Samsung SSD 9100 PRO


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PCIE5.0x4接続で連続読み出し14GB/s、4Kランダム読み書きも2,000K IOPS超えでAIなど複雑な並列アクセスで高速応答が求められるワークロードにも強いハイエンドNVMe M.2 SSD「Samsung SSD 9100 PRO 4TB(型番:MZ-VAP4T0B-IT)」をレビューします。



レビュー目次


1.Samsung SSD 9100 PROについて
2.Samsung SSD 9100 PROの外観


3.Samsung SSD 9100 PROの検証機材と基本仕様

4.Samsung SSD 9100 PRO 4TBのベンチマーク比較
5.Samsung SSD 9100 PRO 4TBの連続書き込みについて
6.Samsung SSD 9100 PRO 4TBの消費電力と温度


7.Samsung SSD 9100 PRO 4TBの実用性能比較
8.Samsung SSD 9100 PRO 4TBのデータコピー・ゲーム性能比較


9.Samsung SSD 9100 PRO 4TBのレビューまとめ



製品公式ページ:https://www.itgm.co.jp/product/ssd-9100-pro.php





【機材協力:Samsung SSD 国内正規代理店 ITGマーケティング株式会社】



Samsung SSD 9100 PROについて





Samsung SSD 9100 PROの外観

まず最初に「Samsung SSD 9100 PRO」の外観や付属品について簡単にチェックしておきます。
パッケージの外観について「Samsung SSD 990 PRO」でも、Samsung製プロフェッショナル向けSSDのPROシリーズではお馴染み、黒色をベース、赤色がアクセントカラーという配色です。
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紙製のパッケージを開くとSSD本体も紙製スペーサーに収められていました。
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「Samsung SSD 9100 PRO」のSSD本体デザインについては普通にM.2 2280サイズ、M-Key型のM.2 SSDです。PCB基板は黒色になっています。
SSD基板の表面にはM.2端子の側から順にメモリコントローラー、左半分に2枚のメモリチップが実装されています。
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「Samsung SSD 9100 PRO」は1TBから最大容量の4TBまで全容量を通して、メモリコントローラーやメモリチップが表面のみに実装される片面実装です。(未発売の8TBはおそらく両面実装)
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サーマルスロットリングの抑制に対しては、発熱と性能のバランスを調整する独自のアルゴリズム Dynamic Thermal Guardを採用するプロセッサレベルの対策だけでなく、基板背面に貼られた銅製シール Copper Seal(銅箔層ヒートスプレディングラベル)や、発熱の大きいメモリコントローラーのチップ表面にもニッケルメッキの金属プレートを施すといった物理的アプローチで放熱を補助・促進しています。
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公式情報としては非公表ですが実機を確認すると、「Samsung SSD 9100 PRO」にはPCIE5.0x4接続に対応する5nmプロセス設計の最新インハウス製メモリコントローラー Presto (S4LY027)が採用されていました。
メモリチップについては公式仕様では”Samsung V-NAND TLC”とだけ記載されていますが、今回入手したサンプル機や直近のロットについては、Samsung製 第8世代V-NANDと呼ばれるTLC型 236層3D NAND (型番 K9DYGY8J5B-CCK0)が使用されています。DRAMキャッシュもSamsung製LPDDR4X(型番:K4UBE6Q4AB-MGCL)です。
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Samsung SSD 9100 PRO 4TBの検証機材と基本仕様

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」の各種検証を行う環境としては、PCIE4.0/5.0に対応するAMD Ryzen 9 7950X&GIGABYTE X670E AORUS MASTERなどで構成されているベンチ機を使用しました。構成の詳細は下記テーブルの通りです。
テストベンチ機の構成
CPU AMD Ryzen 9 7950X (レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 Neo
F5-6000J3038F16GX2-TZ5N
DDR5 16GB×2=32GB (レビュー
マザーボード
GIGABYTE X670E AORUS MASTER
レビュー
ビデオカード PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8
Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN
レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 990 PRO 1TB (レビュー
OS Windows 11 Pro 64bit 22H2
電源ユニット Corsair HX1500i 2022 (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

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システムメモリの検証機材には、Ryzen 7000用OCメモリのスイートスポットとアピールされているメモリ周波数6000MHz/CL30の低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 Neo(型番:F5-6000J3038F16GX2-TZ5N)」を使用しています。
G.Skill Trident Z5 NeoシリーズはAMD EXPOのOCプロファイルに対応した製品なので、AMD Ryzen 7000シリーズCPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。ARGB LEDイルミネーションを搭載したバリエーションモデル G.Skill Trident Z5 Neo RGBもラインナップされています。
「G.Skill Trident Z5 Neo」をレビュー。EXPOで6000MHz/CL30のOCを試す!
G.Skill Trident Z5 Neo

2023年最新のSSDレビューでは高度に圧縮されたゲームデータをグラフィックボードのVRAMへ直接取り込んで、GPUによって高速に展開するDirectX 12のDirectStorageのようなAPIに対応したPCゲームも検証しています。
その時にSSDの理想的な性能を検証できるように、最新のウルトラハイエンドGPUを搭載したグラフィックボード「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN」を使用しています。

PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8は、ベイパーチャンバー構造のベースコアや、厚みのあるファンブレードをバリヤーリングで結合した重厚な冷却ファンを採用する4スロット占有大型GPUクーラーにより、各社AIBモデルの中でもトップクラスの静音性を実現しています。
メーカーのPNYは2022年に株式会社アスクが販売代理店契約を結んだばかりの新参なので国内での知名度は高くありませんが、北米など海外市場では30年以上に渡りコンシューマーならびにビジネス向けで電子機器の製造・販売を行う大手メーカーです。
国内正規品なら代理店を介してPNY公式のグローバル保証と同じ3年間の長期保証が受けられるところも魅力です。
「PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8」をレビュー
PNY GeForce RTX 4090 24GB XLR8 Gaming VERTO EPIC-X RGB OC 3FAN


検証環境については上述の通り、AMD Ryzen 9 7950XやGIGABYTE X670E AORUS MASTERで構成されるテストベンチ機を使用していますが、検証するNVMe M.2 SSDはマザーボード上のCPUソケット直下に配置されている、CPU直結PCIE5.0x4レーン接続のM.2スロットに設置しています。
またサーマルスロットリングによる性能低下の可能性を排除するため、JIUSHARK M2-THREEという60mm角ファンでアクティブ冷却できるM.2 SSDヒートシンクを組み合わせた状態で設置しています。
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GIGABYTE X670E AORUS MASTERにM.2 SSDを設置する場合、M.2-PCIE変換ボードも使用するなら、計5つの候補があり、どこに接続するかでベンチマーク結果が大きく変わります。
Ryzen 7000シリーズCPU&X670Eマザーボードの環境においてCPU直結PCIEレーンは、主にグラフィックボードで使用するPCIE5.0x16レーンに加えて、NVMe M.2 SSD用のPCIE5.0x4レーンが2つあり、実のところNVMe M.2 SSDを使用するなら、このNVMe M.2 SSD用のCPU直結PCIE5.0x4レーンが最速となります。
Storage Test System_202308
AMD X670E and X670_Diagram


「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」のボリュームをWindows 11上で作成したところ、空きスペースは3.63TBでした。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_CDI


専用ソフト Samsung Magicianについて

「Samsung SSD 9100 PRO」などSamsung製SSD向けには純正クライアントアプリケーション Samsung Magicianが配布されています。
アプリ内にベンチマーク機能が統合されていて、オーバープロビジョニングなどSSDパフォーマンスに影響する動作設定も可能です。ファームウェアもGUIアプリ上で簡単にアップデートできます。
Samsung Magician (1)
Samsung Magician (2)
Samsung Magician (3)
Samsung Magician (4)
Samsung Magician (5)
Samsung Magician (6)
Samsung Magician (7)



Samsung SSD 9100 PRO 4TBのベンチマーク比較

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」の性能を測るためストレージに関する基本的なベンチマークソフトを使用して測定を行います。

まずはCrystalDiskMark8.0.4 (1GiB, +Mix)について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」のベンチマークススコアは連続読み出し 14,750MB/s、連続書き込み 13,400MB/s程度となっており、製品スペック通りの性能です。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_CDM8m_1GiB

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」は実用性能への影響の大きい4Kランダム読み出し(Q1T1)も95MB/s程度と非常に高速です。
Intel/AMDプラットフォームの違いや、グラフィックボード向けPCIEレーン(帯域分割のM.2スロット)を使用するかによってCDMベンチマークスコアは結構差が出るのですが、当サイトSSDレビューの統一検証環境の場合、80MB/s前後で最新の高性能SSD水準、85~90MB/sが出ていればトップクラスの性能です。

前モデル 990 PROと比較してPCIE5.0対応なので連続読み出し・書き込みが高速化しているのはもちろん、4Kランダムアクセスもより高速になっています。
Samsung SSD 990 PRO 1TB(4B)_CDM8m_1GiB
Crucial T705 2TB_CDM8m_1GiB


以下、各種比較対象SSDのCrystalDiskMark8 ベンチマークスコアになっています。

AS SSD Benchmark v2.0.6821.41776 (1GB)について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_AS_1GB

以下、各種比較対象SSDのAS SSD Benchmark ベンチマークスコアになっています。


Anvil’s Storage Utilities v1.1.0 (1GB)について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Anvil
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Anvil_4K-IOPS

以下、各種比較対象SSDのAnvil’s Storage Utilities ベンチマークスコアになっています。


ATTO Disk Benchmark 4.00.0f2 (512B-64MB, 1GB, QD1/QD4)について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他の比較対象ストレージのベンチマーク結果は次のようになっています。
ATTO Disk Benchmarkはブロックサイズ別の性能を主にチェックするベンチマークなので4KB~1MBを抜粋してリード/ライト性能をグラフにして比較しました。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_ATTO_QD1_read
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_ATTO_QD1_write
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_ATTO_QD4_read
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_ATTO_QD4_write
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_ATTO_QD1-horz



Samsung SSD 9100 PRO 4TBの連続書き込みについて

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」に連続書き込みを行った場合の動作についてチェックします。

TLC/QLC型SSDの高速書き込みキャッシュ機能について

TLC型やQLC型と呼ばれる3bit以上のマルチレベルセルで動作するNANDメモリチップが採用されているSSDでは、マルチレベルセル化によって遅くなる書き込み速度の底上げのため、記憶領域の一部を高速キャッシュ領域とする機能が実装されています。
現在、TLCやQLCの記憶領域を動的にSLC化するので、この高速キャッシュ領域はSLCキャッシュと呼ばれています。
(現在はSLC化が主流ですが、将来的な可能性としてMLCで高速キャッシュを構築することもありうる)

このようなSLCキャッシュ機能を採用するSSDでは、短いスパンで連続した大容量の書き込みが発生し、書き込み総量がSLCキャッシュを超過した場合、書き込み速度がステップ状にガクッと下がります
例えばPCIE4.0x4接続に対応するNVMe M.2 SSDは5~7GB/s程度の連続書き込み速度が製品仕様として公表され、実際にテストデータサイズが数GBに収まるCrystalDiskMarkなどベンチマークソフトでは仕様値通りの高速書き込みが可能です。
しかしながら、高速書き込み速度を維持できるのはSLCキャッシュ内に収まる場合であって、SLCキャッシュ容量を超過すると書き込み速度がTLC型SSDで500~2000MB/s程度、QLC型SSDでは100~200MB/s程度へと大幅に低下します。
SLC-Cache_PCIE4x4


SLCキャッシュを評価する上で重要なことは?

SLCキャッシュを評価する上で重要なことは次の2つです。
  • 使用済みデータがある状態で50~100GB程度のSLCキャッシュを使用できるかどうか
  • 書込後のSLCキャッシュの開放はどれくらい速いか (使用済みキャッシュの開放条件)

一方、SSDレビューでしばしば検証される次の項目は実用的にはほとんど意味がありません。
  • フォーマット直後、使用済みデータなしの状態のSLCキャッシュ容量
  • SLCキャッシュ超過後の書き込み速度 (特に全域書き込みの検証)

SLCキャッシュ容量は空き容量依存で可変、使用済みデータがある状態で50~100GBを確保する製品が大半という現状にマッチしていない検証、評価が多いので注意が必要です。

またSSDを1~2年程度で使い潰す(保証値TBWを上回る)ような使い方でもない限り、50~100GBのSLCキャッシュを超過するような書き込みは日常的に発生することはないので、SLCキャッシュ超過後の書き込み速度も重要ではありません。



Samsung SSD 9100 PROのSLCキャッシュを確認

最新のTLC型NANDをメモリチップに採用する「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」がどのような挙動を見せるのか確認してみました。
「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」は空き容量が200GB以上あり、SLCキャッシュが十分に開放された状態であれば、100GBの書き込みを行っても、製品仕様でも紹介されているように書き込み開始から一貫して10GB/sを超える書き込み速度を発揮できました。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_SLC Cache_200GB-Free

フォーマット直後の状態からボリューム全域に書き込みを行った時の書き込み速度の推移が下のようになっています。実用的にはあまり意味のない評価方法ですが、SLCキャッシュの挙動を把握する上では役立つこともあるので。
10GB/sを超える書き込み速度を発揮する高速なSLCキャッシュは、フォーマット直後で空き容量が100%の状態なら約980GB程度でした。超過後は書き込み速度が1600~1700MB/s程度に低下しています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_SLC Cache_writing-all

空き容量が200~400GBになるまでデータを書き込んで、SLCキャッシュが解放されるまで十分に時間が経過してから100GBのデータを書き込んでみました。
上に書いた通り、空き容量が200GBの状態でも100GB以上を高速なSLCキャッシュとして使用できます。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_SLC Cache_writing-Free

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」のSLCキャッシュ容量はフォーマット直後の未使用状態における960GB程度の容量を最大値として、空き容量に依存してSLCキャッシュ容量が変化します。
TLC型ですが、空き容量200GBでも100GBを超えるSLCキャッシュを利用できたので、Windows上でボリュームとして認識される容量(空き容量に比例して確保されるSLCキャッシュ)とは別に、30GB以上は空き容量として表示されないSLCキャッシュ用領域がありそうです。


「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」は基本的に100GB以上のSLCキャッシュを使用でき、短期・中期的にもアイドル状態になるとすぐに使用済みSLCキャッシュの開放が始まって、10分もあれば元通りに数十GB以上のSLCキャッシュを使用できます。
超過後の書き込み速度も1500MB/sを超えていて近年のTLC型NVMe M.2 SSDの中ではトップクラスに高速ですし、実用的にSLCキャッシュの超過による性能低下で不便を感じることはないと思います。



Samsung SSD 9100 PRO 4TBの消費電力と温度

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」の消費電力についてチェックしていきます。
NVMe M.2 SSDの消費電力測定には、当サイトの検証に使用するためワンオフで特注した測定ツール「GPU Power Tester」を使用しています。
GPU Power Tester_SSD_1



GPU Power Testerはその名の通り、PCIEスロット経由とPCIE補助電源の消費電力を直接に測定しグラフィックボードの消費電力を検証する機器ですが、M.2延長カードを改造した増設ユニットを使用することでNVMe M.2 SSDの消費電力を測定できます。
グラフィックボードの消費電力測定に使用するようなライザーケーブル/ライザーカードから、さらにM.2-PCIE変換ボードを中継すると、機器の組み合わせやPCIE5.0等の高速接続規格によってはSSDの動作が不安定になることがありますが、この方法ならマザーボードのM.2スロットにM.2 SSDを直結した時と同等の性能で安定して消費電力を測定できます。
GPU Power Tester_SSD_2

まずはSSDの消費電力の傾向を把握するため、CrystalDiskMark8.0.4 (1GiB, +Mix)を測定負荷としてアクセスタイプ別に消費電力がどうなるのかチェックしていきます。
CrystalDiskMarkの設定は各アクセスタイプで測定時間20秒/測定回数1回、測定インターバル10秒に変更しています。12種類のアクセスタイプの負荷に加えて、テスト終了後のアイドル状態の消費電力も測定しています。
CrystalDiskMarkを測定負荷とした時に連続読み出し/連続書き込みのアクセスタイプは、消費電力が最も大きくなる、ワーストケースに近い負荷となります。
GPU-Power-Test_app_1


CrystalDiskMarkで負荷をかけた時の「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」の消費電力の推移は次のようになっています。
「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」の消費電力は連続アクセスの最大値で平均8.0~8.2W程度です。
PS5026-E26メモリコントローラーを採用する初期のPCIE5.0SSDより大幅に低消費電力化していますが、それでも前モデル 990 PROを含め、現在主流なPCIE4.0対応SSDと比較すると大きめです。
4Kランダムについても2.6~2.7Wなので、PCIE4.0対応SSDと比較すると大きいですが、4Wを軽く超えて、省電力なPCIE4.0対応SSDくらいの発熱だった初期のPCIE5.0SSDに比べれば、「Samsung SSD 9100 PRO」はパッシブ空冷でも問題なく運用できるレベルです。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_a

比較データとして、Crucial T705 2TBとSamsung SSD 990 PRO 4TBで同様に測定した消費電力は次のようになっています。
Crucial T705 2TB_Power
Samsung SSD 990 PRO with Heatsink 4TB_Power


ちなみに「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」についてCrystalDiskMarkで測定した連続読み書き性能に対する電力効率を計算すると、1Wあたりで連続読み出しは1800MB/s程度、連続書き込みは1660MB/s程度でした。
容量モデルによって若干差はありますが、前モデル 990 PROと比較した時に連続読み書きにおける「Samsung SSD 9100 PRO」の電力効率向上は当サイト調べだと20~30%程度です。
KIOXIA EXCERIA PLUS G4 1TB and 2TB_Power_1_Read_1-horz



消費電力が特に大きくなりやすい連続読み出し/連続書き込み(SEQ 1M Q8T1)について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_1_Read_1
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_5_Write_1

実用性能に影響の大きいランダム読み出し/ランダム書き込み(RND 4K Q1T1)について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_4_Read_4
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_8_Write_4

PC電源ONでSSDに対して読み書きアクセスがないアイドル状態の消費電力について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」と各種ストレージを比較すると次のようになります。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_14_Idle
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_14_Idle-aspm


続いて、実用シーンのSSD消費電力として当サイト的に重要なPCゲームのプレイシーンをチェックしていきます。
使用しているタイトルは、DirectStorageに対応するPCゲームとしてラチェット&クランク パラレル・トラブル(Ratchet & Clank: Rift Apart)とFORSPOKEN、ストレージへのAPIが従来式の高画質PCゲームとしてMarvel’s Spider-Man RemasteredとForza Horizon 5となっており、いずれも4K解像度でグラフィック設定は基本的に各設定項目が最高設定です。以上4種類のゲームを使用して120秒間の5つのシーンについてSSDの消費電力を測定しており、具体的には次の動画の通りです。


「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」のDirectStorage対応を含む4種類のPCゲーム、5つのシーンにおけるSSD消費電力の推移は次のようになっています。
グラフ中には上で行ったCrystalDiskMarkによる消費電力測定の結果のうち、連続読み出し(SEQ 1M Q8T1)、ランダム読み出し(RND 4K Q1T1)、アイドルの3種類の消費電力も横線で併記しています。
2023年最新水準の高画質タイトルを使用して検証していますが、PCゲームシーンだとDirectStorage対応と従来式のどちらであっても、SSD消費電力の平均値は、CDMのランダム読み出しとアイドルの消費電力の中間に収まります。
DirectStorage対応PCゲーム、ラチェット&クランクのワープやFORSPOKENのロード・ファストトラベルでは連続アクセス的な大きい消費電力も発生しますが、いずれも1~2秒あるかどうかという瞬間的なものです。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_game


「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」を含めた各種ストレージについてゲームシーンの平均消費電力を比較すると次のようになっています。(最大値も併記していますが、上の推移グラフを見ての通り瞬間的なピーク値となっており測定毎に振れ幅があるので参考程度に考えてください。)
現状ではPCゲームプレイ中のSSD消費電力は、データの読み出しが多いタイトルでもCDMの4Kランダム読み出しと同程度、そうでなければアイドル状態をベースにして4Kランダム読み出し的な消費電力のアクセスがぽつぽつと発生する感じなので、製品別に見てもSSD消費電力の傾向はCDMの4Kランダム読み出しかアイドルに一致します。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_Game_1_RaC_1
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_Game_2_RaC_2
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_Game_3_Forspoken
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_Game_4_Spider
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_Power_Game_5_FH5


「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」の温度についての検証は省略します。
近年ではマザーボードM.2スロットに十分な性能のM.2 SSDヒートシンク搭載が標準化しており、市販M.2 SSDヒートシンクも安価で高性能なものが簡単に見つかるようになっています。
PCIE4.0/5.0対応でドンドン高速化していく中、NVMe M.2 SSDをヒートシンクなしで温度測定や耐久テストを行うのは時勢に合わない、上記の通りヒートシンクも多様化しているので一例を示してもあまり参考にならない、と思ったというのも1つ理由です。
どうしてもヒートシンクなし、もしくは冷却が限定される環境での運用を検討する必要があるのであれば、上記の消費電力測定で消費電力が小さいSSDを選ぶ、というのが正解ですし。

またゲームシーンの消費電力検証で見た通り、実用シーンでCrystalDiskMarkの連続アクセスのようなPCIE4.0なら7GB/s前後、PCIE5.0なら10GB/sを超える高速アクセスが長時間に渡って発生するのかは疑わしく、比較的に理想的な連続アクセスが生じる動画ファイルのコピーでも、100GBの読み書きは5GB/sなら20秒、長く見積もっても30秒前後で済むので、それ以上のストレステストに意味があるのか疑問です。
またCrystalDiskMark自体はストレージベンチとして非常に有用ですが、SSDの温度検証という観点でいうとテストの3/4で連続アクセス的な消費電力が発生するCrystalDiskMarkを測定負荷に採用するのはあまり意味がないと感じています。


延長カード型でPCIE5.0にも対応するM.2 SSD消費電力測定モジュールも無事に完成したので、PCゲーム以外の実用シーンについてもSSD消費電力を調査しつつ、SSD温度検証の在り方について調べるのが今後の課題だと思っていますが、今回は省略ということで。



マザーボード備え付けのM.2 SSDヒートシンクの冷却性能が不十分で市販製品を探しているということであれば、PlayStation5の増設スロットにも互換なコンパクトサイズながら高い冷却性能を発揮する「CFD HSN-TITAN」、シリコンバンド固定で着脱が簡単な「SilverStone TP02」などがオススメです。




「Samsung SSD 9100 PRO」はPCIE5.0対応SSDながら、4Kランダムやアイドルの消費電力はPHISON製コントローラーを採用する初期製品よりも軽減していますが、連続読み書きの消費電力はやはり、現在主流なPCIE4.0対応SSDよりも大きいです。
大容量データのバックアップなど、連続性の高い用途に使用する場合はアクティブ冷却の方が安心感はあると思います。
一例をあげると、干渉し難いコンパクトサイズなら「ElecGear EL-80X」、CPUソケット直下M.2スロットでもCPUクーラー・リアIOカバー等と干渉しやすいので注意が必要ですが「JIUSHARK M2-THREE」は、冷却ファンがPWM速度調整に対応しているのでオススメです。





Samsung SSD 9100 PRO 4TBの実用性能比較

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」の実用性能をPCMark10 Storage Benchmarkを使用してチェックしていきます。
PCMark10 Storage BenchmarkはWindows OSの起動速度、PhotoshopやPremiere ProといったAdobeアプリの起動速度、PCゲームの起動速度、AdobeアプリやMicrosoft Officeの素材領域としての読み出し・書き込み速度など、SSDの実用性能について測定できるベンチマークソフトです。
PCMark10-Storage-Benchmarks


ベンチマーク測定に使用するPCMark10 Storage Benchmarkには上の概要で紹介したように23種類のテストがあるので、その中からシステム/ゲーム/データの3種類に大別された17種類のテストの結果を抜粋し、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」など各種SSDに関して総合的なSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_PCM10_1_Summary

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」を前モデル Samsung SSD 990 PROと、PCMark10 Storage Benchmarkの個別Traceについて比較(対象を100%として性能差をパーセント表示)すると、ほぼ全てにおいて大幅な高速化を果たしています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_PCM10_vs-990PRO

また「Samsung SSD 9100 PRO」は、PS5026-E26メモリコントローラーを採用する初期のPCIE5.0SSD、その中でも最速クラスの製品であるCrucial T705より大幅に低消費電力化を果たし、なおかつ、実用性能ベンチにおいて遜色ない性能を発揮しています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_PCM10_vs-CT705



システムストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」など各種SSDに関してシステムストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_PCM10_2_Summary_System

ゲームストレージとしての性能に大別された3種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」など各種SSDに関してゲームストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_PCM10_3_Summary_Game

データストレージとしての性能に大別された7種類のテスト結果を使用して、各テストにおいてSamsung SSD 980 PRO 1TBを基準として性能比率を算出、それらの平均値を取り、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」など各種SSDに関してデータストレージとしてのSSD実用性能の比較グラフ(パフォーマンスサマリー)を作成しました。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_PCM10_4_Summary_Data



Samsung SSD 9100 PRO 4TBのデータコピー・ゲームロード性能比較

続いて「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」で大容量・多数データのコピーやPCゲームのロード時間など実際の使用について性能比較をしてみました。

まずはデータコピーに関する実性能比較となります。

データのコピーにおいては当然ですが、元データのあるストレージの読み出し性能とコピー先の書き込み性能の両方が重要になります。
検証ストレージのコピー相手、書き込み先/読み出し元となるストレージが必要なので、コピー相手にはPCIE5.0x4接続に対応したCrucial T700 2TBを使用しています。
Ryzen 9 7950XとGIGABYTE X670E AORUS MASTERの検証環境で、レビューストレージはCPU直下のM.2スロットに、コピー相手のCrucial T700 2TBはPCIEスロットを挟んで1つ下のM.2スロットに設置しており、いずれも個別のCPU直結PCIE5.0x4レーンに接続されているので、接続帯域がコピー速度のボトルネックになることはありません。
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「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」など各種検証ストレージとCrucial T700 2TBとの間で各種データをコピーした時間や転送速度の比較結果は次の通りです。

まずは50GBの動画フォルダのコピーについてですが、動画フォルダの中身は1つ10GBの大容量ファイルなので実際のコピーではベンチマークの連続読み出し・書き込み性能が重要になります。
Windows 11 21H2以前はエクスプローラーのファイルシステムがボトルネックになるためコピー速度は3GB/s程度で頭打ちでしたが、Windows 11(22H2以降)とPCIE5.0に対応するRyzen 7000/9000環境であれば実際のファイルコピーで最大6GB/sに迫る転送速度を発揮できます。

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」は読み出し・書き込みともに6000MB/s程度となっており、現環境において文句なしに最速クラスの性能です。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_copy_1_movie_read
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_copy_2_movie_write

3GB/sで頭打ちになっていた従来環境とは異なり、ソフト(OS)/ハードが共に最新であれば、PCIE5.0からPCIE3.0まで接続規格や製品毎の連続アクセススピードに応じてコピー速度はスケーリングするので、CrystalDiskMarkの連続スコアもベンチマーク番長的な見掛け倒しではなく、実際に恩恵のある性能評価です。

ただし、今回レビューしている「Samsung SSD 9100 PRO」、競合製品のCrucial T705など連続性能が12GB/sを超えるPCIE5.0対応SSD各種については、今のところWindowsエクスプローラーやファイルシステムがボトルネックになる感じです。
差があっても測定誤差の傾向が強く、エクスプローラー上でデータをコピーする分には実用的に読み書き速度に大きな差はありません。(10GB/s対応品との差も100~200MB/s程度)


次はゲームフォルダのコピーについてですが、近年のPCゲームでは各種ゲームデータが数百MB~数GBのファイルにパッケージ化されているので、動画ファイルのコピーと同様、比較的にストレージの連続読み出し・書き込み性能が重要になります。

ゲームデータが大きいファイルにパッケージ化されているゲームフォルダの場合、動画ファイルのコピーよりも転送速度は若干下がりますが、それでも「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」は読み出しで5600MB/s、書き込みで5500MB/s程度という転送速度を発揮しています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_copy_3_game-seq_read
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_copy_4_game-seq_write


最後は先ほどと同じくゲームフォルダのコピーについてですが、こちらはゲームデータが大きいファイルにパッケージ化されておらず、15万を超えるファイル数があるので、ランダム性能が重要になっています。
ただしコピー元の読み出し速度がボトルネックになりやすく、コピー相手にはCrucial T700 2TBを使用しているので、書き込み性能はPCIE4.0x4接続の高性能SSDなら1300MB/s程度の速度で頭打ちになります。

ランダム性能が重要になる実際のファイルコピーでも、PCIE5.0x4接続の「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」は最速クラスの性能を発揮しています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_copy_5_game-rnd_read
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_copy_6_game-rnd_write



続いて3DMark Storage Benchmarkを使用して、PCゲームのロード時間やプレイ動画の保存といったゲーミングシーンでの「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」のストレージ性能を比較します。
3DMark Storage Benchmarkは各検証ストレージについて3回ずつ実行しており、総合スコア、ゲームロード速度(Battlefield V、Call of Duty Black Ops 4、Overwatch)、プレイ動画の録画(Overwatchのゲームプレイ中のデータアクセスとOSBによるフルHD/60FPSの録画)について平均値を比較しています。
またPCMark10 Storage Benchmarkと同様に、各ストレージは空き容量が半分前後になるようにデータを書き込んだ状態で測定を行っています。
3DMark -Storage-Benchmarks

3DMark Storage Benchmarkのトータルスコアについて、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_3DM-SB_1

3DMark Storage Benchmarkの総合スコアには、プレイデータのセーブ、PCゲームのインストール/移動は実用面で優先度が低いテストの結果も含まれるので、ここからはPCゲーム用ストレージとして優先度の高い個別テストを抜粋して見ていきます。

3DMark Storage BenchmarkのBattlefield V ゲームロード速度について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_3DM-SB_2

3DMark Storage BenchmarkのCall of Duty Black Ops 4 ゲームロード速度について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_3DM-SB_3

3DMark Storage BenchmarkのOverwatch ゲームロード速度
について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_3DM-SB_4

3DMark Storage Benchmarkのプレイ動画録画性能について、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」やその他ストレージの比較は次のようになっています。
Samsung SSD 9100 PRO 4TB_3DM-SB_5


DirectX 12のDirectStorageに代表されるPCゲーム向け高速ストレージアクセスAPIに対応したPCゲームにおけるロード性能については、実際の比較検証結果を元に解説しているので、こちらの記事を参照してください。
ゲーム向け高速ストレージAPIを使用しない従来式のゲームの傾向についても、2020年から2021年頃の検証ですが比較データを使って解説しています。


結論だけ言ってしまうと、DirectStorageのサポートの有無によってNVMe SSDとSATA SSDでは大幅な性能差がありますが、PCIE3.0~5.0の帯域、TLC NANDとQLC NAND、DRAMキャッシュの有無による差は確認できませんでした。
マイナーメーカーのそもそもSSD性能が怪しい製品とかになると保証もできませんが、Micron(Crucial)、Samsung、SK Hynix(Solidigm)、WD辺りの大手メーカー製品で、NVMe SSDであれば、DirectStorage対応ゲームのロード時間はほぼ同じになると思います。ブラインドで見分けられる差でないことは確かです。
DirectStorage対応タイトルはまだ少ないですが、これからゲーム用ストレージを購入するのであれば、PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDが性能と容量単価のバランスも良く、ベストだと思います。

ちなみに好評発売中のモンハンシリーズ最新作、モンハンワイルズもDirectStorageに対応したPCゲームです。



今回はPC環境における性能を検証しましたが、同じくNVMe M.2 SSDを使用するPlayStation 5の拡張スロットによるストレージ増設についてはこちらの記事で詳細を解説しています。気になる方は参照してみてください。




Samsung SSD 9100 PRO 4TBのレビューまとめ

最後に「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • 最大性能で連続読み出し 14,800MB/s、連続書き込み 13,400MB/s
  • PCMark10や3DMarkの実用性能ベンチで最速クラスの性能
  • 初期のPCIE5.0対応SSDよりも消費電力が低減
  • SLCキャッシュは100GB以上を使用できる
  • SLCキャッシュ超過後も書き込み速度は1600~1700MB/sで高速な部類
  • 書き込み耐性の仕様値(保証条件)は1TB容量あたり600TB
  • メーカー正規保証期間が5年間
悪いところor注意点
  • PCIE4.0対応SSDと比べると消費電力は大きい
  • TLC型なのでSLCキャッシュ超過後に速度低下が発生する
    キャッシュ容量は空き容量依存(詳細)で、超過後の書き込み速度は1600MB/s程度

「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」を検証してみたところ、CrystalDiskMarkなど基礎的な各種ベンチマークでは仕様値通り、連続読み出しが最大14GB/s、連続書き込みが13GB/s程度というPCIE5.0対応SSDとしては理想的な性能です。
PCMark10や3DMark、ファイルコピーといった実用性能テストでも同社前モデルのSamsung SSD 990 PROを大幅に上回り、PCIE5.0対応の高性能SSDとして競合するCrucial T705と同等の性能を発揮しました。
「Samsung SSD 9100 PRO」はシンプルに今一番高性能なSSDが欲しい人には文句なしにオススメの製品です。

Crucial T705との実用性能比較では概ね同等でしたが、「Samsung SSD 9100 PRO」は消費電力、発熱の小ささにおいて大幅にメリットがあります。
連続読み書きで10W以上、4Kランダムで4W以上、アイドル状態で2W以上という、競合製品 Crucial T705を含めPHISON PS5026-E26を採用する初期PCIE5.0対応SSDの消費電力の大きさは、アクティブ冷却が強く推奨される感じで導入ハードルを引き上げていました。

「Samsung SSD 9100 PRO」は、連続読み書きが8W程度なので、まだPCIE4.0対応SSDと比較すると消費電力は大きいですが、4Kランダムが2.5W程度、アイドルが1.6W程度に低減しています。
一般的な使い方で連続読み書きの負荷が1分も続くことはないので、4Kランダムとアイドルの消費電力がこれくらい低ければ、一般的なパッシブ式のMBヒートシンクでも十分に常用できると思います。(連続読み書きが頻繁に発生する用途では流石にアクティブ冷却が推奨ですが)


「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」はTLC型SSDなので、SLCキャッシュを超過するような大容量な書き込みが発生すると書き込み速度は10,000MB/sを超える理想値から、1600~1700MB/s程度まで低下します。最近だとTLC型でも1000MB/s以下のSSDが増えているので、高速な部類です。

超過後の速度も比較的に速くて、フォーマット直後で960GB(4TBモデル)、空き容量が200GBまで減っても100GB以上をSLCキャッシュとして使用でき、アイドル状態になると使用済みSLCキャッシュの開放も早めに行われるようなので、トータルで見てもSLCキャッシュの超過関連で実用的に不便を感じることはないと思います。

当サイトではそもそも評価対象としないことが多い部分ですが、「Samsung SSD 9100 PRO」の4TBモデルはほぼ1TBの大容量を12GB/sの超高速で書き込み可能なSSDとして使用することも可能です。(Crucial T705は400GB程度でキャッシュ外になる)
かなり特殊な用途になると思いますが、そういった高速書き込みを維持できる大容量ストレージが欲しい人には非常に刺さる製品だと思います。


以上、「Samsung SSD 9100 PRO 4TB」のレビューでした。
Samsung SSD 9100 PRO



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