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GeForce RTX 2070グラフィックボードのオリジナルファンモデルとしてPalitからリリースされた2スロット占有2連ファンGPUクーラーを搭載する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC(型番:NE62070U20P2-1060A)」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。NVIDIA Turing世代のミドルハイクラスにして、ハイコストパフォーマンスとされてきた70番台の最新GPU「GeForce RTX 2070」が、前世代最上位のGTX 1080 Tiや前世代上位クラスのGTX 1080に対して、どの程度の性能が発揮できるのか実ゲームベンチマークで徹底比較します。
製品公式ページ:https://www.palit.com/palit/vgapro.php?id=2992&lang=jp
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC レビュー目次
1.Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの外観
2.Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの分解
3.Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの検証機材セットアップ
4.Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのゲーム性能
5.Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの温度・消費電力
6.Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのレビューまとめ
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの外観
早速、Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCを開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止ビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」のGPUクーラーの外装はプラスチック製ですが、中央には赤色とシルバーのヘアラインアルミニウム製プレートがV字型に装着されています。
グラフィックボード側面の赤色プレート中央にある白いプラスチックのラインにはLEDイルミネーションが内蔵されています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCは、RTX 2070のリファレンスモデルともいえるFounders Editionの全長228mmよりも長い全長292mmとなっています。Founders Editionが短尺なので長く感じますが、RTX 2070グラフィックボードとしては標準的な長さです。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCは全長こそ長いものの基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」のGPUクーラーには90mm径の冷却ファンが2基搭載されています。
RTX 2070のオリファンモデルは3スロット占有クーラーを採用しているモデルも少なくありませんが、「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」は2スロット占有です。
GTX 10XXシリーズの上位モデルからVRM電源部分の発熱が話題になることも多いですが、Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCではヒートシンク本体にサーマルパッド経由でPCB基板が直接接触しており、加えてバックプレートとPCB基板の間にもサーマルパッドが貼られています。理想的なVRM電源部分の冷却構造が採用されています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCはリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルですが、補助電源数はリファレンスよりも増量された8PIN+6PINとなっています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3、USB Type-Cの5基が実装されています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのPCB基板背面はバックプレート非搭載で基板が剥き出しの状態になっています。
なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 2080 GamingPro OCが956g、GIGABYTE GeForce RTX 2080 GAMING OC 8Gが985gに対して、Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCは817gとなっており、ミドルハイクラスのグラフィックボードとしては標準的な重さです。
800g程度で比較的軽量ですがバックプレート等で基板の反りは防止されていないので、PCI-Eスロットへの負荷や基板の反り防止を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの分解
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCを分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回はレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所とVRM電源付近3か所のネジ7つで固定されていました。
7か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCにはRTX 2080のリファレンスボードが流用されているようです。保証対象外にはなりますが、EKWBやBitspowerのRTX 2080リファレンスボード用水冷ブロックで水冷化ができそうです。
RTX 2070のGPUコアにはファクトリーOCが施されたモデルなのでTU106-400A-A1が使用されていました。GDDR6メモリはMicron、Samsung、SK Hynixなどがすでに量産を行っていますが、今回入手した「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」にはMicron製の8GbのGDDR6メモリチップが搭載されています。
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」はRTX 2080リファレンス基板が流用されているのでVRM電源フェーズ数は10(8+2)フェーズでした。
GPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは5本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが2スロットスペース内いっぱいに展開されています。
GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用されています。またGPUコア周辺のVRAMチップはヒートシンクにろう付けされたアルミニウムプレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却する構造です。
VRM電源についてはMOS-FETやインダクタがサーマルパッドを挟んで直接にGPUクーラーヒートシンク本体と接する構造になっているのでVRM電源の冷却も問題なさそうです。
2スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミ製放熱フィンが収められています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Core i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Intel TS15A (レビュー) |
Noctua NH-U12S Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
ストレージ |
【システム】 Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) 【ゲームデータ】 SanDisk SSD Ultra 3D SATA SSD SDSSDH3-2T00-J25 (レビュー) |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」のGPUクーラー側面にはRGB LEDイルミネーションが内蔵されており、標準ではグリーンに発光します。
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」はRTX2070リファレンスモデルのブーストクロック1620MHzに対してブーストクロック1725MHzにオーバークロックされ、パワーリミット(TDP)も175Wから185Wへと引き上げられています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのゲーム性能
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「Palit GeForce RTX 2080 GamingPro OC」、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GeForce GTX 1080 SC2 Gaming iCX」、「Radeon RX Vega 64 Limited Edition」、「EVGA GeForce GTX 1070 SC ACX3.0」を使用しています。「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 2070 Palit GamingPro OC |
23242 | 11068 | 5459 |
RTX 2080 Palit GamingPro OC |
27024 | 12442 | 6214 |
GTX 1080 Ti FE |
28250 | 13692 | 6740 |
GTX 1080 11Gbps | 22936 | 10967 | 5395 |
RX Vega 64(B1, BL) | 23280 | 10831 | 5458 |
GTX 1070 | 17904 | 8481 | 4236 |
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RTX 2070 Palit GamingPro OC |
9033 | 8424 | 4244 |
RTX 2080 Palit GamingPro OC |
10815 | 10089 | 4988 |
GTX 1080 Ti FE | 9527 |
8875 | 4432 |
GTX 1080 11Gbps | 7724 | 7362 | 3519 |
RX Vega 64(B1, BL) | 7284 |
6838 | 3470 |
GTX 1070 | 5932 |
5693 | 2754 |
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 2070 Palit GamingPro OC |
11531 | 9166 | 2885 |
RTX 2080 Palit GamingPro OC |
11588 | 11108 | 3551 |
GTX 1080 Ti FE | 11555 | 8386 | 2969 |
GTX 1080 11Gbps | 11235 | 6868 | 2344 |
RX Vega 64(B1, BL) | 10642 | 8198 | 2210 |
GTX 1070 |
9781 | 5374 | 1799 |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、4K(3840*2160)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、Destiny2(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(最高設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny2(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher3(最高設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC、GeForce RTX 2080、GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition、GeForce GTX 1080 11Gbps OC、Radeon RX Vega 64 Limited Edition、GeForce GTX 1070の6種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCは前世代同クラスのGTX 1070よりも40%近く高速という結果になりました。
今回比較に用いたGTX 1080はVRAM 11GbpsのOCモデルなので性能差が若干小さくなっていますが、RTX 2070はGTX 1080よりも平均で10%程度高いパフォーマンスを発揮し、ゲームタイトルによってベストケースでは20%近く上回ります。前世代最上位のGTX 1080 Tiには及びませんでしたが、RTX 2070は18年以降にリリースされる最新高画質PCゲームのフルHD解像度やWQHD解像度のゲーミングに対応可能なグラフィック性能を実現しています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの温度・消費電力
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステストを使用しています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのテスト終盤におけるGPU温度は最大64度に収まっていますが、ファン回転数は最大1900RPM程度と比較的高い数値になりました。RTX 2070はGTX 1080と同程度の消費電力なのでGPU温度も低めですし、静音性よりも冷却重視なファン制御になっているようです。
GPUコアクロックについてはPalit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの仕様値ではブースト1725MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1878MHzとなりました。
またベンチ機2のPCケースに「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」を組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しており、ケースファンにはNZXT製のエアフロー重視でPCケースの吸気・排気ファンに最適なケースファン「NZXT Aer F 140」をPCケースのフロントに吸気ファンとして2基、リアに排気ファンとして1基設置してファン回転数1000RPM固定で運用しています。
PCケースに入れて長時間負荷をかけてみるとGPU温度は最大69度で、コアロックの平均値は1845MHzでした。内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mmファンを設置していますが、バラック状態よりもファン回転数が高くなり、「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」のファン回転数は2200RPMに達しました。GPUクーラーのファン回転数は2200RPM程度まで上がるのでPCケースに組み込んだことを加味してもファンノイズはそこそこ聞こえてきます。
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」はスタートから99%以上の性能を維持しており良好な結果です。
1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
前世代GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちですが、RTX 2070搭載グラフィックボードの「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」では最も熱い部分で70度前後に収まっており、安心して運用できる温度です。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのファンノイズは1900RPMという比較的高いファン回転数からも予想できるように、ノイズレベルが44.6dB程度になりました。2スロット占有GPUクーラーであることを考えれば妥当な結果だと思います。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた入力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。右下スクリーンショットのように、この状態でCPUに負荷をかけても測定値が変動しないのでCPUによる消費電力の変動は基本的に含まれないと考えて大丈夫です。
測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としたところ、測定結果は次のようになりました。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCの消費電力は223W、最大瞬間負荷は283Wでした。Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OCのTDP(パワーターゲット)はファクトリーOCによって185Wに設定されており、TDP180W設定のGTX 1080 11Gbps OCとの差が10W前後なので概ね仕様値通りの消費電力になっていると思います。NVIDIAの70番のGPUはGTX 970とGTX 1070ともにTDP150Wだったので、これまでの傾向から考えると消費電力の大幅増と言えますが、RTX 2070がグラフィック性能で若干上回るGTX 1080と同程度であることを考えるとさほど悪くない結果にも見えるので評価が難しいところです。
Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC レビューまとめ
最後に「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC(型番:NE62070U20P2-1060A)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHDやWQHDの高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- 前世代上位クラスのGTX 1080を10~20%程度上回るグラフィック性能
- PCIEブラケットと同じ高さの基板&クーラー
- 税込み7.5万円ほどとRTX 2070グラフィックボードの中では安価
- GPUクーラーが冷却重視なファン制御なのでファンノイズは若干大きい
RTX 2070は前世代同クラスのGTX 1070を平均で30%以上、ベストケースでは最大50%近く上回り、前世代上位クラスのGTX 1080に対しても10~20%程度上回るグラフィック性能となりました。GTX 1070の前世代からの飛躍が記憶に新しいためRTX 2070のそれはやや霞む感じがあることは否めませんが、最新PCゲームをフルHD・最高画質やWQHD・高画質でプレイするための次世代ミドルハイクラスGPUとしては良好なパフォーマンスを実現していると評価できると思います。
RTX 2070に関して最も不安視されていたのは価格面ですが、9万円を超える高級モデルは存在するものの、ロンチ直後において7万円前半からのモデルもリリースされているので、今後の値下がりで6万円台の製品が出てくることも期待できそうですし、コストパフォーマンス面では及第点だと思います。
RTX20XXシリーズの目玉機能であるレイトレーシングやDLSSに対応したゲームタイトルが18年10月現在において未だ存在しないというのはネックではあるものの、GTX 1080を平均で10%程度、ベストケースでは最大20%上回るグラフィック性能は備わっているので、販売価格が税込み7万円台であれば9XX世代より前のグラフィックボードからの買い替えやPCゲーム入門に奮発して購入する新規参入層に向けて、RTX 2070は今後の主力製品として通用するのではないかと思います。
「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」については18年現在ミドルハイクラスではスタンダードな2スロット占有GPUクーラーを搭載したRTX 2070グラフィックボードなので、前世代GTX 10XXシリーズやそれより前の世代からの換装であってもPCケース内スペース的に干渉が発生しにくいところは魅力です。
一方で低めなGPU温度に対してファン回転数が高めという冷却重視なファン制御チューニングもあって、「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」は3スロットを占有するような大型GPUクーラー搭載モデルには静音性では劣るので、このあたりはトレードオフになると思います。
GTX 1080を平均で10%程度、ベストケースでは最大20%上回るグラフィック性能に対して、税込み7.5万円という価格はハイコスパとまでは評価し難いもののRTX 20XXシリーズのなかでは妥当なコストパフォーマンスを実現しているので、今後対応するであろう新機能への期待値も込めて、「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」は購入をおすすめできるRTX 2070グラフィックボードだと思います。
以上、「Palit GeForce RTX 2070 GamingPro OC」のレビューでした。
・RTX 2070 販売ページ:
<Amazon><PCショップアーク><パソコン工房>
<TSUKUMO><ドスパラ><PCワンズ><ソフマップ>
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