ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge


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GeForce RTX 4060 TiグラフィックボードとしてZOTACからリリースされた、全長225mmのショートモデル「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge(型番:ZT-D40610E-10M)」をレビューしていきます。
RTX40シリーズのミドルクラス上位モデルRTX 4060 Tiが、前世代同クラスRTX 3060 Tiをどの程度上回り、前世代アッパーミドルのRTX 3070にどれくらい迫るのか、実ゲームのベンチマークでグラフィック性能を徹底比較します。

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製品公式ページ:https://www.zotac.com/jp/product/graphics_card/zotac-gaming-geforce-rtx-4060-ti-8gb-twin-edge





ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge レビュー目次


1.ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの外観
2.ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの分解


3.ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの検証機材・GPU概要

4.ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeのゲーム性能

5.ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの温度・消費電力・ファンノイズ

6.ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeのレビューまとめ



ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの外観

早速、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」を開封していきます。
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パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止エアパッキン袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のグラフィックボード本体を見ていきます。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」の外装の大部分はプラスチック製ですが、鉱石のような表面塗装が施されているので安っぽさは感じません。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」は丸みを帯びた形状が非常にユニークです。好みは分かれそうですが、近未来的デザインでハマる人にはハマる外見です。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のGPUクーラー側面、ZOTAC GAMINGロゴにはRGB LEDイルミネーションが内蔵されており、標準では青色に発光します。LEDイルミネーションの発光カラーや発光パターンは専用アプリケーション FireStormから変更できます。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」は全長225mmです。グラフィックボード設置スペースに制限のあるメーカー製PCのアップグレードにも最適なサイズです。
RTX 4060 Tiのオリファンモデルには全長170~180mmのMini-ITX対応モデルもあるのでサイズそのものは最小ではありませんが、2連ファンGPUクーラー搭載モデルとしては最小クラスです。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」はショート基板かつPCIEブラケットと同じ高さなので補助電源含めてPCケースとの干渉の心配はありません。GPUクーラー外装は20mmほどPCIEブラケットからはみ出る背の高いデザインではあるものの、PCIE補助電源のクリアランスで十分にカバーできる程度です。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のGPUクーラーには90mm径の冷却ファンが2基搭載されています。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」は3スロット占有のグラフィックボードです。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」で使用するPCIブラケット数は2スロット分ですが、GPUクーラーはギリギリで3スロット目に侵入してしまいます。設置したPCIEスロットから2つ下にあるPCIEスロットも使用できないので注意してください。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」の補助電源数はRTX 4060 Tiの安価モデルとしては一般的なPCIE 8PIN×1となっています。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のPCIE補助電源は従来規格のPCIE 8PINですが、RTX 4060 Tiオリファンモデルのうち、各社上位ブランド製品は12+4PINでPCIE5.0補助電源と呼ばれることの多い、最新電源コネクタ 12VHPWRを採用しているものもあります。
12VHPWR採用モデルはPCIE 8PIN×2に変換するアダプタが通常は付属するので、PCIE補助電源が用意できず使用できない、ということになることはないと思いますが、一応注意してください。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のPCIE端子と各種ビデオ出力には黒色の保護カバーが装着されています。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のビデオ出力はリファレンス仕様と同じくHDMI2.1×1、DisplayPort1.4×3の4基が実装されています。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」にはオリジナルイラストのプリントされた金属製バックプレートが装着されています。バックプレートは単純なアルミやスチールの金属板ではなく、ダイカスト成型されており、裏面(基板側)には梁があって、より強度に優れています。
基板の反りや破損を防止する保護プレートとしての役割を果たしますが、金属製ではあるものの基板との間にサーマルパッドがないので冷却補助にはなっていません。
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なおグラフィックボードの重量はGAINWARD GeForce RTX 4060 Ti Pegasus 8GBが647g、Palit GeForce RTX 4060 Dual 8GBが465gに対して、ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeは678gでした。
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ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの分解

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」を分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。

なお今回は自己責任で(もしくはレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて)分解を行っています。GPUクーラーの取り外し(分解行為)は、一部を除く多くのメーカーではグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。
今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。


「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所とバックプレート上の4カ所、PCIEブラケット側3カ所の計11個のネジで固定されていました。
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11カ所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。さらにネジを解除していくとPCB基板からバックプレートも取り外しが可能です。
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さらにネジを外していくとバックプレートも取り外せます。
バックプレートは金属製ですが、基板との間にはサーマルパッドはなく放熱板としての役割はありません。単純にGPUクーラーの保持や基板の反り防止の役割です。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」にはZOTAC独自設計のオリジナル基板が採用されています。
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RTX 4060 TiのGPUコアにはAD106-350-A1が使用されていました。
RTX 40シリーズのうちRTX 4070以上の上位モデルには高速なGDDR6Xメモリが採用されていますが、RTX 4060 TiのVRAMチップはGDDR6メモリとなっており、今回入手した「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」には、Samsung製の16GbのGDDR6メモリチップが4枚搭載されていました。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のVRM電源回路はGPUコアの左側に5フェーズが実装されています。この5フェーズは全てGPUコア向けで、VRAM向けのVRM電源は基板右端に1フェーズが実装されています。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは2本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内いっぱいに展開されています。
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GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用され、ニッケルメッキ処理も施されています。完全鏡面というほどではありませんが、近くにあるものなら綺麗に写り込むする程度に平滑化されています。
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GPUコア周辺のVRAMチップとVRM電源回路はヒートシンクにろう付けされた金属製プレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却するという理想的な構造です。
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GPUコアと接するベースプレートからは2本の銅製ヒートパイプが下へ抜ける構造で、U字を描いてGPUクーラーヒートシンクの放熱フィン全体へ効率的に熱を拡散します。
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2本のヒートパイプを介して、2スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミニウム製放熱フィンが収められています。
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ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの検証機材・GPU概要

外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」を検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。
テストベンチ機の構成 (ゲーム性能検証)
OS Windows11 Home 64bit
CPU Intel Core i9 13900K
レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 RGB
F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK
DDR5 16GB*2=32GB (レビュー
7200MHz, 34-45-45-115
マザーボード
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO
レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー
ゲームストレージ
Samsung SSD 870 QVO 8TB (レビュー
電源ユニット Corsair HX1500i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー


ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。 これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!
Samsung SSD 990 PRO 1TB

検証機ではシステムメモリとして、Intel第13世代CPU向けメモリとしては4xメモリスロットのマザーボードでも動作可能な最速クラスの製品、メモリ周波数7200MHz/CL34の高メモリクロックかつ低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK)」を使用しています。
G.Skill Trident Z5シリーズはIntel XMP3.0のOCプロファイルに対応した製品となっており、6000MHzの定番設定なモデルもあり、Intel第13世代CPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。
ARGB LEDイルミネーションを搭載したバリエーションモデル G.Skill Trident Z5 Neo RGBもラインナップされています。
「G.Skill Trident Z5 RGB」をレビュー。XMPで7200MHz OCに対応!
G.Skill Trident Z5 RGB Black


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ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin EdgeのGPU概要

ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeに搭載されているGPU「GeForce RTX 4060 Ti」のスペックについて簡単に確認しておきます。
「GeForce RTX 4060 Ti 8GB / 16GB」はAD106-350/351コアが使用されておりCUDAコア数は4352、GPUコアクロックはベース2310MHz、ブースト2535MHzです。
VRAMには18.0GbpsのGDDR6メモリを使用し、8GB/16GB容量を搭載しています。メモリーバス幅は128bitなのでメモリ帯域は288GB/sですが、従来比で8倍となる32MBの大容量なL2キャッシュを搭載しており、実効帯域は554GB/s相当であるともアピールされています。
典型的なグラフィックボード消費電力を示すTGPは160Wに設定されており、PCIE補助電源は8PIN×1からとなります。各社の上位オリファンモデルは12VHPWRを採用する場合もありますが、その場合は基本的に変換ドングルが付属するので、既存のPCIE補助電源8PIN×2にも対応します。
GeForce RTX 4060 Ti_spec

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」については、ブーストクロックはリファレンス仕様値と同じく2535MHz、パワーリミット(TGP)は定格と同じ160Wですが、手動設定+10%まで電力制限の解除が可能です。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge_GPU-Z


GPUコアの増強、コアクロックの高速化といった3Dグラフィックス関連の強化に加えて、「GeForce RTX 4060 Ti」などGeForce RTX 40シリーズの新たな特長としてハードウェアエンコーダに最新の第8世代NVEncが実装されています。
第8世代NVEncはAV1コーデックのエンコードに対応したところが、RTX 30シリーズの第7世代NVEncとの大きな違いです。(AV1コンテンツのデコード/再生はRTX 30シリーズですでに対応済み)
映像編集ソフトではDavinci Resolve、ビデオキャプチャソフトではOBS Studioなどが最新バージョンにおいてGeForce RTX 40シリーズによるAV1エンコードに対応しています。
AV1は従来のH.264(x264)よりも40%程度も圧縮効率に優れており、OBS Studioの場合、従来のH.264(x264)形式によってフルHD解像度で作成したコンテンツも、同等のビットレート、同等の映像品質で、AV1形式ならWQHD解像度にできます。
NVEnc 8th-Gen_AV1 vs x264



注意点として、RTX 4070 Ti以上の上位モデルが新たに2基のNVEncを搭載しているのと異なり、GeForce RTX 4060 Tiに実装されているハードウェアエンコーダNVEncは”1基”です。
RTX 4060 Ti_NVEnc
RTX 4070 Ti_NVEnc
最新の第8世代なのでAV1に対応しているだけでなく、H.264やHEVC(H.265)のエンコードも高速化していますが、Davinci ResolveなどデュアルNVEncによる書き出しに対応した映像編集ソフトでRTX 30シリーズと比較して2倍以上高速になる機能は使用できません。
GeForce RTX 40_8th Gen NVEnc_AV1_Video-Edit


レイトレーシング&DLSS SR/FGについて

レイトレーシング表現やDLSSについて簡単に紹介しておきます。
レイトレーシング(Raytracing)とは3Dグラフィックスのレンダリング手法の1つであり、現在主流なラスタライズ方式とある種の対になる言葉です。
レイトレーシングだけで3Dグラフィックスを全て描画しきるのはGPU性能的に現実的ではないので、ベースは従来のラスタライズ方式で行い、鏡面反射などエフェクトにレイトレーシング方式を使う、というハイブリッドなレンダリング方式が現在のレイトレーシング対応PCゲームの主流です。

レイトレーシング表現では、照明や光源(エリアライト)や太陽光(グローバルイルミネーション)の影響を厳密に再現し、光の反射や透過も現実に即して忠実に描写されます。

レイトレーシングを採用したわかりやすい例としては鏡に映る反射など、視覚(視点から見た)の外にある物体もリアルに描画することができます。小さい光源や太陽光などが生み出す影、反射によって生まれる光が現実に対して忠実に再現されるので、画面の中に引き込まれるような奥行き、陰影を感じる映像が生まれます。
RayTracing Sample (1)
RayTracing Sample (2)
RayTracing Sample (3)
なお高画質機能 Raytracing(レイトレーシング)はMicrosoftが提供するAPI”DirectX 12”内包されるDirectX Raytracing(DXR)を使用したレンダリング機能となっており、後述のDLSSと違ってNVIDIA独自技術というわけではなく、AMD/Intel製グラフィックボード、PlayStation 5やXbox Series S/Xといったコンソールゲーム機にも互換性のある機能です。
下はPlayStation 5のMarvel's Spider-Man Remasteredでレイトレーシング表現のオン/オフを比較したものですが、オフでは鏡面になっている窓ガラスにスパイダーマンの身体の鏡像がないだけでなく、風景の反射も反対側と比較してデタラメなのが一目瞭然です。
Marvel's Spider-Man Remastered_raytracing

「NVIDIA DLSS」は”Deep Learning Super Sampling”の頭文字を取った略称となっており、その名の通り、近年流行りのディープラーニングによって高画質化(超解像化)する機能で、AIレンダリングの名前でもアピールされています。
DLSSが具体的にどのように動作するか簡単に説明すると、フルHD~WQHDのリアルタイムレンダリングソースから4K映像を生み出すDLSSの原型があります。このDLSSの原型が作り出した4K映像を、16Kなど現実的にはリアルタイムでのレンダリングが難しい超々高解像度のレンダリング結果を比較し、DLSSの原型の改良版1をNVIDIAの専用サーバーが作ります。
DLSSの原型の改良版1で再び4K映像を生み出し、16Kレンダリング結果と比較して、DLSSの原型の改良版2を生み出す……、というプロセスを何万回も繰り返すことで、ユーザーに提供される汎用の、もしくは個別ゲームタイトルに特化した専用のDLSSプロファイルが出来上がります。
NVIDIA DLSS
GeForce RTX 30シリーズの登場と共にアップデートされたDLSS2.0では最終出力解像度に対して3種類のオリジナルレンダー解像度が選択でき、4K解像度の場合は、Quality(2560×1440)、Balanced(2240×1260)、Performance(1920×1080)の3種類から選択できます。
オリジナルのレンダー解像度がフルHD~WQHDなので、DLSSによる超解像(SuperSampling)プロセスを挟むとはいえ、ネイティブに4K解像度をレンダリングするよりもフレームレートは大幅に向上します。
現在のDLSSでは16Kレンダリング結果を目標に学習が繰り返されているので、高画質アンチエイリアス技術として一般的なTAAと比較してフレームレートが大幅に向上するだけでなく、画質も改善するという一挙両得な高画質化機能になっています。
DLSS_Quality

フルHDやWQHDのレンダリングソースを高品質な4K解像度に超解像化することから始まったDLSSですが、この超解像機能(DLSS SR:Super Resolution)に加えて、GeForce RTX 40シリーズが対応する最新バージョンの”DLSS 3”ではAI中間フレーム生成機能 Frame Generationが追加されたのが大きなトピックです。
how-nvidia-dlss-3-works

中間フレーム生成というと、倍速補間などと呼ばれることの多いテレビの高画質化機能が有名ですが、テレビの倍速補間は完成した映像フレームを2つ以上(一部のハイエンドテレビだと7つなど)をソースに中間フレームを作成しています。
ソースとなる映像フレーム数が多いほど生成される中間フレームの映像的な破綻はなくなりますが、遅延が大きくなるのでゲーム用途では到底実用できません。逆にソースとなる映像フレーム数を減らすと遅延は減りますが、単純なスクロールのような画面変化しか綺麗に補間できず、映像的な破綻が増えてしまいます。

一方、DLSS 3のAI中間フレーム生成機能 Frame Generationは、3Dオブジェクトの動きを正しく追跡できるMotion Vector(3Dオブジェクトのピクセル単位での位置や向きの履歴)に、影のような光エフェクトを正しく追跡できるOptical Flowを組み合わせることで中間フレームを生成しています。
中間フレームの生成方法が全く異なるので、DLSS 3は2フレーム(現在と1つ前)による補間と同等かそれ以下という低遅延で倍速補間を実行でき、急にポップするオブジェクトや影などの光エフェクトが破綻しにくい、という特徴があります。
現在のビルドではUIやテキストにノイズが生じやすいといった欠点はあるものの、超解像のDLSS SRも徐々に改良されていったのでDLSS FGも対応ゲームが増えるにしたがって補間品質もアップデートされていくはずです。
nvidia-dlss-3-motion-optical-flow-estimation
あとDLSS FGの副次的な効果として、中間フレームはGPUが単独で生成するので、CPUボトルネックで伸び悩むシーンでもフレームレートが向上するという効果もアピールされています。有名どころではMicrosoft Flight Simulatorが該当します。
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DLSS Frame GenerationはOptical Flow Acceleratorという専用ハードウェアを使用しているので、現在、この機能を使用できるのはGeForce RTX 40シリーズに限定されています。(Optical Flow Accelerator自体は全く同じものかは不明ですがRTX 30シリーズにも存在するので、今後、対応GPUに加わる可能性があるかも)
また上記の通り、DLSS 3による倍速補間はそれそのものが遅延を生じにくい設計ですが、”DLSS 3対応”ならNVIDIA製GPU環境の低遅延技術 Reflexも含むことになっており、よりゲーム操作にラグを感じない低遅延な表示が可能です。
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ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeのゲーム性能

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」の性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 3070」、「GeForce RTX 3060 Ti」、「Radeon RX 6600 XT」、「GeForce RTX 3060 12GB」を使用しています。
(特定のモデルや型番を指名していない場合、各GPUメーカーのリファレンスモデルもしくはリファレンス仕様のオリファンモデルです)

GPUが同じならオリファンモデル(ファクトリーOCやGPUクーラー冷却性能)による性能差は数%あるかどうかなので、今回は検証を割愛します。
RTX 4060 Tiの個別ゲームタイトルに関する性能については、すでに公開中のRTX 4060 Tiのレビューを参照してください。



実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、RTX 4060 Ti 8GBは、前世代同クラスのRTX 3060 Tiを平均的に10%程度、ベストケースでは最大15%程度、上回る性能を発揮しました。
GeForce RTX 4060 Ti 8GB_pefsum
またGeForce RTX 4060 Tiは、前世代アッパーミドルクラスのRTX 3070とフルHD解像度なら同等の性能を実現しています。
(当サイトの性能比較に使用しているタイトルが管理人の好みに寄っていて高画質PCゲーム系かつグラフィック設定も高くしているので、フルHD解像度でもRTX 3070を若干下回る傾向ですが)
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RTX 4060 Tiは最新アーキテクチャによる高い動作クロックや大容量キャッシュメモリによってフルHD解像度ではRTX 3070と同等の性能を発揮するものの、WQHD以上の高解像度になるにつれてメモリ帯域の低さがボトルネックとなり始めます。
WQHD解像度あたりから、キャッシュがボトルネックになるハイフレームレートな競技系ゲームか、VRAM帯域が重要になる高画質系PCゲームかで、得手不得手がバラける感じになり、4K解像度になると完全にメモリ帯域がボトルネックでネイティブレンダリングだとRTX 3070に対して後塵を拝するようになります。
GeForce RTX 4060Ti_vs_RTX3070_1440p
RTX 3070に近い性能は発揮するので高解像度においてもゲーム性能が低いというわけではありませんが、やはり高解像度についてはDLSS 3のAI中間フレーム生成機能に頼らざるを得ない、という具合です。
もちろんDLSS 3(DLSS SR&FG)を使用できるRTX 4060 TiとDLSS 2(DLSS SR)までのRTX 3070を、DLSS 3も込みで性能を比較したらRTX 4060 Tiに軍配が上がるのはNVIDIAのマーケティング資料の通り自明ですが、DLSS 3の対応タイトルがまだ少ない点はネックです。
今後発売される新作では採用も増えていますが、旧作(2020年から2022年中に発売されたものですら)になるとこれからアップデートで対応することも期待できませんし。
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ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edgeの温度・消費電力・ファンノイズ

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」の負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては約20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy(Extreme) Stress Testを使用しています。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のテスト終盤におけるGPU温度は最大65度と低温ですが、ファン速度は最大1800RPM程度と、少し高めです。
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「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」はアイドル時にファンが停止するセミファンレス機能に対応しており、GPU温度48度前後が始動閾値、GPU温度34度前後が停止閾値でヒステリシスも採用されています。製品によっては回転数が上下してふらつくことの多い始動や停止の直前も、閾値を上下した瞬間にピタッと切り替わります。

GPUコアクロックについて、今回入手した「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」の負荷テスト中の実動平均は2783MHzでした。
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【補足】
コアクロック比較グラフはAIBモデル別の優劣を決めるための比較ではなく、特定のGPUがだいたいどの程度のコアクロックで動作するのか確認するために掲載しています。

AMD、NVIDIAともに最新GPUでは実動コアクロックはGPUコア個体毎に異なる内部設定のV-Fカーブが最も支配的なファクターです。加えて負荷中のGPU温度も5~10度刻みでブーストクロックの制御に影響します。
そのため、ファクトリーOCが施されたオリファンモデルの公式仕様値として公表されているブーストクロックは各メーカー内におけるOC耐性選別という意味で1つの指標にはなると思いますが、実動コアクロックの優劣にはあまり当てになりません。
今回検証している個体Aが他社AIBと比較して実動コアクロックが低くても、市場製品の個体Bは高い、個体Cは同程度…のように、本当に御神籤状態です。



GeForce RTX 4060 TiのようにTGPが200Wを下回ると、下記のような参考環境のミドルタワーPCではベンチ板測定とあまり差が出ないので、PCケース組み込み時の検証については割愛しています。
GPU-CaseIn-Test_2021
PCケースのエアフローファンには空冷ヒートシンク、水冷ラジエーター、PCケースエアフローの全ての用途で一般的な140mmサイズファンを上回る性能を発揮する「Thermaltake TOUGHFAN 14」を使用しています。140mmサイズファン選びに迷ったらこれを買っておけば問題ない、高性能かつ高静音性なファンです。
「Thermaltake TOUGHFAN 14」をレビュー。最強140mmファンの登場か!?
Thermaltake TOUGHFAN 14


「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」を含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。
検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
GPU-Noise-Test
この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。

ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」はベンチ板上でも1800RPM程度とファン速度が若干高速なので、ファンノイズは37~38dB程度でやや高めの数値を示します。煩く感じるほどではないと思いますが、PCケースに組み込んでもファン動作がはっきりと認識できる程度のファンノイズは生じます。
手動設定で1500RPM程度まで下げるとノイズレベルも33~34dB程度になりPCケースに組み込んだ状態ではファンノイズも気にならなくなるはずです。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge_noise

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のGPUクーラーそのものは十分に高性能ですが、上記のストレステストの結果を見ての通り、冷却性能重視なファン制御になっています。標準のファン制御だとGPU温度は60度台半ばに収まっており、静音性的にはかなりの余力を残しています。
標準設定のままだとファンノイズが気になる、静音性を重視したい人は、専用アプリFireStormやGPUチューニングでは定番のMSI Afterburnerなどを使用してファン速度が1500RPM以下になるように各自で調整してみてください。

「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」の消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
グラフィックボードの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。GPU Power TesterはPCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しているので、シンプルにグラフィックボードそのものの消費電力をしることができます。
消費電力の測定にあたって検証するGPUランクによって負荷を変えており、通常はTime Spy(Extreme) グラフィックテスト1、一部のウルトラハイエンドGPUにはPort Royal 4K(GPU名に*マークを併記)をループ再生させ、各GPUがMaxTGPに張り付く状態を検証しています。
テスト全体から1ms間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。



「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」の消費電力は158W、最大瞬間負荷は186Wでした。概ねTGP仕様値通りの消費電力です。
近いグラフィック設定を発揮する前世代アッパーミドル RTX 3070よりも大幅に消費電力が低減しており、前世代ミドルクラスのRTX 3060をも下回る消費電力でRTX 4060 Tiは動作します。
ユーザーが恩恵を感じ難い上位GPUのワッパアピールと違って、RTX 4060 Tiの場合は低消費電力により全長が200mm前半のコンパクトモデルやMini-ITX対応モデルも展開されているので、SFFなPCケースで自作PCを組みたい人にも最適なGPUです。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge_power



ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge レビューまとめ

最後に「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • フルHD/ハイフレームレートに最適、DLSS 3でWQHD/4Kにも対応可能なGPU
  • RTX 3060 Tiと比較して10~15%程度も高速
  • フルHDならRTX 3070と比較しても同等(高解像度になるほど性能は鈍るが)
  • GeForce RTX 40の最新機能であるAI中間フレーム生成機能 DLSS 3に対応
  • 高圧縮かつ高画質な次世代コーデックAV1のハードウェアエンコードに対応
  • 全長225mm、2連ファンGPUクーラー搭載としては最小クラスのコンパクトサイズ
  • PCIE補助電源は従来規格のPCIE 8PIN×1
  • TGP160WのRTX 4060 Tiをノイズレベル38dB以下で十分冷やせるGPUクーラー
  • RTX 4060 Ti オリファンモデルの中で最安値クラス
悪いところor注意点
  • PCIEブラケットは2スロット占有だが、GPUクーラーが3スロット目に侵入する
  • 標準設定ではファンノイズがやや大きめ
  • RTX 4070 Ti以上の上位モデルと異なり、デュアルNVEncによる高速エンコードには非対応
  • RTX 4060 Ti一般に価格が税込み6万円台前半からと高価 (2023年6月現在)

GeForce RTX 4060 Tiは、前世代同クラスのRTX 3060 Tiを10~15%程度上回る性能を発揮し、前世代アッパーミドル RTX 3070と比較してもフルHD解像度やE-Sports系タイトルのWQHD解像度なら同等の性能を実現しています。
最新アーキテクチャによる高い動作クロックと大容量キャッシュメモリのおかげでハイフレームレートに対するボトルネックが解消されているので、フルHD解像度のハイフレームレートなPCゲーミングに最適なGPUです。
VRAM帯域の影響でネイティブ4Kのような高解像度における性能は鈍化する傾向はあるものの、GeForce RTX 4060 Tiは最新のDLSS 3に対応しているので、フルHDをソースにアップスケールするDLSS SRやAIフレーム補間機能DLSS FGを併用すれば、4Kゲーミングでも大幅な性能向上が期待できます。
GeForce RTX 4060 Ti 8GB_pefsum

GeForce RTX 4060 Tiについては、フルHD/WQHDの性能は同等、ネイティブレンダリングでやや劣る4K性能をAIフレーム生成機能DLSS 3でカバー、AV1ハードウェアエンコード対応 、国内価格は税込み7万円前後から、という特長なので、60番台の数字さえ無視すれば、RTX 3070がDLSS 3とAV1に対応してそのままスライドしたようなGPUです。(発売から少し経って、2023年6月現在は、6万円台前半から購入できるようになっていますが)

TGP220WからTGP160Wへと大幅に消費電力が削減されているので、全長200以下でMini-ITX対応のようなコンパクトモデルが登場し、PCIE 8PIN×1の補助電源で運用できるようになった、というメリットもありますが、最も重要な性能と価格の2つについて、落胆こそないものの、驚きも喜びもない、というのが正直なところです。まあRTX 40シリーズ上位GPUで前振りも効いていたので予定調和と言えばそうですが。



「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」については、GPUクーラーの厚みが2スロットよりも僅かに大きく3スロットのスペースが必要なところは注意が必要ですが、全長225mmのショートサイズ、PCIE補助電源も8PIN×1と最小限なので、互換性の高いモデルです。
メーカー製PCではPCケース内クリアランスの関係で全長250mm以上のグラフィックボードを搭載できない場合も少なくありませんが、そういった環境でグラフィックボードをアップグレードしたいユーザーに最適な製品です。

この種のコンパクトモデルはトレードオフで静音性が低くなりがちなのですが、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」に関しては銅製ベースプレートに2本の銅製ヒートパイプを組み合わせたGPUクーラーが搭載されており、小型ながらTGP160Wの発熱をしっかりと冷やしきる性能を備えています。
ファンノイズがやや大きい点についても検証結果の通り、標準ではファン制御チューニングが冷却性能重視であることが原因なので、静音性を重視して運用したいユーザーはチューニングソフトから手動設定するのがオススメです。

加えて、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」はRTX 4060 Tiオリファンモデルとしては下限のMSRPちょうどで販売されるモデルです。
RTX 4060 Tiグラフィックボードの中で最安値クラスの製品なので、既存PCをアップグレードする時にコンパクトサイズゆえの互換性の高さだけでなく、価格面でも強い候補だと思います。

ちなみに管理人は、ジョーシン(ヤフーショッピング)で「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」を購入しました。
7月22日の注文で商品価格は62,600円、1000円オフのクーポンが使えて、さらに10100円程度(約18%)のPayPayポイント還元が付いたので、RTX 4060 Tiが実質5.1万円くらいでした。これくらいの値段だとRTX 4060 Tiもコスパが大分良く感じます。
ポイント付与率はタイミングにも依るのですが、5の付く日やゾロ目の日は10%を超えるポイント還元になることが多いので、安くグラボを買いたい人は狙ってみてください。
screenshot.1690369948




以上、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge」のレビューでした。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 4060 Ti 8GB Twin Edge




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 ・RTX 4060 Ti 販売ページ:   
 <Amazon><PCアーク><パソコン工房><PC4U
 <TSUKUMO><ソフマップ><ジョーシン><ドスパラ

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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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