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7月23日に電撃発表され、北米等一部地域でのみNVIDIA公式通販限定で8月2日から発売となったNVIDIAの真のフラッグシップ「TITAN X Pascal」さんがついに管理人の手にも到着しました。
「New King」の名で登場したGTX 1080をまさかの2月ちょっとで玉座から引きずり下ろした「The Ultimate King(真の王)」こと「NVIDIA TITAN X Pascal」をレビューします。
ちなみに管理人は2枚ポチったのですが当記事ではとりあえずシングル性能についてレビューします。今回はまず触りだけの軽い内容になっています。
代理店「菱洋エレクトロ株式会社」経由で日本国内でも10月6日から販売開始されました。国内販売価格は10月6日時点で17万円となっています。
NVIDIA TITAN X Pascalアーキテクチャー採用 世界最先端GPUアーキテクチャAmazon.co.jpで詳細情報を見る
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NVIDIA(2016-10-03)NVIDIA TITAN X Pascal レビュー目次
1.NVIDIA TITAN X Pascalの外観
2.NVIDIA TITAN X Pascalのセットアップ
3.NVIDIA TITAN X Pascalの温度・消費電力
4.NVIDIA TITAN X Pascalのベンチマーク
5.NVIDIA TITAN X Pascalのワットパフォーマンス
6.NVIDIA TITAN X Pascalのレビューまとめ
おまけ.NVIDIA TITAN X Pascalの個人輸入の仕方
NVIDIA TITAN X Pascalの外観
早速、TITAN X Pascalの開封の儀を執り行います。NVIDIA公式通販限定のTITAN X Pascalですが、レビュアー向けサンプルのGTX 1080やGTX 1070でも採用されているタイプのパッケージなので見覚えのある人も多いのではないでしょうか。このパッケージですが各ベンダーのグラボパッケージと比べてみると比較的小さいEVGA GTX 1070 SCのパッケージよりもさらにコンパクトなサイズになっています。
パッケージはこんな感じで縦に蓋を引っ張り上げて開封する構造になっています。中には高価な置物テイストでTITAN X Pascalさんが鎮座していらっしゃいます。
マニュアルと仕様書の冊子も付いていました。
TITAN X Pascalの外観は、グラボのロゴが「TITAN X」なっているのとクーラー外装が黒色なのと補助電源が8PIN+6PINであること以外は、GTX 1080・1070のFounders Editionとほぼ同じになっています。
コメント欄から指摘いただいて気づいたのですが、Pascal版TitanXはわざわざ頭のGeforce GTXをなくしたのに、側面のLEDロゴがそのままなのがちょっと残念、TITAN Xにして欲しかった。まあ水冷化しちゃうんだけど。
NVIDIA TITAN X Pascalのセットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。CPUはASRockのHyper BCLK Engineを使ったHyperOCでKなしCPUをOCするという若干変則的なものを使っています。
テストベンチ機の構成 | |
CPU | i5 6400 4.0GHzにBCLK OC |
M/B | ASRock Z170M OC Formula |
メインメモリ | DDR4 8GB*2=16GB |
システム・ベンチ ストレージ |
SSD 540 M.2 240GB |
OS | Windows10 64bit Home |
電源ユニット | Corsair RM650i |
コア数3584、コアクロックがベース1418MHz、ブースト1531MHz、VRAMはGDDR5X 12GBとGTX 1080や旧TitanXよりも大幅にスペックが上がっています。(GPU-Zがアプデされていたので画像を差し替えました。コメから教えていただきありがとうございます。)
また先日レビューした外付けGPUユニット「RazerCore」を使ってグラボの消費電力の測定もしています。
NVIDIA TITAN X Pascalの温度・消費電力
NVIDIA TITAN X Pascalの負荷時のGPU温度とファン回転数を検証しました。GTX 1080 Founders Editionと比較しながら検証を行っています。温度とファン回転数の検証時の負荷としてはFF14ベンチを使用しており、その結果が次のグラフになっています。Titan XとGTX 1080 FEは全く同じクーラーを搭載していますが、TitanXでは1分後にはすでにサーマルリミットに達しています。ファン回転数もGTX1080 FEより250RPM高い2400RPMとなっておりファンノイズもそれなりに大きくなっています。
コアクロックについても確認してみるとサーマルリミットの影響で終盤のTitanXはコアクロックが安定せず、1600MHzまで下がってしまいました。
続いてNVIDIA TITAN X Pascalの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。測定にはCorsair RM650i電源ユニットのCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた純粋な検証システム全体への入力電力をチェックしています。また測定方法は「FireStrike Extremeのグラフィックテストを3回行い、その際の平均値を消費電力に、最大値を瞬間的な最大電源負荷」としました。測定結果は次のようになっています。(参考画像:ログ1、ログ2)
NVIDIA TITAN X Pascalの消費電力は313WでGTX 1080 FEよりも78W高く、瞬間最大負荷は368WでGTX 1080 FEよりも102W高くなりました。TDPの差は70Wですがそれよりも電力の差は大きくなっています。
アイドル時の電力は次のようになっていますが、こちらは大差ないようです。
RazerCoreを利用した消費電力測定は次のようになりました。
NVIDIA TITAN X Pascalのベンチマーク
NVIDIA TITAN X Pascalの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。GTX 1080 Founders Edition、ZOTAC GTX 1080 AMP EXTREMEと性能比較をしています。FireStrike、FireStrikeExtreme、FireStrikeUltraのベンチマーク比較になります。グラフィックスコアの比較ではFE比で3割、AIBモデル随一のOCチューンがなされたAMP Ex比でTITAN X Pascalは2割の性能向上になっています。FireStrikeのグラフィックスコアが30000手前までいってるのには胸が熱くなりますね。2世代前のKeplerでは780tiですら重すぎてSkyDiverをわざわざ3DMarkが作ったのが嘘のようです。
FF14ベンチのフルHD最高設定の比較は次のようになっています。FF14ベンチはグラボの性能を測るというよりもFF14が快適に遊べるかを測るベンチマークの意味合いが強いのでスコア10000を超えた当たりからはCPUクロックへの依存性がかなり高くなってきてグラボ性能ではあまり差がつきません。
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。
まずはRise of the Tomb RaiderのWQHD、最高設定(FXAA、HBAO、DX11)のベンチマークです。
The Divisionのベンチマーク比較は次のようになっています。このゲームのベンチマークではこちらのグラフィック設定を用いて、フルHDとWQHDでベンチマークを行いました。
続いてGTA5ではこちらのグラフィック設定を使いフルHDとWQHDでベンチマークを行いました。
The Witcher3のベンチマーク比較は次のようになっています。グラフィック設定は最高設定としてフルHDとWQHDでベンチマークを行いました。測定にはノヴィグラドの広場から橋までを往復しています。
The Witcher3のベンチマークにおいてフルHDではCPUボトルネックの影響が大きくGTX1070以上のグラボになるとグラボ性能にベンチマーク結果の平均FPSが比例しなくなっています。下はGTX1080を使ってCPUボトルネックを確認したグラフです。
CPUがi5の場合は、GPU性能が十分であればフレームレートは75FPS程度で頭打ちになるので、144Hzモニタを使う等これより上を狙うならCPUの交換が必要になってきます。
3DMarkの最新DirectX12ベンチマーク「TimeSpy」ではグラフィックスコアは8811となり、非同期演算の有効・無効による性能の伸び幅は7.7%程度でした。
最後にDirectX12ネイティブ対応ゲームのベンチマークとしてGears of War:UEで測定を行いました。グラフィック設定は最高設定としてフルHDとWQHD、加えてTitanX Pascalのみですが4K解像度で測定しました。
とりあえずテストベンチ機でベンチマーク測定をしたものの、見ての通りFireStrikeのようにCPUボトルネックが発生しにくいものを除いてTitanXやGTX 1080くらいのグラフィック性能になるとCPUがi5ではCPUボトルネックで最終的な性能差が小さくなってしまいます。TitanXやGTX 1080または今後発売されるであろうGTX 1080tiを積む予定があるならCPUはi7やi7-EシリーズのCPUがおすすめです。
以上、各種ベンチマークや実ゲームを用いたNVIDIA TITAN X Pascalのグラフィック性能の検証でした。
NVIDIA TITAN X PascalのワッパやOC耐性
NVIDIAのPascal世代で大人気のPowerLimitを使って遊んでみました。MSI AfterBurnerでPowerLimitを100%~50%を10%刻みで変化させていって、その状態でFireStrike Extremeのグラフィックテスト2を回して消費電力と平均FPSを比較しました。
まずはTitanX Pascalの各種PLとGTX 1080 FE、GTX 1070 FEの比較がこちら。TitanX Pascalさんはコスパは最悪と言われることも多いですが、ワッパのほうはこのテストではなんとGTX 1070やGTX 1080よりもやや優れるという結果になり、GTX 1070やGTX 1080同様にPLを下げることで消費電力が下がり、一方で性能の減少は小さいのでワッパが高くなっています。
PL70%やPL50%のように1080や1070の定格と同じ消費電力までPLを下げてもパフォーマンスはTitanX Pascalのほうが高いというのが面白いです。NANOもそうですがGPUはワッパを上げるならデカいコアを緩く回すのが最適みたい。まあチップメーカー的に採算がとれない手法なので流行らないでしょうが。
また以前GTX 1080 AMP Extremeでも同様にPL操作をしていたので、Titan X PascalとGTX 1080 AMP Extremeで比較してみました。GTX 1080のAIBモデルに比べてTitanXはPowerLimitの調整による性能の減少幅がやや大きいようです。
またTITAN X PascalのOC耐性についてですが、定格の実働ブーストクロックは1820ほどとなっており、手動で180MHz盛るとコアクロックが2.0GHzくらいになりました。2枚とも試してみて両方2GHzは超えたのでハズレ個体ではなさそうな気がします。ただしFireStrikeのグラフィックテストだけでコア温度が80度近くまで上がるので、高クロックで安定させようとすると水冷化必須っぽいです。
NVIDIA TITAN X Pascalのレビューまとめ
今回はNVIDIA TITAN X Pascalの発熱、コアクロック、OC耐性などグラボの基本的な性質をチェックするため、i5搭載のベンチ機でTITAN X Pascalを使ったのでCPUボトルネックもありベンチマークがあまり面白いものになりませんでしたが、この辺りは6950X搭載のメイン機でこれから検証していく予定です。
また本格的なNVIDIA TITAN X PascalのOC検証も熱的にリファクーラーのままでは無理と測定からわかったのでEKWBの水枕で水冷化してから検証していきます。
ちなみに管理人が転送経由で個人輸入した時はTitan X Pascalは1本で13万9572円でした。送料・消費税込みで14万切るとか円高万歳ですね。
(去年国内で旧TitanX買った時は15、6万で購入した記憶が……)
あとプレミアムレビューに興味があってZigsowでもレビュー公開中です(内容はおなじ)。お時間があれば「Cool(いいね)」してもらえると管理人が喜びます。(ツイッター連携ログインで可能)
http://zigsow.jp/portal/own_item_detail/323194/
【追記】
・The Ultimate King 「TITAN X Pascal SLI」 レビュー。GTX 1080と徹底比較
NVIDIA TITAN X Pascalの個人輸入の仕方
NVIDIA TITAN X Pascalは北米のNVIDIA公式通販から転送サービス経由で個人輸入可能です。いきなりTitanXを購入するのが不安な人はまず最初に40ドルで購入できるHB SLIブリッジだけを購入して実際に注文~転送までを試すのがおすすめです。
転送サービスの使い方はこちらをご覧ください。
・できる!個人輸入 ④ 国内直送してくれないショップでの購入方法。転送サービスの使い方。
NVIDIA公式通販の支払いについては管理人が試した限りでは三井住友VISAと楽天銀行VISAデビットの2つのカードで購入できました。10万円を超える海外通販の場合、そういう買い物を初めてだとカード会社のセキュリティに引っかかるかもしれないので事前にカード会社に連絡を入れておくといいかも。
次回からの注文が楽になるので注文時にアカウントを作るのがおすすめです。
発送先、支払住所ともに転送サービスの倉庫の住所を入力します。
注文を進めると「住所間違ってね?」と言われますが下のように自分が入力したものを使うと選択すればOKです。2回ほど聞かれますが同じように繰り返します。
あとはポチポチクリックしていけば注文完了です。
メールは注文直後の確認メールと出荷完了時のメールの2通が届きます。NVIDIA公式通販は発送が速いので、日本時間で前日に注文すれば翌日の午前7時から8時くらいに出荷メールが届きます。このメールに追跡番号が記載してあるので、メールが届いてからスピアネットで転送依頼を行います。
転送依頼の方法はスピアネットのマイページにログインして下画像のようにすればOKです。
はスピアネットの倉庫に商品が到着すると転送料案内メールが届くので支払いを行えば翌日には出荷されるのであとは着弾を待つのみです。
あと受取時にタイタンさん1個につき5900円の消費税を支払う必要があるのでそこだけ注意。
TITAN X Pascal搭載のBTO PCについて
BTO PCショップのサイコムで、NVIDIAのフラッグシップ化け物GPU「TITAN X Pascal」を簡易水冷化したグラフィックボードがカスタマイズで選択可能になりました。簡易水冷化TITAN X Pascalと10コアCPUのi7 6950Xを搭載した文句なしの最上位カスタマイズBTO PC「G-Master Hydro-X99II」のレビュー記事を公開中です。期待通り爆熱の野獣TITAN X Pascalも良く冷えていました。
・簡易水冷TITAN X Pascal&i7 6950X搭載「G-Master Hydro-X99II」BTO PCをレビュー
GTX 1080版ですが簡易水冷グラボ搭載「G-Master Hydro Z170」についてもレビュー記事を当サイトでも公開しています。「Fractal Design Define R5」という高い拡張性を誇る自作er界隈で高評価のPCケースを採用した非常に完成度の高いBTO PCです。
・激冷え簡易水冷GTX 1080搭載のBTO PC「G-Master Hydro Z170」 レビュー
価格は他社のTitanX Pascalとi7 6700K搭載BTO PCが33万円程度のところ、「G-Master Hydro Z170」は管理人の推奨カスタマイズ設定で37万円と1割ほど高額になりますが、簡易水冷化TITAN X Pascalのグラフィック性能、静音性能、冷却性能を考えれば「G-Master Hydro Z170」や「G-Master Hydro-X99II」が断然おすすめです。
サイコム G-Master Hydro Z170の販売ページへ
(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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