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OBS Studioを使って作成・録画したHDR動画をHDR形式で正しく再生する方法や、オススメのビデオプレイヤーソフトを紹介します。
HDR動画の編集となるとAdobe Premiere ProやDaVinci Resolveが必要になってかなりハードルが上がりますが、再生だけなら比較的に簡単です。
OBS Studioを使ってHDR対応ビデオキャプチャで取り込んだPlayStation 5やXbox Series X|SのHDR映像をHDR動画として正しく録画する方法についてはこちらの記事を参照してください。
1.Windows標準アプリの「映画&テレビ」
Windows標準アプリの「映画&テレビ」はHDR動画、正確にはHDRフォーマットに対応したHEVCコーデックの動画を再生できますが、HEVCに対応するための拡張機能を導入する必要があります。拡張機能を未インストールだと”サポートされていないフォーマットでエンコードされている”とエラーが表示されます。
Windows標準アプリの映画&テレビをHEVCに対応させる拡張機能は「HEVC ビデオ拡張機能」としてマイクロソフトストアで120円で販売されています。
残念ながら有料ですが、Windows標準アプリでHDR動画を再生したいのであれば購入してください。サブスクリプションではなく買い切りのソフトですし、同じマイクロソフトアカウントでサインインしている機器であれば、1度購入すれば使いまわせます。
ちなみに以前は無料で使用できた、同じくMicrosoft純正システムコンポーネントの「デバイス製造元からの HEVC ビデオ拡張機能」のほうはWindows 11環境では非対応としてインストールできなくなっていました。
ただWindows 10でインストール済みの環境からWindows 11にアップデートしている場合は、こちらの拡張機能は引き継がれていてそのままHDR動画(HEVC)を「映画&テレビ」で再生できました。(いつまで使えるか、正常に動いているかは不明)
ともあれ、HEVCに対応する拡張機能をインストールすると、Windows標準アプリの映画&テレビでもHDR動画を再生できるようになります。
2.VLC Media Player
続いて紹介するのは、フリーソフトのビデオプレイヤー「VLC Media Player」です。フリーソフトかつ単純にインストールするだけでHDR動画をHDR形式で再生してくれるので、Windows標準アプリに拘らず単純にHDR動画の確認をするだけなら一番手っ取り早いソフトだと思います。
「VLC Media Player」のインストール方法は、公式ページからWindows 11/10環境の場合は64bit版のインストーラーをダウンロードして起動し、ガイドに従ってポチポチとクリックしていくだけです。
途中でファイルとの関連付けやウェブブラウザ用プラグインのインストールなどオプション選択があるので、不要なものはチェックを外し忘れないように。
冒頭で書いたように「VLC Media Player」は単純に最新バージョンをインストールするだけで、そのままHDR動画をHDR形式として再生できました。
なおWindows設定でHDRを有効化する前にVLC Media Playerを起動しているとSDRトーンマップ表示になります。HDR映像として動画を再生したい場合はWindows設定でHDRを有効化してから「VLC Media Player」を起動してください。
あと「VLC Media Player」はSDRトーンマップにも対応しているので、SDR表示の状態でもHDR動画を違和感ない色調で再生できます。
3.MPC-HC & MPC Video Renderer
続いて紹介するのは、フリーソフトのビデオプレイヤー「MPC-HC (Media Player Classic - Homecinema)」と、その拡張機能の「MPC Video Renderer」です。MPC-HC用のHDR対応拡張機能についてはmadVRのほうが有名かもしれませんが、とりあえず再生するだけならMPC Video Rendererのほうが簡単な気がするのでこちらで紹介します。
まずはMPC-HCについてですが、大元のMPC-HC(https://mpc-hc.org/)については2017年以降開発が終了しており、clsid2氏がGithub上で更新している有志バージョンを使用します。
2023年11月現在はStableバージョンとしてver2.1.0が公開されています。Windows 10/11環境の人は64bitのインストーラー版「MPC-HC.2.1.0.x64.exe」、もしくはポータブル版「MPC-HC.2.1.0.x64.zip」をダウンロードしてください。
MPC-HCのインストール自体はインストーラーを起動してポチポチとクリックしていくだけです。システム言語に合わせて日本語UIで設定できるので特に難しいことはないと思います。
前述の通り、日本語UIに対応しているのでウィンドウサイズとか複数起動とか各自お好みで調整する部分は調整してください。
お好みで調整する部分以外は基本的に初期設定のままでいいのですが、1カ所だけ、ビデオデコーダの設定だけは各自で変更を推奨します。
オプション画面を開いたら、”内部フィルタ - ビデオデコーダ”の順番に操作すると、ビデオデコーダのプロパティウィンドウが表示されます。
ビデオデコーダのプロパティウィンドウの右上にある、Hardware Decoder to use:の項目を”D3D11”にして、その下にあるドロップダウンメニューから各自PC環境のGPU(GPUデコーダ)を選択してください。
続いてMPC-HCの拡張機能「MPC Video Renderer」です。
「MPC Video Renderer」もGithubで配布されているので各自で最新バージョンをダウンロードしてください。
ダウンロードしたzipファイルを解凍すると中にいくつかファイルがありますが、「Install_MPCVR_64.cmd」を選択して右クリックメニューを開き、管理者として実行してください。
なおInstall_MPCVR_64.cmdを実行した場所がそのままインストール場所として登録されるので、解凍したフォルダはMPC-HCのインストールフォルダ内に移動してから上記のインストールを実行するのがオススメです。
MPC Video Rendererの導入が完了したら、再びMPC-HCを起動し、オプションを開きます。
出力のDirectShowビデオでレンダラーを選択できるので、ドロップダウンメニューからMPC Video Rendererを選んでください。一度、MPC-HCを閉じると次回起動時からMPC Video Rendererを使用するようになります。
適当にHDR動画ファイルを開くとWindowsのディスプレイ設定がHDR有効ならHDR動画として再生してくれます。
ちなみにWindowsのディスプレイ設定がHDR無効でもMPC Video Rendererが自動的にSDRにトーンマップし直して、違和感のない彩度でHDR動画を再生してくれます。
一応後述するMPC Video Rendererの設定で右上にあるShow Statisticsにチェックを入れて、レンダラーの動作状態を確認しておいてください。
HDR ProcessingがPassthroughになっていればHDR表示としては正常です。あとビデオデコーダーにGPUが使用されているかどうかも一応確認しておいてください。ここが各自PCのGPU名でない場合は上で説明した設定を見直してください。
MPC Video Rendererの設定画面は再生画面で右クリックメニューを開き、中ほどのフィルタから
MPC Video Rendererを選択するという手順で開くことができます。
基本的に初期設定のままで問題ないと思いますが、Auto display HDR On/Offの設定だけは”not used”に変更するのがオススメです。
Windowsのディスプレイ設定がHDR無効の時に自動的にHDRが有効になるだけならいいのですが、HDR有効の状態でもMPC-HCでHDR動画を開いた時に一瞬暗転して邪魔くさいので。
MPC-HC(ver 2.1.0)とMPC Video Renderer(ver 0.6.9.2117)によるHDR動画の再生はフリーソフトとして使用できるし軽くてUIも分かり易く、便利なのですが、唯一欠点として、HDR動画の再生時にランダムに暗転したままになることがあります。(正確にはHDR Passthroughで失敗しているのかも、SDRトーンマップでは一切コケないので)
再生中は基本的に問題なく(リサイズなど操作時に暗転してしまうことがあるものの)、開いた直後に暗転してそのまま、という感じです。
暗転したままになったら一度、MPC-HCを閉じて動画ファイルを開き直すか、MPC-HCのウィンドウに動画ファイルをドラッグ&ドロップで開き直してください。
4.Global Potplayer
続いて紹介するのは、フリーソフトのビデオプレイヤー「Global Potplayer」です。色々と設定できるのでハマる人にはハマるアプリですが、初心者向けではないかも。
「Potplayer」のインストール方法も公式ページからWindows 11/10環境の場合は64bit版のインストーラーをダウンロードして起動し、ガイドに従ってポチポチとクリックしていくだけです。
「Potplayer」はHDR動画の再生に対応していますが、標準ではWindowsのSDR/HDR表示に依らず、SDRトーンマップでHDR動画が再生されます。
HDR動画をHDR映像として再生するには、環境設定で映像の項目を選択し、映像レンダラーを”内部のDirect3D 11 映像レンダラー”にして、下にある設定項目の”H/WのHDR出力を処理”にチェックを入れる必要があります。
上記のように設定するとHDR動画をHDR映像として再生できます。ただしWindows設定がSDR表示の場合、SDRトーンマップされず露出過多の状態で再生されてしまいます。
Windows設定がSDR表示ならSDRトーンマップで、HDR表示ならHDR映像で再生するように使い分けたいのであれば、3章のMPC-HCで一緒に紹介したMPC Video Rendererを組み合わせてください。導入方法や設定は同じです。
章の冒頭でも紹介したように、「Potplayer」は色々と設定できるのでハマる人にはハマるアプリです。
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OBS Studioを使って作成・録画したHDR動画をHDR形式で正しく再生する方法や、オススメのビデオプレイヤーソフトを紹介。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) November 8, 2023
拡張機能(有料)を導入すればWindows標準アプリの「映画&テレビ」で、フリーソフトだと「MPC-HC」にMPC Video Rendererを組み合わせて再生できます。https://t.co/VUev5VQcnZ
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