NZXT KRAKEN X42


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NZXTから昨年末に発売された新型の簡易水冷クーラーから140mmラジエーター採用の「NZXT KRAKEN X42」をお借りできたのでレビューします。合わせ鏡を利用したインフィニティミラーというLEDイルミネーションを搭載した水冷ヘッドが特徴的な簡易水冷CPUクーラーです。NZXT KRAKENの新シリーズには140、240、280サイズの3バリエーションがありますが、メインストリームCPUに最適でコンパクトで取り回しがよくPCケースのリアファンスペースに設置可能な140サイズの「NZXT KRAKEN X42」をお借りしました。
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製品公式ページ:https://www.nzxt.com/products/kraken-x42
マニュアル:https://sta3-nzxtcorporation.netdna-ssl.com/uploads/download/attachment/584/attachment-588.pdf
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レビュー目次


1.NZXT KRAKEN X42の外観・付属品
2.NZXT KRAKEN X42の水冷トップと水冷チューブ

3.NZXT KRAKEN X42のラジエーターと冷却ファン
4.NZXT KRAKEN X42を検証機材・セットアップ
5.専用アプリ「CAM」:セットアップ方法と基本的な使い方
6.専用アプリ「CAM」:ファン・ポンプのコントロール
7.専用アプリ「CAM」:インフィニティミラーのLEDイルミネーションについて
8.NZXT KRAKEN X42の冷却性能
9.NZXT KRAKEN X42のレビューまとめ


補足.
空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて



NZXT KRAKEN X42の外観・付属品

まずはNZXT KRAKEN X42の外観や付属品をチェックしていきます。
製品パッケージを見るとスリーブ箱の外装の中にCPUクーラーや付属品に合わせた形のパルプモールドが入っていました。簡易水冷クーラーのパッケージはかなり大きいものが多いですが、140mmサイズラジエーターのNZXT KRAKEN X42はハイエンドCPUクーラーのパッケージと同程度のサイズで取り扱いが楽です。
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なお「NZXT KRAKEN X42」の保証期間についてはNZXT公式製品ページでは6年保証との表記がありますが、日本国内においては国内正規代理店の株式会社タイムリーによる1年保証です。保証シールは製品パッケージのシュリンクに貼られているので開封後に紛失しないように注意してください。
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上の写真のパッケージ内右側にある小分けのビニール袋にマウントパーツなど付属品が入っていました。マウントパーツ関連とケーブル類で別の袋に入っています。
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マウントパーツを詳しく見ていくと、AMDプラットフォーム用のリテンションブラケットとIntel LGA 115X用のバックプレートがあります。Intelプラットフォーム用のリテンションブラケットは水冷トップに装着されています。
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LGA115X用のバックプレートはネジ穴部分がスライドするようになっており、旧CPUソケットのLGA1366などを搭載するマザーボードにも対応しています。
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水冷トップ固定用のネジ類については、ハンドスクリューの他にプラットフォーム別でスタンドオフが4種類付属します。左から順に、両端の長さとネジ山が同じものがIntel LGA115X用、両端の長さが異なるものがIntel LGA2011-3/2066用、両端の長さが同じでネジ山が異なるものがAMD AM3etc用、ソケットが付いているものがAMD AM4用となっています。
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AMD AM4プラットフォームについてはKRAKEN X42の発売後に対応しましたが、最新ロットにはAM4用マウントパーツも標準で付属するようです。ソケット付きスタンドオフが付属しており、AMD用リテンションブラケットにネジ穴2つでひょうたんの形になっていればAM4対応となっています。出荷済みの対応前ロットについてはサポートに問い合わせをすればAM4マウントパーツを配布してもらえます。
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付属品のケーブルは簡易水冷クーラーの電源取得用のケーブルと専用アプリ「CAM」で操作するためにPCと接続する内部USBケーブルの2種類です。
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PC接続用内部USBケーブルの水冷トップ側はmini-USB端子、PCと接続する側は内部USB2.0ヘッダーとなっています。
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電源取得用のケーブルは中央右の端子が水冷トップと接続する端子になっており、そこから3つに分岐して、ラジエーター冷却ファン用の4股PWM対応4PINファン端子、電源用のSATA電源端子、マザーボードにファン回転数を返すための3PINファン端子に分かれています。
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パルプモールドからCPUクーラー本体を取り出すと、水冷トップとチューブはビニールに包まれ、ラジエーターは厚紙のスリーブで保護されていました。
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ラジエーターの放熱フィンは出荷前のメーカーによる梱包やユーザーが取り出し時に誤って握ってしまったりして潰してしまうことが多いので厚紙スリーブで保護されている配慮はありがたいです。
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NZXT KRAKEN X42の水冷トップと水冷チューブ

続いて「NZXT KRAKEN X42」の水冷トップ本体をチェックしていきます。
水冷ヘッドのトップには保護フィルムが貼られています。
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保護フィルムを剥がすと水冷トップは鏡面になっており中央にはうっすらと「NZXT」のロゴマークが刻印されていました。
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NZXT KRAKEN X42/X52/X62の水冷トップはシンプルな円柱形で余分なところのない洗練されたデザインになっています。製品サンプルイメージでわからないところですが、リング部分はヘアラインアルミを模した表面加工になっており非常に高級感のある趣です。
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水冷トップの高さは50mmほどです。水冷トップは簡易水冷クーラーでは一般的なポンプ一体型水冷ブロックになっていますが、ポンプの構造が刷新されておりより少ない回転数で従来よりも多い流量を実現してポンプノイズを低減させているようです。実際に仕様を見てもポンプ回転数は1000~2800RPMと速度調整範囲が広く、下限も比較的小さい値になっておりポンプノイズの小ささについては期待して良さそうです。
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ちなみに「NZXT KRAKEN X42」を含めて国内で発売されている主要な簡易水冷クーラーのほとんどは「Asetek」というメーカーのOEM品です。
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NZXT KRAKEN X42のCPUと接触するベース部分は銅製になっており保護フィルムではなくプラスチックのカバーで保護されていました。デフォルトで熱伝導グリスが均等に塗られているのでこだわりがなければ初回使用時は個別にグリス購入の必要はありません。
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銅製ベースは鏡面磨き上げではなく、同心円状の磨き跡があります。
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リテンションブラケットは水冷トップから取り外し可能です。Intel CPU用がデフォルトで装着されていますが、AMD CPU用のブラケットに換装することでAMD CPUでも使用できます。
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水冷チューブは水冷トップの片側から出る構造になっており、チューブの根元90度エルボーのロータリー式になっているので両側ともにチューブ同士が干渉しない範囲で180度自由に動かすことができます。根本の距離はが広めでチューブも細いので同じ方向でも180度近くまで回すことができます。
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水冷チューブはゴム製チューブにナイロンスリーブが巻かれています。細くて丈夫なチューブなので曲げやすく取り回しにも優れています。かなり強く曲げてもチューブが折れて潰れなかったのでコンパクトなPCへ組み込む際にも苦労することはないと思います。
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水冷チューブの径は11mm、長さは400mmです。十分な長さがあるのでミドルタワー程度のPCケースであればトップやリアだけでなく、フロントのファンマウントスペースにもラジエーターを設置できます。ラジエーターや水冷トップのチューブ継手を見るとわかりやすいですが水冷チューブの内径は5mm程度です。
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チューブの根元から見て反時計回り90度の位置に電源取得ケーブル用の専用コネクタとPC接続用のmini-USB端子があります。
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NZXT KRAKEN X42のラジエーターと冷却ファン

続いてNZXT KRAKEN X42のラジエーター部分をチェックしていきます。
ラジエーターのデザインは一般的なもので、CoolerMasterやCorsairの簡易水冷クーラーのように独自デザインではなく汎用的なものが使用されていました。ラジエーターの側面に「NZXT」ロゴのプレスがある以外には特徴はありません。
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放熱フィンのピッチについては水冷ユーザー視点でも狭すぎず広すぎずちょうどいい塩梅です。このフィンピッチであれば低速ファンによる静音動作から高速ファンによる高冷却動作まで幅広く対応できると思います。管理人が本格水冷向けのラジエーターとして推奨している「Alphacool NexXxoS Full Copper ラジエーター」シリーズのフィンピッチと比較するとNZXT KRAKEN X42のフィンピッチのほうがやや細かいかな、というくらいでほぼ似たようなフィンピッチになっています。
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今回お借りしたモデルは140サイズラジエーター搭載モデルなので片面には140mmファンを1基設置可能ですが、上位モデルには120mmファンを2基設置可能な240サイズラジエーター搭載の「NZXT KRAKEN X52」や140mmファンを2基設置可能な280サイズラジエーター搭載の「NZXT KRAKEN X62」などもラインナップされています。
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ラジエーターの厚さは一般的な30mm厚です。25mm厚の冷却ファンと組みわせることになるので、ファンマウントスペースのクリアランスは55mmほど必要になります。
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NZXT KRAKEN X42には「Aer P 140」という冷却ファンが1つ付属します。
「Aer P 140」は500~1800RPMで速度調整可能なPWM対応の4PIN型ケースファンです。製品名の通り「Aer P 140」は140mm径のケースファンです。
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軸固定用の支柱はファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードの根元が支柱付近を通過するときに発生するノイズを抑制しています。
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吸気面と排気面ともにファンフレームはすり鉢状に面取り拡張されて大風量を獲得できるように最適化されています。ネジ穴部分にはプラスチックフレームとは別でゴム製のパーツ「バイブレーションダンパー」が採用され防振性も確保されています。
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航空機などにも採用されている、ファンブレード端の盛り上がった構造、「ウイングレット」構造も確認できます。「ウイングレット」構造によって空気抵抗を小さくし風切り音を抑制することで最適な静音性と風量を実現しています。
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Aer P_p2
軸受にはNZXTが特許を取得した銅製の流体動圧軸受(FDB)を使用し、寿命は公称6年以上となっています。自称軸ソムリエの管理人が軸音テイスティング(耳を近づけてファンを指で弾くだけ)をしてみましたが、低速回転時の軸音が聞こえない良いファンでした。低回転軸音に煩い管理人的も納得の良い冷却ファンなのでLEDイルミネーション目的で低回転運用しても軸音が気になることはないと思います。
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冷却ファンのラジエーターへの固定やラジエーターのPCケースへの固定に使用するネジの規格はUNC No.6-32でした。日本国内のユーザーとしてはホームセンターで簡単に入手可能なM3かM4ネジを採用して欲しいところです。
ネジ類の数についてはラジエーターサイズごとに異なっており、ファン固定用32mm長ネジとワッシャーはX42ではが8個ずつ、X52とX62では16個ずつ付属しています。NZXT KRAKEN X42の場合付属する冷却ファンは1基ですが自分で追加購入することで両面ファンのプッシュプル構成も可能です。
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ラジエーター固定ネジ穴下については、ネジによる貫通を防止するガードなどはありません。ネジ穴の下に冷却液の流れるチューブこそないものの放熱アルミフィンがあります。付属のネジを使用して付属ファンを固定する場合はクリアランスが確保されています。ネジ穴下にチューブはないので水漏れなどの心配はありませんが個体差で問題が生じる可能性もあるのでネジ穴下でチューブとの接触がないかは注意が必要です。
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付属ファンのネジ穴部分はゴムになっているのでネジが締めやすいようにワッシャーも付属しています。
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冷却ファンをラジエーターに固定すると下のようになります。
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NZXT KRAKEN X42の検証機材・セットアップ

NZXT KRAKEN X42を検証機材のベンチ機にセットアップします。ベンチ機のシステム構成は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
ベンチ機1
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ベンチ機2
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OS Windows10 64bit Home

CPU

i7 7700K
Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
i7 7700K
Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
M/B ASRock Z270 SuperCarrier
レビュー)(BIOS:1, 2
ASUS ROG
MAXIMUS IX FORMULA
レビュー)(BIOS:1, 2, 3
メインメモリ Corsair Dominator Platinum
Special Edition
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
G.Skill TridentZ
DDR4 8GB*4=32GB
グラフィックボード
ASUS GeForce GT730
ファンレス GT730-SL-2GD3-BRK
GTX 1050 Ti
シングルスロット
システムストレージ
Crucial MX300 SATA M.2 SSD 1TBCT1050MX300SSD4 Intel SSD 540シリーズ
SATA M.2 SSD 240GB
電源ユニット
Corsair RM650i
レビュー
Corsair HX1200i
レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー
Cooler Master
MASTERCASE MAKER 5t
レビュー

CPUクーラーの設置方法について、当サイトの評価基準となるチェックポイントは次の3つです。
  • LGA115Xの場合、CPU固定バックプレートが単独でマザーボードに固定できるか
  • マウントパーツ設置状態でCPUを交換できるか
  • 空冷の場合、ネジ止めの場合はマザーボード側から固定できるか
    簡易水冷or水冷ブロックの場合、ハンドスクリューなどツールレス固定ができるか

上の3項目を全て満たす例として本格水冷用のCPU水冷ブロックですが「EK-Supremacy EVO」のマウンタ構造は「バックプレートをM/Bに固定可能」「完全ツールレス」「マウンタ設置状態でCPUの交換が可能」なので本格水冷・簡易水冷クーラーの水冷ブロック固定方式としてはベストだと思っています。水冷クーラーメーカーにはどんどん真似してもらいたい理想的な構造です。

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前置きはこのあたりにしてベンチ機へNZXT KRAKEN X42をセットアップします。
まずはマザーボードを裏返してバックプレートのネジ穴をマザーボードのCPUソケット四隅の穴に挿入します。最新のKabyLake CPUに対応するLGA1151ソケットでバックプレートを装着する場合はネジ穴スライド部分の位置は一番内側でした。
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バックプレートが脱落しないように注意してマザーボードを表に向け、スタンドオフと呼ばれる水冷トップを固定するためのスペーサーを使ってマザーボードをバックプレートと挟みます。Intelプラットフォーム用のスタンドオフは左側の2種類が用意されていますが、LGA1151では一番左にある両側のネジ山が同じなスタンドオフを使用します。
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下のようにスタンドオフとバックプレートでマザーボードを挟みます。
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4か所全てでスタンドオフを固定したらマウントパーツの設置が完了です。
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マウントパーツは単独でもマザーボードに固定されているので、CPUクーラーの設置が完了していない状態でもバックプレートなどが脱落することはなく、PCケースに設置した状態でもCPUクーラーの設置が容易になっています。
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AMD Ryzen対応のAM4マウントで使用する場合は、マザーボード備え付けのCPUクーラー固定器具を外して、バックプレートを流用し付属のソケット付きスタンドオフを装着するだけで準備完了です。
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Intelの最新エンスー向けCPU SkyLake-Xに対応するX299チップセット搭載LGA2066プラットフォームではCPUソケットこそ前世代のLGA2011-3とは異なるもののCPUクーラーのネジ穴レイアウトは共通なのでLGA2011-3用のスタンドオフとマザーボード備え付けのネジ穴に装着すればマウントパーツの設置完了です。
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水冷トップをマザーボードに固定する準備はこれで完了したので熱伝導グリスをCPUのヒートスプレッダに塗布します。熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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熱伝導グリスを塗ったらバックプレートから延びるネジに水冷ヘッドの足のネジ穴が合うようにしてCPUクーラーを装着します。CPUの上に乗せたらグリスが広がるように力の入れすぎに注意して水冷ヘッドをグリグリと捻りながら押し込んでください。
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NZXT KRAKEN X42の水冷トップの固定ネジはツールレスな大型ハンドスクリューなので固定は容易です。プラスドライバーでも締められますが、そこまで強く締める必要はないので対角順に水冷ヘッドがグラグラ動かない程度に手でネジを締めてください。
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NZXT KRAKEN X42(X52やX62も)についての注意事項ですが、マザーボード次第で異なるCPUソケットと最左端にあるメモリスロットの距離次第で水冷トップ右のチューブエルボーとメモリが干渉してCPUクーラーを設置できない場合があります。
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公式ページではメモリのクリアランスとして高さ35mmが挙げられていますが、背の低いメモリを使用してもメモリスロットの位置次第では、エルボーの180度自由度が犠牲になりケーブルの取り回しで不便が生じる可能性があります。
メモリスロット側のネジ穴とメモリスロットの距離がおよそ15mm以上あればエルボーの回転を自由に行うことができ、大型ヒートシンクを採用するOCメモリとも組み合わせが可能になるので、事前に使用するマザーボードの寸法をチェックしてください。
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簡易水冷CPUクーラーはラジエーター設置の手間やスペース確保の問題はありますが、マザーボード上のメモリなどのコンポーネントとの干渉は大型のハイエンド空冷CPUクーラーより発生し難く、水冷トップの設置自体も基本的にツールレスで容易なのが長所だと思います。
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以上でNZXT KRAKEN X42のベンチ機へのセットアップ完了です。
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またPCケースへの組み込みイメージは次のようになっています。
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NZXT CAMのセットアップ方法と基本的な使い方

「NZXT KRAKEN X42」はNZXT製品の統合ソフトウェア「CAM」から様々な操作を行えます。
「CAM」は公式サポートページからダウンロードできます。CAMのリニューアルの関連で2019年9月現在はまだダウンロードページが日本語ローカライズされていませんが、下のリンク先から「Free Download」を選択すれば簡単にソフトウェアインストーラーのダウンロードが可能です
NZXT CAMダウンロード:https://camwebapp.com/download
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上のページからダウンロードしたインストーラーを起動すれば後は自動で最新版の「NZXT CAM」をダウンロードし、PCへインストールしてくれます。
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インストールが完了したら「CAM」を起動します。初回起動時はアカウントへのログインウィンドウが表示されますが、アカウントがない場合は小さく書かれているゲストアカウントでの使用を選択すればアカウント登録せずに使用することもできます。
「CAM」はゲストアカウントとしてアカウント登録なしでも使用できますが、NZXTのアカウントを作成する(メールアドレスとパスワードの登録のみ)か、Googleなどのアカウントで共有ログインすることで、「NZXT GRID+ V3」や「New Hシリーズ スマートデバイス」の目玉機能の1つである収音マイク等を使用した機械学習など一部の機能が解放されます。
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2019年9月現在の「NZXT CAM」は、Kraken X2シリーズ登場時の第1世代、NZXT New HシリーズPCケース登場時の第2世代を経て、第3世代というべきリニューアルが施されており、UIがよりシンプルで使いやすく、動作も軽快になっています。基本的なデザインはパステルカラーなフラットデザインが踏襲されていますが、カラーリングがメーカーカラーのホワイト&パープルのツートンカラーになっています。
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「NZXT CAM」は日本語UIに対応しています。もしも自動で日本語にならない場合は、右上の歯車アイコンから設定ページを開くと言語設定が可能です。
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「CAM」のUIカラーについては標準のホワイト&パープルに加えて、設定画面からDark Modeを選択することによってブラック&パープルに切り替えることができます。
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「CAM」はMSI AfterBurner&RivaTunerなどで有名なゲーム中のオーバーレイモニタリング機能にも対応しており、同じく設定ウィンドウの「FPS」タブで設定ができます。
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NZXT CAMのファンコントロール機能について

NZXT CAMからは今回レビューしている「NZXT KRAKEN X42」など簡易水冷CPUクーラーKRAKEN X2シリーズ、「NZXT N7 Z390」、ファンコントローラーNZXT GRID+ V3といったシステムに接続されているNZXT CAM対応機器のファン/ポンプ速度を制御できます。

NZXT KRAKEN X42については付属の冷却ファンがAer P140なのでPWM速度調整によって500から1800RPMで速度調整可能です。また水冷ポンプについては製品スペックでは1600RPMから2800RPMで速度調整可能と表記されていますが、ソフトウェア上からは60~100%の速度比で速度調整が可能で、実際の速度は2000~2800RPMで制御できました。
「NZXT KRAKEN X42」のNZXT CAMによるファン制御についてですが、PC起動直後はユーザーが任意に行った設定によらず、必ず後述の「静音モード」のプリセットによる動作となります。任意の設定をCPUクーラー側に記憶させておく機能はないようです。
「NZXT KRAKEN X42」に対して任意のファン/ポンプ制御設定を反映させるためにはWindowsが起動した後に一度NZXT CAMを起動させて常駐させておく必要があります。Windows起動後に前回の設定を反映させるためにはNZXT CAMの起動(スタートアップ登録を推奨)が必要になるので注意してください。またNZXT CAMを終了すると後述の「静音モード」のプリセットによる動作に戻ります。

NZXT CAMでNZXT KRAKEN X42のファン・ポンプを制御するには、トップメニューの「チューニング - 冷却」を選択して設定画面を開きます。
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NZXT CAMのファン制御ページを開くと、トップにマスタープロファイル(各ファン端子の制御プロファイルの組み合わせ)を選択、保存するメニュー、システムに接続されたファンの速度やシステムの温度やノイズレベルを表示するタイル、個別のファン設定が順番に表示されます。
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システムに接続されたファン制御を静音もしくはパフォーマンスのプリセットで統一したり、固定デューティ比を指定する既定のマスタープロファイル、各自で設定したカスタムのマスタープロファイルはプルダウンメニューから簡単に切り替えることができます。
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ファン毎に任意のファン制御設定を適用した場合、「名前を付けて保存」からカスタムのマスタープロファイルを作成できます。
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「NZXT KRAKEN X42」ではファンとポンプの2種類が表示されます。NZXT KRAKEN X42にファンが2基接続されていますが一括して制御することになります。
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NZXT CAMに対応した各種ファン・ポンプ端子は、「静音」と「パフォーマンス」の2つの既定プリセット、ファン速度デューティ比を指定する「固定」、任意のファンカーブを設定する「カスタム」の4つのモードで制御できます。
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ファン制御が温度に依存するファンカーブの場合、ファン制御ソースとしてCPU温度とGPU温度の2種類を選ぶことできます。簡易水冷CPUクーラーNZXT KRAKEN X2シリーズの場合は水温も加わります。
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「静音」と「パフォーマンス」の2つの既定プリセットのファンカーブ設定は次のようになっています。
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「固定」では温度に依らずファンを一定速度で回すことができます。
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「カスタム」ではソース温度に対して20度から95度までを5度刻みにして、16頂点のファンカーブを任意に設定できます。
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「NZXT KRAKEN X42」など簡易水冷CPUクーラーKRAKEN X2シリーズは設定可能な最低デューティ比が25%なので非対応ですが、「NZXT N7 Z390」やファンコントローラーNZXT GRID+ V3では、「カスタム」においてファン速度を0%にすると、ソース温度がファン速度0%に指定されている最大温度よりも低い時にファンを完全に停止させるセミファンレス機能的な使い方もできます。
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「NZXT KRAKEN X42」のポンプについてもファンと同様に、4種類の制御モードと3種類の制御ソース温度を組み合わせて速度制御ができます。
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NZXT CAMのイルミネーション制御機能について

「NZXT KRAKEN X42」や同シリーズ簡易水冷CPUクーラーの最大の特徴とも言えるインフィニティミラーのLEDイルミネーションやその設定方法について紹介します。

なお「NZXT KRAKEN X42」に対して行った任意のライティング設定はCPUクーラー側に記憶されるのでNZXT CAMの常駐やスタートアップを行わずとも適用されたままです。
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NZXT CAMで「NZXT KRAKEN X42」やHUE 2対応機器のライティング制御を行うには、トップメニューの「照明」を選択して設定画面を開きます。
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画面右上の「テーマパックを選択する」を選ぶと、テーマパックと呼ばれる既定プリセットによって、システムに接続されたLEDチャンネルを同期設定させることができます。
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テーマパックは既定の10種類に加えて、ユーザーが任意のカスタムテーマパックを作成することができます。LEDチャンネルに対して個別に設定を行い、「テーマパックを選択する」を選ぶとテーマパックの保存に関して表示されます。ユーザー作成したテーマパックは各LEDチャンネルに対して任意に設定した内容をまとめた発光パターンのカスタムプロファイル的なものになります。
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現在テーマパックを表示するサンプルイメージの下には、システムに接続されたLEDチャンネルの一覧が表示されます。「NZXT KRAKEN X42」では中央のNZXTテキストロゴ部分とインフィニティミラーのリング部分の2つのLEDチャンネルに対して個別2任意のライティング設定を適用できます。
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LEDチャンネルをクリックすると、そのチャンネルに関する発光カラーや変化スピード等の詳細設定メニューが展開されます。
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LEDチャンネルの右側にあるプルダウンメニューから、そのLEDチャンネルに適用する発光パターンが選択できます。選択可能な発光パターンは、固定発光のような一般的なものから、マーキーやスーパーレインボーのようなアドレッサブルタイプ、CPU温度やGPU温度に比例して変化、音声出力に依存など非常に豊富です。
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「NZXT KRAKEN X42」のインフィニティミラーのリングLEDは8区間に分割されており、「LED色をカスタマイズ」のスライドスイッチをONにすると、個別LEDアドレスに対して発光カラーを完全に任意の設定が行えます。中央に表示されたプレビューアイコンはリングが8分割されており、各アドレスを選択することで個別に発光カラーを設定できます。
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インフィニティミラー搭載LEDイルミネーションの様子をいくつかのプリセットで撮影してみました。








NZXT KRAKEN X42の冷却性能

本題となるNZXT KRAKEN X42の冷却性能についてチェックしていきます。
検証システムをベンチ板に置いた状態で測定を行っているためCPUクーラーが水冷・空冷によらず基本的にCPUクーラーの理想的な性能をチェックすることになります。
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比較対象として空冷クーラーの「Intel TS15A」、「Cryorig C1」、「CoolerMaster MasterLiquid Pro 120」についても同一環境で検証を行いました。
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検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間8分、WQHD解像度、60FPS、容量4.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はi7 7700Kの場合20~30分ほどです。エンコード中のファン回転数はCPUクーラー別で個別に設定した一定値に固定しています。

エンコードに用いたCPUはi7 7700K(殻割りクマメタル化済み)を使用しており、CPUダイとヒートスプレッダ間のグリスを液体金属グリスに塗り替えているので通常よりも低い温度で動作しています。
「Thermal Grizzly Conductonaut」を殻割りi7 7700Kでレビュー
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また手動でオーバークロック設定を行っています。コアクロックは4コア同時5.0GHz、キャッシュクロックは4.8GHz、コア電圧はBIOS上では1.300V固定ですがHWInfo読みで1.296~1.344Vで変動しています。


エンコード中CPU温度のCPUクーラー別比較は次のようになりました。
「NZXT KRAKEN X42」はコンパクトな140サイズラジエーターを搭載した簡易水冷クーラーですが5.0GHzに手動OCしたi7 7700Kでも900RPMという比較的低速回転な冷却ファンで十分冷やすことができています。120ラジエーターと比較して36%ほどラジエーターの面積も広いのでテスト終盤でも安定した冷却性能を発揮しています。
NZXT KRAKEN X42_temp_1
NZXT KRAKEN X42がテスト終盤だけでなくテスト序盤でも同じく簡易水冷のMasterLiquid Proより温度が低いところは意外でした。終盤はラジエーターサイズの影響で水温にも差が出てくるためそうなると予想はしていたのですが、水温におそらく差のない序盤でも温度差があるということは、ベース部分のヒートスプレッダからの熱移動の効率が「NZXT KRAKEN X42」のほうが優れているのかもしれません。
(アイドル時の水温にも差がある、ベース部分とヒートスプレッダの凹凸の相性などその他の可能性もあります。)

またNZXT KRAKEN X42では専用アプリ「CAM」によるポンプ回転数の操作にも対応しているので、ファン速度やポンプ速度の冷却性能への影響についても同様の方法で検証しました。
ポンプ速度の最大100%と最小60%で比較してみましたが、最大値比較で3度、平均値比較で2度の差となっており静音を重視するならポンプ速度は最低に落としても問題なさそうです。
NZXT KRAKEN X42_temp_2

ベンチ機1の検証環境で同様のCPUクーラー冷却性能テストを行った比較結果のまとめが次のようになっています。下に行くほど冷却性能が高く、平均温度と最大温度の和で順位付けを行っています。なおファン回転数によって順位は変わりうるのでその点は注意してください。
NZXT KRAKEN X42_temp_4



サウンドレベルメーター(騒音計)を使用してファンノイズをCPUクーラー別で比較しました。騒音計の収音部分とノイズ発生部分との距離が15cm程度になる位置で測定を行っています。簡易水冷の場合はラジエーターとポンプ両方からの距離が15cm程度になるように設置しています。
NZXT KRAKEN X42 review_04998
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。

サウンドレベルメーターによる騒音値の比較結果は次のようになりました。
NZXT KRAKEN X42はファン回転数900RPMであれば騒音値も36dB程度となり電源OFF時と大差ない騒音値でほぼ無音で動作させることができます。1100RPMで40dBとなりノイズがはっきりと聞こえるようになります。
NZXT KRAKEN X42_noise


PCケースに組み込んだ場合についてベンチ機2を使用して、上のエンコード3周をストレステストとして実働環境における冷却性能をチェックしました補足で詳しく説明していますが、簡易水冷CPUクーラーで性能をフルに発揮させたい場合は吸気構成が基本です。(テスト時はサイドパネルを閉じています。)
NZXT KRAKEN X42 review_04996
エンコード1週で20分ほどなので3周させて1時間の負荷テストを行っています。冷却ファンについてはテスト中900RPMに固定していましたが、CPU温度は最大64度となり、i7 7700Kの5.0GHz OCでも安定した動作を実現できています。
NZXT KRAKEN X42_temp_3

120サイズや140サイズのコンパクトなラジエーターを積んだ簡易水冷CPUクーラーは空冷よりも冷えないと言われがちですが、実際は排気で使っていて性能を発揮できていないパターンも少なくありません。
NZXT KRAKEN X42も吸気構成で理想的な動作状態を確保して適切に運用すれば、マニュアルで5.0GHzにOCしたi7 7700Kが安定動作可能な冷却性能があります。
NZXT KRAKEN X42 review_04995




NZXT KRAKEN X42のレビューまとめ

最後にインフィニティミラー搭載簡易水冷CPUクーラー「NZXT KRAKEN X42」の実機サンプルを検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • インフィニティミラーのLEDイルミネーションが綺麗
  • 設定可能な発光パターンが”無限”と言っても過言ではないほど豊富
  • 水冷チューブはスリーブ付きで丈夫。曲げやすく潰れにくい。細いので取り回しに優れている
  • 5GHzに手動OCしたi7 7700Kを運用可能な冷却性能
  • バックプレートを単独でマザーボードに固定可能
  • 水冷ブロックの固定はハンドスクリューナットでツールレス固定可能
  • 付属の冷却ファン「Aer P」は低速回転時も軸音が小さく高品質 (単品で買いたい)
  • 専用アプリ「CAM」から水温のモニタリングやポンプスピードのコントロールが可能
  • 水温ソースのファン・ポンプコントロールに対応
悪いところor注意点
  • ファン・ラジエーターの固定ネジが国内で入手の容易なM3やM4ではなくUNC No.6-32
  • ラジエーターのデザインにも拘って欲しい
  • LEDイルミネーションは独自規格だけでなく各社M/Bの対応している汎用4PINにも対応して欲しい
  • LEDイルミネーション操作周りで専用アプリにバグがいくつかある

冷却性能の検証結果からもわかるように「NZXT KRAKEN X42」はメインストリームのCPUであれば最上位のi7 7700Kの5.0GHz OCでも静音性を保ったままで十分に冷却できる性能があります。140サイズとコンパクトなラジエーターを採用していますがメインストリームのCPUに使用するなら十分なサイズだと思います。140サイズはPCケースのリアファンマウントに設置できて取り回しに優れているので管理人的には一押しのサイズです。もちろんPCケーストップやフロントにスペースの余裕があるなら、より低速回転の冷却ファンで運用可能な240サイズ「NZXT KRAKEN X52」や280サイズ「NZXT KRAKEN X62」のモデルでもいいと思います。

水温センサーを内蔵しており、水温ソースのファン・ポンプコントロールが可能なところも競合する簡易水冷製品と比較した時の「NZXT KRAKEN X42」のアピールポイントです。専用アプリ「CAM」による一括管理が売りなので仕方ないところなのですが、最近のマザーボードは簡易水冷クーラーのポンプに対応したファン端子を搭載しているものも増えてきているのでSATA電源ではなく4PIN ファン端子で電源を取れる方が個人的には好みでした。

マウントパーツが個別にマザーボードに固定可能、マウントパーツを設置したままでもCPUクーラーを交換可能なところは管理人的にポイントが高いです。前者は特にマザーボードをPCケースに組み込み後のCPUクーラー設置で、バックプレートを裏から支える必要がないので全ての簡易水冷CPUクーラーで採用して欲しい構造です。

「NZXT KRAKEN X42」や同シリーズ最大の魅力は水冷トップに設置されたインフィニティミラー、日本語で言うところの”合わせ鏡構造”を利用したLEDイルミネーションだと思います。リングLEDが合わせ鏡の中で無限に(実際に視認できるのは7~8個ですが)連なっていく様子は工業製品ながら非常に神秘的です。リングLEDもただ明滅するのではなく円周LEDが8分割されており回転の演出など発光パターンのカスタマイズが幅広いのも魅力的です。

CPUクーラーとしての性能も申し分なく、インフィニティミラー構造を採用したLEDイルミネーションは現行の簡易水冷CPUクーラーの中で最も美しいデザインと言っても過言ではないので、「NZXT KRAKEN X42」はおすすめのCPUクーラーです。

以上、「NZXT KRAKEN X42」のレビューでした。
NZXT KRAKEN X42 review_04987





補足:空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて

「空冷クーラー」と「水冷クーラー」の2種類ついて同じところと違うところ、また原理的に考えた冷却性能の比較を簡単に補足しておきます。




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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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