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最新世代GPUのNVIDIA GeForce RTX 40シリーズやAMD Radeon RX 7000シリーズを含めた35種類のベンチマーク結果も使いながら、GPU毎に性能はどれくらい違うのか、最適なGPU性能はどれくないなのか、といったGPU性能をベースにしたGPU(グラフィックボード)の選び方を解説します。
目次
1.グラボの性能と価格帯はGPUで決まる
2.2023年最新グラボ(GPU)の選び方 早見表
3.GPU性能の期待値がわかる、相対的な比較グラフ
4.グラボの個別レビューが最後の決め手。レビュー記事一覧も
補足.実際にはゲームや条件で相対性能はガラッと変わる
なお今回は最も主流なラスタライズ方式の3Dグラフィック性能をベースにGPUの選び方を紹介します。レイトレーシング表現、NVIDIA DLSSやAMD FSRなど超解像・中間フレーム生成機能といった最新トレンドな機能については後日、別の記事にする予定です。
細かい解説は飛ばした、予算と性能で決める簡単なグラボ選びについてはこちらの記事で紹介しています。
グラボの性能と価格帯はGPUで決まる
まず最初にグラフィックボードを作っている会社とGPUコアを作っている会社は厳密には違います。デスクトップPC向けのGPUコアを作っている会社はNVIDIAとAMDの2社です。2022年末頃からIntelもゲーム用GPUに参入していますが、ハウツー系の記事を読む層は今のところ無視していいやつです。
GPUの型番(NVIDIA GeForce RTX 4070やAMD Radeon RX 7700 XTなど)でグラフィックス性能が決まります。そして、おおよその価格帯も。
つまりグラボ選びは、
- 予算や必要な性能からGPUの型番を絞り込む
- そのGPUを搭載したオリファンモデルを選ぶ
AIBパートナー/グラボメーカーのオリファンモデル(ASUS ROG STRIX、MSI GAMING X、ZOTAC AMPなど)のことは一度頭の片隅に追いやって、まずはGeForce RTX 4070やRadeon RX 7700 XTのようにGPUを選びます。
簡単に言うと、オリファンモデルとは各GPUを搭載したグラフィックボードのメーカーによる差別化です。
オリファンモデルは見た目の好み、寸法と補助電源の数、そして事前にレビューを調べられるなら静音性を基準に選べばOK。あと現在ではファクトリーOCは誤差。
順番としてはGPUを選んでからですが、オリファンモデルの選び方についてはこちらの記事を参照してください。
2023年のおすすめグラボ(GPU)の選び方 早見表
2023年現在、最新のグラフィックボードについては、NVIDIAのGeForce RTX 40シリーズ、そしてAMDのRadeon RX 7000シリーズが発売されています。現行最新GPUの命名規則は簡単にまとめると、NVIDIAとAMDともに4桁の数字になっており、RTX 4060よりRTX 4070のほうが高性能、のように下の桁が大きいほど高性能な上位モデルを意味します。
またRTX 4060 TiやRX 7700 XTのように、Ti、SUPER、XTなどの添え字が付くと同ナンバリングで高性能な上位モデルを意味します。
下の表は2023年の最新GPUに関する簡単な性能比較や、価格・予算別のGPU早見表になっています。見ての通り上に行くほど性能と価格が高いGPUです。
基本的に旧世代を購入するよりも新型(現行最新)GPUを搭載したグラフィックボードを購入するのがオススメです。
現行最新(次世代)GPUのほうが各社ともにドライバの最適化や不具合の解消にも当然力を入れてくるので、発売から1,2ヶ月も経てばソフト面でも次世代GPUのほうが有利になってきます。
2023年最新のNVIDIA製GPUであるGeForce RTX 40シリーズについては、新機能としてAI中間フレーム生成機能 DLSS 3とAV1ハードウェアエンコードに対応しているものの、『RTX 3060 Ti → RTX 4060』、『RTX 3070 → RTX 4060 Ti』、『RTX 3080 → RTX 4070』のようにグラフィック性能と価格はほぼ同じで、そのまま置き換わったような状態です。
AI中間フレーム生成機能 DLSS 3は採用タイトルがまだ少ないですし、AV1ハードウェアエンコード機能はゲームをプレイするだけで、ゲーム実況や録画配信をしないならなくてもいい機能です。
上でも書いたように基本的には最新世代を選ぶのがオススメなのですが、そういう事情なので、2021~2022年モデルのGeForce RTX 30やRadeon RX 6000は、上の簡易比較表で横並びの最新モデルと見比べてみて処分価格で安く入手できるなら検討しても良いと思います。
PS5やXboxのGPU性能はどれくらい?
2020年末に発売された最新コンソールゲーム機についてはPlayStation 5がGeForce RTX 3060やRadeon RX 6600 XTと同じくらい、Xbox Series XがGeForce RTX 3070よりもやや遅いくらいの性能です。(GPUスペックから推定したざっくり評価ですが)マウス&キーボードの操作との互換性の高さや21:9ウルトラワイド解像度への対応など、PCゲーミングならではの魅力はありますが、すでにPlayStation 5の時点でグラフィック性能はRTX 3060程度まで達しています。
これからPCゲーミング用途でグラフィックボードを新調するのであればGeForce RTX 3060 TiやRadeon RX 6700 XTよりも高速な製品を選択するのがオススメです。
NVIDIAかAMDのどちらのGPUを選べばいいか、これについては上の表で同じ行に並べた競合製品同士を比較すると両者には大雑把に次のような特徴があります。
NVIDIA製GPUの特長
NVIDIA製GPUは既存のPCゲームの多くでAMD製GPUよりも若干性能が高い場合が多いのと、プレイ動画の録画・配信機能のShadowPlayの動作が非常に軽くて優秀です。ハードウェアエンコーダNVEncが高画質かつ軽量なのでゲーム実況などストリーミングに強いGPUです。単純に国内では取り扱いが多く、主流な製品なので在庫を見つけやすく選びやすいというメリットもあります。
余談ですが、同じGPUコアを搭載したグラボを複数枚使用するマルチGPU(NVIDIAならSLI、AMDならCrossFireX)については、2023年現在、PCゲーミングの実用レベルでは事実上の死に規格となっています。
AMD製GPUの特長
AMD製GPUは国内での流通はNVIDIA製GPUと比較して少ないものの、RX 7000/6000シリーズなど2023年の最新世代ではNVIDIA製GPUと同等の3Dグラフィック性能を実現しています。またNVIDIA Shadow Playと遜色ない軽量さのプレイ動画録画機能 AMD ReLiveや、スマートフォンへのストリーミングゲームプレイ AMD Linkがあり機能面では充実しているので、マルチメディアに楽しむユーザーにはおすすめかもしれません。
あとドライバレベルの中間フレーム生成機能 AMD Fluid Motion Frames(AMFM)は、DirectX 11/12のゲーム(一般的な最新PCゲームのほぼ全て)でパフォーマンスを倍加できるのでゲームチェンジャーになる可能性があります。NVIDIAも後追いするかもしれませんが。
GPU性能の期待値がわかる、相対的な比較グラフ
当サイトのグラフィックボード レビューでは15種類の実ゲームを使用したベンチマーク比較でGPUの3Dグラフィック性能(ラスタライズ、ネイティブ解像度)を評価しています。15種類の実ゲームベンチマークでゲーム別に性能比率を出し、さらに平均値を取ることで各GPUの相対的な性能比率を算出しました。相対性能なので単位は%表記が望ましいのですが分かり易さを優先してFPS表記にしています。
GeForce RTX 4060がフルHD解像度なら120FPS、WQHD解像度なら60FPS、4K解像度なら30FPSを出せるものとして、それを基準にフレームレート換算したものが下に掲載しているグラフです。
簡単に言い換えると、相対的なGPU性能の傾向を把握するのには役立つ、程度のグラフです。
もう少し具体化するなら、『あるPCゲームがGeForce RTX 4060を基準に最適化されている、と想定した時に別のGPUならどれくらいのフレームレートが出せるのかの”期待値”』くらいに考えてください。
ゲームパブリッシャーも当然、RTX 4060など普及しやすいミドルクラスGPUを狙って最適化してくるので、全く的外れは数字ではないと思います、
ただし、後ほど詳しく補足する通り比較としては注意点も多く、厳密ではありません。
GeForce RTX 4060がフルHD解像度で120FPSを出せるゲームにおいて、他のGPUがどれくらいフレームレートを出せるかの概算値のグラフは次のようになっています。
GeForce RTX 4060がWQHD解像度で60FPSを出せるゲームにおいて、他のGPUがどれくらいフレームレートを出せるかの概算値のグラフは次のようになっています。
2023年のGPU性能の期待値としては一番手ごろなのがこのグラフだと思います。
GeForce RTX 4060が4K解像度で30FPSを出せるゲームにおいて、他のGPUがどれくらいフレームレートを出せるかの概算値のグラフは次のようになっています。
最後の決め手はグラフィックボードの個別レビュー
予算と性能からざっくりとGPUを選ぶなら早見表や相対性能グラフを参照するのが最適ですが、『RTX 4060とRTX 4060 Tiのどちらにするか』、『RTX 4070 TiとRX 7900 XTのどちらにするか』のように、ランクが前後する2機種や価格帯の近い競合製品で迷うこともあると思います。2~3種類程度のGPUでどれにするか迷った時(あと個別のオリファンモデルを選ぶ時も)は、GPU同士を詳細比較しているGPUやグラフィックボードのレビューを参照してください。
参考にする基準としては、実際のPCゲームを少なくとも10種類以上で比較検証しているレビューがオススメです。
3DMarkやFF14ベンチもデータがある分には構いませんが、『少なくとも10種類以上』の実ゲームベンチのカウントからは外すのが無難です。
また当サイトのレビューの場合、オリファンモデルで重要な静音性や冷却性能について、ストレステスト中のソフトウェアモニタリングだけでなく、サウンドレベルメーター(騒音計)を使用した最大負荷時のファンノイズ測定や、実際にPCケースに組み込んだ時のGPU温度とファン速度のチェック、サーモグラフィーを使用してVRM電源やVRAMチップなどGPUコア以外の周辺回路の温度検証も行っています。
2023年最新GPUであるNVIDIAのGeForce RTX 40シリーズやAMDのRadeon RX 7000シリーズについて詳細なレビュー記事を多数公開しています。
・GeForce RTX 40シリーズのレビュー記事一覧へ
・Radeon RX 7000シリーズのレビュー記事一覧へ
・GeForce RTX 30シリーズのレビュー記事一覧へ
・Intel Arc A770/A750のレビュー記事一覧へ
当サイトのGPU別レビュー記事一覧については下記リンクを利用してください。
補足:実際にはゲームや条件で相対性能はガラッと変わる
『とりあえずゲーミングPCを購入したい』、『いろいろとプレイしたいゲームが多い』という人であれば、上の相対性能グラフと早見表を見比べながら、予算との兼ね合いでGPUを選ぶのが手軽だしオススメです。どうしてもやり込みたい特定のゲームがあるなら別ですが、個別ゲームの比較についてはあまり深堀りしていっても泥沼なので、GPU性能は上くらい浅いところで選んで、さっさとゲームをプレイした方が時間の使い方として有効だと思います。
上で相対的な性能をざっくり評価できる概算値のグラフを掲載しましたが、比較としては注意点も多く、厳密ではないので、その理由を順番に説明していきます。
検証レビューサイトをやっている以上、あまり杜撰な解説記事を出すのもマズいので気にする人向けの補足です。
GPU選びは深堀りしていくと泥沼、相対性能と予算で選ぶのが吉
以上、先の相対性能グラフについての補足を述べましたが、この章の冒頭で書いた通り、GPU選びというか、GPU性能比較は厳密さを追求するほど泥沼になっていきます。価格帯の似た競合GPU同士や、前世代GPUとその後継となる最新世代GPUを厳密に比較するなら、最低でも10個くらいは個別ゲーム毎の傾向を見ていく必要があります。
しかし最終的な評価は平均比率に頼らざるを得ません。
40~50くらいゲームベンチしてその中からユーザーがプレイするゲームを各自で抜粋して平均データを出す、とかできれば理想ですが、少なくとも当サイトでは検証リソース的に無理…。
また主にゲームや解像度(グラフィック設定)で傾向が変わるということは、データの抜粋の仕方次第で割と如何様にでも評価できるという側面があります。悪い言い方をすると、ゲームの得手不得手で恣意的に抜粋すれば特定のGPUを±10%くらい上げ下げできたり…。
最近忙しくて検証が空いてしまっているものの、当サイトではゲーム別のベンチマーク比較も行っています。
こういう風に個別ゲームに限定して5種類を大きく超える数のGPUを比較することも可能ですが、良くも悪くもそのゲームに限定された情報しか得られません。
『とりあえず特定のゲームを目的にしている』というなら、そのゲームのベンチマークを見てGPUを選ぶのもナシとは言いませんが、ゲーミングPCを購入したり、高性能なグラフィックボードにアップグレードしたら、きっと他のゲームもプレイしたくなります。
当サイトでもゲーム別比較記事はいくつか作成していますが、結局、RTX 4060 TiやRTX 4070といった価格的に手を伸ばしやすい製品を勧める形に…。
・ゲーム別おすすめGPU&CPUまとめ記事の一覧へ
プレイできるゲームも限られ、Skyrim、BF4、Witcher3のような覇権級タイトルがあったり、『特定のMMO RPGをライフワークにするのがPCゲーム』と言っても過言ではなかった2010年台前半かそれ以前のような時代ならともかく、現在はPlayStation 5やNintendo Switchのゲームも同時もしくは遅れてPCで発売される時代なので、特定ゲームに比重を置きすぎるGPU選びはあまりオススメしません。
注意点がある、厳密ではないといっても、今後複数のゲームをプレイする相棒のGPU選びには早見表や相対性能グラフのような”予算に対する期待値”を示す形がベストで、あとは各自の予算と相談して、というのが管理人の考えです。
それでも2,3種類のGPUで迷ったら、少なくとも10種類以上のゲームで比較検証をしているGPUやグラフィックボードのレビューを参照してください。
以上、『グラボ選びの第一歩、GPUの選び方。実ゲームベンチの性能比較で解説』でした。
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グラボ選びの最初の一歩となるGPUの選び方を解説。
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) January 2, 2024
NVIDIA RTX 40やAMD RX 7000など最新GPUを含めたベンチマークで、ゲーム性能はどれくらい違うのか、ゲーム用に最適な性能はどれくないなのか説明します。https://t.co/nNCaToaDB3
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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