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GeForce RTX 2070グラフィックボードのオリジナルファンモデルとしてPalitからリリースされた3スロット占有2連ファンGPUクーラーを搭載し、大幅なファクトリーOCが施された高OCチューニングモデル「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium(型番:NE62070H20P2-1061G)」のサンプル機をメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。
NVIDIA Turing世代のミドルハイクラスにして、ハイコストパフォーマンスとされてきた70番台の最新GPU「GeForce RTX 2070」が、前世代最上位のGTX 1080 Tiや前世代上位クラスのGTX 1080に対して、どの程度の性能が発揮できるのか実ゲームベンチマークで徹底比較します。

製品公式ページ:https://www.palit.com/palit/vgapro.php?id=3083&lang=jp&pn=NE62070H20P2-1061G&tab=ov

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium レビュー目次
1.Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの外観
2.Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの分解
3.Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの検証機材セットアップ
4.Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumのゲーム性能
5.Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの温度・消費電力
6.Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumのレビューまとめ
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの外観
早速、Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumを開封していきます。
キャラメルボックス型の外スリーブから取り出した黒色段ボールの内パッケージを開くと、マニュアルやドライバCDが置かれたスポンジ蓋があってその下に、スポンジスペーサー&静電防止ビニールという一般的な梱包でグラフィックボード本体が鎮座していました。

梱包や付属品のチェックは簡単に済ませて、「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のグラフィックボード本体を見ていきます。

「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPUクーラーの外装の大部分は黒色プラスチック製ですが、スチールのような表面処理かつ、外周部にはサンドブラスト表面処理のガンメタルカラー金属プレートが装着されているので、安っぽさは感じず、非常に重厚感のある外観です。
GTX10シリーズのGameRockはホワイト&ブルーのツートンカラーで微妙にダサいと話題に上ることもありましたが、RTX20シリーズのGameRockはPalitらしからぬ?万人受けしやすいカッコいいデザインです。

グラフィックボード側面の中央には”GameRock”のモデルネームが刻印されています。2つのファンの中間にあるY字部分にはLEDイルミネーションが内蔵されています。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumは、RTX 2070のリファレンスモデルともいえるFounders Editionの全長228mmよりも大幅に長い全長292mmとなっています。Founders Editionが短尺なので長く感じますが、RTX 2070グラフィックボードとしては標準的な長さです。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumは基板とGPUクーラーがPCIブラケットから20mmほどはみ出しているのでPCケースとの干渉は十分に注意してください。PCケースとの干渉ではグラフィックボードの背の高さは長さに比べて見落としやすいポイントです。


「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPUクーラーには100mm径の大型冷却ファンが2基搭載されています。

「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」に搭載される冷却ファンには、ジェットエンジンから着想を得た先進のファンブレード設計によって高い風量と静圧を実現する「ターボファンブレード 2.0」や、ハブの小型化によりファンブレード有効面積を10%増加し、一般的な4極モーターより30%スムーズな回転により高耐久・低騒音を実現した6極モーターが採用されています。


「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」は冷却性能を上げるため、大型放熱フィンを採用したヒートシンクが搭載されており、PCIEスロットを3スロット占有します。


GTX 10XXシリーズの上位モデルからVRM電源部分の発熱が話題になることも多いですが、Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumではヒートシンク本体にサーマルパッド経由でPCB基板が直接接触しており、加えてバックプレートとPCB基板の間にもサーマルパッドが貼られています。このようにPalit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumには理想的なVRM電源部分の冷却構造が採用されています。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumはリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルですが、補助電源数はリファレンスよりも増量された8PIN+6PINとなっています。

補助電源端子の設置については、PCIブラケットよりも背の高い基板の他社製品の中には補助電源の端子およびケーブルとPCケースとの干渉を回避するため、補助電源端子部分だけ基板を引っ込ませる構造を採用しているものもあり、「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」でも採用して欲しいです。


Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×3、USB Type-Cの5基が実装されています。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock PremiumのPCB基板背面には独自のオリジナルプリントが施されたヘアライン処理アルミニウム製のバックプレートが搭載されています。バックプレートはグラフィックボード基板の反りを防ぐだけでなく、VRM電源やVRAMチップともサーマルパッド経由で接しており放熱板としての役割も果たしています。
「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPUクーラー本体はカッコよく生まれ変わりましたが、バックプレートのオリジナルイラストは依然として自己主張が強いのでこの部分は人を選びそうです。

なおグラフィックボードの重量はPalit GeForce RTX 2070 GamingPro OCが817g、Palit GeForce RTX 2080 GamingPro OCが956gに対して、Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumは1323gとなっており、3スロット占有GPUクーラーを搭載した高OCチューニングモデルだけあってかなりの大重量です。



バックプレート等で基板の反りは防止されているものの、「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」の重量は1kgを大幅に超過するので、PCI-Eスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの分解
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumを分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なお今回はレビュー用サンプル貸出先の協力のもと特別に許可を頂いて分解を行っております。GPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
Palit GeForce RTX 2070 GameRock PremiumのGPUクーラーは基板裏面のコア周辺4カ所とVRM電源付近4か所のネジ8つで固定されていました。

8か所のネジを外すとGPUクーラーは容易に取り外しができます。「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」にはPalitが独自に設計したオリジナル基板が採用されています。

RTX 2070のGPUコアにはファクトリーOCが施されたモデルなのでTU106-400A-A1が使用されていました。GDDR6メモリはMicron、Samsung、SK Hynixなどがすでに量産を行っていますが、今回入手した「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」にはMicron製の8GbのGDDR6メモリチップが搭載されています。

「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のVRM電源フェーズ数は10(8+2)フェーズでした。

バックプレートについてはRTX 2080やRTX 2080 Tiの他社製上位モデルでも単純な補強や装飾目的で、冷却に寄与していないものも少なくありませんでしたが、「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」ではVRAMチップやVRM電源の裏にサーマルパッドが貼られており、放熱版としての役割も果たしています。基板と接触してショートするのを防止するため絶縁シートで保護されていますが、サーマルパッドの部分は切り抜きを入れて欲しかったところ。

「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPUクーラー本体をチェックすると、GPUコアと接する部分は銅製ベースプレートが採用され、ベースコアからは5本の銅製ヒートパイプが伸び、アルミニウム製放熱フィンが3スロットスペース内いっぱいに展開されています。

GPUコアと接する部分には冷却性能の高さで定評のある銅製ベースプレートが採用されています。またGPUコア周辺のVRAMチップはヒートシンクにろう付けされた金属製プレートとサーマルパッドを介してヒートシンク本体で直接冷却する構造です。

GPUダイを冷却する銅製ベースプレートからは6mm径の銅製ヒートパイプが5本伸びています。

VRM電源についてはMOS-FETやインダクタがサーマルパッドを挟んで直接にGPUクーラーヒートシンク本体と接する構造になっているのでVRM電源の冷却も問題なさそうです。

3スロットを占有するGPUクーラー内いっぱいにアルミ製放熱フィンが収められています。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの検証機材
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1![]() |
ベンチ機2![]() |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Core i7 7700K Core/Cache:5.0/4.8GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Intel TS15A (レビュー) |
ASUS ROG RYUO 120(レビュー) Noctua NF-A12x25(レビュー) |
M/B | ASRock Z270 SuperCarrier (レビュー)(BIOS:1, 2) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | Corsair Dominator Platinum Special Edition DDR4 8GB*4=32GB (レビュー) 3200MHz, 14-16-16-36-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
ストレージ |
【システム】 Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) 【ゲームデータ】 SanDisk SSD Ultra 3D SATA SSD SDSSDH3-2T00-J25 (レビュー) |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB MZ-N6E1T0B/IT (レビュー) |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |

ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー

「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPUクーラーは3スロット占有なので、ASRock Z270 SuperCarrierのプライマリグラフィックボード用1段目PCIEスロットにグラフィックボードを設置すると、3スロット目に位置するx16スロットは使用不可能になっています。

「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPUクーラー上のY字部分には、RGB LEDイルミネーションが内蔵されており、標準ではグリーンに発光します。

「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」はRTX2070リファレンスモデルのブーストクロック1620MHzに対してブーストクロック1815MHzにオーバークロックされ、パワーリミット(TDP)も175Wから215Wへと引き上げられています。


Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumのゲーム性能
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「Palit GeForce RTX 2080 GamingPro OC」、「GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition」、「EVGA GeForce GTX 1080 SC2 Gaming iCX」、「Radeon RX Vega 64 Limited Edition」、「EVGA GeForce GTX 1070 SC ACX3.0」を使用しています。


「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
![]() |
|||
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 2070 GameRock Premium |
23242 | 11068 | 5459 |
RTX 2080 Palit GamingPro OC |
27024 | 12442 | 6214 |
GTX 1080 Ti FE |
28250 | 13692 | 6740 |
GTX 1080 11Gbps | 22936 | 10967 | 5395 |
RX Vega 64(B1, BL) | 23280 | 10831 | 5458 |
GTX 1070 | 17904 | 8481 | 4236 |
「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
![]() |
|||
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RTX 2070 GameRock Premium |
9033 | 8424 | 4244 |
RTX 2080 Palit GamingPro OC |
10815 | 10089 | 4988 |
GTX 1080 Ti FE | 9527 |
8875 | 4432 |
GTX 1080 11Gbps | 7724 | 7362 | 3519 |
RX Vega 64(B1, BL) | 7284 |
6838 | 3470 |
GTX 1070 | 5932 |
5693 | 2754 |
「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
![]() |
|||
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 2070 GameRock Premium |
11531 | 9166 | 2885 |
RTX 2080 Palit GamingPro OC |
11588 | 11108 | 3551 |
GTX 1080 Ti FE | 11555 | 8386 | 2969 |
GTX 1080 11Gbps | 11235 | 6868 | 2344 |
RX Vega 64(B1, BL) | 10642 | 8198 | 2210 |
GTX 1070 |
9781 | 5374 | 1799 |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHD、WQHD、4K(3840*2160)の3種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、Destiny2(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(最高設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の15タイトルです。






Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Battlefield 1(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Destiny2(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

The Division(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Mirrors Edge Catalyst(ハイパー設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Titanfall 2(グラフィック設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

WatchDogs_2(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

The Witcher3(最高設定)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Gears of War 4(最高設定プリセット)に関する「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium、GeForce RTX 2080、GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition、GeForce GTX 1080 11Gbps OC、Radeon RX Vega 64 Limited Edition、GeForce GTX 1070の6種類について実ゲーム性能の比率の平均を出したところ、Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumは前世代同クラスのGTX 1070よりも40%近く高速という結果になりました。
今回比較に用いたGTX 1080はVRAM 11GbpsのOCモデルなので性能差が若干小さくなっていますが、RTX 2070はGTX 1080よりも平均で10%程度高いパフォーマンスを発揮し、ゲームタイトルによってベストケースでは20%近く上回ります。前世代最上位のGTX 1080 Tiには及びませんでしたが、RTX 2070は18年以降にリリースされる最新高画質PCゲームのフルHD解像度やWQHD解像度のゲーミングに対応可能なグラフィック性能を実現しています。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの温度・消費電力
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としてはFireStrike Extreme ストレステストを使用しています。
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumのテスト終盤におけるGPU温度は最大63度に収まっており、ファン回転数も最大1300RPM程度と低めの数値で良好な結果です。2スロット占有GPUクーラーを搭載するPalit GeForce RTX 2070 GamingPro OCと比較すると、GPU温度は同程度ですが、Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumは3スロット占有の大型GPUクーラーを搭載しているので、ファン回転数が十分に低く静音性に優れています。

GPUコアクロックについてはPalit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの仕様値ではブースト1815MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1903MHzとなりました。

またベンチ機2のPCケースに「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」を組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。

検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しており、ケースファンにはNZXT製のエアフロー重視でPCケースの吸気・排気ファンに最適なケースファン「NZXT Aer F 140」をPCケースのフロントに吸気ファンとして2基、リアに排気ファンとして1基設置してファン回転数1000RPM固定で運用しています。


PCケースに入れて長時間負荷をかけてみるとGPU温度は最大66度で、コアロックの平均値は1886MHzでした。内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mmファンを設置していますが、バラック状態よりもファン回転数が高くなるものの、「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のファン回転数は1400RPMに収まりました。ファン回転数も十分に低いので、PCケースに入れてしまえばファンノイズはほぼ聞こえません。

また実働ストレステスト中の0分, 10分, 20分…について30秒間の平均FPSの推移をチェックしました。「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」はスタートから98%以上の性能を維持しており良好な結果です。

1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
前世代GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちでしたが、RTX 2070搭載グラフィックボードの「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」では最も熱い部分で70度未満に収まっており、十分に低く安心して運用できる温度です。


Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。

電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも不快に感じたり感じなかったりと音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumのファンノイズは1900RPMという比較的高いファン回転数からも予想できるように、ノイズレベルが44.6dB程度になりました。2スロット占有GPUクーラーであることを考えれば妥当な結果だと思います。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定には電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの出力ではなく変換ロスを差し引いた入力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。右下スクリーンショットのように、この状態でCPUに負荷をかけても測定値が変動しないのでCPUによる消費電力の変動は基本的に含まれないと考えて大丈夫です。


測定負荷にFireStrike Extreme ストレステストを使用して、”平均値を消費電力”、”最大値を瞬間的な最大電源負荷”としたところ、測定結果は次のようになりました。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。

Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premiumの消費電力は243W、最大瞬間負荷は303Wでした。Palit GeForce RTX 2070 GameRock PremiumのTDP(パワーターゲット)はファクトリーOCによって215Wに設定されており、TDP185W設定のPalit GeForce RTX 2070 GamingPro OCよりも20W程度消費電力が増加しています。
「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」はRTX 2070に大幅なファクトリーOCを施したモデルなので消費電力が多少大きくなっていますが、RTX 2070について一般には次のような評価となります。
NVIDIAの70番のGPUはGTX 970とGTX 1070ともにTDP150Wだったので、これまでの傾向から考えると消費電力の大幅増と言えますが、RTX 2070がグラフィック性能で若干上回るGTX 1080と同程度であることを考えるとさほど悪くない結果にも見えるので評価が難しいところです。
Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium レビューまとめ
最後に「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium(型番:NE62070H20P2-1061G)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHDやWQHDの高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- 前世代上位クラスのGTX 1080を10~20%程度上回るグラフィック性能
- 高冷却性能かつ高静音性な3スロット占有大型GPUクーラー
- 税込み7.5万円ほどとRTX 2070グラフィックボードの高級AIBモデル中では安価
- PCIEブラケットよりも20mmほど背の高い基板&クーラー
- バックプレートの絵柄は人を選ぶかも
RTX 2070は前世代同クラスのGTX 1070を平均で30%以上、ベストケースでは最大50%近く上回り、前世代上位クラスのGTX 1080に対しても10~20%程度上回るグラフィック性能となりました。GTX 1070の前世代からの飛躍が記憶に新しいためRTX 2070のそれはやや霞む感じがあることは否めませんが、最新PCゲームをフルHD・最高画質やWQHD・高画質でプレイするための次世代ミドルハイクラスGPUとしては良好なパフォーマンスを実現していると評価できると思います。

RTX 2070に関して最も不安視されていたのは価格面ですが、9万円を超える高級モデルは存在するものの、ロンチ直後において7万円前半からのモデルもリリースされ、その後の値下がりで18年12月現在すでに6万円台の製品も出ているので、コストパフォーマンス面では及第点だと思います。
RTX20XXシリーズの目玉機能であるレイトレーシングやDLSSに対応したゲームタイトルが18年12月現在において未だほぼ存在しないというのはネックではあるものの、GTX 1080を平均で10%程度、ベストケースでは最大20%上回るグラフィック性能は備わっているので、販売価格が税込み7万円台かそれ以下であれば9XX世代より前のグラフィックボードからの買い替えやPCゲーム入門に奮発して購入する新規参入層に向けて、RTX 2070は今後の主力製品として通用するのではないかと思います。
「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」について、まず一目見て気づくポイントとして、GPUクーラーが万人受けするカッコ良いものに仕上がっています。意外というと失礼ですが、Palitというと安価な反面、デザイン面では今一つあか抜けない印象のあるメーカーで、GTX10XXシリーズのGameRockはホワイト&ブルーのGPUクーラーがダサいと話題に上ることもあったので、サンプルイメージを見たときは予想外のカッコよさに驚きました。
「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のGPUクーラーは見かけだけでなく性能面でも優秀で、3スロット占有大型GPUクーラーは銅製ベースプレート、6極モーターの高性能ファン「TurboFan 2.0」、6mm径銅製ヒートパイプが採用されています。GPUコアだけでなくVRAM電源やVRAMチップもサーマルパッドを経由してGPUクーラー本体に接し、バックプレートも基板上の主要素子の放熱板として機能するなど、グラフィックボードのクーラーとしては理想的な構造になっており、検証結果の通り、非常に高い冷却性能と静音性を実現していました。
安かろうイメージの強かったメーカーが1つの主力モデルの投入でメーカーイメージごとひっくり返した例もあり、RTX20シリーズのGameRock PremiumにはPalitの評価を一変させ得るポテンシャルを感じました。
RTX 2070に高いファクトリーOCを施し、高性能な大型GPUクーラーを搭載した高級AIBモデルは9~10万円ほどと高価で、安価なRTX 2080と価格面で逆転してしまうというネックがありました。しかしながら「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」は高級AIBモデルとしての長所を余すことなく備えながら、7万円半ばで購入できるという安価さも実現しています。
RTX 2070の最安値モデルは12月現在、同社のGeForce RTX2070 8GB Dual Ver.2ですが、+1万円で大幅なファクトリーOCによって増強されたグラフィック性能および大型GPUクーラーの冷却性能&静音性が手に入るなら、コストパフォーマンス的にも「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」は非常におすすめなモデルだと思います。
以上、「Palit GeForce RTX 2070 GameRock Premium」のレビューでした。

・RTX 2070 販売ページ:
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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