Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD


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15W/mKという高性能熱伝導シリコングリス並みの熱伝導効率が公称スペックになっている最高級サーマルパッド「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」の冷却性能を各社サーマルパッドと比較してみました。
「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」を使用することで、RTX 3080 TiやRTX 3090などNVIDIA GeForce RTX 30シリーズ上位モデルで発熱の大きさ、温度の高さが指摘されるGDDR6Xメモリをどれくらい効率良く冷やすことができるのかチェックしていきます。



代理店公式ページ:https://www.dirac.co.jp/valor_odin_thermal_pad/
製品公式ページ:http://www.thermalright.com/product/valor-odin-thermal-pad-95x50x1-0mm/

Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD_top





Thermalright VALOR ODIN THERMAL PADについて

まずは今回メインで検証するサーマルパッド「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」について簡単に紹介します。
DSC02127_DxO
Thermalright製サーマルパッドについては、先行して発売された熱伝導効率で12.8W/mKのODYSSEY THERMAL PADが性能とコスパの高さで有名ですが、今回レビューする「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」はその上位モデルで、15W/mKというOCer向けを標榜する熱伝導シリコングリス並みの熱伝導効率がスペック値として挙げられています。
DSC02129_DxO
「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」のサイズについては95mm×50mmの短冊と120mm×120mmの正方形、厚みは1.0mmと1.5mmと2.0mmの3種類です。互換性を考えると0.5mm厚、欲を言えば3.0mm厚もラインナップして欲しかったところ。
Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD_spec
「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」では真贋認証のシール Authentic Tagがパッケージに貼られていて、コインやツメで削ると16桁のシリアルナンバーが現れます。
今回管理人は、国内正規代理店ディラックの取り扱い品ではなく、AmazonマーケットプレイスのTenCloud Directという業者(ODYSSEY THERMAL PADも取り扱っている)が販売しているものを購入しましたが、Thermalrightの認証ページで正規品と確認できました。
Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD_Authentic Tag

ODYSSEY THERMAL PADはグレー色のサーマルパッドでしたが、「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」はThermal Grizzly Minus Pad 8のような褐色っぽい色味です。サーマルパッドの柔らかさも硬すぎたりせず、素子の凹凸に合わせて変形するだけの柔軟性があります。
DSC02130_DxO

「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」は青色の保護フィルムに凹凸があるため、サーマルパッドの表面にも同じ凹凸ができてしまっています。
DSC02139_DxO-horz
「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」をグラフィックボードのVRAMに貼る時の注意点として、透明フィルムが貼られている滑らかな面をVRAMに貼り付けてください。
DSC02138_DxO
加えて、『VRAMの方にサーマルパッドを貼り付けてからGPUクーラーヒートシンクや水冷ブロックを乗せる』、という組み立て手順が推奨です。
結局挟むので冷え具合は一緒かと思ったのですが、「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」は仕様よりも僅かに薄いのか、後述の検証で水冷ブロックに貼り付けてから組み立てると、一部のVRAMと接触が甘くなり、メモリジャンクション温度が8度程度上昇してしまいました。
場合によっては+0.5mm厚みが大きいものを使用した方が良いかもしれません。
DSC07861_DxO



Thermalright VALOR ODIN THERMAL PADの冷え具合を比較

さて本題となる、「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」を始めとした各種サーマルパッドの冷え具合の比較結果をチェックしていきます。
サーマルパッドの冷却性能比較に当たって、グラフィックボードはGeForce RTX 3080を使用しているのですが、クーラーは空冷GPUクーラーから、AIO水冷キット「Alphacool Eiswolf 2 AIO - 360mm RTX 3090/3080 with Backplate (Reference)」に換装しています。


今回はテストシステムのPCケースに、180mmサイズケースファンに対応する高エアフローと魅せるデザインを追求した新型ミドルタワーPCケース 「Fractal Design Torrent Black RGB TG Light Tint」を使用しています。


「Fractal Design Torrent」は標準でフロントに2基の180mm角ケースファンを搭載していますが、今回の検証ではこのフロントスペースにAlphacool Eiswolf 2 AIOの360mmサイズラジエーターを設置するので、フロントファンは3基の120mm角ケースファン「Thermaltake TOUGHFAN 12」に置き換えました。
なお比較対象として掲載している空冷グラフィックボードの場合は、ラジエーターを取り外してそのままフロントに3基の120mm角ケースファン「Thermaltake TOUGHFAN 12」を装着しています。
DSC07971_DxO
以降の検証に当たって、CPUクーラー冷却ファンは800RPM、PCケースボトムの140mmファン×3は800RPM、空冷グラフィックボード検証時にPCケースフロントのThermaltake TOUGHFAN 12は1200RPMでファン速度を固定しています。
test-system-fan-speed
の検証負荷としてはGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Extreme Stress Test、もしくはTimeSpy Extreme グラフィックテスト1のループ再生を使用しています。
TimeSpy StressTest (1)
TimeSpy StressTest (2)

サーマルパッドの冷却性能比較に当たって、グラフィックボードはGeForce RTX 3080を使用しているのですが、クーラーは空冷GPUクーラーから、AIO水冷キット「Alphacool Eiswolf 2 AIO - 360mm RTX 3090/3080 with Backplate (Reference)」に換装しています。
Alphacool Eiswolf 2 AIO RTX 3080 review_07870_DxO
サーマルパッドについてはVRAMチップと水冷ブロックが直接に接する、VRAMチップ直上のものだけを各種製品に入れ替える形で比較しました。その他のサーマルパッドはThermal Grizzly Minus Pad 8で統一しています。
DSC07861_DxO

「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」など各種サーマルパッドによるGDDR6メモリの冷え具合の比較結果は次のようになっています。
Alphacool Eiswolf 2 AIOの付属サーマルパッドと比較して、当サイトでも水冷化レビューではよく使用している「Thermal Grizzly Minus Pad 8」は2~3度程度の温度低下となり、スペック上の熱伝導効率12.8W/mKと高い「Thermalright ODYSSEY THERMAL PAD」は4~6度もさらに冷えました。
これだけでもスペック上の熱伝導効率はグリスの経験上、話半分で考えていたので結構以外な結果でしたが、熱伝導効率15W/mKを誇る「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」はThermalright ODYSSEYよりもさらに2~3度も冷えるという驚きの冷却性能を発揮しました。
Thermal Grizzly Minus Pad 8との比較なら6度も冷え、安価で低性能なTAIHEIYO製と比較すると20度近い差があります。
Thermalpad Comparison_RTX 3080 AIO Water_temp_1_VRAM
ちなみにサーマルパッド別でVRAM温度の差があるというのは上の通りですが、それに比例してGPU温度にも差が出るのかというと、こちらは誤差の範囲でほぼ同等という結果でした。
VRAMが冷えるとGPUの冷却性能が目に見えて下がる、ということはないので、シンプルに高性能なサーマルパッドを使用するのがオススメです。
Thermalpad Comparison_RTX 3080 AIO Water_temp_2_GPU

「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」は、熱伝導効率17W/mKの「Alphacool Eisschicht 17W/mK」にこそ一歩及びませんが、「Alphacool Eisschicht 17W/mK」は120mm×120mm×1.0mmサイズで1.2万円と非常に高価で、手を出すには勇気がいります。

対して「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」は120mm×120mm×1.0mmサイズで4000円ほどと現実的に許容できるコスト感です。
同一サイズで半額くらいになるので冷却性能の差からコストパフォーマンスでは下位モデルのODYSSEY THERMAL PADがベストですが、冷却性能とコストを7:3~8:2くらいで冷却性能に比重を重くするなら「Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD」は検討する価値は十分にあると思います。


以上、『「Thermalright VALOR ODIN」でグラボVRAM温度を比較検証』でした。
Thermalright VALOR ODIN THERMAL PAD



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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