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自社製のSK Hynix AriesコントローラーとTLC型176層3D NANDを採用し、PCIE4.0x4接続で連続読み出し7000MB/sに達するハイエンドPCIE4.0対応NVMe M.2 SSD「SK Hynix Platinum P41 1TB(型番:SHPP41-1000GM-2)」をレビューします。
プレスリリース:https://news.skhynix.com/sk-hynix-launches-pcie-4-0-platinum-p41-ssd/
製品公式ページ:https://ssd.skhynix.com/jp/platinum_p41/
SK Hynix Platinum P41 1TB レビュー目次
1.SK Hynix Platinum P41について
2.SK Hynix Platinum P41 1TBの外観
3.SK Hynix Platinum P41 1TBの検証機材と基本仕様
4.SK Hynix Platinum P41 1TB のベンチマーク比較
5.SK Hynix Platinum P41 1TBの連続書き込みについて
6.SK Hynix Platinum P41 1TBの消費電力と温度
7.SK Hynix Platinum P41 1TBの実用性能比較
8.SK Hynix Platinum P41 1TBのデータコピー・ゲーム性能比較
9.SK Hynix Platinum P41 1TBのレビューまとめ
SK Hynix Platinum P41について
「SK Hynix Platinum P41」は、メモリコントローラーに自社製のSK Hynix Aries (ACNS075)、メモリチップにも同じくSK Hynix製TLC型176層3D NAND(H25T3TCG8C)が採用された、NVMe(PCIE4.0)接続でM.2 2280フォームファクタのM.2 SSDです。「SK Hynix Platinum P41」にはSSD容量として500GB(型番:SHPP41-500GM-2)、1TB(型番:SHPP41-1000GM-2)、2TB(型番:SHPP41-2000GM-2)の3モデルがラインナップされています。いずれも片面実装です。
「SK Hynix Platinum P41」のアクセススピードは容量によって若干異なりますが、最大でシーケンシャル読出7000MB/s、シーケンシャル書込6500MB/s、4KBランダム読出1,400,000 IOPS、4KBランダム書込1,300,000 IOPSの高速アクセスを実現しています。
「SK Hynix Platinum P41」シリーズのMTBF(平均故障時間)は150万時間、書込耐性は500GBが500TBW、1TBが750TBW、2TBが1200TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。
SK Hynix Platinum P41 スペック一覧 |
|||
容量 | 500GB SHPP41-500GM-2 |
1TB SHPP41-1000GM-2 |
2TB SHPP41-2000GM-2 |
インターフェース | M.2, NVMe (PCIE4.0x4) | ||
コントローラー |
SK Hynix Aries (ACNS075) | ||
メモリ | SK Hynix製TLC型176層3D NAND(H25T3TCG8C) | ||
DRAMキャッシュ | SK Hynix製 LP DDR4 DRAM | ||
連続読み出し | 7000MB/s | ||
連続書き込み | 4700MB/s | 6500MB/s | |
ランダム読み出し | 960,000 IOPS | 1,400,000 IOPS | |
ランダム書き込み | 1,000,000 IOPS | 1,300,000 IOPS | |
動作温度範囲 | 0°C~70°C | ||
MTBF | 150万時間 | ||
耐久性評価 | 500TBW | 750TBW | 1200TBW |
保証期間 | メーカー5年 |
SK Hynix Platinum P41 1TBの外観
まず最初にSK Hynix Platinum P41 1TBの外観や付属品について簡単にチェックしておきます。「SK Hynix Platinum P41」は紙製パッケージに梱包されており、パッケージを開くとクイックマニュアルと紙製スペーサーが現れます。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」の紙製スペーサーは2層構造になっており、M.2 SSD本体が間に挟まっています。初見だとSSD本体の封入漏れに見えるのでご注意を。
「SK Hynix Platinum P41」のSSD本体デザインについては普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色になっています。
「SK Hynix Platinum P41」の表面にはM.2端子の側から順にメモリコントローラー、その隣のほぼ中央にDRAMキャッシュ、残り半分のスペースには2枚のメモリチップが実装されています。
「SK Hynix Platinum P41」のメモリコントローラーにはPCIE4.0対応SSDで採用の多いPHISON製ではなく、SamsungやWDのように自社製の独自コントローラー、SK Hynix Aries (ACNS075)が採用されています。
データ保存領域となるNANDメモリについてはSK Hynix最新の176層TLC型3D NAND (H25T2TC88C)が採用されています。DRAMキャッシュもやはりSK Hynix製LPDDR4で、オールSK Hynixな仕様です。
「SK Hynix Platinum P41」は、今回レビューする1TBモデルだけでなく、500GBから2TBまで全容量を通して、メモリコントローラーやメモリチップが表面のみに実装される片面実装です。
SK Hynix Platinum P41 1TBの検証機材と基本仕様
「SK Hynix Platinum P41 1TB」の各種検証を行う環境としては、PCIE4.0/5.0に対応するIntel Core i9 12900K&ASUS ROG MAXIMUS Z690 HEROなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。テストベンチ機の構成 | |
CPU | Intel Core i9 12900K (レビュー) |
CPUクーラー | Fractal Design Celsius S36 (レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z5 RGB F5-6000U3636E16GX2-TZ5RS DDR5 16GB*2=32GB (レビュー) 6000MHz, 36-36-36-76 |
マザーボード |
ASUS ROG MAXIMUS Z690 HERO (レビュー) |
ビデオカード | MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC ファンレス (レビュー) |
システムストレージ |
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー) |
OS | Windows11 Pro 64bit |
電源ユニット | Corsair HX1200i (レビュー) |
ベンチ板 | STREACOM BC1 (レビュー) |
システムメモリの検証機材には、高級感のあるヒートシンクや8分割ARGB LEDを搭載してデザイン面でも優れ、16GB×2枚組み32GBの大容量で6000MHz/CL36のメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 RGB F5-6000U3636E16GX2-TZ5RS」を使用しています。
・「G.Skill Trident Z5 RGB」をレビュー。XMPで6000MHz OCに対応!
検証環境については上述の通り、Intel Core i9 12900KやASUS ROG MAXIMUS Z690 HEROで構成されるテストベンチ機を使用していますが、検証するNVMe M.2 SSDはM.2-PCIE変換拡張ボード「Aquacomputer kryoM.2」を介して、CPU直結PCIE5.0レーンに接続された5段目のPCIEスロットに設置しています。
「Aquacomputer kryoM.2」はPCIE3.0x4対応製品として2016年に発売されたヒートシンク付き変換ボードですが、品質が高く、PCIE4.0x4で安定動作することを確認しています。
なおPCIE AIC型のNVMe SSDも同じPCIEスロットに設置し、SATA接続ストレージは普通にマザーボードのSATA端子に接続しています。
ASUS ROG MAXIMUS Z690 HEROにM.2 SSDを設置する場合、M.2-PCIE変換ボードも使用するなら、計5つの候補があり、どこに接続するかでベンチマーク結果が大きく変わります。
Intel第12/11世代CPUのCPU直結PCIEレーンは、主にグラフィックボードで使用するPCIE5.0/4.0x16レーン(x8×2に分割可能)に加えて、CPU内にNVMe M.2 SSD用のPCIE4.0x4レーンがあり、実のところNVMe M.2 SSDを使用するなら、このCPU直結PCIE4.0x4レーンが最速となります。
PCIE4.0やPCIE3.0までのM.2 SSDだけを検証するのであれば、このM.2スロットを使用するのが最適なのですが、PCIE AIC型や2022年中にも登場が噂されているPCIE5.0対応SSDの検証も想定して、CPU直結PCIE5.0x8レーンに接続された5段目のPCIEスロットを使用しています。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」のボリュームをWindows11上で作成したところ、空きスペースは931GBでした。
SK Hynix Platinum P41 1TBのベンチマーク比較
「SK Hynix Platinum P41 1TB」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。まずはCrystalDiskMark8.0.4a (1GiB, +Mix)について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」のベンチマークススコアは連続読み出し7000MB/s、連続書き込み6500MB/sとなりました。4Kランダム読み出しも90MB/s以上と非常に高速です。
以下、各種比較対象SSDのベンチマークスコアになっています。
ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2 (512B-64MB, 1GB, QD1/QD4)について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
ATTO Disk Benchmarkはブロックサイズ別の性能を主にチェックするベンチマークなので4KB~1MBを抜粋してリード/ライト性能をグラフにして比較しました。
AS SSD Benchmark v2.0.6821.41776 (1GB)について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
以下、各種比較対象SSDのベンチマークスコアになっています。
SK Hynix Platinum P41 1TBの連続書き込みについて
「SK Hynix Platinum P41 1TB」に連続書き込みを行った場合の動作についてチェックします。TLC型やQLC型と呼ばれる3bit以上のマルチレベルセルで動作するNANDが採用されているSSDでは、マルチレベルセル化によって遅くなる書き込み速度の底上げのため、NANDメモリの一部を高速キャッシュ領域とする機能が実装されています。
2022年現在、TLCやQLCの記憶領域を動的にSLC化する製品が多いので、この高速キャッシュ領域のことをSLCキャッシュと呼ぶことにします。(可能性としてTLC型SSDやQLC型SSDがMLCで高速キャッシュを構築することもありうる)
このようなSLCキャッシュを有するSSDにおいては、連続した大容量の書き込みによって書き込み総量がSLCキャッシュを超過した場合、書き込み速度がステップ状にガクッと下がります。
例えば600MB/sが理論的な上限速度となるSATA SSDの場合は、動画ファイルなど数十GB以上の単一ファイルの連続書き込みが発生すると、SLCキャッシュ超過後はCrystalDiskMarkなどベンチマークソフトで表示される500MB/s程度の連続書き込み速度を維持できず、100~200MB/sまで書き込み速度が低下する可能性があります。
最新のTLC型NANDをメモリチップに採用する「SK Hynix Platinum P41 1TB」がどのような挙動を見せるのか確認してみたところ、製品仕様でも紹介されているように書き込み開始直後は6000MB/s近い書き込みスピードを発揮しており、使用済み容量が0GBで始まると、その後100GB以上もSLCキャッシュを使用できることが分かります。
使用済み容量が0GBの状態から書き込みを続けていくと(100GBの動画フォルダをSLC1~5の連番フォルダへ順番に別のSSDからコピーすると)、「SK Hynix Platinum P41 1TB」では200GB程度をSLCキャッシュとして使用でき、超過後の書き込み速度は1300~1500MB/s程度に下がりました。
空き容量を減らしながら都度、100GBの書き込みでSLCキャッシュ容量を確認してみたところ、「SK Hynix Platinum P41 1TB」は空き容量が500GB~300GBで60GB程度、空き容量200GBで40GB程度のように、空き容量に応じてステップ状に使用できるSLCキャッシュの容量が変わりました。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」はフォーマット直後であれば200GB程度の高速SLCキャッシュを使用できますが、ユーザーデータが保存されている実用シーンを考えた場合、実際に使用できるSLCキャッシュ容量は40~60GBです。
実用的には40~60GBもあれば不足することは少ないと思いますし、使用後のSLCキャッシュの開放は高速でした。「SK Hynix Platinum P41 1TB」は、SLCキャッシュ超過後でも書き込み速度が1400~1500MB/s程度と高速なので、SLCキャッシュ超過による性能低下で不便を感じることもないと思います。
ただ、最新のPCIE4.0対応SSDでは空き容量ほぼ全てをSLCキャッシュとして使用できる形の可変容量タイプの製品もあるので、それと比べると若干見劣りしますが。
SK Hynix Platinum P41 1TBの消費電力と温度
「SK Hynix Platinum P41 1TB」の消費電力についてチェックしていきます。NVMe M.2 SSDの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。
「GPU Power Tester」はその名の通り、PCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しグラフィックボードの消費電力を検証する機器ですが、M.2-PCIE変換ボードを改造した増設ユニットを使用することでNVMe M.2 SSDの消費電力を測定できます。
グラフィックボードの消費電力測定に使用するライザーケーブルからさらにM.2-PCIE変換ボードを中継すると、CPU/MB/SSDなど使用する機材によってはSSDの動作が不安定になることがあるのですが、この方法なら改造前のM.2-PCIE変換ボードと同等の性能で安定して消費電力を測定できます。
消費電力の測定負荷についてはCrystalDiskMark8.0.4a (1GiB, +Mix)を使用していますが、各アクセスタイプで測定時間20秒/測定回数1回、測定インターバル10秒に変更しています。12種類のアクセスタイプの負荷に加えて、テスト終了後のアイドル状態の消費電力も測定しています。
なおCrystalDiskMark、特に連続読み出し/連続書き込みのアクセスタイプはワーストケースに近いSSD負荷です。実用シーンの一例として3DMark Storage Benchmark中の負荷はそれよりも大幅に低い消費電力を示します。
CrystalDiskMarkで負荷をかけた時の「SK Hynix Platinum P41 1TB」の消費電力の推移は次のようになっています。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」の消費電力は、連続書き込みアクセスの時に最も大きくなり、平均5.5W程度です。DRAMキャッシュも搭載するハイエンドPCIE4.0対応SSDとしては低めの消費電力です。
消費電力が特に大きくなりやすい連続読み出し/連続書き込み(SEQ 1M Q8T1)について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
実用性能に影響の大きいランダム読み出し/ランダム書き込み(RND 4K Q1T1)について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
PC電源ONでSSDに対して読み書きアクセスがないアイドル状態の消費電力について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」の温度についての検証は省略します。
近年ではマザーボードM.2スロットに十分な性能のM.2 SSDヒートシンク搭載が標準化しており、市販M.2 SSDヒートシンクも安価で高性能なものが簡単に見つかるようになっています。
PCIE4.0対応でドンドン高速化していく中、NVMe M.2 SSDをヒートシンクなしで温度測定や耐久テストを行うのは時勢に合わない、上記の通りヒートシンクも多様化しているので一例を示してもあまり参考にならない、と思ったという理由です。
どうしてもヒートシンクなし、もしくは冷却が限定される環境での運用を検討する必要があるのであれば、上記の消費電力測定で消費電力が小さいSSDを選ぶ、というのが正解ですし。
なおヒートシンク標準搭載のM.2 SSDについてはこれまで通り、CrystalDiskMark等を負荷にして温度検証も行います。
マザーボード備え付けのM.2 SSDヒートシンクの冷却性能が不十分で市販製品を探しているということであれば、PlayStation5の増設スロットにも互換なコンパクトサイズながら高い冷却性能を発揮する「CFD HSN-TITAN」、シリコンバンド固定で着脱が簡単な「SilverStone TP02」などがオススメです。
SK Hynix Platinum P41 1TBの実用性能比較
「SK Hynix Platinum P41 1TB」の実用性能をPCMark10 Storage Benchmarkを使用してチェックしていきます。PCMark10 Storage BenchmarkはWindows10 OSの起動速度、PhotoshopやPremiere ProといったAdobeアプリの起動速度、PCゲームの起動速度、AdobeアプリやMicrosoft Officeの素材領域としての読み出し・書き込み速度など、SSDの実用性能について測定できるベンチマークソフトです。
PCMark10 Storage Benchmarkは、NVMe SSDなど最新の高速ストレージについて、Windows OSの起動、OfficeやAdobe系ソフトなどアプリケーションの起動、PCゲームの起動、OfficeやAdobe系ソフトで使用する素材データ領域としての読み出し・書き込み性能といった、実用的なストレージ性能を測定するベンチマークソフトとなっており、”Trace”と呼ばれる23種類のテストで構成されています。
当サイトでは同ベンチマークを使用した評価に当たって、ストレージの用途を、Windowsや各種アプリケーションをインストールする『システムストレージ』、PCゲームをインストールする『ゲームストレージ』、各種アプリケーションで使用する素材を保存しておく『データストレージ』の3種類に大別し、23種類のうち17種類のテストを下記のように振り分けました。
なおPCMark10 Storage Benchmarkでは一部製品において使用済み容量が大きくなるとフォーマット直後の0%使用時に比べて性能が低下することがあるので、空き容量が半分前後になるようにデータを書き込んだ状態で測定を行っています。
ベンチマーク測定に使用するPCMark10 Storage Benchmarkには上の概要で紹介したように23種類のテストがあるので、その中からシステム/ゲーム/データの3種類に大別された17種類のテストの結果を抜粋し、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「SK Hynix Platinum P41 1TB」など各種SSDに関して総合的なSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」をPCIE4.0対応SSDの競合製品Samsung SSD 980 PROと、PCMark10 Storage Benchmarkの個別Traceについて比較(対象を100%として性能差をパーセント表示)すると下のグラフのようになっています。
ほぼ全てで勝ち越しており、特にゲームやクリエイティブアプリのデータ用としてはかなり強い性能を発揮しています。
システムストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「SK Hynix Platinum P41 1TB」など各種SSDに関してシステムストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
ゲームストレージとしての性能に大別された3種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「SK Hynix Platinum P41 1TB」など各種SSDに関してゲームストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
データストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「SK Hynix Platinum P41 1TB」など各種SSDに関してデータストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
SK Hynix Platinum P41 1TBのデータコピー・ゲームロード性能比較
続いて「SK Hynix Platinum P41 1TB」で大容量・多数データのコピーやPCゲームのロード時間など実際の使用について性能比較をしてみました。まずはデータコピーに関する実性能比較となります。検証には、総容量が約50GBの動画フォルダ(10GBの動画ファイルが5つ)、総容量が約80GBで多数のファイルが入ったPCゲームフォルダの2種類を使用しています。
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。
書き込み先/読み出し元の相手になるストレージが必要なので、コピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタAquacomputer kryoM.2に設置したSamsung SSD 980 PRO 1TBを使用しています。マザーボード上の設置位置としてはIntel Z690チップセット経由のPCIE4.0x4レーンです。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」など各種検証ストレージとSamsung SSD 980 PRO 1TBとの間で50GBの動画フォルダおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次の通りです。
まずは50GBの動画フォルダのコピーについてですが、動画フォルダの中身は10GBの大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークの連続読み出し・書き込み性能が重要になります。
Windows11エクスプローラーのファイルシステム的にコピー速度は3GB/sで頭打ちになるので(複数に分けて並列実行するとスケーリングしますが)、PCIE3.0/4.0対応NVMe SSD間では大きな差は付きにくいのですが、それでも「SK Hynix Platinum P41 1TB」はトップクラスの性能を発揮しています。
続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
続いて3DMark Storage Benchmarkを使用して、PCゲームのロード時間やプレイ動画の保存といったゲーミングシーンでの「SK Hynix Platinum P41 1TB」のストレージ性能を比較します。
3DMark Storage Benchmarkは各検証ストレージについて3回ずつ実行しており、総合スコア、ゲームロード速度(Battlefield V、Call of Duty Black Ops 4、Overwatch)、プレイ動画の録画(Overwatchのゲームプレイ中のデータアクセスとOSBによるフルHD/60FPSの録画)について平均値を比較しています。
またPCMark10 Storage Benchmarkと同様に、各ストレージは空き容量が半分前後になるようにデータを書き込んだ状態で測定を行っています。
3DMark Storage Benchmarkのトータルスコアについて、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
3DMark Storage Benchmarkの総合スコアには、プレイデータのセーブ、PCゲームのインストール/移動は実用面で優先度が低いテストの結果も含まれるので、ここからはPCゲーム用ストレージとして優先度の高い個別テストを抜粋して見ていきます。
3DMark Storage BenchmarkのBattlefield V ゲームロード速度について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
3DMark Storage BenchmarkのCall of Duty Black Ops 4 ゲームロード速度について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
3DMark Storage BenchmarkのOverwatch ゲームロード速度について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
3DMark Storage Benchmarkのプレイ動画録画性能について、「SK Hynix Platinum P41 1TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
下記クリック展開で、2020年から2021年頃の検証結果ですが、現在でも概ね当てはまると思うのでSSD/HDDのゲーム性能の違いを参考までに。
FORSPOKENのテクノロジーデモでアピールされていますが、DirectXの新API「DirectStorage」が採用されれば、高速NVMe M.2 SSDのメリットも高まると思うのですが。
「SK Hynix Platinum P41 1TB」はPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDなので、PlayStation 5の拡張スロットによってストレージ増設にも使用できます。詳しくはこちらの記事で。
SK Hynix Platinum P41 1TBのレビューまとめ
最後にPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDの「SK Hynix Platinum P41 1TB(型番:SHPP41-1000GM-2)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最大性能で連続読み出し7.0GB/s、連続書き込み6.5GB/s (1TB/2TBモデル)
- PCMark10や3DMarkの実用性能ベンチで最速クラスの性能
- PlayStation5の拡張スロットに使用可能なPCIE4.0対応NVMe M.2 SSD
- ハイエンドなPCIE4.0対応SSDとしては低消費電力
- メーカー正規保証期間が5年間
- TLC型なのでSLCキャッシュ超過後に速度低下が発生する
キャッシュ容量は空き容量依存(詳細)で、超過後の書き込み速度は1500MB/s程度 - 実用的に使用できるSLCキャッシュは40~60GB
「SK Hynix Platinum P41 1TB」を検証してみたところ、CrystalDiskMarkなど基礎的な各種ベンチマークでは仕様値通り、連続読み出しと連続書き込みが最大7GB/s前後というハイエンドPCIE4.0対応NVMe SSD的な性能です。
PCMark10や3DMark、ファイルコピーといった実用性能テストでも、Samsung SSD 980 PROやWD_BLACK SN850など現状で最速クラスの製品と遜色なく、クリエイティブアプリのデータ用ストレージとしても強いですが、特にゲーム用ストレージとして高い性能を発揮しています。
また「SK Hynix Platinum P41 1TB」は、連続性能7GB/sなハイエンドPCIE4.0対応SSDとしては読み出しと書き込みともに低消費電力なところも魅力です。
SK Hynix Platinum P41シリーズにはTLCタイプ3D NANDメモリが採用されているので、多くのTLC型SSDと同様の特徴が大容量書き込み時にでており、容量可変のSLCキャッシュを超過すると、書き込み速度は1500MB/s程度まで低下します。ユーザーデータが保存してある実用シーンで使用できるSLCキャッシュの容量は40~60GB程度です。
実用的には十分な容量であり、使用済みSLCキャッシュの開放は速く、またSLCキャッシュを超過しても書き込み速度は高速なので、実用的にSLCキャッシュを超過して不便を感じることはないはずですが、空き容量のほぼ全て(1/3程度の容量)をSLCキャッシュとして使用できる製品と比べると若干見劣りします。唯一、相対的に見て弱点と言える部分かも。
以上、「SK Hynix Platinum P41 1TB」のレビューでした。
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SK Hynix AriesとTLC型176層3D NANDを採用し、連続読み出し7000MB/sに達するPCIE4.0対応NVMe M.2 SSD「SK Hynix Platinum P41 1TB」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) June 15, 2022
PCIE4.0対応最新SSDと性能を徹底比較。https://t.co/NnK2SVZtqJ pic.twitter.com/9NvGHkQPEa
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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SSDに関しては詳細な消費電力の違いより温度変化の方が気になります。
正直SSDの消費電力の差なんて他のパーツに比べると誤差みたいなものですし。