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米尼からASUS新生STRIXブランドの「ASUS ROG STRIX GTX 1080 OC」(STRIX-GTX1080-O8G-GAMING)を個人輸入したのでレビューしようと思います。デフォルトのブーストクロック1898MHz、OCモードでは1936MHzというすでに発売されているGTX 1080のOCモデルの中でも屈指のチューニングとなっており、海外先行レビューでも非常に高い評価を得ているので期待が高まります。
英離脱の影響が根強いようで商品が発送された7月8日のドル円レートは100円/ドルほどでクレカの変換手数料数円込でも102.9円/ドルだったので679ドル+送料・デポジット込で7.8万円ほどで購入できました。国内では10.3万円ほどするので、個人輸入で3万円近く安く購入できました。米尼個人輸入が激ウマすぎです。
商品公式ページ:https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/ROG-STRIX-GTX1080-O8G-GAMING/
ASUS ROG STRIX GTX 1080の外観
早速、ASUS ROG STRIX GTX 1080を開封していきます。中箱のSTRIXロゴがめっぽうカッコいい。グラボ本体は薄い静電防止ビニール袋に包装され、スポンジのスペーサー内に鎮座しています。
付属品は簡易インストールマニュアルとドライバCD、それと6PIN*2を8PIN*1に変換するケーブルが1個同梱されていました。オンライン登録コード用紙も付いています。
グラボ本体をチェックしていきます。ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCは大型3連ファン搭載となる「DirectCU III」クーラーを採用し、グラボ長はリファ基板の280mmより若干長い298mmです。
クーラーファンの径は90mmと大型になっいます。「ウイングブレードゼロノイズファン」というファンブレードの先端部分に航空機のウイングレットのような曲げを加えることで、約2倍(105%)の風圧を実現した強力なファンになっているようです。通常のファンと比べて同じ回転数でもより強力な風を送ることができ低い回転数でも十分な冷却性能を実現できるとのこと。
基板裏には専用バックプレートも搭載し、PCB基板を保護しています。ヘアラインの入ったアルミ製のバックプレートは高級感もありカッコいいです。傷防止のため開封直後では保護フィルムも貼られていました。
補助電源は8PIN+6PINになっています。ASUS ROG STRIX GTX 1080はPCIブラケットよりも背が高いのですが補助電源部分の基板は引っ込んでおりPCケースとの干渉が避けられるよう設計されています。背の高いグラボはMSIやEVGAからも出ていますが意外とこの構造は採用されていません。気配りがありがたい。
ビデオ出力についてはDisplayPort1.4*2、HDMI2.0*2、DVIとなっています。HDMIで4Kテレビなどにビデオ出力を行っていてもVR HMDと接続できるようにHDMI端子が1つ多く実装されています。VR HMDユーザーにはありがたいですが、代わりにDP端子が1つ減っているのでG-Sync対応144HzのPG279QやXB271HUなどでサラウンド環境を構築できないのでやや注意。
あとASUS ROG STRIX GTX 1080 OCには自作PC用の汎用PWM 4PINケースファン端子が2個搭載されており、グラボ用のユーティリティソフトで制御可能になっています。
隣接するPCIスロットが開いているのであればPCIスロット用のファンステイを使えば120mmの大型ファンで冷却能力を向上させ、ファン回転数も絞ることができるようになるので静音性の向上にもつながります。
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Nagao Seisakujo()ASUS ROG STRIX GTX 1080 OC セットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。CPUはASRockのHyper BCLK Engineを使ったHyperOCでKなしCPUをOCするという若干変則的なものを使っています。テストベンチ機の構成 | |
CPU | i5 6400 4.0GHzにBCLK OC |
M/B | ASRock Z170M OC Formula |
メインメモリ | DDR4 8GB*2=16GB |
システム・ベンチ ストレージ |
SSD 540 M.2 240GB |
OS | Windows10 64bit Home |
電源ユニット | Corsair RM650i |
2スロットをギリギリまで占有するのでグラボの冷却面から考えてマルチGPU構成にする場合は1、2スロットを間に入れたほうがいいと思います。
補助電源が正常に接続されているとLEDが点灯し、コネクタが刺さり切っていなかったり、コネクタを刺し忘れているとLEDは消灯したままになります。
ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCには専用のOCツール「GPUTweakII」が用意されており、デフォルトのゲーミングモード(ブーストクロック:1898MHz)からOCモード(ブーストクロック:1936MHz)やサイレントモードなどに変更可能になっています。各種モードボタンの右側にある「0dB FAN」のボタンからGPUクーラーのセミファンレス機能のON/OFF設定ができます。
ただこの「GPUTweakII」ですが若干不具合があるようでOCモードを選択してもGPU-Zに表示されるブーストクロックが1907MHzとなり表示が一致しません。またOCモードの状態で「GPUTweakII」からマニュアルOCしてもクロックを盛った量と表示されるブーストクロックが一致しませんでした。デフォルトのゲーミングモードのままでAfterBuner経由で38MHz盛るとブーストクロック1936MHzになるのでやはりツール側に何か不具合があるようです。(参考画像1、2、3)
またOCモードではコアクロックのOCだけでなくPowerLimitも110%に増加されていました。
「GPUTweakII」とGPU-Zの表示に相性問題が発生していますが、実際にOCモードの動作を確認してゲーミングモードと比較したところモード変更によるオーバークロック自体は正常に動作していました。
試しにAfterBunerでコアクロックを40MHz盛ってFireStrikeを回してみましたが正常に動作したのでGPUコアのOC耐性自体は問題ないようです。
最後にマニュアルOCの耐性についてですが、コアクロック+50MHz以上盛ると、今回購入した2枚ともドライバ停止になりました。現状では電圧を盛れないので2.1GHz超えられるかどうかは補助電源やVRMフェーズ数ではなく純粋にGPUコアお御籤みたいです。たぶんコアの当たり具合で言えばGTX1080 FEのうちの1枚が一番OC耐性が高いようです。
ASUS ROG STRIX GTX 1080 LEDイルミネーション
LEDイルミネーションの操作は各ベンダー謹製のOCツールに統合されている場合が多いですが、ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCではLEDイルミネーション操作専用アプリ「Aura RGB Lighting」が用意されています。アプリからはLEDイルミネーションを完全に消灯させることも可能です。LEDの発光場所はGPUクーラー外周部分とバックプレートのROGのロゴ部分になっており、発光パターンやカラーは各部位で共通となっています。
デフォルトの発行パターンは次のようになっています。
発光パターンやカラーの操作についてアプリそのままの調整がASUSの公式ページ上のコンテンツで再現されているのでそちらを確認していただくほうがわかり易いと思います。
https://www.asus.com/jp/Graphics-Cards/ROG-STRIX-GTX1080-O8G-GAMING/overview/#gtx-intro
ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのベンチマーク
ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。測定の際にはデフォルトのモードであるゲーミングモード用いています。また性能比較のためGTX 1080 Founders Editionもあわせて測定を行っています。ちょっと手抜きでベンチマークやゲーム数は少ないです。ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのコアクロックはブーストクロック1898MHzとリファレンスであるFounders Editionよりも大幅にオーバークロックされています。コアクロックについては実働最大ブーストクロックは各種ベンチマークやゲームで2.0GHz程度で安定動作しました。
まずはFireStrike、FireStrikeExtreme、FireStrikeUltraのベンチマーク比較になります。ASUS ROG STRIX GTX 1080ではリファレンスのFEよりも各種解像度で5%程度性能が伸びています。
コアクロックを40MHzほどOCした状態のFireStrikeExtremeのグラフィックスコアは11130となっており、定格よりも若干スコアは伸びています。
さらにOCモードのASUS ROG STRIX GTX 1080でSLIを組んでFireStrikeUltraを回してみました。
FF14ベンチのフルHD最高設定の比較は次のようになっています。当ベンチマーク測定環境ではASUS ROG STRIX GTX 1080 OCでスコアは18467となりました。FF14ベンチはグラボの性能を測るというよりもFF14が快適に遊べるかを測るベンチマークの意味合いが強いのでスコア10000を超えた当たりからはCPUクロックへの依存性がかなり高くなってきます。
続いて実ゲームとしてRise of the Tomb RaiderのWQHD解像度、最高設定(FXAA、HBAO、DX11)のベンチマーク比較です。ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCの平均FPSは94FPSとなりFoundersEditionよりも4FPSほど高い値をマークします。
以上、簡単にですが各種ベンチマークや実ゲームを用いたASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのグラフィック性能の検証でした。
ASUS ROG STRIX GTX 1080の温度・消費電力
ASUS ROG STRIX GTX 1080の負荷時のGPU温度とファン回転数を検証しました。性能比較と同じくFounders Editionと比較しながら検証を行っています。温度とファン回転数の検証時の負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果が次のグラフになっています。ASUS ROG STRIX GTX 1080はセミファンレス採用となっておりGPU温度が45度を超えるまではファンが停止しています。45度を超えるとファンが動作を始め、45度を切るとファンが動作停止するようです。
FoundersEditionでは終盤でGPU温度が80度を超え、ファン回転数も2000RPMを超えていますが、ASUS ROG STRIX GTX 1080ではせいぜい70度前半に収まるように設計されていますが、ファン回転数は最大1900RPM程度まで上がってしまします。
【追記】いくつかGTX 10シリーズグラボをレビューしてきて気づいたのですが、ROG STRIXはファン回転数でコア温度を押さえつけているので、GTX 1080の消費電力が低いためコア温度は低いですがダイレクトタッチはあまり冷却性能的に良くない気がします。
FF14ベンチ終盤のASUS ROG STRIX GTX 1080とFoundersEditionのファンノイズとコイル鳴きについて確認のため動画を録画しました。測定にはグラボから30㎝ほど離した位置にカメラを置いて撮影を行っています。
ASUS ROG STRIX GTX 1080のコイル鳴きについてはかなり軽微な類なので問題ないと思います。なおコイル鳴きは最近のグラボだとTitanXでも980tiでもGTX1080でも基本的に鳴くので60FPS程度の高負荷時にPCケースに入れていても気に障る程度の大きさかどうかで主観的になりますが「軽微」or「問題あり」として当ブログ記事では判断します。同じ型番のグラボでも個体差がある項目なので参考に留めていただけるとありがたいです。
続いてASUS ROG STRIX GTX 1080 OCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsairLinkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrikeExtremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。
ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCの消費電力は250WでFoundersEditionよりも19Wほど消費電力が大きくなっています。また瞬間的な最大電源負荷は276WとなりFoundersEditionよりも30Wほど大きいです。8PIN+6PINですが異常と思われるような消費電力の増加も確認できませんでした。
(参考画像:ログ1、ログ2)
ASUS ROG STRIX GTX 1080 OC レビューまとめ
最後にASUS ROG STRIX GTX 1080 OCを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- ブーストクロック1898MHzとGTX1080では最高峰のチューニング
- セミファンレス対応でアイドル時の45度までは無音動作可能
- ファン動作時もファン回転数は1500~1800RPM程度でファンノイズは比較的小さい
- 補助電源は8PIN+6PINだがFE比で消費電力は19W増と良好
- HDMI端子2つ搭載なのでVR HMDと相性がいい
- コイル鳴きも軽微で問題なし(管理人がチェックした個体の中では最小でした)
- DP端子は2つしかないのでサラウンド環境の構築orユーザーには注意が必要
- 「GPUTweakII」とGPU-Zの表示に相性問題、「GPUTweakII」のOCモード時の手動OCに不具合あり
ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCは2スロット占有のオリファンモデルとしては高ブーストクロックのOCチューニングでありながらFE比で消費電力の増幅も小さく、クーラーの冷却性能もそこそこ優れています。GTX980tiではSTRIXはクーラーの冷却性にやや問題があり、ROG MATRIXが待望されていましたが、新生STRIXブランドであるROG STRIXのGTX1080はMATRIXを不要にするといっても過言ではないくらい非常に完成度で仕上がっていました。
以上、ASUS ROG STRIX GTX 1080 OCのレビューでした。
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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