Corsair Dominator Platinum RGB


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CorsairからハイエンドメモリブランドDominator Platinumシリーズの新製品としてリリースされた、超高輝度なCAPELLIX RGB LEDによる12分割アドレッサブルLEDイルミネーションを搭載する「Corsair Dominator Platinum RGB(型番:CMT32GX4M4C3200C14)」のサンプル機を国内正規代理店リンクスインターナショナル様からご提供いただけたのでレビューしていきます。
今回検証するのはメモリ周波数3200MHzおよびメモリタイミング14-14-14-34のOCプロファイルによるオーバークロックに対応する8GB*4=32GBのDDR4メモリキット「CMT32GX4M4C3200C14」です。メインストリーム向けのIntel第9世代Core-SとAMD第2世代Ryzen、エンスージアスト向けのIntel第9世代Core-XやAMD第2世代Ryzen Threadripperなど、19年最新4大プラットフォームでメモリOCが安定動作するのかもチェックしていきます。
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代理店公式ページ:https://www.links.co.jp/item/cmt32gx4m4c3200c14/
製品公式ページ:https://www.corsair.com/ja/ja/~/~/dominator-rgb-config/p/CMT32GX4M4C3200C14

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Corsair Dominator Platinum RGB レビュー目次


1.Corsair Dominator Platinum RGBの外観
2.専用アプリ「iCUE」:セットアップと基本的な使い方
3.Corsair Dominator Platinum RGBのLEDイルミネーション
4.メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順
5.Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14のメモリOCを試す
6.Corsair Dominator Platinum RGBのレビューまとめ



Corsair Dominator Platinum RGBの外観

まず最初にCorsair Dominator Platinum RGB DDR4メモリの外観をチェックしていきます。
「Corsair Dominator Platinum RGB」はDominator Platinumシリーズではお馴染みの正方形の四隅をカットした多角形の形状になっており、紙製スリーブの外装の中にはスポンジ製スペーサーに保護された状態でメモリが収められています。
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DDR4メモリ本体は1枚1枚がプラスチック製スペーサーに包装された、さらにスポンジ製スペーサーに保護されています。「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」はデュアル&クアッドチャンネル対応の8GB×4枚組メモリキットなのでスポンジ製スペーサーに4枚のメモリが収められていました。
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Corsair Dominator Platinumの無印版では側面に横縞凹凸加工の黒色プレート、上側フレームはシルバーのツートンカラーでしたが、Corsair Dominator Platinum RGBはサンドブラスト表面処理で平らなプレートになって、上側プレートも黒色に統一され、総じてシンプルなデザインです。
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Corsair Dominator Platinum RGBのサンドブラスト表面処理が施された側面プレートは質感が高く、LEDイルミネーションなしでも美しい外観です。
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「Corsair Dominator Platinum RGB」のヒートシンク上面についてもチェックしてみると、中央にはDOMINATORのロゴが描かれたプレートがあり、その両脇にはLEDイルミネーションが内蔵された半透明ディフューザーの小窓が並んでいます。「Corsair Dominator Platinum RGB」では、ロゴプレートに2球、10個の小窓に1球ずつで12分割のアドレッサブルイルミネーションが搭載されています。
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「Corsair Dominator Platinum RGB」をCorsair VENGEANCE LPXやCorsair VENGEANCE RGB PROと比較してみると、「Corsair Dominator Platinum RGB」の背の高さは42.2mmなので、ロープロファイルモデルのCorsair VENGEANCE LPXはもとより、ヒートシンク付きメモリとしてはかなり背が高い部類のCorsair VENGEANCE RGB PROに比べても高いのがわかります。
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「Corsair Dominator Platinum RGB」には独自の特許取得済み冷却技術「DHX (Dual-Path Heat Exchange) Cooling Technology」が搭載されています。PCBのグラウンド層に銅を採用することでICチップの発熱をヒートシンクへ伝導、PCB基板とICチップの双方から放熱することで高い冷却性能を発揮します。伝導と対流という2つの熱消散経路を利用してモジュールから熱を効果的に除去することができます。
DHX (Dual-Path Heat Exchange) Cooling Technology

Corsair Dominator Platinum RGBの4枚組モデルをCPUソケット右側にメモリスロットが4基あるマザーボードに取り付けるとこんな感じになります。
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専用アプリ「iCUE」:セットアップと基本的な使い方

今回検証する「Corsair Dominator Platinum RGB」だけでなく、Corsair製の電源ユニット、CPUクーラー、ゲーミングキーボードなどは専用アプリケーション「iCUE (Corsair Utility Engine)」によって各種設定が可能です。「iCUE」はキーボード・マウス向けアプリケーションCorsair Utility Engineと自作PCパーツ向けアプリケーションCorsair Linkを統合発展させた後継アプリケーションとなっています。
iCUE

「iCUE」はCorsairの公式ページからダウンロードできます。
「iCUE」ダウンロードページ:https://www.corsair.com/ww/ja/icue
iCUE_download

Corsair VENGEANCE RGB無印版ではCorsair Linkという専用アプリケーションでライティング制御が可能でしたが、「Corsair Dominator Platinum RGB」や「Corsair VENGEANCE RGB PRO」はCorsair Linkに非対応となっており、Corsair VENGEANCE RGB無印版とともに後継となる新アプリケーションの「iCUE」によってライティング制御を行います。
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なおCorsair LinkとiCUEは一緒にインストールできますが、iCUEがインストールされるとCorsair Linkからは対応機器をコントロールできなくなります。
iCUE_Corsair Link_2

公式ページから「iCUE」のインストーラーをダウンロードして、インストールするところはポチポチクリックしていくだけで簡単です。日本語にも対応しています。セットアップ後は再起動を求められるかもしれませんが、その際は一度再起動してから再度「iCUE」を起動してください。
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インストールが完了したらデスクトップのショートカットアイコンから「iCUE」を起動します。
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「Corsair Dominator Platinum RGB」、「Corsair VENGEANCE RGB PRO」、「Corsair HX1200i」、「Corsair Commander PRO」などiCUE対応機器はデバイスとして一覧に表示されます。
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各デバイスのアイコンを選択すると詳細設定画面が表示されます。「iCUE」はCorsair Linkの後継アプリでもあるので、電源ユニットHX1200iやマルチコントローラー「Corsair Commander PRO」など従来Corsair Linkで操作していた機器に関する詳細設定も行えます。
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Corsair Linkに慣れているだけかもしれませんが、ファン制御やグラフ表示などについてはCorsair Linkのほうが直感的に簡単に設定できたので、「iCUE」の設定UIは今後の改良に期待したいです。
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iCUEの画面左側にあるプロファイルパネルからは複数の機器に対する設定をひとまとめにしたプロファイルを作成することができます。
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画面上部のメニューから「ダッシュボード」を選択すると、iCUE対応機器やシステム情報など、任意に指定したモニタリング値やグラフを表示できます。「ダッシュボード」の右にあるプラス(+)アイコンをクリックするとダッシュボードに表示する機器の選択メニューが表示されます。
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画面上部のメニューから「簡易証明」を選択すると11色のカラーパレットが表示されます。カラーパレットからカラーを選択すると、「Corsair VENGEANCE RGB PRO」やゲーミングマウス・キーボードなどLEDイルミネーションを搭載したiCUE対応機器の発光カラーを1ステップで変更できます。
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画面上部のメニューから「設定」を選択すると、画面右上にはiCUE対応機器の簡易設定メニュー、画面右下にはiCUEの設定メニューが表示されます。
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iCUE対応機器の簡易設定メニューでは、iCUE対応の各種デバイスについて簡単な設定が行えます。電源ユニットであればシングルレール/マルチレール設定、LED機器については明るさ設定が行えます。あくまで簡易設定なので詳細設定を行う場合は、上で紹介した各種デバイスの詳細設定メニューを開いてください。
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iCUEの設定メニューには、スタートアップ設定や言語設定などiCUEに関する基本設定を行う「全般」、アプリケーション別のOSDプロファイルを設定する「OSD」、ダッシュボードの表示について設定する「ダッシュボード」、iCUE対応機器やシステムのログ機能について設定する「センサロギング」の4項目があります。
iCUE登場当初はログ機能で開始・終了を任意に指定できなかったり、ログファイルの保存場所を指定できなかったのですが、最新版では両方に対応しました。
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Corsair Dominator Platinum RGBのLEDイルミネーション

続いて「Corsair Dominator Platinum RGB」のLEDイルミネーションをチェックしていきます。
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「Corsair Dominator Platinum RGB」はソフトウェアによるライティング制御なし状態では、CPUソケットを左、メモリスロットを右として、各メモリが上から下に7色に変化していきます。ただし起動直度は各メモリで色の変化のタイミングはほぼ一致しているのですが、時間が経つにつれて徐々にズレてきてランダム然とした発光パターンになってしまいます。
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LEDイルミネーション搭載メモリの他社製品ではOSが起動してライティング制御ソフトウェアが起動するまでは、レインボーやカラーサイクルなど既定の発光パターンで点灯するものが多いですが、「Corsair Dominator Platinum RGB」はメモリ側にソフトウェアで設定した発光パターンが保存されるので、iCUEで設定した発光パターンそのままに起動中もLEDイルミネーションが点灯します。
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先日レビューした10分割アドレッサブルLEDイルミネーションを搭載する「Corsair VENGEANCE RGB PRO」は各アドレスのRGB LEDについては色の混ざり具合が若干甘く、白色(全色点灯)などRGBの複数色を静的に発行させると均一にならずRGBの単色がやや見えたのが気になるところだったのですが、12分割のアドレッサブルLEDイルミネーションを搭載する「Corsair Dominator Platinum RGB」は白色も均一で綺麗に発光しました。
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続いて「Corsair Dominator Platinum RGB」のライティング制御について紹介していきます。
Corsair VENGEANCE RGB無印版ではCorsair Linkという専用アプリケーションでライティング制御が可能でしたが、「Corsair Dominator Platinum RGB」や「Corsair VENGEANCE RGB PRO」はCorsair Linkに非対応となっており、Corsair VENGEANCE RGB無印版ともに後継となる新アプリケーションの「iCUE」でライティング制御を行います。
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左端メニューの「DIMM設定」を選択すると、ソフトウェアによるLEDイルミネーション設定を実際のメモリ配置に合わせて最適化するため、CPUソケット右に4基やCPUソケットを挟んで2基ずつなど、実際のメモリレイアウトをフィードバックすることができます。
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各メモリモジュールを選択すると左右の三角アイコンと更新アイコンが表示されますが、左右の三角アイコンでメモリ位置の入れ替え、更新アイコンでは変化方向をメモリモジュールごとに上下反転させることができます。
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左右4スロットずつのレイアウト以外にも、左右2スロットずつやメインストリーム向けプラットフォームで定番のCPUソケット右側に4スロットのレイアウトも選択できます。
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左端メニューの「照明効果」を選択すると、上で選択したメモリレイアウトに合わせて、発光パターンと発光カラーを設定できます。選択可能な発光パターンとして、「レインボーウェーブ」「スパイラルレインボー」「マーキー」「レイン」「バイザー」などのアドレッサブル発光パターン、「レインボー」「カラーシフト」「カラーウェーブ」などのRGB発光パターン、そして固定発光カラーを選択できる「スタティックカラー」など多種多様な発光パターンが用意されています。
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まず「スタティックカラー(固定色)」については、名前の通り選択した発光カラーに固定して発光させることができます。具体的な設定方法としては、円形カラーパレット&輝度サークルから発光カラーおよび輝度を選択できます。設定を変更すると自動で発光カラーが反映されます。
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「Corsair Dominator Platinum RGB」のLEDイルミネーションは12アドレスに分割されていますが、2019年4月の最新版のiCUEでは発光パターンで「マルチカラー」を選択することによって、各アドレスに対して個別に発光カラーを設定して静的に発行させることが可能です。
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iCUEのライティング制御で用意されている「Corsair Dominator Platinum RGB」の発光パターンプリセットについて参考にいくつか動画を撮影してみました。








メモリOC検証機材、メモリOCの基本と手順

ここからはメモリのオーバークロックを行いますが、その前に検証機材の紹介と、メモリOCの基本・手順についての説明を行います。

「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のメモリOCを行う環境としては、Core i9 9900KやCore i9 9980XEで構成されるIntel環境とRyzen 7 2700XやRyzen Threadripper 2950Xで構成されているAMD環境、2019年最新4大プラットフォーム全てを用意しました。
Intelプラットフォーム テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit
CPU
Core i9 9900K
レビュー
Intel Core i9 9980XE
レビュー
M/B ASUS WS Z390 PRO
レビュー
ASRock X299 OC Formula
レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
グラフィックボード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システム
ストレージ
Samsung SSD 860 EVO
M.2 1TB(レビュー
Samsung 860 PRO 256GB
レビュー
電源ユニット
Corsair HX1200i
レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー

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AMDプラットフォーム テストベンチ機の構成
OS Windows10 Home 64bit
CPU
AMD Ryzen 7 2700X
レビュー
AMD Ryzen Threadripper 2950X
レビュー
M/B ASUS ROG CROSSHAIR VII
HERO (Wi-Fi) (レビュー
ASRock Fatal1ty X399
 Professional Gaming (レビュー
CPUクーラー Corsair H150i PRO RGB
レビュー
ENERMAX LIQTECH
TR4 II 360 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM
レビュー
グラフィックボード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システム
ストレージ
Samsung 860 PRO 256GB
レビュー
電源ユニット
Corsair HX1200i
レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー

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ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
Samsung SSD 860 PRO 256GB


実際にメモリのオーバークロックを行う前にメモリのOCについても紹介しておきます。
今回はASRock Z270 SuperCarrierの設定項目に合わせて紹介しますが、マザーボードメーカーによってレイアウトこそ多少異なるものの、メモリOC設定の方法については基本は共通なのでここの説明を一通り読めば予備知識としては十分だと思います。プラットフォーム別でも、18年最新のIntel第8世代CoffeeLake-S CPUに対応するIntel 300シリーズマザーボードであればほぼ全ての機種で似たような設定が可能です。またIntel Skylake-X&X299マザーボード環境、AMD Ryzen&AM4マザーボード環境、AMD Ryzen Threadripper&X399マザーボード環境でもメモリOCの手順はほぼ同じです。
まず大前提としてオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。最近のPCパーツは常識的な範囲内であればOCしても壊れることは滅多にないはずですが、データの破損は依然としてよくあることなので大切なデータは予め隔離するかバックアップをとってください。

CPUやGPUのオーバークロックと違ってメモリには負荷テストで落ちる(BSODやフリーズ)わけでもないのに、長期的に見てランダムにソフトウェアでエラーが発生するなどといったケースもあり、実用を兼ねるOCとしては比較的難易度が高いです。

最低限の安定性検証は必要なのでメモリOC時のストレステストについて、管理人は経験的にHCI memtestで200%カバーを確認後、動画のエンコードテストを30~60分で安定動作と判断しています。記事内で行ったメモリOCについては特に記載がなければ上記の検証クリアで安定動作としています。HCI Memtest
また18年に入ってから新たにリリースされた「Ram Test(レビュー)」という海外のメモリ安定性検証ソフトが軽量かつ使いやすく、1000円程の有料ソフトですがおすすめです。RAM Test
その他にも負荷テストにはPrime95やOCCTなどかなり重いストレステストを使うユーザーも多いようですが、CPUにしろメモリにしろ専用負荷ソフトを使ってOCの安定性検証をしていても落ちるときは落ちるので、ある程度のところで見切りをつけて、日頃のバックアップを心掛け、落ちた時は設定を緩めるか電圧を盛るほうが手っ取り早いというのが管理人の持論です。

メモリOCに伴うBSODやフリーズ以外の細かいトラブルについては次の記事でまとめたりコメント欄を情報交換に開放しているので活用してください。
DDR4メモリのオーバークロックで発症した不具合と解決策について
メモリのオーバークロックで発症した不具合と解決策について

CPUの倍率変更OCと違って、メモリOCの設定段階では正常にPOSTできずBIOSにすらたどり着けないケースもあり、そういった場合はCMOSクリア(BIOS設定の初期化)が必要になる場合があります。CMOSクリアの方法はオンボードやリアI/Oに実装されたスイッチを使用したり、オンボードジャンパーピンを使用したりとマザーボードによって方法が異なります。メモリOCを実践する前に予めCMOSクリアの方法をチェックしておいてください。
CMOS Clear_1CMOS Clear_2


前置きはこのあたりにして、メモリのオーバークロックに関するBIOSの設定について、Core i9 9900KなどIntel第9世代CoffeeLake Refresh-S CPUに対応するZ390チップセット搭載マザーボードのASUS WS Z390 PROを例に詳しく紹介していきます。
メモリOC検証機材

メモリの性能は簡単に言うと『動作クロックが高く』『タイミングが小さい』ほど性能が高くなります。
そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると、「1.電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「2.そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。最初のメモリタイミング設定については「16-18-18-36」とか「18-18-18-38」とか「20-20-20-40」とか、何でもいいのでてきとうに決め打ちするか、マザーボードの自動設定にお任せしてしまいます。動いたらラッキーでタイミングを小さく刻み、動かなかったらタイミングを緩めてまたチャレンジする、という具合で特定のメモリ周波数についてチェックしていきます。

メモリのOCでは、G.SkillやCorsairなどからOCプロファイルを収録した選別済みOCメモリという便利なものが販売されています。XMPなどOCプロファイルによるOC対応がうたわれているOCメモリでは、上の手順によるメモリのオーバークロック、つまりOC耐性の選別をメモリメーカー側がすでに行って、その個体(メモリモジュール)について動作確認をしています。
IntelプラットフォームではこういったOCプロファイルのことを「インテル エクストリーム・メモリー・プロファイル(XMP)」と呼んでいます。XMPはIntelが策定したものなので、厳密にいうとAMD環境には非対応ですが、XMPプロファイルに収録されたメモリ周波数とタイミングの設定値からAMD環境に合わせたメモリOCプロファイルを自動生成する機能として、「ASUS D.O.C.P」や「MSI A-XMP」などが各社マザーボードのBIOS上に機能として用意されており、XMPがほぼデファクトスタンダード的扱いになっているので、OCプロファイルによるメモリOCを”XMPでOCする”とまとめて表現してしまう場合もあります。
ともあれOCプロファイルによるメモリOCではメーカーが動作確認を行ったメモリモジュールでOCプロファイルを適用するだけなので、メーカーが確認済みもしくは類似の環境(主にQVLに記載のあるマザーボード)が用意できれば簡単にメモリをオーバークロックができます。


以上を念頭にBIOS(UEFI)メニューから行う具体的なメモリOCのBIOS設定を見ていきます。なおOC設定を詰めていく時はWindowsとBIOSを頻繁に行き来することになるので、BIOS(UEFI)への再起動ショートカットを作っておくと非常に便利です。BIOS(UEFI)への再起動ショートカットの作り方も別の記事で紹介しています。


ASUS WS Z390 PROでは「AI Overclock Tweaker」からXMPモードを選択することでOCメモリに収録されたXMPプロファイルによるメモリのオーバークロックが可能です。
メモリOC設定_1
「AI Overclock Tweaker」のAutoモードやManualモードにおいて「DRAM Frequency」の設定値がAutoになっている場合は、使用するメモリにSPD情報として収録されている動作クロック2133~2666MHzなど周波数およびタイミングによる定格動作となります。
手動でメモリ周波数を設定する場合は「DRAM Frequency」の項目でプルダウンメニューから最大8533MHzまでの動作クロック(倍率)設定が可能です。G.SkillやCorsairのOCメモリでも18年後半現在XMP4600MHzが最高なのでまだまだ道のりは長いですが。
メモリ周波数もBCLKに対する倍率で動作周波数が決まっているので、BCLKを標準値の100MHzから120MHzに上げると、44倍設定時の動作周波数は4000MHzから5280MHzに上がります。
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XMP対応OCメモリの仕様値について、メモリ周波数に加えて「16-18-18-36」のようなメモリタイミングについての表記に見え覚えのある読者も多いと思います。このワンセットになった数字はファーストタイミングもしくはプライマリタイミングとも呼ばれ、Intel/AMD環境毎やマザーボードベンダー毎に表記がやや異なるものの、前から順に「CAS Latency (tCL」)」、「RAS to CAS (tRCD)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」となっています。
ユーザーが各自でメモリタイミングを手動設定する場合は上の4つに加えて「Refresh Cycle Time (tRFC)」と「Command Rate:1 or 2」の計6つについて設定し、残りはマザーボードの自動設定にお任せしてしまうのが、比較的簡単でおすすめな設定方法です。
メモリのタイミングには他にも多くの項目がありますが、基本的には上の6つを適切に設定すればOKです。XMPの場合は自動的に動作確認済みのタイミングが適用されますし、マニュアル設定の場合でも設定値Auto(自動)であればマザーボード側がメモリ周波数に合わせて適当に設定を行ってくれます。
最初に書いたようにタイミングは小さい方が性能が高くなります。ただタイミングの設定は少し難しいのでXMPかAuto設定にお任せしてしまうのが手っ取り早くておすすめです。

なおメモリクロックもCPUコアクロック同様にBCLK(ベースクロック、FSBなどとも)に対する倍率なので、BCLKを変更することでBCLK:100MHz時の4133MHz上限から、例えばBCLK:120MHzにすると上限5000MHzに引き上げられます。ただしBCLKを使ったOCはかなり難易度が高いので基本的に100MHz固定が推奨です。
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DDR4メモリでメモリ周波数をOCする場合2133MHz~2933MHzあたりまでであれば、DRAM電圧は定格の1.200Vで問題なく動作することが多いですが、メモリ周波数3000MHz以上を狙う場合はDRAM電圧を1.350V以上まで昇圧する必要があります。マザーボードによってはメモリ周波数に応じて自動で設定してくれるものもありますが、手動設定のほうが確実なので予め設定しておくのがおすすめです。
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なおDRAM電圧を盛ると当然発熱は大きくなりますが、1.350~1.380V程度であればCPUソケット周辺に直接風の当たらない簡易水冷環境であってもOCメモリに設置されたヒートシンクによるパッシブ冷却で基本的に問題ありません。ただしメモリ周波数4000MHz以上になると1.400V以上が要求され、OC自体も難しくなり、発熱も大きくなってきます。
IntelプラットフォームのCoffeeLake Refresh(Z390)、Core-X(X299)の環境では3200MHzから3600MHz、AMDプラットフォームのRyzen(X470/X370)やRyzen Threadripper(X399)の環境では2933MHzから3200MHzを狙うのが難易度的には比較的簡単なのでおすすめです。

説明の順番が前後してしまいましたが、初めてメモリのOCをする場合は、メモリ周波数やタイミングを変更する前に、HWinfoなどのモニタリングソフトを使用してBIOSで指定した電圧設定が正常に反映されているか確認しておくとメモリOCに失敗した時に原因切り分けに役立ちます。メモリOC_電圧チェック

DDR4メモリの動作クロックを3000MHz以上にOCする場合はDRAM電圧だけでなく「VCCSA」等の周辺電圧も適度に盛ってやるとメモリOCの動作が安定する可能性があります。またAMD Ryzen CPU環境の場合は「SOC電圧」を昇圧します。
設定の目安としてはIntel環境の「VCCSA」なら1.200~1.250V程度、AMD環境の「SOC電圧」なら1.100~1.200V程度を狙うといいようです。一部のマザーボードではメモリ周波数で高い数値を選んだ時やXMP適用時にこれらの電圧を自動的に昇圧してくれるものもありますが、メモリのOCを行うときはメモリ電圧同様に手動で設定しておくのがおすすめです。
メモリOC設定_6
また一部のマザーボードではメモリOCに伴いPCI-E拡張デバイスの検出不可やUSB機器同士の干渉といった不具合が生じる場合があります。グラフィックボードを検出できないと画面が暗転したまま表示できなくなるので非常に困ります。この不具合が発生した場合、CoffeeLake-SやSkylake-XなどIntel環境では「VCCIO」や「PCH Core Voltage」(マザーボードメーカーごとに表記が若干異なる)を1.150~1.200V程度に盛ると安定します。
Intel Z270マザーボードではメモリ周波数を3000MHz以上にOCすると、PCI拡張デバイスの認識に不具合が発生しましたが、「VCCIO」を適当に盛ってやることでメモリをOCしても正常に動作しました。


メモリのオーバークロックの方法や基礎知識については以上となります。BIOS上のOC設定のレイアウトについてはマザーボードベンダーが決まればほぼ共通です。下記のレビュー記事一覧から自分が使っているのと同じメーカーのマザーボードのレビュー記事を探して、OC設定の章を参考にしてみてください。
Intel第9世代CPU対応300シリーズマザーボードのレビュー記事一覧へ
Intel Core-X対応X299マザーボードのレビュー記事一覧
第2世代Ryzen対応X470チップセット搭載AM4マザーボードのレビュー記事一覧
X399チップセット搭載Socket TR4マザーボードのレビュー記事一覧へ
Intel Z390



Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14のメモリOCを試す

さてここからは本題となる、「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」がメインストリーム向けのIntel第9世代Core-SとAMD第2世代Ryzen、エンスージアスト向けのIntel第9世代Core-XやAMD第2世代Ryzen Threadripperなど、2019年最新4大プラットフォームにおいてメモリOCが安定動作するのかチェックしていきます。

Corsair Dominator Platinum RGBシリーズには3000MHz~4800MHzまでのXMPプロファイル、2/4/8枚組、Intel/AMDプラットフォーム対応など多種多様なモデルがラインナップされています。
なおXMPについてはあくまでメーカーによる”動作確認済み”の選別品であって”動作保証ではない”ので注意してください。マザーボードやCPUとの相性によってはXMPプロファイル通りに動作しない場合もあります。
メーカーによってはXMPプロファイルの正常動作を確認したマザーボードの一覧リスト「QVL(Qualified Vendor's List)」が公開されていますが、Corsair Dominator Platinum RGBシリーズではIntel 300シリーズ、AMD400シリーズなどチップセット名を表記するに留まり、具体的なマザーボード製品名はわかりません。
Corsair Dominator Platinum RGB_Compatibility
4000MHz以上の高いメモリ周波数、3200MHz/CL14や3600MHz/CL16のようなタイトなメモリタイミング設定のXMPプロファイルが収録されたモデルはOC耐性の高い上級マザーボードでしか動作しない可能性もありますが、3200MHz/CL16や3600MHz/CL18の標準的な設定であれば、Intel/AMDのプラットフォームを選ばず、安定動作する可能性が高いので、メモリOCが安定動作するか不安であれば、このあたりの製品を選ぶのがオススメです。

Corsair製のDDR4メモリは全て永久保証が適用されています。
保証規定にはOCに関連した具体的な記載はなく、XMPプロファイルを使用した、もしくは手動設定によるメモリのオーバークロックで製品が故障した場合についても明記はされていません。あくまで管理人の私見ですが、『基本的に定格以上のクロックで動作させての故障は保証対象外であるという建前はあるものの、外観で破損の跡(燃えた跡や冷却液のこぼれた跡)がなければ、ほぼ保証が適用される(ケースが多い)』ようです。
Corsair オーバークロックメモリモジュール保証規定、一部抜粋------------------

Corsair 保証期間  2016年4月8日より、以下の保証期間が適用されます。
DRAM モジュール:すべての DRAM メモリモジュールには永久保証が付いています

除外
本保証では、以下に起因する問題あるいは損害は対象外となりますが、これらに限定されることはありません。
  • 通常の使用による摩損
  • 修正、乱用、事故、解体、誤用、または不正な修理
  • メーカーのラベルまたはステッカーの取り外し
  • 製品に付属する手順に従わない使用を含む不適切な操作
  • 不適切な電圧源への接続
  • Corsair から提供されていない交換用電池などの消耗品の使用(適用される現地法で、このような制限が禁止される場合を除きます)
  • 材質または製造上の製品の欠陥に関連しないその他の原因
--( http://www.corsair.com/ja-jp/support/warranty )-------

Corsair Dominator Platinum RGBの8GB*4=32GBメモリキット「CMT32GX4M4C3200C14」に収録されるXMPプロファイルについては、メモリ周波数は3200MHzとそれほど高くありませんが、メモリタイミングが14-14-14-34というタイトな設定が採用された、かなり高選別なメモリです。3200MHz/CL14が安定動作するメモリモジュールは限られるので、案の定というべきか、OC耐性で定評のある1RankのSamsung B-Dieが採用されていました。
CMT32GX4M4C3200C14_spec


前置きはこの辺りにして「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のメモリOCを実践していきます。

まずはIntelのメインストリーム向けCPUである第9世代Core-Sの8コア16スレッドモデルCore i9 9900KとZ390マザーボードの環境で「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。マザーボードにはASUS WS X390 PROを使用しています。
Corsair Dominator Platinum RGB review_08528
BIOSから行うOC設定として、特にひねりもなくメモリに収録されたOCプロファイルを適用しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_BIOS_Z390
ざっくりとした表記ですがIntel Z390環境は「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」の互換性リストにも載っているので、OCプロファイルを適用するだけで、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング14-14-14-34-CR2で正常に動作しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_Core i9 9900K_Z390

続いてIntelのエンスージアスト向けCPUであるCore-Xの最上位18コア36スレッドモデルCore i9 7980XEとX299マザーボードの環境で「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。マザーボードにはASRock X299 OC Formulaを使用しています。
Corsair Dominator Platinum RGB review_08570
BIOSから行うOC設定として、特にひねりもなくメモリに収録されたOCプロファイルを適用しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_BIOS_X299
ざっくりとした表記ですがIntel X299環境は「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」の互換性リストにも載っているので、OCプロファイルを適用するだけで、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング14-14-14-34-CR2で正常に動作しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_Core i9 7980XE_X299

続いてAMDのメインストリーム向けCPUである第2世代Ryzenの8コア16スレッドモデルRyzen 7 2700XとX470マザーボード環境で「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。X470マザーボードにはASUS ROG CROSSHAIR VII HERO (Wi-Fi)を使用しています。
Corsair Dominator Platinum RGB review_08534
BIOSから行うOC設定については特にひねりもなくメモリに収録されたOCプロファイルを適用しています。ASUS製AM4マザーボードの場合はAi Overclock Tunerの項目で「D.O.C.P」を選択します。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_BIOS_X470_1
ざっくりとした表記でAMD X470環境(AMD 400シリーズチップセット)は「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」の互換性リストにも載っていましたが、Ryzen 7 2700XとASUS ROG CROSSHAIR VII HERO (Wi-Fi)の環境では単純にOCプロファイルを適用するだけでは、起動自体はするものの、RAM Testによる安定性テストですぐにエラーが出てしましました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_Ryzen 7 2700X_X470_fail
単純にOCプロファイルを適用するだけでは、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング14-14-14-34-CR1で安定動作させることができなかったので、簡単な追加設定として、メモリ電圧を標準の1.350Vから1.370Vに昇圧し、ProcODTを自動設定で適用される53.3Ohmから、60.0Ohmに変更しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_BIOS_X470_2CMT32GX4M4C3200C14_OC_BIOS_X470_3
単純にOCプロファイルを適用するだけでは安定動作しなかったものの、上のように簡単な微調整を行うことで、「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」はAMD X470環境でもメモリ周波数3200MHz&メモリタイミング14-14-14-34-CR1で正常に動作しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_Ryzen 7 2700X_X470_1
CMT32GX4M4C3200C14_OC_Ryzen 7 2700X_X470_2

最後にAMDのエンスージアスト向けCPUである第2世代Ryzen Threadripper Xシリーズの最上位16コア32スレッドモデルRyzen Threadripper 2950XとX399マザーボードの環境で「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のOCプロファイルによるOCを実践してみました。マザーボードにはASRock Fatal1ty X399 Professional Gamingを使用しています。
Corsair Dominator Platinum RGB review_08559
BIOSから行うOC設定として、特にひねりもなくメモリに収録されたOCプロファイルを適用しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_BIOS_AMD X399
ざっくりとした表記ですがAMD X399環境(AMD 300シリーズチップセット)は「Corsair Dominator Platinum RGB MT32GX4M4C3200C14」の互換性リストにも載っているので、OCプロファイルを適用するだけで、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング14-14-14-34-CR1で正常に動作しました。
CMT32GX4M4C3200C14_OC_Ryzen TR 2950X_X399_1
CMT32GX4M4C3200C14_OC_Ryzen TR 2950X_X399_2



Corsair Dominator Platinum RGBのレビューまとめ

最後に「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • Dominator Platinumシリーズを踏襲したスマートなデザイン
  • 12分割(アドレス)のアドレッサブルLEDイルミネーション搭載
  • Corsair純正アプリ「iCUE」でライティング制御が可能
  • iCUEで設定した発光パターンは各メモリに保存される(同期にはiCUEが必要)
  • 簡単にメモリのオーバークロックが可能なIntel XMP 2.0に対応
  • 4大プラットフォーム全てでメモリ周波数3200MHz/CL14で正常動作
  • 無期限に新品と交換可能な保証
     (http://www.corsair.com/ja-jp/support/warranty)
悪いところor注意点
  • 「Corsair Dominator Platinum RGB」は時間経過とともに発光パターンの変化タイミングがズレる
    綺麗に同期させる場合はiCUEを使用する必要あり
  • 容量単価が高価

「Corsair Dominator Platinum RGB」はLEDイルミネーション搭載メモリ最多となる12分割アドレッサブルLEDイルミネーションを搭載しており、各LED素子には超高輝度なCAPELLIX RGB LEDが採用されています。CAPELLIX RGB LEDの発光特性やロゴ&10個の小窓型ディフューザーの形状もあって各アドレスの発光がそれぞれ鮮やかでクッキリと光るので従来のLEDイルミネーション搭載メモリにはないライティングが実現されています。

LEDイルミネーションというと美しく、もしくはカッコよくライトアップする製品が主流ですが、「Corsair Dominator Platinum RGB」にはレインやスタックのような10個の小窓を利用したポップな発光パターンも用意されており、魅せる自作PCの幅を広げてくれるという意味では随一のメモリです。

「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のレビュー用サンプルによる検証ではOCプロファイルを使用することによって、比較的メモリOCの容易なIntel環境のみならず、第2世代Ryzenと第2世代Ryzen Threadripperの両環境においてデュアル/クアッドチャンネルの32GBで、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング14-14-14-34-CR1の高パフォーマンス設定でオーバークロックが手軽に行えて正常に動作しました。
「Corsair Dominator Platinum RGB」シリーズの互換性表記には具体的なマザーボード名がリストアップされておらず、チップセット名など大雑把なプラットフォームの表示に留まるので、メモリ周波数3200MHz&メモリタイミング14-14-14-34-CR1というタイトな設定がAMD環境で安定動作するかは不安もあったのですが、しっかりと高品質なメモリモジュールが選別されているようで杞憂に終わりました。

メモリについては必要な容量(現在のゲーミングデスクトップPCなら16~32GBあれば十分)さえ満たせば、OCによる性能の向上はCPUやGPUのOCに比べると実感しにくい部類である、というのがIntel環境における通説でした。そのため管理人も一口にOCメモリと言っても性能向上を狙うよりはオシャレなヒートシンク目当てに自作PCの装飾的な感覚で購入するのが個人的にはおすすめな買い方だと思っていました。
しかしながらAMD RyzenおよびAMD Ryzen Threadripper環境ではInfinity Fabricというチップ内外のインターコネクトの構造上、メモリ周波数がエンコードや3Dゲームを含めた総合的なパフォーマンスに大きく影響することが知られています。AMD RyzenやAMD Ryzen Threadripperでハイパフォーマンスな環境構築を目指すのであれば是非ともメモリ周波数3200MHz動作を狙いたいところです。

以上、「Corsair Dominator Platinum RGB CMT32GX4M4C3200C14」のレビューでした。
Corsair Dominator Platinum RGB





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