Crucial P5 SSD 1TB


スポンサードリンク




Micron製TLC型96層3D NANDメモリチップと自社製コントローラを採用し、読み書きで3GB/s超の連続アクセスピードを実現したハイエンドNVMe M.2 SSD「Crucial P5 SSD 1TB(型番:CT1000P5SSD8)」をメインに、500GBモデルや2TBモデルも交えてレビューしていきます。
空き容量の60~80%をSLCキャッシュ化できる理想的な構造で、MLC型SSDライクな快適な使い勝手を実現する同製品の性能を各種ベンチマーク比較で徹底検証します。

Crucial P5 SSD 1TB review_02007_DxO


製品公式ページ:https://www.crucial.com/products/ssd/crucial-p5-ssd
データシート:https://www.crucial.com/content/dam/crucial/ssd-products/P5/flyer/crucial-P5-productflyer-consumer.pdf
Crucial P5 SSD (3)






Crucial P5 SSD 1TB レビュー目次


1.Crucial P5 SSDについて
2.Crucial P5 SSD 1TBの外観
3.Crucial P5 SSD 1TBの検証機材と基本仕様


4.Crucial P5 SSD 1TBのベンチマーク比較
5.Crucial P5 SSD 1TBの連続書き込みについて
6.Crucial P5 SSD 1TBの温度とサーマルスロットリングについて


7.Crucial P5 SSD 1TBの実用性能比較
8.Crucial P5 SSD 1TBのデータコピー・ゲームロード比較
9.Crucial P5 SSD 1TBのレビューまとめ



【機材協力 500GB/2TB:Crucial】



Crucial P5 SSDについて

「Crucial P5 SSD」はメモリチップにMicron製TLC型96層3D NAND、メモリコントローラーにMarvell 88SS1092が採用された、M.2 2280フォームファクタでNVMe(PCIE3.0x4)接続の高速M.2 SSDです。
「Crucial P5 SSD」にはSSD容量として250GB(型番:CT250P5SSD8)、500GB(型番:CT500P5SSD8)、1TB(型番:CT1000P5SSD8)、2TB(型番:CT2000P5SSD8)の4モデルがラインナップされています。

「Crucial P5 SSD」シリーズのアクセススピードは容量によって若干異なりますが、最大でシーケンシャル読出3400MB/s、シーケンシャル書込3000MB/s、ランダム読出- IOPS、ランダム書込- IOPSの高速アクセスを実現しています。

「Crucial P5 SSD」シリーズのMTBF(平均故障時間)は180万時間、書込耐性は250GBが150TBW、500GBが300TBW、1TBが600TBW、2TBが1200TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。


Crucial P5 SSD スペック一覧
容量 250GB
(CT250P5SSD8)
500GB
(CT500P5SSD8)
1TB
(CT1000P5SSD8)
2TB
(CT2000P5SSD8)
コントローラー
Micron自社コントローラ
メモリー Micron製 TLC型96層3D NANDメモリチップ
キャッシュ
256MB LPDDR4 512MB LPDDR4 1GB LPDDR4
2GB LPDDR4
連続読出 3400MB/s
連続書込 1400MB/s 3000MB/s
4Kランダム読出 - IOPS/s
4Kランダム書込 - IOPS/s
消費電力 -
動作温度範囲 0°C~70°C
MTBF 180万時間
耐久性評価 150TBW 300TBW 600TBW 1200TBW
保証期間 メーカー5年



Crucial P5 SSD 1TBの外観

まず最初にCrucial P5 SSD 1TBの外観や付属品について簡単にチェックしておきます。
紙製のパッケージを開くとSSD本体はプラスチックのスペーサーに収められていました。付属品は保証規定書およびインストールガイドとなっています。
Crucial P5 SSD 1TB review_02008_DxO
Crucial P5 SSDのSSD本体デザインについて、SSD基板本体は普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色になっています。
Crucial P5 SSD 1TB review_02009_DxO
Crucial P5 SSDの表面にはM.2端子のすぐ傍にメモリコントローラー、その隣にDRAMキャッシュ、逆側半分には2枚のメモリチップが実装されています。
Crucial P5 SSD 1TB review_02009s_DxO
Crucial P5 SSDの250GB/500GB/1TBの3モデルについては背面にはメモリチップ等の実装が一切なく、片面実装となっています。
Crucial P5 SSD 1TB review_02010_DxO
容量下位モデルの500GBはもちろん、最大容量の2TBモデルについても片面実装となっており、実装されたメモリチップの厚みに若干の違いはありますが、SSDのレイアウトは各容量共通です。
Crucial P5 SSD 1TB review_02415_DxO



Crucial P5 SSD 1TBの検証機材と基本仕様

「Crucial P5 SSD 1TB」の各種検証を行う環境としては、Intel Core i9 9900K&ASUS WS Z390 PROなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 9900K(レビュー
Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V
殻割り&クマメタル化(レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36(レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Black
F4-4400C19D-16GTZKK
DDR4 8GB*2=16GB (レビュー
4000MHz, CL17-17-17-37-CR2
マザーボード
ASUS WS Z390 PRO
レビュー
ビデオカード 【基礎性能検証用】
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
レビュー

【PCゲームロード時間検証用】
ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core
レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB
MZ-N6E1T0B/IT (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

Strage Test Bench_1
Strage Test Bench_2

ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
Samsung 860 EVO M.2 1TB


「Crucial P5 SSD 1TB」のボリュームをWindows10上で作成したところ、空きスペースは931GBでした。
Crucial P5 SSD 1TB_CDI
また「Crucial P5 SSD 500B」は465GB、「Crucial P5 SSD 2TB」は1.81TBでした。
Crucial P5 SSD 500GB_CDI
Crucial P5 SSD 2TB_CDI



Crucial P5 SSD 1TBのベンチマーク比較

「Crucial P5 SSD 1TB」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。比較対象として同じくNVMe M.2 SSDの「Samsung SSD 970 PRO 1TB(レビュー)」、「Samsung SSD 970 EVO Plus 1TB(レビュー)」、「Kingston KC2000 1TB(レビュー)」、「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB(レビュー)」、およびSATA SSDの「Samsung SSD 860 PRO 1TB(レビュー)」、「Samsung SSD 860 EVO 1TB(レビュー)」等でも同様の測定を行いました。

まずはCrystalDiskMark7.0.0f (8GiB)について、「Crucial P5 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
「Crucial P5 SSD 1TB」のベンチマークススコアは連続読み出し3500MB/s、連続書き込み3200MB/sとなりました。製品仕様の通りの超高速な連続アクセススピードです。
Crucial P5 SSD 1TB_CDM7
また500GBと2TBの別容量モデルも製品仕様の通り、連続読み出し3500MB/s、連続書き込み3200MB/sの超高速な連続アクセススピードです。
Crucial P5 SSD 2TB_CDM7
Crucial P5 SSD 500GB_CDM7

Samsung 970 PRO 1TB_CDM7Samsung 970 EVO Plus 1TB_CDM7
Kingston KC600 1TB_CDM7WD Black SN750 NVMe SSD 1TB_CDM7
Samsung 860 EVO 1TB_CDM7Samsung 860 PRO 1TB_CDM7


ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2(512B-64MB, 8GB, QD1/QD4)について、「Crucial P5 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
ATTO Disk Benchmarkはブロックサイズ別のシーケンシャル性能を主にチェックするベンチマークなので4KB~1MBを抜粋してリード/ライト性能をグラフにして比較しました。
Crucial P5 SSD 1TB_ATTO_QD1_read
Crucial P5 SSD 1TB_ATTO_QD1_write
Crucial P5 SSD 1TB_ATTO_QD4_read
Crucial P5 SSD 1TB_ATTO_QD4_write
Crucial P5 SSD 1TB_ATTO_QD1Crucial P5 SSD 1TB_ATTO_QD4


AS SSD Benchmark v2.0.6821.41776(5GB)について、「Crucial P5 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
Crucial P5 SSD 1TB_AS
Samsung 970 PRO 1TB_ASSamsung 970 EVO Plus 1TB_AS
Kingston KC2000 1TB_ASWD Black 3D NVMe SSD 1TB_AS
Samsung 860 PRO 1TB_ASSamsung 860 EVO 1TB_AS


PCMark8 ストレージテストについて、「Crucial P5 SSD 1TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
Crucial P5 SSD 1TB_PCM8
Crucial P5 SSD 1TB_PCM8_cp



Crucial P5 SSD 1TBの連続書き込みについて

「Crucial P5 SSD 1TB」に連続書き込みを行った場合の動作についてチェックします。

TLC型やQLC型と呼ばれる3bit以上のマルチレベルセルで動作するNANDが採用されているSSDでは、マルチレベルセル化によって遅くなる書き込み速度の底上げのため、NANDメモリの一部を高速キャッシュ領域とする機能が実装されています。
2020年現在、TLCやQLCの記憶領域を動的にSLC化する製品が多いので、この高速キャッシュ領域のことをSLCキャッシュと呼ぶことにします。(可能性としてTLC型SSDやQLC型SSDがMLCで高速キャッシュを構築することもありうる)

このようなSLCキャッシュを有するSSDにおいては、連続した大容量の書き込みによって書き込み総量がSLCキャッシュを超過した場合、書き込み速度がステップ状にガクッと下がります。
例えば600MB/sが理論的な上限速度となるSATA SSDの場合は、動画ファイルなど数十GB以上の単一ファイルの連続書き込みが発生すると、SLCキャッシュ超過後はCrystalDiskMarkなどベンチマークソフトで表示される500MB/s程度の連続書き込み速度を維持できず、100~200MB/sまで書き込み速度が低下する可能性があります。


TLC型96層3D NANDをメモリチップに採用する「Crucial P5 SSD 1TB」はどのような挙動を見せるのか確認してみたところ、ストレージが空の状態では100GBの連続書き込みでも3GB/s近い書き込み速度を安定して発揮しました。
Crucial P5 SSD 1TB_HDT
「Crucial P5 SSD 1TB」のSLCキャッシュは10GB程度の初期容量に加え、空き容量が許す限り、必要に応じて20~40GB程度ずつ追加でSLCキャッシュを確保できる構造になっています。空き容量の60~80%程度までをSLCキャッシュ化できるようです。
0%使用の状態から50GBの動画ファイルを連続で書き込んでいったところ、300GB弱で書き込み速度が1.3GB/s程度に落ち込み、そこからさらに数十GBの書き込みが続くと、1GB/sまで書き込み速度が低下しました。
Crucial P5 SSD 1TB_HDT_l
「Crucial P5 SSD 1TB」において総容量のうち半分程度を使用済みにしても、SLCキャッシュ容量として90GB程度を確保できます。
空き容量の大部分をSLCキャッシュとして使用でき、使用済みSLCキャッシュの開放も早いので、実用上、「Crucial P5 SSD 1TB」はSLCキャッシュの超過による速度低下を感じるシーンに出会うことはまずないと思います。

Crucial P5 SSD 1TB_HDT_50-Fill
容量下位モデルの500GBについてもSLCキャッシュの構造は共通ですが、SLCキャッシュ超過後の書き込み速度は500MB/s程度と低くなっています。また容量上位モデルの2TBは最大SLCキャッシュ容量が2倍になりますが、超過後の書き込み速度は1TBと同様に1GB/s程度でした。
Crucial P5 SSD 500GB_HDT_50Fill


Crucial P5 SSD 1TBの温度とサーマルスロットリングについて

NVMe M.2 SSDでは重要になる項目として「Crucial P5 SSD 1TB」の温度とサーマルスロットリングについてチェックしていきます。
アクセススピードが数GB/sに及ぶ非常に高速なNVMe接続に対応したM.2 SSDでは、そのコンパクトさゆえに放熱性能には表面積的な限界があり、連続したアクセスが発生するとメモリチップやメモリコントローラーが高温になって速度制限がかかるサーマルスロットリングが発生する可能性があることが知られています。
「Crucial P5 SSD 1TB」について、連続した高速アクセス発生時の温度やサーマルスロットリング発生の有無をソフトウェアモニタリングとサーモグラフィーカメラを使用して検証します。

Crucial P5 SSD 1TBのSSD温度の測定やサーマルスロットリング発生の有無の確認については、ヒートシンクがないPCIE-M.2アダプタ拡張ボードにSSDを装着して検証を行います、
Crucial P5 SSD 1TB review_02097_DxO
測定時の検証負荷としては上で行ったベンチマーク測定同様にCrystalDiskMark6.0.0(QD32, 8GiB)を使用して間を置かず複数回ベンチマークをループさせ、その間のSSD温度や読み出し・書き込み速度のモニタリング値はHWiNFOを使用してログを取得します。
Samsung 970 PRO 1TB_temp test

「Crucial P5 SSD 1TB」の検証結果を確認する前に比較参考のサンプルとして、2020年現在最速のNVMe M.2 SSDとして君臨している「Samsung SSD 970 PRO 1TB」において、上記の負荷テストを実行した結果を確認しておきます。
Samsung SSD 970 PRO 1TBのSSD温度とアクセススピードの推移は下のようになっています。Samsung SSD 970 PRO 1TBではメモリコントローラーとメモリチップの2種類の温度についてソフトウェアモニタリングが可能になっているようです。ベンチマークを複数回繰り返してもサーマルスロットリングによる大幅な速度低下は発生していませんが、2周目以降に連続書き込み速度の計測で若干速度低下が確認できます。1周目ですでにメモリコントローラーの温度は100度に達し、メモリチップも70度を超えておりかなり高温です。
Samsung SSD 970 PRO 1TB_temp
負荷テスト終盤におけるSamsung SSD 970 PRO 1TBのサーモグラフィーは下のようになっています。サーモグラフィーでもソフトウェアモニタリング同様に、「Samsung SSD 970 PRO 1TB」の右端にあるメモリコントローラー温度は100度を上回り、左半分に実装されたメモリチップは70度半ばになっています。
Samsung SSD 970 PRO 1TB_FLIR

さて本題のCrucial P5 SSD 1TBの温度やサーマルスロットリングの有無についてチェックしていきます。
まずソフトウェアモニタリングによるCrucial P5 SSD 1TBのSSD温度とアクセススピードの推移は下のようになっています。Crucial P5 SSD 1TBに関してはソフトウェアモニタリングが可能な温度はメモリコントローラーとメモリチップの2種類の温度になっているようです。
ベンチマークを複数回繰り返してもサーマルスロットリングによる速度低下は確認できませんが、1周目ですでにメモリコントローラーの温度は90度に達しており、かなり高温です。
Crucial P5 SSD 1TB_temp
負荷テスト終盤におけるCrucial P5 SSD 1TBのサーモグラフィーは下のようになっています。サーモグラフィーでもソフトウェアモニタリング同様に、「Crucial P5 SSD 1TB」の右端にあるメモリコントローラー温度は100度を超過しています。左半分に実装されたメモリチップは高温ではあるものの80度以下に収まっており、メモリコントローラーの温度を考えると比較的に低温です。
Crucial P5 SSD 1TB_FLIR

今回の負荷テストでは「Crucial P5 SSD 1TB」でサーマルスロットリングによる極端な速度低下こそ確認できなかったものの、メモリコントローラーが100度以上、メモリチップも80度近くとかなり高温になるので、長期運用における温度原因の故障リスクを最小限にするため、可能であれば、M.2 SSDヒートシンクやヒートシンク付きPCIE拡張ボードの利用をオススメします。
最近のマザーボードはM.2 SSDヒートシンクを標準で搭載しているものも多いですが、個別に購入する場合、PCIE拡張ボードタイプなら「AquaComputer kryoM.2 無印/evo」、マザーボードM.2スロットで使用するコンパクトタイプなら「「SilverStone SST-TP02-M2」などがオススメです。
M.2 SSDヒートシンクのレビュー記事一覧へ
M.2 SSDヒートシンク


SilverStone M.2 SSD専用放熱ヒートシンク/パッドセット SST-TP02-M2
SilverStone
Amazon.co.jpで詳細情報を見る



Crucial P5 SSD 1TBの実用性能比較

「Crucial P5 SSD 1TB」の実用性能をPCMark10 Storage Testを使用してチェックしていきます。PCMark10 Storage TestはWindows10 OSの起動速度、PhotoshopやPremiere ProといったAdobeアプリの起動速度、PCゲームの起動速度、AdobeアプリやMicrosoft Officeの素材領域としての読み出し・書き込み速度など、SSDの実用性能について測定できるベンチマークソフトです。

PCMark10 Storage Testは、NVMe SSDなど最新の高速ストレージについて、Windows10 OSの起動、OfficeやAdobe系ソフトなどアプリケーションの起動、PCゲームの起動、OfficeやAdobe系ソフトで使用する素材データ領域としての読み出し・書き込み性能といった、実用的なストレージ性能を測定するベンチマークソフトとなっており、”Trace”と呼ばれる23種類のテストで構成されています。
当サイトでは同ベンチマークを使用した評価に当たって、ストレージの用途を、Windowsや各種アプリケーションをインストールする『システムストレージ』、PCゲームをインストールする『ゲームストレージ』、各種アプリケーションで使用する素材を保存しておく『データストレージ』の3種類に大別し、23種類のうち17種類のテストを下記のように振り分けました。
PCMark10 Storage Test_trace

ベンチマーク測定に使用するPCMark10 Storage Testには上の概要で紹介したように23種類のテストがあるので、その中からシステム/ゲーム/データの3種類に大別された17種類のテストの結果を抜粋し、各テストにおいてSamsung SSD 970 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取って、総合的なSSD実用性能としてパフォーマンスサマリーの比較グラフを作成しました。
Crucial P5 SSD 1TB_PCM10_1_Summary
下はデータ使用量が0%の時と50%の時で各製品の実用性能を比較した結果になっています。PCMark10 Storage TestではSilicon Motion製メモリコントローラーを採用する製品において使用済み容量が大きくなると0%使用時に比べて性能が低下するという傾向がありました。
Crucial P5 SSDについては同社オリジナルのメモリコントローラー採用との情報だけで詳細は不明ですが、容量1TBモデルと500GBモデルで性能低下が確認できました。一方で2TBモデルについては性能低下が小さくなっています。
Crucial P5 SSDのメモリコントローラーの場合は全体容量の使用済み割合というよりも、使用可能な残量が性能に影響するように見受けられます。
Crucial P5 SSD 1TB_PCM10_5_50per-Fill

システムストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 970 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取って、システムストレージとしてのSSD実用性能としてパフォーマンスサマリーの比較グラフを作成しました。
Crucial P5 SSD 1TB_PCM10_2_Summary_System

ゲームストレージとしての性能に大別された3種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 970 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取って、ゲームストレージとしてのSSD実用性能としてパフォーマンスサマリーの比較グラフを作成しました。
Crucial P5 SSD 1TB_PCM10_3_Summary_Game

データストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 970 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取って、データストレージとしてのSSD実用性能としてパフォーマンスサマリーの比較グラフを作成しました。
Crucial P5 SSD 1TB_PCM10_4_Summary_Data

当レビュー記事中では簡単に、総合、システム、ゲーム、データの4種類のサマリーのみを取り挙げていますが、PCMark10 Storage Testの測定データの取り扱いに関する注意、リアルタイムでの最新データ(当レビュー記事のデータは執筆当時のものなので、新製品の比較データは掲載されていない)、個別のTraceの比較データについては下の記事で解説しているので、詳細についてはこちらを参照してください。
本当に速いSSDはどれか?SSDの実用性能を比較
本当に速いSSDはどれか?SSDの実用性能を比較



Crucial P5 SSD 1TBのデータコピー・ゲームロード性能比較

続いて「Crucial P5 SSD 1TB」で大容量・多数データのコピーやPCゲームのロード時間など実際の使用について性能比較をしてみました。
比較対象として同じくNVMe M.2 SSDの「Samsung SSD 970 PRO 1TB(レビュー)」、「Samsung 970 EVO Plus 1TB(レビュー)」、「Kingston KC2000 1TB(レビュー)」、「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB(レビュー)」、およびSATA SSDの「Samsung SSD 860 EVO 1TB(レビュー)」等でも同様の測定を行いました。

まずはファイルのコピーに関する実性能比較となります。検証に使用するデータとしては総容量が約80GBで多数のファイルが入ったPCゲームフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなど)、および容量50GBの単一動画ファイルの2種類を使用しています。
Copy File
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ「Aquacomputer kryoM.2」に設置したSamsung SSD 970 PRO 1TBを使用しています。
Copy_movieCopy_game

コピーテストにおいて検証ストレージがコピー相手の「Samsung SSD 970 PRO 1TB」と同じくNVMe SSDの場合は、ASUS WS Z390 PROの1段目PCIEスロットにグラフィックボード、3段目PCIEスロットにコピー相手ストレージの「Samsung SSD 970 PRO 1TB」、5段目PCIEスロットに検証ストレージを設置しています。
Copy_NVMe-NVMe_2019
Z390プラットフォームでは通常、複数のNVMe SSDへ同時にアクセスが発生すると、CPU-チップセット間のDMI 3.0の帯域がボトルネックになってトータルのアクセススピードが4GB/s程度に制限されますが、ASUS WS Z390 PROではPLXスイッチチップを介するものの、コピーテストで使用する2つのNVMe SSDはそれぞれCPU直結PCIEレーンに接続されているので、この問題は発生しません。
Copy_NVMe-NVMe


「Crucial P5 SSD 1TB」など各種検証ストレージとSamsung SSD 970 PRO 1TBとの間で50GBの動画ファイルおよび80GBのゲームフォルダをコピーした時間の比較結果は次のようになりました。
まずは50GBの動画ファイルのコピーについてですが、動画ファイルは単一の大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークのシーケンシャルリード・ライト性能が重要になってきます。
Crucial P5 SSD 1TBは動画ファイルのコピー読み出しにおいて、Samsung 970 PRO 1TBやSamsung 970 EVO Plus 1TBには僅かに及ばないものの、WD Black SN750 NVMe SSD 1TBやKingston KC2000 1TBやPlextor M9PG Plus 1TBなど競合するTLC型NVMe M.2 SSDと同等の読み出し速度でした
Crucial P5 SSD 1TBはPCIE3.0x4帯域のNVMe接続に対応した高速SSDなので、SATA3.0接続のSSDと比較すると4倍近い高速な読み出し速度を実現しており、読み出し速度は2000MB/s程度となっています。
Crucial P5 SSD 1TB_copy_1_movie_read
Crucial P5 SSD 1TBは動画ファイルのコピー書き込みにおいて、所要時間26秒程度で、Samsung 970 PRO 1TBやSamsung 970 EVO Plus 1TBには僅かに及ばないものの、Kingston KC2000 1TBやPlextor M9PG Plus 1TBと同等、SLCキャッシュの小さいWD Black SN750 NVMe SSD 1TBよりも高速でした。
Crucial P5 SSD 1TB_copy_2_movie_write
なおSLCキャッシュが40GB程度のSamsung 970 EVO Plus 1TBに比べて書き込み作業の終了が数秒遅れる理由については、可変容量のSLCキャッシュを調節する瞬間なのか10GB程度書き込んだ後で一時的に書き込み速度が落ち込むからです。
Crucial P5 SSD 1TB_Copy-Movie_SC

続いてゲームフォルダのコピーについてですが、ゲームフォルダは大小様々なファイルを含むので、実際のコピーではベンチマークの連続性能だけでなく、ランダム性能も重要になってきます。
Crucial P5 SSD 1TBはゲームフォルダのコピー読み出しにおいて、大きな差ではありませんが、Samsung 970 EVO Plus 1TB、WD Black SN750 NVMe SSD 1TB、Kingston KC2000 1TBなど競合する比較機種の中では遅め、Plextor M9PG Plus 1TBと同等という結果でした。
やはり動画ファイルのコピー読み出し同様にSATA3.0 SSDよりも3倍も高速な読み出し速度です。
Crucial P5 SSD 1TB_copy_3_game_read
Crucial P5 SSD 1TBBはゲームフォルダのコピー書き込みにおいて、競合する比較機種の中ではKingston KC2000 1TBに次いで2番目に高速でした。50GB動画ファイルのコピー書き込みでは後れを取りましたが、80GBのデータ全てがSLCキャッシュ内に収まるのでSamsung 970 EVO Plus 1TBよりも高速かつ、MLC型のSamsung 970 Pro 1TBに迫る非常に優れたパフォーマンスです。
Crucial P5 SSD 1TB_copy_4_game_write


続いて実際にPCゲームのロード時間も比較してみました。
PCゲームのロード時間比較に関してはゲームインストールデータへのアクセスが最も大きくなる4K解像度/最高グラフィック設定を対象とするため、統一検証機材として、2019年最新にして最速のGPUである「NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti」を搭載したグラフィックボード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Core」を使用しています。
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Coreは、RTX 2080 TiのAIBパートナーの中でも屈指のOCチューニング力を誇るZOTACによって良質なGPUコアが選別され、リファレンスよりも200MHz以上も高いブーストクロック、さらにGDDR6メモリのメモリクロックまで引き上げるという、RTX 2080 Tiグラフィックボードで最速を狙えるファクトリーOCが施されています。加えて、ZOTACを高品質メーカーとして一躍ブランド力を押し上げたAMP Extremeの代名詞とも言える3スロットを占有する超弩級な大型GPUクーラーが採用され、静音性も非常に優れたモデルです。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme」をレビュー
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme

The Witcher 3ではグラフィック設定をフル解像度/最高グラフィック設定として、『スタートメニューのロード画面からノヴィグラドの広場まで』のロード時間を比較しています。


Rise of the Tomb RaiderではフルHD解像度においてグラフィック設定をDirectX12で個別に最高グラフィック設定として、『スタートメニューのロード画面からシベリアの荒野まで』のロード時間を比較しています。


Final Fantasy XV PC版では4K以上の超高解像度向けに無料配布されている「FFXV WINDOWS EDITION 4K Resolution Pack」を使用して4K解像度/最高グラフィック設定で、『スタートメニューのロード画面からレスタルムまで』についてロード時間を比較しています。


以上の条件で「Crucial P5 SSD 1TB」など各ストレージについてゲームのロード時間比較を行った結果は次のようになりました。
ゲームロード時間を測定して比較してみたところ、SSD対HDDで2~3倍の時間差が生まれるのに対して、SSDの中では、QLCよりもMLC、SATAよりもNVMe、NANDよりもOptaneのようにして高速になる傾向は見受けられますが、それでもせいぜい1,2割程度と、実用的にはランダム要因な誤差に吸収されるくらいの時間差です。
今後PCゲームがさらに高解像度・高画質化してテクスチャなどのゲームデータが大きくなっていけば、NVMe SSDがSATA SSDよりもゲームのロード時間で明確に優位に立つかもしれません。
Crucial P5 SSD 1TB_game
なおゲームストレージとしての性能についてはPCMark10 Storage Testを使用した実用性能比較の章でも比較していますが、今回の検証結果とはストレージ種類別の性能差の傾向が異なります。理由については、PCMark10 Storage Testは『ゲームクライアントの起動からスタートメニューまで』のロード時間に対して、今回の比較では『スタートメニューから任意のセーブ状況まで』のロード時間となっているからではないかと思います。



Crucial P5 SSD 1TBのレビューまとめ

最後にNVMe M.2 SSD「Crucial P5 SSD 1TB(型番:CT1000P5SSD8)」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • NVMe(PCIE3.0x4)規格として理想的な読み出し3.4GB/sと書き込み3.2GB/s(最大)
  • 空き容量の60~80%を使用でき、500GB使用済みでも90GBの超大容量なSLCキャッシュ
  • ランダム読み出し/書き込みがMLC型NVMe SSD並みに高速
  • TLC型なので高速NVMe M.2 SSDとしては安価な価格帯
  • メーカー正規保証期間が5年間
悪いところor注意点
  • TLC型なのでSLCキャッシュ超過後に速度低下が発生する
    (Crucial P5の場合はSLCキャッシュ構造もあって実用上、発生するケースは非常に稀)
  • 連続して負荷がかかった時のメモコンやメモリチップの温度は高め

「Crucial P5 SSD 1TB」を検証してみたところ、基礎的な各種ベンチマークや実際の性能検証の多くにおいて、競合製品でありTLC型NVMe M.2 SSDとしては定番のSamsung SSD 970 EVO PlusやWD Black SN750 NVMe SSDと同等のパフォーマンスを発揮しました。

「Crucial P5 SSD 1TB」にはTLCタイプの96層3D NANDメモリが採用されているので、多くのTLC型SSDと同様に大容量書き込み時にSLCキャッシュを超過すると書き込み速度が低下します。
しかしながら「Crucial P5 SSD 1TB」はそのSLCキャッシュの容量が使用済み容量0GBなら300GB前後、半分の500GBが使用済みでも90GBと非常に大きいので一般的なユースにおいて超過する心配はほぼなく、書き込み速度の低下が発生しないMLC型SSDのような感覚で使用できます。
仮にSLCキャッシュを超過しても低下後ですら書き込み速度は1000MB/sでSATA3.0規格の理想的な書き込み速度である500MB/sの2倍の速度をマークしており、不便を感じるほどの速度低下ではないと思います。

「Crucial P5 SSD 1TB」は今回の検証において連続して高負荷がかかった場合にはメモリコントローラーが100度、メモリチップが80度近くに達しました。サーマルスロットリングによる大幅な速度低下こそ確認できなかったものの、非常に高温になることが予想されるので、マザーボード備え付けや市販のM.2 SSDヒートシンク等を使用して放熱の強化を推奨します。

PCMark10ストレージテストによってベンチマーク比較した実用性能は、総容量のうち50%使用時において、Samsung 970 SSD 970 PRO 1TBの80%程度とやや低めです。しかしながら「Crucial P5 SSD 1TB」は空き容量のうち60~80%を使用できる超大容量な可変容量型SLCキャッシュを備えており、SLCキャッシュの超過による書き込み速度の低下に遭遇することはまずないので、実際の使用感においてはTLC型SSDの競合製品を上回るケースが多いのではないかと思います。

以上、「Crucial P5 SSD 1TB」のレビューでした。
Crucial P5 SSD 1TB


記事が参考になったと思ったら、ツイートの共有(リツイートやいいね)をお願いします。







関連記事

おすすめSSDまとめ。QLC/TLC/MLCやNVMe/SATA3.0など最新SSD事情を解説
SSDレビュー記事の一覧へSATA SSD><NVMe SSD><M.2 SSD
SSDレビュー記事の一覧へ

【SATA SSD vs NVMe SSD vs HDD】 ゲームロード時間を比較
SSD vs HDD ゲームロード時間比較

「Kingston KC2000 NVMe M.2 SSD 1TB」をレビュー
Kingston KC2000 1TB

「WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 1TB」をレビュー
WD Blue SN550 NVMe M.2 SSD 1TB

「Intel SSD 665p 1TB」をレビュー
Intel SSD 665p 1TB

「WD Black SN750 NVMe SSD 1TB ヒートシンク搭載版」をレビュー
WD Black SN750 NVMe SSD 1TB HS

「Samsung SSD 970 EVO Plus 1TB」をレビュー
Samsung SSD 970 EVO Plus 1TB


「KIOXIA EXCERIA PLUS NVMe SSD 1TB」をレビュー
KIOXIA EXCERIA PLUS SSD 1TB

「Intel Optane SSD 905P M.2 380GB」をレビュー
Intel Optane SSD 905P M.2 380GB

「Samsung SSD 970 PRO 1TB」をレビュー
Samsung SSD 970 PRO 1TB




(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



スポンサードリンク