCuda 530 1TB(型番:ZP1000GM30023)」、「Seagate FireCuda 530 2TB(型番:ZP2000GM30013)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 最大性能で連続読み出し7.3GB/s、連続書き込み6.0GB/s (1TBモデル)
  • 2TB/4TBの大容量モデルでは連続書き込みも7.0GB/s
  • PCMark10や3DMarkの実用性能ベンチで最速クラスの性能
  • PlayStation5の拡張スロットに使用可能なPCIE4.0対応NVMe M.2 SSD
  • PlayStation5の拡張スロット互換なヒートシンク付きモデルもラインナップ
  • 空き容量の1/3をSLCキャッシュとして使用可能
  • 最大容量4TBモデルがラインナップ
  • 1TBあたりの書き込み耐性が1275TBWと高耐久(保証)
  • メーカー正規保証期間が5年間
悪いところor注意点
  • PCIE4.0対応SSDの中でも消費電力は高め、特に4Kランダムアクセスで
  • TLC型なのでSLCキャッシュ超過後に速度低下が発生する
    キャッシュ容量は空き容量依存(詳細)で、超過後の書き込み速度は1000MB/s程度

「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」を検証してみたところ、CrystalDiskMarkなど基礎的な各種ベンチマークでは仕様値通り、連続読み出しが最大7GB/s前後というハイエンドPCIE4.0対応NVMe SSD的な性能です。
PCMark10や3DMark、ファイルコピーといった実用性能テストでも、Samsung SSD 980 PROやWD_BLACK SN850など現状で最速クラスの製品と遜色なく、特にクリエイティブアプリのデータ用ストレージとして高い性能を発揮しています。
Seagate FireCuda 530には近年の自作PC用ストレージとして一般的な1TBや大容量2TBに加えて、超大容量な4TBモデルがラインナップされているところも魅力です。

「Seagate FireCuda 530」にはTLCタイプ3D NANDメモリが採用されているので、多くのTLC型SSDと同様の特徴が大容量書き込み時にでており、容量可変のSLCキャッシュを超過すると、書き込み速度は1000MB/s程度まで低下します。
SLCキャッシュ超過時の速度低下は大きめですが、空き容量の1/3弱をSLCキャッシュとして使用できるので、実用的にSLCキャッシュを超過して不便を感じることはないはずです。

Seagate FireCuda 530にはM.2 SSDヒートシンク標準搭載モデルもラインナップされています。PlayStation 5の拡張スロットと互換サイズなのでPS5増設ストレージとしても最適です。



以上、「Seagate FireCuda 530 1TB / 2TB」のレビューでした。
Seagate FireCuda 530 2TB


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PS5拡張スロットに互換サイズなヒートシンク搭載版も発売中です。



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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