QNAP HS-264


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A4サイズのフットプリントかつ全高41mmのコンパクトサイズでファンレス冷却構造を採用する2ストレージベイNAS「QNAP HS-264」をレビューします。
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製品公式ページ:https://www.qnap.com/en/product/hs-264

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QNAP HS-264 レビュー目次


1.QNAP HS-264の外観・付属品
2.QNAP HS-264のストレージベイと内部構造


付録.QNAP QDA-A2ARについて

3.QNAP HS-264の検証機材と基本仕様

4.QNAP HS-264の初期設定
5.QNAP HS-264でネットワークストレージを作る方法
  ・ボリュームやRAIDを作る
  ・ボリュームに共有フォルダを作る
  ・共有フォルダにドライブパスを通す

5.HDIMIビデオ出力とHybridDesk Stationについて

6.QNAP HS-264の性能

7.QNAP HS-264のレビューまとめ



【機材協力:QNAP】



QNAP HS-264の外観・付属品

まず最初に「QNAP HS-264」の外観や付属品について簡単にチェックしておきます。
「QNAP HS-264」は黒字で簡単にメーカーロゴが刻印され、製品シールが貼り付けられた茶箱パッケージによって梱包されており、製品本体はスポンジ製スペーサーで保護されていました。付属品は小分けの茶色の段ボール箱に入っています。
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「QNAP HS-264」の付属品は、LANケーブル1本、ACアダプタ&ACケーブル、ストレージ固定ネジセット、マニュアルとなっています。
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続いて「QNAP HS-264」の本体をチェックしていきます。
「QNAP HS-264」は黒色の側面に、黒寄りなブラウンのアルミニウム天板という外装カラーが採用されています。天板中央にはシルバーでQNAPのロゴが描かれています。
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「QNAP HS-264」は冒頭でも書いた通りファンレス構造が採用されており、実はこのアルミニウム製天板が、銅製ベースコアを介してSoC用の放熱ヒートシンクの役割を果たしています。天板の上に物を置くと放熱の妨げになるので使用上の注意としてください。
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「QNAP HS-264」の側面は前後左右いずれも黒色プラスチック製ですが、ツヤツヤで鏡面反射する表面仕上げになっています。外観もスマートなのでモダンなインテリアの室内にも溶け込みます。
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汚れが付いていない状態は非常に綺麗で高級感があるのですが、ホコリや指紋が付きやすく、擦り傷も目立ちやすいので好みが分かれるポイントです。
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「QNAP HS-264」の寸法は横幅302mm×奥行220mm×厚み41mmです。同社NAS Bookシリーズほどではありませんが、A4用紙程度のフットプリントに全高40mm程度なので、NASとしては非常にコンパクトです。
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底面には四隅にゴム足が設置されています。中央の開口部には放熱のためアルミニウム製ヒートシンクが出ています。
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「QNAP HS-264」の前面を見ると、中央に電源LEDインジケーターがありますが、その他にはIOポート類は全くありません。
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「QNAP HS-264」のIOポートは背面にまとめられています。
左から順に、DC端子、リセットスイッチ、HDMI2.0ビデオ出力×2、2.5Gb LAN端子×2、USB3.2 Gen2 Type-A端子×2、電源スイッチが設置されています。
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「QNAP HS-264」はネットワーク接続用のLANポートとして、一般的な1Gb LANの2.5倍高速な通信に対応した2.5Gb LANを2基搭載しています。
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2.5Gb LANのコントローラーには、ここ数年の自作PC向けマザーボードでも実績のある、Intel I225-Vが採用されていました。
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「QNAP HS-264」には背面左端に2基のUSB3.2 Gen2 Type-A端子が搭載されています。「QNAP HS-264」はメディアプレイヤー的な使い方も想定された機器なのでマウス・キーボードの接続用USBポートとしてもしようできますが、帯域10GbpsのUSB3.2 Gen2に対応しているのでUSBストレージ用としても活躍します。
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QNAP HS-264のストレージベイと内部構造

続いて「QNAP HS-264」のストレージベイと内部構造についてチェックしていきます。
「QNAP HS-264」の正面カバーはマグネット式で簡単に着脱できる構造になっており、カバーを取り外すことでストレージベイにアクセスできます。
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中央にあるロック解除ボタンを押下しながら、取っ手に下から手を入れて引っ張るとストレージベイを取り出すことができます。
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「QNAP HS-264」のストレージベイは金属製で、2.5インチSSDと3.5インチHDDの両方に対応しています。底面(NAS設置時は上面)にネジ穴があるので付属ネジでストレージを固定します。
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以上のように、「QNAP HS-264」は簡単にストレージベイにアクセスでき、増設要素もないので内部に手を出す必要はありませんが、底面のネジを外すだけで簡単に内部へアクセスできます。
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QNAP HS-264にはNASの処理性能に直結するSoC(CPU&iGPU)として、Intelの省電力CPUである「Celeron N5105」が採用されています。
Celeron N5105は従来の省電力NASに採用の多いCeleron J4105と同じく4コア4スレッドですが、動作クロックはブースト2.5GHzからブースト2.9GHzに高速化を果たしています。
またiGPUについても実行ユニット数が12から24に倍増し、動作クロックも750MHzから800MHzへと高速化しています。
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「QNAP TBS-464」は4GB容量のメモリをBGA実装済みとなっており、システムメモリの増設には非対応です。
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「QNAP HS-264」は冒頭でも書いた通りファンレス構造が採用されており、本体外装のアルミニウム製天板が、銅製ベースコアを介してSoC用の放熱ヒートシンクの役割を果たしています。
またサーマルパッドを介してSoC背面と接しているアルミニウム製ヒートシンクも底面から放熱フィンが顔を出しており放熱補助となっています。
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QNAP QDA-A2ARについて

QNAPからは同社製NASと組み合わせて使用できるアクセサリとして、3.5インチベイに2基の2.5インチSSDを搭載可能にする変換アダプタ「QNAP QDA-A2AR」が発売されています。
製品公式ページ:https://www.qnap.com/ja-jp/product/qda-a2ar

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「QNAP QDA-A2AR」を使用すると1つの3.5インチドライブベイに2基の2.5インチSATA SSDを搭載できます。アダプタ1つで1万円ほどと高価ですが、SSDオンリーで大容量NASを構築するならぜひ買い揃えたい製品です。
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今回レビューしている「QNAP HS-264」は見ての通り、2基の3.5インチストレージが搭載可能なNASですが、QNAP QDA-A2ARを使用することによって最大4基の2.5インチSSDを搭載できます。
2022年現在、SATA SSDの最大容量が8TBなので、2ドライブベイの「QNAP HS-264」でも32TB容量のSSDオンリーNASを構築できます。
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「QNAP QDA-A2AR」は3.5インチストレージサイズの黒色のスチール製フレームにSATA端子などの基板が装着されています。
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「QNAP QDA-A2AR」にはマニュアル、2.5インチストレージ固定用ネジ×8、動作設定スイッチ切替用ピンが付属します。
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「QNAP QDA-A2AR」の基板部分に注目すると内側には2.5インチストレージ互換のレイアウトで2基のSATA電源&SATA通信端子が上下に並んでいます。
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「QNAP QDA-A2AR」は2基の2.5インチストレージを制御するためのJmicron製JMS562が搭載されており、内側SATA端子の右上には動作設定を変更する2組のスライドスイッチがあります。
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「QNAP QDA-A2AR」の外側には3.5インチストレージ互換でSATA電源&SATA通信端子が1組あり、ここから共通して電力供給と通信を行います。
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「QNAP QDA-A2AR」はシンプルに上下2段で2基の2.5インチSSDを搭載できます。
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「QNAP QDA-A2AR」の内側SATA端子の右上には動作設定を変更する2組のスライドスイッチがあります。スライドスイッチは非常に小さいので、スライドさせるためにピンが付属します。
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「QNAP QDA-A2AR」は1基のSATA端子から2基の2.5インチストレージを接続可能なアダプタですが、その特殊な動作を可能にするためJmicron製JMS562というSATA通信マルチプライヤが搭載されています。
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「QNAP QDA-A2AR」には、Individual、RAID1、RAID0、JBODの4種類の動作モードがあります。
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Individualモードはその名の通り2つのストレージを個別のストレージとして認識するモードですが、ホストのSATAコントローラーがSATAポートマルチプライヤに対応している必要があります。
OSレベルではWindowsやLinuxはIndividualモードに対応していますが、QTSには非対応なのでQNAP製NASは基本的にIndividualモード非対応です。
RAID1、RAID0、JBODの3種類は内部的な動作は異なりますが、接続ホストからは1台のストレージとして認識されるモードです。普通のSATAストレージとして認識されるので互換性の心配はありません。
RAID1は2つのストレージに同じデータを記録しデータの保守性を高めます。RAID0は2つの同容量ストレージを合算し、半分ずつ平行にデータを記録することで読み書きを高速化します。JBODは2つのストレージの容量が合算されますが(異なる容量でも問題ない)、内部的には順番に容量が埋まっていきます。
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実際に試してみたところ、「QNAP QDA-A2AR」を使用することによって2基のSSDを内部的にはRAID0やRAID1で動作する単一のストレージとしてQNAP製NASが認識することを確認できました。
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注意点として「QNAP QDA-A2AR」で一度RAIDモード(RAID1、RAID0、JBOD)を設定すると、単純にスイッチを切り替えるだけでは別のRAIDモードに変わりません。
別のRAIDモードに切り替えるには、一度、個別モードに切り替えた状態でNASに接続するという手順を経て、希望のRAIDモードにする必要があります。

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QNAP HS-264の検証機材

「QNAP HS-264」の各種検証を行う環境としては、Intel Core i9 12900K&ASUS ROG MAXIMUS Z690 HEROなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 12900K (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 RGB
F5-6000U3636E16GX2-TZ5RS
DDR5 16GB*2=32GB (レビュー
6000MHz, 36-36-36-76
マザーボード
ASUS ROG MAXIMUS Z690 HERO
レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
ビデオカード MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 980 PRO 500GB(レビュー
OS Windows11 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー


QNAP HS-264は3.5インチHDDや2.5インチSSDに対応した2ストレージベイ搭載NASですが、今回、NASに組み込む検証機材用SSDとして、Western Digitalから発売中のNAS向け2.5インチSATA SSD「WD Red SA500 SATA SSD 2TB」を使用しています。
WD Red SA500 SATA SSD
WD Red SA500 SATA SSDシリーズはSATA接続のSSDとして理想的な連続読み出し560MB/sと連続書き込み530MB/sのアクセススピードを発揮します。
また10GB程度のSLCキャッシュ超過後の書き込み速度も450~500MB/sをキープするので、近年普及しつつある2.5Gb LAN接続ならSSD性能がボトルネックになることはありません。
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WD Red SA500 SATA SSD 2TB_HDT

Western Digitalからは自作PC向けSSDとして定番モデルのWD Blue SATA SSDが発売されていますが、常時稼働となるNASシステムに要求される信頼性に応えられるよう、24時間365日稼働の使用向けに設計・テストされています。
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「WD Red SA500 SATA SSD」は読み書き速度といった基本仕様はWD Blueと共通である一方、平均故障寿命MTTFや書き込み耐性のスペック値がWD Blueよりも優れています。2TBで2倍以上、4TBでは4倍以上も書き込み耐性の仕様値が優れているので、SSD内蔵の高速NASを構築するなら「WD Red SA500 SATA SSD」は特にオススメのSSDです。
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QNAP HS-264の初期設定

「QNAP HS-264」を導入する時に最初に必ず行う初期設定の手順について紹介します。
QNAP製NASの多くでは”QTS”と呼ばれるNAS専用のOSを最初にインストールします。QTSはNASのストレージではなく、NASに標準で内蔵されているフラッシュメモリにインストールされます。「QNAP HS-264」の場合は4GBのフラッシュメモリが内蔵されており、そこへQTSがインストールされます。

QNAP製NASの基本システムであるQTSについては、NASに接続したPCのウェブブラウザ上で操作します。ウェブブラウザの画面上に別のWindows PCが動いているような感覚で各種設定が行えます。
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何はともあれ、各自の環境に合わせて「QNAP HS-264」を接続します。最低限、ACケーブルを「QNAP HS-264」に繋ぎ、ルーター経由もしくは直結でLANケーブルをPCの有線LANに接続します。

QNAP HS-264の初期設定を行うため、まずはWindows PCへ「QNAP Qfinder Pro」をインストールします。「QNAP Qfinder Pro」のインストール自体は、サポートページからダウンロードしたインストーラーを起動し、ポチポチとクリックしていくだけです。
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「QNAP Qfinder Pro」を起動すると、「QNAP HS-264」がPCやネットワーク内に正常に接続されていれば、自動的に検出してくれて、「QTS スマートインストールシステム」という初期設定プロセスへガイドしてくれます。
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「QTS スマートインストールシステム」を起動すると、ウェブブラウザ(Microsoft Edgeなど)で初期設定画面が表示されます。
「QTS スマートインストールシステム」のUI言語は設定を行うPCのシステム言語に合わせて自動的に日本語が適用されます。もしも別言語になってしまった場合は、右上の言語メニューから日本語を選択できます。
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最初にNASのファームウェアアップデートの確認があります。オンラインもしくはローカルファイルでファームウェアをアップデートできるので、最新バージョンがある場合は最初にアップデートしてください。
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以降はガイドに従って、パスワード、ネットワーク、使用環境等の初期設定を行います。特に専門的な知識は必要ありません。
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初期設定が完了したらログイン画面が表示されるので(もしくはQfinder Proで機器を選択してログイン画面を表示する)、先ほど設定したアカウント&パスワードでログインします。
なおQTS5.0からは、管理者名を”admin”以外に設定する必要があり、上記の初期設定の際も”admin”以外の名前でユーザー登録を行います。初期設定で指定した管理者ユーザー名は忘れないように注意してください。
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ちなみに、「QNAP HS-264」では初期設定時に登録したアカウントのみが有効になっており、標準管理者アカウント adminは無効化されていました。
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QNAP HS-264でネットワークストレージを作る方法

「QNAP HS-264」でWindows PCから閲覧・編集が可能なネットワークストレージを作る手順を紹介します。ネットワークストレージを作るまでは、「ボリュームを作成する」、「作成したボリューム内に共有フォルダを作る」、「作成した共有フォルダにドライブパスを通す」の3つの手順となります。
(NAS用OSとしてQTSを採用するQNAP製NASにおいてネットワークストレージの作成手順は共通なので、この章では過去にレビューした製品のスクリーンショットも流用します)

1.ボリュームやRAIDを作る

まずは初期設定でも紹介したQNAP Qfinder Proから「QNAP HS-264」の右クリックメニューを表示し、NASの管理メニューQTSを表示します。
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QTSが表示できたらメインメニューから「ストレージ&スナップショット」を選択します。
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「ストレージ&スナップショット」のウィンドウが表示されたら、左側メニューから「ストレージ」を選択し、中央下にある『ストレージのアイコンと+マーク』の部分を選択します。
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アイコンを選択すると「ボリューム作成ウィザード」が表示されます。初期設定ではボリュームタイプがシックボリュームですが、『タイプを変更』のアイコンからボリュームタイプを変更できます。
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Windowsユーザーが馴染みやすい「静的ボリューム」以外に、「シックボリューム」や「シンボリューム」など、スナップショットというバックアップ機能が使用できるボリュームも作成できます。
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今回は3種類のうちシンプルに静的ボリュームを選択しました。
作成するボリュームの種類を選択すると、ボリュームを構成するストレージとRAIDの有無が選択できます。RAIDについてはJBOD、RAID0、RAID1、RAID5、RAID6、RAID10が選択できます。(搭載可能なストレージ数で対応するRAID構成の種類は変わります)
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ボリュームの名前や、アイノード別バイト数を選択し、最終確認をしてボリューム作成を完了します。
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ボリュームのフォーマットとデフォルトフォルダの作成を待って、ボリュームの作成は完了です。
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2.ボリュームに共有フォルダを作る

上で作成したボリュームに共有フォルダを作成する方法について紹介していきます。
Windows PCでは一番上の階層にボリューム(ドライブ)が見えているので若干慣れませんが、とりあえずQNAP製NASではボリュームに作成された共有フォルダがエクスプローラー上では一番上の階層になります。

「QNAP HS-264」でボリュームを作成すると、HomesやPublicと言った基本的な共有フォルダが作成されますが、もちろん任意の共有フォルダを作成することもできます。共有フォルダの作成方法はいくつかありますが、代表的なものとしては以下の3つです
  • QTSのコントロールパネルの共有フォルダの項目から作る
  • QTS標準アプリFile Station(QTS上のエクスプローラー的アプリ)から作る
  • QNAP Qfinder ProのStrage Plus & Connectから作る
コントロールパネルはNASにアクセスする際のアカウントの作成等もできる、File StationはNASのエクスプローラー的使い方ができる、Strage Plus & Connectはドライブパスを通せる、など各方法で長短はありますが、ボリュームに共有フォルダを作成できるという点は一致しています。

まずQTSのコントロールパネルの共有フォルダの項目から作る方法ですが、QTSメインメニューのショートカットアイコンからコントロールパネルを選択し、権限設定の項目にある「共有フォルダ」を開きます。共有フォルダの設定ページが表示されたら共有フォルダ一覧の左上にある「作成」を選択すると、新規の共有フォルダが作成できます。
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次にQTS標準アプリFile Station(QTS上のエクスプローラー的アプリ)から作る共有フォルダを作る方法ですが、QTSメインメニューのショートカットアイコンからFile Stationを開き、フォルダに+が描かれたアイコンを選択、共有フォルダを作成します。File Stationの共有フォルダ作成では作成と同時に、そのフォルダにアクセスできるアカウントなど権限に関する設定がかなり細かく行えます。
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最後にQNAP Qfinder ProのStrage Plus & Connectから共有フォルダを作る方法ですが、QNAP Qfinder Proに表示される「QNAP HS-264」の右クリックメニューからStrage Plus & Connectを選択し、Storage Plus & Connectの管理画面上で共有フォルダを作成します。「QNAP HS-264」上の共有フォルダにドライブパスを通す機能も統合されているので、権限関連の詳細設定を必要としないユーザーには一番使いやすい気がします。
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3.共有フォルダにドライブパスを通す

ネットワークストレージ作成の最後の仕上げとして、上で作成した共有フォルダへWindows PCのエクスプローラーから直接アクセスできるようにするためドライブパスを通します。
ドライブパスを通す作業はQNAP Qfinder Proから行います。直前の共有フォルダ作成で紹介したばかりなので、「Strage Plus & Connect」を使用した方法を紹介すると、パスを通したい共有フォルダに対して右クリックメニューを開き、「接続」を選択するだけです。
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共有フォルダにドライブパスを通すもう1つの方法は、QNAP Qfinder Proに表示される「QNAP HS-264」の右クリックメニューから「ネットワーク ドライブ」を選択し、エクスプローラーに共有フォルダを表示してから、ネットワークドライブの割り当てを行います。
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以上の手順でWindows PCのエクスプローラーからアクセス可能なネットワークストレージが構築できます。
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HDMIビデオ出力とHybridDesk Stationについて

「QNAP HS-264」には4K/60FPSに対応したHDMI2.0ビデオ出力が2基搭載されており、NAS本体をTVやPCモニタへ直接に接続することでネットワークメディアプレイヤーや簡易のウェブブラウザとして使用したり、YouTubeなどの動画ストリーミング視聴が可能です。
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なおHybridDesk Stationの操作にはNASのUSB端子へ直接マウス&キーボードを接続する必要があるので注意してください。
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HybridDesk Station上で使用できるリモートコントローラー「QNAP RM-IR004」もアクセサリとして販売されています。ただしリモコンの反応は若干モッサリしているため操作上はプラスアルファな存在で、基本的にUSB接続のマウス・キーボードが必要になると思います。
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QNAP RM-IR004

HDMIビデオ出力機能は「HybridDesk Station」と呼ばれており、初期設定時にインストールされるQNAP製NASのOSである「QTS」とは別に、QTS上のアプリケーションとしてインストールする必要があります。
QTSがNASに内蔵されたフラッシュメモリへインストールされるのに対して、HybridDesk Stationと付属アプリ類はNASのボリュームへ保存されるので、少なくとも1つはボリュームを作成しておく必要があります。
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「HybridDesk Station」をインストールして「QNAP HS-264」のHDMIビデオ出力にモニタを接続すると、スマホアプリメニュー風のトップ画面が表示されます。
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「HybridDesk Station」は一応、日本語UIにも対応していますが、漢字が中国語風になっていてフォントが微妙です。数年前からこのままなので日本語UIに対応するならフォントも直して欲しいところ。
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「QNAP HS-264」に搭載された2基のビデオ出力はいずれもHDMI2.0なので、最大で4K/60FPSの解像度に対応します。
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QNAP HS-264の性能

さて本題となる「QNAP HS-264」の性能についてチェックしていきます。
NASを使用する場合、一般的な利用環境ではPCとNASの間にスイッチハブやルーターが挟まりますが、 今回の検証では「QNAP HS-264」と検証PCの間にスイッチハブやルーターは挟まず、LANケーブルで直接に接続しています。

なおマルチギガビットLANでPCとNASを接続する場合、そのままでは接続帯域のポテンシャルをフルに発揮できない可能性があるので、「Jumbo Frame(Jumbo Packet)」という項目を手動で設定する必要があります。
PC側ではデバイスマネージャーから接続に使用しているLANコントローラーを選択し、プロパティからJumbo Packetの値を9000程度に変更します。
NAS側はQTS上の「ネットワークと仮想スイッチ(Network & Virtual Switch)」というアプリから接続に使用しているLANの設定を開き、こちらも同じくJumbo Frameの値を9000程度に変更します。
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ジャンボパケット(Jumbo Packet, Jumbo Frame, MCU等と表記)は、5~10Gb LAN対応NASで重要になる機能ですが、簡単に説明すると、ルーター側CPU(SoC)の性能が低い時にボトルネックを解消する効果があります。
Intelのデスクトップ向けCPUを搭載しているようなNASならジャンボパケット無効でも問題ありませんが、モバイル向けSoC等ではSoCの性能がボトルネックになるため、マルチギガビットLANの性能をフルに発揮しようとするとジャンボパケット対応が必要になります。


今回、「QNAP HS-264」の検証に当たってNASへ内蔵するSSDには、NAS用に最適化され書き込み耐性に優れた2.5インチSATA SSDのWD Red SA500 SATA SSD 2TBを2台使用しています。
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WD Red SA500 SATA SSDシリーズはSATA接続のSSDとして理想的な連続読み出し560MB/sと連続書き込み530MB/sのアクセススピードを発揮します。
また10GB程度のSLCキャッシュ超過後の書き込み速度も450~500MB/sをキープするので、近年普及しつつある2.5Gb LAN接続ならSSD性能がボトルネックになることはありません。
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WD Red SA500 SATA SSDは2.5Gb LAN接続の通信速度に対して十分な読み書き性能があるので、「QNAP HS-264」の検証に当たって、シンプルに単一の静的ボリュームをNAS上に作成しました。
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まずは「QNAP HS-264」の基本的な読み出し性能と書き込み性能を確認するためNAS環境の検証でもよく使用される定番ベンチマークCrystalDiskMark8のスコアを比較してみました。
なおNASのネットワークドライブに対してCrystalDiskMarkを実行すると、NASのシステムメモリのキャッシュ機能等の影響で、ストレージ性能を上回り、回線理論値に近いスコアを出す場合があります。厳密な速度性能については後述の実際のファイルコピーテストを参照してください。

「QNAP HS-264」においてNVMe M.2 SSDのWD Red SN700 NVMe SSD 1TBで単一の静的ボリュームを作成し2.5Gb LANでPCと接続すると、製品公式ページでも言及されているように連続読み出しと連続書き込みにおいて2.5Gb LANの理想的な速度である300MB/sを発揮しました。
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下は「QNAP HS-264」を一般的な1Gb LANで接続した場合ですが、2.5Gb LANで接続すると連続性能が約2.5倍に高速化しています。
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CrystalDiskMarkを使用した基本的なストレージ性能のチェックも完了したので、続いて「QNAP HS-264」のようなNASの性能評価で最重要項目となるファイルコピーにおける読み出し・書き込みについて性能比較をしてみました。
検証に使用するデータとしては次のような50GB(10GB×5)の動画フォルダ、80GBで多数のファイルが入ったゲームのフォルダ(The Witcher 3とRise of the tomb Raiderなどのゲームフォルダ)、1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBの画像フォルダ、5MB~8MBの画像ファイル1,000枚が入った7GBの画像フォルダの4種類を使用しています。
Copy-Test-Data
データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。測定においては書き込み先/読み出し元の対象となるストレージが必要になるため、各ストレージのコピー相手にはM.2-PCIE変換アダプタ「Aquacomputer kryoM.2」に設置したSamsung SSD 980 PRO 1TBを使用しています。


「QNAP HS-264」とSamsung 980 PRO 1TBとの間で検証用データをコピーした時の速度は以下のようになりました。
QNAP HS-264_copy-speed_1_Read
QNAP HS-264_copy-speed_2_Write

50GBの動画フォルダ、80GBのゲームフォルダ、7GBの写真フォルダの読み書きでは2.5Gb LAN接続によって帯域に比例して2倍以上のコピー速度を発揮します。

1KB~1MBの画像ファイル10,000枚が入った3GBのフォルダのコピーについては、1つ1つのファイルサイズは1KB~1MBと比較的小さいのでゲームフォルダのコピーテストよりもベンチマークのランダム性能が重要になります。
こういった小容量画像ファイルを多数含むコピーでは、1Gb LAN接続時の連続性能120MB/sよりも十分に低い平均速度ですが、2.5Gb LAN接続にすることでパフォーマンスが改善しています。マルチギガビットLANはランダム性の高いデータコピーにも強いのが分かる結果です。



QNAP HS-264のレビューまとめ

最後に「QNAP HS-264」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • A4サイズのフットプリントで全高40mmとNASとしてはコンパクトな製品
  • 2基の3.5インチHDDを搭載可能(2.5インチSSDにも対応)
  • 2基の2.5Gb LANを搭載(Intel I225-V)
  • 2.5Gb LANで接続すると1Gb LANよりも最大で2.5倍も高速になる
  • 2.5Gb LANは100MB/s未満のランダム性能も高速になる
  • マウスキーボード、WiFi、フラッシュメモリを増設可能なUSB3.0端子×2
  • 2基のHDMI2.0ビデオ出力を搭載し、メディアプレイヤーとしても使用できる
悪いところor注意点
  • システムメモリは4GBの基板実装で、増設には非対応

「QNAP HS-264」はA4サイズ相当のフットプリントに全高40mmというコンパクトサイズが最大の魅力だと思います。
NASというと3.5インチHDDを4基程度搭載できるキューブ型のちょっとしたコンパクトPCサイズを想起させられる製品ですが、「QNAP HS-264」であれば無線LANルーターのすぐ傍に置いても、そのコンパクトなサイズ感とモダンな外観から違和感なく溶け込みます。

「QNAP HS-264」は3.5インチHDDを最大で2基内蔵できる2ストレージベイNASで、2.5インチSATA SSDにも対応します。
同社製アクセサリのQNAP QDA-A2ARを組み合わせれば最大で8TB容量の2.5インチSATA SSDを4つ組み合わせて32TBの大容量かつ高速、そしてコンパクトという3拍子そろったネットワークストレージが構築できます。

ネットワークストレージとして最重要と言えるファイルコピー性能について、一番想定されるであろうスマートフォンやデジタルカメラで撮影した写真(1つ当たり数MB)や動画(1つ当たり数GB)のデータの共有・バックアップであれば、2.5Gb LANでネットワークに接続されていれば「QNAP HS-264」は一般的な1Gb LANと比較して2倍以上の読み出し・書き込み速度が期待できます。

「QNAP HS-264」はA4相当のコンパクトサイズかつ、高性能なIntel製クアッドコアCPU&2.5Gb LAN搭載ながら完全ファンレス設計となっており、NAS自体から発生する騒音がありません。テレビやアンプなどの傍に置いてメディアストレージやメディアプレイヤーそのものとして使用するのにも最適な製品です。

以上、「QNAP HS-264」のレビューでした。
QNAP HS-264



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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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