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2スロット占有2連ファンGPUクーラーを搭載するNVIDIA純正にしてリファレンスモデルなGeForce RTX 2060グラフィックボード「GeForce RTX 2060 Founders Edition」をレビューしていきます。
NVIDIA Turing世代のミドルクラスにして、フルHDゲーミングに最適で普及帯GPUとされてきた60番台の最新GPU「GeForce RTX 2060」が、前世代同クラスのGeForce GTX 1060や前世代上位クラスのGeForce GTX 1070およびGTX 1070 Tiに対して、どの程度の性能が発揮できるのか実ゲームベンチマークで徹底比較します。
GeForce RTX 2060 Founders Edition レビュー目次
1.GeForce RTX 2060 Founders Editionの外観
2.GeForce RTX 2060 Founders Editionの分解
3.GeForce RTX 2060 Founders Editionの検証機材セットアップ
4.GeForce RTX 2060 Founders Editionのゲーム性能
5.GeForce RTX 2060 Founders Editionの温度・消費電力・ファンノイズ
6.GeForce RTX 2060 Founders Editionのレビューまとめ
GeForce RTX 2060 Founders Editionの外観
早速、GeForce RTX 2060 Founders Editionを開封していきます。「GeForce RTX 2060 Founders Edition」のグラフィックボード本体を見ていきます。
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」のGPUクーラーの外装は金属製で、中央のブラックと両端のシルバーのツートンカラーになっており、中央にはRTX 2060の製品ロゴが刻印されています。
グラフィックボード側面の「GEFORCE RTX」にはLEDイルミネーションが内蔵されています。
GeForce RTX 2060 Founders Editionは全長228mmでRTX 2060グラフィックボードとしてはショート基板と言ってもいい、かなりコンパクトな長さです。
GeForce RTX 2060 Founders Editionは基板とGPUクーラーがPCIブラケットの高さとほぼ同じ背の低いデザインです。
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」のGPUクーラーには90mm径の冷却ファンが2基搭載されています。
RTX 2060のオリファンモデルは2スロット占有クーラーを採用しているモデルも少なくはありませんが、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」は2スロット占有です。
GeForce RTX 2060 Founders Editionはリファレンスの動作クロックよりも高い数値で動作するメーカーによるファクトリーOCが施されたOCモデルですが、補助電源数はリファレンスと同じく8PINとなっています。
GeForce RTX 2060 Founders Editionのビデオ出力はHDMI2.0×1、DisplayPort1.4×2、USB Type-C、DVI-Dの5基が実装されています。
GeForce RTX 2060 Founders Editionには基板の反りを防止し、GPUコアやVRM電源の冷却を補助するバックプレートが搭載されています。
なおグラフィックボードの重量はGeForce RTX 2070 Founders Editionが966g、GeForce RTX 2080 Founders Editionが1278gに対して、GeForce RTX 2060 Founders Editionは966gとなっており、RTX 2060グラフィックボードとして比較的コンパクトなサイズのわりに若干ですが重量は大きめです。
バックプレート等で基板の反りは防止されていますが、重量はほぼ1kgなのでPCI-Eスロットへの負荷を考えるとVGAサポートステイなどで垂れ下がりを防止したほうがいいかもしれません。
GeForce RTX 2060 Founders Editionの分解
GeForce RTX 2060 Founders Editionを分解してGPUクーラーやグラフィックボード基板についてチェックしていきます。なおGPUクーラーの取り外し(分解行為)はグラフィックボードの正規保証の対象外になる行為です。今回はレビューのために自己責任で分解しておりますが、繰り返しますが保証対象外になるので基本的には非推奨の行為なのでご注意下さい。
【暇があれば更新予定】
GeForce RTX 2060 Founders Editionの検証機材セットアップ
外観やハードのチェックはこのあたりにして早速、GeForce RTX 2060 Founders Editionを検証用の機材に組み込みました。テストベンチ機の構成は次のようになっています。テストベンチ機の構成 | ||
ベンチ機1 |
ベンチ機2 |
|
OS | Windows10 Home 64bit | |
CPU |
Intel Core i9 9900K(レビュー) Core/Cache:5.1/4.7GHz, 1.300V 殻割り&クマメタル化(レビュー) |
Intel Core i7 7700K (レビュー) |
CPUクーラー |
Fractal Design Celsius S36(レビュー) Noctua NF-A12x25 PWM (レビュー) |
ASUS ROG RYUO 120 (レビュー) |
M/B | ASUS WS Z390 PRO (レビュー) |
ASUS ROG MAXIMUS IX FORMULA (レビュー) |
メインメモリ | G.Skill Trident Z Black F4-4400C19D-16GTZKK DDR4 8GB*2=16GB (レビュー) 4000MHz, CL17-17-17-37-CR2 |
G.Skill Trident Z F4-3600C15D-16GTZ DDR4 8GB*2=16B (レビュー) |
システム ストレージ |
Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB (レビュー) |
Samsung 860 PRO 256GB (レビュー) |
データストレージ |
SanDisk SSD Ultra 3D SATA SSD 2TB (レビュー) | |
電源ユニット |
Corsair HX1200i (レビュー) Corsair RM650i |
Thermaltake Toughpower iRGB PLUS 1250W Titanium (レビュー) |
PCケース/ ベンチ板 |
STREACOM BC1 (レビュー) |
Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t (レビュー) NZXT Aer F 140 3基(レビュー) |
ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製3bit-MLC型64層V-NANDのメモリチップを採用するメインストリーム向け最新SATA接続M.2 SSD「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」を使用しています。「Samsung SSD 860 EVO M.2」は2.5インチSATA SSDと同等のパフォーマンスをケーブルレスで発揮できる手軽さが魅力です。Samsung SSD 860 EVOシリーズの容量1TB以上のモデルは大容量データの連続書き込みにおける書き込み速度の低下というTLC型SSDの欠点も解消されているので、大容量ファイルをまとめて入れても余裕のあるメインストレージとしてお勧めのSSDです。
・「Samsung SSD 860 EVO M.2 1TB」をレビュー
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」のGPUクーラー側面のGeForce RTXロゴにはLEDイルミネーションが内蔵されており、緑色に発光します。
ナンバリング上位のFounders EditionはファクトリーOCが施された準リファレンス的な立ち位置でしたが、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」はリファレンス仕様の通りにブーストクロックは1680MHz、またパワーリミット(TDP)も160Wに設定されており、RTX 2060の正式なリファレンスモデルといって問題ないスペックです。
GeForce RTX 2060 Founders Editionのゲーム性能
GeForce RTX 2060 Founders Editionの性能を測るべく各種ベンチマークを実行しました。性能比較には「GeForce RTX 2070 Founders Edition」、「COLORFUL iGame GTX 1070 Ti Vulcan X Top」、「Radeon RX Vega 64 Limited Edition」、「Radeon RX Vega 56」、「EVGA GeForce GTX 1070 SC ACX3.0」、「EVGA GeForce GTX 1060 6GB SC ACX2.0」を使用しています。「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkで現在主流なDirectX11のベンチマーク「FireStrike」による比較になります。
FireStrike | Extreme | Ultra | |
RTX 2060 FE | 19258 | 8990 | 4181 |
RTX 2070 FE |
22944 | 10946 | 5383 |
RX Vega 64(B1, BL) | 23023 | 10776 | 5442 |
GTX 1070 Ti |
19628 | 9454 | 4773 |
RX Vega 56(B1, BL) | 20430 | 9474 | 4797 |
GTX 1070 | 17917 | 8477 | 4252 |
GTX 1060 | 13056 | 6256 | 3023 |
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードについて、3DMarkのDirectX12ベンチマーク「TimeSpy」による性能比較となります。
TimeSpy | Async Off |
Extreme | |
RTX 2060 FE |
7561 | 7071 | 3450 |
RTX 2070 FE |
9042 | 8390 | 4202 |
RX Vega 64(B1, BL) | 7168 |
6697 | 3430 |
GTX 1070 Ti | 6832 |
6529 | 3148 |
RX Vega 56(B1, BL) | 6331 | 5931 | 2357 |
GTX 1070 | 5954 | 5711 | 2761 |
GTX 1060 | 4281 | 4124 | 1950 |
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードについて、17年中頃から普及しつつあるHTC VIVEやOculus RiftなどVR HMDを使用したVRゲームに関する性能を測定する最新ベンチマーク「VRMark」による性能比較となります。
Orange Room |
Cyan Room |
Blue Room |
|
RTX 2060 FE |
11452 | 7776 | 2379 |
RTX 2070 FE |
12557 | 9146 | 2844 |
RX Vega 64(B1, BL) | 11619 | 8319 | 2197 |
GTX 1070 Ti | 10969 | 6011 | 2080 |
RX Vega 56(B1, BL) | 10726 | 7114 | 1876 |
GTX 1070 | 9852 | 5338 | 1791 |
GTX 1060 | 7175 | 3901 | 1291 |
続いて実ゲームを用いたベンチマークになります。解像度はフルHDとWQHDの2種類について行っており、同一のグラフィック設定で同一のシーンについて平均FPSを比較しました。
ベンチマーク測定を行ったゲームタイトルは、Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)、Battlefield 1(最高設定プリセット)、Destiny2(最高設定プリセット)、The Division(グラフィック設定)、Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)、Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)、Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定)、Mirrors Edge Catalyst(最高設定プリセット)、MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)、Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)、Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)、Titanfall 2(グラフィック設定)、WatchDogs_2(最高設定プリセット)、The Witcher3(最高設定)、Gears of War 4(最高設定プリセット)以上の15タイトルです。
Assassin's Creed Origins(最高設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Battlefield 1(最高設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Destiny2(最高設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Division(グラフィック設定)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Far Cry 5(最高設定プリセット&TAA)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Final Fantasy XV(最高設定プリセット、NVIDIA GameWorks無効)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Ghost Recon Wildlands(グラフィック設定、ウルトラ設定から以下を変更、ターフエフェクト:オフ/ゴッドレイ:オン/ロングレンジシャドウ:オン)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Mirrors Edge Catalyst(最高設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
MONSTER HUNTER: WORLD(最高設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Rise of the Tomb Raider(グラフィック設定)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Middle-Earth: Shadow of War(ウルトラ設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Titanfall 2(グラフィック設定)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
WatchDogs_2(最高設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
The Witcher3(最高設定)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
Gears of War 4(最高設定プリセット)に関する「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を含めた各グラフィックボードのベンチマーク結果です。
GeForce RTX 2060 Founders Edition、GeForce RTX 2070 Founders Edition、Radeon RX Vega 64、GeForce GTX 1070 Ti、Radeon RX Vega 56、GeForce GTX 1070、GeForce GTX 1060 6GBの7種類のGPUについて実ゲーム性能の比率の平均を出してみたところ、GeForce RTX 2060 Founders Editionは前世代同クラスのGeForce GTX 1060よりも50%以上も高速という結果になりました。
GeForce RTX 2060は前世代で1.5クラス程度上位に位置するGeForce GTX 1070 Tiと等しいパフォーマンスを発揮しており、2019年以降にリリースされる最新高画質PCゲームをフルHD解像度の最高画質設定でプレイするのに最適なGPUです。
GeForce RTX 2060 Founders Editionの温度・消費電力・ファンノイズ
GeForce RTX 2060 Founders Editionの負荷時のGPU温度やファンノイズや消費電力についてチェックしていきます。「GeForce RTX 2060 Founders Edition」のGPU温度とファンノイズの検証負荷としては20分間に渡たり連続してGPUに100%近い負荷をかける3DMark TimeSpy Stress Testを使用しています。
GeForce RTX 2060 Founders Editionのテスト終盤におけるGPU温度は最大70度に収まっていますが、ファン回転数は最大1700RPM程度となっており、RTX 2060が前世代上位モデルGTX 1080とGTX 1070の中間に位置する消費電力であることを考えると、2スロット占有2連ファンGPUクーラー搭載グラフィックボードとしては比較的良好な結果だと思います。
共通のGPUコアおよびGPUクーラーでかなり似通った構造のRTX 2070 FEと比較するとアイドル時のファン回転数の設定はRTX 2070のほうが高めですが、負荷時の消費電力は20W未満しか差がないこともあって、GPU温度とファン回転数の推移もほぼ一致しています。
GPUコアクロックについては「GeForce RTX 2060 Founders Edition」の仕様値ではブースト1680MHzとなっていましたが、負荷テスト中の実動平均は1840MHzとなりました。
またベンチ機2のPCケースに「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を組み込んでFire Strike Extreme グラフィックテスト1を1時間に渡ってループさせて実用の冷却性能を確認してみました。
検証機材のPCケースには「Cooler Master MASTERCASE MAKER 5t」を使用しており、ケースファンにはNZXT製のエアフロー重視でPCケースの吸気・排気ファンに最適なケースファン「NZXT Aer F 140」をPCケースのフロントに吸気ファンとして2基、リアに排気ファンとして1基設置してファン回転数1000RPM固定で運用しています。
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」をPCケースに入れて長時間負荷をかけても最大温度は70度で、コアロックの平均値は1847MHzでした。内排気ファンということもありPCケースの吸排気を最適化しないと冷却効率が下がるのでフロント2/リア1で140mmファンを設置して1000RPMで回していますが、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」のファン回転数は1700PM以下に収まっており、PCケースに入れてしまえばファンノイズはほとんど気になりません。
1時間のストレステスト終盤にスマホで使用できるサーモグラフィカメラ「FLIR ONE Pro」(レビュー)を使用してゲーム負荷時のグラフィックボード上の各所の温度をチェックしました。
前世代GTX 10XXシリーズの上位モデルではVRM電源部分の温度がかなり高くなりがちでしたが、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」はGPUクーラーやバックプレートでしっかりと覆われていてVRM電源温度を正確に把握するのは難しいものの、最も熱い部分で60度半ばに収まっているので安心して運用できる温度だと思います。
GeForce RTX 2060 Founders Editionを含めていくつかのグラフィックボードについてサウンドレベルメーターを利用してゲーム負荷時のノイズレベルを測定・比較しました。ノイズレベルの測定には「サンワダイレクト 400-TST901A」を使用しています。
電源OFF時の騒音値は33~35dBです。目安として40dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになり、45dB前後で煩く感じます。50dBを超えてくるとヘッドホンをしていても煩く感じます。同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質にもよるので注意してください。
ノイズレベルの測定結果は次のようになっています。
GeForce RTX 2060 Founders Editionのファンノイズは、1700RPMというやや高めなファン回転数に対して、ノイズレベルが42.2dB程度と良好な結果です。2スロット占有GPUクーラーであることを考えれば静音性は高めだと思います。
GeForce RTX 2060 Founders Editionの消費電力と瞬間的な最大電源負荷を測定しました。
測定負荷には上で行った温度検証と同様に3DMark TimeSpy ストレステストを使用しています。テスト全体から1秒間隔でモニタリングを行い、平均値を”消費電力”、最大値を”瞬間的な最大電源負荷”とします。なお電源ユニットに対する実際の最大瞬間負荷は測定値より50~100W上回る場合があるので、電源ユニットの電源容量選択の参考にする場合は注意してください。
消費電力の測定は電源ユニット「Corsair HX1200i」のCorsair Linkによる電力ログ機能を用いてコンセントからの入力ではなく変換ロスを差し引いたシステムへの出力電力をチェックしています。また電力測定の際は上記の主電源ユニットに加えて、CPUへの電力供給を行うEPS端子へ接続するために別の副電源ユニットを使用しています。
この方法であれば、CPU(後述のiGPUも)に負荷をかけても、CPUによる消費電力の変動はメイン電源ユニットCorsair HX 1200iの測定値には影響しません。しかしながら、測定値にはまだATX24PIN経由で供給されるマザーボードやDDR4メモリの電力が含まれるので、iGPUを使用した時の3DMark TimeSpy ストレステスト中の消費電力と最大電源負荷を同様に測定し、各種グラフィックボード使用時と差分を取る形でグラフィックボード単体の消費電力と最大電源負荷を算出します。
GeForce RTX 2060 Founders Editionの消費電力は159W、最大瞬間負荷は209Wでした。GeForce RTX 2060 Founders EditionのTDP(パワーターゲット)は160Wに設定されており、仕様値通りの消費電力になっていると思います。NVIDIAの60番のGPUはGTX 960とGTX 1060ともにTDP120Wだったので、これまでの傾向から考えると消費電力の大幅増とも言えますが、RTX 2060がほぼ等しいグラフィック性能を発揮するGTX 1070 Tiよりも低い消費電力で動作していることを考えると、さほど悪くない結果にも見えるので評価が難しいところです。
GeForce RTX 2060 Founders Edition レビューまとめ
最後に「GeForce RTX 2060 Founders Edition」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。良いところ
- 最新PCゲームをフルHD/最高画質設定でプレイ可能なグラフィック性能
- GTX 1060を50%以上も上回り、GTX 1070 Tiと同等のグラフィック性能
- 2スロット占有GPUクーラーとしては高い静音性
- Virtual Link対応のUSB Type-Cビデオ出力を搭載
- 228mmのショート基板かつPCIEブラケットと同じ高さ
- 国内では発売予定なし
GeForce RTX 2060は前世代同クラスのGTX 1060を平均で50%以上も上回り、また古いゲームよりも2018年以降に登場する最新ゲームでより高速化の恩恵が受けられるので、ベストケースでは80%以上のパフォーマンスを発揮します。前世代では上位に位置するミドルハイクラスGPUのGTX 1070 Tiと同等のグラフィック性能を実現し、消費電力も低下して扱いやすさも改善されているので、「GeForce RTX 2060」は2019年以降に登場する最新高画質PCゲームをフルHD/最高画質でプレイするのに最適な次世代ミドルクラスGPUです。
GeForce RTX 2060はRTX 20XXシリーズのナンバリングの中では一番下に位置するモデルですが、RTXの名前の通り、まだ利用できるゲームは少ないものの、同シリーズの目玉機能であるレイトレーシングやDLSSに対応しています。
上位モデルのRTX 2070がWQHD解像度のPCゲーミングやフルHDのレイトレーシングをターゲットにしているのに対して、RTX 2060はフルHD解像度のゲーミングに特化し、レイトレーシングもDLSSの併用による性能の底上げを前提にしたモデルですが、最安値でも6万円台なRTX 2070に対して、それより2万円程度安い4万円台前半で購入できるRTX 2060は次世代グラフィックスを体験するエントリーモデルとして魅力のある製品です。
ただし従来の60番台は税込みで2~3万円程度で購入できる普及帯的な製品でしたが、RTX 2060の希望小売価格は349ドルからとなっており、国内販売価格も税込みで4万円台前半から販売されているので、GTX 1060の後継というよりは、1万円以上安価になり、かつ付加価値的機能が充実したGTX 1070 Tiの後継としての傾向が強いGPUです。RTX 2060はレイトレーシングの普及帯GPUとは言えますが、GTX 1060のような一般的なPCゲーミング無向け普及帯GPUには近日登場が噂されているGTX 1660やGTX 1660 Tiを待つ必要がありそうです。
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」については、Founders Editionは前世代GTX 10シリーズから始まったNVIDIA公式モデルですが、リファレンスモデルに近い位置づけでありながらユーザーによるOCにも対応できるように従来の外排気ブロアーファン型GPUクーラーではなく、内排気2連ファンGPUクーラーに刷新されているところが注目ポイントです。なおRTX 2070など上位モデルはファクトリーOCが施されていましたが、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」はリファレンス通りの使用になっています。
「GeForce RTX 2060 Founders Edition」は全長228mmのショート基板かつ2スロット占有GPUクーラーながら、冷却性能と静音性ともに良好なパフォーマンスを実現しています。
あと「GeForce RTX 2060 Founders Edition」の注目ポイントとしては、RTX 2060のAIBモデルでは採用の少ないVirtual Linkに対応したUSB Type-C端子を搭載しています。
NVIDIA製品が好きなユーザーにとってはたまらないファングッズだと思いますが、国内ではおそらく出回らないので、入手するには北米NVIDIA公式通販から転送サービス経由で個人輸入が必要になります。
以上、「GeForce RTX 2060 Founders Edition」のレビューでした。
・RTX 2060 販売ページ:
<Amazon><PCショップアーク><パソコン工房>
<TSUKUMO><ドスパラ><PCワンズ><ソフマップ>
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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