AMD Ryzen 7 3700X_vs_Intel Core i7 9700K


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NVIDIA GeForce RTX 2080 SUPERやAMD Radeon VIIなどハイエンドGPUと組み合わせて高性能ゲーミングPCを構築する際、ハイフレームレートなPCゲーミングにおけるCPUボトルネックの緩和やゲーム実況・リアルタイム配信に対応できるマルチスレッド性能から、ハイパフォーマンスなCPUとして候補に挙がる「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」はどちらがオススメなのか、実際のクリエイティブタスクやPCゲーミングにおけるベンチマークの性能比較から解説していきます。


目次


1.AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kの概要
2.AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kの検証機材・動作設定
3.AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのクリエイティブ性能

  ・3Dレンダリング性能
  ・動画エンコード性能
  ・RAW現像性能
  ・PCゲーム/スマホアプリのビルド性能
4.AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのゲーミング性能
  ・4K解像度/60FPSターゲット
  ・フルHD解像度/ハイフレームレート
  ・バトルロイヤル系PCゲーム/240FPSターゲット
5.AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのリアルタイム配信性能
6.【まとめ】AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのどちらを買うべきか

  ・クリエイティブ性能について
  ・ゲーム性能について
  ・総評



AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kの概要

最初にと「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」の概要について簡単に紹介しておきます。

「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」の主要な製品スペックをまとめてテーブルで比較すると次のようになっています。重要なチェックポイントを抜粋するとコアスレッド数、TDP、価格の3点です。
Ryzen 7 3700XとCore i7 9700K スペック簡易比較

Ryzen 7 3700X
Ryzen 7 3800X Core i7 9700K
Core i9 9900K
コアスレッド 8コア16スレッド 8コア8スレッド 8コア16スレッド
ベースクロック 3.6GHz 3.9GHz 3.6GHz 3.6GHz
最大ブースト 4.4GHz 4.5GHz 4.9GHz 5.0GHz
オーバークロック
O
L3キャッシュ 32MB 12MB 16MB
TDP 65W 105W 95W
CPUクーラー 付属 (Wraith Prism)
X
iGPU
X O
CPUソケット AMD AM4
Intel LGA1151
対応チップセット X570, X470, B450,
X370, B350, A320など
Z390, Z370 , H370,
B360, H310など
おおよその国内価格
(北米希望小売価格)
4.3万円
(329ドル)
5.1万円
(399ドル)
4.5万円
(374ドル)
5.8万円
(488ドル)

まずコアスレッド数はCore i7 9700Kが8コア8スレッドに対して、Ryzen 7 3700Xはマルチスレッディングに対応した8コア16スレッドです。動作クロックについては内部的な仕様が複雑なので、他社間でのスペックはあまり気にせず、実際のベンチマーク結果を参考にしてください。

Ryzen 7 3700XとCore i7 9700Kはいずれも倍率アンロックでユーザーによるOCに対応しています。
Ryzen 7 3700Xはコアクロック的にOCの伸びしろはほぼないので、下位チップセットのマザーボードでもメモリがOCできること以外は気にする必要はありません。
Core i7 9700Kの場合はコアクロックを全コア5.0~5.1GHzにOCすることで10%程度の性能向上が期待できますが、OCを行うにはZ390/Z370マザーボードが必要です。また下位チップセットはCPUだけでなくメモリも定格2666MHzまでしか対応しておらず、メモリ周波数をOCするためにはZ390/Z370マザーボードが必要になります。

価格については2019年8月現在、Ryzen 7 3700Xは4.3万円程度、Core i7 9700Kが4.5万円程度なので価格差はほぼありません。あえて補足するとしたらCore i7 8700(6コア12スレッド)やCore i7 9700Fが3.6万円程度で購入できるので、やや安価と言えるかもしれません。
各CPUに対応したザーボードについては両者ともに安価なボードもあるので、CPU&マザーボードの価格帯はCPUの価格差がそのまま反映されると考えてください

Ryzen 7 3700XがTDP65Wに対してCore i7 9700KのTDPは95Wです。ただしRyzen 7 3700XはCPUクーラーの性能が十分であればTDP88W相当の動作となります。またCore i7 9700Kについては組み合わせるマザーボードによってはPL1:95Wの制限が無効化されている可能性があります。
Ryzen 7 3700XはCore i7 9700KよりもCPUヒートスプレッダが大きく、またCPUダイとヒートスプレッダ間にソルダリングが採用されているため(Core i7 9700Kもソルダリングに近い性能のSTIMが使用されている)、TDP自体の低さもあって、温度面ではRyzen 7 3700Xのほうが運用しやすいと思います。
DSC06604_DxO


この比較記事では簡単のために省略している内容も多いですが、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」については詳細なフルレビューも公開中です。上位CPUとの比較など、各CPUについてもっと詳しく気になる人はこちらも参考にしてください。
「AMD Ryzen 7 3700X」をレビュー
AMD Ryzen 7 3700X

「Intel Core i7 9700K」をレビュー
Intel Core i7 9700K



AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kの検証機材・動作設定

以下、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」の各種検証を行うベンチ機、および比較対象となる各CPUのベンチ機の詳細となります。
AMD AM4(X570)環境 テストベンチ機の構成
CPU 【第3世代Ryzen】
AMD Ryzen 7 3700X (レビュー
マザーボード MSI MEG X570 ACE (レビュー
CPUクーラー Corsair H150i PRO RGB (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー
CPUクーラー
(温度制限検証時)
AMD Wraith Prism (レビュー
メインメモリ
(第3世代Ryzen)
G.Skill Trident Z Neo
F4-3600C14Q-32GTZN
DDR4 8GB*4=32GB (レビュー
3600MHz, CL16-16-16-36-CR1
メインメモリ
(第2世代Ryzen)
G.Skill FLARE X
F4-3200C14D-16GFX
DDR4 8GB*2=16GB (レビュー
3200MHz, CL14-14-14-34-CR1
ビデオカード(共通) ZOTAC RTX 2080Ti AMP Extreme Core
レビュー
システムストレージ(共通) Samsung 860 PRO 256GB (レビュー
OS(共通) Windows10 Home 64bit
電源ユニット(共通) Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー

AMD Ryzen 7 3700X review_00823

AMD AM4(X570)環境では検証機材マザーボードとして「MSI MEG X570 ACE」を使用しています。「MSI MEG X570 ACE」でCPU動作設定を標準設定のAutoとした場合、各CPUは仕様通りの定格動作で問題なく動作するので、測定に当たってソフトウェア的には特に個別の設定は行っていません。
ただしAMD Ryzen CPUではCPUクーラーの冷却性能が十分であれば電力制限を解除して自動的に動作クロックを引き上げる機能「XFR (Extended Frequency Range)」が効くため、電力制限の閾値となるPPTが仕様値のTDPよりも高く設定されています。例えばRyzen 7 3700XXではTDP65Wを上回って仕様上の上限値となるPPT 88W以下で動作します。
AMD Ryzen 7 3700X_Ryzen-Master


Intel LGA1151(Z390)環境 テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i7-9700K(レビュー
Intel Core i5-9400F(レビュー
Intel Core i7-8700K(レビュー
マザーボード ASUS WS Z390 PRO
レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z Black
F4-4400C19D-16GTZKK
DDR4 8GB*2=16GB (レビュー
3600MHz, CL16-16-16-36-CR2
その他
レビュー対象CPUのベンチ機と共通

Intel LGA1151(Z390) Test Bench

Intel LGA1151(Z390)環境では検証機材マザーボードとして「ASUS WS Z390 PRO」を使用しています。Intel第9世代CPUに対応するZ390マザーボードの多くでは、CPU動作設定を標準設定のAutoとした場合、各CPUのPerCore最大動作倍率は単コア/全コアは仕様通りですが、PL1/PL2が無効化される傾向にあります。
Core i9-9900KとCore i7-9700K以外についてはAuto設定でもIntel仕様値のTDP内に収まる動作となるのでAuto設定のまま検証を行っています。しかしながらCore i9-9900KとCore i7-9700KはAuto設定では消費電力が大幅にTDPから超過するため、標準設定のAuto設定に加えて、下のようなBIOS設定(9900Kの例)によってIntelの仕様に合わせたPerCore最大動作倍率および電力制限を適用した”定格動作”についても測定を行っています。
Intel LGA1151(Z390)_TDP_BIOS (1)Intel LGA1151(Z390)_TDP_BIOS (2)


ベンチ機のシステムストレージにはSamsung製MLCタイプ64層V-NANDのメモリチップを採用する18年最速のプロフェッショナル向け2.5インチSATA SSD「Samsung SSD 860 PRO 256GB」を使用しています。Samsung SSD 860 PROシリーズは容量単価が高価ではあるものの、システムストレージに最適な256GBや512GBモデルは製品価格としては手を伸ばしやすい範囲に収まっており、Intel Core-XやAMD Ryzen TRのようなハイエンドデスクトップ環境はもちろん、メインストリーム向けでもハイパフォーマンスな環境を目指すのであれば、システムストレージ用に一押しのSSDです。
「Samsung SSD 860 PRO 256GB」をレビュー
Samsung SSD 860 PRO 256GB

CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。
AMD Ryzen AM4 Kryonaut


グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。Thermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスで適量が塗布されていれば、CPUクーラー固定時の圧着でヒートスプレッダ全体へ自然に伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
Thermal Grizzly Kryonaut_app

サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。
「Thermal Grizzly Carbonaut」はRyzen 9 3900Xを冷やせるか!?
Thermal Grizzly Carbonaut_Ryzen 9 3900X



AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのクリエイティブ性能

AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kについて3Dレンダリング、動画エンコード、RAW現像、PCゲーム/スマホアプリのビルドなどクリエイティブ作業に関する性能を各種ベンチマークソフトや実際のアプリケーションで検証しました。

AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kの3Dレンダリング性能

CPUのマルチスレッド性能を比較するベンチマークソフトとして国内外で最も知られている「Cinebench R15」をはじめとして、Cinebenchの2019年最新バージョン「Cinebench R20」、オープンソース3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフト、3Dレンダラー「Corona Renderer」の公式ベンチマークソフト、3Dレンダラー「V-Ray」の公式ベンチマークソフトの4種類を使用して、CPUの3Dレンダリング性能についてベンチマーク測定を行いました。

Cinebench R15は3Dレンダリング性能を測定するベンチマークソフトになっており、マルチスレッド性能を測定するテストとシングルスレッド性能を測定するテストの2種類を実行しています。また2019年最新バージョンのCinebench R20についてはマルチスレッド性能を測定するテストのみを実行しました。
AMD Ryzen 7 3700X_cinebench-R15
Intel Core i7 9700K_cinebench

Cinebench R15 マルチスレッド性能テストについて「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_cine_r15_multi

Cinebench R15 シングルスレッド性能テストについて「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_cine_r15_single

Cinebench R20 マルチスレッド性能テスト
について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_cine_r20_multi

3DCGソフト「Blender」の公式ベンチマークソフト
について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_blender_time
Blender」の公式ベンチマークソフトのレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i7 9700Kを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_blender_pef

3Dレンダラー「Corona Renderer」の公式ベンチマークソフトについて「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_corona_time
3Dレンダラー「Corona Renderer」の公式ベンチマークソフトのレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i7 9700Kを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_corona_pef

3Dレンダラー「V-Ray」の公式ベンチマークソフトについて「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_v-ray_time
3Dレンダラー「V-Ray」の公式ベンチマークソフトのレンダリング時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i7 9700Kを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのレンダリング速度を性能比としてグラフ化しました。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_rendering_v-ray_perf


AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kの動画エンコード性能

続いて無料で利用できる動画編集ソフトとして国内外で多数のユーザーがいる「Aviutl」と、商用動画編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」と「Adobe Premiere Pro(Media Encoder)」を使用して、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUの動画エンコード性能を比較していきます。
AviutlとTMPGEnc Video Mastering Works 7はいずれも、現在主流なH.264 (MPEG-4 AVC) ビデオストリームへエンコードを行う「x264」エンコーダ、そしてH.264より高圧縮・高画質で次世代規格として期待されているH.265(HEVC) ビデオストリームへエンコードを行う「x265」エンコーダが使用できるので、CPUをリソースとして各エンコーダで共通の動画ファイルのエンコードを行いました。
エンコードを行う動画ファイルについては、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsのゲーム内ベンチマーク(60秒ほど)をNVIDIA ShadowPlayで録画したものを使用しています。1920×1080/60FPS/50Mbpsと3840×2160/60FPS/120Mbpsの2種類の動画ファイルを作成し、「1920×1080 to 1920×1080」、「3840×2160 to 1920×1080」、「3840×2160 to 3840×2160」の3種類のエンコードを行っています。
Aviutlのx264/x265のエンコード設定は次のスクリーンショットのようになっています。TMPGEnc Video Mastering Works 7については固定ビットレートで1920×1080へエンコードする場合は25Mbps、3840×2160へエンコードする場合は60Mbpsに設定しています。
x264_encode_settingx265_encode_setting
なおエンコーダと解像度設定が同じであればaviutlとTMPGEncのCPU別エンコード速度の傾向は概ね一致するので、aviutlのケースを抜粋してグラフを掲載します。x2/x3/x4のバーについては同じエンコードを添え字の数だけ並列実行した時の合計変換フレームレートを示しています。


x264エンコーダによって1920×1080解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_encode_aviutl_x264_1920-1920

x264エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_encode_aviutl_x264_3840-1920

x264エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.264 (MPEG-4 AVC)の3840×2160解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_encode_aviutl_x264_3840-3840

x265エンコーダによって1920×1080解像度の動画をH.265(HEVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_encode_aviutl_x265_1920-1920

x265エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.265(HEVC)の1920×1080解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_encode_aviutl_x265_3840-1920

x265エンコーダによって3840×2160解像度の動画をH.265(HEVC)の3840×2160解像度へエンコードした時のエンコード速度について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_encode_aviutl_x265_3840-3840

加えてAdobe Premiere Pro(Media Encoder)による動画エンコードについても、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUの動画エンコード性能を比較しました。

Adobe Premiere Proのエンコード設定はCPUリソースのx264エンコードで、1920×1080へエンコードする場合は25Mbps、3840×2160へエンコードする場合は60Mbpsの固定ビットレートです。Media Encoderでは1つのプロジェクトを複数の設定で同時にエンコードできますが、複数のプロジェクトを同時にエンコードすることができないので単一エンコードのみを比較しています。
Adobe Premiere Proによる動画エンコードについてはAMD Ryzen CPUは苦手である評価されていることが多いですが、2019年現在では最適化も進んでおり、コアスレッド数とコアクロックに比例した性能が発揮できるようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_encode_ADPP_x264_3840-3840


AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700KのRAW現像性能

続いてDxO PhotoLabによるRAW現像を行って「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUの性能を比較していきます。「SONY DSC-RX100M5」で撮影した5472×3648解像度のRAW画像ファイル 100枚に対して、DxO PhotoLabの画質プリセット「DxO 標準」をベースにノイズ除去を「PRIME」に変更したプリセットを適用し、RAW現像を行いました。なおDxO PhotoLabによるRAW現像は並列処理数を設定できますが、CPUコア数の半分もしくはそれより一つ少ないくらいの並列処理で最速になるようです。
DxO PhotoLab
DxO PhotoLabによるRAW現像速度について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_DxO


AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700KのPCゲーム/スマホアプリのビルド性能

最後に「Unreal Engine 4」や「Unity」などフリーウェアながら高画質なPCゲームやスマホゲームを製作可能なゲームエンジンを使用したゲーム制作におけるCPU性能の検証として、「Unreal Engine 4」で「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUの性能を比較していきます。
検証にはEpic Games Storeで無料配布されているデモプロジェクト「Infiltrator」を使用したビルド時間の比較を行います。検証設定としてリアルタイム表示はオフ、ライティングの品質をプロダクションとしています。Unreal Engine 4のバージョンは4.22.3、Windows10のバージョンは1903で統一しています。
Unreal Engine 4_Infiltrator_test
「Unreal Engine 4 - Infiltrator」のビルド時間について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果を比較すると次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_ue_time
「Unreal Engine 4 - Infiltrator」のビルド時間だけを見ても性能差が直感的にわかりにくいので、Core i7 9700Kを基準にして(全CPU比較データではCore i5 9400Fが基準)、「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのビルド速度を性能比としてグラフ化しました。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_ue_perf



AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのゲーミング性能

AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700KのPCゲームに関する性能を実ゲームを用いたベンチマーク測定で検証しました。
なお章タイトルではゲーミング性能と表記してはいますが、Intel第7/8/9世代Core-SやAMD第2/3世代Ryzenなどここ数年で発売された4コア4スレッド以上のCPUであればフルHD~4K解像度の60FPSターゲットにおいてCPUボトルネックが発生するケースは多くありません。そのためCPUゲーム性能比較の具体的な内容は”高フレームレートにおけるCPUボトルネック比較”と表現するのが実状に即しています。
ただし最新の超高画質で重いゲームの場合、ゲームプレイの裏で次のシーンのロード作業が動くとロードが遅くなったりスタッター(カクツキ)が発生することがあるので、ゲーミングPCに搭載するCPUとして6コア6スレッド以上を個人的に推奨しています。

各CPUのゲーミング性能を測定するため統一検証機材として、2019年最新にして最速のGPUである「NVIDIA GeForce RTX 2080 Ti」を搭載したグラフィックボード「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Core」を使用しています。
CPU Bench_Gaming_GPU
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme Coreは、RTX 2080 TiのAIBパートナーの中でも屈指のOCチューニング力を誇るZOTACによって良質なGPUコアが選別され、リファレンスよりも200MHz以上も高いブーストクロック、さらにGDDR6メモリのメモリクロックまで引き上げるという、RTX 2080 Tiグラフィックボードで最速を狙えるファクトリーOCが施されています。加えて、ZOTACを高品質メーカーとして一躍ブランド力を押し上げたAMP Extremeシリーズの代名詞とも言える3スロットを占有する超弩級な大型GPUクーラーが採用され、静音性も非常に優れたモデルです。
「ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme」をレビュー
ZOTAC GAMING GeForce RTX 2080 Ti AMP Extreme


CPU別ゲーミング性能の比較には2019年最新PCゲームから、Assassin's Creed OdysseyTom Clancy's Ghost Recon WildlandsShadow of the Tomb RaiderMiddle-Earth: Shadow of Warの4種類を使用しています。60FPSの標準フレームレートをターゲットとした4K(3840×2160)解像度/高画質設定と、100FPS以上のハイフレームレートをターゲットとしたフルHD(1920×1080)解像度/中画質設定の2種類について、各ゲームで平均フレームレートと最小フレームレートを測定しました。
Game_Performance
なおCPUボトルネック比較の性質上、平均FPSと最小FPSをある程度の精度で測定する必要があるため、検証ではほぼ同一シーンで測定が可能なゲーム内ベンチマークを使用しています。


AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのゲーム性能 - 4K解像度/60FPSターゲット

まずは60FPSの標準フレームレートをターゲットとした4K(3840×2160)解像度/高画質設定のゲーミング性能について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」や比較対象CPUのベンチマーク結果をチェックしていきます。
なお上述の通り60FPSターゲットでは基本的にCPUボトルネックは発生しないので、グラフの掲載順は性能(平均フレームレート)による昇順ではなく、当サイト既定のCPU分類順としています。

Assassin's Creed Odyssey(4K解像度、超高-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_game_1_3840_acod

Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands(4K解像度、非常に高い-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_game_1_3840_rg

Shadow of the Tomb Raider(4K解像度、DirectX12、最高-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_game_1_3840_sottr

Middle-Earth: Shadow of War(4K解像度、ウルトラ-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
Ryzen 5 3600_vs_Core i5 9400F_game_1_3840_sow


AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのゲーム性能 - フルHD解像度/ハイフレームレート

続いて100FPS以上のハイフレームレートをターゲットとしたフルHD(1920×1080)解像度/中画質設定のゲーミング性能について「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」や比較対象CPUのベンチマーク結果をチェックしていきます。

Assassin's Creed Odyssey(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
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Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
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Shadow of the Tomb Raider(フルHD解像度、DirectX12、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
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Middle-Earth: Shadow of War(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
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AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのゲーム性能 - バトルロイヤル系PCゲーム

最後に近年流行りのオンライン対戦PCゲームの中でも競技ゲーマーにも愛用される240Hzの超ハイリフレッシュレートなゲーミングモニタのユーザーが多いであろうバトルロイヤル系PCゲームにおけるCPU別ゲーム性能をチェックしていきます。
検証にはバトルロイヤルというジャンルにおける4大タイトルと言っても過言ではない、Apex LegendsCall of Duty: Black Ops 4FortnitePlayerUnknown’s Battlegroundsを使用します。
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Apex Legends(フルHD解像度、RTX 2080 Tiの既定プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
一応、平均FPSの昇順で並べましたが、Apex Legendsは240FPSターゲットでもCPUボトルネックの影響が小さいタイトルとなっており、第1/2世代Ryzenが若干劣る程度で、第3世代Ryzenや第9世代Coreなど最新CPUは6コア6スレッド以上なら横並びです。
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Call of Duty: Black Ops 4(フルHD解像度、RTX 2080 Tiの既定プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
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Fortnite(フルHD解像度、高-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
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PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(フルHD解像度、中-画質プリセット)に関する「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」を含めた各種CPUのベンチマーク結果は次のようになっています。
PUBGのベンチマーク測定に使用しているトレーニングモードは他プレイヤーの影響を受けやすく測定精度は他の検証に比べるとやや劣るのですが、今回検証した中ではCore i9 9900Kが頭1つ飛びぬけ、第3世代Ryzen各種やCore i7は測定誤差の範囲内でほぼ同性能といった具合でした。それ以下ではCore i5(6C6T)、Core i3(4C4T)、第2世代Ryzenと順に性能がスケーリングしていきます。
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CPUエンコーダとリアルタイム配信について

ゲーム実況やライブ配信と呼ばれるPCゲームのリアルタイム配信について、現在ではNVIDIA GeForce GTX 1660やAMD Radeon RX 580などミドルクラスGPUをエンコーダとすることでフルHD解像度で必要十分な画質とフレームレートが得られます。
GPUエンコーダは動作自体も軽いので、これらGPUエンコーダの登場によってリアルタイム配信やプレイ動画の録画におけるCPUエンコーダの役目は終わったというのが一時期の私見でしたが、メインストリーム向けCPUのコアスレッド数の増加に伴い、x264 Mediumのような高画質プリセットのプレイ&録画が一般ユーザー的にも現実的になってきています。

Youtube LiveやTwitchなどリアルタイム配信(ライブストリーミング)サービスで、PS4/Xbox/Switch等のコンシューマーゲーム機やPCゲームのプレイ動画・ゲーム実況を快適に配信するのに必要なCPU性能については、現在、連載を続けている【快適配信】シリーズで詳細に解説しています
一口にゲーム実況と言っても、『1.ビデオキャプチャを使用してPCは録画配信作業のみを行う』、『2.PC1台で同時にゲームプレイと録画配信を行う』の2つのケースに大別され、どちらで使用するのかで要求されるCPU性能やCPUメーカー毎の得手不得手など事情が変わってくるので注意してください。

【快適配信】シリーズの記事一覧へ
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AMD Ryzen 7 3700Xのリアルタイム配信性能については上で紹介した【快適配信】シリーズで詳細に解説予定ですが、簡単に検証結果だけ紹介しておくと、AMD Ryzen 7 3700Xは『PC1台でPCゲームをプレイしながらOBSでx264 MediumエンコーダによってフルHD解像度の高画質動画を配信する』というケースに対応できました。


PC1台でのx264 Mediumによるリアルタイム配信は、Ryzen 7 2700Xなど第2世代Ryzenの8コア16スレッドでは対応できず、メインストリーム向けCPUでは8コア16スレッドCPUのCore i9 9900Kしか届かなかった領域でしたが、4万円台で購入できる「AMD Ryzen 7 3700X」も到達しています。下は録画動画のフレーム落ちをグラフ化したものです。検証内容は第2世代Ryzenについて調べた【快適配信】シリーズ第4弾と同じなので詳細は割愛します。
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同価格帯で競合製品となる8コア8スレッドCPUのCore i7 9700(K/F)や、6コア12スレッドCPUのCore i7 8700(K)でもフレーム落ちが頻発してカクついているのに対し、同じく4万円で購入できる「AMD Ryzen 7 3700X」は60FPS前後で終始安定しています。




【まとめ】AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのどちらを買うべきか

最後に以上のベンチマーク結果を参考にして『AMD Ryzen 7 3700XとIntel Core i7 9700Kのどちらを買うべきか』についてまとめます。

クリエイティブ性能について

AMD Ryzen 7 3700Xのクリエイティブ性能については、8コア16スレッドでコアクロックは全コア4.0GHz程度ですが、前世代比で15%程度コアクロック当たりの性能が向上しているので、競合メーカーIntel製のCPUと比較した場合、8コア8スレッドかつ全コア4.6GHzで動作させたCore i7 9700Kを余裕で上回ります。

「AMD Ryzen 7 3700X」は4万円台で買える8コア16スレッドCPUという第1世代からの伝統を引き継いだ形ですが、シングル性能で劣るためアプリケーションによってはIntelの6コア12スレッドや8コア8スレッドと比較された前世代以前と違い、オールラウンドに8コア16スレッドという額面通りの卓越したパフォーマンスが期待できる製品です。

同価格帯の競合製品である8コア8スレッドや6コア12スレッドのIntel Core i7シリーズより30%程度高い性能を発揮しているので、”4万円台のCPUでクリエイティブタスクを重視するユーザーはRyzen 7 3700Xを選べ”と断言しても間違いないと思います


ゲーム性能について

まずゲーム性能検証の冒頭でも述べたようにフルHD~4K解像度の60FPSターゲットであれば4コア4スレッド以上の最新CPUであればどれを使用しても大差はありません。ただし最新の超高画質で重いゲームの場合、ゲームプレイの裏で次のシーンのロード作業が動くとロードが遅くなったりスタッター(カクツキ)が発生することがあるので、ゲーミングPCに搭載するCPUとしては6コア6スレッド以上を個人的に推奨しています。
また60FPSターゲットであってもAssassin's Creed OdysseyのようにCPUによって差が出るケースもあるので、PCゲームメーカーの最適化の優先順位まで考慮するとIntelのメインストリーム向け最新CPUのPCゲーミングにおける安定性にはやはり信頼がおけます。

GeForce RTX 2080 Tiを使用したハイフレームレート環境について、Ryzen 7 3700XとCore i7 9700Kを比較してみると、PCゲームによって勝ち負けは分かれるものの、やはり長年主流なIntel製CPUの安定感は強く、総合的にはCore i7 9700Kにアドバンテージがあると思います。
とはいえ旧モデルにあたるRyzen 7 2700XがハイフレームレートなPCゲーミングにおいてはCore i5 9400Fにすら及ばなかったのと比較すれば、Ryzen 7 3700XはCore i7 9700Kに迫る性能を発揮しており、実用レベルには十分に達しています。


総評

Ryzen 7 3700Xの発売以前であれば、「Intel Core i7 9700K」と「AMD Ryzen 7 2700X」のどちらを選ぶべきかについては、「PCゲーミング、特にハイフレームレートを重視するならIntel Core i7 9700K」、「3Dレンダリングや動画・画像編集などクリエイティブタスクを重視するならAMD Ryzen 7 2700X」という住み分けでした。

「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」の関係も概ねそれを踏襲していますが、Ryzen 7 3700Xは『PCゲームをプレイしながらx264 Mediumでリアルタイム配信ができる』という新たな価値を生み出しているところは見逃せません。今回の記事ではRyzen 7 3700XとCore i7 9700Kの比較に焦点を当てていますが、実はRyzen 7 3700Xはゲーム実況という分野においてCore i9 9900Kからユーザーを奪うポテンシャルを備えています。

「AMD Ryzen 7 3700X」と「Intel Core i7 9700K」のどちらを選ぶべきかについては、「ゲーム配信・実況やクリエイティブタスクも行うならAMD Ryzen 7 3700X」、「PCゲームのプレイ専門、とりわけハイフレームレートに特化するならIntel Core i7 9700K」という具合です。
ただしハイフレームレートなPCゲーミングにおいてRyzen 7 3700Xは一歩劣るとはいえCore i7 9700Kに迫る性能を発揮できているので、総合的に考えると「AMD Ryzen 7 3700X」に天秤が傾く項目が多く、基本的にはRyzen 7 3700Xのほうがオススメだと思います。

以上、『Ryzen 7 3700XとCore i7 9700Kはどちらが買いか徹底比較!』でした。
AMD Ryzen 7 3700X_vs_Intel Core i7 9700K



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Noctua NF-A12x25 ULN 120mmファン 定格1200RPM PWM対応
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)



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