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フラットデザインのオシャレなPCケースメーカーとして代表格なNZXTから発売された、H710シリーズの後継となる新ミドルタワーPCケースで、丸穴スリットのフロントパネルを採用するエアフロー重視モデル「NZXT H7 Flow Matte White(型番:CM-H71FW-01)」をレビューします。
「NZXT H7 Flow」に同じくNZXT製の水冷CPUクーラーKRAKEN Z73やハイパフォーマンス電源ユニットC1000 Goldを組み合わせてゲーミングPCを組んでみました。
製品公式ページ:https://nzxt.com/product/h7-flow
特集ページ:https://nzxt.com/collection/h7
レビュー目次
1.NZXT H7 Flowの梱包・付属品
2.NZXT H7 Flowの外観
3.NZXT H7 Flowの内部構造の概要
4.NZXT H7 Flowの裏配線スペース
5.NZXT H7 Flowのストレージ設置スペース
6.NZXT H7 Flowのグラフィックボード設置スペース
7.NZXT H7 Flowの電源ユニット設置スペース
8.NZXT H7 Flowのファン・ラジエーター設置スペース
9.NZXT H7 Flowのビルドギャラリー
10.NZXT H7 Flowのレビューまとめ
【機材協力:NZXT 国内正規代理店 タイムリー】
NZXT H7 Flowの梱包・付属品
早速パッケージを開封して、NZXT H7 Flowの外観からチェックしていきます。「NZXT H7 Flow」では製品のオリジナルプリントがされた茶色の段ボール箱にPCケース本体が収められています。幅28cm×奥行51cm×高さ51cmなのでATX対応ミドルタワーPCケースのパッケージサイズとしては標準的です。側面には持ち手の穴があるので家の中であれば持ち運びは難しくないと思います。


段ボール箱の天面を開くと、スペーサーで保護されたPCケース本体が現れます。

PCケースを保護する緩衝材については発泡スチロールが採用されていました。発泡スチロールは処分のため解体する際に小さい破片が飛び散るので、個人的には固めのスポンジを採用して欲しいです。

強化ガラスサイドパネルには傷防止の保護フィルムが貼られています。

裏配線側サイドパネルを開くと、ボトムの3.5インチストレージベイに小分けパッケージが収められており、中にはネジ類など付属品が入っています。

小分けパッケージに収納されている付属品は2.5インチストレージトレイ×2、各種ネジ類、ケーブルタイとなっています。組み立てに使用するネジは個別のビニール袋に分けられているので見分けも簡単です。

欲を言えば、他社製品の例ですがネジの種類別に完全に小分けできる仕切り付きパックに最初からネジが収納されていると使い勝手が良いので、ネジ収納はこのタイプになってくれると嬉しいです。
NZXT H7 Flowの外観
続いて「NZXT H7 Flow」の外観について詳しくチェックしていきます。




「NZXT H7 Flow」の寸法は奥行480mmm×幅230mm×高さ505mmで、ATXサイズマザーボードに対応するミドルタワーPCケースとしては標準的なサイズ感です。同社のH710は奥行494mmm×幅230mm×高さ516mmだったので若干、小型になっており、重量も12kgから10kgへと軽量化しています。

近年のNZXT製PCケースというと質感の高い塗装が施されたスチール製フロントパネルが採用され、フラットデザインの流行を牽引する製品ですが、反面、エアフローが弱いことも指摘されていました。
NZXT H7シリーズも無印標準モデルはその通りのデザインであり、上位モデルとなるEliteは見栄えを重視した強化ガラス製フロントパネルですが、今回レビューする「NZXT H7 Flow」は丸穴エアスリットをフロントパネルに広く設け、エアフローに優れた設計になっています。

「NZXT H7 Flow」の左側面は強化ガラスパネルが採用されていますが、フロント・トップ・右側面の3面はスチールパネルとなっており、傷や指紋の目立ちにくい粒度小さめのシボ塗装、ホワイトは清潔感のある色合いです。


「NZXT H7 Flow」の筐体のカラーバリエーションについて、今回レビューするのは上の写真の通り外装と内装が全て白色のホワイト(Matte White)ですが、加えて、黒一色のブラック(Matte Black)、外装が白色で内装は黒色のホワイト&ブラック(Matte White/Matte Black)、という計3色がラインナップされています。

ちなみにH7無印版とH7 Flowの違いはフロントパネルのエアスリットの有無ですが、H7 Eliteはフロントパネルに強化ガラス製パネル採用に加えて、4基の140mmファンを搭載し、フロントの3基はARGB LEDを内蔵、ファン&LEDコントローラーが標準で付属といった特長があります。
NZXT H7シリーズ のバリエーション | |||||
製品名 | 型番 | 外装 内装 |
フロント パネル |
ファン |
ファン&LED コントローラー |
H7 | CM-H71BB-01 | ブラック | ソリッド | 120mm ×2 |
なし |
CM-H71BW-01 | ホワイト | ||||
CM-H71BG-01 | ホワイト& ブラック |
||||
H7 Flow | CM-H71FB-01 | ブラック | エアスリット | ||
CM-H71FW-01 | ホワイト | ||||
CM-H71FG-01 | ホワイト& ブラック |
||||
H7 Elite | CM-H71EB-01 | ブラック | 強化ガラス | 140mm ×4 (フロントARGB ×3) |
あり |
CM-H71EW-01 | ホワイト |
ちなみにH7 Eliteに標準で付属するファン&LEDコントローラー「NZXT RGB & Fan Controller(型番:AC-CRFR0-B1)」は単品販売のアクセサリパーツとしても展開されています。H7無印やH7 Flowでも増設が可能です。

「NZXT H7 Flow」のフロントI/Oはトップパネル前方、正面から見て右寄りに実装されています。右から順にパワースイッチ、USB3.0 Type-A×2、USB Type-C、ヘッドホン出力&マイク入力用4極3.5mmジャックが実装されています。

フロントI/Oと繋がっている内部ケーブルとしては内部USB3.0ケーブル、内部USB Type-Cケーブル(正式名称はFront USB Type-E)、ヘッドホン・マイク用HDオーディオケーブル、フロントI/Oケーブルがあります。
パワーボタンやパワー/ストレージアクセスLEDについてはケーブルだけでなくコネクタも含めて1つにまとまっているのは着脱が容易になって好印象です。

「NZXT H7 Flow」のフロントパネルはPCケースシャーシから取り外しが可能です。

フロントパネルはスチール製シャーシにボールキャッチで固定されており、底面にある窪みに指をかければツールレスで簡単に着脱できます。

フロントパネルの裏側にはプラスチック製フレームでツールレスに着脱が可能なナイロン製ダストフィルターがあります。

底面のフロント寄りに設けられたエアスリットは、フロントのファンマウントスペースと繋がっているので、ここにもナイロン製ダストフィルターがあります。こちらもツールレスで着脱が可能です。

「NZXT H7 Flow」はマザーボード側に内部を一望できる強化ガラス製サイドパネルが搭載されています。ホワイトモデルのガラスパネルは無色透明です。フレームもホワイトに統一されています。


裏配線側サイドパネルはフラットなスチールパネルです。透明なガラスパネルではないので裏配線にこだわるのが面倒という人には嬉しい設計です。


「NZXT H7 Flow」の左右サイドパネルは下側はパネルの突起を上から乗せて引っ掛けるヒンジ、上側はボールキャッチという固定構造になっており、背面上側の窪みに指を掛けて外側に引っ張ると簡単に取り外すことができます。
サイドパネルは下側ヒンジになる構造なので、下側の突起を引っ掛けさえすれば、着脱時にパネルを落とす心配はありません。


「NZXT H7 Flow」のPCケースボトムを見ると、フロント寄りや電源ユニット部分にはエアスリットがあるものの、それ以外はスチール板で塞がっており、シンプルな形状です。

PCケースボトムの四隅には前後に長いプラスチック製のケース足があり、底面には滑り止めのゴムシートが貼り付けられています。ケース足の高さは25mmほどです。

NZXT H7 Flowの内部構造の概要
続いて「NZXT H7 Flow」の内部構造について各種要素ごとに細かく見ていく前に内部構造の概要をチェックしていきます。サイドパネルを外してマザーボード側を俯瞰すると次のようになっています。

「NZXT H7 Flow」のマザーボードスペース前方はストレージベイや5インチベイなど何もなく開放されている近年主流なオープンレイアウトが採用されています。
同時にNZXT Hシリーズでお馴染み、PCケース中央を縦断するスチール製プレートが同PCケースの特徴として目を引きます。ケーブルカバープレートは裏配線によるケーブルマネジメントでケーブルホールからのケーブルの出入りを隠すカバーとしての役割を果たしています。

ケーブルカバープレートには縦長のネジ穴スリットがあり、DIY水冷でラジエーター&ポンプの固定位置として利用できます。

ケーブルカバープレートは着脱に対応しています。裏配線側の2カ所のネジ、マザーボード側の上端2カ所のボールキャッチ、下側4ヶ所のスライド穴によって固定する構造です。


「NZXT H7 Flow」には近年のPCケースの流行としてPCケースボトムに設置される電源ユニットをチャンバー分けして、電源ケーブルを隠すPSUカバーが採用されています。

「NZXT H7 Flow」のPCケース内部にはフロントに1基の120mm角、リアに1基の120mm角で計2基のケースファンが標準で搭載されています。

NZXT H7 Flowのマザーボードトレイやその周辺レイアウト、および各種マザーボードとの互換性についてチェックしていきます。
NZXT H7 Flowのマザーボードトレイには標準でATXに合わせたスペーサーが装着されています。PCIEスロット数はATXフォームファクタに合わせて7段が設置されています。

スペーサーを外すためのプラスネジ変換六角ソケットが付属します。プラスネジ変換六角ソケットをスペーサーに被せれば一般のプラスドライバーを使用して簡単にスペーサーの着脱が可能です。

マザーボード固定用スペーサーを装着するためのネジ穴にはA、U、Iの添え字が刻印されており使用するマザーボードに合わせて使うべきレイアウトが一目で分かります。またマザーボード固定用スペーサーのうち中央の1つはネジ穴ではなく、凸状の出っ張りになっています。


マザーボードのネジ止めの際には中央スペーサーの出っ張りにマザーボードを引っかけて位置を固定することができるので、マザーボードのネジ止めが容易になる賢い構造です。

「NZXT H7 Flow」にATXマザーボードを設置すると下のようになります。
マザーボードトレイの上側および、カバープレートで隠れていますが右側には大きくケーブルホールが開けられているので各種配線もスムーズに行えます。

標準サイズのATXマザーボードを設置した時に、ケーブルカバープレートとの間隔は20mm弱となっています。基本的にATXよりも横幅の大きいE-ATXマザーボードは使用できません。

空冷CPUクーラーの高さクリアランスについて、公式仕様では全高185mmまでが確保されているとのことでしたが、実測の高さクリアランスは187mm程度でした。
数mm程度の誤差はあるかもしれませんが、180mmまでは確実に対応しているので、大型のハイエンド空冷CPUクーラーでもPCケースサイドパネルとの干渉の心配は事実上ありません。

NZXT H7 Flowの裏配線スペース
「NZXT H7 Flow」の裏配線スペースについてチェックしていきます。左サイドパネルを取り外すとNZXT H7 Flowのマザーボード裏スペースにアクセスできます。NZXT H7 Flowの裏配線スペースの全体は次のようになっています。

マザーボードトレイのCPUクーラーメンテナンスホールは大きくとられていて、Intel LGA1700やAMD AM4といった近年主流なCPUソケットがしっかりと収まり、バックプレート型のCPUクーラーでもマザーボードをPCケースに装着したままで着脱が可能です。

「NZXT H7 Flow」の裏配線スペースでとりわけ目を引くのは、大きくはマザーボード中央を縦断し、その他にも各所に設置されたプラスチック製のケーブルガイドです。
またケーブルガイド上にはマジックテープ式のケーブルファスナーも採用されているのでケーブルガイド上に揃えた複数のケーブルをまとめて固定するのも容易な構造です。



裏配線スペースの厚さはマザーボードトレイやシャーシの凹凸で若干前後しますが、おおむね25mm程度が確保されています。
またATX24PINなど太いケーブルを通す部分、ケーブルカバープレートの裏側は50mm程度の窪みになっているので余裕を持って配線できます。

NZXT H7 Flowのストレージ設置スペース
続いて「NZXT H7 Flow」のストレージ設置スペースをチェックしていきます。「NZXT H7 Flow」のストレージ積載について、マザーボードトレイ裏に2基の2.5インチストレージ、PSUカバー上に2基の2.5インチストレージ、PSUカバー裏のシャドウベイに2基の3.5インチストレージを設置できます。
2.5インチストレージ設置スペースについて
まずは2.5インチストレージ設置スペースについてチェックしていきます。「NZXT H7 Flow」のマザーボードトレイ裏、メンテナンスホールの下には2.5インチストレージトレイが2基設置されています。


マザーボードトレイ裏に標準で設置されているものと同じ2.5インチストレージトレイが2基付属しており、これはPSUカバー上に固定できます。

3.5インチストレージ用シャドウベイについて
PCケースボトムに固定されている3.5インチストレージ用シャドウベイについて詳しくチェックしていきます。「NZXT H7 Flow」のPSUカバー裏、前方寄りには3.5インチストレージ用シャドウベイが標準で設置されています。

シャドウベイは底面のスリットと電源側の1個のハンドスクリューで固定されており簡単に着脱が可能です。固定位置は後方寄り’標準)と前方寄りの2つから選択できます。

3.5インチストレージ用シャドウベイからはツールレスで着脱可能なストレージトレイはなく、3.5インチストレージなら側面の、2.5インチストレージなら上下面のネジ穴を使ってシャドウベイに直接固定します。

NZXT H7 Flowのグラフィックボード設置スペース
「NZXT H7 Flow」のグラフィックボード設置スペースについてチェックしていきます。まず製品スペックを見ると、「NZXT H7 Flow」のグラフィックボード設置における長さ方向のクリアランスについて、最大400mmのスペースが確保されています。
実測でもPCIEブラケットからファンを固定するためのフロントのシャーシ内壁までちょうど400mm程度でした。

写真のように全長300mmかつ3スロット占有GPUクーラー搭載の超巨大オリファンモデル「ASUS TUF-RTX3090-O24G-GAMING」でも余裕をもって収納できるスペースがあり、クリアランスも十分なのでオープンレイアウトではグラフィックボードの互換性を心配する必要はありません。

「NZXT H7 Flow」のグラフィックボードのクリアランスは、一般的な25mm厚ファンだけであればシャーシ外側に固定するので影響はありませんが、簡易水冷のラジエーターなどを内側に設置すると影響があります。
とはいえファン&ラジエーターで52~55mmの一般的な簡易水冷クーラーであれば370mm程度のスペースを確保できるので、TGP300W超のグラフィックボードでも問題なく設置できるはずです。

グラフィックボードの高さ方向について、PCIEブラケットからサイドパネルまで80mm程度と十分な余裕があるので、補助電源ケーブルはもちろん、背の高い基板のオリファンモデルにDIY水冷のフルカバー水冷ブロックを装着してもターミナル部分がサイドパネルと干渉する心配はありません。

管理人がPCケースをチェックする時の重箱の隅をつつくような細かい項目、PCIEスロットの固定ネジとシャーシの干渉についてですが、「NZXT H7 Flow」では固定ネジ上にシャーシが被っておらずしっかりとクリアランスが確保されています。これならドライバーを使用した拡張ボードのネジ止めも簡単です。

NZXT H7 Flowの電源ユニット設置スペース
NZXT H7 Flowの電源ユニットの設置個所付近をクローズアップしていきます。まずは電源ユニットの設置についてですが、「NZXT H7 Flow」では最近のPCケースで主流なボトム吸気型の電源ユニットのボトム配置構造を採用、マザーボード側からは電源ユニットや電源ユニットから伸びるケーブルを隠してケース内をキレイに見せるPSUカバーも採用されています。
PSUカバー天面には丸穴エアスリットが設けられているので、セミファンレス機能対応で上向きに電源ユニットを固定するレイアウトでも使用できます。

高級なPCケースでは専用のPSUアダプタを使用して外から電源ユニットをスロットインする構造が採用されていることもありますが(一応、前モデルという位置づけのH710シリーズでも)、「NZXT H7 Flow」については単純にPCケース内から電源ユニットを配置して外側からネジ止めする構造です。

ケース内部の電源ユニット設置スペースに注目してみると、吸気スリットの両サイドには電源ユニットの安定した固定と電源ユニット冷却ファンの振動によるPCケースとの共振を防止するためゴム製レールがスタンドとして設置されています。

今回はNZXT H7と同時発売となる80PLUS Gold認証を取得かつ電源容量1000Wのハイパフォーマンス電源ユニット「NZXT C1000 Gold」を設置してみました。
・「NZXT C1000 Gold」をレビュー。抜群の静音性が魅力なスタンダード電源

電源ユニットの奥行のクリアランスについて、「NZXT H7 Flow」のPCケースボトムにはフロント寄りにシャドウベイが搭載されており、奥行方向に約250mmのスペースがあります。
下の写真では奥行140mmの電源ユニット NZXT C1000 Goldを使用しているので、90mm程度のスペースがあり、電源ケーブルを収納しておく余剰スペースとしても十分です。

ストレージの章で説明した通り、PSUカバー内のシャドウベイは後方寄りもしくは前方寄りの2種類から設置位置を選択でき、後方寄りの場合250mm程度のスペースを使用できます。
前方寄りにするとフロントファンマウントで360サイズ簡易水冷ラジエーターが非対応になる代わりに、電源スペースは280mm程度に増えます。

ストレージの章で説明した通り、PSUカバー内には標準でシャドウベイがありますが、完全に取り外すことができるので、奥行きがギリギリの電源ユニットであっても一時的に取り外すことで電源ケーブルの配線は問題なく行えます。

「NZXT H7 Flow」は電源ユニットがPCケース底面から吸気を行う構造なので、PCケース底面にはスライド式で簡単に着脱可能なナイロンメッシュの防塵ダストフィルターが付属しています。

PCケース底面には電源ユニット冷却ファンが吸気するためのエアスリットがありますが、幅110mm、奥行(後端から)20~170mmのレイアウトになっています。近年主流な140mm角ファンを冷却ファンとして搭載する電源ユニットでも十分なサイズです。

NZXT H7 Flowのファン・水冷ラジエーター設置スペース
続いて「NZXT H7 Flow」の冷却ファンと水冷ラジエーターの設置スペースについてチェックしていきます。ファン・ラジエーター設置スペースの概要
NZXT H7 Flowのファン・ラジエーター積載可能数について簡単にまとめると、PCケースリアには120サイズ or 140サイズ、PCケースフロントには最大で360サイズ(120mm×3) or 280サイズ(ファンのみ140mm×3)、PCケーストップには最大で360サイズ(120mm×3) or 280サイズ(ファンのみ140mm×3)のファンもしくはラジエーターを設置することが可能です。

付属ファンについて
NZXT H7 Flowにはケースファンとして、120mm角ファンの「NZXT F120Q Case Version(型番:RF-Q12CR-W1)」がフロント1基、リア1基で計2基付属します。NZXT F120Q (Case Version)はPWM速度調整に非対応の3PIN DCファンですが、定格(最大)ファン回転数が1200RPMと低速なので、最大速度でもファンノイズが煩く感じることはあまりないと思います。

NZXT F120Q (Case Version)の軸固定用の支柱は、緩く弧を描きながら根本付近でファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードの根元が支柱付近を通過するときに発生するノイズを抑制しています。

ファンからシンプルに同色の3PINファンケーブルが伸びています。

ファン・ラジエーター設置スペースを実機でチェック
上で解説した概要を念頭に、「NZXT H7 Flow」のファン・ラジエーター設置スペースについて実機写真からチェックしていきます。
ファン・ラジエーターの固定ネジ穴は径方向のスリット状になっているので、上下方向にオフセット配置はできませんが、上側には十分なスペースがあるので、120/140サイズのラジエーターを採用する簡易水冷CPUクーラーや簡易水冷グラフィックボード用にも使用できます。

PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースについてですが、フロントパネル裏には標準で1基の120mmサイズ冷却ファンが吸気構成で設置されています。PCケース内への埃の混入を抑えるためツールレスで着脱可能な防塵ダストフィルターも用意されているので吸気スペースに使用するのがおすすめです。
PCケースフロントのファン・ラジエーター設置スペースのサイズ・数量については上で紹介したとおり、360サイズ(120mm×3) or 280サイズ(ファンのみなら140mm×3)です。ファン・ラジエーター固定用のネジ穴は縦長スリットなのでラジエーターのネジ穴間隔に合わせて設置が可能です。

PCケースフロントのファンマウントはシャーシ自体ではなく、シャーシから着脱可能なブラケット構造です。
ファン・ラジエーター設置用ブラケットはフロントパネルを外して、上側2か所にあるネジで固定されています。



「NZXT H7 Flow」のPCケースフロントではケースファンをシャーシの外側、ファンブラケットとフロントパネルの間に設置する構造になっていますが、間隔は50mm程度あるので25mm厚よりも厚みの大きい冷却ファンも設置可能です。

上端寄りに設置した場合、240サイズや280サイズのラジエーターであればPSUカバーよりも上側に収まりますが、360サイズのラジエーターはPSUカバーの下側に潜る形になります。
ボトムスペースはPSUカバーで分離されていますが、PCケースフロント寄りにはファン・ラジエーター用に奥行75mm程度のホールが設けられているので、PSUカバーとの干渉は基本的に心配する必要はありません。
ただしストレージの章で説明した通り、シャドウベイの位置は2カ所から選択できますが、フロント寄りに移動させた場合、PSUカバーより下側のフロントのファンスペースは30mm厚程度に制限されるので注意してください。

ちなみにフロントのファンマウントからケーブルカバープレートまでの間隔も75mm程度となっており、DIY水冷でケーブルカバープレートにリザーバー・ポンプを設置する場合も十分なクリアランスです。あと上側のケース内部へ出っ張っている部分は120mm幅の固定ネジ位置には被っています。

PCケーストップのファン・ラジエーター搭載スペースについてですが、最大で360サイズ(120mm×3) or 280サイズ(ファンのみ140mm×3)のファン・ラジエーターに対応します。
トップパネルを外すとファンマウント中央部は大きく開口されており、ネジ穴スリットはサイドパネル側の1列を基準にマザーボード寄りに2列、それぞれで120mm角と140mm角のファンに対応しています。

天面について、ファン・ラジエーターを固定するシャーシ内壁からマザーボード上端までは60mm程度のクリアランスがあるので、ファン&ラジエーターで52~55mm厚になる一般的な簡易水冷クーラーであればマザーボードやメモリとの干渉を心配する必要はありません。

「NZXT H7 Flow」のトップパネルには丸穴で広くエアスリットが設けられています。トップパネルはボールキャッチで固定されているので後方の窪みに指をかけて上に引っ張れば簡単に着脱が可能です。

トップパネル下にはプラスチック製フレームでツールレスに着脱が可能な、ナイロン製ダストフィルターも装着されています。

「NZXT H7 Flow」の天面はフラットなのでキーボードなど物を置くこともできますが、天面にファン・ラジエーターを設置する場合はエアフローの妨げになってしまいます。
「NZXT H7 Flow」の天面を物を置くスペースとして活用したいのであれば、「PC MAGLAS ガラストップ」というPCトップガラスカバーがオススメです。
続いてNZXT H7 FlowのPCケースフロントで対応が明記されている360サイズラジエーターについて、今回は検証機材として360サイズ簡易水冷CPUクーラー「NZXT KRAKEN Z73 RGB White」を使用して具体的にチェックしていきます。
NZXT KRAKEN Z-3/X-3シリーズの最新ロットにはIntel第12世代CPUのLGA1700ソケットに対応したマウントパーツも標準で付属します。以前に購入している場合でも国内正規品であれば代理店から無償で対応マウントパーツを入手できます。

「NZXT H7 Flow」はPCケースフロントのエアフローの良さが魅力なPCケースなので今回はフロントに360サイズラジエーターと冷却ファンを設置します。
まずはファンマウントブラケットを外して、前方にファン、ブラケットを挟んで後方にラジエーターの順番でネジ止めします。

NZXT KRAKEN Z-3/X-3 RGBシリーズにはARGB LED搭載ファンAer RGB 2が標準で付属していますが、ファンが連なる水冷ラジエーターに最適化されたLED用のショートケーブルが付属するので配線は容易です。

ファン&ラジエーターをブラケットに固定したら、マザーボードを設置した状態のPCケースを横倒しにして水冷ヘッドを固定します。なおマウントブラケットと水冷ヘッドのどちらを先に固定するかはお好みでOKです。


PCケースフロントは最大で360サイズのラジエーターにも対応するので、スペックの通り360サイズ簡易水冷CPUクーラー NZXT KRAKEN Z73 RGB Whiteを余裕を持って設置できます。


NZXT H7 Flowの自作PCギャラリー
「NZXT H7 Flow」を使用した自作PCを組んでみたのでその作成例のギャラリーとなります。今回、「NZXT H7 Flow」のサンプルビルド用に色々とPCパーツをお借りしたので、これも使ってサンプルビルドを組んでいきます。

前置きはこの辺りにしてビルドギャラリーです。
LED関連を色々と詰め込んだので裏配線側は少々雑然としていますが(どうせスチールパネルで隠せるので)、強化ガラスパネルで一望できるマザーボード側はスッキリとしています。


「NZXT H7 Flow」の丸穴エアスリットのフロントパネル内部にLEDファンを搭載するとLEDの光がふわっと浮かび上がるように拡散し、ギラギラせず良い感じです。








NZXT H7 Flowのレビューまとめ
最後に「NZXT H7 Flow」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- シンプルでスタイリッシュなデザイン、白色もラインナップ
- 【H7 Flow】 丸穴エアスリットのフロントパネルでエアフローも良好
- 奥行480mmm×幅230mm×高さ505mmで、ATX対応として標準的なサイズ
- マザーボード側は内部を一望できる強化ガラス製ウィンドウパネル
- マザーボード側からのケーブルを隠すケーブルカバーやPSUカバーを採用
- 簡単に綺麗な裏配線を実現できるケーブルガイドとケーブルファスナー
- 裏配線側はスチール製ソリッドパネルなのでケーブルマネジメントが気楽
- トップ/フロントはマルチファン大型水冷ラジエーターに対応
- トップ/フロント/PSUには着脱の容易な防塵ダストフィルター搭載
- 2.5インチ4基、3.5インチ2基で計6基のストレージを設置可能
- 【H7 Elite】 ファン&LEDコントローラーが標準で付属 (単品販売の予定あり)
- H710の後継というよりはH510との中間でH610くらいの設計
「NZXT H7 Flow」一目でわかる質感の高いスチールパネルとシンプルながら洗練され気品を感じさせる外観、精度が高く各種パーツを組み込みやすいシャーシ、誰でも簡単かつ綺麗に裏配線をマネジメントできる構造など、PCケースという部品として非常に完成度の高い製品です。
スペック的にもマルチファン大型水冷クーラーや300mm超大型グラフィックボード対応など、近年の自作向けPCケースのトレンドに忠実な設計です。
NZXT製PCケースはフルフラットでオシャレな外観の反面、エアフローは弱いと評価されることも多いですが、「NZXT H7 Flow」はフロントパネル全面に丸穴エアスリットが設けられており、同社製PCケースHシリーズの特長でもあるスマートな外観を損なうことなく、高いエアフローを確保しています。
NZXT製PCケースというか、NZXT製PCパーツのもう1つ大きな魅力は、今回のサンプルビルドでも示したように、”ホワイト”カラーの部品が取り揃えられているところだと思います。
自作PCの見た目に大きく影響するPCケース、マザーボード、CPUクーラーを自社製品として展開しており、ほぼ全てがNZXT製で白いPC部品を揃えることができます。参入が難しいのでまだNZXT製のグラフィックボードはありませんが、最近では白色のグラフィックボードも珍しくなくなってきているので、NZXT製PCパーツをベースにすればホワイトを基調にした自作PCを組むのも難しくありません。
最後にちょっと私見。NZXT H7シリーズは一応、H710シリーズの後継という位置づけのようですが、H710とH510を触った経験から言ってH610くらいの設計に感じました。最上位モデルでH9シリーズが新たに発表されてもおかしくない感じなので、H710/H700シリーズからの乗り換えを検討している人はもう少し様子見してもいいかもしれません。
以上、「NZXT H7 Flow」のレビューでした。

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丸穴スリットのフロントパネルを採用するエアフロー重視なATX対応ミドルタワーPCケース「NZXT H7 Flow」をレビュー。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) July 23, 2022
NZXT KRAKENやC1000 Gold電源を組み合わせてゲーミングPCを組んでみました。https://t.co/lA63A78qYM pic.twitter.com/m11RIhGmij
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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H710を使っているので大変参考になりました。
H7 Flowはややコンパクトになった影響か、掲載されている写真からの印象ではトップ/フロントの両方に簡易水冷ラジエータ360mmをつけようとすると、トップのファンとフロントのラジエータが干渉しそうに見えます。
実際にも干渉しそうでしょうか?