Crucial T500 2TB_PS5


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PS5互換サイズのヒートシンクを標準で搭載するPCIE4.0x4対応NVMe M.2 SSD「Crucial T500 PCIE Gen4 NVMe M.2 SSD with Heatsink」を使用して、新型PS5ことPlayStation 5 Slimモデルの本体ストレージを増設し、標準搭載ヒートシンクでも十分に冷えるのか検証、さらにPS5ネイティブ対応タイトルを使用してゲームロード時間を比較してみました。
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目次


1.Crucial T500 with HeatsinkをPS5増設用M.2 SSD要件からチェック

補足.PS5にM.2 SSDを増設する手順・システム設定や予備知識


2.Crucial T500 with Heatsinkの冷え具合をチェック

3.PS5に増設したCrucial T500 with Heatsinkのゲームロード時間を比較

4.レビューまとめ



【機材協力:Crucial】



Crucial T500 with HeatsinkはPS5の増設用M.2 SSD要件に適合

PlayStation公式から公表されているPS5増設用M.2 SSD要件と照らし合わせて、「Crucial T500 with Heatsink」の概要をチェックしてみます。

まず、PS5増設用M.2 SSD要件をおさらいしておきましょう。
PlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設するのに使用するM.2 SSDは、CSゲーマーには不慣れな自作PC向け部品のSSDを使用することになります。
PS5公式サポートページで公開されている『PlayStation 5にM.2 SSDを取り付ける方法』の要件を重要ポイントに絞ってまとめなおしました。
PS5-SSD-Expantion-Requirement_023Q4

PS5公式サポートページを見ての通り、PS5のストレージ増設に使用するM.2 SSDには放熱ヒートシンクが必須となっています。
いくつか図解がありますが公式サポートページで掲載されている一番最後の両面ヒートシンク取り付け時の図が一番分かりやすいと思います。難しく考えず、単純に『M.2 SSD基板から上8.0mmまで』、『M.2 SSD基板から下2.45mmまで』の2つの要件を抑えておけばOKです。
ps5-ssd-dimension




「Crucial T500 with Heatsink」はCrucial Proブランドに属する製品となっており、グレー&ブルーのブランドカラーなパッケージで梱包されています。
容量500GB(型番:CT500T500SSD5)、容量1TB(型番:CT1000T500SSD5)、容量2TB(型番:CT2000T500SSD5)の3モデルがラインナップされています。
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「Crucial T500 with Heatsink」はPS5の公式ライセンス認証製品ではありませんが、製品パッケージの正面左下に記載がある通り、PlayStation 5の拡張スロットに互換サイズなヒートシンク設計となっており、PS5のストレージ増設に使用できます。
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「Crucial T500 with Heatsink」のSSD本体の外観は次のようになっています。普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色です。
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「Crucial T500 with Heatsink」はマットで質感の高い塗装が施されたアルミニウム製ヒートシンクには、天面にメーカーや製品のロゴが白字で刻印されています。
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「Crucial T500 with Heatsink」のヒートシンクはヒートシンク本体とバックプレートの左右2カ所ずつに設けられた凹凸を嵌め合わせる構造で固定されており、加えて一見普通のシリコンパッドに思えるサーマルパッドも熱伝導両面テープばりに接着が強いのでユーザーによる着脱は難易度が高めです。(注:ヒートシンクを取り外すと正規保証の対象外になります
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「Crucial T500 with Heatsink」のヒートシンクを含むSSDの寸法は幅24.3mm×高さ10.5mm(バックプレート含む)となっており、PS5の増設SSD要件をギリギリで満たすように大型ヒートシンクが設計されているのがわかります。
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もちろん「Crucial T500 with Heatsink」はPS5拡張スロットと干渉せず、問題なく設置できました。2023年11月発売の新型PS5ことPlayStation 5 Slimモデルにも対応です。
Crucial T500 2TB_PS5



「Crucial T500 with Heatsink」は標準搭載ヒートシンク込みでPS5増設SSDのサイズ要件を満たしますが、連続読み出し5500MB/s以上という性能要件については、500GB/1TB/2TBモデルのいずれも連続読み出しの仕様値は7300MB/sをマークしています。
今回検証する「Crucial T500 with Heatsink」の2TBモデルはPC上のCrystalDiskMark8による実測値で、連続読み出し速度7300MB/s超と公式の推奨性能を余裕で上回ります。
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ちなみに「Crucial T500 with Heatsink」の製品スペック一覧は次のようになっています。
「Crucial T500 with Heatsink」のMTTF(平均故障時間)は175万時間、製品保証条件でもある書込耐性は1TBが600TBW、2TBが1200TBWとなっており、メーカーによる製品保証期間は5年間です。
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PS5にM.2 SSDを増設する手順や予備知識

検証に移る前に、PS5にM.2 SSDを増設する手順やシステム設定、その他の予備知識について簡単に紹介しておきます。

PS5にM.2 SSDを増設する際、拡張スロットカバーの取り外しとM.2 SSD自体の固定で、”1番”という規格のプラスドライバーが必要になります。
対応するプラスドライバーを持っていない人は、マグネット付き、軸長75mmでコンパクトな細軸、信頼性の高いベッセル製の「クリスタライン ドライバー 6100 +1×75mm」がオススメです。1本で購入できて価格も200~300円です。
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PS5にM.2 SSDを増設する手順やシステム設定についてはこちらの記事で解説しています。初めてM.2 SSDを増設するという人はご一読ください。



手っ取り早くPS5の空き容量を増やすなら標準でヒートシンクを搭載している製品がオススメですが、ヒートシンク付きSSDにはヒートシンクを各自で着脱すると製品保証が切れるというデメリットがあります。
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各自でヒートシンクを用意して装着する必要があるものの、ヒートシンクなしのSSDなら当然、ヒートシンクを着脱しても製品保証が継続します。
将来的に、さらに大容量なSSDに買い替えた時にこれまで使用していたSSDをUSB変換ケースでUSB外付けストレージとして活用できるというのはヒートシンク非搭載のSSDを選ぶメリットです。
ヒートシンクなしSSDを選ぶメリットや、オススメのSSDとヒートシンクなどについてまとめた記事を公開しているので、気になるひとはチェックしてみてください。



その他にもPS5のM.2 SSD増設に関連する内容をまとめた記事を公開しているので、気になる項目があればチェックしてみてください。








Crucial T500 with Heatsinkの冷え具合をチェック

続いて、「Crucial T500 with Heatsink」の冷え具合、長期的に負荷がかかっても安定動作するのかをチェックしていきます。

ヒートシンクの取り外しは製品の正規保証対象外になる可能性があるので一般には非推奨な行為ですが、今回はレビュー記事作成のため自己責任で取り外してみました。
ヒートシンクを標準で搭載するSSDからユーザーがヒートシンクを取り外すのは、一部を除く多くのメーカーでは正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために分解していますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。



「Crucial T500 with Heatsink」のヒートシンクはヒートシンク本体とバックプレートの左右2カ所ずつに設けられている凹凸を嵌め合わせる構造で固定されており、ユーザーによる着脱は難易度が高めです。
スマホの分解等に使用するスパッジャーをヒートシンクとバックプレートの隙間に上手く挿入して、凹凸の固定を外し、ヒートシンクを持ち上げると何とか取り外せます。
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外から見ると熱伝導両面テープではなく、柔軟性のある一般的なサーマルパッドなのでヒートシンクの固定さえ解除できれば、そこからの取り外しは簡単そうですが、熱伝導両面テープ寄りな接着力でしっかり固定されていました。特にバックプレートの接着が強く、SSD基板を折らないように適度な力で外す必要があり、ヒートシンクを外した後の処理も難易度は高めです。
サーマルパッドは一度ヒートシンクを取り外すとボロボロになってしまうので再利用はできません。
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標準搭載ヒートシンクの分解の難易度はやや高めですが、綺麗に取り外すことができました。
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「Crucial T500 with Heatsink 2TB」のメモリコントローラーと、メモリコントローラーに一番近いメモリチップの2カ所に温度センサーを貼り付けています。
なお標準サーマルパッドは上の写真の通り再利用はできない状態なので、今回は市販のサーマルパッドに貼り替えて検証します。
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下写真では温度センサーの位置が見て分かりやすいように透明テープで固定していますが、実際の測定ではテープ類は使用せずに直接、測定素子とサーマルパッドで挟み込む形で温度センサーを固定しています。
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温度センサーのケーブルは拡張スロットの一部にあるスリットから出して、拡張スロットの標準カバーも装着しています。
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最後にPlayStation 5の外装カバーも装着し、この状態で各種温度測定を行います。
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PlayStation 5におけるSSDの温度測定については、
1. アイドル: PS5のホーム画面を表示したままSSD温度が変化しなくなるまで放置』
2. コピーインストール: PS5のゲーム(約160GB)をUSB3.1 Gen2外付けストレージから、拡張スロットのM.2 SSDへコピーインストール』
3. ゲームプレイ&ロード: PS5内部温度が十分に高くなった状態で、PS5ネイティブ対応ゲームのロードやファストトラベルを繰り返す』
以上の3パターンで行いました。

コピーインストールでは、アイドルでSSD温度が安定した状態において、Horizon Forbidden West、ラチェット&クランク パラレル・トラブル、Marvel's Spider-Man: Miles Moralesの3タイトル、約160GBをUSB外付けストレージからコピーしています。コピー中の最大温度をチェックしています。

ゲームプレイ&ロードは、温度測定を始める前にPS5のシステム消費電力が220W前後になるHorizon Forbidden Westを高画質モードで放置し、SSD温度が変化しなくなった状態にしています。その後、Horizon Forbidden Westでゲームロードやファストトラベル、他ゲームの起動によってSSDに負荷をかけ、最大温度をチェックしています。

PlayStation 5の増設ストレージとして「Crucial T500 with Heatsink 2TB」を使用した、実用シーンにおけるSSD温度の検証結果は次のようになっています。
「Crucial T500 with Heatsink 2TB」は標準搭載ヒートシンクによる冷却によって、メモリコントローラーとメモリチップともに60度前後の温度に収まっており、PS5増設用SSDとしては十分な冷え具合です。熱暴走の心配もなく、安心して運用できます。
Crucial T500 with HS 2TB_temp
サーモグラフィーでも簡単にチェックしてみました。撮影直前まではカバーは閉じた状態です。
PS5のシステム消費電力が220~240W前後になるHorizon Forbidden Westを高画質モードでしばらく放置してからファストトラベルを繰り返すという、比較的に重いゲーム負荷でもヒートシンク表面温度は50~60度程度です。
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PS5に増設したCrucial T500 with Heatsinkのゲームロード時間を比較

さて、ここからは最も重要な項目、PlayStation 5に市販のM.2 SSD「Crucial T500 with Heatsink」を増設した時に、標準搭載SSDと同等、もしくはそれ以上に高速にPS5ネイティブ対応タイトルをプレイできるのか、ゲームロード時間を比較してみました。

「Crucial T500 with Heatsink 2TB」はPC上でアクセススピードを測定すると連続読み出し速度は7300MB/s程度を示しますが、PS5でフォーマットした際に表示される読み出し速度は6900MB/s程度でした。どちらもPS5増設SSDの性能要件を十分に上回っています。
Crucial T500 2TB withHS_PS5_Speed

「Crucial T500 with Heatsink」の2TB容量モデルをPS5の増設ストレージに使用すると2.01TBを新たにストレージとして使用できました。
Crucial T500 with HS 2TB_PS5_Volume




続いてM.2 SSD増設でインストール先として指定して起動も可能になったPS5ネイティブ対応タイトルのゲームロード時間を比較します。
ゲームロード時間の比較には、PS5ネイティブ対応タイトルから、「Final Fantasy VII REMAKE INTERGRADE」、「FORSPOKEN (Demo)」、「Ghost of Tsushima Director's Cut」、「Horizon Forbidden West」、「Marvel's Spider-Man Remastered」、「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」、「Tales of ARISE」、以上の7タイトルを使用しています。
PlayStation5_M.2 SSD_Game-Load



「Crucial T500 with Heatsink 2TB」をPS5の増設ストレージとして使用した時のゲームロードやコピーインストールの性能を標準内蔵SSDと比較すると次のようになっています。
PS5内蔵SSDと増設SSDで若干前後するものの、ほとんど測定誤差のような違いです。今回の検証においてPS5内蔵SSDより遅くなっているシーンでも差は大きくても1秒以下となっており体感的に遅くなったと感じることもないはずです。
Crucial T500 with HS 2TB_PS5-Test_vs-inSSD



レビューまとめ

「Crucial T500 with Heatsink 2TB」でPlayStation 5の拡張スロットで本体ストレージを増設し、PS5ネイティブ対応タイトルを使用してゲームロード時間を比較してみた結果について箇条書きで簡単にまとめると次の通りです。
  • PS5のロード時間は内蔵SSDと増設M.2 SSDでほぼ同じ
  • SSD容量をそのままPS5ネイティブ対応タイトルのインストール先に使用できる
  • Crucial T500 with Heatsinkは1TBと2TBの標準的な増設容量をラインナップ
  • 標準搭載ヒートシンクはPS5増設用として十分な冷却性能

ゲームロードやUSBストレージからのコピーインストールの検証結果の通り、「Crucial T500 with Heatsink 2TB」をはじめとして、拡張スロットで増設したM.2 SSDの性能はPS5の内蔵SSDとほぼ同等です。
将来的に差が出る可能性は否定できないのでSSD性能が高いに越したことはありませんが、今回検証したタイトルについて言えば、PC上で連続読み出し7000MB/s超の最新製品でも、5000MB/s程度のPCIE4.0対応初期製品でもパフォーマンスには大きな差はありませんでした。
PCIE4.0対応で連続読み出し性能が3500MB/s~5000MB/sの変わり種な製品、PS5が非サポートのHMBをPC利用では前提とするDRAMキャッシュレスの製品などでも同様です。

2023年現在市販されているPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDについてはどれを使用しても基本的にゲームロード性能には製品個別の比較でも内蔵SSDとの比較でも大差はないようなので、『1.容量に対して価格が安価である(別売りの場合はヒートシンクも込みで)』、『2.PS5互換サイズのSSDヒートシンクを搭載している』、以上2点を優先して選べばOKだと思います。


「Crucial T500 with Heatsink」に関しては、PS5の拡張スロットに互換サイズのM.2 SSDヒートシンクが標準で装着されており、PS5への組み込み用途であれば安定したSSD性能を発揮できる冷却性能を備えています。

「Crucial T500 with Heatsink」はヒートシンクが標準で装着されているので、ストレージを増設する時にPS5の拡張スロットに装着するだけでよく、自作PC部品に不慣れなCSゲーマーにも推奨できる製品です。

なお「Crucial T500 with Heatsink」は標準搭載のヒートシンクを取り外すと正規保証対象外になってしまいます。
将来的にさらに大容量なSSDに換装して、既存のSSDはUSBケースで外付けUSBストレージとして活用しようと思っている人は、Crucial T500のヒートシンクなし版と社外製ヒートシンクの組み合わせも検討してみてください。



以上、『Crucial T500 with Heatsink 2TBでロード時間を比較検証』でした。
Crucial T500 with Heatsink 2TB_PS5




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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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