17W/mKという高性能熱伝導シリコングリス並みの熱伝導効率が公称スペックになっている最高級サーマルパッド「Alphacool Eisschicht thermal pad 17W/mK」の冷却性能を各社サーマルパッドと比較してみました。
「Alphacool Eisschicht thermal pad 17W/mK」を使用することで、RTX 3080 TiやRTX 3090などNVIDIA GeForce RTX 30シリーズ上位モデルで発熱の大きさ、温度の高さが指摘されるGDDR6Xメモリをどれくらい効率良く冷やすことができるのかチェックしていきます。
Alphacool Eisschicht 17W/mKについて
まずは今回メインで検証するサーマルパッド「Alphacool Eisschicht thermal pad 17W/mK」について簡単に紹介します。
Alphacool製サーマルパッドのEisschicht thermal padシリーズには、熱伝導効率で11W/mK、14W/mK、17W/mKの3つのランクがあります。一番下の11W/mKでも他社製サーマルパッドの多くよりも高いスペック値ですが、最上位の17W/mKはOCer向けを標榜する熱伝導シリコングリス並みです。
サイズについては100mm×100mmの正方形(1枚)と120mm×20mmの短冊(2枚セット)、厚みは0.5mmと1.0mmと1.5mmの3種類です。互換性を考えると2.0mm厚、欲を言えば3.0mm厚もラインナップして欲しかったところ。
紙製の薄いパッケージを開くと、表裏に保護フィルムが貼られた状態でポケットにサーマルパッドが収納されていました。
「Alphacool Eisschicht thermal pad 17W/mK」のサーマルパッド本体については普通にグレー色のサーマルパッドです。柔らかさも硬すぎたりせず、素子の凹凸に合わせて変形するだけの柔軟性があります。
Alphacool Eisschicht 17W/mKの冷え具合を比較
さて本題となる、「Alphacool Eisschicht thermal pad 17W/mK」を始めとした各種サーマルパッドの冷え具合の比較結果をチェックしていきます。
サーマルパッドの冷却性能比較に当たって、グラフィックボードはGeForce RTX 3080を使用しているのですが、クーラーは空冷GPUクーラーから、AIO水冷キット「Alphacool Eiswolf 2 AIO – 360mm RTX 3090/3080 with Backplate (Reference)」に換装しています。
今回はテストシステムのPCケースに、180mmサイズケースファンに対応する高エアフローと魅せるデザインを追求した新型ミドルタワーPCケース 「Fractal Design Torrent Black RGB TG Light Tint」を使用しています。
「Fractal Design Torrent」は標準でフロントに2基の180mm角ケースファンを搭載していますが、今回の検証ではこのフロントスペースにAlphacool Eiswolf 2 AIOの360mmサイズラジエーターを設置するので、フロントファンは3基の120mm角ケースファン「Thermaltake TOUGHFAN 12」に置き換えました。
なお比較対象として掲載している空冷グラフィックボードの場合は、ラジエーターを取り外してそのままフロントに3基の120mm角ケースファン「Thermaltake TOUGHFAN 12」を装着しています。
以降の検証に当たって、CPUクーラー冷却ファンは800RPM、PCケースボトムの140mmファン×3は800RPM、空冷グラフィックボード検証時にPCケースフロントのThermaltake TOUGHFAN 12は1200RPMでファン速度を固定しています。
の検証負荷としてはGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy ExtremeStress Test、もしくはTimeSpy Extreme グラフィックテスト1のループ再生を使用しています。
サーマルパッドの冷却性能比較に当たって、グラフィックボードはGeForce RTX3080を使用しているのですが、クーラーは空冷GPUクーラーから、AIO水冷キット「Alphacool Eiswolf 2 AIO -360mm RTX 3090/3080 with Backplate (Reference)」に換装しています。
サーマルパッドについてはVRAMチップと水冷ブロックが直接に接する、VRAMチップ直上のものだけを各種製品に入れ替える形で比較しました。その他のサーマルパッドはThermal Grizzly Minus Pad 8で統一しています。
「Alphacool Eisschicht thermal pad 17W/mK」など各種サーマルパッドによるGDDR6メモリの冷え具合の比較結果は次のようになっています。
Alphacool Eiswolf 2 AIOの付属サーマルパッドと比較して、当サイトでも水冷化レビューではよく使用している「Thermal Grizzly Minus Pad 8」は2~3度程度の温度低下となり、スペック上の熱伝導効率12.8W/mKと高い「Thermalright ODYSSEY THERMAL PAD」は4~6度もさらに冷えました。
これだけでもスペック上の熱伝導効率はグリスの経験上、話半分で考えていたので結構以外な結果でしたが、熱伝導効率17W/mKを誇る「Alphacool Eisschicht 17W/mK」はThermalright ODYSSEYよりもさらに4度以上も冷えるという驚きの冷却性能を発揮しました。Thermal Grizzly Minus Pad 8との比較なら7~8度も冷え、安価で低性能なTAIHEIYO製と比較すると20度以上も差があります。
冷却性能で選ぶなら「Alphacool Eisschicht 17W/mK」の一択で決まりと言っても間違いのない結果です。
ちなみにサーマルパッド別でVRAM温度の差があるというのは上の通りですが、それに比例してGPU温度にも差が出るのかというと、こちらは誤差の範囲でほぼ同等という結果でした。
VRAMが冷えるとGPUの冷却性能が目に見えて下がる、ということはないので、シンプルに高性能なサーマルパッドを使用するのがオススメです。
冷却性能的には文句なしに最強な「Alphacool Eisschicht thermal pad 17W/mK」ですが、100mm×100mmサイズのお値段が、0.5mm厚で1.2万円、1.0mm厚で1.5万円、1.5mm厚が2.2万円と面積当たりのお値段は目玉が飛び出るレベルなのがネックです。
1.0mm厚の同じサイズで比較するとThermal Grizzly Minus Pad 8やThermalright ODYSSEYなら3000円程度なので、コスパを考えるとツライところはあります。ただ冷却性能は最強なので、予算度外視で性能を追求するなら使いたいところ。
以上、『Alphacool Eisschicht 17W/mKは最強サーマルパッドだ』でした。
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最高級サーマルパッド「Alphacool Eisschicht 17W/mK」の冷却性能をRTX 3080のGDDR6メモリの冷え具合について各社サーマルパッドと比較してみました。冷却性能で選ぶなら最強サーマルパッド。https://t.co/qmApEjCbdK pic.twitter.com/7pxxDpGObU
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) October 25, 2021
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