ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha


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第2世代Ryzen Threadripper向けに新たに開発された、CPUソケットとメモリスロットの上側を完全に占有する16フェーズの超堅牢なVRM電源を搭載するX399マザーボード「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のレビュー用サンプルをメーカーよりお借りできたのでレビューしていきます。32コア64スレッドのRyzen Threadripper 2990WXを全コア4.0GHzにOCし、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のVRM電源回路の電力供給能力や冷え具合を徹底検証します。
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製品公式ページ:https://www.asus.com/jp/Motherboards/ROG-Zenith-Extreme-Alpha/
マニュアル:https://dlcdnets.asus.com/pub/ASUS/mb/socketTR4/ROG_ZENITH_EXTREME_ALPHA/J15130_ROG_ZENITH_EXTREME_ALPHA_UM_V2_WEB.pdf

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【注意事項】
同検証は19年3月上旬に行っておりASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのBIOSは0207を使用しています。最新BIOSでは修正されている不具合や追加されている機能もあると思うので、最新BIOSのリリースについては公式ページを各自でチェックしてください。

サポート:https://www.asus.com/jp/Motherboards/ROG-Zenith-Extreme-Alpha/HelpDesk_BIOS/

【19年5月2日:初稿】
レビュー記事初稿を公開、BIOS:0207で検証



ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha レビュー目次


1.ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの外観・付属品
2.ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの基板上コンポーネント詳細

3.ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの検証機材
4.ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのBIOSについて
5.イルミネーション操作機能「ASUS AURA Sync」について
6.OLEDディスプレイパネル「ASUS LiveDash」について
7.
ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのOC設定について
8.ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの動作検証・OC耐性
9.ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaのレビューまとめ



ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの外観・付属品

まず最初にASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの外観と付属品をチェックしていきます。
「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のパッケージはマザーボードの箱としては独特な上開き化粧箱になっていました。開閉しやすく高級感もあります。
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外パッケージの蓋を開くと上段にはマザーボード本体が収められており、下段には各種付属品が収められた小分けパッケージが入っていました。数が非常に多いので順々にチェックしていきますが、付属品は外パッケージ下段の小分けパッケージ内に全て納められていました。
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マニュアルなど冊子類で必要なものが一通り揃っています。その他にもコースター、ステッカー、CableMod製のスリーブケーブル購入時の割引クーポンなどが付属します。
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 注目ポイントとして「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のドライバはCDではなく専用のUSBメモリに収録されていました。光学ドライブを搭載しない環境も増えているので嬉しい配慮です。その他のマザーボード製品でもドライバはUSBメモリに移行して欲しいところ。
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基本的な組み立て関連の付属品として、まずはSATAケーブル6本、M.2 SSD固定用スペーサー&スクリュー 2組セット、Q-Connector、RGB LEDケーブル、アドレッサブルLEDケーブル、サーモセンサー*3本、1スロットスペースSLI HBブリッジが付属します。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」に付属する6本のSATAケーブルのうち2本は、ROG Weave SATAケーブルという布製スリーブ被膜の高級感のあるケーブルになっています。
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「Q-Connector」はパワースイッチやストレージLEDなど細かいPINをまとめてマザーボードに接続可能な便利なコネクタです。「Q-Connector」は組み立て時にあると便利ですがASUSマザーボードの中でも付属しないモデルもあるので事前にチェックがおすすめです。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はASUS AURA Syncによるライティング制御に対応したLEDヘッダーの延長ケーブルとしてRGB対応汎用4PIN LEDヘッダー用とアドレッサブルRGB対応VG-D型汎用3PIN LEDヘッダー用の2種類が付属します。
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ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaにはアドレッサブルRGB対応VG-D型汎用3PIN LEDヘッダーがマザーボード上に実装されていますが、それをロック付き3PINコネクタに変換する延長ケーブルが付属します。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」にはWiFi&Bluetoothアンテナキットも付属します。
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詳細は後ほど詳しく紹介しますが、DDR3メモリスロットを流用したNVMe M.2 SSDアダプタで大型アルミニウム製ヒートシンク搭載へと改良が施された「ROG DIMM.2 HS」が付属します。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」には従来機種よりも機能が増え、2.5インチストレージ互換でマウント可能な形状に改良が施された、冷却ファン&サーモセンサー拡張ボード「ASUS FAN EXTENSION CARD II」が標準で付属します。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」には2基のPWM対応4PINファン端子、1基の2PIN温度センサー端子、1基のRGB対応汎用4PIN LEDヘッダーの4端子を1セットとして、3セット分が基板の上下右端に実装されています。
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基板左端には独自コネクタASUS NODEのIN端子とOUT端子、電力供給用端子が実装されています。
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「ASUS FAN EXTENSION CARD II」はASUSの独自コネクタASUS NODEを使用してマザーボードと接続します。「ASUS FAN EXTENSION CARD II」上にはNODEのOUT端子もあるので、将来的にはデイジーチェーン接続で複数のNODE対応機器が接続できるようになりそうです。
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前モデルASUS FAN EXTENSION CARDでは基板上の4PINペリフェラル端子から電力供給を行う構造でしたが、「ASUS FAN EXTENSION CARD II」では専用の電源ケーブルを介して、PCIE 6PIN補助電源から電力供給を行います。
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「ASUS FAN EXTENSION CARD II」の背面を確認すると2.5インチストレージ互換のネジ穴があるのが確認できます。前世代はPCケース内への固定に困ったのですが、「ASUS FAN EXTENSION CARD II」は裏配線スペースの2.5インチストレージトレイ等に簡単に設置できます。
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マザーボード全体像は次のようになっています。
「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はATXよりも横幅が20mmほど大きいE-ATXフォームファクタのマザーボードです。ATXマザーボードとネジ穴自体は同じレイアウトなのでATX向けPCケースにも設置できることも多いですが、裏配線用のケーブルホールが基板と被って使用できない可能性もあるので注意していください。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」にはチップセットクーラーと一体化したマザーボードの表面を覆う金属製カバー「ROG Armor」が搭載されています。前モデルZENITH EXTREMEではチップセットクーラーのみが設置されていましたが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」に増設されたアルミニウム製アーマーはPCIEスロット間に実装されたM.2スロットに装着するSSDを冷やすヒートシンクの役割を果たします。
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リアI/Oカバーの上側はチップセットクーラー同様にヘアライン処理アルミニウムに「ZENITH」の名が刻印され、下側はアクリルプレートによって鏡面になっています。マザーボード上端を占有するVRM電源クーラーがヒートパイプで拡張され、リアI/Oカバーと連結されていますが、実はリアI/Oカバー自体が金属製なので放熱ヒートシンクとして機能します。
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前モデルZENITH EXTREMEではVRM電源が8+3フェーズでしたが、後期X299マザーボードの「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」ではCPUソケットとメモリスロットの上側を完全に占有する16フェーズの超堅牢なVRM電源が搭載されています。
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VRM電源回路を構成する素子も、定格60Aを処理可能なIR3555 PowIRstages MOSFET、定格45Aを処理可能な高透磁率合金コアチョーク MicroFine alloy chokes、入出力フィルタリングに高い動作温度で数千時間持続する10K日本製ブラックメタルコンデンサなど厳選された高品質素子です。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のVRM電源ヒートシンク内には2基の冷却ファンが内蔵されており、VRM電源温度が60度を超えると始動し(閾値以下では停止するセミファンレス機能に対応)、500Wの持続的なVRM電源出力を処理できるとのこと。
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最大32コア64スレッドとなる第2世代Ryzen Threadripper CPUへ安定した大電力供給が行えるように「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のEPS端子は8PIN×2が実装されています。EPS電源端子については電源容量800W以下の電源ユニットでは1つしか端子がない場合があるので、EPS端子が足りているか事前に注意して確認してください。
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マザーボード裏面左側には頑丈な金属製バックプレートが装着されています。マザーボード固定ネジ穴がATXと同じで表から見て右端は基板が宙に浮いた状態になりますがバックプレートによって反りや折れ曲がりが防止されています。また各種素子の半田の出っ張りで指を切ることがありますが、バックプレートがあればその心配もありません。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」には一体型リアI/Oバックパネルも採用されています。PCケースにパネルを装着する作業は固くて装着し難かったり、忘れてしまうこともあるのでマザーボードに統合されているのは嬉しい機能です。
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リアI/Oには最新のUSB3.1 Gen2規格に対応したUSB端子として3基のType-Aと1基のType-Cの計4端子が設置されています。そのほかのUSB端子については8基のUSB3.0端子が搭載されています。マウス・キーボードなどの周辺機器を多数繋いでいても、HTC ViveやOculus Rift CV1のようなVR HMDに余裕で対応可能です。個人的に残念なポイントとしてはUSB3.0/3.1は無線マウスと電波干渉を起こすことがあるので、追加でUSB2.0は少し離れた場所に設置して欲しかったです。
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ネットワーク関連では低CPU負荷、高スループットで定評のあるIntel純正のLANコントローラーが採用された有線LAN端子(赤色の有線LAN端子)に加えて、一般的なギガビットイーサの10倍の帯域幅を実現するAQUANTIA製10Gbイーサ(黒色の有線LAN端子)も搭載しています。無線LANモジュールも標準搭載しており、Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac、2.4/5GHzデュアルバンド、最大通信速度1733Mbps、Bluetooth 5.0にも対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されているので付属のアンテナを接続できます。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」は「USB BIOS FlashBack」に対応しています。所定のUSB端子にBIOSファイルの入ったUSBメモリを接続して、オンボードボタンを押すと「USB BIOS FlashBack」機能によってCPUやメモリなしの状態でもBIOSの修復・アップデートが可能です。
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ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの基板上コンポーネント詳細

続いて「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のマザーボード基板上の各種コンポーネントをチェックしていきます。
Ryzen Threadripper用TR4ソケットはLOTESとFOXCONNの2社が製造しており、各社マザーボードで採用されていますが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」の今回のサンプル機にはLOTES製ソケットが搭載されていました。TR4ソケットの一部にはかなり力を入れて押し付けないとソケットのネジが噛み合わないものがありますが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のソケットはネジの噛み合わせに十分な遊びがあって簡単にネジを締めることができました。
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システムメモリ用のDDR4メモリスロットはCPUソケット両側に8基のスロットが設置されています。固定時のツメはマザーボード上側の片側ラッチとなっています。グラフィックカードのあるPCI-Eスロット側はラッチがないので干渉の心配もありません。
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グラフィックボードなどを設置するPCI-Eスロットは上から[N/A、x16、N/A、x16、x16、x4、x16]サイズのスロットが設置されています。2段目と5段目のx16サイズPCIEスロットの帯域はPCIE3.0x16、4段目と7段目のx16サイズPCIEスロットの帯域はPCIE3.0x8です。2/4/5段目のPCIEスロットには排他利用はありませんが、7段目のx16サイズPCIEスロットはマザーボード上M.2スロット M2_1と一部帯域共有で、M.2スロットを使用する場合は、PCIE3.0x4帯域に制限されます。6段目のx4サイズPCIEスロットはX399チップセットに接続されており、PCIE3.0x4帯域で利用できます。
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グラフィックボード向けのx16スロットは2段目、5段目のスロットに配置されており、現在主流な2スロット占有グラフィックボードを使用しても下位グラフィックボードが上位グラフィックボードのエアフローを妨げないよう配慮されています。付属の1スロットスペース型SLI HBブリッジを使用すれば、GTX 1080 TiやGTX 1070 Tiを使用したマルチGPU SLI環境を構築可能です。
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別売りオプションパーツのNVLink SLI Bridgeが必要ですが、3スロットのNVLink SLI BridgeがあればNVIDIAの最新GPUであるRTX 2080 TiやRTX 2080でもマルチGPU環境を構築可能です。
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ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaにも最近のトレンドとして2段目と5段目と7段目のx16サイズスロットには1Kgを超える重量級グラボの重さに耐えるように従来のプラスチックスロットよりも垂直方向の力に対して1.6倍、水平方向の力に対して1.8倍も強靭になった補強用メタルアーマー搭載スロットが採用されています。
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またマザーボード左下にはグラフィックボードなどPCI-Eスロットに設置した拡張カードへ安定した電力供給を行うための追加電源としてマザーボードと平行に4PINペリフェラルコネクタのオプション電源端子が用意されています。オプション扱いですがマルチGPU構成で組む場合は接続したほうがよさそうです。
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SATAストレージ用の端子はマザーボード右下に8基搭載されています。8基のうち右よりの6基、SATA6G_1~6はいずれもAMD X399チップセットのコントローラーによる接続で、RAID0/1/10のハードウェアRAID構築にも対応しています。8基のうち左よりの2基、SATA6G_E1/2はASMedia製コントローラーで接続されています。
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ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのPCI-Eスロット間には高速NVMe接続規格に対応したM.2スロットが設置されています。このM.2スロットはSATA接続のM.2 SSDには対応していません。このM.2スロットは7段目のx16サイズPCIEスロット(PCIE3.0x8)と帯域が一部共有されており、M.2スロットを使用する場合、PCIEスロットの帯域はPCIE3.0x4に制限されます。
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PCIEスロット間のM.2スロットに設置されたM.2 SSDはサーマルパッドを介して接触することで金属製アーマーを放熱ヒートシンクとして利用でき、サーマルスロットリングの発生を抑制します。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」にはDDR3メモリ用のスロットを独自に改造して作成されたASUS独自のM.2 SSD用スロット「DIMM.2」が実装されています。DIMM.2スロットは誤挿入防止のためDIMM.2の名前が入った金属フレームを除けば、ほぼDDR3メモリスロットと同じ外観になっています。DIMM.2拡張カードには両面に1基ずつで計2基のM.2スロットがあり、いずれもチップセット経由で接続されており、NVMe接続とSATA接続の両方のM.2 SSDに対応します。
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DIMM.2スロットによってM.2 SSDを増設するには付属の専用M.2スロット拡張ボードを使用します。
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DIMM.2拡張カードには表と裏の両面に計2基のM.2 SSD用スロットが用意されており、スロットの端子とは逆側にはM.2スロットのナンバリングが記載されています。右の写真側がM.2_1スロット、左の写真側がM.2_2スロットです。ROG、ASUS、DIMM.2 HSなどのロゴが描かれた面に第2スロットが設置されているというのが少し腑に落ちません。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」に付属するDIMM.2スロット専用M.2スロット拡張ボードは、大型アルミニウム製ヒートシンクを標準搭載する改良モデル「ROG DIMM.2 HS」です。

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拡張カードにM.2 SSDを設置してから拡張カードをDIMM.2スロットに挿入するので一見、2度手間になって面倒な気はしますが、PCケースにマザーボードを設置した後のM.2 SSDの交換作業などを考えると狭い空間でネジを回して紛失する等の心配もないので、DIMM.2のM.2 SSD設置方法は悪くない構造だと思います。
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また「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」は同社製アクセサリパーツ「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」に対応しており、2段目/4段目/5段目/7段目のx16サイズPCI-Eスロットに最大で4枚(4段目と7段目は2枚まで)のNVMe M.2 SSDをCPU直結のPCI-Eレーンで接続することが可能です。x16帯域をx4/x4/x4/x4帯域に分割して使用する「PCIe RAID Mode」がBIOS設定として用意されています。
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M.2 SSD4枚刺しに対応した拡張ボード「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」については個別に詳細なレビュー記事を公開しているのでこちらを参考にしてください。
「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」をレビュー
「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」をレビュー


ATX 24PIN端子のすぐ左には内部USB3.1 Gen2ヘッダーと内部USB3.0ヘッダーが設置されています。内部USB3.0ヘッダーはSATA端子同様にマザーボード基板と平行に実装されています。
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マザーボード下側には1基の内部USB3.0ヘッダーと2基の内部USB2.0ヘッダーが設置されています。CorsairLinkやNZXT CAM対応製品など内部USB2.0を使用する機器も増えていますが、ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaであればそれらの機器も問題なく使用可能です。内部USB2.0が不足する場合はUSB2.0ヘッダー増設ハブ「NZXT INTERNAL USB HUB」がおすすめです。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はエンスー向けゲーミングマザーボードということで、高音質オンボードサウンド機能を従来機種よりもさらに強化した「SupremeFX」も採用されています。ヘッドホンアンプには115dB THD+Nに達する統合型DAC/AMP「SABRE DAC (SABRE9018Q2C)」が採用されています。デジタル部とアナログ部の基板分離などヘッドホン・スピーカー出力の高音質化にも注力しており、光学デジタルによるデジタル音声出力もあるので高級なヘッドホンアンプユーザーにも満足のいく構成です。最近のゲーミングマザボはサウンドボード要らずです。
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マニュアルからの画像を使用しますが、冷却ファンや簡易水冷クーラーのポンプの接続用の端子はマザーボード上の各場所に計7か所設置されていました。これだけあれば360サイズなどの大型ラジエーターを複数基積んだハイエンド水冷構成を組んでもマザーボードのファン端子だけで余裕で運用可能です。加えて「W_PUMP+」端子は最大36W(12V、3A)の出力にも対応しているので本格水冷向けのD5やDDCポンプの電源としても変換ケーブルを噛ませることで使用できます。
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マザーボード上には本格水冷PCユーザーには嬉しい外部温度センサーの接続端子が水路IN/OUT用を含めて4基設置されています。ASUSのファンコントロール機能は外部センサーをソースにした水温依存のファンコントロールが可能なので管理人は以前から水冷ユーザーにお勧めしています。
加えて3PINファン用端子と同じ構造の端子は水冷の流量検出端子となっており、フローインジケーター&メーターを接続することで流量の検出が可能です。ASUSマザボさえあれば水冷環境の構築は全て大丈夫と言っても過言ではなくなってきています。
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マザーボード基板上にはOCerのみならず一般自作erにとっても組み立て中の動作確認に便利なオンボードのスタートスイッチとリセットスイッチが実装されています。リアI/OにはCMOSクリアのハードウェアスイッチも設置されているのでOC設定をミスっても簡単に初期化が可能です。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はデュアルBIOSを搭載しています。BIOS Flashback機能にも対応しているので、BIOS破損時の保守としての意味合いはあまりありませんが、複数のBIOSで運用する必要がある場合などに役立つ機能です。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」にはその他にも、極端なOC中にリセットボタンでもシステムを再起動や強制終了できない時にBIOSの設定値を保ったまま強制的に再起動を掛けられる「ReTryボタン」、コアクロックやメモリクロックが緩いプロファイルを使用してシステムを確実に起動させハードウェア故障とOC設定失敗の切り分けを容易にする「Safe Bootボタン」、マザーボード上のプローブから各種動作電圧を測定可能な「Probelt」などOCer向けの機能も多数用意されています。



ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの検証機材

ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaを使用して検証機材と組み合わせてベンチ機を構築しました。ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha以外の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU AMD Ryzen Threadripper 2990WX
32コア64スレッド (レビュー
CPUクーラー ENERMAX LIQTECH TR4 II
ELC-LTTRO360-TBP (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z RGB
F4-3200C14Q-32GTZRX
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
CPUベンチ用
ビデオカード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Ryzen Threadripper&X399のようなエンスー環境のシステムストレージ用に一押しのSSDです。
「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
Samsung SSD 860 PRO 256GB

レビュー記事後半ではRyzen Threadripper 2950XやRyzen Threadripper 2990WXを使用したオーバークロックも実践するので検証機材CPUクーラーにはAMD Ryzen ThreadripperのTR4 Socketに完全対応となる大型ベースプレートと360サイズラジエーター採用で最高クラスの冷却性能を誇る簡易水冷CPUクーラー「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」を検証機材として使用しています。
「ENERMAX LIQTECH TR4 II 360」をレビュー
ENERMAX LIQTECH TR4 II 360

360サイズや240サイズなど120mmファンを複数搭載できるマルチファンラジエーター採用の簡易水冷CPUクーラーを使用するのであれば、超硬質かつ軽量な新素材「Sterrox LCP」の採用によってフレーム-ブレード間0.5mmの限界を実現させた次世代汎用120mm口径ファン「Noctua NF-A12x25 PWM」への換装もおすすめです。1基あたり4000円ほどと高価ですが、標準ファンよりも静音性と冷却性能を向上させることができます。
「Noctua NF-A12x25 PWM」を360サイズ簡易水冷に組み込む
Noctua NF-A12x25 PWM x3

CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
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グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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普段は熱伝導グリスを上のようにてきとうに塗っているのですが、Ryzen Threadripperはヒートスプレッダが大きいため、『最初に等間隔に9カ所小さめに熱伝導グリスを落として、さらにその間の4か所に少し大きめに熱伝導グリスを塗る』というNoctua式の塗り方が良い感じだったので今回はNoctua式を採用しました。
Noctua TR4_tp
この塗り方をするとRyzen Threadripperの大型ヒートスプレッダでもCPUクーラーの圧着でヒートスプレッダ全体へ熱伝導グリスが綺麗に伸びます。ただしグリスをかなり大量に使うので注意。
Threadripper_TIM (1)Threadripper_TIM (2)

以上で検証機材のセットアップが完了となります。
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ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのBIOSについて

ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaを使用した検証機の構築も完了したので動作検証とOC耐性のチェックの前にBIOSの紹介をします。
(OSから日付調整する前にスクショを取っている場合、日付がおかしいですが無視してください。また内容的に差異のないものは過去の同社製マザーボードのBIOSスクリーンショットを流用しています。)

ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのBIOSに最初にアクセスするとEZモードというグラフィカルな画面が表示されます。パッと見の見栄えは良いのですが詳細モードでないと詳細設定ができないので「F7」キーを押してサクッと「アドバンスドモード(Advanced Mode)」へ移るのがおすすめです。
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「F7」キーを押すとアドバンスドモードという従来通りの文字ベースのBIOSメニューが表示されます。「Main」タブの「System language」-「English」と表記された項目のプルダウンメニューから言語設定が可能で日本語UIを選択できます。ASUSマザーボードは競合他社と比較してもBIOSメニューの日本語ローカライズの充実と正確さが魅力です。
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次回起動時に初回から詳細モードを起動する場合は、「起動-ブート設定」にある「セットアップモード」の項目をアドバンスドモードに変更してください。
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ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのBIOSにおいて設定の保存とBIOSからの退出はトップメニュータブ最右端の「終了」から行えます。その他の設定を行っていても左右カーソルキーですぐに退出可能です。
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特定のブートデバイスを指定してBIOSから退出するBoot Override機能は「起動」タブメニューの最下段「起動デバイス選択」に配置されています。
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BIOSのアップデート方法は、まず下から最新のBIOSファイルをダウンロード、解凍してUSBメモリのルートに解凍フォルダを置きます。
サポート:https://www.asus.com/jp/Motherboards/ROG-Zenith-Extreme-Alpha/HelpDesk_BIOS/

USBメモリを挿入したままBIOSを起動し、アドバンスドモードの「ツール-ASUS EZ Flash 3 Utility」でストレージデバイスからのアップデートでBIOSファイルを選択します。あとはガイドに従ってクリックしていけばOKです。
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ブートとOSインストール周りについて紹介します。とはいってもASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaのブート回りは下画像のように非常に簡潔にまとめられており初心者でも迷うことはないと思います。
OSのインストールも「Boot Option #1」に「UEFI:〇〇」というOSインストールメディアを設定して保存&退出でOKです。「Boot Option #1」の下にスクロールしていくとブートデバイスを個別に指定して再起動できる「Boot override」もあるのでこちらから、同様に「UEFI:〇〇」というOSインストールメディアを選択してもOKです。
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ちなみにWindows10の製品パッケージに付属するUSBメモリではUEFIで認識できないトラブルが発生することがあるようなので、そういうときはこちらの記事に従ってMS公式ツールを使用して適当なUSBメモリでOSインストールメディアを作成すると上手くいきます。




BIOSのアップデートやWindows OSのインストール方法を紹介したところで、ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのBIOS機能で管理人が気になったものをいくつかチェックしていきます。

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はNVMe SSDによるRAIDストレージの構築に対応していますが、「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」や「ASRock Ultra Quad M.2 Card」のような複数のNVMe M.2 SSDを設置可能な拡張ボード用にPCI-Eレーンを分割するBIOS設定が用意されており、「アドバンスド - オンボードデバイス構成」に配置されています。
「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」上には4基の16サイズPCIEスロットが設置されていますが、「PCIe RAID Mode」を選択すると、x16帯域のPCIEスロットは4つのx4帯域、x8帯域のPCIEスロットは2つのx4帯域にPCEレーンを分割し、分割数に応じたNVMe M.2 SSDをASUS HYPER M.2 X16 CARDによって増設できます。
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7段目に設置されたx16サイズスロットはPCIE3.0x8帯域の一部をマザーボード上のM.2スロットと共有しており、BIOS設定から、単一のPCIE3.0x8帯域として使用する「X8 Mode」(M.2スロットは使用不可)、PCIEスロットはPCIE3.0x4帯域に制限してM.2スロットを使用する「X4 Mode」、PCIE3.0x8帯域を2つのPCIE3.0x4帯域に分割してASUS HYPER M.2 X16 CARDなどの拡張ボードを使用する「PCIe RAID Mode」の3種類から選択できます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_11

M.2 SSD4枚刺しに対応した拡張ボード「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」については個別に詳細なレビュー記事を公開しているのでこちらを参考にしてください。
「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」をレビュー
「ASUS HYPER M.2 X16 CARD」をレビュー


マザーボード上のコンポーネント詳細でも紹介した外部温度センサーについてはBIOS上からも温度をモニタリングできます。「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」に付属する冷却ファン&サーモセンサー拡張ボード「ASUS FAN EXTENSION CARD II」に接続された機器についてもBIOS上から確認・制御が可能です。簡易水冷(AIO水冷)ポンプ専用の項目も用意されており、ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaであれば冷却機能周りは空冷・水冷ともにほぼ全てBIOS上でコントロール可能です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_12
BIOS上のファンコントロール機能についてですが、CPUファン端子とCPU OPT端子はCPU温度依存のファンコントロールしかできませんが、その他のケースファン端子については、外部温度センサーなどの各種温度ソースからファンコントロールが可能です。
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ファン制御モードはPWM速度調整とDC(電圧)速度調整の2種類が用意されていますが、DC速度調整の場合は制御プロファイルを手動にすると、下限温度以下で冷却ファンを停止させる所謂セミファンレス機能を実現する「Allow Fan Stop」の設定が表示されます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_14
VRM電源クーラーに内蔵された冷却ファン「Heatsink Fan」についてもBIOSから動作設定が可能です。「Heatsink Fan」はVRM電源温度をソース温度にしていますが、セミファンレス機能に対応しており、標準設定では60度以下ではファンは停止します。
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ASUSマザーボードにもグラフィカルUIによるファンコントールの設定機能「Q-Fan Control」があります。機能的には上で紹介したコンソールのファンコンと同じですが、グラフィカルUIでわかりやすく設定できるよという機能になっています。直感的にわかりますし直打ちが苦手な人にはありがたい機能だと思います。
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イルミネーション操作機能「ASUS AURA Sync」について

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はマザーボード備え付けのLEDイルミネーションやRGB対応汎用4PIN/アドレッサブルRGB対応汎用3PINイルミネーション機器を操作可能なライティング制御機能「ASUS AURA Sync」に対応しています。
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「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」にはマザーボード備え付けのLEDイルミネーションとして、チップセットクーラーには3球、リアI/Oカバーには2球、マザーボード右端背面には7球のLED素子が実装されており、これらはアドレス指定による(アドレッサブルな)イルミネーション操作に対応しています。オーロラライクなアドレッサブル発光パターンだけでなく、各アドレスに対して静的に発光カラーを指定することも可能です。
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また「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のマザーボード上にはRGB対応汎用4PIN LEDヘッダーが2基実装されており、当サイトでもレビュー記事を掲載しているLEDテープ「SilverStone SST-LS02」やLEDファングリル「Phanteks Halos Lux RGB Fan Frames」など汎用LED機器によるLEDイルミネーションの拡張も可能です。またマザーボード下端にはアドレッサブルLEDテープに対応したVD-G型の3PINヘッダーも実装されています。
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またアドレッサブルLED機器を接続可能なARGB対応VD-G型3PIN LEDヘッダーも2基実装されています。使用可能なアドレッサブルLEDテープについては国内で発売済みの「BitFenix Alchemy 3.0 Addressable RGB LED Strip」やASUS ROG純正品の「ASUS ROG ADDRESSABLE LED STRIP-60CM」が動作することが確認できています。
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ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaに搭載されたLEDイルミネーションや汎用ヘッダーに接続されたイルミネーション機器は発光カラーや発光パターンを専用アプリのAURA Syncから同期操作可能になっています。AURA Syncは公式ホームページやマザーボードのサポートページから最新版をダウンロードできます。
AURA公式DL:https://www.asus.com/campaign/aura/jp/download.html

専用アプリである「AURA Sync」を使用することで、色を指定した固定色発光、カラーサイクル等の発光パターンプリセット、温度や音楽に合わせた発光変化など自由度の高いイルミネーション設定が可能です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (1)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (2)ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (3)ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (4)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaのマザーボード備え付けLEDイルミネーションはアドレス指定操作に完全対応しており各ソフトウェア上からLED素子に対して個別に発光カラーを設定できます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (5)ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (6)

マザーボード備え付けや汎用ヘッダー以外に、ASUS AURA Syncに対応したLEDイルミネーション機器が接続されている場合、ウィンドウ左上にその項目が表示されてマザーボードと同期操作が可能になります。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (7)
当サイトでレビュー記事を公開中のG.Skill製DDR4メモリ「G.Skill Trident Z RGB」や「G.Skill Trident Z Royal」もASUS Aura Syncによるイルミネーション同期設定に対応しています。
「G.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRX」をレビュー
G.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRX

「G.Skill Trident Z Royal F4-3200C16D-16GTRS」をレビュー
G.Skill Trident Z Royal F4-3200C16D-16GTRS review_06927_DxO

ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの備え付けおよび増設のLEDイルミネーションは、デフォルトではOSのシャットダウンやスリープ時もLEDが点灯しますが、「When system is in sleep, hibernate and soft off states」の項目をOFFにすることでスリープ時やシャットダウン時のみLEDイルミネーションをOFFにすることができます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_LED
なおシャットダウン・スリープ時のLEDの点灯・消灯設定はWindows上アプリの「AURA Sync」からも設定が可能で、アプリからの操作が優先されます。ASUS Aura Syncソフトウェアの「Power Off」タブがスリープやシャットダウン時のLEDイルミネーションの設定になっています。ここから設定を行うことでASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaでもシャットダウン・スリープ時のLEDイルミネーションの消灯が可能です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_AURA (8)

ASUSのLEDイルミネーション機能「AURA Sync」については汎用イルミネーション機器の使用方法や導入例などを下の記事でも紹介しているので、詳しくはこちらを参照してください。
ASUS製のLEDイルミネーション操作機能「AURA Sync」の使い方
ASUSのLEDイルミネーション同期操作機能「AURA Sync」の使い方



OLEDディスプレイパネル「ASUS LiveDash」について

ASUSの新たな試みとして「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」には有機ELディスプレイパネル「ASUS LiveDash OLED」が搭載されています。
有機ELディスプレイパネル「ASUS LiveDash OLED」には静止画だけでなくプログラミングやGif画像次第でオリジナルアニメーションなど様々な表示が可能で、CPU温度やコアクロックなどハードウェアモニタリング情報の表示にも対応しています。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha review_08099



「ASUS LiveDash OLED」について個人的にはPOST中のチェック項目を逐次表示してくれるのが最も印象的で、今度の発展次第では初心者ガイドとして非常に有力な機能になる可能性を感じました。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha review_08102



Windows上アプリケーション「ASUS LiveDash」から、プリセットとして用意されたCPU温度などのモニタリング表示やアニメーションを選択可能です。横128ピクセル×縦32ピクセルの画像やGifアニメーションの表示に対応しており、各自で用意した画像・動画ファイルをグレイスケールに自動変換して表示してくれます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_ASUS LiveDash (1)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_ASUS LiveDash (2)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_ASUS LiveDash (3)



ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのOC設定について

ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaを使用した場合のオーバークロックの方法を紹介します。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。


AMD Ryzen Threadripper CPUについては純正のOCツール「AMD Ryzen Masterユーティリティ」が用意されていますが、こちらの使い方については下の記事を参考にしてください。
AMD Ryzen専用純正OCツール「AMD Ryzen Masterユーティリティ」の使い方
AMD Ryzen Masterユーティリティ

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のオーバークロック設定は「Extreme Tweaker」というトップメニューのタブページにCPUコアクロック、メモリ、電圧など各種設定項目が集約されています。「Extreme Tweaker」ページをスクロールしていくとCPUコアクロック、メモリ、電圧などの各種設定項目が表示されるので設定しやすいUIです。設定値を直接入力する項目でデフォルトの「Auto」に戻す場合は「a」キーを入力すればOKです。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_1

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のオーバークロック設定項目の最初にある「AI Overclock Tweaker」ではプルダウンメニューから「Auto(自動)」「Manual(手動)」「D.O.C.P.」の3つの設定モードが選択できます。Autoモードは基本的な設定項目に関する自動or手動設定が可能な一般ユーザー向けの設定モードとなっています。ManualモードはBCLK等の詳細なOC設定項目が解放される上級者向けの設定モードです。D.O.C.P.モードはManualモードベースですが、OCメモリに収録されたXMPプロファイルを適用できる設定モードになっています。OC初心者はXMPを使用しないならAutoモード、XMPを使用するならD.O.C.P.モードを使用すればOKです。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_2



CPUコアクロック(コア倍率)の変更について説明します。
第2世代Ryzen Threadripperは、CPU温度や電力に関して安定動作可能な相関関係を記したテーブルがCPU内部に用意されており、それに則した形で「Pure Power」や「Precision Boost(2)」といったRyzen CPUの独自機能により動作クロックや電力がリアルタイム制御されています

Precision Boost 2
例えばRyzen Threadripper 2950XではCPUクーラー冷却性能の影響で若干前後しますが、単コア負荷の場合は4.4GHz、全コア負荷の場合はTDPの範囲内で変動しますが軽いワークロードであれば全コア4.0GHzで動作し、動画のエンコードなど重いワークロードでは平均3.5~3.6GHz程度で動作します。
AMD Ryzen Threadripper 1950X def clock
第2世代Ryzen/Ryzen Threadripper CPUの動作クロックに関する予備知識については下の記事で概要を解説しているので参考にしてください。
第2世代Ryzenの新機能「Precision Boost Overdrive」を徹底解説
precision-boost-overdrive


ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaのコアクロックのOC設定方法はコアクロック(MHz)の動作倍率を指定する形になっていました。「CPUコアクロック倍率(CPU Core Ratio)」の項目を「40.25」と設定するとベースクロック(BCLK):100MHzに対して4025MHzで動作するように設定されます。動作倍率は0.25刻みで指定可能です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_3
CPU動作倍率は「自動」設定の場合は単純に倍率の値を入力するだけですが、プルダウンメニューから「手動」を選択すると「FID」と「DID」の2つの数値を入力する形になります。管理人にも具体的な意味は分からないのですが、実際の動作としては『倍率 = FID / DID * 2』となります。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_3
「AI Overclock Tweaker」から「Manual」モードもしくは「D.O.C.P」モードを選択するとベースクロック(BCLK)の設定項目が表示されます。デフォルトのAutoでは100MHzに固定されていますが、設定値を直打ちすることで40~300MHzの範囲内で0.200MHz刻みで設定できます。CPUコアクロックはBCLKに対する動作倍率で設定されるのでBCLK110MHz、動作倍率45倍の場合はコアクロック4.95GHz動作となります。ただしBCLKを使用したOCはかなり上級者向けなので通常はAutoか100MHzが推奨です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_5

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」は第2世代Ryzen Threadripperで利用可能な新機能「Precision Boost Overdrive」もBIOSから設定が可能です。Precision Boost Overdriveの設定項目は若干わかりにくい場所にあり、「AMD CBS」、「Zen Common Options」、「NBIO Common Options」を選択していくと設定項目が表示され、「Precision Boost Overdrive」の機能の有効化や手動設定が行えます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_6
Precision Boost Overdriveを手動設定にすると、電力制限上限値「PPT Limit (W)」、最大動作クロック制限値「TDC Limit / EDC Limit (A)」を設定できます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_7
「AMD Ryzen Threadripper 2950WX」や「AMD Ryzen Threadripper 2990WX」でPrecision Boost Overdriveを使用する場合の、設定値の目安や実際の動作についてはこちらの記事で解説しているので参考にしてください。
AMD Ryzen Threadripper 2950XをPrecision Boost Overdriveで4.0GHzにOCレビュー
AMD Ryzen Threadripper 2990WXにPrecision Boost Overdriveを適用してみる

AMD Ryzen Threadripper 2990WX


続いてコア電圧の調整を行います。
AMD Ryzen Threadripper CPUのオーバークロックで変更する電圧設定についてはRyzen CPUと同様に、CPUコアクロックに影響する「CPUコア電圧」と、メモリの動作周波数に影響する「SOC電圧」の2種類、およびメモリ電圧のみと非常に簡単化されています。
Ryzen OC Voltage
AMD Ryzen Threadripper CPUでオーバークロックを行う場合に変更する電圧設定については基本項目が「CPUコア電圧」「CPU SOC電圧」「DRAM電圧」の3項目のみと非常に簡単化されています。加えてASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaでは「External Digi+ Power Control」の項目からその他多くの電圧設定が可能です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_8

CPUコアクロックのOCに関連するコア電圧のOC設定としては、ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaではCPUコア電圧の項目を変更します。CPUコア電圧ではマニュアルの設定値を固定する「マニュアル」モード、CPUに設定された電圧カーブにオフセットかける「オフセット」モードの2種類が使用できます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_9
ASUS ROG ZENITH EXTREME AlphaでCPUコアクロックのOCを行う場合コア電圧設定モードとして通常はマニュアルモードを推奨します。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_10
CPUコア電圧モードについて簡単に説明すると、オフセットモードやアダプティブモードはCPU負荷に比例して電圧が設定されており、低負荷時は電圧が下がるので省電力に優れるのですが、OCをする場合はマザーボードによって挙動に差があり安定する設定を見極めるのが難しいので、個人的にはオフセットやアダプティブは定格向け、OCには固定値適用の固定モードを推奨しています。
仮にOCでオフセットやアダプティブを使う場合も最初はコアクロックに対して安定する電圧を見極める必要があるので、まずは固定モードを使用します。
ちなみにマザーボードにより対応しているモードは異なりますが、CPUのオーバークロックに付随するコア電圧のモードの概略図は次のようになっています。
vc

またCPUのOCに関連する追加の電力設定としてASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaでは、コアクロックと電圧の設定項目の中間あたりに「External Digi+ Power Control」が配置されています。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_11
コアクロックを高く設定する時に追加で変更するといい項目として「External Digi+ Power Control」の「ロードラインキャリブレーション」があります。ロードラインキャリブレーションはCPU負荷時の電圧降下を補正してOCを安定させる機能です。補正の強度としてLevel -2 ~ Level 8の10段階になっており、Level 8を強度最大として、Levelの添え字が大きくなるほど電圧降下の補正は強くなりOCは安定しやすくなりますが発熱も大きくなります。Level 5かLevel 6あたりから始めて安定する設定値を模索していくのがおすすめです。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_12
「External Digi+ Power Control」ではその他にも「CPU VRM スイッチング周波数」「CPU VRM スペクトラム拡散」「デューティ コントロール」「CPU VRM 可動フェーズ設定」などCPUのオーバークロック時にマザーボードVRMからの電力供給を安定させる設定項目が用意されています。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_13


Ryzen ThreadripperのCPUコアクロックに関してBIOSから行う基本的なOC設定や専用ユーティリティー「Ryzen Master」によるOC設定では、単一の「P-State」を設定して固定コアクロックかつ固定電圧でOC設定としていますが、Ryzen CPUでは本来、複数の「P-State」が設定可能です。
アイドル時のP-State0、低負荷時のP-State1、高負荷時のP-State2のように負荷に応じてP-State(コアクロックと電圧の組み合わせ)という状態を遷移できます。例えばRyzen Threadripperの定格動作ではCPUごとにデフォルトで設定されたP-Stateに従って動作しているので可変コアクロックかつ可変電圧になっています。
固定最大コアクロック&固定電圧によるOCに比べて、複数のP-Stateを設定する方法は難易度が高いですが、一部のコアのみより高いクロックで動作させるなど細かい設定が可能になります。とはいえやはり複数のP-Stateを設定する方法は難易度が高い設定になるので、簡単な単一P-Stateで固定最大倍率&固定電圧のOC、もしくはPrecision Boost Overdriveを利用したOCがオススメです。
Ryzen P-State_1
「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」で複数のP-State(Custom P-State)の設定項目にアクセスするには、トップメニュータブ「Advanced」から「AMD CBS」「Zen Common Options」と下っていき、「Custom Pstates / Throttling」の項目を開くと、複数P-State(Custom P-State)の個別設定画面が表示されます。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_14
Custom P-Stateでは「P-State X FID」「P-State X DID」「P-State X VID」の3種の設定値を各P-State Xに対して設定します。いずれの設定値も16進数(0~9、A~F)による設定で例えば、3a(16進数)=3*16+10=58(10進数)となります。
各P-State Xに対するコアクロックの設定は次のようになります。
 コアクロック = BCLK(ベースクロック)*FID / DID * 2
つまり「FID / DID * 2」がコアクロックOC一般に言うコア倍率になります。例えば上のスクリーンショットでは「FID:88」「DID:8」なので10進数に戻してコア倍率を計算すると、34.00となりBCLK:100MHzに乗じて3400MHz動作となります。「Custom P-States X」の下にある「Frequency(MHz)」の横のテキストボックスにも3400と表示されています。似たようなコア倍率に対して「Core FID」と「Core DID」の組み合わせが複数存在する可能性がありますが、この組み合わせによるOC安定性に関する違いまではわからないので、そのあたりは各自で詰めてみてください。
各P-State Xに対するコア電圧は「P-State X VID」によって決まっており、同様に16進数による設定値入力で、0~FFの範囲内で設定可能です。「P-State X VID」の設定値に対してコア電圧は次のようになります。
 コア電圧 = 1.55000V - 0.00625 * VID
例えばVID:3a(16進数)=58(10進数)の場合はコア電圧は1.18750Vとなります。
以上のような流れで最大コアクロックをP-State 0として順番に下がるように設定していきます。



メモリのオーバークロックについても簡単に紹介します。
メモリの性能について簡単に言うと「動作クロックが高く」「タイミングが小さい」ほど性能は高くなります。
そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると「電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。
一方でXMPによるメモリOCは上の手順によるOCをメーカー側がすでに行い動作確認をしているので、メーカーが動作確認を行ったOCプロファイルを適用するだけで簡単にメモリをオーバークロックできます。

AMD Ryzen Threadripper環境ではメモリのオーバークロックに伴って、コアクロックOC時のコア電圧の要求値が上がるので注意してください。

メモリOCではPOSTすらクリアできずBIOSに到達できないことも少なくありませんが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」では正常にPOSTできないメモリOC設定でエラーが出た場合は数回再起動した後、自動で2133MHzのような緩い設定で起動してくれるのでメモリOCを安心して行えます。

メモリOCで有名なXMPプロファイルはIntelの策定した規格なのでAMD CPU&マザーボードの環境では非対応ですが、ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaでは「AI Overclock Tuner」のプルダウンメニューに、メモリに収録されたXMPプロファイルからRyzen環境でも使用可能なメモリOCプロファイルを自動生成する「D.O.C.P」という独自機能があります。「AI Overclock Tweaker」から「D.O.C.P」モードを選択することで、自動生成されたOCプロファイルによるメモリOC設定の適用が可能です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_15
「AI Overclock Tweaker」のAutoモードやManualモードにおいて「DRAM Frequency」の設定値がAutoになっている場合は、使用するメモリにSPD情報として収録されている動作クロック2133~2666MHzなど周波数およびタイミングによる定格動作となります。
手動でメモリ周波数を設定する場合は「DRAM Frequency」の項目でプルダウンメニューから最大4000MHzまでの動作クロック(倍率)設定が可能です。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_16
メモリタイミングの個別打ち込み設定も可能です。メモリタイミングを手動で設定する場合は基本的には「CAS Latency (tCL)」、「RAS to CAS Read (tRCDrd)」、「RAS to CAS Write (tRCDwr)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」の主要な5タイミングと、加えて下の方にスクロールしていくと表示される「Command Rate:1 or 2」の6つ以外はAutoのままでいいと思います。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_17
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_18
メモリ周波数を3200MHz以上にOCする場合は「GearDownMode」をEnabledに設定すると動作が安定するかもしれないので、Autoで上手くいかない場合は設定を変更してみてください。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_19
メモリタイミングの下の方にある「ProcODT」という設定値がAutoのままではPOSTがクリアできない場合があります。AutoでPOSTをクリアできない、もしくは起動後に安定しない場合は「ProcODT」を43.6~68.6の間で固定して安定するものを探してみてください
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_20

DDR4メモリの周波数OCを行う際は「DRAM AB/CD Voltage」の項目を、3000MHz以上にOCする場合は1.300~1.350V、3800MHz以上にOCする場合は1.370~1.400Vに上げる必要があります。メモリをOCする場合は最初から1.350V以上にDRAM電圧を盛っておくのがおすすめです。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_21
加えてAMD Ryzen Threadripper CPUでメモリの動作クロックをOCする場合はDRAM電圧だけでなく「CPU SOC電圧」も1.100V程度に盛ってやると動作が安定しやすいようです。Auto設定で上手くいかない場合は、調整してみてください。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_22

AMD Ryzen Threadripperにはメモリーアクセスモードとして「Distributed / Local」の2つのモードが用意されていますが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」では専用アプリ「AMD Ryzen Master」を使用せずBIOSからメモリーアクセスモードの変更を行うことが可能です。
トップメニュータブの「Advanced」から「AMD CBSーDF Common Options」と下っていくと表示される「Memory interleaving」の項目がメモリーアクセスモードの設定に該当しています。「Memory interleaving」の設定値は次のようになっています。
 Die : Distributed : UMAモード
 Channel : Local : NUMAモード

ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_BIOS_OC_23



ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの動作検証・OC耐性

BIOS周りの管理人的に気になるところの紹介はこのあたりにしてASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaを使用した検証機で具体的に動作検証とOC耐性をチェックしていきます。

まずはFast Bootとフルスクリーンロゴを無効にしてOSの起動時間を測定したところ、ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの起動時間は33秒ほどした。多機能なエンスー向けマザーボードの起動時間としては長すぎるわけではありませんが、若干POSTに時間がかかっている印象です。



続いてASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaを使用した場合のCPUとメモリのオーバークロック耐性をチェックしてみました。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。


Ryzen Threadripper 2990WXのOC設定については、「CPUクロック倍率:40」「CPUコア電圧:1.21875V」「ロードラインキャリブレーション: Level 6」としました。またメモリ周波数は検証機材メモリ「G.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRX」のXMPプロファイルを使用してメモリ周波数3200MHz、メモリタイミング14-14-14-34-CR1にOCしています。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_BIOS (1)ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_BIOS (2)ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_BIOS (3)

上の設定を適用したところ問題なくOSを起動させることができました。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test (1)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test (2)

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha(BIOS:0207)」の環境ではG.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRXのOCプロファイルによってメモリ周波数を3200MHzにOCしてメモリタイミング:14-14-14-34-CR1に詰めることができました。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_RamTest

「AMD Ryzen Threadripper 2990WX」の全コア同時4.0GHz、メモリ周波数3200MHz、メモリタイミング14-14-14-34-CR1でCinebenchも問題なくクリアできました。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_Cinebench

続いてこのOC設定を使用してストレステストを実行しました。
検証方法については、FF14ベンチマークの動画(再生時間7分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)でAviutl+x264を使ってエンコードを行いました。エンコード時間はThreadripper 2990WXの場合15分ほどなので同じ動画のエンコードを3つ並列して実行しています。テスト中のファン回転数は一定値に固定しています。
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。
AMD Ryzen Threadripper 2990WX_stress

ストレステスト中のCPU温度とCPU使用率のグラフは次のようになりました。マザーボードにASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaを使用して「AMD Ryzen Threadripper 2990WX」を全コア同時4.0GHz、メモリ周波数3200MHzにOCしてストレステストをクリアできました。CPUクーラーのファン回転数は1600RPMで固定しています。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_temp

スマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用して「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のVRM電源温度をチェックしていきます。
まずは同マザーボードにおいてAMD Ryzen Threadripper 2990WXをデフォルト設定で負荷をかけてからVRM電源温度を測定してみました。定格ではTDP250W制限下で動作するため動画のエンコードのような長期的な負荷に対しては実動平均で全コア3.2~3.3GHz程度での動作となります。
AMD Ryzen Threadripper 2990WX_def clock
Ryzen Threadripper 2990WXは定格動作でもEPS端子経由の消費電力は220W~250W程度に達しますが、簡易水冷CPUクーラーを使用していてVRM電源周りに風が直接当たらない場合、VRM電源温度は高温部分で70度半ばでした。「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はRyzen Threadripper 2990WXの定格運用であれば、VRM電源はパッシブ空冷のままでも問題なさそうです。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_FLIR_2990WX_def (1)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_FLIR_2990WX_def (2)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_FLIR_2990WX_def (3)

続いてRyzen Threadripper 2990WXを上記のBIOS設定でOCした時の負荷テスト中の温度をチェックしていきます。同マザーボードに限った話ではありませんが第2世代Ryzen Threadripperで手動設定OCやPrecision Boost Overdriveの適用を行う場合はスポットクーラーを使用してVRM電源部分の冷却推奨です。ちなみにASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha環境でRyzen Threadripper 2990WXを全コア同時4.0GHz、メモリ周波数3200MHzにOCするとシステム全体の消費電力(ほぼCPUの消費電力)が600Wに達します。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_Power
まずは試しにスポットクーラーを増設せずに、全コア4.0GHzにOCしたRyzen Threadripper 2990WXに負荷をかけてみました。
「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のVRM電源クーラーには小径ですが2基の冷却ファンが標準で搭載されており、全コア4.0GHzにOCした2990WXの負荷に対してVRM電源温度は90度半ばに収まりました。16フェーズの堅牢なVRM電源回路とアクティブ空冷のVRM電源クーラーもあって、ユーザーがスポットクーラーを増設しなくても、100度の大台に乗っていないところは十分評価に値しますが、やはり大幅なOCをするのであればスポットクーラーを増設した方が良さそうです。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_FLIR_2990WX_4GHz_nofan (1)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_FLIR_2990WX_4GHz_nofan (2)
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_FLIR_2990WX_4GHz_nofan (3)
ちなみにこの時、VRM電源クーラーに標準搭載されている冷却ファンは5000RPM前後というかなりの高回転数で動作していましたが、ファン径が小さいこともあってノイズレベル自体は37.3dB程度でそれほど大きくもありませんでした。PCケースに入れてしまえば多少風切り音が聞こえても煩わしく感じることはないと思います。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha review_08106

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はX399マザーボードの中では屈指のVRM電源回路&クーラーを搭載しているとはいえ、CPU消費電力が600Wに達するRyzen Threadripper 2990WXの大幅なOCを運用するならスポットクーラーは必須になるようなので、次にスポットクーラーとして92mmサイズ冷却ファン「Noctua NF-A9 PWM」を1500RPMで回して同様の検証を行いました。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha review_08109_DxO
スポットクーラーなしではVRM電源温度が90度半ばに達しましたが、スポットクーラーで適切に冷やしてやれば、ストレステスト終盤でもサーモグラフィーやソフトウェア読みのVRM電源温度は80度未満に収まりました。「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」環境においてRyzen Threadripper 2990WXで大幅なオーバークロックをするのであればVRM電源周りの冷却にスポットクーラーの使用を推奨します。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_FLIR_2990WX_4GHz_SC
上で掲載したストレステストのグラフはスポットクーラーを使用しない状態のものですが、スポットクーラーを使用した時のCPU温度、CPU使用率、VRM電源温度、VRM電源冷却ファン回転数の推移は次のようになっています。スポットクーラーを使用することによってVRM電源温度が下がることから、直接的にはVRM電源冷却ファン回転数が下がり、また距離が近く影響を受けやすいCPU温度も数度下がって、CPU使用率からも動作の安定性が向上していることがわかります。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha_OC Test_temp+sc

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」環境においてRyzen Threadripper 2990WXの大幅なオーバークロックをする場合、スポットクーラーにはマザーボードスペーサーのネジ穴を利用して固定できるフレキシブルファンアーム「サイズ 弥七」がおすすめです。
スポットクーラー用ファンアーム「サイズ 弥七」をレビュー
サイズ 弥七



ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaのレビューまとめ

最後に「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • ブラックを基調とし電子回路を模したROGシリーズのクールなデザイン
  • マザーボード右側を保護するバックプレート付き
  • マザーボード一体型リアI/Oパネル搭載
  • マザーボード備え付けのアドレッサブルなLEDイルミネーションが綺麗
  • OLEDディスプレイパネル「ASUS Live Dash」が意外と便利かも
  • 外部センサーと搭載で水温ソースのファンコンも可能なので水冷PCにも最適
  • 重量級グラボにも耐えるメタルアーマー採用PCI-Eスロット「SAFESLOT」
  • 16フェーズの堅牢なVRM電源回路、アクティブ空冷な超大型VRM電源クーラーを搭載
  • Ryzen Threadripper 2990WX 4.0GHz、メモリクロック3200MHz OCで安定動作
  • ヒートシンク搭載の独自M.2スロット「ROG DIMM.2 HS」を搭載
  • リアI/OにAQUANTIA製10Gbイーサを標準搭載
  • スタート・リセットスイッチなど動作検証に便利なオンボードスイッチ
  • 各種オンボードスイッチ等、オーバークロッカー向けのハードウェアツールを多数備える
悪いところor注意点
  • 2990WXや2970WXのオーバークロックを行う場合はスポットクーラーの増設を推奨
  • マザーボードサイズはATXより幅が20mm程長いE-ATXなのでPCケースとの干渉に注意

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」は。Ryzen Threadripperのために完全新規に立ち上げられたAMDのエンスー向けマザーボード最上位ブランド”ROG ZENITH”シリーズの第2段にして、TDP250WとなるRyzen Threadripper WXシリーズへの対応を果たした改良モデルです。「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaの最大の特徴は何といっても一目見て目に付く、マザーボード上端を占領する16フェーズのVRM電源回路とファン内蔵の超大型VRM電源クーラーであり、既存の製品では定格運用ですらハードルが高い32コア64スレッドのRyzen Threadripper 2990WXの大幅なオーバークロックにも難なく対応できるポテンシャルを備えています。
AMD Ryzen Threadripperに対応したX399マザーボードの中では頭一つとびぬけた高価な製品となっていますが、それに見合った圧倒的ブランド力と豪華な構成を備えているので予算が許すのであればASUS ROG ZENITH EXTREME Alphaは買って満足のいく製品だと思います。

ASUS製マザーボードではお馴染みですがBIOSやマニュアルの日本語ローカライズ品質は主要4社の中でも随一となっており、BIOSのテキストベースUIの使い勝手も良好です。ROGシリーズと言うと高価で上級者向け製品のイメージが強いかもしれませんが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」は初心者にも優しいマザーボードだと思います。

ASUSの新たな試みであるディスプレイ機能「ASUS LiveDash」は17年後半から実装が開始された比較的新しい機能ですが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」では有機ELディスプレイパネル「ASUS LiveDash OLED」にアップグレードされています。ハードウェアモニタリング表示やオリジナルアニメーション表示以外にも、POST中のチェック項目を逐次表示してくれるのが印象的で、今度の発展次第では初心者ガイドとして非常に有力な機能になる可能性を感じました。「ASUS LiveDash」は今後の発展に期待の高まる独自機能です。

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」にRyzen Threadripper 2990WXを組み合わせてデフォルト設定で運用すると、定格仕様の通りTDP250Wの制限内で動作し、長期的に負荷をかけ続けてもVRM電源温度はサーモ・ソフト読みで70度半ばに収まりました。堅牢なVRM電源回路と高性能なVRM電源クーラーを搭載した「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」なら、2990WXや2970WXの定格運用であればVRM電源はスポットクーラーを増設しなくても問題なさそうです。
TDP250WのRyzen Threadripper WXシリーズは既存のX399マザーボードのほぼ全てにおいて運用するのが難しいというのが当サイトでの評価でしたが、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はRyzen Threadripper WXシリーズを安定して運用できる貴重なX399マザーボードです。

「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」の検証機では32コア64スレッドのAMD Ryzen Threadripper 2990WXを全コア4.0GHzに、メモリ周波数も3200MHzにオーバークロックして負荷テストをクリアすることができました。
Ryzen Threadripper 2990WXのOCについてはEPS端子経由のCPU消費電力も500Wを超えてきますが、16フェーズの特盛りなVRM電源回路と内蔵冷却ファンによるアクティブ空冷に対応した超大型VRM電源クーラーによって、スポットクーラーを増設しなくとも、VRM電源温度を90度台に収めることに成功しています。とはいえやはり高温なので大幅なオーバークロックを行うのであればスポットクーラーの増設を推奨します。スポットクーラーを増設して適切に冷やしてやれば、Ryzen Threadripper 2990WXの全コア4.0GHz OCでもVRM電源温度は最大80度未満に抑えることができるので、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」はRyzen Threadripper 2990WXのOC環境としても戦える貴重なX399マザーボードです。
メモリOCについてはRyzen Threadripper環境では定番メモリのG.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRXを使用して、メモリ周波数3200MHzでメモリタイミング14-14-14-34-CR1というシビアなタイミングを達成しているのでOC耐性(BIOS自動設定)についても十分に及第点をクリアしていると思います。

以上、「ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha」のレビューでした。
ASUS ROG ZENITH EXTREME Alpha






検証機材として使用している以下のパーツもおすすめです。
G.Skill Flare X F4-3200C14Q-32GFX Threadripper対応
G.Skill Trident Z RGB F4-3200C14Q-32GTZRX Threadripper対応
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Ryzen Threadripperは従来のCPUに比べて非常に大きいヒートスプレッダが採用されているので、大型ベースコアを採用するThreadripper専用CPUクーラーもおすすめです。

Noctua NF-A12x25 PWM 120mmファン 定格2000RPM PWM対応
Noctua NF-A12x25 ULN 120mmファン 定格1200RPM PWM対応
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Noctua NH-U14S TR4-SP3 - 140mm [Noctua正規代理店]
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Noctua NH-U9 TR4-SP3 - 92mm [Noctua正規代理店]
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<TSUKUMO:U14S/U12S/U9><PCワンズ



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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