ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO


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Core i9 13900Kなど第13世代Raptor Lake-S CPUに対応するZ790チップセット搭載マザーボードとしてASUSからリリースされた、90A対応Dr. MOSで構成される21フェーズの超堅牢VRM電源や2基のThunderbolt4対応USB Type-Cポートを搭載するROG MAXIMUSシリーズのエントリーモデル「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」をレビューします。
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製品公式ページ:https://rog.asus.com/jp/motherboards/rog-maximus/rog-maximus-z790-hero-model/
マニュアル:






ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO レビュー目次


1.ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの外観・付属品
2.ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの基板上コンポーネント詳細
3.ROG HYPER M.2 CARDについて


3.ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの検証機材

4.ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのBIOSについて
5.ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのOC設定について

    ・By Core Usage倍率によるOCと低電圧化や電力制限について
    ・CPUコアクロックのマニュアルOCについて
    ・メモリのオーバークロックについて

6.ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの動作検証・OC耐性

7.ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのレビューまとめ


【注意事項】
同検証は2022年12月下旬に行っておりASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのBIOSは0703を使用しています。最新BIOSでは修正されている不具合や追加されている機能もあると思うので、最新BIOSのリリースについては公式ページを各自でチェックしてください。

サポート:https://rog.asus.com/jp/motherboards/rog-maximus/rog-maximus-z790-hero-model/helpdesk_bios/

【2022年12月29日:初稿】
レビュー記事初稿を公開、BIOS:0703で検証



【機材協力:ASUS Japan】



ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの外観・付属品

まず最初にASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの外観と付属品をチェックしていきます。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのパッケージはマザーボードの箱としては独特な上開き化粧箱になっていました。開閉しやすく高級感もあります。
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外パッケージの蓋を開くと上段にはマザーボード本体が収められており、下段には各種付属品が収められています。
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マニュアルなど冊子類で必要なものが一通り揃っています。その他にもROGロゴバッジシールやステッカーセットなどファングッズが付属します。
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注目ポイントとして「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のドライバはCDではなく専用のUSBメモリに収録されていました。光学ドライブを搭載しない環境も増えているので嬉しい配慮です。その他のマザーボード製品でもドライバはUSBメモリに移行して欲しいところ。
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組み立て関連の付属品として、SATAケーブル4本、M.2 Q-LATCH、M.2 SSD用スペーサーラバーパッド、Q-Connector、ARGB対応VG-D型3PIN LED機器接続ケーブル、WiFiアンテナが付属します。
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「Q-Connector」はパワースイッチやストレージLEDなど細かいPINをまとめてマザーボードに接続可能な便利なコネクタです。「Q-Connector」は組み立て時にあると便利ですがASUSマザーボードの中でも付属しないモデルもあるので事前にチェックがおすすめです。
ASUS Q-Connector
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROにはアドレッサブルRGB対応VG-D型汎用3PIN LEDヘッダーがマザーボード上に実装されていますが、それをロック付き3PINコネクタに変換する延長ケーブルが付属します。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」には、VRM電源回路の冷却を補助するVRMファンホルダーとシステムメモリの冷却を補助するDDR5ファンホルダーが付属しています。
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ASUS DDR5 Fan Holder
ASUS VRM Fan Holder

詳細については後ほど詳しく解説しますが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」には、PCIE4.0x4接続NVMe M.2 SSDの2枚刺しや、PCIE5.0x4接続のNVMe M.2 SSDに対応する、巨大なアルミニウム製ヒートシンクを搭載したM.2スロット増設PCIE拡張ボード「ROG HYPER M.2 CARD」が標準で付属します。
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マザーボード全体像は次のようになっています。
「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はATXフォームファクタのマザーボードです。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」にはチップセットカバーとも一体化したM.2 SSDヒートシンクがマザーボード下側の表面を覆っています。
Z690世代のROG MAXIMUSは”ひし形ドット”がアクセントとして採用されていましたが、Z790ではシンプルな斜めラインと鏡面プレートのスマートなデザインです。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はマザーボード備え付けのLEDイルミネーションやRGB対応汎用4PIN/アドレッサブルRGB対応汎用3PINイルミネーション機器を操作可能なライティング制御機能「ASUS AURA Sync」に対応しています。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のリアI/Oカバー上には”Polimo Lighting”と呼ばれる、PMMA(アクリル)製ネームプレートの微細構造を利用し、2つの異なるパターンを表示できる新たなイルミネーションが搭載されています。
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加えて「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のマザーボード上にはライティング制御に対応したRGB対応汎用4PIN LEDヘッダーが1基、ARGB対応VD-G型3PIN LEDヘッダーが3基実装されています。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」にはVRM電源クーラーとしてCPUソケットの上側と左側に大型のアルミニウム製ヒートシンクがあり、隠れていますが、2つはヒートパイプで連結されています。チョークコイルに覆い被さってCPUソケットに迫る勢いの非常に巨大なヒートシンクです。
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左側ヒートシンクは、リアI/Oカバー天面を支える側面こそネジ止めの2ピース構造ですが、VRM電源ヒートシンクからリアI/Oカバーの天面まではモノブロック構造で超巨大なVRM電源クーラーとなっています。
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マザーボード裏面には頑丈な金属製バックプレートが装着されています。各種素子のハンダの出っ張りで指を切ることがありますが、バックプレートがあればその心配もありません。
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バックプレートはVRM電源回路背面とサーマルパッドを介して接しており、放熱プレートとしての役割も果たしています。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はメインストリーム向けマザーボードながら、20+1フェーズの超堅牢なVRM電源回路が実装されています。
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VRM電源回路を構成する素子も、21フェーズ全てに定格90Aを処理可能なIntersil ISL99390(所謂、90A対応Dr. MOS)、定格45Aを処理可能な高透磁率合金コアチョーク MicroFine alloy chokes、入出力フィルタリングに高い動作温度で数千時間持続する10K日本製ブラックメタルコンデンサなど厳選された高品質素子です。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ではEPS電源端子は最大24コアに達する第13世代CPUのオーバークロックにも対応すべく、8PIN×2が設置されています。
700W以下のメインストリーム電源ユニットではEPS端子が1つしかないものもあるので組み合わせて使用する電源ユニットには注意が必要です。
また「ProCool II」と呼ばれる設計のEPS電源コネクタは、低インピーダンスなソリッドピンによってホットスポットの発生を抑制し、金属アーマーはコネクタの補強とともに熱拡散も補助します。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」には一体型リアI/Oバックパネルも採用されています。PCケースにパネルを装着する作業は固くて装着し難かったり、忘れてしまうこともあるのでマザーボードに統合されているのは嬉しい機能です。
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以下USB規格に関する説明がありますが『USB3.2 Gen2 = USB3.1 Gen2』、『USB3.2 Gen1 = USB3.1 Gen1 = USB3.0』と考えて基本的に問題ありません。

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のリアI/Oに実装された2基のUSB Type-Cポートは次世代規格Thunderbolt4に対応しています。DisplayPort Alternate Modeによるビデオ出力に対応し(映像ソースはiGPU)、USB Power Delivery規格によって15W(5V/3A)の電力供給も可能です。
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リアI/Oには最新のUSB3.2 Gen2規格に対応した5基のUSB Type-A端子と1基のUSB Type-Cが設置されています。その他に4基のUSB3.2 Gen1端子も実装されています。
マウス・キーボードなどの周辺機器を多数繋いでいてもVR HMDやUSBカメラやビデオキャプチャに余裕で対応可能です。USB3.Xは無線マウスと電波干渉を起こすことがあるので、USB2.0を追加で少し離れた場所に設置しておいてほしかったところ。
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有線LANには一般的なギガビットイーサの2.5倍の帯域幅を実現するIntel製LANコントローラー I226による2.5Gb LANが搭載されています。
さらに従来の2.4GHz帯と5GHz帯に加えて、グローバルに免許不要で使用可能な6GHz帯もサポートするWiFi 6E&Bluetooth5.2に対応した無線LAN(Intel AX210)も搭載しています。(注:2021年11月現在、日本国内では法令に基づく規制のため6GHz帯は使用不可。将来的に使用できるようになる予定)
接続規格としてはWi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac/ax、2.4/5GHz/6GHzトライバンド、最大通信速度2400Mbps、Bluetooth 5.2に対応しています。リアI/Oには無線モジュールのアンテナ端子が設置されているので付属のアンテナを接続できます。
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Intel I226、Intel AX211など「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」に搭載されているネットワーク機器はWindows11 22H2の標準ドライバでは動作しません。
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条件次第では問題になることもあるので詳しくはこちらの記事を参照してください。



「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」は「USB BIOS FlashBack」に対応しています。所定のUSB端子にBIOSファイルの入ったUSBメモリを接続して、オンボードボタンを押すと「USB BIOS FlashBack」機能によってCPUやメモリなしの状態でもBIOSの修復・アップデートが可能です。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの基板上コンポーネント詳細

続いて「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のマザーボード基板上の各種コンポーネントをチェックしていきます。
「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」を始めとしてASUS製700/600マザーボードの多くは、Intel LGA1700標準のCPUクーラーマウントホールに加えて、従来のLGA1200/115X互換のマウントホールも併設されており、LGA1700対応マウント部品がないCPUクーラーも使用できます。
ROG MAXIMUSのようなハイエンドから、TUF Gaming/PRIMEのようなエントリークラスまで、LGA1200互換で設計されているので、CPUクーラー選びで迷ったらASUS製マザーボードにすると楽です。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はシステムメモリの最新規格DDR5に対応しています。従来規格のDDR4と下方互換はなく使用できないので注意してください。
システムメモリ用のDDR5メモリスロットはCPUソケット右側に4基のスロットが設置されています。固定時のツメはマザーボード上側の片側ラッチとなっています。グラフィックカードを設置するPCIEスロットとは十分な距離があるのでメモリの着脱時に干渉の心配はありません。
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グラフィックボードなどを設置するPCIEスロットは上から[N/A、x16、N/A、N/A、x16、N/A、x16]サイズのスロットが設置されています。上段のプライマリグラフィックボードを2段目のスロットに配置することで、大型ハイエンド空冷CPUクーラーとグラフィックボードの干渉を回避しています。
2段目と5段目のx16サイズPCIEスロットはCPU直結PCIE5.0x16レーンを共有しており、[x16, N/A]、[x8, x8]で使用できます。
最下段のx16サイズスロットはチップセット経由のPCIE4.0x4接続で排他利用はありません。PCIE4.0x8には対応していませんが、付属のM.2スロット増設PCIE拡張ボード「ROG HYPER M.2 CARD」を組み合わせた時のオプションとしてPCIE4.0x4/x4の帯域分割には対応しています。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROにも最近のトレンドとして2段目と5段目のx16サイズスロットには1kgを超える重量級グラボの重さに耐えるように従来のプラスチックスロットよりも垂直方向の力に対して1.6倍、水平方向の力に対して1.8倍も強靭になった補強用メタルアーマー搭載スロットが採用されています。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はPCIEスロット固定ラッチの解除を簡単にする新機能 PCIe Slot Q-Releaseに対応しています。
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大型空冷CPUクーラーを組み合わせた場合など、グラフィックボードを取り外す際にPCIEスロットの固定ラッチ解除に苦戦した自作erは多いと思いますが、PCIe Slot Q-Releaseに対応しているマザーボードならPCIEスロット付近に実装されたボタンを押下するだけで簡単にPCIEスロットのロックを解除できます。
PCIe Slot Q-Release(Gen2)_s-min


SATAストレージ用の端子はマザーボード右下に6基搭載されています。下写真で右と中央にあるSATA6G_1~4の4基はチップセットのコントローラーによる接続で、RAID0/1/5/10のハードウェアRAID構築にも対応しています。下写真で左側の2基はASMedia製コントローラーによる接続です。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」には高速NVMe接続規格に対応したM.2スロットが、CPUソケット下やPCIEスロットと並んで計3基設置されています。
M2_1はCPU直結PCIE4.0x4レーンに接続されており、PCIE4.0x4接続のNVMe接続M.2 SSDに対応しています。
M2_2はチップセット経由PCIEレーンに接続されており、NVMe(PCIE3.0x4)接続のみをサポートします。
M2_3はチップセット経由PCIEレーンに接続されており、NVMe(PCIE4.0x4)接続とSATA接続のM.2 SSD両方に対応しています。いずれも排他利用はありません。
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加えて、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」では付属の「ROG HYPER M.2 CARD」によってさらに2基のPCIE4.0x4対応M.2スロットも使用できます。詳しくはこちら
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PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ
PCIE4.0対応NVMe M.2 SSDのレビュー記事一覧へ

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のM.2スロットにはM.2 SSD自体の固定にはネジを使用しない、M.2 Q-LATCHという独自の構造が採用されています。クリップを90度回すだけで簡単にM.2 SSDを固定できるので非常に楽です。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」には3基のM.2スロットそれぞれに大型M.2 SSDヒートシンクが設置されています。同ヒートシンクを使用することで、グラフィックボードなど発熱から保護し、M.2 SSDがむき出しの状態よりもサーマルスロットリングを抑制する効果が期待できます。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のM.2 SSDヒートシンクのうち、CPU直結PCIEレーンに接続されているCPUソケット直下のM.2スロットについては、厚みが10mm以上もあり、特に巨大です。高速な反面、発熱の大きいPCIE4.0対応NVMe M.2 SSDを頻繁にアクセスするシステムストレージに使っても安心して運用できます。
一般的なマザーボード備え付けM.2 SSDヒートシンクは表面のみに金属プレートが実装されていますが、同製品では両面ヒートシンク設計を採用しており、背面金属プレートも表面同様にサーマルパッドを介してM.2 SSDと接します。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のマザーボード右側には最新接続規格USB3.2 Gen2x2に対応する内部USB Type-Cヘッダー(正式名称はFront USB Type-E)が実装されています。内部USB Type-Cヘッダーの隣に実装されているPCIE補助電源6PIN互換形状の端子はPCIEスロットやUSB PD用の補助電源です。
この補助電源が使用されている場合、内部USB Type-CヘッダーQuick Charge 4.0やUSB Power Delivery 3.0の規格互換で60Wの給電が可能となります。なお未接続の場合は最大27Wの給電が可能です。
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SATAポートの左右には2基の内部USB3.0ヘッダーがあり、内部USB3.0ヘッダーはマザーボード基板と平行に実装されています。
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マザーボード下側には2基の内部USB2.0ヘッダーが設置されています。Corsair iCUEやNZXT CAM対応製品などUSB2.0内部ヘッダーを使用する機器も増えていますが、ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROであればそれらの機器も問題なく使用可能です。内部USB2.0が2基でも不足する場合はUSB2.0ヘッダー増設ハブの「NZXT INTERNAL USB HUB (Gen3)」や「Thermaltake H200 PLUS」がおすすめです。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はハイエンドなゲーミングマザーボードということで、ALC4082やESS SABRE DAC(SABRE9018Q2C)によって、高音質オンボードサウンド機能を従来機種よりもさらに強化した「SupremeFX」も採用されています。
ALC4082は従来のハイレゾオーディオ(HDA)インターフェイスの代わりにUSBインターフェイスを使用し、192〜384kHzのオーディオ解像度に対応します。ヘッドホンアンプには-115dB THD+Nに達する「ESS SABRE DAC(SABRE9018Q2C)」が採用され、低ノイズで微妙なニュアンスを再現します。
デジタル部とアナログ部の基板分離などヘッドホン・スピーカー出力の高音質化にも注力しており、光学デジタルによるデジタル音声出力もあるので高級なヘッドホンアンプユーザーにも満足のいく構成です。最近のゲーミングマザボはサウンドボード要らずです。
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冷却ファンや簡易水冷クーラーのポンプの接続用の端子はマザーボード上の各場所に計8か所設置されています。これだけあれば360サイズなどの大型ラジエーターを複数基積んだハイエンド水冷構成を組んでもマザーボードのファン端子だけで余裕で運用可能です。
W_PUMP+ファン端子は最大36W(12V、3A)の出力にも対応しているので変換ケーブルを噛ませることで本格水冷向けのD5やDDCポンプの電源としても使用できます。
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マザーボード上にはDIY水冷PCユーザーに嬉しい外部温度センサーの接続端子が水路IN/OUT用を含めて3基設置されています。ASUSのファンコントロール機能は外部センサーをソースにした水温依存のファンコントロールが可能なので管理人は以前から水冷ユーザーにオススメしています。
加えて、薄緑色の3PINファン端子は水冷の流量検出端子となっており、フローインジケーター&メーターを接続することで流量の検出が可能です。ASUSマザボさえあれば水冷環境の構築は全て大丈夫と言っても過言ではなくなってきています。
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マザーボード基板上にはOCerのみならず一般自作erにとっても組み立て中の動作確認に便利なオンボードのスタートスイッチとリセットスイッチが実装されています。POSTエラーのチェックに便利なDebug LEDも設置されています。
リアI/OにはCMOSクリアのハードウェアスイッチも設置されているのでOC設定をミスっても簡単に初期化が可能です。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のマザーボード上でスタートスイッチと並んで実装されているリセットスイッチは「Flexkey」と名付けられており、BIOS上から、「リセット」「AURA オン/オフ」、「DirectKey(起動してBIOSメニューを表示)」「セーフブート(起動して標準設定でBIOSメニューを表示)」など押下時の機能を切り替えることができます。
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ROG HYPER M.2 CARDについて

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」には1つのPCIEスロットにPCIE4.0x4接続のNVMe M.2 SSDに対応したM.2スロットを2基増設可能、また次世代規格PCIE5.0x4接続のNVMe M.2 SSDにも対応したPCIE拡張ボード「ROG HYPER M.2 CARD」が標準で付属します。

「ROG HYPER M.2 CARD」は長さ200mm程度、ミドルクラスグラフィックボードを1スロット厚に収めたようなサイズ感のPCIE拡張ボードです。実際に使用するレーン数はx8レーンだけですが、PCIE端子はx16サイズですが、金属端子もx16サイズ全てが実装されています。
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「ROG HYPER M.2 CARD」は黒色の外装部分全てが一枚、というか一塊のアルミニウム製ヒートシンクになっています。斜め方向のエアスリットが施されていますが、冷却ファンは搭載しておらず、シンプルなパッシブ空冷ヒートシンクです。
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「ROG HYPER M.2 CARD」はボード長は200mm超とM.2スロット増設PCIE拡張ボードとしては大きめですが、PCIEブラケット自体は1スロットサイズ、ヒートシンクも1スロット厚に収まるので、シンプルに1スロット占有のPCIE拡張ボードです。
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「ROG HYPER M.2 CARD」は巨大なアルミニウム製ヒートシンクを搭載しているので、重量は500g超とかなりズッシリとした重みを感じます。
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基板背面のプラスネジ4つを外すと基板からM.2 SSDヒートシンクを取り外すことができます。
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「ROG HYPER M.2 CARD」のM.2スロットはいずれもPCIE端子に対して45度の斜めに実装されています。M.2スロットは現在主流なM.2 2280フォームファクタだけでなく、全長120mmのM.2 22120フォームファクタにも対応しています。
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M.2スロットを斜めに実装することで、『1.拡張ボードをPCIEブラケットと同じ高さに』、『2.M.2 22120フォームファクタに対応』、そして『3.PCIE端子とM.2端子を繋ぐ回路の距離を最小限に』という3つの要件をクリアしています。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROで「ROG HYPER M.2 CARD」を使用する場合、7段目のx16サイズPCIEスロットに設置することで、M.2_1スロットとM.2_2スロットの2基のPCIE4.0x4対応M.2スロットの増設が可能になります。
2段目や5段目のx16サイズPCIEスロットに設置した場合、M.2_1スロットでPCIE5.0x4接続のNVMe M.2 SSDを使用できるようになりますが、M.2_2スロットが無効になります。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの検証機材

ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用して検証機材と組み合わせてベンチ機を構築しました。ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO以外の検証機材は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU Intel Core i9 13900K
レビュー
CPUクーラー Fractal Design Celsius S36 (レビュー
Noctua NF-A12x25 PWM x3 (レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 RGB
F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK
DDR5 16GB×2=32GB (レビュー

G.Skill Trident Z5 Neo
F5-6000J3038F16GX2-TZ5N
DDR5 16GB×2=32GB (レビュー
CPUベンチ用
ビデオカード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システムストレージ
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー
OS Windows 11 Home 64bit
電源ユニット Corsair HX1200i (レビュー
ベンチ板 STREACOM BC1 (レビュー


Intel 700シリーズチップセット搭載LGA1700マザーボードの検証機ではシステムメモリとして、Intel第13世代CPU向けメモリとしては4xメモリスロットのマザーボードでも動作可能な最速クラスの製品、メモリ周波数7200MHz/CL34の高メモリクロックかつ低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK)」を使用しています。
G.Skill Trident Z5シリーズはIntel XMP3.0のOCプロファイルに対応した製品となっており、6000MHzの定番設定なモデルもあり、Intel第13世代CPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。
ARGB LEDイルミネーションを搭載したバリエーションモデル G.Skill Trident Z5 Neo RGBもラインナップされています。
「G.Skill Trident Z5 RGB」をレビュー。XMPで7200MHz OCに対応!
G.Skill Trident Z5 RGB Black

またメモリOC機能の評価のため、AMD EXPOによるメモリ周波数6000MHz/CL30の低レイテンシなメモリOCに対応した「G.Skill Trident Z5 Neo(型番:F5-6000J3038F16GX2-TZ5N)」も使用しています。
G.Skill Trident Z5 NeoシリーズはAMD EXPOのOCプロファイルに対応した製品なので、AMD Ryzen 7000シリーズCPUで高性能なPCを構築するお供としてオススメのOCメモリです。ARGB LEDイルミネーションを搭載したバリエーションモデル G.Skill Trident Z5 Neo RGBもラインナップされています。
「G.Skill Trident Z5 Neo」をレビュー。EXPOで6000MHz/CL30のOCを試す!
G.Skill Trident Z5 Neo

360サイズや240サイズなど120mmファンを複数搭載できるマルチファンラジエーターの簡易水冷CPUクーラーを使用するのであれば、「Noctua NF-A12x25 PWM」への換装もおすすめです。
「Noctua NF-A12x25 PWM」は、超硬質かつ軽量な新素材 Sterrox LCPの採用によってフレーム-ブレード間0.5mmの限界を実現させた次世代汎用120mm口径ファンとなっており、1基あたり3500円ほどと高価ですが、標準ファンよりも静音性と冷却性能を向上させることができます。
Noctua NF-A12x25シリーズのレビュー記事一覧へ
Noctua NF-A12x25 PWM chromax.black.swap

ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 980 PRO 500GB」を使用しています。
Samsung SSD 980 PROは、PCIE4.0対応によって連続アクセススピードを最大で2倍に飛躍させただけでなく、ランダム性能の向上によってSSD実用性能においても前世代970 PROから大幅な向上を果たし、PCIE4.0アーリーアダプターなPhison PS5016-E16採用リファレンスSSDよりも高速なので、これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 980 PRO 1TB」をレビュー。堂々の最速更新
Samsung SSD 980 PRO 1TB


CPUとCPUクーラー間の熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。使い切りの小容量から何度も塗りなおせる大容量までバリエーションも豊富で、性能面でも熱伝導効率が高く、塗布しやすい柔らかいグリスなのでおすすめです。


グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
Thermal Grizzly Kryonaut_apprication

サーマルグリスの代用品として、数年スパンの長期使用においても性能低下が基本的になく再利用も可能、グリスが零れてマザーボードが汚れたり壊れる心配もないので、炭素繊維サーマルシート「Thermal Grizzly Carbonaut」もオススメです。



以上で検証機材のセットアップが完了となります。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのBIOSについて

ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用した検証機の構築も完了したので動作検証とOC耐性のチェックの前にBIOSの紹介をします。
(OSから日付調整する前にスクショを取っている場合、日付がおかしいですが無視してください。また内容的に差異のないものは過去の同社製マザーボードのBIOSスクリーンショットを流用しています。)

ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのBIOSにアクセスすると「アドバンスドモード(Advanced Mode)」という従来通りの文字ベースのBIOSメニューが表示されます。
「Main」タブの「System language」-「English」と表記された項目のプルダウンメニューから言語設定が可能で日本語UIを選択できます。ASUSマザーボードは競合他社と比較してもBIOSメニューの日本語ローカライズの充実と正確さが魅力です。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのBIOSにおいて設定の保存とBIOSからの退出はトップメニュータブ最右端の「終了」から行えます。その他の設定を行っていても左右カーソルキーですぐに退出可能です。
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特定のブートデバイスを指定してBIOSから退出するBoot Override機能は「起動」タブメニューの最下段「起動デバイス選択」に配置されています。
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BIOSのアップデート方法は、まず下から最新のBIOSファイルをダウンロード、解凍してUSBメモリのルートに解凍フォルダを置きます。
サポート:https://rog.asus.com/jp/motherboards/rog-maximus/rog-maximus-xiii-hero-model/helpdesk_bios

USBメモリを挿入したままBIOSを起動し、アドバンスドモードの「ツール-ASUS EZ Flash 3 Utility」でストレージデバイスからのアップデートでBIOSファイルを選択します。あとはガイドに従ってクリックしていけばOKです。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_4
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ブートとOSインストール周りについて紹介します。とはいってもASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのブート回りは下画像のように非常に簡潔にまとめられており初心者でも迷うことはないと思います。
OSのインストールも「Boot Option #1」に「UEFI:〇〇」というOSインストールメディアを設定して保存&退出でOKです。
「Boot Option #1」の下にスクロールしていくとブートデバイスを個別に指定して再起動できる「Boot override」もあるのでこちらから、同様に「UEFI:〇〇」というOSインストールメディアを選択してもOKです。
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BIOSのアップデートやWindows OSのインストール方法を紹介したところで、ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのBIOS機能で管理人が気になったものをいくつかチェックしていきます。

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のマザーボード上でスタートスイッチと並んで実装されているスイッチは「Flexkey」と名付けられており、BIOS上から、「リセット」「AURA オン/オフ」、「DirectKey(起動してBIOSメニューを表示)」「セーフブート(起動して標準設定でBIOSメニューを表示)」など押下時の機能を切り替えることができます。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_FlexKey

従来のASUS製マザーボードでは「モニタ(Monitor)」のタブページを開くと、温度・電圧モニタリングやファン制御設定が一気に列挙されていたのですが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」を含め最新のIntel 500シリーズマザーボードでは、温度モニター、ファン回転数モニター、電圧・電流モニター、Q-Fan設定の4つの小項目に分けられ、より扱いやすくなっています。
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マザーボード上のコンポーネント詳細でも紹介した外部温度センサーについてはBIOS上からも温度をモニタリングできます。簡易水冷(AIO水冷)ポンプ専用の項目も用意されており、ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROであれば冷却機能周りは空冷・水冷ともにほぼ全てBIOS上でコントロール可能です。
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モニタ - Q-Fan設定の順にアクセスするとファン制御設定ページが表示されます。
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BIOS上のファンコントロール機能についてですが、CPUファン端子とCPU OPT端子はCPU温度依存のファンコントロールしかできませんが、その他のケースファン端子については、外部温度センサーなどの各種温度ソースからファンコントロールが可能です。
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ファン制御モードはPWM速度調整とDC(電圧)速度調整の2種類が用意されていますが、DC速度調整の場合は制御プロファイルを手動にすると、下限温度以下で冷却ファンを停止させる所謂セミファンレス機能を実現する「ファンの停止許可」の設定が表示されます。
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ASUSマザーボードにもグラフィカルUIによるファンコントールの設定機能「Q-Fan Control」があります。機能的には上で紹介したコンソールのファンコンと同じですが、グラフィカルUIでわかりやすく設定できるよという機能になっています。直感的にわかりますし直打ちが苦手な人にはありがたい機能だと思います。
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのOC設定について

ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用した場合のオーバークロックの方法を紹介します。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。


「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のオーバークロック設定は「Extreme Tweaker」というトップメニューのタブページにCPUコアクロック、メモリ、電圧など各種設定項目が集約されています。
「Extreme Tweaker」ページをスクロールしていくとCPUコアクロック、メモリ、電圧などの各種設定項目が表示されるので設定しやすいUIです。設定値を直接入力する項目でデフォルトの「Auto」に戻す場合は「a」キーを入力すればOKです。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_1

ASUS Multicore Enhancementを「Disabled - Enforce All limits」にすると、Intel公式仕様通りの電力制限が適用されます。(Multicore Enhancementについては、単コア最大動作倍率を全コア最大動作倍率に適用、というのが従来の機能でしたが)
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_2

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のオーバークロック設定項目の最初にある「Ai Overclock Tuner」ではプルダウンメニューから「Auto(自動)/Default」「Manual(手動)」「XMP (D.O.C.P)」の3つの設定モードが選択できます。
Autoモードは基本的な設定項目に関する自動or手動設定が可能な一般ユーザー向けの設定モードとなっています。
ManualモードはBCLK等の詳細なOC設定項目が解放される上級者向けの設定モードです。
XMP(D.O.C.P.)モードはManualモードベースですが、OCメモリに収録されたXMPプロファイルを適用できる設定モードになっています。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」がサポートするIntel第12/13世代Core-Sは高性能コアP-Coreと高効率コアE-Coreの2種類の混成でCPUが構成されています。
OC設定に関して言えば、P-CoreとE-Coreは従来のIntel製CPUが2つ内蔵されているイメージで、それぞれ個別に動作倍率を設定します。なお電圧設定はP-CoreとE-Coreで共通です。
Intel 12th-Gen AlderLake-S_Intel Hybrid Computing Architecture


By Core Usage倍率によるOCと低電圧化や電力制限について

By Core Usage倍率によるオーバークロック、V-Fカーブによる低電圧化といった近年のIntel Core CPUのチューニングにオススメな設定について紹介します。

近年のIntel製CPUはアクティブコア数(大きい負荷のかかっているコア数)に応じて最大動作倍率が変化するBy Core Usage倍率により、例えばCore i9 13900Kなら最大5.8GHzのような単コア最大動作倍率で動作が可能になっており、高いシングルスレッド性能を発揮します。

優良コアが電圧を盛れば6GHz近いコアクロックで動作できる一方、同じコアクロックで全コアを可動させることは相対的な不良コアの電圧特性的にも、CPUパッケージ全体での発熱的にも難しいので、シングルスレッド性能を損なう全コア一律のコアクロックを適用するマニュアルOCはベンチマークスコアを重視したOC競技的な設定となっており、現在の常用OCにおける主流はBy Core Usage倍率とV-Fカーブを組み合わせた手法です。


まずはBy Core Usage倍率によるコアクロックの設定について説明します。
例えばCore i9 13900KのPコアは1~8コアのアクティブコア数に応じて[58, 58, 55, 55, 55, 55, 55, 55]のようなBy Core Usage倍率が適用されています。(コアクロックはベースクロックBCLK、通常100MHzに対する倍率で決まる)
アクティブコア数が2コアまでであれば、そのアクティブコアは最大5.8GHzで動作します。所謂、単コア最大ブーストクロックのことです。(1コアではなく2コアまでなどの時もありますが、便宜上、単コアと呼びます)
Intel Core i9 13900K_Boost-Clock_Single
一方、Cinebench R23のマルチスレッドテストやx264動画エンコードのように全コアへ大きな負荷がかかるシーンでは全コアが最大5.5GHzで動作できます。
なぜ”最大”と注釈つくかというと、特にCPU全体の発熱が大きくなる全コア負荷時については、長期間電力制限(Long Duration Package Power Limit; PL1)や臨界温度(Tj Max)、Thermal Velocity Boostによるコアクロック制限が適用されることがあるからです。
Intel Core i9 13900K_Boost-Clock_Multi
ゲーム性能に対しては全コア最大動作倍率が重要である一方、電力や温度といったCPU負荷自体は軽いという特長があります。
ゲームシーンで高い性能を実現しつつ、CPU負荷の大きいクリエイティブタスクではCPU Package PowerやCPU温度を制御ソースとして各自冷却環境(CPUクーラー)で冷やせる範囲内で最大の性能を発揮できるようにする、というパフォーマンスデザインです。
Rainbow Six® Extraction 2022_10_19 14_27_15

なぜBy Core Usage倍率を使用するのか前置きの説明が長くなりましたが、OC設定に話を戻します。
「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」の場合は、Performance Core Ratioという項目のプルダウンメニューから、P-Core動作倍率の設定としてBy Core Usageを選択できます。
By Core Usage倍率の設定値は[60, 60, 59, 57, 57, 56, 55, 55]のようにバラけさせることも可能ですが後ほど電圧設定が面倒になります。
[60, 60, 55, 55, 55, 55, 55, 55]のように後述のTBM3.0で優先可能な2コアだけ単コア最大ブーストクロックを引き上げ、残りは同じ倍率に揃えるのがオススメです。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_6

Intel第13世代Raptor Lake-SシリーズCPUのうち、Core i9/Core i7のP-Coreは「Intel Turbo Boost Max 3.0 Technology (TBM3.0)」に対応しています。
TBM3.0は、CPUダイ上で最も電圧特性の良いコア(CPU個体ごとに異なる)を自動で選別し、非常に高い単コア最大ブーストクロックで動作させ、アクティブタスクへ優先的に割り当ててくれる機能です。
Intel 10th-Gen Comet Lake-S_TBM3
電圧特性が優良なコアは、Windows上で使用できるIntel公式のOCツール Extreme Tuning Utility (XTU)から確認が可能です。優良コアには星マーク(☆)が付いています。
Intel Core i9 13900K_bin

By Core Usage倍率で設定する単コア最大ブーストクロックは、TBM3.0に非対応のCPUの場合、全てのCPUコア(Pコア)へ無差別にタスクが振り分けられるので、不良コアが安定動作する倍率を指定する必要があります。
しかしながら、第13世代Core i9/Core i7はTBM3.0により優良コアがアクティブコアとして優先されるので、不良コアの電圧特性に引っ張られることなく、単コア最大ブーストクロックを引き上げることが可能になります。

優良コアだけが単コア最大ブーストクロックで動作するように設定するには、Performance Core Ratioの下にあるSpecific Performance Coreの項目を開き、XTUで確認した優良コア(マザーボードによってはBIOS上でも確認可能)の最大動作倍率 Performance Core〇 Specific Ratio Limitだけ単コア最大ブーストクロックに一致させます。その他のコアはBy Core Usage倍率の設定に応じて。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_5
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_6

以上が高性能P-Coreの動作倍率設定ですが、高効率E-Coreも動作倍率の設定フォーマット自体は同じです。
Windows OSと協調するIntel Thread Directorで優先すべきタスクはP-Coreに割り当てられ、E-Coreの主な役割は、マルチスレッド性能を引き上げる補助コア、もしくは優先度の低いタスクのバックグラウンド処理用コアです。
E-Coreもアクティブコア数に応じたBy Core Usage倍率は設定が可能ですが、少ないアクティブコア数の時にブーストさせる意味があまりないので、OC設定を簡略化させる意味で、E-CoreはSync All Coreで一律に動作倍率を設定してしまうのがオススメです。
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キャッシュ動作倍率は「CPUキャッシュ最大動作倍率(Max CPU Cache Ratio)」から変更可能です。CPUコアクロック同様にベースクロックに対する動作倍率でキャッシュの動作周波数を設定できます。
第12世代CPUにおいてキャッシュ動作倍率はE-Core動作倍率を超えない方が良いようでしたが、第13世代CPUでは定格でもキャッシュのほうがE-Coreよりも高速なのでそういった制限はないようです。
ただしキャッシュにはCPUコアとは別のV-Fカーブがある一方で、CPUコアとキャッシュの電圧は共有されているので、キャッシュを高倍率にし過ぎるとCPUコアの消費電力が増加してしまうので、キャッシュ倍率の設定には注意が必要です。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_8
前述の通りCPUコアとキャッシュの電圧は共有されているので、キャッシュ倍率が後述のV-Fカーブによる低電圧化に悪影響を及ぼす可能性があります。
V-Fカーブによる低電圧化を行う場合は、「Ring Down Bin」を無効化しておいてください。
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続いて電圧設定について説明していきます。
CPUには個体差がありますが、電圧特性に応じたCPUコア電圧とコアクロック(周波数)の比例関係を指定するV-Fカーブがそれぞれ収録されています。
CPUコア電圧モードを分類すると、まず定格モードがあり、定格のV-Fカーブに対して、周波数に依らず一定の昇圧or降圧を行うオフセットモード、さらに周波数に依らず一定の電圧を適用するオーバーライド(マニュアル)モードがあります。

Intel第13世代CPUをBy Core Usage倍率でオーバークロックする時に使用するのがアダプティブモードです。
一例としてCore i9 13900Kでは最小動作倍率800MHzから最大動作倍率5800MHz(a頂点)までのV-Fカーブが定格モードとして収録されています。
最大動作倍率を6000MHzにOCした時にV-Fカーブがどうなるかというと、5800MHz~6000MHzの間にはV-Fカーブがないので、Additional Turbo Mode Voltage(Adaptive Voltage Override)という電圧値を設定することで、OC最大倍率に対するb頂点が決まります。a頂点とb頂点の間は自動的に補間されます。
Intel CPU_VF-Setting

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ではGlobal Core SVID VoltageからAdaptive Modeを選択することで、Additional Turbo Mode Voltageを設定できます。
Core i9 13900Kの単コア最大ブーストクロックを6.0GHzにOCする場合、Additional Turbo Mode Voltageの目安は1.550V程度です。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_10

Intel第13世代CPUにおいてCPUコア(P-CoreとE-Coreの両方)とキャッシュ(Ring、L3キャッシュ)は全てGlobal Core SVID Voltageによって電力供給され、単一のV-Fカーブで動作します。
Specific Performance/Efficient Coreの項目から個別に電圧を設定できるので紛らわしいのですが、この個別コア電圧設定で動作するのは、そのコアだけがアクティブな状態の時に限定されます。
複数のコアに対して個別コア電圧が設定されている場合、2コア以上がアクティブな状態では最も動作倍率が大きく、最もAdditional Turbo Mode Voltageが大きい設定が優先され、他全てのコアに適用されます。
個別コア電圧が設定されていないコアにはGlobal Core SVID Voltageと同じ設定が適用されるので、電圧設定はGlobal Core SVID Voltageだけ調整すればOKです。
あとActual VRM Core Voltage(Vcore)はマザーボードVRM電源からCPUへ供給される電圧値ですが、こちらは自動設定のままで問題ありません。


以上で基準となるV-Fカーブが決まったので、続いてV-Fカーブによる低電圧化を行います。
Intel第13世代CPUではV-Fカーブ(動作周波数と動作電圧の関係)を細かく調整できます。「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ではV/F Point Offsetの名前で同設定が配置されています。
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CPU個体毎のストック電圧に対して+/-のオフセット電圧を設定できます。
Core i9 13900Kの場合は800MHz、1400MHz、2400MHz、3400MHz、4300MHz、5100MHz、5400MHz、5700MHz、5800MHzに対してmV単位でコア電圧オフセット値を指定できます。
5800MHzについては9番と10番のV-Fポイントが割り当てられていますが、9番だけ設定すればOKです。
By Core Usage倍率で最大倍率を既定最大値(58倍)より大きく設定した場合、11番がOC最大倍率のV-Fポイントになります。
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V-Fカーブによる低電圧化は各V-Fポイント毎に50mV程度の降圧が限界かもしれません。(マザーボードに依っても違うかも)
一定値を超えて各V-Fポイントへの降圧が上手く作用しない場合は、Global Core SVID VoltageのOffset VoltageでV-Fカーブ全体へ降圧をかけます。この時に降圧した分だけAdditional Turbo Mode Voltageと、定格最大動作倍率のV-Fポイントを昇圧することで、単コア最大ブースト時の安定性をキープできます。
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By Core Usage倍率でオーバークロックを行う場合は、IccMaxを無制限に引き上げてください。電力制限や臨界温度と同様、高負荷時にコアクロック低下の原因になります。
「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」の場合は、CPU電力詳細設定に配置されているUnlimited ICCMAXで設定が可能です。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_16


By Core Usage倍率によるオーバークロックで全コア最大動作倍率も引き上げている場合は、電力制限や臨界温度を使用して、高負荷時のCPUコアクロックに制限をかけ、CPU温度や消費電力を下げます。

CPU電力詳細設定には「瞬間許容電力制限値(Short Duration Power Limit、PL2)」「許容電力上限値(Long Duration Power Limit、PL1)」という2つの電力制限機能があり、電力制限がかかる閾値(単位はW)と電力制限がかかるまでの時間を設定できます。
電力制限がかかるとCPU Package Powerがその指定電力内に収まるようにコアクロックに制限がかかります。
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CPU温度が一定以上(臨界温度, Tj Max)に達した時にCPUコアクロックを下げる、所謂、サーマルスロットリングが発生する閾値を指定するのがMaximum CPU Core Temperatureです。
Tj MaxはIntel製CPUでは一般的に100度に設定されています。基本的には上記のPL1/PL2の電力制限でCPUクーラーの性能に応じたコアクロック制限をかけ、Tj MaxはCPUクーラーに故障が発生した時のセーフティ的な使い方オススメです。
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「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はThermal Velocity Boostに対応しています。
Thermal Velocity Boostはコアクロックを上昇させる機能のような名前ですが、実際には、By Core Usage倍率に対して、TVB Ratio Clippingという設定によってCPU温度が閾値以上の時に動作倍率を-1倍など設定値に応じて引き下げる機能です。
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第13世代CPUではThermal Velocity Boostにより、アクティブコア数に対して閾値温度/オフセット倍率のセットを2種類ずつ設定できます。
一定温度以下であれば非常に高い単コア最大ブーストクロックが動作するコアがある、ゲーム(低温)とクリエイティブタスク(高温)で全コア最大動作倍率をそもそも切り替えたい、という時に使用する機能です。
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Intel第11世代CPUは拡張命令AVX-512に対応していましたが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」がサポートするIntel第12/13世代CPUは高効率コアE-Coreがアーキテクチャ上、AVX-512に対応できないので、Intel第12/13世代CPUシリーズ全体がAVX-512に非対応です。
元々は発熱が非常に大きいAVX-512に対応するために用意されていた設定ですが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」でもAVX2実行時の発熱を低減する方法として、従来の倍率動作オフセットに加えて、Voltage Guardband Scaleと呼ばれる電力制限に近い機能を使用できます。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_20


CPUコアクロックのマニュアルOCについて

近年のCPUでは高い単コア最大ブーストクロックを維持できるBy Core Usage倍率&V-Fカーブの低電圧化が常用チューニングでは主流ですが、ここからはベンチマークスコアを追求するOC競技等に最適なCPUコアクロックを定格動作倍率よりも高く設定するマニュアルOCについて説明します。

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ではSync All CoresモードにおいてAll-Core Ratio Limitから一律に全コア最大動作倍率を設定できます。50倍に設定した場合、デフォルトのBCLK(ベースクロック)が100MHzなのでその50倍の5.0GHzで全てのコアが動作します。
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Specific Performance/Efficient Coreの項目を開けば、P-Coreなら個別コア毎に、E-Coreなら4コア毎に最大動作倍率を設定できます。(By Core Usage倍率で説明した通り、個別電圧設定に意味はないのでAutoのままでOK)
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キャッシュ動作倍率は「CPUキャッシュ最大動作倍率(Max CPU Cache Ratio)」から変更可能です。CPUコアクロック同様にベースクロックに対する動作倍率でキャッシュの動作周波数を設定できます。
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「Ai Overclock Tuner」から「Manual」モードもしくは「XMP (D.O.C.P)」モードを選択するとベースクロック(BCLK)の設定項目が表示されます。
デフォルトのAutoでは100MHzに固定されていますが、設定値を直打ちすることで任意に設定が可能です。CPUコアクロックはBCLKに対する動作倍率で設定されるのでBCLK110MHz、動作倍率45倍の場合はコアクロック4.95GHz動作となります。ただしBCLKを使用したOCはかなり上級者向けなので通常はAutoか100MHzが推奨です。
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続いてコア電圧の調整を行います。
Intel第12/13世代CPUにおいてCPUコア(P-CoreとE-Coreの両方)とキャッシュ(Ring、L3キャッシュ)への電圧は共通です。

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ではGlobal Core SVID Voltageを調整します。CPUコアクロックを一律で設定するマニュアルOCを行うのであれば、分かりやすいので電圧値を固定するマニュアルモードを推奨します。
Global Core SVID Voltageの設定値に応じてActual VRM Core Voltageは調整されるのでこちらはAutoのままでいいと思います。
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Intel第12/13世代CPUではL2キャッシュの電圧だけ個別に設定が用意されているので、E-Coreのコアクロックを大幅にOCする場合はCPU L2 Voltageも昇圧します。
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またCPUのOCに関連する追加の電力設定として「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」では、コアクロックと電圧の設定項目の中間あたりにDigi+ VRMという項目が配置されています。
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Digi+ VRMの中にはコアクロックを高く設定する時に追加で変更するといい項目として「ロードラインキャリブレーション」があります。
ロードラインキャリブレーションはCPU負荷時の電圧降下を補正してOCを安定させる機能となっており、補正の強度としてLevel 〇で何段階か用意されています。Levelの添え字の数字が大きくなるほど電圧降下の補正は強くなり、OCは安定しやすくなりますが発熱も大きくなります。真ん中あたりから始めて安定する設定値を模索していくのがおすすめです。
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Digi+ VRMではその他にも「CPU Current Capability」「CPU VRM スペクトラム拡散」「VDDR CPU VRM 動作モード」「VDDR CPU VRM 可動フェーズ設定」などCPUのオーバークロック時にマザーボードVRMからの電力供給を安定させる設定項目が用意されています。
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メモリのオーバークロックについて

メモリのオーバークロックについても簡単に紹介しておきます。
メモリの性能について簡単に言うと「動作クロックが高く」「タイミングが小さい」ほど性能は高くなります。
そのためメモリOCを手動で行う手順を簡単にすると「電圧を上げて動作可能なクロックを探し」、「そのクロックにおいて正常に動作する最小のタイミングを探る」という2つの手順を繰り返すことになります。
なお、 メモリOCではPOSTすらクリアできずBIOSに到達できないことも少なくありません。メモリ設定を初期化できるようにCMOSクリアの手順を事前に確認しておいてください。

Intel XMPやAMD EXPOのOCプロファイルによるメモリOCは上の手順によるOC選別をメーカー側がすでに行い動作確認をしているので、メーカーが動作確認を行ったOCプロファイルを適用するだけで簡単にメモリをオーバークロックできます。

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」はIntel環境に最適化されたXMP対応メモリだけでなく、AMD EXPO対応メモリのどちらでもOCプロファイルによるメモリOCが可能です。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROなどASUSマザーボードでは、メモリに収録されたAMD EXPOプロファイルからIntel製CPU環境でも使用可能なメモリOCプロファイルを自動生成する機能 D.O.C.Pがあります。

「Ai Overclock Tuner」から「XMP (D.O.C.P)」モードを選択することで、自動生成されたOCプロファイルによるメモリOC設定の適用が可能です。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_30
「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」などASUS製Z690マザーボードではメモリOCプロファイルの適用に”XMP (D.O.C.P) 1”と”XMP (D.O.C.P) 2”の2つのモードがあります。
XMP 1では30-38-38-90のような主要タイミングのみが適用され(その他は全てマザーボードによる自動設定を適用)、XMP 2ではその他のサブタイミングもOCプロファイルの通りに適用されます。
Intel製CPUとIntel XMP対応メモリのような組み合わせであればサブタイミングまで適用される”XMP 2”で問題ありませんが、異なる組み合わせの場合は”D.O.C.P 1”が安定しやすいようです。
ASUS XMP-1_vs-XMP-2

メモリ周波数は「DRAM周波数(DRAM Frequency)」という項目のプルダウンメニューから動作クロック(倍率)を任意に設定可能です。メモリ周波数もBCLKに対する倍率で動作周波数が決まります。
EXPO/A-XMPを使用せず、「DRAM Frequency」の設定値が自動(Auto)になっている場合は、使用するメモリにSPD情報として収録されている動作クロック4800MHz、5200MHzなどのメモリ周波数およびタイミングによる定格動作となります。
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Intel第12/13世代CPUのメモリコントローラー(IMC)周波数は、メモリ周波数に対して1:1対応のGear1(メモリ周波数が3200MHzならメモコンも3200MHz)、1:2対応のGear2(メモコンが1600MHz)、1:4対応のGear4(メモコンが800MHz)という3つの動作モードがあります。
DDR5メモリはGear2とGear4、DDR4メモリではGear1とGear2をサポートします。
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DDR5のGear2やDDR4のGear1でメモリ周波数とIMC周波数を引き上げたい場合の豆知識として、IMCのOC耐性は厳密には周波数ではなく動作倍率に依存します。(第12/13世代CPUではIMC周波数にそのまま依存しているかも)
メモリ周波数とIMC周波数はリファレンスクロック(100MHz or 133MHz)に対する動作倍率で決まるため、3600MHzの場合はリファレンスクロック133MHzでIMC倍率が27倍となります。
リファレンスクロック100MHzでメモリ周波数を3800MHzや4000MHzにするとIMC倍率が38倍や40倍となってしまいますが、リファレンスクロック133MHzにするとメモリ周波数が上と同程度の3733MHzでもIMC倍率は28倍、3866MHzでもIMC倍率は29倍に下がるのでIMCのOC耐性からするとハードルが下がります。
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メモリタイミングの個別打ち込み設定も可能です。
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メモリタイミングを手動で設定する場合、基本的にはOCメモリ製品のスペックとして公表されることの多い、「CAS Latency (tCL)」、「RAS to CAS (tRCD)」、「RAS Precharge (tRP)」、「RAS Active Time (tRAS)」の主要な4タイミングと、加えて「Command Rate:1 or 2」と「Refresh Cycle Time (tRFC)」の6つ以外はAutoのままでいいと思います。
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高メモリクロックのOC時にWindowsの起動や軽い動作までは安定するものの、メモリストレステストでエラーが出る程度の状態であれば、「Write Recovery Time (tWR)」や「CAS Write Latency (tCWL)」をいくつか引き上げることで安定する可能性があります。
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メモリの周波数OCを行う際は「DRAM電圧(DRAM VDD Voltage)」の項目を昇圧します。
DDR5メモリに対応したマザーボードでメモリ周波数を6000MHz以上にOCする場合はメモリ電圧を1.300~1.400Vに盛ってください。
DDR4メモリに対応したマザーボードでメモリ周波数を3000MHz以上にOCする場合は1.300~1.350V、3800MHz以上にOCする場合は1.370~1.400Vに上げる必要があります。メモリをOCする場合は最初から1.350V以上にDRAM電圧を盛っておくのがおすすめです。
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加えてメモリ周波数やIMC周波数をOCする時に調整した方がいい電圧設定として、DDR5メモリ対応マザーボードの場合は「VCCSA(CPU System Agent Voltage)」、「DRAM VDDQ(DRAM VDDQ Voltage)」、「CPU VDD2(Memory Controller Voltage)」、「CPU VDDQ(IVR Transmitter VDDQ Voltage)」の4つを調整すると良いようです。
DRAM VDDQとCPU VDD2は簡単にDRAM VDDと揃えればOKです。
CPU VDDQについては単純に昇圧すればいいというわけではなく、メモリ設定に応じてスイートスポットのようなものがあるかもしれないので設定の際は注意してください。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_39
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ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの動作検証・OC耐性

BIOS周りの管理人的に気になるところの紹介はこのあたりにしてASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用した検証機で具体的に動作検証とOC耐性をチェックしていきます。

「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」にCore i9 13900Kを組み込んだ場合のBIOS標準設定における動作についてですが、P-Coreは最大58倍、全8コアで55倍の動作倍率になっており、CPUコア動作倍率は仕様値通りです。
電力制限について、定格設定はPL1/PL2:253Wに対して、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」の初期設定ではPL1は253Wで定格通りですが、PL2は無制限に、短期間電力制限時間Tauは96秒へ緩和されています。
なおBIOS:0703ではXMPによるメモリOCを行うとPL1も無制限へ変更されました。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_XTU
「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ではASUS Multicore EnhancementをDisabled - Enforce All limitsにすると、Intel公式仕様通りの電力制限が適用されます。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_2
長期間電力制限 PL1、短期間電力制限 PL2、短期間電力制限時間 TauはマザーボードBIOSから任意に設定も可能なので、各自の環境に合わせて調整してみてください。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_BIOS_OC_22


電力制限以外にもCPU動作に大きく影響する項目についてまとめました。
Turbo Boost Max 3.0はアクティブなタスクに対して単コア最大動作倍率など最も高速に動作している(電圧特性に優れた)コアを割り当てる機能です。

Thermal Velocity Boostは閾値温度70度以下においてブーストクロックを引き上げる機能と説明されていますが、機能の実装としてはBy Core Usage倍率に対してTVB Ratio Clippingという設定によってCPU温度が閾値以上の時に動作倍率を-1倍に(正確にはCPU毎に設定された倍率に)引き下げるという形になっています。

AVX Voltage Guardband Scaleは該当するAVX命令実行時のコア電圧を調整する機能です。0~255の整数値で設定し、定格設定は128です。128以下では低電圧化、128以上では高電圧化します。(マザーボードに依っては1.00を基準に0.01~1.99で設定)
低電圧化というよりもAVX実行時の電力制限(AVX限定のPL1)に近い動作なので、Scale=1でもクラッシュすることはありませんが、性能は低下するものと思われます。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO (BIOS:0703)
Core i9 13900Kの標準動作設定

標準設定 定格
単コア最大倍率 58 58
全コア最大倍率 55 55
Turbo Boost Max 3.0 On On
TVB Ratio Clipping
(70度以上で-1倍)
Off Off
PL1, PL2, Tau 253, No, 96s
(XMP時はPL2:Noに)
253W, 253W, 56s
AVX Offset 0 0
AVX512 Voltage Guardband 128
(設定値は0~199で100)
128
備考
特になし



続いてASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用した場合のCPUとメモリのオーバークロック耐性をチェックしてみました。
なおオーバークロックはメーカー保証外の行為であり製品の破損やデータの消失もすべて自己責任となります。オーバークロック検証時は最小構成(CPU、マザーボード、メモリ、システムストレージ、グラフィックボード)以外は基本的にすべて外し、可能ならOC検証用のシステムストレージを用意するなど細心の注意を払ってください。



まずは「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」に24コア32スレッドCPUのCore i9 13900Kを組み合わせて長時間負荷をかけ続けた時に、VRM電源周辺温度はどれくらいなのか、サーモグラフィーカメラ搭載スマートフォン CAT S62 PROを使用してチェックします。


CPUを定格で運用もしくはOC設定を適用した際のCPU温度やVRM電源温度を検証するストレステストについては、下記の動画エンコードを使用しています。
FF14ベンチマークの動画(再生時間7分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)をソースとしてHandBrake(x264)を使ってエンコードを行います。Core i9 13900Kは24コア32スレッドのCPUなので、同じ動画のエンコードを4つ並列して実行し、30分程度負荷をかけ続けます。ストレステスト中のファン回転数は一定値に固定しています。
なおIntel第13世代CPUの場合、動画エンコードに比べてCinebench R23 30分ストレステストの方が負荷が大きく、CPU消費電力には10~15W程度の差が生じます。
Ryzen 9 7950X-OC_Stress-Test
注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。



まずは単純に「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」でASUS Multicore EnhancementをDisabled - Enforce All limitsとして、Core i9 13900Kを定格で動作させてみました。
メモリOC設定については検証機材メモリ「G.Skill Trident Z5 Neo F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」に収録されたOCプロファイルを適用し、メモリ周波数6000MHz、メモリタイミング30-38-38-96、メモリ電圧1.350Vです。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_OC-Test_BIOS (1)

上記の動作設定においてストレステスト中のCPU温度やCPU使用率のログは次のようになりました。CPUクーラーにはFractal Design Celsius S36Bを使用し、冷却ファンNoctua NF-A12x25 PWのファン回転数は1500RPMで固定しています。
Core i9 13900KはCPUにフル負荷がかかるシーンだと臨界温度100度もしくはPL1/OL2:253Wを上限として動作しますが、360サイズAIO水冷CPUクーラーのように十分に冷却性能の高いCPUクーラーを組み合わせれば、CPU Package Powerが253Wに張り付いた状態で運用可能です。
電力制限が効くので動画エンコードなどのフル負荷においてCPUコアクロックが最大動作倍率に張り付くことはありませんが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のVRM電源温度などマザーボード原因でスロットリングが発生することはなく、Core i9 13900KをP-Core All 5.2GHz、E-Core All 4.1GHz程度の実動値で安定して動作させることができました。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_temp_1_13900K_def_1
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_temp_1_13900K_def_2
Core i9 13900Kの定格動作で負荷をかけるとEPS電源経由のCPU消費電力は300W前後に達しますが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のVRM電源周りの温度をサーモグラフィーで確認したところ、70度台半ばに収まりました。
Core i9 13900Kは定格運用でもCPU Package Powerで253Wが許容されており、VRM電源負荷が非常に大きいCPUですが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ならAIO水冷CPUクーラーを組み合わせた、VRM電源周りがパッシブ空冷の状態でも標準装備だけで問題なく運用できます。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_def (1)
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_def (2)


続いてCore i9 13900Kで実用的に性能を追求するチューニングとして、By Core Usage倍率によるオーバークロックとV-Fカーブによる低電圧化を紹介します。

ベンチマークスコアを重視するなら固定倍率かつ固定電圧のOCが最適ですが、実用的にはシングル性能が優秀なBy Core Usage&V-Fカーブがオススメで、なおかつ、OCレビューとしてあまり紹介されることがないので、こちらの設定例を紹介します。
Core i9 13900KのOC設定はBy Core Usage倍率で「P-Core: 1~2c x60, 3~8c x57」、「E-Core: All x43」としています。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_OC-Test_BIOS (2)
TBM3.0によって通常はベストコアが単コア最大ブーストクロック6.0GHzで動作するはずですが、電圧特性の悪いコアに割り当てられることがないよう、Specific Ratio Limitを使用して、ベストコアだけが6.0GHzで動作するように制限します。
ASUS製マザーボードの場合、電圧特性の良いベストコアには”*”マークが記載されているので、一目で分かります。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_OC-Test_BIOS (3)
CPU動作倍率をCore i9 13900Kの定格最大である5.8GHzよりも高く設定しているので、Global Core SVID VoltageをAdaptive Modeとし、「Adaptive Override(Additional Turbo Mode CPU Core Voltage): 1.530V」としています。
説明が前後してしまうのですが、後述のV-Fカーブだけで低電圧化が不十分だったり、上手く調整できない場合は、Offset Voltageの項目も使用して調整します。今回は「Offset Voltage : -0.030V」としています。
221023221222
ゲーム負荷では全コア5.7GHzで動作して欲しいのですが、動画エンコードなどCPUにフル負荷がかかるクリエイティブタスクでは全コア5.5GHzに下げたいので、「Thermal Velocity Boost:8コア負荷時にCPU温度80度以上で-2倍」としています。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_OC-Test_BIOS (7)
ASUS製マザーボードでも動作が異なるのですが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」の場合、1~7Core Activeの設定をAutoのままにしておくと自動的に70度以上で-1倍のネガティブオフセット設定されてしまいます。
なぜか各Active数についてDisabledにする設定がないので、面倒ですがそれぞれEnabledにした上で、Temperature AのRatio Offsetを全て手動設定で0に変更(Disabledになる)しておいてください。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_OC-Test_BIOS (8)

上記の設定を行ったら一度設定を保存してBIOSメニューから退出します。OSを起動してCinebench R23等で簡単に動作確認をしたら、再度BIOSメニューに入って最後にV-Fカーブによる低電圧化を行います。
今回は「Ratio x51 -50mV, Ratio x54 -50mV, Ratio x57 +30mV, Ratio x60 +20mV」のように設定しました。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_OC-Test_BIOS (5)
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_OC-Test_BIOS (6)
V-Fカーブの調整についてはCPU個体差、組み合わせるマザーボード、BIOSバージョン等で設定値が変わるので、各自で行う場合は下記の手順に従ってください。
V-Fカーブ操作の正しい手順としては、まずは調整していない状態でCinebench等の短時間の負荷をかけ、HWiNFOなどのモニタリングソフトでP-Core X VIDやVcoreの数値を確認します。その値を基準にしてマイナスオフセットの数値を調整してみてください。
screenshot.1636459378

以上のBIOS設定を行うことでIntel XTU上で確認するとこんな感じのOC設定が適用されます。BIOSで行った設定がしっかりと反映されていることも確認できました。
主要4社のIntel Z790マザーボードの中でもASUS製マザーボードはXTUで行えるOC設定が全てBIOS上から行えるところが魅力です。
2022年12月現在、他者だとAdaptive Override Voltageが反映されない、BCU倍率設定時にSpecific Coreで上限倍率の設定を併用できないといった問題があって、XTUでできることが逆にBIOSからできない、という状況なので。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_VFc_XTU (1)
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_VFc_XTU (2)

上記のOC&低電圧化設定を適用すると、「Intel i9 13900K」は高負荷においてP-Core All:5.5GHz、E-Core All:4.3GHzで動作するので、Cinebench R23のマルチスレッドスコアは41000程度になります。スコア自体は電力制限無効化と同じですが、低電圧化を施しているので消費電力やCPU温度は大幅に下がっています。
またP-Coreの単コア最大ブーストクロックを6.0GHzにOCしているので、シングルスレッドスコアは2360程度に伸びています。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_VFc_Cinebench
Thermal Velocity Boostによって8コア負荷時にCPU温度が80度以上だとコア倍率 -2倍の制限をかけているのでCinebench R23のマルチスレッドベンチではP-Core All 5.5GHz動作となりますが、By Core Usage倍率による全コア最大動作倍率は57倍の設定なので、PCゲームのような軽い負荷であれば、P-Core All 5.7GHzで動作が可能となっており、ゲーム性能も向上する設定です。
13900K_P-Core-All-5.7GHz_In-Game

このOC設定においてストレステスト中のCPU温度とCPU使用率のログは次のようになりました。
マザーボードにASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用すると、V-Fカーブ低電圧化によってCore i9 13900KをP-Core All:5.5Hz、E-Core All:4.3GHzで安定動作させることができました。
CPUクーラーにはFractal Design Celsius S36を使用し、冷却ファンNoctua NF-A12x25 PWのファン回転数は1500RPMで固定しています。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_temp_1_13900K_VFc_1
上で説明した通りインゲームではP-Core All:5.7GHzになる設定ですが、クリエイティブタスクなどCPUにフル負荷がかかってCPU温度が80度を超えるとThermal Velocity Boostで全コア最大動作倍率が5.5GHzに下がります。結果として定格の最大動作倍率と同じですが、低電圧化によって最大値に張り付いた状態でもCPU Package Powerは260~280W程度に収まっています。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_temp_1_13900K_VFc_2

ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO環境でCore i9 13900KのP-Core All:5.5Hz、E-Core All:4.3GHzにV-Fカーブ低電圧化を施し、フル負荷をかけるとVRM電源への影響が大きいEPS電源経由の消費電力は320~330Wに達します。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_VFc_Power
そんなCPU消費電力300W超級のVRM電源負荷に対して、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」は90A対応Dr. MOSで構成される超堅牢な21フェーズVRM電源回路とパッシブ型のVRM電源クーラーという標準装備だけで、VRM電源温度はソフトウェアモニタリングとサーモグラフィーの両方で70度台に収めることができました。
「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」であれば、市販CPUクーラーで最高性能な360サイズ簡易水冷はもちろん、DIY水冷も含めて、Core i9 13900Kの常用OCに標準装備のみで十分に対応が可能です。

ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_VFc (1)
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_VFc (2)


最後に「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のメモリOC性能についてもチェックしておきます。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROの環境(BIOS:0703)のOC検証では検証機材メモリとして16GB2枚組み32GB容量のDDR5メモリキット「G.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK)」を使用しています。
同メモリに収録されたOCプロファイルによって、メモリ周波数7200MHz、メモリタイミング34-44-44-115というIntel第13世代CPU対応のDDR5メモリでは最速クラスのOC設定が安定動作しました。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_TZ5R_7200-C34 (1)
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_TZ5R_7200-C34 (2)



その他にもAMD EXPO対応メモリ「G.Skill Trident Z5 Neo(型番:F5-6000J3038F16GX2-TZ5N)」に収録されたOCプロファイルを使用することで、メモリ周波数6000MHz、メモリタイミング30-38-38-96が安定動作しました。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_TZ5N_6000-C30 (1)
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO_13900K_TZ5N_6000-C30 (2)





ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROのレビューまとめ

最後に「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • ROG MAXIMUSシリーズらしいブラック一色のクールなデザイン
  • Intel LGA1200互換のCPUクーラーマウントホール
  • Core i9 13900Kの単コア最大6.0GHz、インゲームP-Core All:5.7GHzのOCで安定動作
  • 90A対応Dr. MOSで構成された超堅牢な21フェーズVRM電源
  • 300W超のCPU消費電力でもVRM電源温度は70度前後に収まる
  • 16GB×2枚組みでメモリ周波数7200MHz/CL34が安定動作
  • 外部センサー搭載で水温ソースのファンコンも可能なので水冷PCにも最適
  • 重量級グラボにも耐えるメタルアーマー採用PCIEスロット「SAFESLOT」
  • PCIEスロット固定ラッチの解除を簡単にする新機能「PCIe Slot Q-Release」
  • ヒートシンク付きのNVMe対応M.2スロットをマザーボード上に3基搭載
  • マザーボード上のM.2スロットのうち2基はPCIE4.0x4接続に対応
  • PCIE4.0対応M.2スロット2基増設拡張ボード ROG HYPER M.2 CARDが付属
  • Thunrderbolt4対応Type-C端子×2をリアI/Oに標準搭載(iGPU経由でビデオ出力も可能)
  • Intel製2.5Gbイーサ(Intel I226)をリアI/Oに標準搭載
  • WiFi 6E&Bluetooth5.2対応無線LAN(Intel AX211)を標準搭載
  • スタート・リセットスイッチなど動作検証に便利なオンボードスイッチ
悪いところor注意点
  • Windows 11 22H2の標準ドライバでNICが動作しない(手動でドライバインストールが必要)
  • 製品価格が11万円ほどと高価

24コア32スレッド「Core i9 13900K」など第13世代Raptor Lake-S CPUに対応するZ790チップセット搭載マザーボードとしてリリースされた「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」は、MAXIMUS Z790シリーズの中ではエントリークラスの位置づけですが、ATXサイズZ790マザーボードでできることを限界まで詰め込んだ隙の無い構成です。
Core i9 13900Kの電力制限無効化やさらなるOCにも対応できる90A対応Dr. MOSで構成された21フェーズVRM電源回路を搭載することに始まり、リアIOに覆い被さる超巨大VRM電源クーラー、PCIE4.0対応を含む5基のNVMe SSD用M.2スロット、2基のThunderbolt4対応USB Type-Cポート、高速な2.5GbイーサやWiFi 6E対応無線LANなど次世代高速NIC、ALC4082&ESS製DACによるハイレゾ対応オンボードサウンドなど、ゲーマーからOCerまで満足すること間違いなしなハイエンドモデルに仕上がっています。

ASUS製マザーボードではお馴染みですがBIOSやマニュアルの日本語ローカライズ品質は主要4社の中でも随一となっており、BIOSのテキストベースUIの使い勝手も良好です。ゲーマー&OCer向けROGシリーズと言うと高価で上級者向け製品のイメージが強いかもしれませんが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」は初心者にも優しいマザーボードだと思います。


ASUS ROG MAXIMUS Z790 HEROを使用した検証機では24コ32スレッドのIntel Core i9 13900Kを単コア最大6.0GHz、インゲームでP-Core All 5.7GHzにOCし、クリエイティブタスク等のフル負荷ではP-Core All 5.5GHz、E-Core All 4.3GHzで動作するVFカーブ低電圧化を行い安定動作させることができました。

マザーボードのOC耐性を評価する上で重要なファクターになるVRM電源について、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」は非常に優秀な性能を発揮しました。「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」であれば市販の簡易水冷やDIY水冷など環境を選ばず、VRM電源周りは標準装備のままでCore i9 13900KをガンガンOCできます。

Core i9 13900Kはアウトボックス時点で絶対性能を重視した電力制限が適用されており、標準でEPS電源経由のCPU消費電力が300W前後に達しますが、その強烈なVRM電源負荷に対しても、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ではその強烈なVRM電源負荷に対しても、90A対応Dr. MOSなどで構成される21フェーズの超堅牢なVRM電源回路が適切に熱を分散します。
リアIOに覆い被さる超大型VRM電源ヒートシンク、CPUソケット上左のアルミニウム塊型ヒートシンクを連結するヒートパイプなどVRM電源クーラーの設計にこそ工夫が見られますが、あくまでパッシブ型という構造のまま、スポットクーラーの増設を必要とせずに、VRM電源温度を70度台に収めることができました。CPUを冷やせる限りで限界までOCを行っても十分に対応が可能です。


メモリOCについては、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」がサポートするDDR5メモリが登場したばかりということもあって評価が難しいのですが、検証機材に使用しているG.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK)のOCプロファイルによって、4xメモリスロットでは最速クラスとなるメモリ周波数7200MHz/メモリタイミングCL34が安定動作しました。
またIntel XMP3.0に対応した上記メモリだけでなく、AMD EXPO対応DDR5メモリでもメモリ周波数6000MHz/メモリタイミングCL30が安定動作しているので、現状、メモリOC回りで不足を感じることはないはずです。

ちなみにバックプレートの有無など前モデルROG MAXIMUS Z690 HEROとの違いはいくつかありますが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」へ買い替える最大のポイントはDDR5メモリの7000MHz超のOCに対応しているところだと思います。
今回検証機材として使用したG.Skill Trident Z5 RGB(型番:F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK)のXMPによる7200MHzのOCはZ690マザーボードだとハイエンド製品でも起動するもののメモリストレステストで安定させることができなかったのですが、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」ならプロファイル適用だけですんなりと動作しました。

以上、「ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO」のレビューでした。
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO


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