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ゲーミングモニタを選ぶうえで重要な予備知識を紹介する、その名の通り『ゲーミングモニタの選び方』シリーズ第1弾として、液晶モニタの「応答速度とオーバードライブ」について簡単に紹介します。
液晶モニタにおいて視聴者が残像を認識する原因には、『1.モニタの応答速度が原因で物理的に前のフレームが見えている』場合に加えて、”ホールドボケ”と呼ばれる『2.バックライトが常時点灯する液晶モニタの構造を原因として錯覚で見える』場合の2つが存在します。
液晶モニタにおいてユーザーが残像を知覚する原因の1つは、単純に物理的に前のフレームが表示されている、つまり液晶パネルの応答速度が不十分であることが挙げられます。
液晶モニタの動作原理を簡単化して説明すると、液晶モニタは液晶パネルとバックライトの2つで構成されており、液晶パネルは全ての画素(1ピクセル毎に存在するRとGとB)に対して個別に電圧を調整することで、その画素からバックライトの光をどの程度透過させるのか(画素の明るさ)を制御します。液晶モニタの動作原理について詳しくは参考文献1(下画像ソース)や参考文献2を参照してください。
画素の明るさは電圧で調整されますが、理想的なスイッチ特性が下図のグレーの線のように直角で即時に応答するのに対し、最終的な目標となる電圧をかけた時の現実的なスイッチ特性は緑線のように曲線を描き、目標に到達するまでに遅延が発生します。この速さ(遅延)がいわゆる応答速度です。オーバードライブでは目標となる電圧よりも何段階か高い(もしくは低い)電圧をかけることで、オレンジ線のように過渡の曲線を急峻にし、青の矢印線のように応答速度を高速化させます。オーバードライブでは目標電圧に達する速度が高速化する反面、デメリットとしてオーバーシュートやアンダーシュート(造語)という逆像現象が発生します。以上が液晶モニタにおけるオーバードライブ機能の基本原理です。
実際にグレーの背景において黒もしくは白の垂直帯を水平に動かした様子を「SONY DSC-RX100M5」の16倍速(960FPS)スーパースローモーションムービーで撮影してみました。オーバードライブをONにすると応答速度が高速になるので垂直帯の輪郭がはっきりして残像感は低減されますが、代わりにオーバーシュートやアンダーシュートによる逆像の残像が出ます。
オーバーシュートやアンダーシュートによる逆像をカラフルな映像で比較してみると次のようになります。オーバードライブをONにすると上の白黒帯のように元の輪郭はクッキリとしますが、不自然な色の残像が出るのでオーバードライブを使用するかどうかは好みが分かれるところです。
液晶モニタの残像ではモーションブラーリダクション機能も重要になります。モーションブラーリダクション機能についてはこちらの記事で簡単に紹介しているので、当記事の続きで確認してみてください。
・ゲーミングモニタの選び方[2] モーションブラーリダクションについて
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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