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GeForce RTX 2070グラフィックボードのオリジナルファンモデルとしてZOTAC GAMINGからリリースされた、3スロット占有3連ファンGPUクーラーを搭載し、コアクロックだけでなくメモリクロックもファクトリーOCが施された高選別OCチューニングモデル「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme(型番:ZT-T20700B-10P)」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。NVIDIA Turing世代のミドルハイクラスにして、ハイコストパフォーマンスとされてきた70番台の最新GPU「GeForce RTX 2070」が前世代最上位のGTX 1080 Tiや前世代上位クラスのGTX 1080に対してどの程度の性能が発揮できるのか実ゲームベンチマークで徹底比較します。
製品公式ページ:https://www.zotac.com/product/graphics_card/zotac-gaming-geforce-rtx-2070-amp-extreme
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme
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ZOTAC
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ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme レビュー目次
1.ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの外観
2.ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの検証機材セットアップ
3.ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeのゲーム性能
4.ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの温度・消費電力
5.ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeのレビューまとめ
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの外観
早速、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeを開封していきます。キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、スポンジスペーサー&静電防止エアパッキン袋という一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。
付属品はクイックマニュアルとPCIE6PIN*2→PCIE8PIN変換ケーブルと4PINペリフェラル*2→PCIE6PIN変換ケーブルです。
梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」のGPUクーラーの外装はプラスチック製ですが、スチールのようなマットなブラック塗装が施されており安っぽさは感じない外観です。ファンの中央にはシルバーカラーでZOTAC GAMINGロゴマークが描かれています。
グラフィックボード側面のグレーカラーのプレートにはZOTAC GAMINGのメーカーロゴがあり、専用アプリケーションの「FireStorm」でライティング制御が可能なLEDイルミネーションが内蔵されています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeは、RTX 2070のリファレンスモデルともいえるFounders Editionの全長228mmよりも大幅に長い全長308mmとなっています。近年主流なオープンスペースタイプのPCケースなら干渉の心配はありませんが、PCケースフロントにストレージベイがある少し古めのPCケースではグラフィックボード設置スペースのクリアランスに注意が必要です。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeは全長こそ長いものの基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」の3連ファンGPUクーラーには90mm径の冷却ファンが3基設置されています。3基のファンは「左&中央」と「右」の2つに分けて、専用アプリケーションの「FireStorm」で個別に速度制御が可能です。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」は冷却性能を上げるため、従来のAMP EXTREMEシリーズ同様に、大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、PCIEスロットを3スロット占有します。
GTX 10XXシリーズの上位モデルからVRM電源部分の発熱が話題になることも多いですが、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」ではGPUクーラーヒートシンク本体が冷やすのはGPUコアとVRAMとなっており、VRM電源は「Die-cast Metal Jacket Cover(ダイキャストメタルジャケットカバー)」と呼ばれる専用の金属製フレームによって冷やす構造になっています。GTX 10XXシリーズではフレームタイプのVRM電源クーラーはあまり冷えなかった印象があったので、この辺りについては後ほど詳しく検証したいです。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeはリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルですが、補助電源数はリファレンスよりも増量された8PIN+6PINとなっています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP ExtremeについてはPCI-E端子と各種ビデオ出力には黒色の保護カバーが装着されています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3、USB Type-Cの5基が実装されています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeには黒色塗装にメーカーロゴが刻印された金属製バックプレートが装着されています。基板との間にサーマルパッドは貼られていないので冷却補助の役割は果たしておらず、純粋に基板の反りや破損を防止する保護プレートとなっています。
AMP Extremeシリーズの代名詞ともいえるバックプレートの反り返し構造は、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeにも採用されていました。
なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 2070 GamingPro OCが817g、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMPが1180gに対して、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeは1145gとなっており、ハイエンドグラフィックボード並みの大重量です。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量は1kgを超えているのでPCI-Eスロットへの負荷や基板の反り防止を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Core i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Intel TS15A (レビュー) |
Noctua NH-U12S Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
ストレージ |
【システム】 Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) 【ゲームデータ】 SanDisk SSD Ultra 3D SATA SSD SDSSDH3-2T00-J25 (レビュー) |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」のGPUクーラー側面のZOTAC GAMINGロゴにはRGB LEDイルミネーションが内蔵されており、標準では七色に変化して発光します。発光カラーや発光パターンは専用アプリケーション「FireStorm」で設定が可能です。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」のGPUクーラーは3スロット占有なので、ASRock Z270 SuperCarrierのプライマリグラフィックボード用1段目PCIEスロットにグラフィックボードを設置すると、3スロット目に位置するx16スロットは使用不可能になっています。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」はRTX2070リファレンスモデルのブーストクロック1620MHzに対してブーストクロック1860MHzに、メモリクロックも定格の14.0Gbpsから14.4Gbpsへとオーバークロックされ、パワーリミット(TDP)も175Wから225Wへと大幅に引き上げられています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeのゲーム性能
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2080 Founders Edition」、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GeForce GTX 1080 SC2 Gaming iCX」、「Radeon RX Vega 64 Limited Edition」、「EVGA GeForce GTX 1070 SC ACX3.0」を使用しています。「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 2070 ZOTAC AMP EX |
23945 | 11477 | 5671 |
RTX 2080 FE |
27024 | 12442 | 6214 |
GTX 1080 Ti FE |
28250 | 13692 | 6740 |
GTX 1080 11Gbps | 22936 | 10967 | 5395 |
RX Vega 64(B1, BL) | 23280 | 10831 | 5458 |
GTX 1070 | 17904 | 8481 | 4236 |
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RTX 2070 ZOTAC AMP EX |
9483 | 8760 | 4450 |
RTX 2080 FE | 10815 | 10089 | 4988 |
GTX 1080 Ti FE | 9527 |
8875 | 4432 |
GTX 1080 11Gbps | 7724 | 7362 | 3519 |
RX Vega 64(B1, BL) | 7284 |
6838 | 3470 |
GTX 1070 | 5932 |
5693 | 2754 |
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 2070 ZOTAC AMP EX |
11546 | 9663 | 3051 |
RTX 2080 FE | 11588 | 11108 | 3551 |
GTX 1080 Ti FE | 11555 | 8386 | 2969 |
GTX 1080 11Gbps | 11235 | 6868 | 2344 |
RX Vega 64(B1, BL) | 10642 | 8198 | 2210 |
GTX 1070 |
9781 | 5374 | 1799 |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、4K(3840*2160)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、Destiny2(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(最高設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny2(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher3(最高設定)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット)に関する「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme、GeForce RTX 2080 Founders Edition、GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition、GeForce GTX 1080 11Gbps OC、Radeon RX Vega 64 Limited Edition、GeForce GTX 1070の6種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeは前世代同クラスのGTX 1070よりも40%以上も高速という結果になりました。
今回比較に用いたGTX 1080はVRAM 11GbpsのOCモデルなので性能差が若干小さくなっていますが、RTX 2070はGTX 1080よりも平均で10%程度高いパフォーマンスを発揮し、ゲームタイトルによってベストケースでは20%近く上回ります。前世代最上位のGTX 1080 Tiには及びませんでしたが、RTX 2070は18年以降にリリースされる最新高画質PCゲームのフルHD解像度やWQHD解像度のゲーミングに対応可能なグラフィック性能を実現しています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの温度・消費電力
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステストを使用しています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeのテスト終盤におけるGPU温度は最大62度に収まっています。ファン回転数は左&中央と右で個別制御となっており、左&中央が最大1600RPM、右が1000RPM程度と標準的な数値です。RTX 2070はGTX 1080と同程度の消費電力ですが、3スロット占有大型GPUクーラーの「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」は楽々と冷やせています。
GPUコアクロックについてはZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの仕様値ではブースト1860MHzでしたが、負荷テスト中の実動平均は1965MHzとなっており、パワーリミットも225Wにデフォルトで引き上げられているのでコアクロックの変動も小さく、最大値で張り付いています。
またベンチ機2のPCケースに「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」を組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しており、ケースファンにはNZXT製のエアフロー重視でPCケースの吸気・排気ファンに最適なケースファン「NZXT Aer F 140」をPCケースのフロントに吸気ファンとして2基、リアに排気ファンとして1基設置してファン回転数1000RPM固定で運用しています。
PCケースに入れて長時間負荷をかけてみるとGPU温度は最大69度で、コアロックの平均値は1943MHzでした。内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mmファンを設置していますが、バラック状態よりもファン回転数が高くなり、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」のファン回転数は2000RPM/1700RPMに達しました。
また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。長時間の負荷において「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」はスタートから99%以上の性能を維持しています。
1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
前世代GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちですが、RTX 2070搭載グラフィックボードの「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」では最も熱い部分で80度以下に収まっており、安心して運用できる温度です。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeのファンノイズは1600RPMというファン回転数の通り、ノイズレベルが43.3dB程度で標準的な結果です。右側ファンのファン回転数も上げて1300RPMから1400RPM程度で揃えて動作させれば静音性を高められて気もします。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた入力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。右下スクリーンショットのように、この状態でCPUに負荷をかけても測定値が変動しないのでCPUによる消費電力の変動は基本的に含まれないと考えて大丈夫です。
測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としたところ、測定結果は次のようになりました。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extremeの消費電力は255W、最大瞬間負荷は313Wでした。ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP ExtremeのTDP(パワーターゲット)はファクトリーOCによって225Wに設定されており、同じく標準でTDP225W設定のRTX 2080 FEに近い消費電力となっています。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」はRTX 2070に大幅なファクトリーOCを施したモデルなので消費電力が大きくなっていますが、RTX 2070について一般には次のような評価となります。
NVIDIAの70番のGPUはGTX 970とGTX 1070ともにTDP150Wだったので、これまでの傾向から考えると消費電力の大幅増と言えますが、RTX 2070がグラフィック性能で若干上回るGTX 1080と同程度であることを考えるとさほど悪くない結果にも見えるので評価が難しいところです。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme レビューまとめ
最後に「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme(型番:ZT-T20700B-10P)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHDやWQHDの高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- 前世代上位クラスのGTX 1080を15~25%程度上回るグラフィック性能
- コアクロックだけでなくメモリクロックもOCが施された高OCチューニングモデル
- 大幅なファクトリーOCが施されたRTX 2070を余裕をもって冷やせる優秀なGPUクーラー
- 3基のファンは左&中央と右の2分割で個別に制御可能
- PCIEブラケットと同じ高さの基板&クーラー
- 販売価格が税込み10万円とRTX 2070としては高価(18年10月)
- GPUクーラーのファン制御設定が冷却重視で若干大きめ
RTX 2070は前世代同クラスのGTX 1070を平均で30%以上、ベストケースでは最大50%近く上回り、前世代上位クラスのGTX 1080に対しても10~20%程度上回るグラフィック性能となりました。GTX 1070の前世代からの飛躍が記憶に新しいためRTX 2070のそれはやや霞む感じがあることは否めませんが、最新PCゲームをフルHD・最高画質やWQHD・高画質でプレイするための次世代ミドルハイクラスGPUとしては良好なパフォーマンスを実現していると評価できると思います。
RTX 2070に関して最も不安視されていたのは価格面ですが、9万円を超える高級モデルは存在するものの、ロンチ直後において7万円前半からのモデルもリリースされているので、今後の値下がりで6万円台の製品が出てくることも期待できそうですし、コストパフォーマンス面では及第点だと思います。
RTX20XXシリーズの目玉機能であるレイトレーシングやDLSSに対応したゲームタイトルが18年10月現在において未だ存在しないというのはネックではあるものの、GTX 1080を平均で10%程度、ベストケースでは最大20%上回るグラフィック性能は備わっているので、販売価格が税込み7万円台であれば9XX世代より前のグラフィックボードからの買い替えやPCゲーム入門に奮発して購入する新規参入層に向けて、RTX 2070は今後の主力製品として通用するのではないかと思います。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」については3世代続く”AMP Extreme”シリーズの最新作ですが、従来通りコアクロックの大幅な引き上げだけでなく、メモリクロックにも手が加えられた高OCチューニングモデルとなっており、全長300mmオーバーかつ3スロット占有の超大型GPUクーラーの冷却性能も相まってRTX 2070を搭載するグラフィックボードで最速を狙える製品に仕上がっています。
標準ではファン回転数が1600RPM程度に達してファンノイズがそこそこ大きいですが、GPUクーラーの冷却性能が低いわけでは決してないので静音性重視で運用したい場合はFireStormやAfterBurnerを使ってGPU温度が70度前後に収まるようにファン制御をマニュアル設定するのがおすすめです。
ただし7万円台なら”買い”と言えるRTX 2070にあって「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」は18年10月現在、販売価格が10万円と非常に高価であることはネックです。この種の高OCチューニングモデルはコスパ度外視な傾向が強いといえばその通りで、予算に問題なければ購入して満足できる製品ですが、やはりお勧めしにくいモデルであるというも正直な感想です。
ミドルクラスの高OCモデルということで製品価格もあって辛口な評価にはなりましたが、ZOTACのOCチューニング品質や製品開発能力は確認できたので、最上位GPUであるRTX 2080 TiのAMP Extremeには期待したいです。
以上、「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2070 AMP Extreme」のレビューでした。
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